【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構造では、加圧式筆記具が筆記面に対して垂直に近い状態であるほど筆記時にレフィルが後退しやすく、加圧室が正常に圧縮され、それに伴いレフィル内のインキが加圧されるが、筆記面に対して軸筒を傾けて筆記する場合、傾ける角度が大きくなればなるほどレフィルの軸心方向に掛かる力成分が減少し、レフィルの後退が妨げられることで加圧室が加圧されなくなる問題があった。
また、特許文献1の構造では、筆圧でレフィルが後退することにより加圧室が圧縮される構造であるため、筆記時にレフィルが後方に沈むことで使用者に違和感を生じさせる場合があった。
【0005】
本発明は、こうした問題を解決するために発明されたもので、筆記圧により加圧室を加圧する加圧式筆記具において、筆記具を軸心に対して傾けて筆記した場合でも、筆記芯に掛かる軸心に対して直交する方向の力成分を軸心方向の力成分に変換することにより加圧室が効率よくスムーズに加圧され、且つ筆記時にレフィルが後退することで発生する違和感を緩和する加圧式筆記具を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、
「1.軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方部にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
前記ボールペンチップの前端部が前記軸筒の先端開口部から突出した状態で当該ボールペンチップを後退させることで、前記軸筒内に設けた加圧機構により前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具であって、
前記ボールペンレフィルは、前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能または傾動可能なように後方領域が当該軸筒内に支持されており、
前記軸筒内に、前記ボールペンレフィルを覆うように配置された筒状体と、前記筒状体の外面に形成された段部と前記軸筒の内面に形成された内段との間に圧縮状態で配置された第一の弾発部材と、前記筒状体の後部に連結され前記加圧機構を内装する後部筒状体と、を備え、
前記筒状体は外周面に被押圧部を有しており、
前記軸筒は内周面に押圧部を有しており、
前記押圧部と前記被押圧部の少なくとも一方は、軸方向前方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
前記ボールペンレフィルの前方領域が撓み変形または傾動した際には、前記押圧部により前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向前方に相対移動させることで、前記後部筒状体と前記加圧機構とが当接して当該加圧機構を作動させ、前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加えることを特徴とする加圧式筆記具。
2.前記加圧機構は、前記ボールペンレフィルの後方に内外を連通する空気孔を有するシリンダーと、前記シリンダーの後方に当該シリンダーに対し前後動可能に配設したピストンと、前記シリンダーの内部に前記ボールペンレフィルの後部内孔と前記ピストンとの間を連通する加圧室と、を備え、
前記ボールペンレフィルの後部内孔に前記シリンダーにおける縮径された前部、該シリンダーの後端開口部に前記ピストンの前部がそれぞれ装着され、
前記ピストンが前記シリンダーに対して前方に相対移動することで、前記加圧室が加圧されることを特徴とした前記1項に記載の加圧式筆記具である。
3.前記シリンダーの内周面に形成された内方段部と前記ピストン外周面に形成された前段部との間に圧縮状態で配置された第ニの弾発部材により当該ピストンに対して当該シリンダーを前方に弾発することで、前記シリンダーにより前記ボールペンレフィルを前方へ押圧したことを特徴とする前記2項に記載の加圧式筆記具。
4.前記ボールペンレフィルの外周面に形成された先段部と前記筒状体の内周面に形成された前段部との間に圧縮状態で配置された第三の弾発部材により、前記筒状体に対して前記ボールペンレフィルを後方に弾発し、少なくとも非使用時は、第三の弾発部材の弾発力より第二の弾発部材の弾発力を大きく構成したことを特徴とする前記3項に記載の加圧式筆記具。
5.前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下としたことを特徴とする前記1項ないし4項のいずれか1項に記載の加圧式筆記具。」である。
尚、本発明で、「前」とは、ボールペンレフィルのボールペンチップ側を指し、「後」とは、その反対側を指す。また、「内方」とは、軸筒の軸心方向を指し、「外方」とは、その反対方向を指す。
【0007】
本発明によれば、ボールペンレフィルに対して斜めに筆圧が加えられた際に、筆圧の軸方向の成分によりボールペンレフィルが後退することで加圧機構が作動して筆記具用インキ組成物の後端に圧力が加えられる。また、筆圧の軸方向に対して垂直な成分によって、ボールペンレフィルの前方領域が軸筒内において撓み変形あるいは傾動されると、軸筒内面の押圧部が筒状体の被押圧部を当該軸筒に対して軸方向前方に相対移動させ、それに伴い後部筒状体が軸筒に対して前方に相対移動することで、加圧機構が作動して筆記具用インキ組成物の後端に圧力が加えられる。
このため、ボールペンレフィルに対して斜めに筆圧が掛かった場合でも、筆圧の軸方向成分及び軸方向に対して垂直な成分の両成分を使用することで効率的にボールペンレフィル内の筆記具用インキ組成物の後端が加圧された状態となり、筆記時に筆記具用インキ組成物の流出量が増えることで、筆跡濃度の向上、筆記時のかすれの防止、ボールペンチップの先端を上向きにして筆記しても空気の巻き込みを防止すること等の効果を奏する。
また、ボールペンレフィルに対して斜めに筆圧が掛かった場合、ボールペンレフィルは筆圧の軸方向成分でしか後退せず、筆記角度を傾けるほどに筆記時にボールペンレフィルが後退する長さが短くなる。結果として、筆記時にボールペンレフィルが後退することにより生じる違和感を軽減し、筆記感を向上させる効果を奏する。
【0008】
更に、前記軸筒の押圧部と前記筒状体の被押圧部の少なくとも一方に設けるテーパ面は、軸方向前方に向かって次第に大径になるよう形成されていれば、平面で形成してもよく、曲面で形成してもよく、階段状に形成されていてもよい。また、軸筒の押圧部と筒状体の被押圧部は互いが当接した際に変形しないよう硬い樹脂や金属材料で形成することが好ましい。
尚、軸筒の押圧部と筒状体の被押圧部は、筆圧が掛かった際に滑りやすいよう、互いの当接部の表面粗さを低く形成するこが好ましく、また、当接部に潤滑剤を塗布してもよい。
【0009】
また、軸筒の押圧部及び筒状体の被押圧部を構成する材料は、樹脂であればPP、ポリカーボネート、アクリル、ポリアセタール、ABS、PC等から選択することができ、更に潤滑性が向上するよう潤滑成分を材料に含有させてもよい。
また、軸筒の押圧部及び先部材の被押圧部を金属で形成する場合は、切削性から黄銅やアルミが好適に使用でき、潤滑性及び耐久性を向上させるため、表面に潤滑性のある表面処理を施してもよい。潤滑性の表面処理としては、例えば無電解ニッケルメッキ、スズ−コバルトメッキ等のメッキ処理、またはアルマイト等の表面処理から選択することができる。
【0010】
尚、軸筒の押圧部と筒状体の被押圧部とが当接する両表面部の表面粗さ(平均表面粗さRa)は、押圧部が被押圧部と当接したままスムーズに移動するよう6.3μm以下が好ましく、1.6μm以下がより好ましい。
更に、前記潤滑剤としては、例えばシリコン、グリス、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、タルク等が好適に使用できる。
【0011】
また、筒状体と軸筒との間に第一の弾発部材を配して当該筒状体を後方に弾発することで、軸筒の押圧部と筒状体の被押圧部の少なくとも一部とが常に当接するため、ボールペンレフィルに筆圧が掛かった際にペン先ががたつくことを防止し、さらに、筆記動作と略同時に筒状体の被押圧部が軸筒の押圧部に対して前方に相対移動することで加圧機構が作動し、筆記具用インキ組成物の後端が加圧されるため、筆記開始から濃い筆跡での筆記ができる。
尚、第一の弾発部材は、少なくとも筒状体と、当該筒状体に連結した後部筒状体と、後部筒状体に内装された加圧機構と、当該加圧機構に装着されたボールペンレフィルと、を後方に弾発しているため、第一の弾発部材の取り付け時の荷重はそれぞれの部位の自重の合計より高く設定することが好ましく、また、筆記時に軸筒の押圧部と筒状体の被押圧部とが当接した際、筒状体の被押圧部がすぐに摺動できるように、第一の弾発部材の弾発力をなるべく小さく設定することが好ましい。
【0012】
更に、後部筒状体は、当該後部筒状体の一部を軸筒から外部に突出するよう形成してもよく、その場合、キャップの装着や指などで直接、後部筒状体を前方に押圧した状態のまま筆記できるよう構成することで、加圧機構を常時作動させた加圧式筆記具としても使用することができる。
【0013】
前記加圧機構は、ボールペンレフィルが後方へ移動すること、及び後部筒状体が前方へ移動することで加圧機構が作動して当該ボールペンレフィルの内部が加圧されれば、その形状は特に限定されることはない。
前記加圧機構は、例えば、シリンダーと当該シリンダーに対して前後動可能に装着したピストンと当該シリンダー内の加圧室とを備え、ボールペンレフィルの後部にシリンダーを装着し、更にシリンダーの後方からピストンを装着し、シリンダー内にボールペンレフィルの内部まで連通する加圧室を形成した構成でもよく、ボールペンレフィルの後部に内孔を有するピストンを装着し、ピストンの後方からシリンダーを当該ピストンに被せるように装着し、シリンダー内にボールペンレフィルの内部まで連通する加圧室を形成した構成でもよい。
【0014】
尚、前記加圧機構は、前記ボールペンレフィルの後部内孔にシリンダーの前部、シリンダーの後端開口部内にピストンの前部をそれぞれ装着することが好ましく、この場合、シリンダー及びピストンの装着方向が一致して装着し易くなる効果を奏する。
また、シリンダーは後部に対して前部を縮径して形成することが好ましく、シリンダーの縮径した前部をボールペンレフィルの後部内孔に装着することで、筒状体に収納可能であればインキ収容筒をシリンダーの外径に影響されること無く太く形成できるようになるため、インキ収容筒の容量を増やすことができる。
更に、ボールペンレフィル内が無制限に加圧されるとボールペンチップの先端からのインキ流出量が多くなりすぎることから、シリンダーに対してピストンの前後への移動距離はストッパーを設けて制限することが好ましい。
【0015】
また、シリンダーの内周面に形成された内方段部と前記ピストン外周面に形成された前段部との間には第ニの弾発部材を圧縮状態で配置するほうが好ましく、この場合、筆圧が解除された際に加圧機構を加圧状態から非加圧状態に戻すことができ、さらに、筆記時に筆記面に微量の凹凸があっても第二の弾発部材が縮むことで振動を吸収できるようになるため筆記感が向上する効果を奏する。
尚、前記第ニの弾発部材は、非使用時に加圧式筆記具本体の重量(自重)がペン先に掛かった状態(例えばペン立てにボールペンチップを下にして挿した状態)で保管しても、自重では加圧機構が作動してボールペンレフィル内のインキが漏れ出ないよう、第ニの弾発部材の取り付け時の弾発力を少なくとも自重より高く設定することが好ましい。
【0016】
更に、ボールペンレフィルの外周面に形成された先段部と筒状体の内周面の前方領域に形成された前段部との間には第三の弾発部材を圧縮状態で配置したほうが好ましく、この場合、第三の弾発部材の弾発力によりボールペンレフィルを後方に弾発することで、部品加工時の寸法誤差により、非筆記時にボールペンレフィルが前後に動いてしまう状態の発生を防止することができる。
尚、少なくとも取り付け時は、第三の弾発部材の弾発力より第二の弾発部材の弾発力を大きく構成した方が、非筆記時は前記加圧室が加圧されないため好ましく、第三の弾発部材の弾発力から第二の弾発部材の弾発力を引いた値が加圧式筆記具本体の重量(自重)より大きくなるよう構成することで、非使用時に加圧式筆記具本体の自重がペン先に掛かった状態(例えばペン立てにボールペンチップを下にして挿した状態)で保管しても、自重では加圧機構が作動してボールペンレフィル内のインキが漏れ出ないため、より好ましい。
【0017】
また、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下とすることで、安定したインキ消費量を得られやすく、且つ加圧した状態でのボールペンチップ前端部からのインキ漏れを抑制することができ好ましい。また、筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、インキ漏れを抑制する効果がさらに高まるため、1200hPa以下とすることがより好ましい。
尚、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、加圧前と加圧後の圧縮空間の体積変化量を測定して計算によって測定することができる。この時、20℃、大気圧を1000hPaとして計算を行う。
【0018】
また、本発明に用いる筆記具用インキ組成物は、油性インキ、水性インキ、剪断減粘性インキなど、特に限定されるもののではないが、筆記状態であっても紙面から筆記先端が離脱した際(筆圧がかかっていない状態)では非加圧となるため、粘度の比較的低いインキに好適に用いることができ、加圧によるインキ流出量の増加、筆跡濃度の向上を得ることができるため、マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキや非浸透面に筆記する筆記具に用いることが好ましい。
【0019】
尚、非浸透面上への筆記は筆記面が極端に平滑であることが多く、筆端部のボール回転に向けた駆動力が生じ難い。そのため、筆記時に筆記具用インキ組成物の後端に加えられた加圧力によって、ボール受け座周辺に潤滑性良好なインキが充たされ回転抵抗を低減すること、更には、平滑な筆記面上に粘度を有したインキが移行することで回転環境が形成できる。
【0020】
また、前記ボールペンレフィルの単位面積当たりのインキ消費量値が0.7〜1.5mg/cm
2とすることで、前記した筆跡濃度を得られやすい。さらに、インキ消費量値が0.7〜1.2mg/cm
2とすることが好ましい。尚、良好な筆跡を得るには、筆跡幅は、ボール径よりも小さくすることが重要であり、加圧状態での筆跡幅としては、ボール径の65%〜95%が好ましく、より好ましくは、70%〜90%である。
【0021】
尚、筆跡幅は、前記筆記によって得られた筆跡をISO13660に準じて、筆跡幅(mm)は、反射率の60%以下の領域の平均値を測定したもので、本願発明における筆跡幅は、パーソナル画質評価装置(QEA(Quality Engineering Associates)社製、PIAS−II)によって求めることができる。尚、本発明においては、15箇所測定し、その平均値によって求めることができる。
【0022】
また、ボールペンチップとしては、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるもの、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるもの、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをコイルスプリングにより前方に付勢させたもの等を適用できる。
【0023】
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなる汎用のものが適用でき、直径0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.2mm〜1.2mmの範囲のものが好適に用いられる。特に、ボール径が0.5mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多く、非浸透面に筆記し難くなることから、本発明がより好適に作用するので、ボール径が0.5mm以下のボールペンレフィルに使用することが最も効果的である。
【0024】
前記ボールペンチップの形状も特に限定されるものではないが、チップ本体に、ボール抱持室の底壁の中央に形成したインキ流通孔と、該インキ流通孔から放射状に延びる複数本のインキ流通溝とを有しており、前記ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設け、前記ボール座にφ0.5mm以下のボールを載置させ、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなり、前記ボールペンチップ前端部の内壁に、略円弧面状のシール面を形成するとともに、ボールの縦方向のクリアランスが15〜40μmとすることで、安定した筆跡と、ボール座の磨耗を抑制することができるので好ましい。
【0025】
これは、前記ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設けることで、ボールとチップ本体の接触面積が増加するため、座の磨耗が抑制するためと考えられる。但し、ボール座を形成することで、ボール抱持室のボールを除く空間(体積)が減少するため、インキ消費量は減少する傾向となるが、本発明の加圧式筆記具においては、加圧力によってインキを多く吐出することが可能となる。特に、前記ボール座にボール径0.5mm以下のボールを載置させたボールペンにおいては、ボール座の磨耗が顕著であるため、本発明の効果は顕著であり、ボールの縦方向のクリアランスが15〜40μm、好ましくは、20〜30μmとすることで、安定した筆跡と、チップ先端からのインキ漏れを抑制することができる。
【0026】
前記筆記具用インキ組成物を収容するインキ収容筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体や、金属材料が用いられ、インキの低蒸発性、生産性の面でポリプロピレンが好適に用いられる。また、加圧状態を維持するため、EVOHなどのガスバリア性の材料を、単層や多層、他の材料に積層するなど適宜用いることができる。
【0027】
更に、筆記具用インキ組成物の後端部にはインキ追従体(液栓)を配することもできる。前記インキ追従体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ追従体としては、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ追従体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ追従体は併用することも可能である。
【0028】
また、筆記具用水性インキ組成物は、染料または顔料のどちらを含有してもよいが、顔料を含有することが好ましい。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミニウム顔料、パール顔料、可逆熱変色性顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、熱変色性顔料、補色顔料等が挙げられる。これらの顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜20.0質量%が好ましい。
【0029】
更に、必要に応じて、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
【0030】
更にまた、紙面への定着性や粘性を付与、非浸透面上での筆跡定着性を向上させために水溶性樹脂や樹脂エマルジョンを添加することが好ましい。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。前記水溶性樹脂や樹脂エマルジョンは一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1〜30重量%の範囲で用いられる。
【0031】
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、ノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
【0032】
更に、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α−トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、α−リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。
【0033】
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式等、常時、ペン先が露出する形態での機能を高めることもできる。
【0034】
更に、潤滑剤を使用することができ、例えば、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、β−アラニン型界面活性剤、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α−リポ酸、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。