特許第6754501号(P6754501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754501
(24)【登録日】2020年8月25日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】電磁波検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20200831BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20200831BHJP
   H04N 5/33 20060101ALI20200831BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20200831BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20200831BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20200831BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   G01J1/02 C
   G01J1/04 A
   H04N5/33
   H04N5/369
   H01L31/02 D
   H01L27/146 D
   H01L27/144 K
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-532515(P2019-532515)
(86)(22)【出願日】2018年7月17日
(86)【国際出願番号】JP2018026637
(87)【国際公開番号】WO2019021874
(87)【国際公開日】20190131
【審査請求日】2020年1月20日
(31)【優先権主張番号】特願2017-146361(P2017-146361)
(32)【優先日】2017年7月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀樹
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−146174(JP,A)
【文献】 特開2012−215436(JP,A)
【文献】 特開2014−99468(JP,A)
【文献】 実開昭59−50449(JP,U)
【文献】 特開2013−246021(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0012741(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00 − G01J 1/60
G01J 5/00 − G01J 5/62
G01J 11/00
H01L 21/339
H01L 27/14 − H01L 27/148
H01L 27/30
H01L 29/762
H01L 31/00 − H01L 31/02
H01L 31/0232
H01L 31/0248
H01L 31/0264
H01L 31/08
H01L 31/10
H01L 31/107 − H01L 31/108
H01L 31/111
H01L 31/18
H01L 51/42
H04N 5/30 − H04N 5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波が照射される1の面を有する支持体と、
前記支持体に設けられた少なくとも1つの電磁波検出素子と、
各々が、前記支持体に支持され、前記支持体の前記1の面側に開いた第1の開口部を有しかつ前記1の面から離れる方向に窄んだ導波路を形成する複数の導波路構造と、
を有し、
前記複数の導波路構造は、前記支持体の前記1の面に垂直な方向から見たときに前記少なくとも1つの電磁波検出素子を挟むように配置され、
前記複数の導波路構造の各々の前記第1の開口部間の距離L1は、前記1の面に照射される電磁波の波長をλとした場合、L1<(λ/2)の関係を満たすことを特徴とする電磁波検出装置。
【請求項2】
前記複数の導波路構造の各々の前記第1の開口部は、前記支持体の前記1の面に垂直な方向から見たときに前記少なくとも1つの電磁波検出素子の各々を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項に記載の電磁波検出装置。
【請求項3】
前記支持体は、前記1の面とは反対側の他の面を有する平板形状を有し、
前記少なくとも1つの電磁波検出素子の各々は、前記支持体の前記1の面上に設けられ、
前記複数の導波路構造の各々は、前記支持体の前記他の面上に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記1の面とは反対側の他の面を有する平板形状を有し、
前記少なくとも1つの電磁波検出素子の各々及び前記複数の導波路構造の各々は、前記支持体の前記他の面上に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出装置。
【請求項5】
前記支持体は、前記1の面とは反対側の他の面を有する平板形状を有し、
前記複数の導波路構造は2つの導波路構造を有し、
前記支持体は、前記1の面に垂直な方向から見たときに前記少なくとも1つの電磁波検出素子を挟むように配置され、かつ各々が前記1の面から前記他の面に向かって前記支持体内を貫通する2つの貫通孔を有し、
前記2つの導波路構造は、前記2つの貫通孔の内壁面上に設けられた金属膜を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出装置。
【請求項6】
前記複数の導波路構造の各々の前記導波路には、透光性部材が充填されており、
前記支持体の前記1の面上における前記2つの貫通孔間の距離L1は、前記1の面に照射される電磁波の波長をλとし、前記支持体の屈折率をn1とした場合、L1<(λ/(2・n1))の関係を満たし、
前記支持体の前記他の面上における前記金属膜の開口幅D1は、前記1の面に照射される電磁波の波長をλとし、前記透光性部材の屈折率をn2とした場合、D1≧(λ/(2・n2))の関係を満たすことを特徴とする請求項に記載の電磁波検出装置。
【請求項7】
前記複数の導波路構造の各々は、前記導波路における前記第1の開口部とは
反対側の端部に第2の開口部を有し、
前記第2の開口部の開口幅D1は、前記1の面に照射される電磁波の波長をλとし、前記導波路内の屈折率をnとした場合、D1≧(λ/(2n))の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の電磁波検出装置。
【請求項8】
前記複数の導波路構造の各々の前記導波路は、前記第1の開口部とは反対側
の端部において閉塞されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の電磁波検出装置。
【請求項9】
前記1の面に垂直な方向から見たときにマトリクス状に配列された複数の電磁波検出素子を有し、
前記複数の導波路構造は、前記支持体の前記1の面に垂直な方向から見たときに前記複数の電磁波検出素子の素子間領域にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の電磁波検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁波検出装置は、例えば、所定の特性(波長又は強度など)の電磁波を検出対象とし、当該検出対象の電磁波の有無及びその特性に応じた電気信号を生成する装置である。例えば、特許文献1には、テラヘルツ波を発振又は検出するテラヘルツ素子を含むテラヘルツ素子モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-213732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁波検出素子は、検出対象となる電磁波のみを正確に検出できることが好ましい。具体的には、例えば、装置の受信部(受光部)から取り込まれ、設計上の進路(理想的な進路)を経て検出素子に直接的に入射した1次的な電磁波は、検出対象として好ましい電磁波である場合が多い。
【0005】
一方、例えば、当該検出素子を収容する筐体内で反射した後に当該検出素子に入射した電磁波など、検出素子に間接的に入射した電磁波は、当該1次的な電磁波から特性が変化した電磁波である場合がある。この設計上の進路とは異なる進路を経て検出素子に入射した2次的な電磁波は、検出対象の電磁波としては好ましくない電磁波である場合がある。
【0006】
また、例えばラインセンサやマトリクスセンサなどのように、1次元的又は2次元的に電磁波の検出動作を行う電磁波検出装置においては、複数の検出素子がライン状又はアレイ状に配置される。この場合、検出対象の電磁波及びこれらの設計上の進路は、当該複数の検出素子の各々間で互いに異なる。
【0007】
従って、電磁波の存在及びその特性を正確に検出することを考慮すると、電磁波検出装置は、検出対象の電磁波のみが検出素子に入射するように構成されていることが好ましい。換言すれば、検出対象外の電磁波、すなわち設計上の進路以外の進路を経た電磁波が検出素子に入射することが抑制されていることが好ましい。
【0008】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、対象外の電磁波が検出素子に入射することが抑制され、正確な検出動作を行うことが可能な電磁波検出装置を提供することを課題の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、電磁波が照射される1の面を有する支持体と、支持体に設けられた少なくとも1つの電磁波検出素子と、各々が、支持体に支持され、支持体の1の面側に開いた第1の開口部を有しかつ1の面から離れる方向に窄んだ導波路を形成する少なくとも1つの導波路構造と、を有することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る電磁波検出装置の上面図である。
図2】実施例1に係る電磁波検出装置の断面図である。
図3】実施例1の変形例1に係る電磁波検出装置の上面図である。
図4】実施例1の変形例2に係る電磁波検出装置の断面図である。
図5】実施例1の変形例3に係る電磁波検出装置の断面図である。
図6】実施例2に係る電磁波検出装置の上面図である。
図7】実施例2に係る電磁波検出装置の断面図である。
図8】実施例3に係る電磁波検出装置の上面図である。
図9】実施例3に係る電磁波検出装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1に係る電磁波検出装置(以下、単に検出装置と称する)10の模式的な上面図である。図2は、検出装置10の断面図である。図2には、図1のV−V線に沿った断面図である。図1及び2を用いて、検出装置10について説明する。
【0013】
検出装置10は、支持体11と、支持体11上に支持された検出部20とを含む。検出部20は、少なくとも1つの電磁波検出素子(以下、単に検出素子と称する)を含む。本実施例においては、検出部20が1つの検出素子からなる場合について説明する。すなわち、本実施例においては、検出装置10は、検出部として検出素子20を有する。
【0014】
本実施例においては、検出素子20は、電波と赤外光との間の周波数帯である0.1〜10THzの電磁波(テラヘルツ波)を検出対象とし、当該検出対象の電磁波の有無及びその強度を検出する。また、本実施例においては、図1に示すように、検出素子20は、矩形の平面形状を有する。
【0015】
例えば、検出素子20は、ショットキーバリアダイオードや共鳴トンネルダイオードなどの半導体素子を含む。例えば、検出素子20は、入射した電磁波のうちの検出対象の電磁波に応じた電気信号を生成する光電変換部(図示せず)を有する。
【0016】
また、本実施例においては、支持体11は、互いに平行な主面を有し、当該主面の一方を上面(1の面)11Aとし、他方を下面(他の面)11Bとする平板形状の基板である。また、検出装置10は、検出対象となる電磁波が支持体11の上面11Aに照射されるように配置される。従って、本実施例においては、支持体11の上面11Aは、電磁波が照射される被照射面として機能する。
【0017】
換言すれば、検出装置10は、電磁波が照射される上面(1の面)11Aを有する支持体11と、支持体11に設けられた検出素子20とを有する。なお、支持体11は、検出素子20に電気的に接続された配線(例えば駆動用及び信号処理用の配線)を含む。
【0018】
支持体11は、検出対象となる電磁波(本実施例においてはテラヘルツ波)に対して透過性を有する材料からなる。例えば、支持体11は、樹脂材料からなり、例えばエボナイトからなる。エボナイトは、テラヘルツ波に対して比較的空気に近い屈折率を有する。従って、エボナイトを支持体11に用いる場合、支持体11の上面11Aに照射されたテラヘルツ波の大部分が支持体11内に入射し、また透過する。
【0019】
なお、本実施例においては、支持体11の上面11Aの中央部分に電磁波が照射されるように構成されている。従って、図1及び2に示すように、支持体11の上面11Aにおける当該中央部分は、電磁波の被照射領域R0として機能する。
【0020】
なお、被照射領域R0とは、検出対象の電磁波が、検出装置10における当該電磁波の設計上の入射部(図示せず)を介して入射した後、支持体11に直接的に入射及び透過する領域をいう。
【0021】
例えば、検出装置10における電磁波の入射部(受光部)が矩形の形状を有する場合、図1に示すように、被照射領域R0は、支持体11の上面11A(1の面)に垂直な方向から見たときに検出素子20を取り囲む略矩形の領域である。
【0022】
検出装置10は、支持体11に支持され、電磁波の導波路を形成する電磁波導波部30を有する。本実施例においては、図1に示すように、電磁波導波部30は、支持体11の上面11Aに垂直な方向から見たときに検出素子20を挟むように配置された2つ(1対)の導波路構造31を有する。
【0023】
また、図2に示すように、本実施例においては、導波路構造31の各々は、支持体11の下面11B上に固定されている。また、導波路構造31の各々は、支持体11の上面11A側に開いた(すなわち検出装置10における電磁波の入射部側に開いた)開口部(第1の開口部)AP1を有し、かつ上面11Aから離れる方向に窄んだ導波路WGを形成する。
【0024】
本実施例においては、導波路構造31の各々は、図1に示すように、円形の開口部AP1を有し、開口部AP1から離れるに従って開口幅が小さくなるテーパ形状の内壁面S1を有する。本実施例においては、導波路構造31の各々は、開口部AP1及び内壁面S1によって、中空の導波管を形成する。なお、図1には、導波路構造31の各々の開口部AP1を破線で示した。
【0025】
本実施例においては、導波路構造31の各々は、その全体が導波管をなす。例えば、導波路構造31の各々は、筒状の金属管、表面に金属膜を有する筒状の材料又は表面にメッキ処理が施された筒状の材料からなる筒状体である。また、導波路構造31の各々は、その内壁面S1及び外壁面S2が肉厚(両壁面間の距離)を保持しつつテーパ形状をなすテーパ導波管である。
【0026】
また、本実施例においては、導波路構造31の各々は、その開口部AP1とは反対側の端部が閉塞端部EGとして形成されている。すなわち、本実施例においては、導波路構造31の各々は、一方の端部が開口部AP1によって開口され、他方の端部が閉塞端部EGによって閉塞された導波路WGを形成する。なお、本実施例においては、閉塞端部EGは、導波路構造31の内壁面S1及び外壁面S2が1点に収束してなる導波路構造31の頂点である。従って、本実施例においては、導波路構造31の各々は、円錐状の導波路WGを形成する。
【0027】
なお、検出対象となる電磁波は、支持体11の上面11Aに照射される。従って、検出対象の電磁波は、支持体11に対し、上面11A(及び下面11B)に垂直な方向であるz方向の成分を有するように照射される。
【0028】
本明細書においては、支持体11の上面11A及び下面11Bに平行な方向(z方向に垂直な方向)であり、かつ2つの導波路構造31の配列方向(両者が対向する方向)をx方向と称する。また、z方向及びx方向の両方に垂直な方向をy方向と称する。なお、z方向は、支持体11としての基板の板厚方向に対応する。
【0029】
導波路構造31の各々の内壁面S1は、図2に示すように、閉塞端部EGを通るxz平面で導波路構造31を切断した断面において、支持体11の下面11Bから、角度(第1の角度)A1だけ傾斜している。また、導波路構造31の各々の外壁面S2は、当該断面において、支持体11の下面11B(及び上面11A)に垂直な方向から、角度(第2の角度)A2だけ傾斜している。
【0030】
また、図2に示すように、2つの導波路構造31は、その開口部AP1間が支持体11の下面11B上において距離L1だけ離れて配置されている。具体的には、導波路構造31の各々の開口部AP1側の端部は、支持体11の下面11Bに接着されている。また、2つの導波路構造31は、そのそれぞれの外壁面S2が、支持体11の下面11B上において、距離L1だけ互いに離間している。
【0031】
ここで、図2を用いて、検出装置10内における電磁波の進路について説明する。図2には、3種類の電磁波(電磁波成分)LA〜LCを破線で示した。まず、支持体11の上面11Aにおける被照射領域R0に照射される電磁波は、検出素子20に直接入射する電磁波LAと、支持体11の上面11Aにおける検出素子20の周辺領域に入射する電磁波LBとに区別することができる。
【0032】
電磁波LAは、検出素子20によって受信(受光)される。従って、電磁波LAは、検出素子20によって検出される(光電変換が行われる)。
【0033】
一方、電磁波LBは、検出素子20に直接入射せず、支持体11内に入射する。この電磁波LBは、導波路構造31の開口部AP1に向かって進む。そして、電磁波LBは、開口部AP1から導波路構造31の導波路WG内に進入する。そして、導波路WG内に進入した電磁波LBは、導波路WG内に閉じ込められ、反射を繰り返し、減衰又は消滅する。
【0034】
なお、電磁波LAのような1次的な電磁波は、検出対象の電磁波としての特性を保った検出されるべき電磁波である可能性が高い。従って、電磁波LAは、確実に検出素子20に検出されることが好ましい。
【0035】
一方、電磁波LBのような電磁波は、電磁波LAのような設計上の(理想的な)進路を通らずに検出素子20に入射する2次的な電磁波となる可能性が高い。すなわち、電磁波LBのような電磁波は、当該1次的な電磁波とは異なる特性を有する電磁波(例えばノイズが重畳された電磁波など)、すなわち検出対象としては好ましくない電磁波となる可能性が高い。
【0036】
本実施例においては、電磁波LBのような電磁波は、導波路構造31(電磁波導波部30)によって電磁波LAから分離される。従って、電磁波LBが検出素子20に向かって進むことが抑制される。また、導波路WG内に進入した電磁波は、反射を繰り返して減衰する。従って、2次的な電磁波が検出素子20に入射することが抑制される。従って、対象外の電磁波が検出素子20に入射することが抑制され、正確な検出動作を行うことが可能となる。
【0037】
なお、本実施例においては、導波路構造31の導波路WGを形成する内壁面S1は、45度よりも大きい角度A1(テーパ角度)で傾斜していることが好ましい。仮に、内壁面S1の傾斜角度が45度以下の場合、電磁波LBが内壁面S1によって反射を繰り返した後に開口部AP1を介して入射側に戻る場合がある。
【0038】
電磁波LBが入射側(例えば電磁波LA側)に戻った場合、電磁波LA(好ましい電磁波)に電磁波LB(好ましくない電磁波)が重畳されて検出素子20に入射する場合がある。これに対し、内壁面S1の傾斜角度A1を45度よりも大きくすることで、電磁波LBのような電磁波を確実に導波路構造31内に留めさせ、減衰させることができる。
【0039】
さらに、電磁波LBのうち、検出素子20及び導波路構造31の両方に入射しなかった電磁波は、支持体11を透過して下面11Bから出射する。この支持体11を透過した電磁波は、検出装置10(支持体11及び検出素子20)を収容、保護及び固定する筐体(図示せず)の内部で反射を繰り返し、迷光となる場合がある。
【0040】
この迷光の一部は、支持体11の下面11B側の領域から検出素子20に向かって進む電磁波LCとなる場合がある。また、電磁波LCは、電磁波LAとは大きく異なる特性を有する場合がある。従って、電磁波LCのような電磁波は、電磁波LBと同様に、検出対象としては好ましくない電磁波である場合が多い。
【0041】
そして、電磁波LCは、支持体11の下面11B上に設けた2つの導波路構造31の間の領域、すなわち支持体11の下面11Bにおける検出素子20の直下(裏側)の領域から、下面11Bを介して検出素子20に入射する可能性がある。しかし、この支持体11における検出素子20の裏側の領域から電磁波LCが検出素子20に入射することは好ましくない。
【0042】
これらを考慮すると、2つの導波路構造31の離間距離(下面11B上の外壁面S2間の距離)L1は、検出対象の電磁波LAの波長をλとした場合、L1<(λ/2)の関係を満たすことが好ましい。なお、例えば導波路構造31の支持などのために、支持体11の下面11B上における導波路構造31間の領域に他の部材(屈折率nの)を設ける場合、当該離間距離L1は、L1<(λ/(2n))の関係を満たすことが好ましい。
【0043】
上記の関係を満たす間隔で2つの導波路構造31を配置することで、両者の間の領域で電磁波LCを光学的に遮断することができる。すなわち、上記の関係を満たす間隔で2つの導波路構造31を配置することで、電磁波LCは、当該2つの導波路構造31の間の領域を導波しない。従って、電磁波LCのような電磁波が支持体11の下面11Bから検出素子20に入射することが抑制される。従って、検出対象外の電磁波である電磁波LB及びLCの両方が検出素子20に入射することが抑制される。
【0044】
なお、本実施例においては、支持体11が被照射面としての上面11Aを有し、その反対側に上面11Aに対向する(上面11Aと平行な)下面11Bを有する平板状の基板である場合について説明した。また、本実施例においては、支持体11が上面11Aに電磁波の被照射領域R0を有する場合について説明した。しかし、支持体11の構成及び配置はこれに限定されない。支持体11は電磁波が照射される上面11Aを有していればよく、例えば、支持体11の上面11Aの全体が被照射領域R0であってもよい。
【0045】
また、本実施例においては、検出素子(検出部)20が支持体11の上面11A上に形成され、電磁波導波部30が支持体11の下面11B上に形成される場合について説明した。しかし、支持体11、検出素子20及び電磁波導波部30の構成はこれに限定されない。例えば、検出素子20及び電磁波導波部30は、支持体11の下面11B上に形成されていてもよく、また支持体11内に埋設されていてもよい。
【0046】
また、本実施例においては、電磁波導波部30が2つの導波路構造31を有する場合について説明したが、導波路構造31の個数及び配置はこれに限定されない。例えば、電磁波導波部30は、1つの導波路構造31から構成されていてもよい。
【0047】
また、導波路構造31は、支持体11の上面11A側、すなわち検出装置10内の電磁波の入射部側に導波路WGの開口部AP1が開いているように、開口部AP1の位置及びサイズが構成されていればよい。これによって、少なくとも電磁波LBのような対象外の電磁波となり得る電磁波を導波路構造31内に進入させ、検出素子20に入射させないようにすることができる。
【0048】
このように、本実施例においては、検出装置10は、各々が支持体11に支持され、かつ支持体11における電磁波の被照射面(支持体11の上面11A)側に開いた開口部(第1の開口部)AP1を有しかつ当該被照射面(上面11A)から離れる方向に窄んだ導波路WGを形成する少なくとも1つの導波路構造31と、を有する。従って、対象外の電磁波が検出素子20に入射することが抑制され、正確な検出動作を行うことが可能な電磁波検出装置10を提供することができる。
【0049】
図3は、実施例1の変形例1に係る検出装置10Aの上面図である。検出装置10Aは、電磁波導波部30Aの構成を除いては、検出装置10と同様の構成を有する。図3は、検出装置10Aにおける支持体11の上面11A(電磁波の被照射面)を模式的に示す図である。本変形例においては、電磁波導波部30Aが、各々が矩形の開口部AP1を有する導波路構造31Aを有する。
【0050】
また、本変形例においては、支持体11の上面11Aに垂直な方向から見たときに、検出素子20を取り囲むように8つの導波路構造31Aが配置されている。電磁波導波部30Aは、検出素子20を挟んで4対の導波路構造31Aを有するともいえる。
【0051】
本変形例においては、支持体11の上面11Aにおける検出素子20の周囲の領域に照射される電磁波(すなわち図2の電磁波LB)の大部分が導波路構造31Aに進入する。このように導波路構造31Aを配置することで、電磁波LBのような電磁波が検出素子20に入射することが大幅に抑制される。
【0052】
図4は、実施例1の変形例2に係る検出装置10Bの断面図である。検出装置10Bは、電磁波導波部30Bの構成を除いては、検出装置10と同様の構成を有する。図4は、検出装置10Bにおける図2と同様の断面図である。電磁波導波部30Bは、電磁波導波部30と同様に、検出素子20を挟むように配置された2つの導波路構造31Bを有する。
【0053】
導波路構造31Bの各々は、両方の端部が開口された導波路WGを有する。具体的には、導波路構造31Bの各々は、支持体11の下面11B上に導波路構造31と同様の開口部AP1(第1の開口部)を有し、上面11Aから離れる方向に窄んだ導波路WGを形成する。一方、導波路構造31Bの各々は、開口部AP1とは反対側の端部に、導波路WGの開口部AP2(第2の開口部)を有する。
【0054】
開口部AP2は、例えば、円形状を有する。また、開口部AP2は、開口部AP1よりも小さな開口幅(最大幅、本変形例においては直径)D1を有する。すなわち、本変形例においては、導波路構造31Bの各々は、円錐台形状の導波路WGを有する。
【0055】
なお、本変形例においては、開口部AP2の開口幅(最大幅、本変形例においては直径)D1は、電磁波LB(及び電磁波LA)の波長をλとし、導波路WG内の屈折率をnとした場合、D1≧(λ/(2n))の関係を満たす。この条件を満たす開口幅D1で開口部AP2が設けられていることで、図4に示すように、電磁波LBのような電磁波は、導波路WG内を導波されて、開口部AP2を介して導波路構造31Bから出射される。
【0056】
本変形例のように導波路構造31Bが形成されている場合、電磁波LBのような電磁波を検出素子20から離れる方向に導波させることができる。従って、電磁波LBのような電磁波が検出素子20に入射することが抑制される。
【0057】
また、開口部AP2の開口幅D1が上記した条件を満たすことで、電磁波LBのような電磁波が開口部AP1に向かって戻ることが抑制される。従って、電磁波LAに電磁波LBが重畳されること、及びこの重畳された電磁波が検出素子20に入射することで、ノイズが重畳されることが抑制される。
【0058】
さらに、本変形例においても、2つの導波路構造31Bの開口部AP1間の距離L1は、電磁波LAの波長をλとした場合にL1<(λ/2)の関係を満たすこと、屈折率nの媒体が存在する場合はL1<(λ/(2n))の関係を満たすことが好ましい。これによって、電磁波LCのような電磁波が下面11B側から検出素子20に入射することが抑制される。従って、対象外の電磁波が検出素子20に入射することが抑制され、正確な電磁波の検出動作を行うことができる。
【0059】
なお、本変形例においては、2つの導波路構造31B間の間隔L1は、導波路構造31Bの配列方向(x方向)における検出素子20の長さよりも小さい。従って、検出素子20のサイズによっては、導波路構造31Bの開口部AP1は、支持体11の上面11Aに垂直な方向から見たときに検出素子20に部分的に重なるように配置されている。
【0060】
例えば、検出素子20を支持体11の上面11Aに設け、導波路構造31Bを下面11Bに設ける場合において、電磁波LAの波長、すなわち検出対象の電磁波の波長が比較的小さい場合、導波路構造31Bのように、開口部AP1の一部が上面視において検出素子20に重なるように配置されることができる。
【0061】
図5は、実施例1の変形例3に係る検出装置10Cの断面図である。検出装置10Cは、検出素子20Aの構成を除いては、検出装置10Bと同様の構成を有する。本変形例においては、支持体11の下面11B上に検出素子20Aを有する。2つの導波路構造31Bは、検出素子20Aを挟むように支持体11の下面11B上に設けられている。
【0062】
本変形例のように、検出素子20Aは、支持体11における電磁波(例えば電磁波LA)の被照射面である上面11Aに設けられず、その裏側の下面11B上に設けられていてもよい。この場合、電磁波LAは、支持体11内を透過した後に検出素子20Aに入射するが、その検出対象としての好ましい特性は保たれる。
【0063】
なお、例えば、比較的電磁波LAの波長が大きく、検出素子20Aのサイズが小さい場合、本変形例のような配置構成を取りうる。また、本変形例のように検出素子20A及び導波路構造31Bを同一平面上に設ける場合、導波路構造31B間の離間距離L1は、検出素子20Aよりも大きくする必要がある。しかし、対象外の電磁波の検出素子20Aへの入射の抑制効果は十分に得ることができる。
【0064】
上記したように、本実施例に係る検出装置10は、電磁波が照射される1の面(上面11A)を有する支持体11と、支持体11に設けられた少なくとも1つの検出素子20と、を有する。
【0065】
また検出装置10は、各々が、支持体11に支持され、支持体11の当該1の面側に開いた開口部(第1の開口部)AP1を有しかつ当該1の面から離れる方向に窄んだ導波路WGを形成する少なくとも1つの導波路構造31を有する。従って、対象外の電磁波が検出素子20に入射することが抑制され、正確な検出動作を行うことが可能な電磁波検出装置10を提供することができる。
【実施例2】
【0066】
図6は、実施例2に係る検出装置40の上面図である。また、図7は、図6のW−W線に沿った断面図であり、検出装置40の断面図である。図6及び図7を用いて検出装置40について説明する。検出装置40は、支持体41及び電磁波導波部50の構成を除いては、検出装置10と同様の構成を有する。本実施例においては、電磁波導波部50は、支持体41の内部に形成された2つの導波路構造51を有する。
【0067】
具体的には、図7に示すように、支持体41は、上面41Aに垂直な方向から見たときに検出素子20を挟むように、かつ各々が支持体の上面(1の面)41Aから下面(他の面)41Bまで貫通するテーパ形状の2つの貫通孔41Hを有する。導波路構造51の各々は、当該貫通孔41Hの内壁面に設けられた金属膜51Aを含む。
【0068】
また、本実施例においては、導波路構造51の各々は、金属膜51Aの内側領域を充填するように設けられた透光性部材51Bを有する。すなわち、導波路構造51の各々の導波路WG内には、透光性部材51Bが充填されている。透光性部材51Bは、電磁波LAに対して透過性(透光性)を有する材料、例えば樹脂材料からなる。
【0069】
本実施例においては、支持体41の上面41A側における金属膜51Aの内側表面の部分が開口部(第1の開口部)AP1を構成し、下面41B側の金属膜51Aの内側表面の部分が開口部(第2の開口部)AP2を構成する。また、透光性部材51Bが導波路構造51の各々における導波路WGを構成する。従って、電磁波LBのような電磁波は、透光性部材51B内を導波する。
【0070】
導波路構造51が支持体41の内部に設けられていることで、導波路構造51の剛性、また支持体41への固定強度が上がる。また、支持体41内の空間を利用することで、検出装置40が小型化される。
【0071】
なお、本実施例においては、導波路構造51間の距離L1、及び開口部AP2の開口幅D1は、それぞれ、支持体41及び透光性部材51Bの材料(屈折率)を考慮して定めればよい。
【0072】
具体的には、支持体41の上面41A上における貫通孔41H間の距離L1は、電磁波LAの波長をλとし、支持体41の屈折率をn1とした場合、L1<(λ/(2・n1))の関係を満たすことが好ましい。この関係を満たす間隔で2つの導波路構造51を配置することで、導波路構造51間の領域から電磁波LC(図2参照)のような電磁波が検出素子20に入射することが抑制される。
【0073】
また、支持体41の下面41B上における金属膜51A(開口部AP2)の開口幅D1は、電磁波LAの波長をλとし、透光性部材51Bの屈折率をn2とした場合、D1≧(λ/(2・n2))の関係を満たすことが好ましい。この関係を満たすことで、導波路WG(透光性部材51B)内の電磁波LBが確実に開口部AP2から出射される。従って、電磁波LBのような電磁波が検出素子20側に戻ることが抑制され、検出素子20への対象外の電磁波の入射が抑制される。
【0074】
なお、本実施例においては、導波路構造51が透光性部材51Bを含む場合について説明した。しかし、導波路構造51は透光性部材51Bを有していなくてもよく、例えば金属膜51Aのみからなっていてもよい。なお、導波路構造51が透光性部材51Bを有することで、金属膜51Aの保護(剥離防止など)などを行うことができる。従って、導波路構造51の品質安定性及び検出装置40の品質向上を図ることができる。
【0075】
また、透光性部材51Bは、他の実施例及びその変形例に係る導波路構造の導波路WG、例えば検出装置10における導波路構造31の導波路WG内に充填されていてもよい。また、例えば検出装置10Cの導波路構造31Cが透光性部材51Bを有する場合、開口部AP2の開口幅D1は、透光性部材51Bの屈折率を考慮して設定されていればよい。
【0076】
なお、導波路構造51は、透光性部材51Bを有さない場合、中空の導波路WGを形成する。この場合、開口部AP2の開口幅D1は、電磁波LB(及び電磁波LA)の波長をλとし、導波路WG内の屈折率をnとした場合、D1≧(λ/(2n))の関係を満たすことで、確実に下面41B側に電磁波を導波させることができる。
【0077】
また、本実施例においては、導波路構造51における導波路WGの端部がそれぞれ支持体41の上面41A及び下面41B上に形成される場合について説明した。しかし、導波路構造51の構成はこれに限定されない。
【0078】
例えば、導波路構造51の開口部AP2が支持体41の下面41Bから突出していてもよい。具体的には、支持体41が下面41Bから突出した凸部を有し、この凸部に貫通孔41H及び金属膜51Aが設けられていてもよい。この場合、導波路構造51の端部(開口部AP2)は下面41Bから突出した位置に設けられる。また、導波路構造51は、開口部AP1とは反対側の端部が閉塞されていてもよい。
【0079】
上記したように、本実施例においては、支持体41は、上面41Aに垂直な方向から見たときに検出素子20を挟むように、かつ各々が支持体41の上面41Aから下面41Bに向かって支持体41内を貫通する2つの貫通孔41Hを有する。導波路構造51の各々は、貫通孔41Hの内壁面に設けられた金属膜51Aを含む。従って、対象外の電磁波が検出素子20に入射することが抑制され、正確な検出動作を行うことが可能な電磁波検出装置40を提供することができる。
【実施例3】
【0080】
図8は、実施例3に係る検出装置60の上面図である。図9は、図8のX−X線に沿った断面図であり、検出装置60の断面図であるが、その一部のみを示している。図8及び図9を用いて、検出装置60について説明する。
【0081】
本実施例においては、検出部70がマトリクス状に配列された複数の検出素子71を有する。また、電磁波導波部80は、当該複数の検出素子71間の領域である素子間領域R1の各々に設けられた複数の導波路構造31を含む。
【0082】
本実施例においては、検出部70は、1列に整列し、互いに同一のピッチ(周期)Pで配列された7つの検出素子71を含む。なお、本実施例においては、支持体11上における検出素子71の各々の配列方向をx方向と称する。また、本実施例においては、支持体11はx方向を長手方向とする矩形の上面形状を有し、検出素子71の各々は支持体11の長手方向に沿って配列されている。
【0083】
また、本実施例においては、検出対象の電磁波は、支持体11の上面11Aに対してライン状に照射される。従って、図8に示すように、支持体11における電磁波の被照射領域R0は、ライン状に細長く形成される。また、検出素子71の各々は、それぞれ独立して電磁波の検出動作を行う。
【0084】
なお、検出素子71の配列方向及び配列形態はこれに限定されない。例えば、検出素子71の各々は2列以上で配列されていてもよい。検出素子71の各々は、互いに離間してマトリクス状に配列されていればよい。
【0085】
また、本実施例においては、導波路構造31は、支持体11の上面(1の面)11Aに垂直な方向から見たとき、1の検出素子71と当該1の検出素子71に隣接する他の検出素子71との間の領域である素子間領域R1にそれぞれ設けられている。また、導波路構造31の各々は、上面11A側に開いた開口部AP1を有し、テーパ状の導波路WGを形成する。
【0086】
本実施例においては、導波路構造31は、素子間領域R1の各々にそれぞれ1つずつ設けられている。また、導波路構造31の各々は、検出装置10などと同様に、距離L1をおいて互いに離間して配置されている。
【0087】
導波路構造31の各々は、検出素子71の各々における対象外の電磁波の検出動作(誤検出)を抑制する。具体的には、導波路構造31を素子間領域R1に設けることで、例えば、検出素子71の各々が互いに異なる電磁波の成分を個別に検出する場合の検出素子71毎の誤検出を抑制することができる。
【0088】
例えば、検出装置60は、ラインセンサとして用いられることができる。この場合、検出対象となる電磁波は、検出素子71毎に区別され、また時間毎に変化する。この場合において、素子間領域R1に照射された電磁波(例えば図2の電磁波LBのような電磁波)は、隣接する検出素子71に入射することで、検出精度に悪影響を及ぼす場合がある。
【0089】
これに対し、導波路構造31の各々が素子間領域R1の各々に設けられることで、検出素子71に直接入射しない電磁波を確実に検出素子71から分離又は遮断することができる。従って、検出素子71毎に正確な電磁波検出を行うことができる。
【0090】
また、検出装置60は、例えば、イメージスキャナなどの撮像素子を構成することができる。この場合、検出装置60の検出対象となる電磁波は、例えば、電磁波が被写体(撮像対象物)に照射され、当該電磁波が当該被写体によって反射又は透過された電磁波である。また、例えば検出装置60に対して当該被写体を移動させる機構と組み合わせる場合、検出素子71の各々が検出するべき電磁波の強度が時間毎に変化する。
【0091】
この場合、検出素子71の各々は、照射(入射)された電磁波の強度を独立して検出する。また、検出素子71の各々は、所定時間毎に繰り返し電磁波の検出動作を行う。そして、例えば、複数の検出素子71の各々が検出した電磁波の強度は画素として用いられ、検出部70の全体の検出結果は画像を構成する画像データとなる。
【0092】
このような用途の場合、検出素子71の各々における対象外の電磁波の検出は、画像品質の低下につながる。従って、上記した導波路構造31を有する検出装置60が撮像素子として用いられる場合、正確な撮像動作を行うことができ、また、高品質な画像を得ることができる。
【0093】
なお、本実施例のように複数の検出素子71を配置する場合、そのピッチPは、検出対象の電磁波(例えば図2の電磁波LA)の波長をλとした場合、P>(λ/2)の関係を満たすことが好ましい。この関係を満たすように検出素子71の配置ピッチPを調節することで、隣接する検出素子71間で同一の電磁波が入射されることが抑制される。従って、検出素子71毎で正確に電磁波の検出を行うことができる。
【0094】
上記したように本実施例においては、検出装置60は、支持体11の1の面(上面11A)に垂直な方向から見たときにマトリクス状に配列された複数の検出素子71を有し、導波路構造31は、支持体11の当該1の面に垂直な方向から見たときに当該複数の検出素子71の素子間領域R1にそれぞれ設けられている。従って、複数の検出素子71の各々に対象外の電磁波が入射することが抑制され、正確な検出動作を行うことが可能な電磁波検出装置60を提供することができる。
【符号の説明】
【0095】
10、10A、10B、10C、40、60 電磁波検出装置
11、41 支持体
11A 被照射面
20、20A、71 電磁波検出素子
31、31A、31B、51 導波路構造
AP1 開口部
WG 導波路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9