(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建設現場の所定の場所に各々配置され、前記高所作業車の稼働状態を把握する計測データを取得し、取得した前記計測データを時間間隔を置いて無線出力により送信する請求項1又は2に記載のセンサ装置と、
前記建設現場内を移動する工事関係者に携帯され、前記センサ装置の無線を受信可能なエリアへ進入し、当該センサ装置から前記計測データを受信した場合、内部記憶部に対して受信した前記計測データを書き込んで記憶させる携帯端末と、
前記携帯端末が自身と無線通信可能な距離となったことを検出した場合、当該携帯端末が内部記憶部に記憶している前記計測データを読み込む計測データ取得装置と、
を有する
ことを特徴とするデータ収集システム。
高所作業車の作業車本体に対して昇降する作業台に設置された振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第1しきい値以上となった場合、スリープ状態を解除する通常フローと、
前記振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第2しきい値以上となる状態が、あらかじめ定めた第1の所定時間内にあらかじめ定めた所定回数以上となった場合、稼働状態と判断する稼働ON判定フローと、
前記振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第1しきい値より小さい状態が、あらかじめ定めた第2の所定時間続いた場合、非稼働状態と判断する稼働OFF判定フローと、
を有する
ことを特徴とする高所作業車の稼働状態把握方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、この発明の一実施形態によるデータ収集システムを用いた、センサ装置からの計測データの収集を説明する概念図である。
【0024】
図1においては、建設中のn(n=1,2,…)階建ての建物(建設現場)100の3階F3の構成を示している。3階F3には一例として建設機械M1、建設機械M2及び建設機械M3が配置され、それぞれの機能に応じた作業を行っている。建設機械M1は、例えば、動作中に温度が上昇し、この温度をモニタすることにより、稼働状態を推定することができる。また、建設機械M2及び建設機械M3は、例えば、動作中に振動が発生し、この振動の強度をモニタすることにより、稼働状態が推定できる。
【0025】
また、本実施形態におけるデータ収集システムは、3階F3におけるセンサ装置10、センサ装置11、センサ装置12、携帯端末401、携帯端末402、携帯端末403、計測データ取得装置500、他の階におけるセンサ装置及び計測データ取得装置、データサーバ700及びデータベース800から構成されている。ここで、携帯端末401、携帯端末402及び携帯端末403などの携帯端末は、建設現場内を移動する、当該建設現場の工事などに関連した仕事を行う工事関係者に携帯されている。例えば、携帯端末402及び携帯端末403などの携帯端末は、QCDS(Quality(品質)Cost(価格)Delibery(工期)Safety(安全))を管理するために建設現場内を巡回する現場管理者(現場監督など)あるいは、建設現場で作業や運搬などを行う一般の作業者などの工事関係者に携帯されている。このため、携帯端末402及び携帯端末403などの携帯端末は、工事関係者が新たに建物現場に入ったり建設現場における建物の各階を移動したりする際に、工事関係者とともに移動するので、いずれかの階において固定的に運用されている端末ではない。
【0026】
ここで、現場管理者は、工事種別(鉄筋工事、型枠工事、サッシ工事、天井工事など)毎に、作業者が行う工事が設計図通りに行われているか否かの品質管理、材料の質及び作業者数などの工事にかかる金額を確認する価格管理、担当する種別の工事の工期に対する進捗具合を確認する工期管理、作業者が安全な環境及び状態で作業しているか否か(例えば、足場などが問題なく確保されているか)の安全管理の各々を行うための担当者である。現場管理者は、作業者を指揮して担当する工事種別の作業の管理(監督)を、QCDSに問題が起こらないように頻繁に行う必要がある。このため、現場管理者は、建設現場内全体の担当する工事種別の作業を行っている箇所を管理(確認のみでなく、確認結果に問題があれば解決する指示の作業者への伝達も含む)するため、建設現場内を一日に複数回にわたり巡回する。したがって、現場管理者は、一般の工事を行う作業者よりも広範囲に移動し、かつ複数回にわたり建設現場内を巡回する。これにより、現場管理者が携帯する携帯端末は、センサ装置(センサ装置10、センサ装置11など)から送信されるデータを受信する確率が高くなる。また、特に携帯端末を携帯する担当者が意識しているか否かにかかわらず、担当者自身の担当する工事種別以外の建設現場における状態の計測データを、作業者に対してより多く取得することができる。
【0027】
また、各階におけるセンサ装置も、建設機械の状態、あるいは室温、建設現場の画像などの計測する計測データの種類に応じて、あるいは工事の進捗に応じて、配置が適時変更されるため、いずれの階において固定的に運用されていない。さらに、計測データデータ取得装置500は、建物100のn階の全てに配置されているわけではなく、一階置きに配置したり、あるいは建物内部には配置せずに、工事関係者が必ず通過する出入り口や、必ず立ち寄る事務所などに1個だけ配置するようにしても良い。
【0028】
センサ装置10は、建設機械M1に取り付けられており、例えば、一定時間毎に建設機械M1筐体の温度を計測し、計測した温度を計測データとして、一定周期毎に発信する。このとき、センサ装置10は、計測データの送信先のアドレスを指定せず、いずれの通信機器も受信できるように計測データの発信を行う。
【0029】
センサ装置11は、建設機械M2に取り付けられており、一定時間毎に建設機械M1の筐体の振動の振動強度(例えば、振動加速度の強度)を計測し、計測した振動強度を計測データとして、一定周期毎に発信する。また、センサ装置10及びセンサ装置11の各々は、計測した環境の状態を示す計測データを、電波法で規定されている特定小電力無線の電波強度範囲(エリア)内の電波強度により発信する。また、センサ装置10及びセンサ装置11の各々は、計測データとともに、センサ装置識別情報と時間情報とを発信する。ここで、センサ識別情報は、各センサ装置の符号と同様とし、センサ装置10が10であり、センサ装置11が11である。また、時間情報は、計測データを計測した時間である。
【0030】
この発信を行う一定周期は、短いほど計測データを取得する時間間隔が短くなり、より計測データによる状態(物理量)の変化を監視するリアルタイム性が向上する。しかし、監視する対象の状態の変化がそれほど早くないものも存在する。したがって、監視する対象の状態の変化の速度に対応して、この一定周期を設定するようにしても良い。例えば、環境の物理量の管理したい水準により、1時間周期あるいは1日に4周期程度となる所定の時間に設定し、そのとき計測してある計測データを送信するように構成する。この場合、物理量を計測する時間間隔も、この一定周期に合わせて変更させる。
【0031】
このように、センサ装置10及びセンサ装置11の各々が計測データを発信する一定周期及び計測データを計測部111から取得する時間間隔をセンサ装置毎に異なる値に設定しても、計測データには、センサ装置識別情報と時間情報とが付加されるため、データサーバ700により容易にセンサ装置毎の計測データに分類し、計測時間の順に再配列させることができる。また、センサ装置10及びセンサ装置11の各々は、上述した一定周期でなく、ランダムな時間間隔を置いて計測データを取得し、かつランダムな時間間隔を置いて計測データを送信するようにしても良い。ここで、計測データをランダムな時間に計測し、かつ送信したしても、タイムスタンプとして時間情報が計測データに付加されているため、この時間情報が示し計測時間の順に再配列させることができる。
【0032】
携帯端末401は、携帯電話、スマートフォン及びタブレット端末などであり、携帯している工事関係者の移動に伴い、センサ装置10の発信する電波の送受信可能な範囲(電波の送受信可能な距離範囲)である範囲301に存在している期間に、センサ装置10が計測データを発信する。携帯端末401は、センサ装置10が発信した計測データを受信し、自身内部の記憶部(後述する記憶部423)に書き込んで記憶する。携帯端末402及び携帯端末403の各々も、上述した携帯端末401と同様の動作を行う。また、携帯端末401、携帯端末402及び携帯端末403の各々は、センサ装置11の発信する電波の受信可能な範囲302に存在する期間も同様に、センサ装置11の発信する計測データを受信すると自身内部の記憶部に書き込んで記憶させる。
【0033】
計測データ取得装置500は、工事関係者の移動に伴い、携帯端末が自身とのデータの送受信範囲(電波の送受信可能な距離範囲)である範囲303に存在することを検出すると、携帯端末の内部の記憶部に記憶されているセンサ装置の計測データを読み込む。また、計測データ取得装置500は、通信線(例えば、LAN(Local Area Network)配線など)600を介して、携帯端末から読み込んだ計測データを、データサーバ700に対して送信する。 データサーバ700は、計測データ取得装置500から供給された計測データを、データベース800に対して状態計測データとして書き込んで記憶させる。
【0034】
次に、センサ装置と計測データ取得装置500とが通信可能な距離に存在する場合における計測データ取得装置500の計測データの取得処理を説明する。
【0035】
図1において、計測データ取得装置500は、センサ装置12と通信可能な距離にある場合、センサ装置12から直接に計測データを取得する処理を行う。この
図1において、センサ装置12の発信する電波の受信可能な範囲304と、計測データ取得装置500の発信する電波の受信可能な範囲303とが、センサ装置12及び計測データ取得装置500を含んでオーバーラップしている。一方、センサ装置10及びセンサ装置11と計測データ取得装置500との距離は電波の送受信が不可能な距離となっている。
【0036】
図1の場合、計測データ取得装置500は、センサ装置12から発信される電波を受信し、計測データを直接にセンサ装置12から取得する。ここで、センサ装置12は、発信を行う場合、計測データ取得装置500に対してのみ計測データを送信する。すなわち、計測データ取得装置500は、計測データを取得する際、通信可能な範囲に存在する携帯端末を検出するとともに、通信可能な範囲に存在するセンサ装置を検出している。計測データ取得装置500は、通信可能な範囲においてセンサ装置を検出すると、このセンサ装置に対して自身のアドレスを通知する。センサ装置は、供給された計測データ取得装置500のアドレスに対して計測データを送信する。これにより、センサ装置の送信する計測データは、計測データ取得装置500のみが受信する。したがって、携帯端末は、センサ装置との通信可能な範囲に存在しても、センサ装置から計測データを受信することはない。
【0037】
図2は、
図1におけるセンサ装置10(あるいはセンサ装置11)の構成例を示すブロック図である。
図2において、センサ装置10は、計測部111、制御部112、計測データ記憶部113、無線送受信部114及びバッテリ115の各々を備えている。
【0038】
計測部111は、温度を計測する温度センサであり、計測した計測データを制御部112に対して出力する。本実施形態の場合、例えば、センサ装置10の測定対象の物理量を温度としているため計測部111は温度センサであり、センサ装置11の測定対象の物理量を加速度としているため計測部111は加速度センサである。
【0039】
制御部112は、一定時間毎に計測部111から計測データを読み込むとともに、この計測データを読み込んだ時間を自身内部のタイマーから読み込む。制御部112は、計測データ記憶部113に対して、計測データとこの計測データを読み込んだ時間情報とを組として、計測データ記憶部113に対して書き込んで記憶させる。また、制御部112は、前回計測データを発信してから一定周期の時間が経過したことを示す周期信号を上記タイマーから供給されると、計測データ記憶部113に記憶されている計測データと時間情報とともに、自身のセンサ識別信号を無線送受信部114を介して発信する。この無線送受信部114は、電波法の規定する特定小電力無線の電波強度の上限未満で電波を発信し、データの送受信を行う。バッテリ115は、上述した各部に対して駆動するための電力を供給する。
【0040】
図3は、センサ装置10が発信する計測データの構成例を示す図である。
【0041】
センサ装置10は、例えば自身の配置されている位置の周囲環境の状態として温度を計測する。
図3(a)は、センサ装置10が予め設定された一定の周期(例えば、20分毎)において周期的に発信する計測データを示す図である。すなわち、センサ装置10は、一定周期内に計測した計測データ及びこの計測データを計測した計測時間(計測時間t1、t2、t3、t4)の組に対し、センサ識別情報を付加して発信する。また、
図3(a)において、計測時間は、時間情報であり、予め所定の時間間隔(例えば、5分毎)に設定され、周囲環境の状態を計測データとして計測する時間を示している。
図3(b)も、
図3(a)と同様の構成を示しており、
図3(a)の一定周期の直後の一定周期の計測データ及び計測時間(計測時間t5、t6、t7、t8)の組を示している。
【0042】
図4は、
図1における携帯端末401、携帯端末402及び携帯端末403の構成例を示すブロック図である。
【0043】
図4において、携帯端末401、携帯端末402及び携帯端末403の各々は、それぞれ無線送受信部421、制御部422及び記憶部423を備えている。携帯端末の各々は、制御部422の動作をアプリケーションプログラムをしてインストールし、自身内部のCPU(Central Processing Unit)などがこのアプリケーションプログラムを実行し、センサ装置10および計測データ取得装置500とに対して計測データの送受信等の処理を行う。
【0044】
無線送受信部421は、無線送受信部114と同様に、電波法の規定する特定小電力無線の電波強度の上限未満で電波を発信し、データの送受信を行う。制御部422は、無線送受信部421から供給される計測データ、時間情報及びセンサ識別情報を記憶部423に対して書き込んで記憶させる。例えば、制御部422は、センサ装置から受信する
図3(a)に示す計測データを記憶部423に対して書き込む。制御部422は、センサ装置10の計測データのみでなく、他のセンサ装置11などからの計測データも受信した場合、センサ識別情報毎に対応させて計測データを記憶部423に対して書き込んで、一旦記憶させる。
【0045】
図5は、
図1における計測データ取得装置500の構成例を示すブロック図である。
【0046】
図5において、計測データ取得装置500は、無線送受信部501、有線送受信部502、制御部503及び記憶部504を備えている。無線送受信部501は、無線送受信部114と同様に、電波法の規定する特定小電力無線の電波強度の上限未満で電波を発信し、データの送受信を行う。有線送受信部502は、有線の情報通信網、例えば有線LANなどで形成されており、データサーバ700と有線の情報通信網を介してデータの送受信を行う。
【0047】
制御部503は、無線送受信部501から供給される計測データ、時間情報及びセンサ識別情報を記憶部504に一旦書き込んで記憶させる。また、制御部503は、所定の時間毎に、記憶部504から計測データ、時間情報及びセンサ識別情報を読み出し、有線送受信部502を介してデータサーバ700に対して出力する。また、制御部503は、携帯端末401などから計測データを受信するため、携帯端末と同様に、センサ装置10の計測データのみでなく、他のセンサ装置11などからの計測データを携帯端末から受信した場合、センサ識別情報毎に対応させて計測データを記憶部504に対して書き込んで、一旦記憶させる。
【0048】
図6は、
図1におけるデータサーバ700の構成例を示すブロック図である。
【0049】
図6において、データサーバ700は、有線送受信部701、制御部702、分類部703及び再配列部704を備えている。 有線送受信部701は、有線送受信部502と同様に、計測データ取得装置500と有線の情報通信網を介してデータの送受信を行う。 制御部702は、計測データ取得装置500からLANの有線及び有線送受信部701を介し、計測データ、時間情報及びセンサ識別情報を、データベース800内における計測データ収集領域に書き込んで記憶させる。
【0050】
分類部703は、計測データ収集領域に書き込まれている計測データ、時間情報及びセンサ識別情報を順次読み出し、センサ識別情報毎に計測データ及び時間情報の分類を行い、分類されたセンサ識別情報毎に処理ファイルを生成し、一旦データベース800内のセンサ別計測データ収集領域に書き込んで記憶させる。 再配列部704は、センサ別計測データ収集領域から、計測データ及び時間情報の処理ファイルを順次読み出す。そして、再配列部704は、センサ別計測データ蓄積領域におけるセンサ識別情報毎の状態計測データに対し、時間情報に基づいて計測データを、計測された時間順に並べ直す再配置を行う。
【0051】
これにより、再配列部704は、すでに蓄積されている計測データと新たに供給された計測データを時間順に再配列させ、計測データが取得した時間順となるよう、データベース800に格納されている状態計測データの編集及び蓄積を行う。また、データベース800には、センサ装置識別情報と、建設機械を識別する建設機械識別情報とが対応づけた対応テーブルに記憶されている。すなわち、センサ装置の各々が、いずれの建設装置に設置されているかは、制御部702がデータベース800における上記対応テーブルを検索することにより検出することができる。
【0052】
図7は、データベース800に蓄積される状態計測データの構成例を示す図である。この
図7において、データベース800には、センサ装置を識別するセンサ識別情報毎に、計測された時間の順番に、計測データが配列された状態計測データが記憶されている(蓄積されている)。すでに述べたように、データサーバ700は、データベース800に対し、計測データ取得装置500から供給される計測データをセンサ別計測データ収集領域に対して一旦集積し、この一旦集積した計測データを計測された時間の順番に再配列して格納し、状態計測データを編集処理している。
本実施形態によれば、上述したデータサーバ700の分類及び再配列の処理により、異なる携帯機器で受信された、同一のセンサ装置の計測データが時間順に配列されて、データベース800に状態計測データとして蓄積されることになる。
【0053】
次に、図を用いて、センサ装置、携帯端末、計測データ取得装置及びデータサーバ700における計測データの送受信のシーケンスを説明する。
図8は、センサ装置、携帯端末、計測データ取得装置及びデータサーバ700における計測データの送受信の時系列の処理をシーケンス図である。以下の説明においてセンサ装置10から発信された計測データの移動を例として説明する。
【0054】
ステップS1:
センサ装置10において、制御部112は、自身内部のタイマーの計時する時間に基づいて、計測部111の出力する計測データを所定の時間間隔、すなわち一定時間毎に読み込み、計測データを計測した計測時間とともに、計測データ記憶部113に対して書き込んで記憶させる。
そして、制御部112は、自身内部のタイマーの計時する時間に基づき、一定周期毎に
図3に示す計測データを、計測データ記憶部113から読み出し、自身に付加されているセンサ識別情報とともに無線送受信部114から発信する。ここで、制御部112は、いずれの携帯端末も発信した計測データを取得しない場合(データ受信完了信号を携帯端末から受信しない場合)、計測データを消去せずにそのまま計測データ記憶部113に対して蓄積した状態にしておく。
【0055】
ステップS2:
例えば、携帯端末401を携帯した工事関係者が、ある処理のため、たまたまセンサ装置10の通信可能な距離の範囲301に進入した際、一定周期が経過してセンサ装置10が計測データを発信する。このとき、携帯端末401において、制御部422は、センサ装置10から発信される計測データを受信すると、受信した計測データの最後に付加されている終端を示す終端データを受信したか否かの判定を行う。この終端データは、一定周期毎の計測データの区切りとして付加され、一定周期を識別する周期識別情報を含んでいる。このとき、制御部422は、センサ装置10から受信した計測データに終端データが付加されていると、センサ装置10のセンサ識別情報に対応させて、計測データを記憶部423に書き込んで記憶させる。
【0056】
ステップS3:
制御部422は、受信した計測データに終端データが付加されていた場合、一定周期の計測データを正常に受信したとして、周期識別情報を含むデータ受信完了信号を、センサ装置10に対して送信する。これにより、センサ装置10において、制御部112は、データ受信完了信号を予め設定された期間内に受信すると、周期識別情報の示す一定周期の計測データを、計測データ記憶部113から削除する処理を行う。一方、制御部112は、計測データを発信した後、データ受信完了信号を予め設定された期間内に受信できなかった場合、発信した計測データを削除せず、計測データ記憶部113に蓄積したままとし、次の発信するタイミングで他の一定周期のデータとともに発信する。
【0057】
ステップS4:
計測データ取得装置500において、制御部503は、確認信号を周期的に無線送受信部501を介して発信する。
【0058】
ステップS5:
携帯端末401において、制御部422は、無線送受信部421を介して確認信号が供給されると、計測データ取得装置500が送信可能な距離に存在することを検知する。
【0059】
ステップS6:
制御部422は、送信可能な距離に計測データ取得装置500が存在することを検知すると、記憶部423に記憶されている計測データを時間情報及びセンサ識別情報とともに読み出す。そして、制御部422は、読み出した計測データ、時間情報及びセンサ識別情報に上記終端データを付加し、計測データ取得装置500に対し、無線送受信部421を介して発信する。
【0060】
これにより、計測データ取得装置500において、制御部503は、携帯電話401から発信される計測データを受信すると、受信した計測データの最後に付加されている終端を示す終端データを受信したか否かの判定を行う。このとき、制御部503は、携帯電話401から受信した計測データに終端データが付加されていると、計測データに付加されているセンサ装置10のセンサ識別情報に対応させて、計測データを記憶部504に書き込んで記憶させる。
【0061】
ステップS7:
制御部503は、計測データに付加されている終端データを検出した場合、この終端データを検出した一定周期の計測データを正常に受信したことを示すデータ受信完了信号を、無線送受信部501を介して携帯端末401に対して送信する。携帯端末401において、制御部422は、上述したデータ受信完了信号を無線送受信部421を介して受信すると、このデータ受信完了信号に付加されている周期識別信号に対応する一定周期の計測データを記憶部423から削除する。
【0062】
ステップS8:
制御部503は、自身内部のタイマーの計時する時間に基づき、予め所定の時間間隔が経過した場合、記憶部504に記憶されている各センサ装置の計測データを読み出し、データサーバに対して、有線送受信部502を介して送信する。これにより、データサーバ700において、制御部702は、有線送受信部701を介して受信する計測データを、一旦、データベース800内の計測データ収集領域に書き込んで記憶させる。
【0063】
次に、分類部703は、計測データ収集量域に記憶されている一定周期毎の計測データを読み込み、センサ識別情報によってセンサ装置毎の計測データに分類する。そして、分類部703は、分類した一定周期毎の計測データを、データベース800内のセンサ別計測データ収集領域において、それぞれセンサ識別情報に対応させて書き込んで記憶させる。再配列部704は、センサ識別情報毎に、順次、センサ別計測データ収集領域から計測データを読み込む。
【0064】
また、再配列部704は、センサ別計測データ収集領域から読み込んだ計測データと同様のセンサ識別情報の状態計測データを、データベース800から読み込む。そして、再配列部704は、状態計測データにおいて時間順に配列している計測データの計測時間と、センサ別計測データ収集領域から読み込んだ計測データの計測時間とを比較する。再配列部704は、状態計測データにおける計測データの計測時間と、センサ別計測データ収集領域から読み込んだ計測データの計測時間の各々が、計測時間の時間順となるように再配置を行い、再配置した結果を編集後の状態計測データとして、データベース800に対して書き込んで記憶させる。
【0065】
上述したステップS1からステップS8に示した処理がそれぞれのセンサ識別情報毎に、一定の時間間隔毎に実行され、各センサ装置の時系列の計測データがデータベース800に対して蓄積される。
【0066】
上述したように、本実施形態によれば、計測データ取得装置500のアンテナ位置を変更せずとも、建物内の遮蔽物などの状況が変化したとしても、携帯端末を携帯している工事関係者が通過する位置にアンテナを配置しておくことで、センサ装置の計測した計測データを、データサーバ700容易に収集することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態によれば、各センサ装置が一定周期毎に発信した計測データを、複数の携帯端末が収集して、計測データ取得装置500に対して供給し、データサーバ700が同一のセンサ識別情報の一定周期毎に各携帯端末から供給される計測データを時間順に再配置して纏めて、時系列な計測データである状態計測データを生成することができる。
【0068】
また、センサ装置の各々においては、一定周期毎に計測した計測データを、携帯端末が受信して受領受信完了を出力した際、自身の記憶部から削除するため、無駄な記憶容量を備える必要がなく、価格を低減することができる。
【0069】
また、センサ装置の各々においては、一定周期毎に発信して、たまたま通信可能領域に存在する携帯端末に受信させるため、常時周囲に携帯端末が存在しているか否かの判定を行う構成に比較してバッテリ(
図2のバッテリ115)の寿命を延ばすことが可能となる。
【0070】
さらに、上述した実施形態においては、センサ装置10及びセンサ装置11が一定周期においてのみ、計測した計測データを発信する構成として説明した。しかしながら、計測データを任意に取得することができるように、携帯端末にセンサ装置から計測データを発信させる制御信号を送信する構成を付加しても良い。
【0071】
すなわち、工事関係者が携帯端末を携帯し、必要な計測データを保持しているセンサ装置の無線通信が可能な範囲に侵入し、データ取得を行う操作を携帯端末に対して行う。ここで、工事関係者は例えば携帯端末のタッチパネルに表示されている計測データ取得のボタンをクリックする。
【0072】
これにより、携帯端末の制御部112は、無線送受信部114を介してセンサ装置に対し、センサ装置が保持している計測データを送信することを指示する制御信号を送信する。そして、センサ装置は、この制御信号を受信すると、内部に蓄えている計測データを携帯端末に対して送信する。このとき、センサ装置は、すでに
図8のシーケンス図で説明したように、携帯端末からデータ受信完了信号を受信すると、内部に蓄えていた計測データを消去する。
【0073】
次に、本実施形態においては、センサ装置10の計測する周囲環境の状態(物理量)として、周囲温度を例として説明したが、センサ装置には様々な種類が想定される。
例えば、センサ装置の計測する周囲環境の状態として、建設機械の稼働状態をセンシング(計測)するための振動センサ、打設済みコンクリートの温度をセンシングする温度センサ、建物周辺における振動や騒音をセンシングする振動センサや騒音センサなどがある。以下、それぞれのセンサを用いたアプリケーションについて述べる。
【0074】
<アプリケーション例>
建設現場における作業に配置されている高所作業車(建設機械M2など)がどの程度稼働しているかを把握するため、この高所作業車に対して振動センサ(計測部111)を含むセンサ装置(センサ装置11)を設置する。このセンサ装置は、
図2に示す構成となっている。この場合、センサ装置11は、一定の時間間隔により稼働、すなわち振動センサである計測部111から振動を感知し、この感知した計測時間を時間情報として、すでに述べたように、計測データ記憶部113に書き込んで記憶させる。
【0075】
そして、すでに述べたように、工事関係者が建設現場内を移動することにより、この高所作業車に設置したセンサ装置11との通信可能な距離の範囲内に携帯端末が進入し、センサ装置11の計測データを自身に移し替える。また、工事関係者が移動し、計測データ取得装置500との通信可能な距離の範囲内に携帯端末が侵入すると、携帯端末から計測データ取得装置500に計測データが移し替えられる。この計測データ取得装置500は、複数の携帯端末から取得した計測データを、データサーバ700に対してLAN配線600を介して送信する。例えば、このデータサーバ700は、建設現場の現場事務所内に設置されている。
【0076】
データサーバ700は、供給される計測データから状態計測データを生成し、図示しない表示装置に、センサ装置毎に状態計測データを表示する。ここで、データサーバ700は、データベース800の対応テーブルから、このセンサ装置識別情報に対応した建設機械識別情報を読み出し、建設機械のいずれの状態計測データかを表示装置に表示する。
【0077】
これにより、ユーザは、データサーバ700の表示する状態計測データの示す計測データである振動データの時間変化により、建設現場に配置されている全ての高所作業車の各々の稼働状態を把握することができ、高所作業車の配置に偏りがないかなどの判断を行うことができる。例えば、ユーザである現場の管理者は、同一地点に複数配置した高所作業車において、全般的に稼働状態が低い、あるいは稼働状態のきわめて低い高所作業車が有る場合、この同一地点における高所作業車の台数を削減し、コストダウンを行う処理を実現できる。
【0078】
本実施形態では、
図2におけるセンサ装置10、
図4における携帯端末401、
図5における計測データ取得装置500及び
図6におけるデータサーバ700の各々の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりそれぞれの装置の動作を制御する処理を行ってもよい。
【0079】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0080】
次に、高所作業車の振動感知による稼働状態把握方法を、具体的な例を挙げて説明する。
【0081】
図9は、本実施形態の高所作業車を示す図である。
【0082】
ここでは、
図9に示すような4mタイプの高所作業車1を適用する。高所作業車1は、作業車本体2と、作業車本体2に対して昇降する作業台3と、を有する。
図2に示した振動センサ(計測部111)を含むセンサ装置11は、作業台3に設置される。稼働状態の把握は、センサ装置11の
図2に示した制御部112によって行われる。
【0083】
高所作業車1の稼働状態は、作業台3に設置されたセンサ装置11により把握する。一般に、現場内には、振動の発生源となる様々な建設重機又は機械が稼働している。したがって、高所作業車1に設置されたセンサ装置11が感知する振動は、高所作業車1が発生源の振動であるか否かが判別できない場合がある。そこで、本実施形態では、高所作業車1が稼働するときの振動のレベルを把握することによって、高所作業車1の稼働を判断する。
【0084】
図10は、本実施形態の高所作業車の振動感知による稼働状態把握方法のフローチャートを示す図である。
図11は、本実施形態の稼働状態把握方法の稼働判定プログラムのサブルーチンを示す図である。
【0085】
本実施形態の高所作業車の振動感知による稼働状態把握方法は、ステップ11〜13で通常時フローを実行し、ステップ14〜ステップ19で稼働ON判定フローを実行し、ステップ20〜ステップ26で稼働OFF判定フローを実行する。稼働ON判定フローでは、通常時フローと稼働OFF判定フローよりも加速度の監視間隔を短くする。したがって、稼働ON判定フローでは、高精度な監視を行うことが可能となる。通常時フローと稼働OFF判定フローでは、マイコンをスリープ状態とし、電源の持続時間を延ばすことが可能となる。
【0086】
ここで、フローチャートで使用する用語について説明する。
「割込発生」とは、スリープ状態にある制御部112が起動することである。
「判定回数」とは、稼働判定プログラムを実行する回数である。
「稼働確定判定回数」とは、あらかじめ定めた固定値であって、稼働ON判定状態時に、「判定回数」は「稼働確定判定回数」回になるまで「稼働判定プログラム」を繰返し実行する。
「稼働回数」とは、稼働ON判定状態時に、制御部112によって「稼働確定判定回数」回実行された稼働判定プログラムにおいて算出した加速度が「稼働判定加速度しきい値」を上回った回数である。
「稼働確定回数」とは、稼働ON判定状態時に、稼働状態と判定するあらかじめ定めた固定値である。「稼働回数」が「稼働確定回数」を上回った場合、稼働状態と判定する。
「割込しきい値」とは、通常時又は稼働OFF判定時に、制御部112を起動させるあらかじめ定めた加速度の固定値である。加速度が「割込しきい値」を超えると、制御部112を起動させる。なお、割込しきい値が第1しきい値を構成する。
「稼働判定加速度しきい値」とは、制御部112が算出した加速度に対して稼働状態か非稼働状態かを判定するためのあらかじめ定めた固定値である。なお、稼働判定加速度しきい値が第2しきい値を構成する。
【0087】
まず、ステップ11〜13で、通常時のフローを実行する。ステップ11では、現在時刻が7時〜19時の間であるか否かを判定する(ST11)。ステップ11において、現在時刻が7時〜19時の間でない場合には、高所作業車は稼働していないと判断して、稼働状態の把握を終了する。ステップ11において、現在時刻が7時〜19時の間である場合には、ステップ12に進む。なお、現在時刻の判断範囲は、7時〜19時の間に限らず、所定の時刻を設定すればよい。
【0088】
ステップ12では、加速度を監視する(ST12)。監視間隔は、毎秒6回とする。
【0089】
次に、ステップ13で、振動センサで測定した加速度があらかじめ定めた割込しきい値以上であるか否かを判定する(ST13)。ステップ13において、振動センサで測定した加速度が割込しきい値以上でない場合、高所作業車は稼働していないと判断して、稼働状態の把握を終了する。ステップ13において、振動センサで測定した加速度が割込しきい値以上の場合、ステップ14に進む。
【0090】
次に、ステップ14〜ステップ19で、稼働ON判定フローを実行する。ステップ14では、割込発生を実行する(ST14)。割込発生では、スリープ状態にあるマイコンを起動する。
【0091】
続いて、ステップ15で、判定回数を0、稼働回数を0、時刻を現在の時刻に設定する(ST15)。
【0092】
次に、ステップ16で、
図11に示す稼働判定プログラムのサブルーチンを実行する(ST16)。
【0093】
まず、ステップ61で、「判定回数」を「判定回数+1」にカウントアップする(ST61)。判定回数は、稼働判定プログラムを実行した回数である。
【0094】
続いて、ステップ62で、加速度監視を実行する(ST62)。監視は、毎秒100回の間隔で、基準となる30秒を、あらかじめ定めた稼働確定判定回数で割った時間、行われる。なお、ステップ62での単位時間当たりの加速度の測定回数は、通常フロー及び稼働OFF判定フローでの単位時間当たりの加速度の測定回数よりも多い。また、基準となる30秒が第1の所定時間を構成する。
【0095】
次に、ステップ63で、測定した加速度があらかじめ定めた稼働判定加速度しきい値より大きいか否かを判定する(ST63)。ステップ63において、測定した加速度が稼働判定加速度しきい値より大きい場合、ステップ64に進む。ステップ63において、測定した加速度が稼働判定加速度しきい値以下の場合、稼働判定プログラムのサブルーチンを終了する。
【0096】
ステップ64では、「稼働回数」を「稼働回数+1」にカウントアップする(ST64)。その後、稼働判定プログラムのサブルーチンを終了する。
【0097】
ステップ17では、判定回数があらかじめ定めた稼働確定判定回数と同じか否かを判定する(ST17)。ステップ17において、判定回数が稼働確定判定回数と同じ場合、ステップ18に進む。ステップ17において、判定回数が稼働確定判定回数と異なる場合、ステップ16に戻る。
【0098】
ステップ18では、稼働回数があらかじめ定めた稼働確定回数以上か否かを判定する(ST18)。ステップ18において、稼働回数が稼働確定回数以上の場合、ステップ19に進む。ステップ17において、稼働回数が稼働確定回数より少ない場合、高所作業車は稼働していないと判断して、稼働状態の把握を終了する。
【0099】
ステップ19では、ログに記録する(ST19)。ログには、日付、時刻、稼働ON状態であることを記録する。
【0100】
次に、ステップ20〜ステップ26で、稼働OFF判定フローを実行する。ステップ20では、現在時刻が7時〜19時の間であるか否かを判定する(ST20)。ステップ20において、現在時刻が7時〜19時の間でない場合には、高所作業車は稼働していないと判断して、稼働状態把握を終了する。ステップ20において、現在時刻が7時〜19時の間である場合には、ステップ21へ進む。
【0101】
ステップ21では、現在時刻がステップ19においてログに記録した時刻から30分経過したか否かを判定する(ST21)。ステップ21において、現在時刻がステップ19においてログに記録した時刻から30分経過した場合、ステップ22に進む。ステップ21において、現在時刻がステップ19においてログに記録した時刻から30分経過していない場合、ステップ23に進む。なお、ここでの30分が第2の所定時間を構成する。時間は30分である必要はなく、適宜選択すればよい。
【0102】
ステップ22では、ログに記録する(ST22)。ログには、日付、時刻、稼働OFF状態であることを記録する。
【0103】
ステップ23では、加速度を監視する(ST23)。監視間隔は、毎秒6回とする。
【0104】
次に、ステップ24で、振動センサで測定した加速度があらかじめ定めた割込しきい値以上であるか否かを判定する(ST24)。ステップ24において、振動センサで測定した加速度が割込しきい値以上でない場合、ステップ20に戻る。ステップ24において、振動センサで測定した加速度が割込しきい値以上の場合、ステップ25に進む。
【0105】
ステップ25では、割込発生を実行する(ST25)。割込発生では、スリープ状態にあるマイコンを起動する。
【0106】
続いて、ステップ26では、時刻を現在時刻に設定する(ST26)。その後、ステップ20に戻る。
【0107】
図12は、本実施形態のセンサ装置11が感知した振動波形の一例の模式図である。
【0108】
図12に示すように、センサ装置11には比較的低いレベルの振動が常に感知される。この低いレベルの振動は、建設重機又は作業エレベータ等によるものである。本実施形態では、あらかじめ割込しきい値を500mGに設定する。なお、割込しきい値は、500mGに限ることなく、例えば、高所作業車1の車種又は作業場所等に応じて、400mG〜700mGの間で選択することが好ましい。
【0109】
図12に示した(1)の期間は、測定した加速度が割込しきい値500mG以上の状態があらかじめ定めた所定時間以上続いたので、稼働と判断する。(2)の期間は、測定した加速度が割込しきい値500mGより小さい状態があらかじめ定めた所定時間以上続いたので、非稼働と判断する。本実施形態では、あらかじめ定めた所定時間を30分とした。なお、あらかじめ定めた所定時間は、30分に限ることなく、例えば、高所作業車1の車種又は作業場所等に応じて選択することが好ましい。
【0110】
(3)の期間は、測定した加速度が割込しきい値500mGより小さい状態が短時間続いている。しかしながら、あらかじめ定めた所定時間は続いていないので、非稼働状態とは判断せず、稼働状態と判断する。
【0111】
(4)の期間は、測定した加速度が割込しきい値500mGより小さい状態が、あらかじめ定めた所定時間続いているので、非稼働状態とは判断する。(5)の期間は、測定した加速度が割込しきい値500mGより大きい状態が短時間続いている。しかしながら、あらかじめ定めた所定時間は続いていないので、稼働状態とは判断せず、非稼働状態と判断する。ここで、(5)のあらかじめ定めた所定時間は30秒とする。
【0112】
なお、
図12に示した例では、割込しきい値と稼働判定加速度しきい値を同じ500mGとしている。しかしながら、割込しきい値と稼働判定加速度しきい値は、それぞれ別の値をあらかじめ設定してもよい。
【0113】
以上、本実施形態の高所作業車のセンサ装置は、高所作業車の作業車本体に対して昇降する作業台に設置された振動センサと、振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第1しきい値以上となった場合、スリープ状態を解除する通常フロー、振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第2しきい値以上となる状態が、あらかじめ定めた第1の所定時間内にあらかじめ定めた所定回数以上となった場合、稼働状態と判断する稼働ON判定フロー、及び、振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第1しきい値より小さい状態が、あらかじめ定めた第2の所定時間続いた場合、非稼働状態と判断する稼働OFF判定フロー、を実行する制御部と、を備えるので、建設現場における高所作業車の稼働状態を簡単な構成で高精度に把握することが可能となる。
【0114】
また、本実施形態の高所作業車のセンサ装置は、稼働ON判定フローでの単位時間当たりの加速度の測定回数は、通常フロー及び稼働OFF判定フローでの単位時間当たりの加速度の測定回数よりも多いので、建設現場における高所作業車の稼働状態を簡単な構成でより高精度に把握することが可能となる。
【0115】
また、本実施形態のデータ収集システムは、建設現場の所定の場所に各々配置され、高所作業車の稼働状態を把握する計測データを取得し、取得した計測データを時間間隔をおいて無線出力により送信するセンサ装置と、建設現場内を移動する工事関係者に携帯され、センサ装置の無線を受信可能なエリアへ進入し、当該センサ装置から計測データを受信した場合、内部記憶部に対して受信した計測データを書き込んで記憶させる携帯端末と、携帯端末が自身と無線通信可能な距離となったことを検出した場合、当該携帯端末が内部記憶部に記憶している計測データを読み込む計測データ取得装置と、を有するので、携帯端末を携帯しているユーザが、建設現場で自身の作業を行いつつ移動することにより、移動箇所の近傍にあるセンサ装置の各々から、無意識にセンサ装置の計測データを受信し、計測データ取得装置近傍に移動した際、この計測データ取得装置が携帯端末から計測データを読み込むため、従来のように担当者が計測データの収集を行うことなく、かつ計測データ取得装置のアンテナの位置を調整、センサ装置の発信する電波強度を高めることなく、容易にセンサ装置の各々から計測データを収集することが可能となる。
【0116】
また、本実施形態のデータ収集システムは、計測データの蓄積処理を行うデータサーバをさらに有し、センサ装置の各々が、高所作業車の稼働状態を把握する計測データを計測し、自身内部の計測データ記憶部に当該計測データとともに当該計測データを計測した時間情報を書き込んで記憶させ、時間間隔を置いて計測データ記憶部から計測データ及び時間情報を読み出して発信し、計測データ取得装置が、複数の携帯端末から読み込んだ計測データを、当該計測データに付加されているセンサ装置を示すセンサ識別情報とともに、データサーバに対して送信し、データサーバが、供給される計測データをセンサ識別情報によって当該センサ装置毎に分類し、分類されたセンサ装置毎に時間情報を用いて時系列に計測データを配列し、周囲環境の状態の時間変化を示す状態計測データを生成し、内部の状態計測データ記憶部に書き込んで記憶させるので、計測データを容易に収集でき、時系列の状態計測データを生成することが可能となる。
【0117】
また、本実施形態のデータ収集システムは、携帯端末が、計測データを受信した場合、センサ装置に対して計測データを受信したことを示すデータ受信完了信号を送信し、センサ装置が、携帯端末からデータ受信完了信号を受信した場合、発信した計測データ及び時間情報を計測データ記憶部から削除するので、無駄な記憶容量を備える必要がなく、価格を低減することが可能となる。
【0118】
また、本実施形態のデータ収集システムは、センサ装置が計測データを発信する時間間隔が、当該センサ装置の計測する周囲環境の状態の変化の速度に対応して設定されているので、常時周囲に携帯端末が存在しているか否かの判定を行う構成と比較してバッテリの寿命を延ばすことが可能となる。
【0119】
また、本実施形態のデータ収集システムは、携帯端末が、一日に複数回建設現場内全体を巡回のために移動する、当該建設現場における担当する種別の工事を管理する担当者である工事関係者に携帯されているので、計測データを発信する時間間隔を巡回の時間にあわせてバッテリの寿命を延ばすことが可能となる。
【0120】
また、本実施形態のデータ収集システムは、携帯端末が、一日に複数回建設現場内で、担当する種別の工事における作業を行う作業者である工事関係者に携帯されているので、計測データを発信する時間を作業の時間にあわせてバッテリの寿命を延ばすことが可能となる。
【0121】
さらに、本実施形態の高所作業車の稼働状態把握方法は、高所作業車の作業車本体に対して昇降する作業台に設置された振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第1しきい値以上となった場合、スリープ状態を解除する通常フローと、前記振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第2しきい値以上となる状態が、あらかじめ定めた第1の所定時間内にあらかじめ定めた所定回数以上となった場合、稼働状態と判断する稼働ON判定フローと、前記振動センサに測定された加速度があらかじめ定めた第1しきい値より小さい状態が、あらかじめ定めた第2の所定時間続いた場合、非稼働状態と判断する稼働OFF判定フローと、を有するので、建設現場における高所作業車の稼働状態を簡単な構成で高精度に把握することが可能となる。
【0122】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。