特許第6754235号(P6754235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6754235食品パック重積体の押え機構及びこれを用いた食品パック台
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754235
(24)【登録日】2020年8月25日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】食品パック重積体の押え機構及びこれを用いた食品パック台
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20200831BHJP
   A47F 5/01 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   B65D25/20 R
   A47F5/01
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-134957(P2016-134957)
(22)【出願日】2016年7月7日
(65)【公開番号】特開2018-2283(P2018-2283A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098682
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100131255
【弁理士】
【氏名又は名称】阪田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100125324
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 健
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸平
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−145054(JP,A)
【文献】 特開平11−128038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
B65D 1/34
A47F 5/00
A47F 7/00
B65B 67/00
A47G 19/02
A47G 19/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品パック重積体を、食品が収納される収納側を後方向きとして、且つ前方下り傾斜状
に設置するスタンドと、
該食品パック重積体の最前パックの上端を、自重により常時、押圧する手段と、を有し、
該押圧する手段が、上下方向に延びる縦材と、該縦材に接合される前方へ直線状に延び
る線材と、該縦材を上下移動自在に遊嵌するレール部材と、を有し、該線材は、略水平に支持され、該食品パック重積体の最前パックの上端に当接することを特徴とする食品パック重積体の押え機構。
【請求項2】
該線材は、円形断面の左右一対のもので、連結体で連結されていることを特徴とする請
求項記載の食品パック重積体の押え機構。
【請求項3】
側面視における該食品パック重積体の上端ラインと、側面視における該線材の直線状に
延びる直線ラインとは、傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品パッ
ク重積体の押え機構。
【請求項4】
該縦材が円形断面の線材であり、該レール部材が、中空管であることを特徴とする請求
1〜3のいずれか1項に記載の食品パック重積体の押え機構。
【請求項5】
該押圧する手段の重さが、100g〜300gであることを特徴とする請求項1〜
いずれか1項に記載の食品パック重積体の押え機構。
【請求項6】
該食品パックは、食品を収納する本体と、蓋体とを備えることを特徴とする請求項1〜
のいずれか1項に記載の食品パック重積体の押え機構。
【請求項7】
該食品パック重積体は、該本体と該蓋体が横並びとなる食品パックを、多数、重積した
ものであることを特徴とする請求項に記載の食品パック重積体の押え機構。
【請求項8】
該左右一対の線材の中、一方の線材が該本体と当接し、他方の線材が該蓋体と当接する
ことを特徴とする請求項記載の食品パック重積体の押え機構。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載の該食品パック重積体の押え機構を有することを
特徴とする食品パック台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の食品パックが重積された斜め縦置きの食品パック重積体から、手前の1枚の食品パックのみをスムーズに取り出せる食品パック重積体の押え機構及びこれを用いた食品パック台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパなどの惣菜置き場には、合成樹脂のシート材を原材として、本体と蓋体とを一体的に成型した食品パックの重積体が置かれている。顧客は、この食品パック重積体の手前のパック1枚を取り出し、片方の手に持ち、他方の手に持ったトングで惣菜などの食品を掴み、食品パックに収納し、蓋体を閉め且つゴムバンドで留めて買い物カゴに入れる。
【0003】
通常、食品パックは、薄状の合成樹脂シート材から成型され、惣菜売り場には、これを例えば、100枚、重積されたパック重積体として置かれている。この場合、顧客は、手前の1枚のパックのみを取り出すものの、重積されたパック間の静電気により、複数個がブロック状に引き出されることがある。パックが複数個、ブロック状に引き出されると、1枚を除いて元に戻すことは衛生上、好ましくない。また、元に戻さない場合、1枚を除いて廃棄物となる等の問題を生じる。
【0004】
特開平9−57841号公報には、重積体から容器を円滑に取り出す方法として、ポリプロピレンシートの熱成形により得られた重積可能な形状の容器であって、該容器を100個その形状に沿って重積した重積体について、1000mm/秒の速度で1個ずつ該容器を該重積体から取り外す際に、1個ずつ取り外せる個数が少なくとも95個であるような重積摩擦係数を有するポリプロピレン容器が開示されている。これによれば、重積時に他容器と接触する外面および内面の少なくとも一方の摩擦係数を特定の値より小さくするため、かかる容器の取り外し時の作業性が改良される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−57841号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開平9−57841号公報のポリプロピレン容器は、容器側からの改良であり、製造工程において、滑剤を塗布する工程が必要であり、製造コストを上昇させる。従って、パック重積体から複数個がブロック状に引き出される問題を、食品パック重積体を載せるスタンド(台)側から解決できれば、市販の全ての食品パック重積体に適用できて都合がよい。
【0007】
従って、本発明の目的は、重積された食品パック重積体から手前の1枚の食品パックを円滑に取り出せる食品パック重積体の押え機構及びこれを用いる食品パック台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、食品パック重積体を、食品が収納される収納側を後方向きとして、且つ前方下り傾斜状に設置するスタンドと、該食品パック重積体の最前パックの上端を、自重により常時、押圧する手段と、を有することを特徴とする食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該押圧する手段が、上下方向に延びる縦材と、該縦材に接合される前方へ直線状に延びる線材と、を有し、該線材は、略水平に支持され、該食品パック重積体の最前パックの上端に当接することを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該線材は、円形断面の左右一対のもので、連結体で連結されていることを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、側面視における該食品パック重積体の上端ラインと、側面視における該線材の直線状に延びる直線ラインとは、傾斜していることを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該縦材を上下移動自在に遊嵌するレール部材を更に、有することを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該縦材が円形断面の線材であり、該レール部材が、中空管であることを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該押圧する手段の重さが、100g〜300gであることを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、該食品パックは、食品を収納する本体と、蓋体とを備えることを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、該食品パック重積体は、該本体と該蓋体が横並びとなる食品パックを、多数、重積したものであることを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、該左右一対の線材の中、一方の線材が該本体と当接し、他方の線材が該蓋体と当接することを特徴とする前記食品パック重積体の押え機構を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、前記該食品パック重積体の押え機構を有することを特徴とする食品パック台を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、重積された食品パック重積体から手前の1枚の食品パックを円滑に取り出せる食品パック重積体の押え機構及びこれを用いる食品パック台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態における食品パック重積体の押え機構及び食品パック台の斜視図である。
図2図1の食品パック台の正面図である。
図3図1の食品パック重積体の押え機構及び食品パック台の分解斜視図である。
図4図1の食品パック台の一部の拡大断面図である。
図5図1の食品パック重積体の押え機構を説明する図である。
図6】食品パック重積体の押え機構における押圧手段の他の例である。
図7】食品パック重積体の押え機構における押圧手段の他の例である。
図8】食品パック重積体の押え機構における押圧手段の他の例である。
図9】食品パックと当接する線材の正面から見た端面図である。
図10】食品パックと当接する線材の正面から見た他の端面図である。
図11】食品パックと当接する線材の正面から見た他の端面図である。
図12】食品パックの半開き状態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態における食品パック重積体の押え機構及び食品パック台を図1図5を参照して説明する。本明細書中、前後方向及び左右方向は、設置状態における顧客側から見た方向を言う。食品パック台10は、食品パック重積体の押え機構50を備えるものである。食品パック重積体の押え機構50は、食品パック重積体Aを、食品が収納される収納側を後方向きとして、且つ前方下り傾斜状に設置するスタンド1と、食品パック重積体Aの最前パックaの上端71を、自重により常時、押圧する手段2と、を有する。
【0022】
食品パック重積体Aは、薄状の合成樹脂シート材から成型される食品パックaを、多数(例えば100枚)、重積した公知のものである。このため、通常、何の対策もせずに、最前の食品パックaを取り出す際、重積されたパック間の静電気により、複数個がブロック状に引き出されることがある。食品パックaは、例えば、図12に示すように、惣菜売り場等で使用される、食品を収納する本体61と、蓋体62とを備えるものが挙げられる。また、食品パックaは、本体61と蓋体62を接続する接続辺を有していてもよい。
【0023】
スタンド1は、食品パック重積体Aが設置されるものであり、箱型容器あるいは線材で形成された容器が挙げられる。本例では、円形断面の線材で形成されており、食品パック重積体Aの底端が当接する底部11と、食品パック重積体Aの後方端が当接する底部11に対して直角に延びる背もたれる部12と、食品パック重積体Aの左右方向への転落を防止する側部13、13とからなる。スタンド1は、基台3である左右一対の支柱31、31に対して、底部11が前方へやや登り傾斜となるように固定される。これにより、スタンド1に対して、食品パック重積体Aを、本体61と蓋体62が横並びとなるように、前方下り傾斜で設置することができる(図3及び図4)。食品パック重積体Aは、この設置状態において、側面視における食品パック重積体Aの上端ライン8は、底部11と平行であり、後方下り傾斜となっている。これにより、食品パック重積体Aの最前のパックaの上端71は、他のパックの上端中、一番高いことになる(図4)。
【0024】
食品パック重積体の押え機構50において、食品パック重積体Aの最前パックaの上端71を、自重により常時、押圧する手段2としては、上下方向に延びる縦材と、該縦材に接合される前方へ直線状に略水平に延びる線材を有するものであればよく、特に該線材が、連結体で連結される左右一対の線材であるものがよく、本例では、図3に示すような、上下方向に延びる左右一対の縦線材(丸棒部材)21、21と、縦材21、21の上端から前方へ直線状に延びる左右一対の線材(丸棒部材)22、22と、線材22、22を連結する連結体23とからなるものである。押圧する手段2において、線材22、22は、略水平に支持され、且つ食品パック重積体Aに乗せられている。このため、食品パック重積体Aの最前パックaの上端71に、押圧する手段2の自重が掛かる。
【0025】
食品パック重積体Aの最前パックaに当接する左右一対の線材は、本例では、金属製の最大径が2〜10mm、好ましくは4〜6mm程度の丸棒部材である(図1図2及び図9)。これにより、食品パック重積体Aから最前パックaを取り出す際、適度な摩擦を付与できる。金属製の丸棒部材の表面としては、平滑表面あるいは微小凹凸表面のいずれであってもよい。
【0026】
押圧する手段2において、左右一対の線材(丸棒部材)22、22の中、一方の線材22が最前パックaの本体61と当接し、他方の線材22が最前パックaの蓋体62と当接する。これにより、食品パック重積体Aの最前パックaのみをより取り出し易くなる。本体61と当接する線材22は、本体61の左右方向の長さの中心位置とし、蓋体62と当接する線材22は、蓋体62の左右方向の長さの中心位置とすることが好ましい。
【0027】
左右一対の縦線材(丸棒部材)21、21は、左右一対の前後方向に延びる線材22、22と直交する方向に延びるものが好ましい。これにより、左右一対の縦線材(丸棒部材)21、21をレール部材4に上下移動自在に嵌め込み、レール部材4を鉛直姿勢とすることで、左右一対の横線材22、22を水平姿勢にすることができる。レール部材4は、左右一対の縦線材(丸棒部材)21、21を、横方向の移動について規制しつつ、上下方向にはほとんど抵抗なく、移動自在に支持するものである。
【0028】
連結体23は、重りの機能を有する。すなわち、押圧する手段2である左右一対の縦線材21、21、左右一対の線材22、22及び連結体23の合計重量(自重)は、食品パック重積体Aを変形させることがなく、また、最前パックaをより取り出す際、最前パックa及び後方のパックaに適度な摩擦抵抗を付与できる重さが好ましく、例えば100〜300g、好ましくは150〜250gである。重すぎると食品パック重積体Aが少なくなった際、潰れる可能性があり、軽すぎると最前パックaの後方パックも連れ取りされることがある。
【0029】
連結体23は、本例では、図1図3に示すように、左右一対の線材22、22の上部を差渡し状に連結する板状体である。これにより、重り機能を奏しつつ、食品パック重積体Aから最前パックaを取り出す際の障害とならない。また、左右一対の線材22、22を固定するため、設置位置が安定する。
【0030】
レール部材4は、左右一対の縦部材21、21の姿勢を保持するガイド部材である。すなわち、レール部材4は、左右一対の縦部材21、21を上下移動自在に遊嵌するものであり、円形断面の丸棒部材(線材)が緩く嵌る丸孔を有する一対の中空管41を有する。本例では、一対の中空管41は、基台の支柱(パイプ)に相当する(図4参照)。レール部材4と縦部材21は、少なくとも、食品パック重積体Aの設置位置(待機位置)から最前パックaが取り出されるまでの間、嵌合状態が保持されるように、レール部材4の嵌合孔深さと縦部材21の嵌合長さが決定される。これにより、最前パックaが取り出される際、縦部材21が上方移動しても、外れることはない。レール部材4は、一対の中空管41と、それを連結する連結部42とからなる。レール部材4は、本例に限定されず、一対の支柱31、31の上部に別途形成してもよい。
【0031】
次に、食品パック重積体Aの押え機構50の作用について説明する。図4が待機位置である。すなわち、数十〜100枚のパックを重積した食品パック重積体Aがスタンド1に、前方下り傾斜状に設置されている。食品パック重積体Aの前方下り傾斜と、前方に延びる線材22とのなす角度(α)は、10〜35°、好ましくは15〜30°であればよい。角度(α)が、大き過ぎると最前パックaが取り出しにくく、小さ過ぎると、最前パックaより後方のパックが連れて出てくることがある。すなわち、側面視における食品パック重積体Aの上端ライン8と、側面視における線材22の直線状に延びる直線ライン9とは、傾斜している。
【0032】
押圧する手段2の一対の線材22は、鉛直方向に延びる中空孔を有する中空管41に、縦線材21が嵌合しているため、略水平姿勢を維持して前方に延びている。「略水平」としたのは、水平姿勢の他に、少しの登り傾斜や下り傾斜を含む意味である。図4において、一対の線材22は、食品パック重積体Aの前方の上端部、すなわち、最前のパックaの上端又は最前のパックaを含む数枚の上端、好ましくは最前のパックaの上端のみを自重により押圧している。この状態において、食品パック重積体Aの変形はない。
【0033】
図1の食品パック重積体Aの押え機構50において、顧客は、食品パック重積体Aから最前のパックaを把手により前方に引き出す。この際、引き出される最前のパックaの上端が、一対の線材22を押し上げつつ引き出される。この際、最前のパックaの上端近傍部は、極僅かな変形を起こし、最前のパックaとこれに隣接する後方のパックa間に僅かな隙間を発生させる。これにより、最前のパックaとこれに隣接する後方のパックa間に発生する静電気に拘らず、最前のパックaのみを取り出すことができる。また、他の理由としては、次のようなことが推測される。すなわち、最前のパックaを引き出す際、最前のパックaは、一対の線材22との摩擦抵抗に抗して引き出されるものの、最前のパックaと隣接する後方のパックaは、一対の線材22との摩擦抵抗に抗することができず、最前のパックaに連れて出ることができず、食品パック重積体Aのブロック内に収まったままとなる。これにより、最前のパックaとこれに隣接する後方のパックa間に発生する静電気による連れ出し現象が起こらず、最前のパックaのみを取り出すことができる。
【0034】
このように、食品パックaは次々に1枚毎、取り出される。それにつれ、押圧する手段2は、自重により徐々に下降し、常に、一対の線材22、22は食品パック重積体Aの最前パックa(nは整数)の上端を常時、押圧することになる。
【0035】
本発明の食品パック重積体Aの押え機構50は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形例を採ることができる。すなわち、押圧する手段2の連結体23は図1図3のものに限定されず、図6図8に示すようなものであってもよい。すなわち、図6の押圧する手段2aの連結体23aは、平面視における面積が大のものである。連結体23aによれば、一対の線材22を目隠しできると共に、天面にパックの取り外しの注意事項などが記載されたシール紙を貼付することができる。図7の押圧する手段2bの連結体23bは、左右一対の縦線材21、21に差渡し状に連結したものである。図8の押圧する手段2cの連結体23cは、左右一対の縦線材21、21の下端同士を差渡し状に連結した板状体である。この場合、レール部材4aは、支柱41a、41a間に差し渡された挿入溝411を有する連結部42aとすればよい。また、本発明においては、連結体を省略することができる。この場合、縦材(縦線材)と前方へ延びる線材を大径とするなどして重くすればよい。また、本発明において、縦材は、線材に限定されず、板状体であってもよい。この場合、前方に延びる線材は、板状体の上部に接続すればよい。
【0036】
また、押圧する手段2の一対の線材22としては、図9に示す実施の形態例の他、図10に示すような、半円形断面の線材22aであってもよい。半円形断面の線材22aは、円形側が食品パック重積体Aに当接する。また、図11に示すような、三角形断面の線材22bであってもよい。三角形断面の線材22bは、尖り部の先端221が食品パック重積体Aに当接する。また、一対の線材22は四角形以上の多角形断面であってもよい。この場合においても、尖り部の先端が食品パック重積体Aに当接する。このような、円形断面以外の線材の場合、最大径が2〜10mm、好ましくは4〜6mmとすればよい。
【0037】
また、食品パックは、図12に示す食品パックaに限定されず、惣菜などが入る収納部を有する本体のみのパックであってもよい。この場合、押圧する手段2の一対の線材22に代えて、1本の線材でよい。また、食品パック重積体Aの設置姿勢は、図1図3に限定されず、食品を収納する本体61と、蓋体62が縦並びで位置する設置姿勢であってもよい。
【0038】
本発明の食品パック台10は、食品パック重積体Aの押え機構50を有する。食品パック台10には、トング、トングスタンド及び使用済みトングスタンドなどが設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、食品パック重積体Aから手前の1枚のパックのみを取り出すことができる。このため、従来のように、重積されたパック間の静電気により、複数個がブロック状に引き出されることがない。従って、衛生的であり、連れ採れするパックの廃棄の問題も生じない。
【符号の説明】
【0040】
1 スタンド
2 押圧する手段
3 支柱(基台)
4 レール部
10 食品パック台
11 底部
12 背もたれ部
13 側部
21 縦線材
22 前方に延びる線材
23 連結体
41 中空管
50 食品パック重積体の押え機構
A 食品パック重積体
、a・・・a・・ 食品パック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12