【0015】
パラフィン系プロセスオイルは、脂肪族鎖状炭化水素であって40℃における動粘度が30〜400mm
2/secのものが好ましい。より好ましくは50〜150mm
2/secである。動粘度が30mm
2/sec未満ではホットメルト接着剤組成物の凝集力が低下し結果として接着性が低下し、400mm
2/sec超ではホットメルト接着剤組成物の塗布作業性が低下する。市販のパラフィン系プロセスオイルとしてはダイアナプロセスオイルPW−90(商品名、出光石油化学社製、動粘度90mm
2/sec)がある。
【0016】
ナフテン系プロセスオイルは、脂肪族系環状炭化水素であって40℃における動粘度が30〜400mm
2/secのものが適合している。より好ましくは50〜150mm
2/secである。動粘度が30mm
2/sec未満ではホットメルト接着剤組成物の凝集力が低下し結果として接着性が低下し、400mm
2/sec超ではホットメルト接着剤組成物の塗布作業性が低下する。市販のナフテン系プロセスオイルとしてはナイフレックス222B(商品名、ナイナス社製、動粘度94.6mm
2/sec)がある。
【実施例】
【0023】
<実施例及び比較例>
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)として、タイポール3206(商品名、デキシコ社製、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン含有量29重量%、ジブロック含有量18重量%、重量平均分子量(Mw):100,000)(スチレン系熱可塑性エラストマー(A−1))、クインタック3270(商品名、日本ゼオン社製、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン含有量24%、ジブロック含有量67%、重量平均分子量(Mw):約150,000)(スチレン系熱可塑性エラストマー(A−2))、を、プロセルオイル(B)として、ナイフレックス222B(ナフテン系プロセスオイル、ナイナス社製、40℃における動粘度94.6mm
2/sec)(プロセルオイル(B−1))、ダイアナプロセスオイルPW−90(商品名、出光社製、40℃における動粘度90mm
2/sec)(プロセスオイル(B−2))を、水添石油樹脂からなる粘着付与樹脂(C)として、フークリアFM100(商品名、ユナイテッドパフォーマンスマテリアルズ社製、C9系水添石油樹脂、軟化点100℃、酸価:0mgKOH/g)(粘着付与樹脂(C−1))、フークリアFC100(商品名、ユナイテッドパフォーマンスマテリアルズ社製、C5/C9共重合系水添石油樹脂、軟化点100℃、酸価:0mgKOH/g)(粘着付与樹脂(C−2))を、酸価200〜400mgKOH/gの酸変性ロジン樹脂(D)として、パインクリスタルKE−604(商品名、荒川化学工業社製、酸変性超淡色ロジン樹脂、酸価:230〜245mgKOH/g、軟化点:130℃)(酸変性ロジン樹脂(D−1))、パインクリスタルKR−120(商品名、荒川化学工業社製、酸変性超淡色ロジン樹脂、酸価:300〜345mgKOH/g、軟化点:120℃)(酸変性ロジン樹脂(D−2))を、比較例に使用する酸変性樹脂として、パインクリスタルKR−140(商品名、荒川化学工業社製、酸変性超淡色ロジン樹脂、酸価:130〜160、軟化点:140℃)(酸価200mgKOH/g未満の酸変性樹脂(d−1))、クインタックCX495(商品名、日本ゼオン社製、酸変性石油樹脂、酸価:1.8、軟化点:100℃)(酸価200mgKOH/g未満の酸変性樹脂(d−2))を、酸化防止剤としてイルガノックス1010(商品名、BASF社製、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル-4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])を、使用して、表1に示す配合にて、1Lセパラブルフラスコにて180℃で十分に混練し、実施例1乃至実施例7及び比較例1乃至比較例10のホットメルト接着剤組成物を得た。なお、表1中の数字は重量配合部数を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
<評価項目及び評価方法>
評価項目及び評価方法を以下に示すと共に、表2に評価結果を示す。
【0026】
<接着強度試験 浸水不織布/PEフィルム(常態)>
150℃にて加熱溶融したホットメルト接着剤組成物をスパイラルスプレーで幅25mm×長さ200mmのPE(ポリエチレン)フィルムに3g/m
2の塗布量で塗布する。塗布後、直ちに親水不織布(ELTAS AQUA、旭化学社製、スパンボンド不織布、目付量20g/m
2)を貼り合わせ、5kgローラーを1往復させて圧締することで試験片を得た。得られた試験片を23℃・50%RHに調温された恒温恒湿器内で24時間養生した後、引張速度100mm/分でT字型に剥離した際の強度を測定し、25mmあたりの強度を接着強度(N/25mm)とした。0.5N/25mm以上を○と評価し、0.5N/25mm未満を×とした。
【0027】
<接着強度試験 撥水不織布/PEフィルム(常態)>
150℃にて加熱溶融したホットメルト接着剤組成物をスパイラルスプレーで幅25mm×長さ200mmのPEフィルムに3g/m
2の塗布量で塗布した。塗布後、直ちに撥水不織布(ELTAS、旭化学社製、スパンボンド不織布、目付量20g/m
2)を貼り合わせ、5kgローラーを1往復させて圧締することで試験片を得た。 得られた試験片を23℃・50%RHに調温された恒温恒湿器内で24時間養生した後、引張速度100mm/分でT字型に剥離した際の強度を測定し、25mmあたりの強度を接着強度(N/25mm)とした。0.5N/25mm以上を○と評価し、0.5N/25mm未満を×とした。
【0028】
<接着強度試験 ティッシュ/ティッシュ(常態)>
150℃にて加熱溶融したホットメルト接着剤組成物をスパイラルスプレーで幅25mm×長さ200mmのティッシュ(目付量15g/m
2)に3g/m
2の塗布量で塗布した。塗布後、直ちにもう1枚のティッシュを貼り合わせ、5kgローラーを1往復させて圧締することで試験片を得た。 得られた試験片を23℃・50%RHに調温された恒温恒湿器内で24時間養生した後、引張速度100mm/分でT字型に剥離した際に基材破壊となる試験片を○と評価し、界面破壊となる試験片を×と評価した。
【0029】
<接着強度試験 ティッシュ/ティッシュ(湿潤条件)>
150℃にて加熱溶融したホットメルト接着剤をスパイラルスプレーで幅25mm×長さ200mmのティッシュ(目付量15g/m
2)に3g/m
2の塗布量で塗布した。塗布後、直ちにもう1枚のティッシュを貼り合わせ、5kgローラーを1往復させて圧締することで試験片を得た。
得られた試験片を23℃・50%RHに調温された恒温恒湿器内で24時間養生した後、23℃の生理食塩水中に5分間浸漬した。その後試験片を取り出し、試験片に付着した水分を拭き取った。引張速度100mm/分でT字型に剥離した際に接着剤凝集破壊となる試験片を○と評価し、界面破壊となる試験片を×と評価した。
【0030】
<臭気>
ホットメルト接着剤組成物を100mlの金属缶に50g採り、金属の蓋をした。次に、金属缶を180℃に加熱された恒温器に投入し、1時間加熱した。その後、恒温器から金属缶を取り出し、蓋を外した際の臭気の発生の有無を以下に従って評価した。
○:刺激臭殆ど無し
△:刺激臭が若干感じられる
×:刺激臭を感じる
【0031】
<加熱安定性>
ホットメルト接着剤組成物を30mlのガラス瓶に10g採り、異物の混入を防ぐためアルミニウム箔で蓋をした。次にガラス瓶を180℃に加熱された恒温器に投入し72時間加熱した。その後恒温器からガラス瓶を取り出し、ホットメルト接着剤組成物の状態を目視にて以下に従い評価した。
○:色の変化が非常に少ない、ゲル・炭化物の発生無し
△:色の変化が少ない、ゲル・炭化物が僅かに発生
×:色の変化が激しい、ゲル・炭化物が発生
【0032】
【表2】