(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
飲料に、難消化性グルカン、及び前記飲料中の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下となるように甘味料を配合することを含む、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善する方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の飲料は、当該飲料を最初に口に含んだときに感じる甘み、すなわち、飲料のファーストインパクトが量、質及びキレのいずれの面においても不十分であり、総合的な香味にも欠けるものであった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、味の厚み、甘味の付与及びキレの向上を維持しつつ、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善させ、総合的な香味が良好な飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、難消化性グルカン、及び甘味料を含有し、甘味料の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下である、飲料を提供する。本発明の飲料は、難消化性グルカンと、特定の量の甘味料とを含有することで、味の厚み、甘味の付与及びキレの向上を維持しつつ、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレが改善される。
【0007】
上記甘味料の含有量は、ショ糖換算で1000質量ppm以上であってもよい。これにより、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレが更に改善される。
【0008】
上記甘味料は、高甘味度甘味料であってもよい。これにより、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレが一層改善される。
【0009】
上記高甘味度甘味料は、アセスルファムカリウム、ステビア、スクラロース及びネオテームからなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。これらの高甘味度甘味料であれば、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレをより一層改善することができる。
【0010】
上記難消化性グルカンの含有量は、0.5〜3.0g/100mLであってもよい。これにより、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレが更に改善される。
【0011】
上記飲料は、アルコール飲料であってもよい。また、上記飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。さらに、上記飲料は、原料が麦原料を含んでもよい。
【0012】
上記飲料の苦味価は1〜30であってもよい。これにより、ファーストインパクトの量、質及びキレが更に優れたものとなる。
【0013】
本発明はまた、難消化性グルカン、及び飲料中の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下となるように甘味料を配合する工程を含む、飲料の製造方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、飲料に、難消化性グルカン、及び前記飲料中の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下となるように甘味料を配合することを含む、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善する方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、味の厚み、甘味の付与及びキレの向上を維持しつつ、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善させ、総合的な香味が良好な飲料、及びそれらの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本実施形態に係る飲料は、難消化性グルカン、及び甘味料を含有し、甘味料の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下である。
【0019】
本明細書において質量ppmとは、10
−4質量%を意味する。
【0020】
本明細書において難消化性グルカンとは、澱粉分解物(好ましくは、デキストロース当量(DE)が70〜100の澱粉分解物)を加熱重合させて得られる難消化性の食物繊維を意味する。この際、原料には、グルコース以外の単糖又はこれらの単糖を含むオリゴ糖等が含まれていてもよい。このような難消化性グルカンとしては、例えば、フィットファイバー#80(登録商標、日本食品化工株式会社製)等が挙げられる。なお、本明細書における「難消化性グルカン」は、難消化性グルカンそのものであってよく、難消化性グルカンを糖質分解酵素で処理した難消化性グルカン酵素処理物であってもよく、上記難消化性グルカン酵素処理物を分画処理した難消化性グルカン分画処理物であってもよく、難消化性グルカンにおける還元末端のアルデヒド基を水酸基に還元した難消化性グルカン還元処理物であってもよい。
【0021】
本実施形態に係る飲料において、難消化性グルカンの含有量は、0.5〜3.0g/100mLであってもよい。難消化性グルカンの含有量が上記範囲内であれば、味の厚み、甘味の付与及びキレの向上を維持しつつ、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを十分に改善することができる。難消化性グルカンの含有量は、飲料のファーストインパクトの量及び質を一層改善できる観点から、0.5g/100mL以上、1.0g/100mL以上、1.5g/100mL以上、又は2.0g/100mL以上であってもよく、3.0g/100mL以下、2.5g/100mL以下、2.0g/100mL以下、又は1.5g/100mL以下であってもよい。難消化性グルカンの含有量は、日本食品分析センター「栄養表示のための成分分析のポイント(2007年10月20日発行)」第76〜78頁に記載された方法に基づいて測定することができる。
【0022】
ここで、本明細書における「飲料のファーストインパクトの量、質及びキレ」について
図1を参照しながら説明する。
図1のグラフは、縦軸が甘味の量であり、横軸が時間である。飲料のファーストインパクトの量とは、飲料を口に含んだときに最初に感じる甘味の量をいう。
図1のグラフでは、感じる甘味の量が多いほど、グラフの高さが高くなる。すなわち、グラフの高さが高い
図1の(a)は、グラフの高さが低い(b)と比較して、ファーストインパクトの量が良好であるといえる。飲料のファーストインパクトの質とは、飲料を口に含んだときに最初に感じる甘味が、速やかに立ち上がる度合いと、スムーズに立ち上がる度合いをいう。
図1のグラフでは、感じる甘味が速やかに立ち上がるほど、グラフの立ち上がり方が急になる。すなわち、グラフの立ち上がり方が急である
図1の(a)は、グラフの立ち上がり方が緩やかである(b)と比較して、ファーストインパクトの質が良好であるといえる。また、
図1のグラフでは、感じる甘味がスムーズに立ち上がるほど、グラフの立ち上がり方が直線に近くなる。すなわち、グラフの立ち上がり方が直線に近い
図1の(a)は、グラフの立ち上がり方が不規則である(c)と比較して、ファーストインパクトの質が良好であるといえる。飲料のファーストインパクトのキレとは、飲料を口に含んだときに最初に感じる甘味の後味がすっきりしていると感じる度合いをいう。
図1のグラフでは、後味がすっきりしていると感じるほど、グラフの下がり方が急になる。すなわち、グラフの下がり方が急である
図1の(a)は、グラフの下がり方が緩やかである(b)と比較して、ファーストインパクトのキレが良好であるといえる。本実施形態に係る飲料は、これら飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを総合的に改善することができる。
【0023】
本明細書において甘味料とは、飲料又は食品に甘みを与える食品添加物を意味する。甘味料としては、例えば、糖類、糖アルコール類、高甘味度甘味料が挙げられる。糖類の具体例としては、グルコース、フルクトース、キシロース、ソルボース、ガラクトース、異性化糖(果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、高果糖液糖など)、スクロース、マルトース、イソマルトース、ラクトース、イソラクトース、パラチノース、マルトトリオース、ラフィノース、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノースなどが挙げられる。糖アルコール類の具体例としては、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトールなどが挙げられる。高甘味度甘味料の具体例としては、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、ステビア、酵素処理ステビア、スクラロース、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ソーマチン、ラカンカなどが挙げられる。これら甘味料の中でも、飲料のファーストインパクトの量及び質を一層改善することができる観点から、高甘味度甘味料が好ましい。また、高甘味度甘味料の中でも、飲料のファーストインパクトの量及び質をより一層改善することができる観点から、アセスルファムカリウム、ステビア、スクラロース及びネオテームからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。甘味料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0024】
本実施形態に係る飲料において、甘味料の含有量は、ショ糖換算で5500質量ppm以下である。甘味料の含有量は、飲料のファーストインパクトの量及び質を一層改善できる観点から、ショ糖換算で5000質量ppm以下、4500質量ppm以下、4000質量ppm以下、3500質量ppm以下、3000質量ppm以下、2500質量ppm以下、又は2000質量ppm以下であってもよい。また、本実施形態に係る飲料において、甘味料の含有量は、飲料のファーストインパクトの量及び質を一層改善できる観点から、ショ糖換算で1000質量ppm以上、1500質量ppm以上、2000質量ppm以上、2500質量ppm以上、又は3000質量ppm以上であってもよい。なお、甘味料の含有量は、甘味料を2種以上含有する場合は、各甘味料の合計含有量を意味する。本明細書においてショ糖換算とは、ショ糖の甘味度を基準として各甘味料の甘味度を換算することをいう。具体的には、アセスルファムカリウム1質量ppmはショ糖換算で200質量ppmに相当し、ステビア1質量ppmはショ糖換算で400質量ppmに相当し、スクラロース1質量ppmはショ糖換算で600質量ppmに相当し、ネオテーム1質量ppmはショ糖換算で10000質量ppmに相当する。甘味料の含有量は、HPLCを用いた液体クロマトグラフ質量分析(LC/MS)等によって測定することができる。
【0025】
本実施形態に係る飲料は、本発明による効果を阻害しない限り、飲料に通常配合される着色料、酸味料、酸化防止剤、香料、塩類等の添加剤を含有してもよい。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素が挙げられる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールが挙げられる。塩類としては、例えば、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムが挙げられる。
【0026】
本実施形態に係る飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料(実質的にアルコールが含まれていない飲料)であってもよい。本実施形態に係る飲料がアルコール飲料である場合、当該アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1〜20%であってよい。具体的には、1%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、3.5%以上、又は4%以上であってよく、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、又は5%以下であってよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
【0027】
本実施形態に係る飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。本明細書においてビールテイスト飲料とは、ビールのような味及び香りを呈するものであって、飲用の際にビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。ビールテイストアルコール飲料としては、例えば、日本国酒税法(昭和二十八年二月二十八日法律第六号)上のビール、発泡酒、その他の醸造酒、リキュールに分類されるものが挙げられる。
【0028】
本実施形態に係る飲料は、原料が麦原料を含んでもよい。本明細書において「麦原料」とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。本実施形態に係る飲料において、原料が麦原料を含無場合、当該麦原料は、麦芽を含むことが好ましい。また、本実施形態に係る飲料の原料が麦原料を含む場合、原料(水、ホップを除く)における麦芽の使用比率は、50%未満であってよく、25%未満であることが好ましい。
【0029】
本実施形態に係る飲料は、苦味価(BU)が1〜30であってよい。本明細書において苦味価とは、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定される数値をいう。本実施形態に係る飲料において、苦味価は、ファーストインパクトの量、質及びキレを一層優れたものとする観点から、5〜25であることが好ましく、10〜20以下であることがより好ましい。なお、苦味価は、例えば、飲料に添加するイソα酸、ホップ(乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキス等)等の苦味成分の配合量を調整することで、上記範囲で適宜設定することができる。
【0030】
本実施形態に係る飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、本実施形態における非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm
2)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm
2)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.235MPa(2.4kg/cm
2)程度としてもよい。
【0031】
本実施形態の飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器であってもよい。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等であってもよい。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器であってもよい。
【0032】
本実施形態に係る飲料の製造方法は、難消化性グルカン、及び飲料中の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下となるように甘味料を配合する工程を含む。本工程で配合する難消化性グルカンの量は、適宜設定することができ、例えば、上記記載の範囲になるように配合してもよい。
【0033】
配合工程は、飲料の製造工程中のいずれかの段階で行えばよい。例えば、飲料の原料を混合する混合タンクに配合することができる。当該混合タンクには、難消化性グルカン及び甘味料の配合前、配合と同時及び配合後のいずれかのタイミングで、所定量の水、アルコール、各種添加剤等を配合することができる。これらの配合の有無及び配合量は、適宜設定することができる。
【0034】
以下、本実施形態に係る飲料の製造方法の一例を説明する。製造方法は、水等の原料液、及び必要に応じて蒸留アルコール、苦味成分、各種添加剤等が投入された混合タンクに、難消化性グルカンと甘味料とを配合する配合工程と、配合工程において各成分が混合した混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ビン、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を含む。
【0035】
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一の殺菌工程及び第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
【0036】
本実施形態に係る飲料は、当該飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善させる効果を奏する。したがって、本発明の一実施形態として、飲料に、難消化性グルカン、及び前記飲料中の含有量がショ糖換算で5500質量ppm以下となるように甘味料を添加することを含む、飲料のファーストインパクトの量、質及びキレを改善する方法が提供される。
【実施例】
【0037】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
〔試験例1:食物繊維と甘味料との組み合わせによるファーストインパクトの量、質及びキレの効果(1)〕
水に、食物繊維(難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製)又はポリデキストロース(CJ CheilJedang Corporation製))、及びアセスルファムK(サネット、MCフードスペシャリティーズ株式会社製)を表1に示す含有量となるように添加して調製したサンプル1−1〜1−10の飲料について官能評価を行った。
官能評価は、訓練された4名のパネルにより、ファーストインパクトの量、質及びキレの総合的な評価について、5段階(5:非常に良好、4:良好、3:普通、2:不十分、1:非常に不十分)で行い、その平均値を評価スコアとした。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
食物繊維として難消化性デキストリン又はポリデキストロースを含有し、甘味料としてアセスルファムKを含有するサンプル1−9又は1−10では、ファーストインパクトの量、質及びキレが不十分であった。これに対し、食物繊維として難消化性グルカンを含有し、甘味料としてアセスルファムKを含有するサンプル1−2〜1−7ではファーストインパクトの量、質及びキレが改善されることが確認された。なお、難消化性グルカンを含有するものの、アセスルファムKの含有量がショ糖換算で6000質量ppmであるサンプル1−8では、甘味が強くなりすぎたために、ファーストインパクトの量、質及びキレの総合的な評価としてはサンプル1−2〜1−7と比較して劣ることが確認された。
【0041】
〔試験例2:食物繊維と甘味料との組み合わせによるファーストインパクトの量、質及びキレの効果(2)〕
水に、食物繊維(難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製)又はポリデキストロース(CJ CheilJedang Corporation製))、及びステビア(レバウディオJ−100、守田化学工業株式会社製)を表2に示す含有量となるように添加して調製したサンプル2−1〜2−9の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
食物繊維として難消化性デキストリン又はポリデキストロースを含有し、甘味料としてステビアを含有するサンプル2−8又は2−9では、ファーストインパクトの量、質及びキレが不十分であった。これに対し、食物繊維として難消化性グルカンを含有し、甘味料としてステビアを含有するサンプル2−2〜2−6ではファーストインパクトの量、質及びキレが改善されることが確認された。なお、難消化性グルカンを含有するものの、ステビアの含有量がショ糖換算で6000質量ppmであるサンプル2−7では、甘味が強くなりすぎたために、ファーストインパクトの量、質及びキレの総合的な評価としてはサンプル2−2〜2−6と比較して劣ることが確認された。
【0044】
〔試験例3:甘味料の種類によるファーストインパクトの量、質及びキレの効果〕
水に、難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、及び甘味料(スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)又はネオテーム(ミラスィー200 DSP、五協フード&ケミカル株式会社製))を表3に示す含有量となるように添加して調製したサンプル3−1及び3−2の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
甘味料としてスクラロース又はネオテームを含有するサンプル3−1又は3−2についても、アセスルファムK、ステビアを用いたときと同様に、ファーストインパクトの量、質及びキレが良好であることが確認された。
【0047】
〔試験例4:ビールテイスト飲料における難消化性デキストリンと甘味料との組み合わせによるファーストインパクトの量、質及びキレの効果〕
ビールテイスト飲料(原料(水、ホップを除く)における麦芽の使用比率:25%以下、アルコール度数:5%、苦味価:17)を常法により調製し、得られたビールテイスト飲料に難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、及び甘味料(アセスルファムK(サネット、MCフードスペシャリティーズ株式会社製)又はステビア(レバウディオJ−100、守田化学工業株式会社製))を表4に示す含有量となるように添加して調製したサンプル4−1及び4−2の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
難消化性デキストリンと甘味料とを組み合わせて用いることにより、ビールテイスト飲料においても、ファーストインパクトの量、質及びキレが良好であることが確認された。