特許第6754238号(P6754238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6754238物体と対象物との間の距離を検知するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754238
(24)【登録日】2020年8月25日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】物体と対象物との間の距離を検知するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 3/06 20060101AFI20200831BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   G01C3/06 120S
   G01B11/02 H
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-142950(P2016-142950)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-13406(P2018-13406A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】501378974
【氏名又は名称】アペックスエナジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516205063
【氏名又は名称】TLC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】平田 正彦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】韓 元渉
【審査官】 眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−080952(JP,A)
【文献】 特開2009−198241(JP,A)
【文献】 特開2008−122398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 3/00−3/32
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体と対象物との間の距離を検知する装置であって、
前記物体に光を照射する直進光源と、
前記物体により反射された前記光が前記対象物上に形成する前記物体に固有の形状のパターンの少なくとも一部を撮影するカメラと、
撮影された前記パターンの少なくとも一部から前記パターンの特徴点を検出し、
前記特徴点に基づいて前記パターンの所定の部分の現在の大きさを求め、
前記物体と前記対象物との間の距離が特定の値であるときの前記所定の部分の既知の大きさと、前記所定の部分の求められた前記現在の大きさとを比較して、現在の前記距離を検知する
ように構成された処理部と
を備える、装置。
【請求項2】
前記処理部は、
移動機構を介して前記物体を前記対象物に対して移動させ、
前記現在の大きさが前記既知の大きさよりも大きい場合、前記物体を前記対象物に近づけるように前記移動機構を制御する
ようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記物体は前記対象物に対して処理を行う工具であり、前記特定の値は、前記処理のために適切であるとして事前に規定された、前記工具と前記対象物との間の距離であり、
前記処理部は、
前記現在の大きさが前記既知の大きさに等しくなるとき、前記工具の移動を停止する
ようにさらに構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記工具は前記対象物に液体を塗布するディスペンサである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記固有の形状は円又は楕円であり、前記所定の部分は前記円の直径もしくは半径又は前記楕円の長径もしくは短径である、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記直進光源は、前記直進光源から照射される光と前記物体とがなす角度が45度以上90度未満であるように配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記角度は約60度である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
物体と対象物との間の距離を検知する方法であって、
前記物体に直進光を照射するステップと、
前記物体により反射された光が前記対象物上に形成する前記物体に固有の形状のパターンの少なくとも一部を撮影するステップと、
撮影された前記パターンの少なくとも一部から前記パターンの特徴点を検出するステップと、
前記特徴点に基づいて前記パターンの所定の部分の現在の大きさを求めるステップと、
前記物体と前記対象物との間の距離が特定の値であるときの前記所定の部分の既知の大きさと、前記所定の部分の求められた前記現在の大きさとを比較して、現在の前記距離を検知するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
移動機構を介して前記物体を前記対象物に対して移動させるステップと、
前記現在の大きさが前記既知の大きさよりも大きい場合、前記物体を前記対象物に近づけるように前記移動機構を制御するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記物体は前記対象物に対して処理を行う工具であり、前記特定の値は、前記処理のために適切であるとして事前に規定された、前記工具と前記対象物との間の距離であり、
前記現在の大きさが前記既知の大きさに等しくなるとき、前記工具の移動を停止するステップ
をさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記工具は前記対象物に液体を塗布するディスペンサである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記固有の形状は円又は楕円であり、前記所定の部分は前記円の直径もしくは半径又は前記楕円の長径もしくは短径である、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記直進光と前記物体とがなす角度が45度以上90度未満である、請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記角度は約60度である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体と対象物との間の距離を検知するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工業用ロボットやNC(numerical control)工作機器などの装置において、対象物と当該対象物に対して処理を行う工具などの物体との間の距離を検出するために、赤外線やレーザーの到達時間に基づいて距離を算出するセンサが用いられている。
例えば、特許文献1には、第1投光部と、第2投光部と、撮像部と、演算処理部とを備える装置が開示されている。このような構成により、第1投光部及び第2投光部から照射された光の反射光が戻ってくるまでの時間測定値に基づいて、対象物までの距離を計測したり、対象物の寸法情報を算出したりすることができる。 しかしながら、このような従来の技術においては、複数の光源が必要になり、装置の構成が複雑になるという問題がある。また、対象物に対して工具などの物体を適切な位置に配置するために初期設定を行うには、装置の動作によって得られる距離や寸法などの数値情報に基づいて適切な位置を判断する必要がある。したがって、目視などの簡便な方法で比較的正確に初期設定を行うことは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−77668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑み、本発明は、目視などの簡便な方法で比較的正確に初期設定を行うことができ且つ簡易な構成を有する、工具などの物体と対象物との間の距離を検知するための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態は、物体と対象物との間の距離を検知する装置であって、前記物体に光を照射する直進光源と、前記物体により反射された前記光が前記対象物上に形成する前記物体に固有の形状のパターンの少なくとも一部を撮影するカメラと、撮影された前記パターンの少なくとも一部から前記パターンの特徴点を検出し、前記特徴点に基づいて前記パターンの所定の部分の現在の大きさを求め、前記物体と前記対象物との間の距離が特定の値であるときの前記所定の部分の既知の大きさと、前記所定の部分の求められた前記現在の大きさとを比較して、現在の前記距離を検知するように構成された処理部とを備える、装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、目視などの簡便な方法で比較的正確に初期設定を行うことができ且つ簡易な構成を有する、工具などの物体と対象物との間の距離を検知するための装置を提供することができる。
【0007】
本発明のその他の特徴及び利点は、後述する実施形態の説明、添付の図面及び特許請求の範囲の記載から明らかなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による、物体と対象物との間の距離を検知するための装置の基本構成のブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による、装置の例示的な構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態の装置により実現される、物体と対象物との間の距離を検知するための処理のフローチャートである。
図4】カメラの撮影範囲とパターンとの間の関係の一例を示す図である。
図5】物体に固有の形状のパターンと物体及び対象物の間の距離との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施形態による装置及び方法は、以下のような構成を備える。
(項目1)
物体と対象物との間の距離を検知する装置であって、
前記物体に光を照射する直進光源と、
前記物体により反射された前記光が前記対象物上に形成する前記物体に固有の形状のパターンの少なくとも一部を撮影するカメラと、
撮影された前記パターンの少なくとも一部から前記パターンの特徴点を検出し、
前記特徴点に基づいて前記パターンの所定の部分の現在の大きさを求め、
前記物体と前記対象物との間の距離が特定の値であるときの前記所定の部分の既知の大きさと、前記所定の部分の求められた前記現在の大きさとを比較して、現在の前記距離を検知する
ように構成された処理部と
を備える、装置。
【0010】
(項目2)
前記処理部は、
移動機構を介して前記物体を前記対象物に対して移動させ、
前記現在の大きさが前記既知の大きさよりも大きい場合、前記物体を前記対象物に近づけるように前記移動機構を制御する
ようにさらに構成される、項目1に記載の装置。
【0011】
(項目3)
前記物体は前記対象物に対して処理を行う工具であり、前記特定の値は、前記処理のために適切であるとして事前に規定された、前記工具と前記対象物との間の距離であり、
前記処理部は、
前記現在の大きさが前記既知の大きさに等しくなるとき、前記工具の移動を停止する
ようにさらに構成される、項目1又は2に記載の装置。
【0012】
(項目4)
前記工具は前記対象物に液体を塗布するディスペンサである、項目3に記載の装置。
(項目5)
前記固有の形状は円又は楕円であり、前記所定の部分は前記円の直径もしくは半径又は前記楕円の長径もしくは短径である、項目1から4のいずれか1項に記載の装置。
【0013】
(項目6)
前記直進光源は、前記直進光源から照射される光と前記物体とがなす角度が45度以上90度未満であるように配置される、項目1から5のいずれか1項に記載の装置。
【0014】
(項目7)
前記角度は約60度である、項目6に記載の装置。
(項目8)
物体と対象物との間の距離を検知する方法であって、
前記物体に直進光を照射するステップと、
前記物体により反射された光が前記対象物上に形成する前記物体に固有の形状のパターンの少なくとも一部を撮影するステップと、
撮影された前記パターンの少なくとも一部から前記パターンの特徴点を検出するステップと、
前記特徴点に基づいて前記パターンの所定の部分の現在の大きさを求めるステップと、
前記物体と前記対象物との間の距離が特定の値であるときの前記所定の部分の既知の大きさと、前記所定の部分の求められた前記現在の大きさとを比較して、現在の前記距離を検知するステップと
を含む、方法。
【0015】
(項目9)
移動機構を介して前記物体を前記対象物に対して移動させるステップと、
前記現在の大きさが前記既知の大きさよりも大きい場合、前記物体を前記対象物に近づけるように前記移動機構を制御するステップと
をさらに含む、項目8に記載の方法。
【0016】
(項目10)
前記物体は前記対象物に対して処理を行う工具であり、前記特定の値は、前記処理のために適切であるとして事前に規定された、前記工具と前記対象物との間の距離であり、
前記現在の大きさが前記既知の大きさに等しくなるとき、前記工具の移動を停止するステップ
をさらに含む、項目8又は9に記載の方法。
【0017】
(項目11)
前記工具は前記対象物に液体を塗布するディスペンサである、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記固有の形状は円又は楕円であり、前記所定の部分は前記円の直径もしくは半径又は前記楕円の長径もしくは短径である、項目8から11のいずれか1項に記載の方法。
【0018】
(項目13)
前記直進光源は、前記直進光源から照射される光と前記物体とがなす角度が45度以上90度未満であるように配置される、項目8から12のいずれか1項に記載の方法。
【0019】
(項目14)
前記角度は約60度である、項目13に記載の方法。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による、工具などの物体と対象物との間の距離を検知するための装置100の基本構成のブロック図である。図示されるように、装置100は、光源102、カメラ104及び処理部106を備える。処理部106は、各種データを記憶する記憶部107を含んでもよい。装置100は、さらに、工具などの物体を取り付けることができ、処理部106による制御によって当該物体を移動することができる、移動機構(図示せず)を備えてもよい。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態による装置200の例示的な構成を示す図である。図2に示す装置200は、光源102(例えば、秋月電子製LM−101−A)、カメラ104(例えば、マイクロソフト社製LifeCam)及び処理部106(例えば、プロセッサ、パーソナルコンピュータ(PC)など)を備える。
【0022】
装置200は、物体208と対象物216との間の距離に関する情報を検知するように動作することができる。物体208は、例えば、対象物216に対して所定の処理(液体の塗布など)を行うのに適した工具(例えば、BANSEOK社製BR−50)であってもよい。物体208は、第1の部分208A(例えば、金属製ニードル)と、第1の部分208Aを支持する第2の部分208Bとを含んでもよい。具体的には、物体208は、接着剤やシール材などの液体を対象物216に塗布するディスペンサであってもよい。しかしながら、物体208の例は、ディスペンサに限定されず、溶接、ネジ締め、はんだ付けなどに使用される工具を含んでもよい。別の例として、対象物216が圧力に対して脆弱な導電性のガラス基板であり、物体208がテスタのリード棒であってもよい。
【0023】
物体208は、移動機構212(例えば、BANSEOK社製三軸FAロボット(EcoYes、331タイプ))に取り付けられてもよい。移動機構212を動かすことにより、物体208は、対象物216に対して近づけたり遠ざけたりすることができる。図2は、光源102及びカメラ104もまた移動機構212に取り付けられるように描かれている。しかしながら、光源102及び/又はカメラ104は、移動機構212とは独立して移動するように構成されてもよいし、所定の位置に固定されてもよい。
【0024】
処理部106は、光源102及びカメラ104と有線又は無線で通信するように接続され、光源102及びカメラ104を制御することができる。処理部106はまた、物体208及び移動機構212と有線又は無線で通信するように接続され、物体208及び移動機構212を制御するように構成されてもよい。
【0025】
光源102は、好ましくは直進光源であり、直進光を物体208(特に、第1の部分208A)に照射する。光源102は、214Aで示すように、第1の部分208Aの先端に直進光を照射するように配置されてもよい。しかしながら、光源102の配置はこれに限定されない。他の例では、光源102は、214Bで示すように、第1の部分208Aの先端から離れた位置に直進光を照射するように配置されてもよい。以下では、光源102から照射される直進光214A、214Bなどの光をまとめて「直進光214」と呼ぶこととする。
【0026】
物体208(例えば、第1の部分208A)は、直進光214を反射する特性を有する様々な物体を含み得る。例えば、第1の部分208Aは、金属製ニードルを含んでもよい。別の例では、第1の部分208Aは、プラスチック製の物体にアルミニウムなどの金属を蒸着することにより作製されてもよい。
【0027】
物体208によって反射された直進光214は、対象物216上に、物体208に固有の形状を有するパターン(「光跡」と呼んでもよい)218を形成し得る。以下により詳細に説明するように、装置200は、パターン218の所定の部分の大きさ等に基づいて、物体208と対象物216との間の距離を検知(又は、把握)し、当該距離が適切となるよう、物体208を対象物216に対して移動させることができる。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態の装置により実現される、物体と対象物との間の距離を検知するための処理のフローチャートである。本発明の一実施形態は、図3に示す各ステップを実行するように構成される装置である。また、別の実施形態において、本発明は、図3に示す処理を実行する方法として実施することができる。
【0029】
図4及び図5は、図3に示す処理の説明を補足する図である。以下、図2から図5を参照しながら、本発明の実施形態について具体的に説明する。
以下、図3に示す各ステップが処理部106によって実行されるものとして説明する。しかし、これは一例にすぎず、図3に示す処理の一部は、処理部106に接続された別のコンピュータやプロセッサによって実行されてもよいし、光源102、カメラ104及び/又は移動機構212に接続された別のコンピュータやプロセッサによって実行されてもよい。
【0030】
ステップ302において、処理部106は、光源102によって、物体208に直進光214を照射する。光源102は、半導体レーザなどのレーザ光源であってもよい。光源102はまた、広がりを持つ光を放射する白色光源などの光源と、当該光源から放射される光を直進光に変換するスリットなどの変換部とを含むように構成されてもよい。光源102は、直進光214と物体208とがなす角度(図2における入射角Θ)が一定の値を保つように配置されてもよい。当該角度は、例えば45度以上90度未満であり、好ましくは、約60度とすることができる。上述のように、光源102は、直進光214を、物体208の先端(例えば、第1の部分208Aの先端)に向けて照射してもよいし、物体208の他の部分(例えば、第1の部分208Aの中間付近)に向けて照射してもよい。好ましくは、光源102は、対象物216の色とは異なる色の直進光を照射するように構成される。
【0031】
ステップ304において、処理部106は、物体208により反射された光が対象物216上に形成するパターン218を、カメラ104によって撮影する。パターン218は、物体208に固有の形状を有し得る。例えば、物体208が円柱の形状を有する場合、図2に示すように、パターン218は円又は楕円の形状を有し得る。しかしながら、これはパターン218の一例にすぎない。本発明の様々な実施形態において、物体208は、円柱のほか、角柱、円錐、角錐、その他の多面体などの様々な形態をとり得る。物体208の形態に応じて、パターン218もまた様々な形状を有し得る。
【0032】
カメラ104は、パターン218の少なくとも一部が撮影範囲に含まれるような位置及び向きに配置される。より具体的には、パターン218の当該少なくとも一部が、パターン218の所定の部分(例えば、円形のパターン218の直径又は半径、楕円形のパターン218の長径又は短径など)を求めるために必要な、パターン218の特徴点を含むように、カメラ104が配置される。カメラ104は、必ずしも物体208に対して固定の位置に配置される必要はなく、上記のようなパターン218の少なくとも一部を撮影することができる限り、任意の位置に配置することができる。
【0033】
ステップ304において撮影されたパターン218のデータは、処理部106内の記憶部107に記憶されてもよいし、別の記憶装置等に記憶されてもよい。
図4は、カメラ104の撮影範囲420とパターン218との間の関係の一例を示す。図4(A)の例では、パターン218は楕円形状を有しており、その半分以上がカメラ104の撮影範囲420に含まれている。
【0034】
図4(B)は、図4(A)の撮影範囲420及びパターン218を真上から見た平面図を示す。パターン218の半分以上が撮影範囲420内に含まれるため、パターン218の所定の部分(例えば、楕円の短径424)の大きさを求めるために必要なパターン218の特徴点(例えば、特徴点422A、422B及び422C)が撮影範囲420内に含まれる。
【0035】
ステップ306において、処理部106は、撮影されたパターン218の少なくとも一部からパターン218の特徴点(例えば、図4(B)における特徴点422A、422B及び422Cのうち、少なくとも特徴点422A又は422C及び422B)を検出する。一例として、処理部106にOpenCVライブラリがインストールされていてもよい。処理部106は、これを用いたコンピュータビジョン技術により、撮影された画像に含まれるパターン218を認識し、特徴点を検出してもよい。
【0036】
ステップ308において、処理部106は、検出された特徴点に基づいて、パターン218の所定の部分の現在の大きさを求める。例えば、図4の例では、特徴点422A又は422C及び422Bに基づいて、楕円形状を有するパターン218の短径424の長さが求められる。求められた値は記憶部107等に記憶されてもよい。
【0037】
ステップ308において、処理部106は、物体208と対象物216との間の距離を算出してもよい。図5は、物体208(特に、第1の部分208A)に固有の形状のパターン218の大きさと、物体208及び対象物216の間の距離Zとの関係の一例を示す。BANSEOK社製ニードルBMN(長さ:13mm)を物体208として用いて、距離Z及びパターン218の大きさの関係を実際に測定した。光源102から照射される直進光214と物体208とがなす角Θは60°に設定された。物体208は円柱の形状を有しており、この場合、円形の形状を有するパターン218が現れることが確認された。測定された距離Zとパターン(円)218の直径Lとの間の関係を以下に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
物体208により反射された光が散乱される領域が円錐の形状を有するものとし、直進光の線幅及び物体208上の照射位置を考慮すると、次の式が成立することが分かった。
L=1.732×2×(Z+0.9)
したがって、この例では、距離Zは次式により算出することができる。
【0040】
Z=L/(1.732×2)−0.9
より一般的に表現すると次式のようになる。
Z=L/(√3×2)−B
ここで、Bは、物体208上の光が照射される位置と直進光の幅とから事前に得られる定数である。
【0041】
以上のように、ステップ308において得られたパターン218の大きさから、物体208と対象物216との間の距離を算出することが可能である。
ステップ310において、処理部106は、物体208と対象物216との間の距離が特定の値であるときのパターン218の所定の部分の既知の大きさと、当該所定の部分の求められた現在の大きさとを比較する。当該特定の値は、物体208による対象物216に対する処理にとって適切な、事前に知られている距離であってもよい。
【0042】
上記の特定の値を事前に設定する方法の一例を説明する。ここでは、物体208が、対象物216に液体を塗布するために使用されるディスペンサである場合を想定する。発泡スチロールなどの、ディスペンサ208の先端を傷つけない材料からなる仮の対象物216’をディスペンサ208の下に配置する。ディスペンサ208を対象物216’に対して様々な距離に移動させ、液体の塗布にとって適切な、ディスペンサ208と対象物216’との間の距離を調べる。当該適切な距離は、処理部106内の記憶部107や、他の記憶手段に記憶されてもよい。さらに、ディスペンサ208と対象物216’との間の距離が上記適切な距離となるとき、パターン218の少なくとも一部を撮影し、撮影されたパターン218の少なくとも一部からパターン218の特徴点を検出し、特徴点に基づいて、パターン218の所定の部分(例えば、楕円の短径)の大きさを求める。このような、物体208と対象物216との間の距離が特定の値(上記の例では、適切な距離)であるときのパターン218の所定の部分の大きさは、記憶部107や他の記憶手段に記憶されてもよい。
【0043】
ステップ310において、処理部106は、上述のような所定の部分の既知の大きさを記憶部107等から読み出し、当該既知の大きさと、ステップ308において求められた現在の大きさとを比較する。
【0044】
処理はステップ312に進み、パターン218の所定の部分の現在の大きさが既知の大きさ(例えば、上記の例における適切な距離)より大きい場合(ステップ312の「Y」)、処理はステップ314に進み、処理部106は、物体208を対象物216に近づける。例えば、処理部106は、移動機構212を介するなどして物体208を移動させてもよい。その後、処理はステップ310の前に戻る。
【0045】
パターン218の所定の部分の現在の大きさが既知の大きさ以下である場合(ステップ312の「N」)、処理はステップ316に進む。物体208を対象物216から遠く離れた位置から近づけていく場合、ステップ316の処理は必ずしも必要ではない。このことを表すため、図3において、ステップ316及びこれに伴うステップ318のブロックは点線で囲まれている。
【0046】
現在の大きさが既知の大きさより小さい場合(ステップ316の「Y」)、処理はステップ318に進み、処理部106は、物体208を対象物216から遠ざける。その後、処理はステップ310の前に戻る。
【0047】
現在の大きさが既知の大きさに等しい場合(ステップ316の「N」)、処理はステップ320に進み、処理部106は、物体208の移動を停止させる。これにより、処理300は終了する。
【0048】
上述のように、ステップ310から320の処理により、パターン218の所定の部分に関する現在の大きさと既知の大きさとの比較によって、物体208と対象物216との間の距離を検知し、当該距離が適切となるよう物体208を移動させることができる。
【0049】
図3に示す本発明の一実施形態の方法300により、物体208と対象物との間の距離を検知することができる。さらに、物体208が対象物216に対して行う処理(例えば、ディスペンサによる液体の塗布)のために適切な位置へと、物体208を移動させることができる。
【0050】
上述の実施形態によれば、簡易な構成を有する、工具などの物体と対象物との間の距離を検知するための装置を提供することができる。
また、パターン218を視認することができるという特徴及びパターン218が小さいほど物体208と対象物216との間の距離が小さいという特徴を利用することにより、目視などの簡便な方法で、物体208と対象物216の配置の初期設定を比較的正確に行うことができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態による装置及び方法について具体的に説明したが、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の技術的思想は、装置及び方法のほか、説明した実施形態の方法をコンピュータに実行させるプログラムなどの様々な態様で実施することが可能であることが理解されよう。また、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施形態の変更、追加、改良などを適宜行うことができることが理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて解釈されるべきであり、さらにその均等物を含むものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0052】
100…装置、102…光源、104…カメラ、106…処理部、107…記憶部、200…装置、208…物体、208A…第1の部分、208B…第2の部分、212…移動機構、214A、214B…直進光、216…対象物、218…パターン、420…撮影範囲、424…所定の部分、422A、422B、422C…特徴点
図1
図2
図3
図4
図5