(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
身体側に設けられた液透過性のトップシートと、反身体側に設けられた液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けられた排泄物を吸収する吸収体と、前記バックシートの反身体側に設けられた不織布で形成された外装シートを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートの背側部に、それぞれ幅方向に延在するファスニングテープを設け、
前記ファスニングテープは、上側に位置する上側ファスニングテープと下側に位置する下側ファスニングテープで形成し、
前記上側ファスニングテープは、幅方向に延在する上側本体部の端部の内面に上側係合部を形成し、
前記下側ファスニングテープは、幅方向に延在する下側本体部の端部の内面に下側係合部を形成し、
装着時において、前記外装シートの腹側部に、上側ファスニングテープは下り傾斜姿勢で係止され、下側ファスニングテープは上り傾斜姿勢にされ、
前記上側本体部に下側ファスニングテープを挿通する幅方向に延在する上側スリットと、前記下側本体部に上側ファスニングテープを挿通する幅方向に延在する下側スリットのうち少なくとも一方を形成し、
前記上側本体部における上側スリットの近傍部位に、上側スリットに沿って上側非係合部を形成し、前記下側本体部における下側スリットの近傍部位に、下側スリットに沿って下側非係合部を形成し、
前記上側非係合部がエンボス又はフィルムから形成され、前記下側非係合部がエンボス又はフィルムから形成されたことを特徴とする使い捨ておむつ。
前記上側スリットは、下側本体部の断面外周部よりも大きく形成され、前記下側スリットは、上側本体部の断面外周部よりも大きく形成された請求項1記載の使い捨ておむつ。
前記上側本体部は、上側内側シートと、上側外側シートと、上側内側シートと上側外側シートの間に幅方向に延在する上側伸縮性部材で形成し、前記上側スリットの上側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力と、前記上側スリットの下側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力に差があるものと設定し、
前記下側本体部は、下側内側シートと、下側外側シートと、下側内側シートと下側外側シートの間に幅方向に延在する下側伸縮性部材で形成し、前記下側スリットの上側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力と、前記下側スリットの下側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力に差があるものと設定した請求項1又は2項に記載の使い捨ておむつ。
前記上側本体部の上部に第1上側切込み部を形成し、前記上側本体部の下部に第1下側切込み部を形成し、前記第1上側切込み部を幅方向中央部に向かって下り傾斜に形成し、前記第1下側切込み部を幅方向中央部に向かって上がり傾斜に形成し、
前記下側本体部の上部に第2上側切込み部を形成し、前記下側本体部の下部に第2下側切込み部を形成し、前記第2上側切込み部を幅方向中央部に向かって下り傾斜に形成し、前記第2下側切込み部を幅方向中央部に向かって上がり傾斜に形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のクロス止めの使い捨ておむつでは、おむつ交換時に、上下のファスニングテープをそれぞれ剥がさなければならず、おむつ対象者が多い病院施設、介護施設では、ここに手間がかかるため、おむつ交換又は尿パッドの交換に時間を割かなくてはいけないという課題を抱え、特に、多くの高齢者を収容している病院、介護施設では、使い捨ておむつの交換時間、使い捨ておむつに装着されるパッドの交換時間を短縮して交換作業を低減することが希求されていていた。
【0007】
しかし、特許文献1の技術でも、使い捨ておむつの交換時に、上下側ファスニングテープをそれぞれ剥がす必要があり、交換時間が長く、交換作業の負担が大きいままであった。
【0008】
特許文献2の技術は、おむつカバーの着脱時に、所定以上の剛性を有する右ウェスト部に形成された開口を使用するが、その開口をクロス止めに利用するものではない。
【0009】
そこで、本発明の主たる課題は、使い捨ておむつの交換時間の短縮、使い捨ておむつの内面に装着されるパッドの交換時間を短縮して交換作業を低減する使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決した手段は次のとおりである。
第1手段は、身体側に設けられた液透過性のトップシートと、反身体側に設けられた液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けられた排泄物を吸収する吸収体と、前記バックシートの反身体側に設けられた不織布で形成された外装シートを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートの背側部に、それぞれ幅方向に延在するファスニングテープを設け、前記ファスニングテープは、上側に位置する上側ファスニングテープと下側に位置する下側ファスニングテープで形成し、前記上側ファスニングテープは、幅方向に延在する上側本体部の端部の内面に上側係合部を形成し、前記下側ファスニングテープは、幅方向に延在する下側本体部の端部の内面に下側係合部を形成し、装着時において、前記外装シートの腹側部に、上側ファスニングテープは下り傾斜姿勢で係止され、下側ファスニングテープは上り傾斜姿勢にされ、前記上側本体部に下側ファスニングテープを挿通する幅方向に延在する上側スリットと、前記下側本体部に上側ファスニングテープを挿通する幅方向に延在する下側スリットのうち少なくとも一方を形成し
、前記上側本体部における上側スリットの近傍部位に、上側スリットに沿って上側非係合部を形成し、前記下側本体部における下側スリットの近傍部位に、下側スリットに沿って下側非係合部を形成し、前記上側非係合部がエンボス又はフィルムから形成され、前記下側非係合部がエンボス又はフィルムから形成されたことを特徴とする。
【0011】
第2手段は、第1手段の構成において、前記上側スリットは、下側本体部の断面外周部よりも大きく形成され、前記下側スリットは、上側本体部の断面外周部よりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
第
3手段は、第
1又は2項の手段の構成において、前記上側本体部は、上側内側シートと、上側外側シートと、上側内側シートと上側外側シートの間に幅方向に延在する上側伸縮性部材で形成し、前記上側スリットの上側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力と、前記上側スリットの下側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力に差があるものと設定し、 前記下側本体部は、下側内側シートと、下側外側シートと、下側内側シートと下側外側シートの間に幅方向に延在する下側伸縮性部材で形成し、前記下側スリットの上側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力と、前記下側スリットの下側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力に差があるものと設定したことを特徴とする。
【0015】
第
4手段は、第1〜
3のいずれか1項の手段の構成において、前記上側本体部の上部に第1上側切込み部を形成し、前記上側本体部の下部に第1下側切込み部を形成し、前記第1上側切込み部を幅方向中央部に向かって下り傾斜に形成し、前記第1下側切込み部を幅方向中央部に向かって上がり傾斜に形成し、前記下側本体部の上部に第2上側切込み部を形成し、前記下側本体部の下部に第2下側切込み部を形成し、前記第2上側切込み部を幅方向中央部に向かって下り傾斜に形成し、前記第2下側切込み部を幅方向中央部に向かって上がり傾斜に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1手段によれば、外装シートの背側部に、それぞれ幅方向に延在するファスニングテープを設け、ファスニングテープは、上側に位置する上側ファスニングテープと下側に位置する下側ファスニングテープで形成し、上側ファスニングテープは、幅方向に延在する上側本体部の端部の内面に上側係合部を形成し、下側ファスニングテープは、幅方向に延在する下側本体部の端部の内面に下側係合部を形成し、装着時において、外装シートの腹側部に、上側ファスニングテープは下り傾斜姿勢で係止され、下側ファスニングテープは上り傾斜姿勢にされ、上側本体部に下側ファスニングテープを挿通する幅方向に延在する上側スリットと、下側本体部に上側ファスニングテープを挿通する幅方向に延在する下側スリットのうち少なくとも一方を形成したので、例えば、下側ファスニングテープの下側係合部を係合し、下側ファスニングテープの下側スリットに上側ファスニングテープを挿通した後に、上側ファスニングテープの上側係合部を係合した状態において、上側ファスニングテープ又は下側ファスニングテープのいずれか一方のファスニングテープの係合部を解除すれば、他方のファスニングテープの係合部も解除でき、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間を短縮でき、交換作業の負荷を低減することができる。また、いずれのファスニングテープの係合部が解除された場合でも上側ファスニングテープは下側スリットに挿通された状態を維持するので、特にパッドズレ等のズレ調整時間も短縮することができる。
また、上側本体部における上側スリットの近傍部位に、上側スリットに沿って上側非係合部を形成し、下側本体部における下側スリットの近傍部位に、下側スリットに沿って下側非係合部を形成したので、上側ファスニングテープを下側スリットに挿通する場合に、上側係合部が下側スリットに係合するのを防止することができ、上側ファスニングテープを下側スリットに効率良く挿通することができる。同様に、下側ファスニングテープを上側スリットに挿通する場合に、下側係合部が上側スリットに係合するのを防止することができ、下側ファスニングテープを上側スリットに効率良く挿通することができるので、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間をさらに短縮でき、交換作業の負荷をさらに低減することができる。
さらに、上側非係合部がエンボス又はフィルムから形成され、下側非係合部がエンボス又はフィルムから形成されたので、上側係合部と下側スリットの近傍部の係合を防止することができ、同様に、下側係合部が上側スリットの近傍部に係合するのを防止することができる。
【0017】
第2手段によれば、第1手段による効果に加えて、上側スリットは、下側本体部の断面外周部よりも大きく形成され、下側スリットは、上側本体部の断面外周部よりも大きく形成されたので、上側ファスニングテープを下側スリットに容易に挿通でき、又、下側ファスニングテープを上側スリットに容易に挿通できるので、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間をより短縮でき、交換作業の負荷をより低減することができる。
【0018】
【0019】
【0020】
第
3手段によれば、第
1又は2記載の手段による効果に加えて、上側本体部は、上側内側シートと、上側外側シートと、上側内側シートと上側外側シートの間に幅方向に延在する上側伸縮性部材で形成し、上側スリットの上側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力と、上側スリットの下側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力に差があるものと設定し、 下側本体部は、下側内側シートと、下側外側シートと、下側内側シートと下側外側シートの間に幅方向に延在する下側伸縮性部材で形成し、下側スリットの上側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力を、下側スリットの下側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力に差があるものと設定したので、下述するように、下側係合部と上側スリットの近傍部の係合をより防止することができ、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間をさらに短縮でき、交換作業の負荷をさらに低減することができる。
【0021】
すなわち、例えば、スリットへシートを前側から後側へ挿入し第1装着状態へ至る場合には、上側スリットの上側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力を、上側スリットの下側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力よりも小さく設定し、下側本体部は、下側スリットの上側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力を、下側スリットの下側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力よりも大きく設定したならば、上側ファスニングテープの上部係合部に対向する下側スリットの上側部が下側に向いて円弧状に変形するので、上側係合部と下側スリットの近傍部の係合をより防止することができ、下側ファスニングテープの下部係合部に対向する上側スリットの上側部が上側に向いて円弧状に変形するので、下側係合部と上側スリットの近傍部の係合をより防止することができ、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間をさらに短縮でき、交換作業の負荷をさらに低減することができる。
【0022】
この他の場合として、スリットへシートを後側から前側へ挿入し第1装着状態へ至る場合には、例えば、上側スリットの下側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力を、上側スリットの上側に位置する上側伸縮性部材の伸縮力よりも小さく設定し、下側本体部は、下側スリットの上側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力を、下側スリットの下側に位置する下側伸縮性部材の伸縮力よりも小さく設定したならば、上側ファスニングテープの上部係合部に対向する下側スリットの下側部が上側に向いて円弧状に変形するので、上側係合部と下側スリットの近傍部の係合をより防止することができ、下側ファスニングテープの下部係合部に対向する上側スリットの上側部が下側に向いて円弧状に変形するので、下側係合部と上側スリットの近傍部の係合をより防止することができ、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間を短縮でき、交換作業の負荷を低減することができる。
【0023】
第
4手段によれば、第1〜
3のいずれかに記載の手段による効果に加えて、上側本体部の上部に第1上側切込み部を形成し、上側本体部の下部に第1下側切込み部を形成し、第1上側切込み部を幅方向中央部に向かって下り傾斜に形成し、第1下側切込み部を幅方向中央部に向かって上がり傾斜に形成し、下側本体部の上部に第2上側切込み部を形成し、下側本体部の下部に第2下側切込み部を形成し、第2上側切込み部を幅方向中央部に向かって下り傾斜に形成し、第2下側切込み部を幅方向中央部に向かって上がり傾斜に形成したので、いずれのファスニングテープの係合部が解除された場合でも上側ファスニングテープは下側スリットに挿通された状態をより維持するので、特にパッドズレ等のズレ調整時間をより短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態の使い捨ておむつ>
第1実施形態の使い捨ておむつについて
図1〜11を参照しながら説明する。本明細書においては、「前後方向」とは腹側と背側を結ぶ方向をいい、「幅方向」とは前後方向と直交する方向をいい、「上下方向」とは使い捨ておむつの装着状態において胴回り方向と直交する方向をいい、「内面」とはそれぞれの部材の身体側面をいい、「外面」とは反身体側面をいうものとする。なお、説明上必要と考えられるホットメルト等の接着剤を介して固定した固定箇所は斜線やドットを付している。
【0026】
図1,2に示すように、使い捨ておむつ100は、身体側の液透過性のトップシート1と、反身体側の液不透過性のバックシート2と、トップシート1とバックシート2の間に設けられた吸収体3を備えて構成されている。また、バックシート2の外面には、外装シート20が設けられている。
【0027】
吸収体3の幅方向の外側には、排泄物の外部への漏れを防止するために脚周り用の立体ギャザー30がそれぞれ設けられ、立体ギャザー30の基部の外側には、所定の間隔を隔てて排泄物の外部への漏れを防止する脚周り用の平面ギャザー40がそれぞれ設けられている。
【0028】
吸収体3の前後方向の背側には、排泄物の外部への漏れを防止する背側用の立体ギャザー50が設けられ、立体ギャザー30の基部には、排泄物の外部への漏れを防止する背側用の平面ギャザー60が設けられている。
【0029】
吸収体3の前後方向の外側には、吸収体3が延在しないエンドフラップ部EFがそれぞれ設けられ、吸収体3の幅方向の両外側には、吸収体3が延在しないサイドフラップ部SFがそれぞれ設けられている。
【0030】
サイドフラップ部SFの背側には、外側に向かって延在するファスニングテープ70がそれぞれ設けられ、外装シート20の外面の腹側には、装着者に使い捨ておむつ100を装着する場合にファスニングテープ70を係止するターゲットシート90が設けられている。
【0031】
(トップシート)
トップシート1は、吸収体3の外周縁よりも外側に延在しており、その延在した部位は、ホットメルト等の接着剤を介してバックシート2の内面に固定されている。
【0032】
トップシート1としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。トップシート1に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m
2が好ましく、厚みは0.05〜1mmが好ましい。
【0033】
(バックシート)
バックシート2は、吸収体3の外周縁よりも外側に延在しており、吸収体3に吸収された排泄物の外部への移動を遮断するものである。
【0034】
バックシート2としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート2の単位面積あたりの重量は13〜40g/m
2が好ましく、厚みは0.01〜0.1mmが好ましい。
【0035】
(吸収体)
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固定等してなるものを用いることができる。吸収体3におけるパルプ目付けは100〜500g/m
2、厚みは1〜15mmが好ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0〜300g/m
2が好ましく、高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。また、本実施形態の吸収体3は平面視において砂時計形状に形成しているが、長方形状等に形成することもできる。
【0036】
(外装シート)
外装シート20は、バックシート2を覆って使い捨ておむつ100の外面を布のような外観、肌触りとするものである。外装シート20としては、不織布で形成するのが好ましい。素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法は、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いて製作することができる。但し、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好ましい。
【0037】
不織布は一枚で使用する他、複数枚を重ねて使用することもでき、複数枚を重ねて使用する場合は、不織布相互をホットメルト等の接着剤を介して固定するのが好ましい。また、不織布を用いる場合は、その繊維目付けは10〜50g/m
2、特に15〜30g/m
2が好ましい。
【0038】
(脚周り用の立体ギャザー)
図3,4に示すように、脚周り用の立体ギャザー30を形成するギャザーシート31の基部31Aは、トップシート1の内面の幅方向の外側部とバックシート2の内面の幅方向の外側部に前後方向に亘って固定されている。また、ギャザーシート31の起立部31Bの前後方向の両端部は、トップシート1の内面の幅方向の外側部と立体ギャザー50を形成するギャザーシート51の内面の幅方向の外側部に固定され、ギャザーシート31の起立部31Bの前後方向の中間部は、トップシート1の内面とギャザーシート51の内面には固定されておらず離間している。また、起立部31Bには、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する複数の細長状の弾性伸縮部材32が所定の伸長状態で設けられている。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着した場合には、弾性伸縮部材32の収縮力によって起立部31Bを装着者の股間部に向かって起立させて、起立部31Bの先端部を装着者の股間部に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
【0039】
ギャザーシート31としては、スパンボンド不織布等の不織布の他、バックシート2に用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好ましい。
【0040】
弾性伸縮部材32としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材32の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸長率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。なお、
図1の右斜め上がりの斜線はギャザーシート31の固定箇所を示し、左斜め上がりの斜線はギャザーシート51の固定箇所を示している。
【0041】
(脚周り用の平面ギャザー)
平面ギャザー40は、サイドフラップ部SFにおけるギャザーシート31の基部31Aに対向する部位に設けられている。サイドフラップ部SFを形成するバックシート2と外装シート12の幅方向の外側部には、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する細長状の弾性伸縮部材41が所定の伸長状態で設けられている。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着した場合には、弾性伸縮部材41の収縮力によって平面ギャザー40が装着者の脚部に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
【0042】
弾性伸縮部材41としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材41の間隔は2〜15mm程度、特に3〜7mm程度が好ましい。さらに、弾性伸縮部材41の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸長率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。
【0043】
(背側用の立体ギャザー)
図5に示すように、背側用の立体ギャザー50を形成するギャザーシート51の基部51Aは、トップシート1の内面の背側部の幅方向に中間部に固定されている。また、ギャザーシート51の起立部51Bの内面の幅方向の両側部は、トップシート1の内面と対向するギャザーシート31の外面に固定され、ギャザーシート51の起立部51Bの幅方向の中間部には、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する複数の細長状の弾性伸縮部材52が所定の伸長状態で設けられている。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着した場合には、弾性伸縮部材52の収縮力によって起立部51Bを装着者の背中に向かって起立させて、起立部51Bの先端部を装着者の背中に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
【0044】
ギャザーシート51は、ギャザーシート31と同様にスパンボンド不織布等の不織布の他、バックシート2に用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好ましい。
【0045】
弾性伸縮部材52としては、弾性伸縮部材32と同様に糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材32の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸長率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。
【0046】
(背側用の平面ギャザー)
平面ギャザー60は、エンドフラップ部EFにおけるギャザーシート51の基部51Aに対向する部位に設けられている。ギャザーシート51の基部51Aには、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する細長状の弾性伸縮部材61が所定の伸長状態で設けられている。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着した場合には、弾性伸縮部材61の収縮力によって平面ギャザー60が装着者の背中に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
【0047】
弾性伸縮部材61としては、弾性伸縮部材41と同様に糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材41の間隔は2〜15mm程度、特に3〜7mm程度が好ましい。さらに、弾性伸縮部材41の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸長率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。なお、本実施形態の弾性伸縮部材61は、ギャザーシート51の基部51Aに設けているが、ギャザーシート51の前後方向の背側に別途シートを設けて弾性伸縮部材61を設けることもできる。
【0048】
(ファスニングテープ)
図1〜3に示すように、サイドフラップ部SFの背側部には、それぞれ外側に向かって延在するファスニングテープ70が設けられている。ファスニングテープ70の基部73は、外装シート20とギャザーシート31の幅方向の外側部の間に固定されている。ファスニングテープ70は、上側に位置する上側ファスニングテープ78と下側に位置する下側ファスニングテー
プ88から形成され、さらに、上側ファスニングテープ78は、幅方向に延在する上側本体部79と、上側本体部79の端部の内面に配される上側係合部72で形成され、下側ファスニングテー
プ88は、幅方向に延在する下側本体部89と、下側本体部89の端部の内面に配される下側係合部82で形成され、
上側本体部79には、下側ファスニングテー
プ88を挿通可能である幅方向に延在する上側スリット75が形成され、かつ、下側本体部89に、上側ファスニングテープ78を挿通可能である幅方向に延在する下側スリット85が形成されているがスリットはいずれか1つが形成されているものでもよい。
【0049】
ファスニングテープ70の素材は、不織布が好ましく、不織布としては公知のものを特に限定無く用いることができる。不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の製造方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができ、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができ、不織布と伸縮フィルムを多層に、例えば、二層の不織布の間に伸縮フィルムを貼りあわせた伸縮不織布でもよい。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。使用する不織布の坪量は適宜定めることができるが、本体部5bにおける不織布の総坪量が20〜75g/m
2、特に26〜46g/m
2であり、固定部5f及び先端部5pにおける不織布の総坪量がそれぞれ35〜130g/m
2、特に46〜116g/m
2であると好ましい。この範囲内であれば、外装シート20とギャザーシート31の間に固定される基部73における強度や剛性を確保でき、且つ上側本体部7
9、下側本体部8
9の柔軟性や伸縮性の確保をすることができる。
【0050】
係
合部72、82としては、メカニカルファスナーのフック材が好ましい。フック材は、多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。また、フック材に替えて粘着剤層を用いることもできる。
【0051】
本体部の先端部の幅方向の長さ76は、本体部の長さ74の50〜90%に形成するのが好ましい。これにより、先端部の長さ76を、クロスして上側ファスニングテープ78と下側ファスニングテー
プ88を傾斜させて引伸ばす方向、上側ファスニングテープ78と下側ファスニングテー
プ88の係
合部72,82をターゲットシート90に係合するそれぞれの位置の自由度を高くすることができる。
【0052】
(ターゲットシート)
ターゲットシート90としては、ループ糸が表面に多数設けられたプラスチックフィルムや不織布等が好ましい。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着する場合には、ファスニングテープ70の上下双方の係合部72、82をターゲットシート90に効率よく係止することができるが、ターゲットシート90を配置せず、バックシート2に係合部72,82が直接係合されてもよい。
【0053】
(装着時のファスニングテープとスリットの関係)
図6,7,9,10に示すように、装着時には、外装シート20の腹側部に設けられたターゲットシート90に、上側ファスニングテープ78はターゲットシート90の中央部に向かって下り傾斜姿勢で係止され、下側ファスニングテープ88はターゲットシート90の中央部に向かって上り傾斜姿勢で係止される。
【0054】
図6等には、上側ファスニングテープ78の係合時に、下側ファスニングテープ88の下側本体部89の下側スリット85に上側ファスニングテープ78を挿通した後に、上側ファスニングテープ78の上側本体部79の上側係合部72をターゲットシート90に係合した形態を図示している。なお、以下では便宜的のこの状態を第1装着状態と言う。
また、
図9には、下側ファスニングテープ88の係合時に、上側ファスニングテープ78の上側本体部79の上側スリット75に下側ファスニングテープ88を挿通した後に、下側ファスニングテープ88の下側本体部89の下側係合部82をターゲットシート90に係合した形態を図示している。なお、以下では便宜的のこの状態を第2装着状態と言う。
【0055】
(脱着時のファスニングテープとスリットの関係)
図8に示すように、第1装着状態にある上側ファスニングテープ78とターゲットシート90の係合を解除し、上側ファスニングテープ78の先端部を
図8の矢印に示すように前側へ引き寄せると、上側ファスニングテープ78と同時に、下側スリット85を介して下側ファスニングテー
プ88も前側に引き寄せられて、下側ファスニングテー
プ88とターゲットシート90の係合を解除される。また、図示を省略するが、第2装着状態にある下側ファスニングテープ88とターゲットシート90の係合を解除し、下側ファスニングテープ88の先端部を前側へ引き寄せると、下側ファスニングテープ88と同時に、上側スリット75を介して上側ファスニングテー
プ78も前側に引き寄せられて、上側ファスニングテー
プ78とターゲットシート90の係合を解除される。
【0056】
これにより、使い捨ておむつ交換時には、上側ファスニングテープ78と下側ファスニングテープ88のいずれか一方のファスニングテープ70の係合を解除して前側に引き寄せることによって、他方のファスニングテープ70の係合も解除することができるので、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間を短縮でき、交換作業の負荷を低減することができる。また、いずれのファスニングテープの係合部が解除された場合でも上側ファスニングテープは下側スリットに挿通された状態を維持するので、特にパッドズレ等のズレ調整時間も短縮することができる。
【0057】
図11に示すように、下側スリット85のスリット長L1は、上側本体部79の延在方向に対して直交する長さW1よりも大きく形成されている。これにより、下側ファスニングテープ88の下側スリット85に上側ファスニングテープ78を容易に挿通することができ、使い捨ておむつの交換時間や、使い捨ておむつに内装されたパッドの交換時間をより短縮でき、交換作業の負荷をより低減することができる。
【0058】
<第2の実施形態に係る使い捨ておむつ>
次に、第2実施形態の使い捨ておむつのファスニングテープ70について説明する。なお、第1実施形態の使い捨ておむつのファスニングテープ70と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、上側ファスニングテープ78の上側本体部79における上側スリット75の上下側近傍部に上側スリット75に沿って上側非係合部91A,91Bを形成し、下側ファスニングテープ88の下側本体部89における下側スリット85の上下側近傍部に、下側スリット85に沿って下側非係合部92A,92Bを形成している。これにより、上側係合部72と下側スリット85の近傍部の係合を防止することができ、同様に、下側係合部82が上側スリット75の近傍部に係合するのを防止することができる。上側非係合部91A,91B及び下側非係合部92A,92Bは、係合しにくい材料又は材質で形成されたものであれば、例えば、エンボス又はフィルムから形成することができる。
【0059】
<第3の実施形態に係る使い捨ておむつ>
次に、第3実施形態の使い捨ておむつのファスニングテープ70について説明する。なお、第1実施形態の使い捨ておむつのファスニングテープ70と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図13に示すように、上側ファスニングテープ78を、上側内側シート93Aと、上側外側シート93Bと、上側内側シート93Aと上側外側シート93Bの間に上下方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する上側弾性伸縮部材94と、で形成し、上側本体部79のスリット75よりも上側に配置された上側弾性伸縮部材94の収縮力をスリット75よりも下側に配置された上側弾性伸縮部材94の収縮力よりも小さく設定する。これにより、下側ファスニングテープ88が前側から後側へスリット75を挿通する場合に、下側ファスニングテープ88の下側係合部82と対向するスリット75の上側近傍部が上側に向かって円弧状に変形するので、下側ファスニングテープ88をスリット75に挿通する場合に下側係合部82とスリット75の上側近傍部との係合を防止することができる。なお、
図13の矢印はスリット75よりも上側に配置された上側弾性伸縮部材94の収縮力とスリット75よりも下側に配置された上側弾性伸縮部材94の収縮力の大きさを模式的に示している。
【0061】
同様に、下側ファスニングテープ88を下側内側シート95Aと、下側外側シート95Bと、下側内側シート95Aと下側外側シート95Bの間に上下方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する下側弾性伸縮部材96で形成し、下側本体部89のスリット85よりも上側に配置された下側弾性伸縮部材96の収縮力をスリット85よりも下側に配置された下側弾性伸縮部材96の収縮力よりも小さく設定する。これにより、上側ファスニングテープ78がスリット85を後側から前側へ挿通する場合に、上側ファスニングテープ78の上側係合部72と対向するスリット85の上側近傍部が上側に向かって円弧状に変形するので、上側ファスニングテープ78をスリット85に挿通する場合に上側係合部72とスリット85の上側近傍部との係合を防止することができる。なお、
図13の矢印はスリット85よりも上側に配置された下側弾性伸縮部材96の収縮力とスリット85よりも下側に配置された下側弾性伸縮部材96の収縮力を示している。ここで、下側本体部89のスリット85よりも上側に配置された下側弾性伸縮部材96の収縮力をスリット85よりも下側に配置された下側弾性伸縮部材96の収縮力よりも大きく設定してもよく、これにより、上側ファスニングテープ78の上側係合部72と対向するスリット85の上側近傍部が上側に向かって円弧状に変形するので、上側ファスニングテープ78をスリット85に前側から後側へ挿通する場合に上側係合部72とスリット85の上側近傍部との係合を防止することができ便宜である。
【0062】
<第4の実施形態に係る使い捨ておむつ>
次に、第4実施形態の使い捨ておむつのファスニングテープ70について説明する。なお、第1実施形態の使い捨ておむつのファスニングテープ70と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
図14に示すように、上側ファスニングテープ78の上側端部に幅方向に所定の間隔を隔てて2個の切込み部97A,97Bが形成され、上側ファスニングテープ78の下側端部に幅方向に所定の間隔を隔てて2個の切込み部97C,97Dが形成されている。切込み部97A,97Bは、幅方向の中央に向かって下り傾斜に形成され、切込み部97C,97Dは、幅方向の中央に向かって上り傾斜に形成されている。また、下側ファスニングテープ88の上側端部に幅方向に所定の間隔を隔てて2個の切込み部98A,98Bが形成され、上側ファスニングテープ78の下側端部に幅方向に所定の間隔を隔てて2個の切込み部98A,98Bが形成されている。切込み部98A,98Bは、幅方向の中央に向かって下り傾斜に形成され、切込み部98C,98Dは、幅方向の中央に向かって上り傾斜に形成されている。
【0064】
これにより、第1装着状態から上側ファスニングテープ78の上側係合部72の係合を解除した場合に、上側ファスニングテープ78が下側ファスニングテープ88のスリット85の内部に係止されるので、使用済みのパッドの交換を行った後に使い捨ておむつを装着する場合に、上側ファスニングテープ78を再びスリット85に挿通する必要がないので特にパッドズレ等のズレ調整時間をより短縮することができる。また、第2装着状態から下側ファスニングテープ88の下側係合部82の係合を解除した場合に、下側ファスニングテープ88が上側ファスニングテープ78のスリット75の内部に係止されるので、使用済みのパッドの交換を行った後に使い捨ておむつを装着する場合に、下側ファスニングテープ88を再びスリット75に挿通する必要がないので特にパッドズレ等のズレ調整時間をより短縮することができる。