(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技場において、遊技機に付設される遊技用装置1に関する例である。以下、
図1〜
図21を参照して遊技用装置1を説明する。
【0012】
遊技場では、
図1のごとく、パチンコ遊技機511やスロットマシン512等の遊技機51に対して、遊技用装置1や呼出表示装置55等が個別に設置されている。玉やメダルなどの遊技価値の貸出機能を備える遊技用装置1は、対応する遊技機51と隣り合う他の遊技機51との間の隙間のスペースに設置されている。パチンコ遊技機511向けの遊技用装置1は、対応する遊技機51の左側に配置され、スロットマシン512向けの遊技用装置1は、対応する遊技機51の右側に配置されている。呼出ランプを備える呼出表示装置55は遊技機51の上方に設置されている。
【0013】
遊技場内の通路に面して遊技機51が配列された遊技島では、2台の遊技機51毎に1台ずつ中継装置56が設置されている。また、遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置50が設置されている。
【0014】
遊技場では、管理装置50が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機51は、対応する呼出表示装置55及び遊技用装置1と共に、中継装置56を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500を利用した遊技場の場内システム5では、遊技用装置1等の周辺装置を含めた遊技機51側と管理装置50との間の各種の通信が中継装置56を介して実現されている。
【0015】
以下、遊技機51及び管理装置50の構成を概説した後、遊技用装置1の構成及び動作を詳しく説明する。
(遊技機)
遊技機51は、大きな分類として、パチンコ遊技機511とスロットマシン512とに区別できる。以下、パチンコ遊技機511を例にしてその内容を概説する。
パチンコ遊技機511は、遊技価値である玉を発射して遊技される遊技機である。
図1及び
図2に例示するパチンコ遊技機511は、始動入賞口への入賞に応じて大当り抽選を実行する、いわゆるセブン機である。このパチンコ遊技機511は、大当り抽選に応じて図柄変動を実行するゲームを開始し、大当り図柄の停止表示により大当り当選を報知する。大当り当選が発生すれば、大入賞口が開放されるラウンドが複数回繰り返される有利な大当り状態に移行できる。
【0016】
このようなパチンコ遊技機511が遊技の進行中に外部出力する遊技信号としては、例えば、以下の信号がある。これらの遊技信号は、中継装置56を経由して遊技用装置1等に出力されるほか、遊技機51の識別情報である台番IDが対応付けされた状態で管理装置50に送信される。
【0017】
(1)アウト信号:玉を10個発射する毎に1回出力される信号。
(2)セーフ信号:入賞に応じて玉を10個払い出す毎に1回出力される信号。
(3)スタート信号:図柄変動がスタートしたときに1回出力される信号。
(4)大当り信号:大当り状態の発生中に継続的に出力されるレベル信号。
【0018】
なお、本例の遊技場では、遊技価値である玉やメダルの単価が異なる複数種類の遊技機が導入されている。パチンコ遊技機511としては、遊技に使用する玉(遊技価値)の単価が4円の4円パチンコ、玉単価が2円の2円パチンコ、玉単価が1円の1円パチンコがある。同様にスロットマシン512としては、遊技に使用するメダル(遊技価値)の単価が20円の20円スロット、メダル単価が10円の10円スロット、メダル単価が5円の5円スロットがある。
【0019】
(管理装置)
管理装置50(
図1)は、上記の通り、遊技場内の各種機器の稼動状況を集中的に管理するための装置である。管理装置50は、各遊技機51の遊技情報を記憶する遊技情報サーバとしての機能、遊技場に会員登録した遊技者の個人情報を記憶する会員情報サーバとしての機能、遊技者の入金額の残高、遊技者が獲得した持玉、会員の遊技者が預け入れた貯玉などの情報を記憶して管理する機能等を備えている。
【0020】
管理装置50は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部と、を備えている。装置本体は、演算処理を実行するCPUを中心とした制御機能、ハードディスクドライブ、ROM、RAM等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
【0021】
管理装置50は、例えばハードディスクドライブから読み出したソフトウェアプログラムをCPUが実行等することにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)会員情報記憶手段:遊技場に登録済みの会員に関する情報を記憶する手段であり、この会員情報記憶手段は、少なくとも会員識別情報である会員ID(会員カード331のカードID)を記憶し管理する。遊技者が所持する携帯端末31(
図3参照)の端末ID(携帯識別情報)や会員毎の個別遊技情報を含め、会員の個別情報は、会員IDを対応付けて会員データベースに格納されている。
(2)会員ID認証手段:会員カード331(
図3参照)の会員ID(カードID)、あるいは会員が所持する携帯端末31の端末IDを認証する手段。会員ID認証手段は、遊技用装置1から会員IDあるいは端末IDを受信したとき、会員データベースを参照して登録済みの識別情報であるか否か照会して会員ID等を認証する。会員識別情報である会員ID等が認証された状態下の遊技が会員によるログイン遊技として特定される。
(3)遊技情報取得手段:遊技場に設置された各遊技機51の遊技に関する遊技情報(遊技データ)を取得する手段。遊技情報取得手段は、各遊技機51に対応する中継装置56から一定時間毎に送信されてくる遊技情報を取得する。
(4)遊技情報記憶手段:遊技機51毎の遊技情報、および会員毎の個別遊技情報を記憶し管理する手段。各遊技機51の遊技情報は、遊技機51の識別情報である台番を対応付けた状態で記憶される。また、上記のログイン遊技中の遊技情報は、会員の遊技情報として特定され、会員IDを対応付けて会員毎の個別遊技情報として記憶される。
(5)各台管理手段:遊技機51の遊技状態や遊技用装置1の動作状態等を台毎に把握し、管理する手段。各遊技用装置1のタッチパネル13(
図2参照。)の回転位置であるパネル位置(縦位置か横位置か)についても各台管理手段により把握され管理されている。
(6)残高管理手段:遊技カード毎に入金額の残高を管理する手段。残高管理手段は、一般カード332あるいは会員カード331のカードID(会員カード331については会員IDでもある。)を対応付けた状態で残高を記憶し管理する。
(7)持玉管理手段:遊技者が獲得した遊技価値(玉、メダル)の大きさを管理する手段。持玉管理手段は、カードIDを対応付けた状態で、遊技価値の単価毎の口座に分類して持玉等を記憶し管理している。パチンコ遊技機511用の玉の口座としては、4円口座、2円口座、1円口座があり、スロットマシン512用のメダルの口座としては、20円口座、10円口座、5円口座がある。
(8)貯玉管理手段:会員である遊技者が前日以前に獲得して遊技場に預け入れた遊技価値の大きさを貯玉(貯メダル)として管理する手段。貯玉管理手段は、カードID(会員ID)を対応付けた状態で、遊技価値の単価毎の口座に分類して貯玉等を管理している。
【0022】
(遊技用装置)
遊技用装置1は、遊技に用いられる玉やメダルなどの遊技価値を払い出すために各遊技機51に付設される装置である。遊技用装置1は、遊技に使用される遊技価値(玉、メダル)の単価が異なる複数の遊技機に対して各々付設されている。この遊技用装置1は、現金を対価として貸玉等を払い出す機能や、遊技に役立つ便利な特定の機能(後述する安心ロック機能、入金残高取出機能、他口座利用機能など)や、便利な特定の機能を備えている旨を遊技者に報知する機能等を備えている。
【0023】
遊技用装置1の前面パネル10には、装置エラーや一般カード332のストック切れ等の作動状態を表示する状態表示部11、貸玉代金となる紙幣を投入する紙幣投入口12、縦横回転が可能なタッチパネル13、持玉あるいは貯玉から玉を払い出させる払出ボタン14、パチンコ遊技機511の上皿510に払出玉を供給する払出ノズル15、携帯端末31から端末IDを読み取る携帯用リーダ16、遊技カード33を挿入するカード挿入口18等が設けられている。
【0024】
遊技用装置1の最下部には、玉を計数する計数部17が設けられている。この計数部17からは中空ダクト171が延設され、中空ダクト171の先端側には、パチンコ遊技機511の下皿513から流下した玉を受け止める計数受け皿172が取り付けられている。下皿513のスライドレバーを操作すると、下皿513から計数受け皿172に玉が流下し、中空ダクト171を経由して計数部17に供給される。計数部17に供給された玉は計数されて持玉に加算される。
【0025】
カード挿入口18には、会員カード331や一般カード332等の遊技カード33(
図3参照。)を挿入可能である。会員カード331は、会員登録した遊技者に発行される遊技カードであり、カードIDである会員IDのほか、残高(入金額)や持玉等を記憶する。なお、貯玉については、専ら管理装置50で管理され、会員カード331には記録されない。一般カード332は、遊技終了時に残高あるいは持玉が残っているときに発行される遊技カードである。一般カード332は、カードIDのほか、残高や持玉を記憶する。
【0026】
なお、パチンコ遊技機511側には、上皿510の外周縁部の上面に貸出ボタン514と返却ボタン515が配設されている。貸出ボタン514は、遊技用装置1に投入された入金額の残高を対価として、パチンコ遊技機511が備える払出機構から玉を払い出させるための操作ボタンである。
【0027】
返却ボタン515は、遊技者が貨幣の残高及び所持する遊技価値である持玉等の返却を指示するために操作する返却操作手段の一例をなす機械的な操作ボタンである。返却ボタン515が操作されたとき、遊技用装置1は、残高や持玉を記憶した遊技カード33の返却あるいは発行処理を実行する。
【0028】
遊技用装置1は、
図3のごとく、CPU21、ROM22、RAM23、I/O部24等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、状態表示部11、投入紙幣の種別等を検知する紙幣処理部121、液晶表示部131、タッチスクリーンシート133、タッチパネル13の向きを検知するロータリエンコーダ165、携帯端末31から端末ID等を読み取る携帯用リーダ16、遊技カード33の記録データを読み書きするカードリーダライタ(カードRW)180、新規発行用の一般カード332をストックするカードストック部183、払出ボタン14、玉を払い出す払出部141、中継装置56との間の通信ポートをなすI/F部19、等が電気的に接続されている。
【0029】
タッチパネル13は、長方形状の表示領域を有する表示パネルである。タッチパネル13は、液晶表示部131の画面表面にタッチスクリーンシート133が積層された表示パネルであり、遊技者が指先等で表示画面に触れて操作するタッチ操作が可能である。タッチパネル13は、中継装置56を介して管理装置50から受信した各種の情報や、遊技機51側から受信した遊技信号を元にした各種の情報等を表示するほか、遊技に役立つ便利な特定の機能を利用する際の操作画面や、特定の機能を備える旨を遊技者に報知して利用を促す画面、等を表示可能である。
【0030】
カードRW180は、遊技者による返却ボタン515(返却操作手段)の操作に応じて、残高(入金額、入金残高)及び持玉(遊技価値の大きさ)等を特定するための情報を記憶した遊技カード(記憶媒体)33を発行する発行手段としての機能を備えている。なお、返却操作手段として、機械的な操作ボタンを遊技用装置1に設けることも良く、タッチ操作が可能なボタンをタッチパネル13に表示させることも良い。
【0031】
制御部20は、ROM22に格納された制御プログラムをCPU21が演算処理することで以下の各手段としての機能を実現する。
(1)遊技情報生成手段:遊技機51で実行された遊技に関する遊技情報を生成する手段。
(2)遊技価値付与手段:投入された貨幣の金額(残高)を記憶するとともに、この金額を消費することによって遊技に使用するための遊技価値(玉)を付与する手段。なお、入金額の残高を対価とした貸玉は、パチンコ遊技機511が備える払出機構から上皿510に払い出しされる。
(3)遊技価値記憶手段:遊技者が所持する遊技価値の大きさである持玉や貯玉を特定し記憶する手段。遊技価値記憶手段は、遊技価値の単価と対応付けて持玉等を記憶している。つまり、遊技価値記憶手段は、遊技価値の単価毎の口座に分類して持玉等を記憶し管理している。なお、対応する遊技機51の単価の口座を自口座といい、それ以外の単価の口座を他口座という。
(4)第1価値使用手段:遊技価値記憶手段が記憶する遊技価値のうち、遊技機51に対応する単価と一致する単価の第1遊技価値を遊技に使用可能とする手段。この第1価値使用手段は、自口座の持玉等を遊技に使用可能とする。
(5)第2価値使用手段:遊技価値記憶手段が記憶する遊技価値のうち、遊技機51に対応する単価と一致しない単価の第2遊技価値を遊技に使用可能とする手段。この第2価値使用手段は、他口座の持玉等を遊技に使用可能とする。
【0032】
また、タッチパネル13は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)情報表示手段:上記の遊技情報生成手段が生成した遊技情報など、遊技に関する各種の情報を表示する手段。会員ID(会員カードのカードID)の認証が完了している遊技中であれば、会員毎の個別遊技情報等の表示など会員サービスによる表示が可能である。
(2)残高返却指示手段:貨幣の残高及び所持する遊技価値(持玉)の両方が存在する状態で、返却ボタン(返却操作手段)515を操作する前に残高のみの返却を指示するために操作する手段。タッチパネル13は、入金残高取出機能を利用するための後述の「入金残高取出」メニュー(
図11中の符号135)、及び後述のリンクボタン(
図20中の符号231)を残高返却指示手段として表示する。
(3)第2価値使用指示手段:遊技者が前記第2価値使用手段による遊技価値の使用を指示するために操作する手段。タッチパネル13は、他口座利用機能を利用するための「他口座利用」メニュー(
図12中の符号138)、及び後述のリンクボタン(
図21中の符号231)を第2価値使用指示手段として表示する。
(4)報知手段:特定の機能(安心ロック機能、入金残高取出機能、他口座利用機能)を利用可能である旨を遊技者に報知するための報知処理を実行する手段。報知処理の具体的な内容は後で詳しく説明するが、例えば、以下の2つの報知処理がある。
・貨幣の残高及び持玉(所持する遊技価値)の両方が存在する状態で、その持玉の大きさが予め定められた基準を満たしていることを条件として、残高を特定するための情報のみを記憶した遊技カード33を発行することが可能である旨を報知する報知処理。
・前記第1価値使用手段により第1遊技価値(自口座の持玉等)を使用している状態で、第1遊技価値が所定の基準値まで減少したときに、遊技者に対して第2価値使用手段により第2遊技価値(他口座の持玉)が使用可能である旨を報知する報知処理。
【0033】
以上のような構成の遊技用装置1の動作について、パチンコ遊技機511に対応する遊技用装置1を例にして説明する。なお、スロットマシン512に付設される遊技用装置についても、処理の流れ等や基本的な動作において、ほぼ同様の仕様となっている。
【0034】
遊技用装置1では、遊技カード33の未受付状態で入金があったとき、カードストック部183からカードRW180へ一般カード332が繰り出されて入金額(残高)が記録される。そして、その入金額に相当する度数(1度数=500円=125玉)がタッチパネル13及び遊技機51側の図示しない度数表示部に表示され、これにより貸玉の払出が可能になる。なお、一般カード332は、最大10枚までカードストック部183にストックされ、カード挿入口18から随時、補充可能である。
【0035】
カード挿入口18に遊技カード33が挿入されたときには、その遊技カード33に記録された残高(入金額)が読み出され、残高に相当する度数がタッチパネル13や上記の度数表示部に表示される。なお、受け付けた遊技カード33が会員カード331であった場合には、暗証番号の入力が求められる。遊技用装置1は、入力された暗証番号と共に会員カード331から読み出した会員ID(カードID)を管理装置50に送信して認証を求める。管理装置50側で認証が完了すれば、会員の個別遊技情報の表示等の会員サービスの利用が可能になる。
【0036】
さらに、遊技用装置1は、携帯端末31を利用した認証も可能である。近距離通信機能を備える携帯端末31を携帯用リーダ16に近接させれば端末IDを遊技用装置1に読み取らせることができ、遊技用装置1は読み取った端末IDを管理装置50に送信して認証を求める。管理装置50側で端末IDの認証が完了すれば、会員カード331を用いた場合と同様の会員サービスを利用可能となる。管理装置50は、その端末IDが対応付けされた各種の情報を遊技用装置1に送信し、遊技用装置1側では、受信した各種の情報に基づく表示が可能となる。
【0037】
入金額である残高を表す度数がタッチパネル13や遊技機51側の度数表示部に表示された状態であれば、パチンコ遊技機511側に設けられた貸出ボタン514の操作に応じて、パチンコ遊技機511の払出機構から貸玉の払出が実行される。貸出ボタン514を操作する毎に1度数分ずつ貸玉の払い出しが行われ、残高が減算更新される。
【0038】
遊技の進行中では、遊技用装置1は中継装置56を介して遊技機51の遊技信号を取り込み、遊技情報を生成する。例えばパチンコ遊技機511に付設される遊技用装置1は、(1)アウト信号、(2)セーフ信号、(3)スタート信号、(4)大当り信号等の遊技信号をパチンコ遊技機511から受信し、遊技信号の受信回数を集計等することで、例えば以下の各遊技情報を生成する。
【0039】
(1)大当り回数:大当り状態の発生回数。
(2)大当り間スタート回数:直前の大当り状態が終了してからのスタート回数(図柄変動の回数)。
(3)本日累計スタート回数:当日、開店後の累計のスタート回数。
(4)差玉数:遊技者側から見た玉収支。セーフ信号を受信する毎に10玉ずつ加算されるセーフ(払出玉数)から、アウト信号を受信する毎に10玉ずつ加算される消費玉数(アウト)を差し引いて差玉数が演算される。
【0040】
遊技を通じて残高がゼロになったときの遊技カード33の取り扱いは、一般カード332か会員カード331かに応じて異なっている。一般カード332については、残高及び持玉がゼロとなったとき、カードRW180からカードストック部183に回収される。一方、会員カード331については、残高及び持玉がゼロになってもそのままカードRW180に保持される。
【0041】
遊技の終了の際、パチンコ遊技機511側に設けられた返却ボタン515が操作されると、遊技用装置1は、一般カード332あるいは会員カード331に残高や持玉を記録して発行(返却)すると共に、中継装置56経由でその発行情報を管理装置50へ送信する。これにより、遊技カード33が記憶する残高や持玉の情報が管理装置50側でも管理できる。
【0042】
本例の遊技用装置1は、遊技に役立つ特定の機能として、(1)安心ロック、(2)入金残高取出、(3)他口座利用、などの便利機能を有している。さらに、遊技用装置1は、これらの便利な特定の機能の利用を促進するための(4)促進案内POP表示を実行可能である。以下、(1)〜(4)の各機能について順番に説明する。
【0043】
(1)安心ロックは、他人による遊技カード33の抜き取りを未然に防止する便利機能である。(2)入金残高取出は、持玉を残したまま残高(入金額)のみを遊技カード33に記憶させて返却し、遊技カード33の置き忘れを少なくする便利機能である。(3)他口座利用は、異なる単価の持玉・貯玉(第2遊技価値)を再プレイ(再遊技)に使用可能にする便利機能である。(4)促進案内POP表示は、これらの便利な特定の機能の利用促進を図るための報知機能である。
【0044】
(1)安心ロック
安心ロックを設定すれば、持玉又は残高が存在する状態での遊技カード33の返却を規制できる。安心ロックの設定下では、遊技カード33の返却を要求する返却ボタン515が押されたとき、暗証番号の入力、あるいは携帯端末31の認証が要求される。このような安心ロックによれば、遊技カード33を残したまま離席したときに、他人による遊技カード33の抜き取りを未然に防止できる。以下、安心ロックの設定方法、及び安心ロックの動作について、説明する。
【0045】
(1−1)安心ロックの設定方法
安心ロックの設定は、遊技カード33の種別(一般カード332、会員カード331)によって相違がある。
まず、一般カード332を受付中の遊技での安心ロックの設定方法について
図4を参照しながら説明する。安心ロックを設定するためには、タッチパネル13に表示された同図(a)の初期画面に対するタッチ操作によりメニュー画面(同図(b))を表示させ、「安心ロック」メニュー131をタッチ操作すれば良い。このタッチ操作を行えば同図(c)の安心ロック設定画面の表示に切り換えでき、携帯端末31を利用して安心ロックを設定するか、暗証番号を入力して安心ロックを設定するか、を選択できる。
【0046】
暗証番号を入力する場合には、
図4(c)の最下段左側の「暗証」ボタン137の操作により、同図(d)の暗証番号入力画面の表示に切り換えできる。番号の間違いを防止できるよう、暗証番号の入力は2回要求される(同図(e)→(f))。間違いなく暗証番号を入力できれば、同図(g)のロック完了画面により設定完了を確認できる。
【0047】
携帯端末31を利用する設定は、
図4(c)の安心ロック設定画面の表示中に、携帯用リーダ16の読取面に携帯端末31を近接させることで実施できる。携帯端末31の端末IDの読取りによる設定完了は、同図(h)のロック完了画面により確認できる。
【0048】
会員カード331を受付中の遊技での安心ロックの設定手順(
図5参照。)のうち、
図5(a)の初期画面から同図(b)のメニュー画面(同図(b))への表示切換を経て、「安心ロック」メニュー131をタッチ操作するまで、の手順については、一般カード332の場合と同様である。同図(b)の「安心ロック」メニュー131をタッチ操作すると、直ちに同図(c)の確認画面が切換表示される点が一般カード332の場合とは相違している。
【0049】
会員カード331を受付中の遊技の場合には、会員カード331の暗証番号が登録済みであることから、
図5(c)の確認画面の最下段の「OK」ボタン134にタッチ操作するだけで設定を完了でき、安心ロックの完了を同図(d)のロック完了画面により確認できる。なお、安心ロックの設定が完了すると、
図6のように、初期画面の右上の鍵のイラスト136が未ロックの状態(左側の図)からロックされた状態(右側の図)に切り換わる。
【0050】
(1−2)安心ロック中のカード返却手順
安心ロック設定中の遊技カード33の返却手順(
図7)は、受付中の遊技カード33の種別により相違している。さらに、一般カード332の場合には、暗証番号を入力して安心ロックを設定したか、携帯端末31を利用して安心ロックを設定したか、に応じて手順が異なってくる。
【0051】
一般カード332と暗証番号の組合せの場合には、返却ボタン515(
図2及び
図3参照。)の操作に応じて、
図7(a)のように暗証番号の入力を求める入力要求画面が切換表示された後、暗証番号入力画面が表示される。この暗証番号入力画面で正しい暗証番号を入力すれば、一般カード332を返却させることができる。
【0052】
一般カード332と携帯端末31の組合せの場合には、返却ボタン515の操作に応じて、
図7(b)のように携帯端末31の端末IDの読取りを要求する画面が切換表示される。この画面の表示中に、携帯用リーダ16の読取面に携帯端末31を近接させることで一般カード332を返却させることができる。
【0053】
一方、会員カード331で安心ロックを設定した遊技中では、返却ボタン515の操作に応じて、
図7(c)のように暗証番号の入力あるいは携帯端末31の端末IDの読取りを求める画面が切換表示される。この画面の下部の「暗証」ボタン137をタッチ操作すれば暗証番号入力画面を切換表示でき、会員カード331の暗証番号の入力に応じて会員カード331を返却させることができる。一方、暗証番号の入力あるいは携帯端末31の端末IDの読取りを求める画面(
図7(c)の左側の図)の表示中に、携帯用リーダ16の読取面に携帯端末31を近接させれば暗証番号の入力操作を行うことなく会員カード331を返却させることができる。
【0054】
(1−3)安心ロックの解除操作
安心ロックの解除操作の手順(
図8)は、受付中の遊技カード33の種別により相違している。さらに、一般カード332の場合には、暗証番号を入力して安心ロックを設定したか、携帯端末31を利用して安心ロックを設定したか、に応じて解除操作の手順が異なってくる。
【0055】
一般カード332と暗証番号の組合せの場合には、タッチパネル13が表示する
図8(a)の初期画面へのタッチ操作によりメニュー画面(同図(b))を表示させ、「安心ロック解除」メニュー132をタッチ操作すれば良い。このタッチ操作を行えば、暗証番号の入力を求める入力要求画面(同図(c))が切換表示された後、同図(d)の暗証番号入力画面が表示される。この暗証番号入力画面で正しい暗証番号を入力すれば、安心ロックを解除した旨のロック解除画面(同図(e))への切換表示により設定解除を確認できる。
【0056】
一般カード332と携帯端末31の組合せの場合には、
図9のように、「安心ロック解除」メニュー132(同図(b))へのタッチ操作に応じて携帯端末31の端末IDの読取りを要求する画面(同図(c))が切換表示される。この画面の表示中に、携帯用リーダ16の読取面に携帯端末31を近接させると安心ロックを解除でき、同図(d)のロック解除画面への切換表示により設定解除を確認できる。
【0057】
一方、会員カード331で安心ロックを設定した遊技中では、メニュー画面(
図10(b))内の「安心ロック解除」メニュー132をタッチ操作すると、同図(c)の安心ロック解除画面の表示に切り換えできる。この安心ロック解除画面では、携帯端末31を利用して安心ロックを解除するか、暗証番号を入力して安心ロックを解除するか、を選択できる。
【0058】
暗証番号を入力する場合には、
図10(c)の最下段左側の「暗証」ボタン137の操作により、同図(d)の暗証番号入力画面の表示に切り換える。設定時に入力した暗証番号を入力すれば、同図(e)の安心ロック解除画面により解除完了が報知される。
一方、携帯端末31を利用する解除操作では、
図10(c)の安心ロック解除画面の表示中に、携帯用リーダ16の読取面に携帯端末31を近接させれば安心ロックを解除できる。解除は、同図(e)の安心ロック解除画面により報知される。
【0059】
(2)入金残高取出
入金残高取出は、持玉及び残高(入金額、入金残高)が存在する状態で、持玉を残したまま残高のみを遊技カード33に記憶して返却する機能である。例えば持玉による遊技が可能で残高を使用する必要が無いとき等、予め残高のみを取り出しておくことができ、残高の取り忘れを未然に防止できる。入金残高取出による遊技カード33の返却後は、持玉を使用して遊技を継続できる。
【0060】
残高のみを記憶させた遊技カード33を返却させるに当たっては、タッチパネル13が表示する
図11(a)の初期画面へのタッチ操作によりメニュー画面(同図(b))を表示させ、残高返却指示手段の一例をなす「入金残高取出」メニュー135をタッチ操作すれば良い。このタッチ操作を行うと、返却ボタン515の操作により残高のみの返却を受けることが出来る旨の同図(c)の表示画面に切り換わる。
【0061】
図11(c)の表示画面の表示中に返却ボタン515を操作すれば、持玉を残して残高のみを記憶させた遊技カード33を返却させることができる。このときタッチパネル13の表示は、残高(同図では1000円)のみを取り出した旨を表す同図(d)の表示画面を経由し、残高がゼロに更新表示された初期画面(同図(e))に切り換わる。なお、パチンコ遊技機511側の図示しない度数表示部は、残高取出処理に応じて10度数からゼロ度数に更新表示される。
【0062】
このように発行手段としてのカードRW180は、残高返却指示手段としての「入金残高取出」メニュー135(
図11(b))がタッチ操作された後に返却ボタン515(返却操作手段)が操作されたとき、残高(入金額)を特定するための情報のみを記憶した遊技カード(記憶媒体)33を発行する。一方、「入金残高取出」メニュー135が操作されることなく返却ボタン515が操作された通常の操作の場合には、残高及び持玉(遊技価値の大きさ)等を特定するための情報を記憶した遊技カード33を発行する。
【0063】
なお、入金残高取出により遊技カード33を返却したとき、持玉を記憶させるための新しい一般カード332がカードストック部183からカードRW180に繰り出される。カードRW180は、そのときの持玉をこの一般カード332に記憶させる。入金残高取出を利用した後の遊技は、この一般カード332が記憶する持玉を使用して継続できる。
【0064】
(3)他口座利用
他口座利用は、異なる単価の持玉や貯玉(第2遊技価値)を再プレイに使用可能とする機能である。この他口座利用処理によれば、例えばパチンコ遊技機511の場合であれば、単価4円の4円パチンコが設置された遊技島である4円パチンコ島での再プレイに1円パチンコの持玉や貯玉を使用したり、1円パチンコ島での再プレイに4円パチンコの持玉や貯玉を使用できる。同様に、スロットマシンの場合であれば、20円スロットの持玉や貯玉のメダルを10円スロットで使用する再プレイや、5円のスロットの持玉や貯玉のメダルを20円スロットで使用する再プレイが可能となる。なお、4円パチンコの持玉等を1円パチンコに使用する再プレイ時には、1円パチンコ用の持玉数=4円パチンコの持玉数×4と換算される。一方、逆の場合には、4円パチンコの持玉数=1円パチンコの持玉数÷4(小数点以下切捨て)と換算される。
【0065】
他口座利用のサービス設定としては、利用対象の他口座を個別選択できる設定と、利用対象の他口座を一括選択する設定と、があり、いずれか一方が遊技場側で予め設定されている。
他口座利用のための操作は、個別選択が可能な遊技場であるか一括選択の遊技場であるか、会員カード331でのログイン遊技か携帯端末31でのログイン遊技か、などの各ケースによって異なってくる。以下、(3−1)個別選択可能な遊技場における会員カードによる他口座利用のケース、(3−2)一括選択の遊技場における会員カードによる他口座利用のケース、(3−3)個別選択可能な遊技場における携帯端末による他口座利用のケース、での各操作を順番に説明した後、(3−4)会員カードによる他口座利用を終了する操作について説明する。
【0066】
(3−1)個別選択可能な遊技場における会員カードによる他口座利用のケース
例えば会員カード331を利用した4円パチンコの遊技で、1円パチンコの持玉等を使用して再プレイを行う場合には、まず、タッチパネル13が表示する
図12(a)の初期画面へのタッチ操作によりメニュー画面(同図(b))を表示させる。他口座利用処理を実行させるためのメニューボタンは、メニュー画面の2頁目に配置されているため、同図(b)のメニュー画面では最下段の「次へ」をタッチ操作し、同図(c)のメニュー画面の2頁目を切換表示させる。
【0067】
図12(c)のメニュー画面で、第2価値使用指示手段の一例をなす「他口座利用」メニュー138をタッチ操作すれば、同図(d)のごとく、再プレイに使用する玉を払い出す口座を選択するための口座選択画面が切換表示される。個別選択が可能な遊技場での4円パチンコの遊技の場合、単価2円に対応する「2パチ」、単価1円に対応する「1パチ」の2種類のボタンがこの口座選択画面に表示される。「1パチ」ボタンをタッチ操作すれば、1円パチンコの持玉、貯玉の他口座(以下、1円口座という。)を再プレイの口座として指定できる。
【0068】
再プレイの口座を指定すると、
図12(e)の暗証番号入力画面が切換表示され、会員カード331の暗証番号の入力に応じて、1円パチンコの口座の持玉や貯玉を4円パチンコの口座に換算した再プレイ可能な玉数の表示画面(同図(f))が切換表示される。同図の例では、1円口座の2500玉の貯玉を元にして、4円パチンコの口座(以下、自口座という。)の625玉に換算される旨が表示されている。
【0069】
再プレイ可能な玉数を表示する画面(
図12(f))の表示中に払出ボタン14を押下操作すれば、1回の操作当り125玉を払い出しさせることが可能である。このとき、玉を払出中である旨の
図12(g)の画面を経由し、125玉の払い出しが完了すると同図(h)の払出完了画面が切換表示される。その後、この払出完了画面がしばらく表示された後、同図(i)の初期画面が切換表示される。なお、他口座利用処理が実行されて他口座の持玉、貯玉を使用する再プレイが設定された状態では、初期画面の最下段のモード表示が「他口座払出」に切り換わると共に、利用中の口座(同図(i)では1円口座である1パチ)が同画面の上から2段目に表示される。
【0070】
(3−2)一括選択の遊技場における会員カードによる他口座利用のケース
例えば一括選択が設定された遊技場において、会員カード331を利用した4円パチンコの遊技で他口座を利用する場合には、玉の払出し元の口座の優先順位が1円口座(他口座)→2円口座(他口座)→4円口座(自口座という)の順となる。以下、1円口座に2500玉、2円口座に1250玉の貯玉がある場合を例にして説明する。
【0071】
上記の(3−1)のケースと同様、
図13(a)の初期画面、同図(b)のメニュー画面を経由して同図(c)のメニュー画面を切換表示させる。このメニュー画面で、第2価値使用指示手段をなす「他口座利用」メニュー138をタッチ操作すれば、
図13(d)のごとく口座選択画面が切換表示される。ここで、一括選択が設定された遊技場では、この口座選択画面に「一括」ボタンのみが表示される。
【0072】
この「一括」ボタンへのタッチ操作が行われると、
図13(e)の暗証番号入力画面が切換表示され、会員カード331の暗証番号の入力に応じて、まず、1円パチンコの口座の持玉や貯玉を4円パチンコの口座に換算した再プレイ可能な玉数の表示画面(同図(f))が切換表示される。同図の例では、1円パチンコの口座の2500玉の貯玉(第2遊技価値)が、4円パチンコの口座で625玉に換算される旨が表示されている。
【0073】
再プレイ可能な玉数を表示する画面(
図13(f))の表示中に、遊技用装置1の払出ボタン14を押下操作すれば、1回の操作当り125玉を払い出しさせることが可能である。このとき、玉を払出中である旨を示す
図13(g)の画面を経由して125玉の払い出しが完了すると、同図(h)の払出完了画面が切換表示される。その後、この払出完了画面の表示状態がしばらく保持され、同図(i)の初期画面に切り換わる。なお、再プレイの利用口座の種別は、初期画面の上から2段目に表示される。
【0074】
その後、1円口座の貯玉等を元にした再プレイ遊技を経て、例えば
図14(j)のように再プレイ可能な玉数が125玉に至った後、さらに払出が行われると(同図(k))、再プレイ可能な玉数がゼロ玉となる(同図(l))。そうすると同図(m)のように再プレイの利用口座が2円口座に自動的に切り換わり、2円口座の貯玉(第2遊技価値)等を自口座に換算した玉数が再プレイ可能な玉数(同図の例では750玉)として表示される。その後、
図14(n)(o)(p)のように2円口座の貯玉等を使い切って再プレイ可能な玉数がゼロに到達すると、同図(q)のように自口座の貯玉(第1遊技価値)等を利用する再プレイの状態となる。
【0075】
(3−3)個別選択可能な遊技場における携帯端末による他口座利用のケース
未入金かつ遊技カード33を未受付のときにタッチパネル13が表示する
図15(a)の初期画面にタッチ操作すると、同図(b)のメニュー画面を経て「他口座利用」メニュー138を含む同図(c)のメニュー画面を切換表示できる。「他口座利用」メニュー138をタッチ操作すれば、会員カード331の挿入、及び携帯端末31の端末IDの読取りのいずれかを促す同図(d)の画面の表示に切り換わる。
【0076】
図15(d)の画面が表示された状態で携帯用リーダ16に携帯端末31を近接させて端末IDを読み取らせれば、同図(e)の口座選択画面が切換表示される。例えば1円口座を選択すれば、同図(f)のように暗証番号入力画面の表示に切り換わり、携帯端末31に対応する暗証番号の入力に応じて、1円パチンコの口座の持玉や貯玉を4円パチンコの口座に換算した再プレイ可能な玉数の表示画面(同図(g))が切換表示される。
【0077】
再プレイ可能な玉数が125玉以上残っている状態で払出ボタン14を操作すれば、1円口座の貯玉等を元にした玉の払出が可能となり、1度数125玉の払出に応じて再プレイ可能な玉数が減算更新される(
図15(h)→(i))。そして、払出が完了すると、同図(j)のように初期画面に戻る。
【0078】
このように元の初期画面(
図15(j))に戻った状態では、1円口座の設定が継続されており、その後、
図16のように、払出ボタン14を操作すればメニュー画面を経由することなく、会員カード331の挿入、及び携帯端末31の端末IDの読取りのいずれかを促す
図16(a)の画面を切換表示できる。上記と同様に携帯端末31を携帯用リーダ16に近接させて端末IDを読み取らせれば、1円口座を再プレイに利用中である旨の
図16(b)の画面が表示される。この画面で、1円口座を再プレイに継続利用するという意思表示のために「OK」ボタン134をタッチ操作すれば、払出中を表す
図16(c)の画面の切換表示と共に1円口座から再プレイの玉が払出される。
【0079】
一方、
図15(j)の画面である
図17(a)の初期画面をタッチ操作すれば、同図(b)のメニュー画面を経て「他口座利用」メニュー138を含む同図(c)のメニュー画面を切換表示できる。「他口座利用」メニュー138をタッチ操作すれば、会員カード331の挿入、及び携帯端末31の端末IDの読取りのいずれかを促す同図(d)の画面の表示に切り換わる。
【0080】
図17(d)の画面が表示された状態で携帯用リーダ16に携帯端末31を近接させて端末IDを読み取らせれば、1円口座を利用中である旨を表示する同図(e)の画面が切換表示され、払出ボタン14の操作に応じて払出がなされる(同図(f))。
【0081】
(3−4)会員カードでの他口座利用を終了する操作
他口座の持玉や貯玉を再プレイに使用するモードが設定された状態の
図18(a)の初期画面をタッチ操作すれば、同図(b)のメニュー画面を経由して「他口座利用終了」メニュー139を含む同図(c)のメニュー画面を切換表示できる。「他口座利用終了」メニュー139をタッチ操作すれば、
図18(d)の終了確認画面の表示に切り換わり、最下段の「OK」ボタン134のタッチ操作により同図(e)のように他口座利用を終了できる。
【0082】
(4)促進案内POP表示
促進案内POP表示は、安心ロック、入金残高取出、及び他口座利用等の便利な特定の機能の利用促進を図るための促進案内の報知処理による表示である。以下、(4−1)安心ロック促進案内、(4−2)入金残高取出促進案内、(4−3)他口座利用促進案内、の各促進案内について説明する。各促進案内では、タッチパネル13が表示している他の表示内容の手前側にウィンドウ枠がPOPアップ表示され、そのウィンドウ枠を利用して
図19〜
図21の案内画面が表示される。
【0083】
(4−1)安心ロック促進案内
この安心ロック促進案内は、上記の(1)安心ロックの利用促進を図るための促進案内である。安心ロック促進案内では、
図19の案内画面ウィンドウがタッチパネル13にPOPアップ表示される。なお、この案内画面ウィンドウを含めて
図19〜
図21の案内画面ウィンドウの表示サイズは、タッチパネル13が縦か横かに関わらず同じ大きさとなっている。
【0084】
図19の案内画面ウィンドウには、簡単な使い方説明や利点など安心ロックに関するテキスト表示のほか、安心ロックを直ちに使用するためのリンクボタン231やPOPアップ表示を終了させる「閉じる」ボタン233、が配置されている。リンクボタン231を操作すれば、安心ロックの利用画面が切換表示されて直ちに利用を開始できる。
【0085】
安心ロック促進案内の実行タイミングとしては、以下の2つのタイミングが設定されている。
・残高(入金額)無しの状態で持玉が増加して第1の所定数に到達した時。
・残高有りの状態で持玉が増加して第2の所定数に到達した時。
【0086】
なお、第1及び第2の所定数は任意に設定が可能である。第1の所定数と第2の所定数とは同じ値であっても良いが、異なる値であっても良い。一般的には、残高が有る場合の第2の所定数については、残高が無い場合の第1の所定数よりも小さな値を設定すると良い。例えば残高が多いほど第2の所定数が小さくなる等、残高の額に応じて第2の所定数が変動するような設定を採用しても良い。遊技カード33が記憶する財産的な価値が大きくなったという適切なタイミングで安心ロック機能の報知を実行すれば、安心ロック機能を直ちに利用するように遊技者を確実性高く動機付けできる。パチンコ遊技機511の場合、第1の所定数としては例えば1000程度を設定でき、第2の所定数としては例えば500程度を設定すると良い。
【0087】
(4−2)入金残高取出促進案内
この入金残高取出促進案内は、上記の(2)入金残高取出の利用促進を図るための促進案内である。入金残高取出促進案内では、
図20の案内画面ウィンドウがタッチパネル13にPOPアップ表示される。
【0088】
図20の案内画面ウィンドウには、この機能の使い方や利用したときの利点など入金残高取出機能に関するテキスト表示のほか、入金残高取出機能を直ちに使用するためのリンクボタン231やPOPアップ表示を終了させる「閉じる」ボタン233、が配置されている。リンクボタン231を操作すれば、入金残高取出機能の利用画面に切り換わり直ちに利用を開始できる。
【0089】
つまり、報知手段としてのタッチパネル13は、残高を特定するための情報のみを記憶した遊技カード33を発行することが可能である旨とともに、前記残高返却指示手段の一例をなす操作ボタンである
図20中のリンクボタン231を表示する。遊技者は、案内画面ウィンドウ内のリンクボタン231を操作することで、直ちに入金残高取出機能を利用できる。
【0090】
入金残高取出促進案内の実行タイミングとしては、以下のタイミングが設定されている。
・残高有りの状態で持玉(メダル)が増加して第3の所定数に到達して、持玉が予め定められた基準を満たしているという条件が充足された時。
【0091】
なお、この第3の所定数としては、持玉を消化する前に大当たり状態の発生が十分に期待できる程度の持玉の値を設定すると良い。例えば500程度を第3の所定数として設定すると良い。持玉が第3の所定数に到達したタイミングは、残高を対価とした貸玉の必要性がほぼ無くなったというタイミングであり、入金残高取出機能の報知に好適なタイミングとなっている。
【0092】
(4−3)他口座利用促進案内
この他口座利用促進案内は、上記の(3)他口座利用の利用促進を図るための促進案内である。他口座利用促進案内では、
図21の案内画面ウィンドウがタッチパネル13にPOPアップ表示される。
【0093】
図21の案内画面ウィンドウには、この機能の使い方や利用したときの利点など他口座利用機能に関するテキスト表示のほか、他口座利用機能を直ちに使用してもらうためのリンクボタン231やPOPアップ表示を終了させる「閉じる」ボタン233、が配置されている。リンクボタン231を操作すれば、他口座利用機能の利用画面に切り換わり直ちに利用を開始できる。
【0094】
つまり、報知手段としてのタッチパネル13は、第2価値使用手段により第2遊技価値(他口座の持玉)が使用可能である旨とともに、前記第2価値使用指示手段の一例をなす操作ボタンである
図21中のリンクボタン231を表示する。遊技者は、案内画面ウィンドウ内のリンクボタン231を操作することで、直ちに他口座利用機能を利用できる。
【0095】
他口座利用促進案内の実行タイミングとしては、以下のタイミングが設定されている。
・他口座に貯玉がある状態で自口座の持玉等を利用して再プレイを行っているとき、再プレイ可能数(第1使用価値)が減少して第4の所定数(所定の基準値)に到達した時。
【0096】
なお、この第4の所定数については、ゼロを設定することもできるが、例えば5度数に対応する625玉など持玉や貯玉が減ってきた遊技状況に対応する値であっても良い。自口座の持玉や貯玉が減ってきたタイミングは、他口座利用を促すタイミングとして絶好のタイミングとなる。
【0097】
以上のように、遊技用装置1では、入金した貨幣の残高及び持玉を特定可能な情報を記憶する遊技カード33を返却させるために操作する返却ボタン515に加えて、残高及び持玉の両方が存在する状態で残高のみの返却を指示するための操作ボタンである「入金残高取出」メニュー135が設定されている。
【0098】
発行手段をなすカードRW180は、「入金残高取出」メニュー135が操作されることなく返却ボタン515が操作されたときには、残高及び持玉を特定するための情報を記録した遊技カード33を発行する。一方、「入金残高取出」メニュー135が操作された後で返却ボタン515が操作されたとき、残高を特定するための情報のみを記録した遊技カード33を発行する。
【0099】
さらに、この遊技用装置1は、残高及び持玉の両方が存在する状態において、この持玉が予め定められた基準(第3の所定数)を満たしていることを条件として、残高の特定情報のみを記録した遊技カード33の発行が可能である旨を遊技者に報知するための報知処理を実行可能である。
【0100】
このように遊技用装置1は、残高のみを持玉から分離して返却する入金残高取出などの便利な特定の機能を有していると共に、その特定の機能を利用するのに適したタイミングで特定の機能を備える旨を報知する。この報知によれば、入金残高取出機能を直ちに利用するように遊技者を確実性高く動機付けできる。
【0101】
また、遊技用装置1は、遊技機51に対応する単価と一致しない第2遊技価値(他口座の貯玉等)を遊技に使用可能とする第2価値使用手段と、第2価値使用手段による遊技価値の使用を指示するために遊技者が操作する第2価値使用指示手段と、を備えている。さらに、遊技機51に対応する単価と一致する第1遊技価値(自口座の持玉等)を使用している状態で、この第1遊技価値が所定の基準値(第4の所定数)まで減少したときに、第2遊技価値を再プレイに使用できる旨を報知するための報知処理を実行する報知手段を備えている。
【0102】
この遊技用装置1によれば、報知の契機となる所定の基準値を適宜設定することで、好適なタイミングで他口座の持玉等を使用可能である旨の報知を実行できる。このような報知を実行すれば、他口座利用機能の存在を遊技者に認識させるとともに、即座にこの他口座利用機能を利用するように遊技者を確実性高く動機付けできる。
【0103】
以上の通り、本例の遊技用装置1によれば、入金残高取出機能や他口座利用機能などの便利な特定の機能の存在を報知して遊技者にアピールできる。この報知は、これらの特定の機能を利用するのに好適なタイミングで実行されるため、入金残高取出機能や他口座利用機能などの便利な特定の機能を直ちに利用するように遊技者を確実性高く動機付けできる。
【0104】
特定の機能を備える旨を報知する報知手段をなすタッチパネル13は、残高を特定するための情報のみを記録した遊技カード33を発行する入金残高取出が可能である旨とともに、入金残高取出機能を直ちに利用するための残高返却指示手段としてのタッチパネル13がリンクボタン231(
図20)を表示する。
【0105】
また、上記の報知手段をなすタッチパネル13は、単価が異なる持玉や貯玉を再プレイに使用する他口座利用が可能である旨とともに、他口座利用機能を直ちに利用するための第2価値使用指示手段としてのタッチパネル13がリンクボタン231(
図21)を表示する。
【0106】
このように入金残高取出や他口座利用などの便利な特定の機能を利用することができる旨とともに、その特定機能を利用するための操作ボタンであるリンクボタン231を一緒に表示すれば、特定機能の利用を一層促進できる。
【0107】
以上のように本例の遊技用装置1によれば、各種機能の利用を促進し、ひいては遊技者がより快適に遊技を行えるようになる。特に、遊技用装置1によれば、投入貨幣の残高(入金残高)及び遊技者が獲得した持玉の両方が存在する状態で、その残高のみを取り出す入金残高取出機能の利用促進、及び単価が異なる遊技価値を再プレイに使用する他口座利用機能の利用促進等、を図ることができる。
【0108】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では促進案内の対象である特定機能として安心ロック機能、入金残高取出機能、他口座利用機能を例示している。促進案内の対象の特定機能は例示した機能には限定されない。遊技者が利用可能な機能であればどのような特定機能であってもよい。
【0109】
促進案内をPOPアップ表示したときにその特定機能の利用を開始した回数を計数し、全体の利用回数に対する促進案内時の利用回数の割合を算出するようにしても良い。これにより、促進案内の効果を数値化でき、効果の定量的な把握が可能となる。
促進案内を実行したときに、以降促進案内を行わないことを遊技者が指定できるようにしてもよい。具体的には、「促進案内をしない」ボタンをタッチパネル13に表示し、そのボタンが操作されたときには以降促進案内を中止することができる。これにより、特定機能の存在を知っているが利用する意思の無い遊技者に対する促進案内を中止できる。
【0110】
入金残高取出の促進案内を表示する条件が成立したときに、促進案内の表示に代えて自動的に残高のみを記録した遊技カードを発行する機能を付加するようにしてもよい。具体的には、会員が予め入金残高取出機能の利用を宣言し、会員の識別情報(会員IDや端末ID)と対応付けて入金残高取出機能の利用フラグを記憶した場合に、遊技者の操作が無くても自動的に残高のみを会員カード331に記録して発行できる。また、他口座利用機能についても同様に、促進案内の表示に代えて自動的に他口座利用の処理を実行する機能を付加してもよい。
【0111】
遊技場側で予め個別選択か一括選択かを設定する他口座利用を例示したが、この構成の場合、遊技者側で個別選択か一括選択かの選択が不可能である。そこで、この構成に代えて、個別選択か一括選択かを遊技者側の好みで選択できるように構成しても良い。例えば、
図12(d)の口座選択画面において、「2パチ」ボタン及び「1パチ」ボタンに加えて「一括」ボタンを配置すると良い。この場合には、「2パチ」ボタン又は「1パチ」ボタンがタッチ操作された場合には個別選択となり、「一括」ボタンがタッチ操作された場合には一括選択となる。
【0112】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。