(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吐出口決定部は、前記複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の第1の吐出口として基板の周縁部の内縁に対向する吐出口および前記内縁よりも外方の領域に対向する吐出口を決定し、
前記吐出制御部は、前記吐出口決定部により決定された前記1以上の第1の吐出口から処理液を吐出させる、請求項2〜4のいずれか一項に記載の周縁部処理装置。
前記吐出口決定部は、前記回転保持部により回転される基板の外周部の位置の変化を示す周期曲線を決定するとともに、前記周期曲線に基づいて前記1以上の第1の吐出口を決定する、請求項5記載の周縁部処理装置。
前記吐出口決定部は、前記位置変化検出部により検出された関係に基づいて、前記複数の吐出口のうち処理液を吐出すべきでない1以上の第2の吐出口として基板の外周部よりも外方に位置する吐出口を決定し、
前記吐出制御部は、前記吐出口決定部により決定された前記1以上の第2の吐出口から処理液を吐出させない、請求項2〜6のいずれか一項に記載の周縁部処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、基板の周縁部に形成された不要な塗布膜を高い精度で除去できると記載されている。しかしながら、特許文献1の方法では、除去後の塗布膜の外周部に盛り上がりが発生する。そのため、基板の周縁部における塗布膜の形状を正確に制御することができず、基板の周縁部を高い精度で処理することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことが可能な周縁部処理装置および周縁部処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る周縁部処理装置は、少なくとも一部が円形の外周部を有する基板の一面における外周部に沿った環状の周縁部に処理を行う周縁部処理装置であって、基板を保持して回転させる回転保持部と、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能に構成された
インクジェット方式のヘッド部と、
周縁部処理時に、ヘッド部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向
しかつ基板の回転中心に対するヘッド部の相対的な位置が固定された状態で、周縁部の内縁よりも内方に処理液が供給されずかつ周縁部の内縁から外方に処理液が供給されるように、
基板の回転角度に対応してヘッド部の複数の吐出口からの処理液の吐出を制御する吐出制御部とを備える。
【0008】
この周縁部処理装置においては、回転保持部により基板が保持され、回転される。回転保持部により回転される基板に
ヘッド部から処理液が吐出される。ここで、
ヘッド部は、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能である。
ヘッド部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁から外方に処理液が供給される。
【0009】
この構成によれば、基板の周縁部の内縁よりも内方には
ヘッド部から処理液が供給されない。また、基板の周縁部の内縁から外方に処理液を供給する際に高い圧力で処理液を吐出する必要がない。そのため、基板の一面からの処理液の跳ね返りが低減し、処理液が基板の周縁部の内縁よりも内方に跳ね返ることが防止される。これにより、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
さらに、ヘッド部は、インクジェット方式を有するので、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を容易に吐出することができる。
【0010】
(2)周縁部処理装置は、回転保持部により回転される基板の外周部の位置の変化を検出する位置変化検出部と、位置変化検出部により検出された基板の外周部の位置の変化に基づいて、回転保持部に保持された基板の回転角度と複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の吐出口との関係を決定する吐出口決定部とをさらに備え、吐出制御部は、回転保持部により回転される基板の回転角度および吐出口決定部により決定された関係に基づいて
ヘッド部の複数の吐出口のうち1以上の吐出口から処理液を吐出させてもよい。この構成によれば、基板の中心が回転保持部の回転中心に対して偏心している場合でも、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
【0011】
(3)位置変化検出部は、回転保持部により回転される基板の外周部の位置と
ヘッド部の複数の吐出口の位置との関係を基板の回転角度ごとに検出する位置関係検出部を含み、吐出口決定部は、位置関係検出部により検出された関係に基づいて、回転保持部に保持された基板の回転角度と複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の吐出口との関係を決定してもよい。この場合、基板の外周部の位置と
ヘッド部の複数の吐出口の位置との関係が特定される。これにより、
ヘッド部が固定されていない場合でも、基板の周縁部の処理をより高い精度で行うことができる。
【0012】
(4)位置関係検出部は、基板の外周部および
ヘッド部の画像を示す画像データを生成し、生成した画像データに基づいて基板の外周部の位置と
ヘッド部の複数の吐出口の位置との関係を検出してもよい。この場合、画像データに基づいて、簡単な構成で外周部の位置と
ヘッド部の複数の吐出口の位置との関係を特定することができる。
【0013】
(5)吐出口決定部は、複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の第1の吐出口として基板の周縁部の内縁に対向する吐出口および内縁よりも外方の領域に対向する吐出口を決定し、吐出制御部は、吐出口決定部により決定された1以上の第1の吐出口から処理液を吐出させてもよい。この場合、基板の周縁部に正確かつ確実に処理液を供給することができる。
【0014】
(6)吐出口決定部は、回転保持部により回転される基板の外周部の位置の変化を示す周期曲線を決定するとともに、周期曲線に基づいて1以上の第1の吐出口を決定してもよい。この場合、周期曲線に基づいて処理液を吐出すべき1以上の吐出口をより容易に決定することができる。
【0015】
(7)吐出口決定部は、位置変化検出部により検出された関係に基づいて、複数の吐出口のうち処理液を吐出すべきでない1以上の第2の吐出口として基板の外周部よりも外方に位置する吐出口を決定し、吐出制御部は、吐出口決定部により決定された1以上の第2の吐出口から処理液を吐出させなくてもよい。この場合、基板の周縁部の処理に影響を与えることなく処理液の消費量を削減することができる。
【0016】
(8)周縁部処理装置は、
ヘッド部を回転保持部により保持された基板の周縁部に対向する位置に移動させる移動部と、移動部の動作を制御する移動制御部とをさらに備え、移動制御部は、位置変化検出部により検出された基板の外周部の位置の変化に基づいて、複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する位置に移動するように移動部を制御してもよい。
【0017】
この場合、周縁部処理時に、
ヘッド部を基板の周縁部に対向する位置に適切に配置することができる。また、周縁部処理以外の処理時に
ヘッド部を基板の周縁部に対向する位置に配置する必要がない。これにより、他の処理を円滑に実行することができる。
【0018】
(9)複数の吐出口は、基板の周縁部に塗布された液を除去するための除去液を処理液として吐出してもよい。この場合、周縁部処理装置は基板の周縁部に塗布された液を除去する除去処理を行うことができる。
【0019】
(10)複数の吐出口は、基板の周縁部に塗布膜を形成するための塗布液を処理液として吐出してもよい。この場合、周縁部処理装置は基板の周縁部に塗布膜を形成する塗布処理を行うことができる。
【0021】
(
11)第2の発明に係る周縁部処理方法は、少なくとも一部が円形の外周部を有する基板の一面における外周部に沿った環状の周縁部に処理を行う周縁部処理方法であって、回転保持部により基板を保持して回転させるステップと、
インクジェット方式のヘッド部から処理液を吐出するステップとを含み、
ヘッド部は、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能であり、処理液を吐出するステップは、
周縁部処理時に、ヘッド部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向
しかつ基板の回転中心に対するヘッド部の相対的な位置が固定された状態で、周縁部の内縁よりも内方に処理液を供給せずかつ周縁部の内縁から外方に処理液を供給する
ように、基板の回転角度に対応してヘッド部の複数の吐出口から処理液を吐出することを含む。
【0022】
この周縁部処理方法によれば、回転保持部により基板が保持され、回転される。回転保持部により回転される基板に
ヘッド部から処理液が吐出される。ここで、
ヘッド部は、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能である。
ヘッド部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁から外方に処理液が供給される。
【0023】
この方法によれば、基板の周縁部の内縁よりも内方には
ヘッド部から処理液が供給されない。また、基板の周縁部の内縁から外方に処理液を供給する際に高い圧力で処理液を吐出する必要がない。そのため、基板の一面からの処理液の跳ね返りが低減し、処理液が基板の周縁部の内縁よりも内方に跳ね返ることが防止される。これにより、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
さらに、ヘッド部は、インクジェット方式を有するので、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を容易に吐出することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態に係る周縁部処理装置および周縁部処理方法について図面を用いて説明する。本実施の形態では、周縁部処理装置の例として、基板に塗布処理を行う塗布処理ユニットについて説明する。なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板またはフォトマスク用基板等をいう。また、本実施の形態で用いられる基板は、少なくとも一部が円形の外周部を有する。例えば、位置決め用のノッチを除く外周部が円形を有する。
【0027】
(1)塗布処理ユニットの構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る塗布処理ユニットの構成を示す模式的平面図である。
図1に示すように、塗布処理ユニット(スピンコータ)10は、待機部20、複数のスピンチャック25、複数のカップ27、複数の塗布液ノズル28、ノズル搬送装置29、複数のノズルユニット200および複数の位置検出ユニット300を備える。
【0028】
本実施の形態においては、スピンチャック25、カップ27、ノズルユニット200および位置検出ユニット300は、各塗布処理ユニット10に2つずつ設けられる。位置検出ユニット300の詳細については後述する。
【0029】
各スピンチャック25は、基板Wを保持した状態で、図示しない電動モータ等の駆動装置により回転駆動される。カップ27はスピンチャック25の周囲を取り囲むように設けられる。待機時には、各塗布液ノズル28は待機部20に挿入される。各塗布液ノズル28には、図示しない塗布液貯留部から塗布液配管を通して種々の塗布液が供給される。
【0030】
複数の塗布液ノズル28のうちのいずれかの塗布液ノズル28がノズル搬送装置29により基板Wの上方に移動される。スピンチャック25が回転しつつ塗布液ノズル28から塗布液(本例では、レジスト液等の感光性液)が吐出されることにより、回転する基板W上に塗布液が塗布される。これにより、基板Wに塗布液の膜(以下、塗布膜と呼ぶ。)が形成される。
【0031】
ノズルユニット200は、回転する基板Wの周縁部に向けて除去液(本例ではリンス液)を吐出する。ここで、基板Wの周縁部とは、基板Wの円形の外周部とその外周部から一定距離内側の円との間の環状領域をいう。これにより、基板Wの周縁部に形成された塗布膜が溶解される。その結果、基板Wの周縁部の塗布膜が除去される。
【0032】
(2)ノズルユニットの構成
図2は、
図1の塗布処理ユニット10に設けられる一方のノズルユニット200の構成を示す模式的斜視図である。塗布処理ユニット10に設けられる他方のノズルユニット200の構成は、
図2のノズルユニット200の構成と同様である。
図2に示すように、ノズルユニット200は、ヘッド部210、温調部220、貯留部230およびノズル搬送装置240(後述する
図8)を含む。
【0033】
ヘッド部210は、インクジェット方式のヘッドにより構成され、支持部211および吐出部212を含む。吐出部212は、一方向に延びる略直方体形状を有し、矩形状の一対の端面212A,212B、矩形状の一対の側面212C,212D、矩形状の上面212Eおよび矩形状の底面212Fを含む。
【0034】
一対の端面212A,212Bは、吐出部212の長手方向における両端部にそれぞれ位置する。一対の側面212C,212Dは、吐出部212の幅方向における両端部にそれぞれ位置する。支持部211は、吐出部212の上面212Eに形成され、ノズル搬送装置240(後述する
図8)に取り付けられる。吐出部212は、底面212Fからリンス液を吐出する。
【0035】
温調部220は、吐出部212の側面212Cに接触するように取り付けられる。温調部220の内部には、温度調整された純水等の温調媒体が循環される。これにより、吐出部212から吐出されるリンス液の温度が調整される。貯留部230には、リンス液が貯留される。貯留部230内に貯留されたリンス液は、ヘッド部210の吐出部212に供給される。
【0036】
図3は、
図2の吐出部212を示す模式的底面図である。
図3に示すように、吐出部212の略矩形状の底面212Fには、リンス液を吐出する複数の吐出口213が形成される。
図3の例においては、複数の吐出口213のうち略半数の吐出口213aおよび残りの略半数の吐出口213bが、吐出部212の長手方向に沿って2列に並ぶように配置される。
【0037】
隣り合う2つの吐出口213aの中心間の距離(ピッチ)および隣り合う2つの吐出口213bの中心間の距離(ピッチ)はそれぞれL1である。長手方向において、隣り合う吐出口213aと吐出口213bとの中心間の距離(ピッチ)はL1/2である。すなわち、長手方向において、各吐出口213bは隣り合う吐出口213a間の中心に位置し、各吐出口213aは隣り合う吐出口213b間の中心に位置する。幅方向において、吐出口213aと吐出口213bとの中心間の距離(ピッチ)はL2である。
【0038】
本例においては、距離L1は、例えば0.1693mmである。距離L2は、例えば0.508mmである。距離L1,L2は、これらの値に限定されず、他の値であってもよい。また、各吐出口213aの寸法(面積)と各吐出口213bの寸法(面積)とは、等しくてもよいし、異なってもよい。
【0039】
以下の説明において、複数の吐出口213のうち、端面212Aに最も近い吐出口213(本例では吐出口213a)を、特に端部吐出口213Aと呼ぶ。複数の吐出口213のうち、端面212Bに最も近い吐出口213(本例では吐出口213b)を、特に端部吐出口213Bと呼ぶ。
【0040】
吐出部212は、複数の吐出口213に除去液をそれぞれ導く複数の流路を有する。複数の流路には、それぞれピエゾ素子等の加圧素子が設けられる。複数の流路に設けられた加圧素子がそれぞれ独立に制御されることにより、複数の吐出口213からの除去液の吐出がそれぞれ独立に制御される。
【0041】
(3)ノズルユニットの動作
図4(a)〜(c)は、ノズルユニット200の動作の一例を説明するための図である。
図4においては、
図2の温調部220の図示が省略される。後述する
図5においても同様である。
図4(a)に示すように、基板Wの表面には、
図1の塗布液ノズル28により塗布膜Fが形成されている。塗布膜Fが除去されるべき基板Wの周縁部の幅E(以下、エッジカット幅Eと呼ぶ。)は、予め設定されている。
【0042】
周縁部の塗布膜Fの除去時には、ヘッド部210は、ノズル搬送装置240(後述する
図8)により所定の待機位置から基板Wの周縁部の上方の吐出位置に移動される。吐出位置においては、吐出部212が基板Wの半径方向に延びかつ基板Wの周縁部が吐出部212の底面212Fに対向するようにヘッド部210が位置決めされる。これにより、吐出部212の端面212Aは基板Wの周縁部よりも外方に位置し、吐出部212の端面212Bは基板Wの周縁部よりも内方に位置する。
【0043】
上記のように、吐出部212は、
図3の複数の吐出口213から個別にリンス液を吐出可能に構成される。また、後述するように、吐出位置における吐出部212と基板Wとの位置関係が特定される。そこで、基板Wの周縁部の塗布膜Fがエッジカット幅Eだけ除去されるように、複数の吐出口213のうち、リンス液を吐出する吐出口213とリンス液を吐出しない吐出口213とが決定される。
【0044】
図4(b)の例では、吐出部212の長手方向において、
端部吐出口213A(
図3)から吐出部212の端面212Bに向かって幅w1の領域に含まれる複数の吐出口213(
図3)からリンス液Rが吐出される。一方、吐出部212の長手方向において、
端部吐出口213B(
図3)から吐出部212の端面212Aに向かって幅w2の領域に含まれる複数の吐出口213からはリンス液Rが吐出されない。
【0045】
これにより、
図4(c)に示すように、基板Wの周縁部におけるエッジカット幅Eの領域内の塗布膜Fの部分が除去される。この構成によれば、除去後の塗布膜Fの外周部に盛り上がり(
図4(c)の二点鎖線参照)が発生することが防止される。これにより、基板Wの周縁部の塗布膜Fの除去を高い精度で行うことができる。
【0046】
図5(a)〜(c)は、ノズルユニット200の動作の他の例を説明するための図である。基板Wは、その中心がスピンチャック25の回転中心に略一致するように載置される。しかしながら、基板Wをスピンチャック25に搬送する搬送装置における種々の部材の機械精度の制限により、基板Wの中心とスピンチャック25の回転中心とには、100μm程度のずれが生じる。
【0047】
この状態でスピンチャック25が回転すると、
図5(a)に太い矢印で示すように、基板Wの外周部の位置が変化する。
図5(a)においては、最内方に変位した基板Wが実線で図示され、最外方に変位した基板Wが二点鎖線で図示される。変位の振幅はΔAである。なお、ここで用いられる振幅とは、全振幅(両振幅)、すなわちピークトゥピーク値を意味する。このような場合でも、基板Wの変位に応じて周縁部の塗布膜Fがエッジカット幅Eだけ除去されるように、複数の吐出口213のうち、リンス液を吐出する吐出口213とリンス液を吐出しない吐出口213とが基板Wの回転角度に対応して逐次決定される。
【0048】
図5(b)の例では、基板Wが最外方に変位する。このとき、吐出部212の長手方向において、
端部吐出口213A(
図3)から吐出部212の端面212Bに向かって幅w3の領域に含まれる複数の吐出口213(
図3)からリンス液Rが吐出される。一方、吐出部212の長手方向において、
端部吐出口213B(
図3)から吐出部212の端面212Aに向かって幅w4の領域に含まれる複数の吐出口213からはリンス液Rが吐出されない。
【0049】
図5(c)の例では、基板Wが最内方に変位する。このとき、吐出部212の長手方向において、
端部吐出口213Aから吐出部212の端面212Bに向かって幅w5の領域に含まれる複数の吐出口213からリンス液Rが吐出される。一方、吐出部212の長手方向において、
端部吐出口213Bから吐出部212の端面212Aに向かって幅w6の領域に含まれる複数の吐出口213からはリンス液Rが吐出されない。幅w5は幅w3よりも大きく、幅w6は幅w4よりも小さい。
【0050】
これにより、
図4(c)の例と同様に、基板Wの周縁部におけるエッジカット幅Eの領域内の塗布膜Fの部分が除去される。この構成によれば、基板Wの中心とスピンチャック25の回転中心とがずれていることにより基板Wがスピンチャック25に関して偏心して回転する場合でも、基板Wの周縁部の塗布膜Fの除去を高い精度で行うことができ、エッジカット幅Eを所望の一定値にすることができる。以下の説明において、幅w1,w3,w5の領域のように、吐出部212の底面212Fにおけるリンス液Rを吐出する領域を吐出領域と呼ぶ。
【0051】
(4)位置検出ユニットの構成
図6は、
図1の塗布処理ユニット10に設けられる一方の位置検出ユニット300の模式的側面図である。
図7は、
図6の位置検出ユニット300の模式的平面図である。塗布処理ユニット10に設けられる他方の位置検出ユニット300の構成は、
図6および
図7の位置検出ユニット300の構成と同様である。
【0052】
本実施の形態では、
図6および
図7に示すように、位置検出ユニット300は単一の撮像装置310により構成される。撮像装置310は、照明部311、反射ミラー312およびCCD(電荷結合素子)ラインセンサ313を備える。
【0053】
照明部311は基板Wの周縁部の上方に配置される。反射ミラー312は、ノズルユニット200を挟んで照明部311と対向するように基板Wの上方に配置される。反射ミラー312の上方にCCDラインセンサ313が配置される。CCDラインセンサ313は、画素が一列に並ぶように配置される。
【0054】
照明部311から帯状の光(以下、照明光と呼ぶ。)が発生される。照明光は、基板Wの周縁部に照射される。また、照明光の一部はノズルユニット200の下端に照射される。照射された照明光は、基板W上で反射され、さらに反射ミラー312上で反射され、CCDラインセンサ313に入射する。
【0055】
これにより、基板Wの周縁部およびその近傍の領域(以下、周縁部領域と略記する。)が撮像されるとともに、ノズルユニット200の下端の吐出部212(
図2)の下端が撮像される。基板Wの周縁部領域および吐出部212の画像を示す画像データは、後述する
図8のローカルコントローラ400に与えられる。
【0056】
(5)ローカルコントローラの構成
図8は、
図1の塗布処理ユニット10を制御するためのローカルコントローラ400の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、ローカルコントローラ400は、記憶部410および主制御部420を含む。記憶部410は、例えば不揮発性メモリまたはハードディスクにより構成される。記憶部410には、塗布処理ユニット10の動作を制御するためのプログラムが記憶されるとともに、種々のデータが記憶される。また、記憶部410には、予め設定されたエッジカット幅Eを示す情報が記憶される。
【0057】
主制御部420は、中央演算処理装置(CPU)により構成され、搬送制御部421、回転制御部422、撮像制御部423、基板位置算出部424、ノズル位置算出部425、吐出口決定部426および吐出制御部427を含む。主制御部420が記憶部410に記憶されたプログラムを実行することにより、搬送制御部421、回転制御部422、撮像制御部423、基板位置算出部424、ノズル位置算出部425、吐出口決定部426および吐出制御部427の機能が実現される。
【0058】
搬送制御部421は、ノズルユニット200のヘッド部210(
図2)を待機位置と吐出位置との間で移動させるようにノズル搬送装置240を制御する。回転制御部422は、基板Wを保持、回転または停止させるようにスピンチャック25を制御するとともに、スピンチャック25の回転速度を制御する。また、スピンチャック25には、エンコーダが設けられる。回転制御部422は、スピンチャック25のエンコーダから出力信号を取得し、スピンチャック25の回転角度(基板Wの回転角度)を検出する。例えば、基板Wのノッチが予め定められた方向を向く状態を基準角度(0度)と定義する。回転角度は基準角度からの基板Wの回転角度である。
【0059】
撮像制御部423は、基板Wの周縁部領域および吐出部212を撮像することにより画像データを生成するように位置検出ユニット300を制御する。また、撮像制御部423は、位置検出ユニット300から基板Wの周縁部領域および吐出部212の画像を示す画像データを取得する。
【0060】
基板位置算出部424は、回転制御部422により検出された基板Wの回転角度と、撮像制御部423により取得された画像データとに基づいて、基板Wの半径方向における基板Wの外周部の位置を回転角度ごとに算出する。ノズル位置算出部425は、撮像制御部423により取得された画像データに基づいて、基板Wに対する吐出部212の位置を算出する。
【0061】
吐出部212における各吐出口213(
図3)の位置は、既知である。そこで、吐出口決定部426は、基板位置算出部424により算出された基板Wの外周部の位置と、ノズル位置算出部425により算出された吐出部212の位置とに基づいて、リンス液を吐出する吐出口213を基板Wの回転角度ごとに決定する。吐出制御部427は、回転制御部422により検出される基板Wの回転角度に応じて、吐出口決定部426により決定された吐出口213からリンス液を吐出し、他の吐出口213からはリンス液を吐出しないように吐出部212を制御する。
【0062】
(6)ローカルコントローラの動作
図9(a)〜(c)は、
図8のローカルコントローラ400の動作を説明するための図である。
図9(a)〜(c)においては、最外方に変位した基板Wの外周部が二点鎖線で図示され、最内方に変位した基板Wの外周部が実線で図示される。
図9(a)に示すように、基板Wが回転されつつ位置検出ユニット300により基板Wの周縁部領域が撮像される。これにより、基板Wの周縁部領域の画像を示す画像データが生成される。
【0063】
位置検出ユニット300により生成された画像データが撮像制御部423(
図8)により取得される。これにより、基板Wの回転角度ごとの基板Wの外周部の位置が基板位置算出部424により算出される。最外方に変位した基板Wの外周部の位置と最内方に変位した基板Wの外周部の位置との差(基板Wの変位の振幅)はΔAである。振幅ΔAは、基板Wの回転中心(スピンチャック25の回転中心)に対する基板Wの中心の偏心量に相当する。吐出部212の吐出領域の長さは、エッジカット幅Eと上記の振幅ΔAとの合計以上である。
【0064】
次に、
図8のノズル搬送装置240が搬送制御部421に制御されることにより、
図9(b)に示すように、吐出部212が待機位置から吐出位置に移動される。この場合、搬送制御部421は、吐出部212の複数の吐出口213の並びが基板Wの半径方向に略一致し、かつ吐出部212の端部吐出口213A(
図3)が最外方に位置した基板Wの外周部の位置よりも外方にあるようにノズル搬送装置240を制御する。これにより、基板Wの回転に伴って基板Wの外周部の位置が変化しても、吐出部212の吐出領域が基板Wの周縁部に対向する。
【0065】
この状態で、位置検出ユニット300により回転する基板Wの周縁部領域および吐出部212が撮像される。これにより、基板Wの周縁部領域および吐出部212の画像を示す画像データが生成される。
【0066】
位置検出ユニット300により生成された画像データが撮像制御部423により取得される。これにより、基板Wの外周部の位置に対する吐出部212の位置が基板Wの回転角度ごとにノズル位置算出部425(
図8)により算出される。ここで、吐出部212における各吐出口213(
図3)の位置は既知であるため、基板Wの外周部の位置に対する各吐出口213の位置が基板Wの回転角度ごとに特定される。その後、基板Wの外周部の位置に対する各吐出口213の位置に基づいて、リンス液を吐出すべき吐出口213(吐出領域)が基板Wの回転角度ごとに吐出口決定部426(
図8)により決定される。
【0067】
具体的には、
図9(c)に示すように、基板Wが最外方に変位したときの吐出部212の吐出領域が決定される。当該吐出領域は、
図5(b)の幅w3の領域に相当する。また、基板Wが最内方に変位したときの吐出部212の吐出領域が決定される。当該吐出領域は、
図5(c)の幅w5の領域に相当する。これらの吐出領域は、基板Wの周縁部の内縁に対向する吐出口213およびその内縁よりも外方の領域に対向する吐出口213に相当する。
【0068】
図10(a)〜(c)は、吐出部212の吐出領域を決定する方法を説明するための図である。
図10(a)〜(c)においては、横軸は基板Wの回転角度を示し、縦軸は吐出部212の吐出領域の幅を示す。
図10(a)の例では、上記のように、吐出領域の幅w3,w5が決定される。その後、最外方と最内方との間で基板Wの外周部の位置が変位したときの基板Wの回転角度と吐出領域の幅との関係が吐出口決定部426により正弦曲線または余弦曲線で補間される。
【0069】
図10(a)においては、補間された吐出領域の幅を示す曲線が二点鎖線で示される。曲線の振幅は、幅w3と幅w5との差であり、基板Wの外周部の変位の振幅ΔAに等しい。
図10(a)の例では2つの吐出領域の幅w3,w5に基づいて他の位置に基板Wの外周部が変位したときの基板Wの回転角度と吐出領域の幅との関係が補間されるが、本発明はこれに限定されない。
【0070】
図10(b)の例では、最外方と最内方との中間位置に基板Wの外周部が変位したときの基板Wの回転角度と吐出領域の幅との関係が、幅w3,w5の決定方法と同様の方法で予め決定される。その後、他の位置に基板Wの外周部が変位したときの基板Wの回転角度と吐出領域の幅との関係が補間される。
図10(c)の例では、基板のさらに多数の回転角度での基板Wの回転角度と吐出領域の幅との関係の関係が幅w3,w5の決定方法と同様の方法で決定される。
【0071】
図11は、吐出部212の制御を説明するための図である。
図11の上部において、横軸は基板Wの回転角度を示し、縦軸は基板Wの外周部の位置を示す。基板Wの外周部の位置は、スピンチャック25(
図1)の回転中心を原点(0)として表される。
図11の下部において、横軸は基板Wの回転角度を示し、縦軸は吐出部212の吐出領域の幅を示す。吐出部212の吐出領域の幅は、吐出部212の長手方向における端部吐出口213Aの位置を原点(0)として表される。
【0072】
以下、
図11の上部における
基板Wの外周部の位置の変化を示す曲線を位置変化曲線と呼び、
図11の下部における吐出部212の吐出領域の幅を示す曲線を幅変化曲線と呼ぶ。
図11に示すように、幅変化曲線と位置変化曲線との位相差がπとなるように、吐出領域の吐出口213(
図3)からリンス液を吐出するように吐出部212が吐出制御部427(
図8)により制御される。この場合、吐出制御部427は、吐出部212の吐出領域の幅の変化が基板Wの回転速度に同期するように吐出部212を制御する。これにより、基板Wの中心が基板Wの回転中心から偏心している場合でも、塗布膜Fの除去される部分の幅が一定となる。
【0073】
(7)周縁部処理
図12は、基板Wの周縁部を処理するための周縁部処理を示すフローチャートである。以下、
図8を参照しながらローカルコントローラ400の主制御部420による周縁部処理を説明する。周縁部処理は、基板Wに塗布膜が形成された直後に、基板Wがスピンチャック25により引き続き回転される状態で実行される。
【0074】
まず、主制御部420は、回転する基板Wの周縁部領域を位置検出ユニット300により撮像する(ステップS1)。次に、主制御部420は、生成された画像データを取得する(ステップS2)。続いて、主制御部420は、取得された画像データに基づいて、基板Wの外周部の位置を回転角度ごとに算出する(ステップS3)。
【0075】
次に、主制御部420は、ノズル搬送装置240によりヘッド部210(
図2)を待機位置から吐出位置に移動させる(ステップS4)。この状態で、主制御部420は、回転する基板Wの周縁部領域とともに、ヘッド部210の吐出部212を位置検出ユニット300により撮像する(ステップS5)。続いて、主制御部420は、生成された画像データを取得する(ステップS6)。その後、主制御部420は、取得された画像データに基づいて、基板Wの外周部に対する吐出部212の位置を算出する(ステップS7)。
【0076】
次に、主制御部420は、基板Wに対する吐出部212の各吐出口213(
図3)の位置を特定する(ステップS8)。続いて、主制御部420は、基板Wの外周部の位置、基板Wに対する吐出部212の各吐出口213の位置および予め設定されたエッジカット幅Eに基づいて、吐出部212の吐出領域の幅を基板Wの回転角度ごとに決定する(ステップS9)。
【0077】
その後、主制御部420は、基板Wの回転角度ごとの吐出領域の幅を変化させながら吐出部212の吐出領域に相当する1以上の吐出口213からからリンス液を吐出する(ステップS10)。吐出部212がリンス液を吐出しながら基板Wが1回転以上の予め定められた回転数だけ回転した後、主制御部420は、ノズル搬送装置240によりヘッド部210を吐出位置から待機位置に移動させ(ステップS11)、処理を終了する。
【0078】
(8)基板処理装置の構成
図13は、
図1の塗布処理ユニット10を備えた基板処理装置の模式的平面図である。
図13および以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0079】
図13に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、塗布ブロック12、現像ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bを備える。洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェイスブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。
【0080】
インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。搬送部112には、メインコントローラ114および搬送装置(搬送ロボット)115が設けられる。メインコントローラ114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送装置115は、基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。
【0081】
塗布ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。塗布処理部121および熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向する。搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1〜PASS4(
図16参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送装置127,128(
図16参照)が設けられる。
【0082】
現像ブロック13は、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。現像処理部131および熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向する。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5〜PASS8(
図16参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送装置137,138(
図16参照)が設けられる。
【0083】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161,162および搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161,162は、搬送部163を挟んで対向する。搬送部163には、搬送装置141,142が設けられる。
【0084】
搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図16参照)が設けられる。載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2は、複数の基板Wを収容可能に構成される。
【0085】
また、搬送装置141,142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS9および後述の載置兼冷却部P−CP(
図16参照)が設けられる。載置兼冷却部P−CPは、基板Wを冷却する機能(例えば、クーリングプレート)を備える。載置兼冷却部P−CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。
【0086】
搬入搬出ブロック14Bには、搬送装置143が設けられる。搬送装置143は、露光装置15に対する基板Wの搬入および搬出を行う。露光装置15には、基板Wを搬入するための基板搬入部15aおよび基板Wを搬出するための基板搬出部15bが設けられる。
【0087】
(9)塗布処理部および現像処理部
図14は、
図13の塗布処理部121、現像処理部131および洗浄乾燥処理部161の内部構成を示す模式的側面図である。
図14に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。各塗布処理室21〜24には、
図1の塗布処理ユニット10が設けられる。現像処理部131には、現像処理室31,32,33,34が階層的に設けられる。各現像処理室31〜34には、現像処理ユニット139(スピンデベロッパ)が設けられる。
【0088】
本実施の形態においては、塗布処理室22,24の塗布処理ユニット10の塗布液ノズル28からは、反射防止膜用の塗布液(反射防止液)が吐出される。塗布処理室21,23の塗布処理ユニット10の塗布液ノズル28からは、レジスト膜用の塗布液(レジスト液)が吐出される。
【0089】
現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット10と同様に、複数のスピンチャック35および複数のカップ37を備える。また、
図13に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つのスリットノズル38およびそれらのスリットノズル38を移動させる移動装置39を備える。
【0090】
現像処理ユニット139においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転される。それにより、基板Wが回転される。この状態で、スリットノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。これにより
、基板Wの現像処理が行われる。
【0091】
洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0092】
(10)熱処理部
図15は、
図13の熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162の内部構成を示す模式的側面図である。
図15に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部101および下方に設けられる下段熱処理部102を有する。上段熱処理部101および下段熱処理部102には、複数の熱処理ユニットPHP、複数の密着強化処理ユニットPAHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。
【0093】
熱処理部123の最上部には、
図8のローカルコントローラ400が設けられる。ローカルコントローラ400は、
図13のメインコントローラ114からの指令に基づいて、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123の動作を制御する。
【0094】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が行われる。密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0095】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部103および下方に設けられる下段熱処理部104を有する。上段熱処理部103および下段熱処理部104には、冷却ユニットCP、複数の熱処理ユニットPHPおよびエッジ露光部EEWが設けられる。
【0096】
熱処理部133の最上部には、ローカルコントローラ500が設けられる。ローカルコントローラ500は、
図13のメインコントローラ114からの指令に基づいて、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133の動作を制御する。
【0097】
エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理(エッジ露光処理)が行われる。基板Wにエッジ露光処理が行われることにより、後の現像処理時に、基板Wの周縁部上のレジスト膜が除去される。それにより、現像処理後において、基板Wの周縁部が他の部分と接触した場合に、基板Wの周縁部上のレジスト膜が剥離してパーティクルとなることが防止される。
【0098】
洗浄乾燥処理部162には、複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD2においては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0099】
(11)搬送部
図16は、搬送部122,132,163の内部構成を示す模式的側面図である。
図16に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。上段搬送室125には搬送装置127が設けられ、下段搬送室126には搬送装置128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送装置137が設けられ、下段搬送室136には搬送装置138が設けられる。
【0100】
搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0101】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P−BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P−BF2が設けられる。搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS9および複数の載置兼冷却部P−CPが設けられる。
【0102】
載置兼バッファ部P−BF1は、搬送装置137および搬送装置141,142(
図13)による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。載置兼バッファ部P−BF2は、搬送装置138および搬送装置141,142(
図13)による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。また、基板載置部PASS9および載置兼冷却部P−CPは、搬送装置141,142(
図13)および搬送装置143による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。
【0103】
搬送装置127は、塗布処理室21,22(
図14)、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6(
図16)および上段熱処理部101(
図15)に対して基板Wの受け渡しを行う。搬送装置
128は、塗布処理室23,24(
図14)、基板載置部PASS3,PASS4,PASS7,PASS8(
図16)および下段熱処理部102(
図15)に対して基板Wの受け渡しを行う。
【0104】
搬送装置137は、現像処理室31,32(
図14)、基板載置部PASS5,PASS6(
図16)、載置兼バッファ部P−BF1(
図16)および上段熱処理部103(
図15)に対して基板Wの受け渡しを行う。搬送装置138は、現像処理室33,34(
図14)、基板載置部PASS7,PASS8(
図16)、載置兼バッファ部P−BF2(
図16)および下段熱処理部104(
図15)に対して基板Wの受け渡しを行う。
【0105】
(12)基板処理
図13〜
図16を参照しながら基板処理を説明する。インデクサブロック11のキャリア載置部111(
図13)には、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送装置115は、キャリア113から基板載置部PASS1,PASS3(
図16)に未処理の基板Wを搬送する。また、搬送装置115は、基板載置部PASS2,PASS4(
図16)に載置された処理済みの基板Wをキャリア113に搬送する。
【0106】
塗布ブロック12において、搬送装置127(
図16)は、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図15)、冷却ユニットCP(
図15)および塗布処理室22(
図14)に順に搬送する。次に、搬送装置127は、塗布処理室22の基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図15)、冷却ユニットCP(
図15)、塗布処理室21(
図14)、熱処理ユニットPHP(
図15)および基板載置部PASS5(
図16)に順に搬送する。
【0107】
この場合、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板Wに密着強化処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、反射防止膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室22において、塗布処理ユニット10(
図14)により基板W上に反射防止膜が形成され、基板Wの周縁部の反射防止膜が除去される。続いて、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、レジスト膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室21において、塗布処理ユニット10(
図14)により、基板W上にレジスト膜が形成され、基板Wの周縁部のレジスト膜が除去される。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS5に載置される。
【0108】
また、搬送装置127は、基板載置部PASS6(
図16)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(
図16)に搬送する。
【0109】
搬送装置128(
図16)は、基板載置部PASS3に載置された未処理の基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図15)、冷却ユニットCP(
図15)および塗布処理室24(
図14)に順に搬送する。次に、搬送装置128は、塗布処理室24の基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図15)、冷却ユニットCP(
図15)、塗布処理室23(
図14)、熱処理ユニットPHP(
図15)および基板載置部PASS7(
図16)に順に搬送する。
【0110】
また、搬送装置128(
図16)は、基板載置部PASS8(
図16)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS4(
図16)に搬送する。塗布処理室23,24(
図14)および下段熱処理部102(
図15)における基板Wの処理内容は、上記の塗布処理室21,22(
図14)および上段熱処理部101(
図15)における基板Wの処理内容とそれぞれ同様である。
【0111】
現像ブロック13において、搬送装置137(
図16)は、基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図15)および載置兼バッファ部P−BF1(
図16)に順に搬送する。この場合、エッジ露光部EEWにおいて、基板Wにエッジ露光処理が行われる。エッジ露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1に載置される。
【0112】
また、搬送装置137(
図16)は、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図15)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送装置137は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図15)、現像処理室31,32(
図14)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図15)および基板載置部PASS6(
図16)に順に搬送する。
【0113】
この場合、冷却ユニットCPにおいて、現像処理に適した温度に基板Wが冷却された後、現像処理室31,32のいずれか一方において、現像処理ユニット139により基板Wの現像処理が行われる。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS6に載置される。
【0114】
搬送装置138(
図16)は、基板載置部PASS7に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図15)および載置兼バッファ部P−BF2(
図16)に順に搬送する。
【0115】
また、搬送装置138(
図16)は、インターフェイスブロック14に隣接する熱処理ユニットPHP(
図15)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送装置138は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図15)、現像処理室33,34(
図14)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図15)および基板載置部PASS8(
図16)に順に搬送する。現像処理室33,34および下段熱処理部104における基板Wの処理内容は、上記の現像処理室31,32および上段熱処理部103における基板Wの処理内容とそれぞれ同様である。
【0116】
洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送装置141(
図13)は、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図16)に載置された基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD1(
図14)および載置兼冷却部P−CP(
図16)に順に搬送する。この場合、洗浄乾燥処理ユニットSD1において基板Wの洗浄および乾燥処理が行われた後、載置兼冷却部P−CPにおいて露光装置15(
図13)による露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0117】
搬送装置142(
図13)は、基板載置部PASS9(
図16)に載置された露光処理後の基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD2(
図15)および上段熱処理部103または下段熱処理部104の熱処理ユニットPHP(
図15)に順に搬送する。この場合、洗浄乾燥処理ユニットSD2において基板Wの洗浄および乾燥処理が行われた後、熱処理ユニットPHPにおいて露光後ベーク(PEB)処理が行われる。
【0118】
搬入搬出ブロック14Bにおいて、搬送装置143(
図13)は、載置兼冷却部P−CP(
図16)に載置された露光処理前の基板Wを露光装置15の基板搬入部15a(
図13)に搬送する。また、搬送装置143(
図13)は、露光装置15の基板搬出部15b(
図13)から露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9(
図16)に搬送する。
【0119】
本実施の形態においては、上段に設けられた塗布処理室21,22、現像処理室31,32および上段熱処理部101,103における基板Wの処理と、下段に設けられた塗布処理室23,24、現像処理室33,34および下段熱処理部102,104における基板Wの処理とを並行して行うことができる。それにより、フットプリントを増加させることなく、スループットを向上させることができる。
【0120】
(13)効果
本実施の形態に係る塗布処理ユニット10においては、スピンチャック25により回転される基板Wに吐出部212からリンス液が吐出される。ここで、吐出部212は、一方向に並ぶ複数の吐出口213を有し、複数の吐出口213からそれぞれ選択的にリンス液を吐出可能である。吐出部212の複数の吐出口213の並びがスピンチャック25により回転される基板Wの周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁から外方にリンス液が供給される。
【0121】
この構成によれば、基板Wの周縁部の内縁よりも内方には吐出部212からリンス液が供給されない。また、基板Wの周縁部の内縁から外方にリンス液を供給する際に高い圧力でリンス液を吐出する必要がない。そのため、基板Wの一面からのリンス液の跳ね返りが低減し、リンス液が基板Wの周縁部の内縁よりも内方に跳ね返ることが防止される。これにより、
図4(c)の二点鎖線で示されるような除去後の塗布膜Fの外周部に盛り上がりが発生することが防止される。その結果、基板Wの周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
【0122】
(14)他の実施の形態
(a)上記実施の形態においては、
図4(c)および
図5(b),(c)の例のように、基板Wの周縁部の塗布膜の除去時に、基板Wの外周部よりも外方の領域に対向する吐出口213からもリンス液が吐出されるが、本発明はこれに限定されない。基板Wの外周部よりも外方に位置する吐出口213からはリンス液を吐出する必要がない。そのため、
基板Wの周縁部の塗布膜の除去時に、基板Wの外周部よりも外方の領域に対向する吐出口213からはリンス液が吐出されなくてもよい。この場合、基板Wの周縁部の処理に影響を与えることなくリンス液の消費量を削減することができる。
【0123】
(b)上記実施の形態においては、複数の吐出口213が2列で長手方向に並ぶように吐出部212の底面212Fに形成されるが、本発明はこれに限定されない。複数の吐出口213が1列で長手方向に並ぶように吐出部212の底面212Fに形成されてもよいし、複数の吐出口213が3列以上で長手方向に並ぶように吐出部212の底面212Fに形成されてもよい。
【0124】
(c)上記実施の形態においては、基板Wの周縁部の塗布膜の除去時に、吐出部212の複数の吐出口213の並びが基板Wの半径方向に略一致するようにヘッド部210が配置されるが、本発明はこれに限定されない。基板Wの周縁部の塗布膜の除去時に、吐出部212の複数の吐出口213の並びが基板Wの半径方向から傾斜するようにヘッド部210が配置されてもよい。
【0125】
(d)上記実施の形態においては、位置検出ユニット300は基板Wの外周部の位置および吐出部212の位置を検出する共通の撮像装置310により構成されるが、本発明はこれに限定されない。位置検出ユニット300は、基板Wの外周部の位置および吐出部212の位置をそれぞれ検出する2つの撮像装置310により構成されてもよい。この場合、基板Wの外周部とノズルユニット200との位置関係の制約なしにノズルユニット200の配置の自由度を向上させることができる。
【0126】
(e)上記実施の形態においては、ヘッド部210はピエゾ素子により複数の吐出口213からの除去液の吐出がそれぞれ独立に制御されるピエゾ方式の吐出部212を有するが、本発明はこれに限定されない。複数の吐出口213からの除去液の吐出がそれぞれ独立に制御可能であれば、ヘッド部210は熱方式等の他の方式の吐出部212を有してもよい。
【0127】
(f)上記実施の形態においては、位置検出ユニット300の撮像装置310は、反射型の光電センサにより構成されるが、本発明はこれに限定されない。撮像装置310は、透過型の光電センサにより構成されてもよい。
【0128】
(g)上記実施の形態においては、撮像装置310は反射ミラー312を含むが、本発明はこれに限定されない。撮像装置310は反射ミラー312を含まなくてもよい。この場合、CCDラインセンサ313は基板W上で反射された光を直接検出するように配置される。
【0129】
(h)上記実施の形態においては、周縁部処理として基板Wの周縁部に塗布された反射防止液またはレジスト液を除去する処理が行われるが、本発明はこれに限定されない。周縁部処理として基板Wの周縁部に塗布液の膜を形成する処理が行われてもよい。
【0130】
例えば、基板Wの周縁部の表面が粗いために基板Wの周縁部に異物が付着しやすくなることがある。このような場合、基板Wの周縁部に塗布液の膜を形成することにより、基板Wの周縁部が被覆される。これにより、基板Wの周縁部に異物が付着することを防止することができる。
【0131】
(15)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0132】
上記の実施の形態では、基板Wが基板の例であり、塗布処理ユニット10が周縁部処理装置の例であり、スピンチャック25が回転保持部の例であり、吐出口213が吐出口の例である。吐出部212が吐出部の例であり、吐出制御部427が吐出制御部の例であり、位置検出ユニット300、基板位置算出部424およびノズル位置算出部425が位置変化検出部の例である。吐出口決定部426が吐出口決定部の例であり、ノズル位置算出部425が位置関係検出部の例であり、ノズル搬送装置240が移動部の例であり、搬送制御部421が移動制御部の例である。
【0133】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(16)参考形態
(1)第1の参考形態に係る周縁部処理装置は、少なくとも一部が円形の外周部を有する基板の一面における外周部に沿った環状の周縁部に処理を行う周縁部処理装置であって、基板を保持して回転させる回転保持部と、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能に構成された吐出部と、吐出部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁よりも内方に処理液が供給されずかつ周縁部の内縁から外方に処理液が供給されるように、吐出部の複数の吐出口からの処理液の吐出を制御する吐出制御部とを備える。
この周縁部処理装置においては、回転保持部により基板が保持され、回転される。回転保持部により回転される基板に吐出部から処理液が吐出される。ここで、吐出部は、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能である。吐出部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁から外方に処理液が供給される。
この構成によれば、基板の周縁部の内縁よりも内方には吐出部から処理液が供給されない。また、基板の周縁部の内縁から外方に処理液を供給する際に高い圧力で処理液を吐出する必要がない。そのため、基板の一面からの処理液の跳ね返りが低減し、処理液が基板の周縁部の内縁よりも内方に跳ね返ることが防止される。これにより、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
(2)周縁部処理装置は、回転保持部により回転される基板の外周部の位置の変化を検出する位置変化検出部と、位置変化検出部により検出された基板の外周部の位置の変化に基づいて、回転保持部に保持された基板の回転角度と複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の吐出口との関係を決定する吐出口決定部とをさらに備え、吐出制御部は、回転保持部により回転される基板の回転角度および吐出口決定部により決定された関係に基づいて吐出部の複数の吐出口のうち1以上の吐出口から処理液を吐出させてもよい。この構成によれば、基板の中心が回転保持部の回転中心に対して偏心している場合でも、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。
(3)位置変化検出部は、回転保持部により回転される基板の外周部の位置と吐出部の複数の吐出口の位置との関係を基板の回転角度ごとに検出する位置関係検出部を含み、吐出口決定部は、位置関係検出部により検出された関係に基づいて、回転保持部に保持された基板の回転角度と複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の吐出口との関係を決定してもよい。この場合、基板の外周部の位置と吐出部の複数の吐出口の位置との関係が特定される。これにより、吐出部が固定されていない場合でも、基板の周縁部の処理をより高い精度で行うことができる。
(4)位置関係検出部は、基板の外周部および吐出部の画像を示す画像データを生成し、生成した画像データに基づいて基板の外周部の位置と吐出部の複数の吐出口の位置との関係を検出してもよい。この場合、画像データに基づいて、簡単な構成で外周部の位置と吐出部の複数の吐出口の位置との関係を特定することができる。
(5)吐出口決定部は、複数の吐出口のうち処理液を吐出すべき1以上の第1の吐出口として基板の周縁部の内縁に対向する吐出口および内縁よりも外方の領域に対向する吐出口を決定し、吐出制御部は、吐出口決定部により決定された1以上の第1の吐出口から処理液を吐出させてもよい。この場合、基板の周縁部に正確かつ確実に処理液を供給することができる。
(6)吐出口決定部は、回転保持部により回転される基板の外周部の位置の変化を示す周期曲線を決定するとともに、周期曲線に基づいて1以上の第1の吐出口を決定してもよい。この場合、周期曲線に基づいて処理液を吐出すべき1以上の吐出口をより容易に決定することができる。
(7)吐出口決定部は、位置変化検出部により検出された関係に基づいて、複数の吐出口のうち処理液を吐出すべきでない1以上の第2の吐出口として基板の外周部よりも外方に位置する吐出口を決定し、吐出制御部は、吐出口決定部により決定された1以上の第2の吐出口から処理液を吐出させなくてもよい。この場合、基板の周縁部の処理に影響を与えることなく処理液の消費量を削減することができる。
(8)周縁部処理装置は、吐出部を回転保持部により保持された基板の周縁部に対向する位置に移動させる移動部と、移動部の動作を制御する移動制御部とをさらに備え、移動制御部は、位置変化検出部により検出された基板の外周部の位置の変化に基づいて、複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する位置に移動するように移動部を制御してもよい。
この場合、周縁部処理時に、吐出部を基板の周縁部に対向する位置に適切に配置することができる。また、周縁部処理以外の処理時に吐出部を基板の周縁部に対向する位置に配置する必要がない。これにより、他の処理を円滑に実行することができる。
(9)複数の吐出口は、基板の周縁部に塗布された液を除去するための除去液を処理液として吐出してもよい。この場合、周縁部処理装置は基板の周縁部に塗布された液を除去する除去処理を行うことができる。
(10)複数の吐出口は、基板の周縁部に塗布膜を形成するための塗布液を処理液として吐出してもよい。この場合、周縁部処理装置は基板の周縁部に塗布膜を形成する塗布処理を行うことができる。
(11)吐出部は、インクジェット方式のヘッドを含んでもよい。この場合、吐出部の複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を容易に吐出することができる。
(12)第2の参考形態に係る周縁部処理方法は、少なくとも一部が円形の外周部を有する基板の一面における外周部に沿った環状の周縁部に処理を行う周縁部処理方法であって、回転保持部により基板を保持して回転させるステップと、吐出部から処理液を吐出するステップとを含み、吐出部は、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能であり、処理液を吐出するステップは、吐出部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁よりも内方に処理液を供給せずかつ周縁部の内縁から外方に処理液を供給することを含む。
この周縁部処理方法によれば、回転保持部により基板が保持され、回転される。回転保持部により回転される基板に吐出部から処理液が吐出される。ここで、吐出部は、一方向に並ぶ複数の吐出口を有し、複数の吐出口からそれぞれ選択的に処理液を吐出可能である。吐出部の複数の吐出口の並びが回転保持部により回転される基板の周縁部を横切りかつ周縁部に対向する状態で、周縁部の内縁から外方に処理液が供給される。
この方法によれば、基板の周縁部の内縁よりも内方には吐出部から処理液が供給されない。また、基板の周縁部の内縁から外方に処理液を供給する際に高い圧力で処理液を吐出する必要がない。そのため、基板の一面からの処理液の跳ね返りが低減し、処理液が基板の周縁部の内縁よりも内方に跳ね返ることが防止される。これにより、基板の周縁部の処理を高い精度で行うことができる。