特許第6754558号(P6754558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754558
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】追加情報収集システムおよび収集方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20200907BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20200907BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20200907BHJP
【FI】
   G06F16/9035
   G06Q30/02
   G06Q50/10
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-185245(P2015-185245)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-59135(P2017-59135A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 哲
(72)【発明者】
【氏名】白川 聖子
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−007840(JP,A)
【文献】 特開2010−146125(JP,A)
【文献】 特開2012−014434(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/083867(WO,A1)
【文献】 福田 崇男,専用ツールと2段階認証を生かす パスワード管理の現実解,日経パソコン,日本,日経BP社,2014年 3月24日,No.694,49−51ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06Q 30/02
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者個人に関する情報を管理運用するセンタと、
前記センタと情報の送受信を行う利用者端末と、
前記センタと前記利用者端末との間に介在する通信キャリアのメッセージサービスと、
前記センタ、前記通信キャリアおよび前記利用者端末をつなぐ通信ネットワークと
から構成され、
前記センタは、前記利用者個人に関する情報を管理するデータベース
前記利用者の本人確認に使用するキーワードおよび当該センタへの接続情報を含む第1のメッセージ、前記本人確認の完了通知および当該センタとの再接続情報を含む第2のメッセージ、前記キーワードおよび前記利用者に関する追加情報の登録可否の要求を含む第3のメッセージ、前記キーワードおよび前記追加情報の入力要求を含む第4のメッセージおよび前記追加情報の登録完了を通知する第5のメッセージを生成すると共に、前記キーワードを前記メッセージ毎に変更する処理部と、
前記メッセージサービスを介して、前記利用者端末と前記各メッセージおよび前記各メッセージに対する返信を送受する送受信部と、
前記利用者端末から受信した前記追加情報にエラーがなければ、前記データベースに当該追加情報を登録する記録部と、
前記通信ネットワークを介して、前記追加情報の収集および前記利用者に関する提示情報を前記利用者端末に表示させる表示部と
を備え、
前記利用者端末は、前記第1のメッセージの受信後に、当該第1のメッセージに含まれる前記キーワードが当該利用者端末に入力されると当該キーワードを前記センタに返信し、前記第3のメッセージの受信後に、当該第3のメッセージに含まれる前記キーワードおよび前記追加情報の登録可否が当該利用者端末に入力されると当該キーワードおよび当該追加情報の登録可否を前記センタに返信し、前記第4のメッセージの受信後に、当該第4のメッセージに含まれる前記キーワードおよび前記追加情報が当該利用者端末に入力されると当該キーワードおよび当該追加情報を前記センタに返信すると共に、前記提示情報を表示する
ことを特徴とする追加情報収集システム。
【請求項2】
利用者個人に関する情報を管理運用するセンタが該利用者の利用者端末から通信ネットワークを介して該利用者に関する追加情報を収集する方法であって、
前記センタは、前記追加情報を収集する対象となる利用者の利用者端末に対して、当該利用者の本人確認に使用するキーワードおよび当該センタへの接続情報を含む第1のメッセージを送信する第1のステップと、
前記センタは、前記利用者端末から入力された前記第1のメッセージ中のキーワードの返信を受けて前記利用者の本人確認を行い、当該本人確認が取れると、当該本人確認の完了通知および当該センタへの再接続情報を含む第2のメッセージを前記利用者端末に対して送信する第2のステップと、
前記センタは、前記利用者端末との再接続を確認すると、前記キーワードおよび前記追加情報の登録可否の要求を含む第3のメッセージを前記利用者端末に対して送信する第3のステップと、
前記センタは、前記利用者端末から入力された前記第3のメッセージ中のキーワードおよび前記追加情報の登録合意の返信を受信すると、前記キーワードおよび前記追加情報の入力要求を含む第4のメッセージを前記利用者端末に対して送信する第4のステップと、
前記センタは、前記利用者端末から入力された前記第4のメッセージ中のキーワードおよび前記追加情報の返信を受信すると、当該追加情報をチェックしエラーがなければ当該追加情報を前記利用者個人に関する情報を管理するデータベースに登録すると共に、当該登録の完了を前記利用者に通知する第5のメッセージを前記利用者端末に対して送信する第5のステップと有し、
前記キーワードを前記メッセージ毎に変更する
ことを特徴とする追加情報収集方法
【請求項3】
請求項2に記載の追加情報の収集方法であって、
前記センタから前記利用者端末に対する前記各メッセージの送信および前記利用者端末から前記センタに対する前記各返信は、前記通信ネットワークに介在する通信キャリアが備えるメッセージサービスを利用して行われる
ことを特徴とする追加情報収集方法
【請求項4】
請求項2または3に記載の追加情報の収集方法であって、
前記センタへの接続情報および前記センタへの再接続情報により前記利用者端末が前記センタに接続されると、前記センタは前記通信ネットワークを介して前記利用者端末に前記追加情報の収集および前記利用者に関する提示情報を表示させる
ことを特徴とする追加情報の収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録済みの利用者個人に関する情報に対して新たな追加情報を収集するためのシステムおよび方法に関する。以下では、利用者個人に関する情報を「利用者情報」という。
【背景技術】
【0002】
既登録の利用者情報に対して、新たな追加情報を収集する際には、利用者本人へ連絡するための手段として、個人情報(メールアドレス、住所など)を事前に入手し、別途、郵送などにて、その追加情報の説明や収集等に関する資料、また返送のための依頼書等を送付する必要があった。そして、返送されてきたその記載内容を回収し、再度、追加情報としてデータ入力する必要があった。
【0003】
利用者に対して追加情報の入力を要求し利用者がそれを返信するシステムとして、例えば特許文献1には、新規の会員等の登録時に追加情報が必要となった場合に、銀行サーバ側と利用者端末との間で追加情報の入力要求及びその返信が行われるシステムが記載されている。ただし、このシステムは、既に登録済みの情報に対して新たに追加情報を収集することまで想定されたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−350809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既登録の利用者情報に対して新たな追加情報を回収するために、利用者へ郵送などで追加情報に関する資料等を送付して依頼を行い、追加情報を集める必要があったところ、未返送や記載内容の誤り等の事態発生により、追加情報の回収に手間と時間が掛かっていたのが実状であった。特に、記載内容については、事前チェックが困難であり、誤りがある場合にはその都度利用者とのやり取りが発生し、回収に掛かる時間を遅延させる要因の一つであった。
【0006】
本発明の目的は、追加情報の収集の迅速化を図り、そのために、収集のためのシステム化を行い、併せてセキュリティの確保および入力情報の正確性の確保を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る追加情報収集システムは、利用者個人に関する情報(利用者情報)を管理運用するセンタと、センタと情報の送受信を行う利用者端末とから構成され、センタは、利用者個人に関する情報を管理するデータベースを備え、利用者の本人確認に使用するキーワード、当該センタへの接続情報、利用者に関する追加情報の登録可否の要求および当該追加情報の入力要求を利用者端末に送信し、利用者端末から受信したキーワードにより本人確認を行った後に、利用者端末から受信した追加情報をデータベースに登録し、利用者端末は、センタから受信したキーワードを当該端末から入力してセンタに返信し、追加情報の登録に合意する場合には入力要求に応じて当該端末から追加情報を入力してセンタに返信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者本人からの追加情報の収集を迅速かつ確実に行うことができ、その際に、本人確認によりセキュリティを確保し、また入力情報の即時チェックにより入力情報の正確性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、追加情報収集に係る一連の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
図2図2は、本発明に係る追加情報収集システムのシステム構成および情報のやり取りに係る利用者との関係を示す図である。
図3図3は、センタ、通信キャリアおよび利用者端末(携帯電話、スマートデバイス)が備える機能部の構成を示す図である。
図4図4は、情報収集テーブル、利用者管理テーブルおよび応答パターンテーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る実施の一形態を、実施例として図を参照しながら以下に説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、追加情報収集に係る一連の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。このフローチャートに沿った処理内容の説明については、本発明に係るシステム構成を説明した後に改めて行うこととする。
【0012】
図2は、本発明に係る追加情報収集システムのシステム構成および情報のやり取りに係る利用者(利用者端末)との関係を示す図である。
センタ1は、保険の契約や年金等における利用者情報を管理運用する計算機センタである。センタ1は、少なくとも、利用者情報を蓄積管理する利用者情報サーバ11、利用者情報を管理運用するために必要となる具体的情報を保管運用する情報保管サーバ21、利用者等に対するメッセージ関連の処理を行うメッセージ処理サーバ31、データ通信に際し外部からの攻撃に対して情報を保護するためのファイアウォール41および外部とのデータ通信に係わるルータ42から構成される。なお、上記3つのサーバは、センタ1を構成するサーバの一例に過ぎずこれらに限定されるものではない。
【0013】
センタ1と利用者が使用する利用者端末7(例えば、携帯電話71およびスマートデバイス72)との間では、通信サービス(例えば、SMSに代表されるメッセージサービス)を提供する通信キャリア(例えば、携帯電話会社)またはメッセージプロバイダを介して(以下では、通信キャリアがメッセージプロバイダを含む形で、「通信キャリア5」として総称する)、メッセージ情報(データ)の送受信を行う。
【0014】
通信キャリア5は、利用者端末7の利用形態に対応して複数存在するが、それぞれ、センタ1と利用者端末7との間のメッセージのやり取りの処理を行うメッセージサービス51を有する。
また、センタ1と利用者端末7(携帯電話71およびスマートデバイス72)との間では、インターネット6を介して、センタ1が提供する表示情報に関するデータ通信を行う。
【0015】
センタ1のメッセージ処理サーバ31と通信キャリア5またはインターネット6との間の情報(データ)の送受信に当たっては、常にセンタ1のファイアウォール41およびルータ42を介することによって処理を行う。なお、図1のフローチャートに沿って追加情報収集に係る一連の処理内容を後述するが、その際に、情報(データ)通信時にファイアウォール41およびルータ42を介して送受信が行われることについては、その記述を省略する。
【0016】
図3は、センタ1、通信キャリア5および利用者端末7(携帯電話、スマートデバイス)が備える機能部の構成を示す図である。
利用者情報サーバ11は、データベースとして、利用者情報を蓄積する(T−2)利用者管理テーブル12を有する。そして、利用者情報サーバ11は、(T−2)利用者管理テーブル12に対して利用者情報の記録等を処理する利用者情報記録部13、(T−2)利用者管理テーブル12から必要となる対象者に関する利用者情報を抽出する対象者抽出部14、および、利用者情報のやり取りを行う利用者情報送受信部15を備える。
【0017】
情報保管サーバ21は、データベースとして、収集した利用者に関する各種情報を蓄積保管する(T−1)情報収集テーブル22および情報収集のための各種応答パターンを蓄積保管する(T−3)応答パターンテーブル25を有する。そして、情報保管サーバ21は、利用者に関する各種情報の編集・送受信等を処理する利用者情報処理部23、(T−1)情報収集テーブル22に対して必要な情報の抽出および記録を行うデータ抽出・記録部24、および、(T−3)応答パターンテーブル25に対して必要な応答パターンの抽出および記録を行うパターン抽出・記録部26を備える。
【0018】
通信キャリア5は、センタ1と利用者端末7との間でメッセージに関するサービス処理を行うメッセージサービス51を備える。
そして、利用者端末7を構成する携帯電話71およびスマートデバイス72は、共通して、メッセージの送受信を行うメッセージ送受信部73を備える。
【0019】
図4は、上記3つのテーブル、(T−1)情報収集テーブル22、(T−2)利用者管理テーブル12および(T−3)応答パターンテーブル25のテーブル構成の一例を示す図である。
(T−1)情報収集テーブル22に関しては、処理番号毎にレコードを作成し、各レコードには、例えば、利用者のユニーク番号、処理実行のためのキーワード、処理の内容(状態)、本人確認の有無、処理に使用した応答パターン、処理日等のデータ項目が含まれる。
【0020】
また、(T−2)利用者管理テーブル12に関しては、利用者毎にレコードを作成し、各レコードには、利用者に係る識別子、ユニーク番号、利用者氏名、処理番号、情報取得(収集)の有無、取得(収集)した追加情報等のデータ項目が含まれる。
そしてまた、(T−3)応答パターンテーブル25に関しては、応答パターン毎にレコードを作成し、各レコードには、パターンID、パターンの名称(内容)、当該パターンに用いるスクリプト名称、利用の可否、通信方式(SMSやiMessage等)等のデータ項目が含まれる。
上記各テーブルに関しては、上記したデータ構成に限定されるものではなく、使用用途等に応じて、適宜に必要なデータ項目を取り込むことにより、必要な処理内容に対応させるものである。
【0021】
次に、追加情報収集に係る一連の処理内容を、図1のフローチャートに従って順に説明する。ここで、収集する追加情報としては、例えば、前記した保険や年金等で必要となる個人情報おいて、新たに取得した情報や新たに必要となった情報などが想定されるところ、今後導入されるマイナンバーは、収集する追加情報として好適な例といえる。
(1)対象者選定
センタ1に登録済みの利用者の中から、追加情報を収集する対象者となる利用者を選定する(以下、この選定された利用者を「対象となった利用者」という)。その際に、この利用者への連絡手段として、登録済みの利用者本人が利用しているユニークな情報(利用者の契約時や登録時における情報の中から電話番号など)にて選定する。以下、このユニークな情報を「ユニーク番号」という。
【0022】
このユニーク番号により、センタ1との連絡に使用する利用者側の機器(すなわち、後述する「利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)」)を特定し、セキュリティの面を重視して、成りすましができないSMS(ショートメッセージサービス)などによって、メッセージ通信を行う。その一つとして、通信キャリア5が備えるメッセージサービス51を利用する。
【0023】
図3の機能構成からみれば、追加情報等の情報収集を実施したい事業者は、センタ1の利用者情報サーバ11が備える対象者抽出部14にて、(T−2)利用者管理テーブル12から、情報収集に該当する対象者を抽出し、対象となった利用者のユニーク番号(電話番号やメッセージIDなど)を取得する。
【0024】
取得したユニーク番号は、上記選定した対象者の利用者情報の一つとして、利用者情報サーバ11が備える利用者情報送受信部15から情報保管サーバ21へ送信される。この際に、連携する別センタが備えるデータベースから上記利用者情報を取得するようにしてもよい。また、情報の受け渡しに当たって使用するファイル形式に格段の制約はないが、異なるソフトウェア間における受け渡しの場合を考慮して、対象者を指定したCSVファイル形式を利用してもよい。
【0025】
そして、以下で説明する図1のフローチャートの(2)〜(13)の処理において、センタ1と利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)との間のメッセージ通信に当たっては、センタ1はこのユニーク番号を用いて利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)と接続することになる。
【0026】
(2)接続情報送信
上記(1)の対象者選定において、利用者情報サーバ11から情報保管サーバ21に送られた利用者情報を受け取った利用者情報処理部23は、対象となった利用者に対するキーワード(後述する本人確認のために使用)を生成し、データ抽出・記録部24に記録する。併せて、データ抽出・記録部24は、(T−1)情報収集テーブル22から、「ユニーク番号」、「キーワード」および「応答パターン」を抽出し、メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32に送る。
【0027】
また、パターン抽出・記録部26は、(T−3)応答パターンテーブル25から、「パターン名称」および「通信方式」(例えば、SMSあるいはiMessage)に係る情報を抽出し、スクリプト処理(メッセージ内容の加工や、応答方法など)を実行する。この処理により、メッセージ内容が加工され、メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32に送られる。この加工されたメッセージには、キーワードおよび利用者がセンタ1に接続するための接続URLの通知が含まれる(以下、この加工されたメッセージを「接続要求メッセージ」という)。
【0028】
メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、情報保管サーバ21のパターン抽出・記録部26から受け取った接続要求メッセージを、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に送信する。
【0029】
(3)接続情報受信
対象となった利用者は、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73が、通信キャリア5のメッセージサービス51を介して受信した接続要求メッセージから、本人確認のためのキーワードおよびセンタ1に接続するための接続URLを受け取る。
【0030】
(4)受付内容を表示
対象となった利用者は、センタ1からの接続要求に係る詳細な内容を確認するために、受け取った接続URLを用いて利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)をセンタ1に接続する。すなわち、この接続URLを利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)に表示することにより、メッセージ送受信部73からインターネット6を経由して、センタ1のメッセージ処理サーバ31の共通表示部36に利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)が接続される。そうすると、この共通表示部36から、対象となった利用者に対して、追加情報の収集に関する依頼通知等の内容(依頼内容の説明やキャンペーン情報など)が表示される。
【0031】
(5)キーワード入力による本人確認の実施
対象となった利用者は、表示された上記(4)の内容に合意する場合、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)から、受け取ったキーワードを入力し、メッセージ送受信部73からメッセージとして、通信キャリア5のメッセージサービス51を介してセンタ1に返信する。
【0032】
メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33を介して返信されたメッセージを受け取る。メッセージ処理部32は、返信されたメッセージに含まれるキーワードをチェックし、本人確認を行う。合致していれば(確認OK)、本人確認完了として、その旨を情報保管サーバ21のデータ抽出・記録部24およびパターン抽出・記録部26に通知する。
【0033】
データ抽出・記録部24は、(T−1)情報収集テーブル22の「状態」のデータ項目の欄に、「本人確認」を記録する。
パターン抽出・記録部26は、(T−3)応答パターンテーブル25から、「本人確認」の処理方法のスクリプトを、通信キャリア5および利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)との通信方式(以下、「通信方式」と略す)に応じた選択により抽出する。そして、パターン抽出・記録部26によりスクリプト処理が実行され、加工されたメッセージはメッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32に送られる。この加工されたメッセージには、本人確認完了の通知および本人確認のURLが含まれる(以下、この加工されたメッセージを「本人確認メッセージ」という)。
【0034】
本人確認が完了すると、メッセージ処理部32は、情報保管サーバ21のパターン抽出・記録部26から受け取った本人確認メッセージを、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に送信する。
【0035】
(6)再入力依頼
上記(5)の「本人確認」の処理において、メッセージ処理部32は、利用者から受け取ったメッセージ内に、本人確認のためのキーワードが判別できない場合(入力したキーワードの誤り)には(確認NG)、本人確認失敗と判断する。そして、メッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に、本人確認失敗の旨のメッセージを送信し、再入力を依頼する。
【0036】
(7)本人確認の表示
対象となった利用者は、本人確認メッセージを受け取ると、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)に受け取った本人確認のURLを表示することで、メッセージ送受信部73からインターネット6を経由して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)がメッセージ処理サーバ31の専用表示部35に接続される。
【0037】
メッセージ処理サーバ31の利用者情報表示部34は、専用表示部35から利用者端末接続の通知を受け取ると、対象となった利用者の本人情報(個人ページ)を専用表示部35に連携させ、その本人情報(個人ページ)を利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)に表示させる。
【0038】
また、情報保管サーバ21のデータ抽出・記録部24は、メッセージ処理サーバ31の利用者情報表示部34を経て利用者端末接続の通知を受け取ると、(T−1)情報収集テーブル22のステータスを「合意確認」に変更する。
【0039】
同様に、情報保管サーバ21のパターン抽出・記録部26は、メッセージ処理サーバ31の利用者情報表示部34からメッセージ処理部32を経て、利用者端末接続の通知を受け取ると、(T−3)応答パターンテーブル25から、「合意確認」の処理方法のスクリプトを、先の「本人確認」の場合と同様に、通信方式に応じた選択により抽出する。そして、パターン抽出・記録部26によりスクリプト処理が実行され、加工されたメッセージはメッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32に送られる。この加工されたメッセージには、新たなキーワードおよび「合意確認」の通知が含まれる(以下、この加工されたメッセージを「合意確認メッセージ」という)。
【0040】
メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、情報保管サーバ21のパターン抽出・記録部26から受け取った合意確認メッセージを、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に送信する。
【0041】
(8)合意確認
対象となった利用者は、合意確認メッセージを受け取ると、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)から、受け取った新たなキーワードと共に合意を示す文字を入力し、メッセージ送受信部73からメッセージとして、通信キャリア5のメッセージサービス51を介してセンタ1に返信する。
【0042】
メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、上記返信メッセージを受けて、先ず本人確認を行った後に合意確認の文字を確認し、合致していれば情報保管サーバ21のデータ抽出・記録部24およびパターン抽出・記録部26にその旨を通知する。データ抽出・記録部24は、(T−1)情報収集テーブル22にステータス「合意確認完了」を記録する。また、パターン抽出・記録部26は、(T−3)応答パターンテーブル25から「追加情報入手」の処理方法のスクリプトを、先の「本人確認」や「合意確認」の場合と同様に、通信方式に応じた選択により抽出する。そして、パターン抽出・記録部26によりスクリプト処理が実行され、加工されたメッセージはメッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32に送られる。この加工されたメッセージには、新たなキーワードおよび追加情報のデータ入力を依頼する通知が含まれる(以下、この加工されたメッセージを「入力依頼メッセージ」という)。
【0043】
(9)追加情報の入力依頼
上記(8)の「合意確認」の後、メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、対象となった利用者に対して、情報保管サーバ21のパターン抽出・記録部26から受け取った入力依頼メッセージを、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に送信する。
【0044】
(10)登録拒否の受信記録および拒否受信の連絡
対象となった利用者は、入力依頼メッセージを受け取っても、追加情報の登録(入力)を拒否する場合には、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)から、受け取った新たなキーワードと共に追加情報の登録拒否の旨を入力し、メッセージ送受信部73からメッセージとして、通信キャリア5のメッセージサービス51を介してセンタ1に返信する。
【0045】
メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33が受信した上記メッセージから、キーワードと共に追加情報の登録拒否のメッセージを受け取り、本人確認を行うと共に、情報保管サーバ21のデータ抽出・記録部24にその旨を通知する。データ抽出・記録部24は、その通知を受けて、(T−1)情報収集テーブル22にステータス「登録拒否」を記録する。
【0046】
「登録拒否」の記録後、対象となった利用者にその拒否受信を連絡するために、メッセージ処理サーバのメッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に、登録拒否受信のメッセージを送信する。
【0047】
(11)追加情報入力
対象となった利用者は、上記(9)の「追加情報の入力依頼」により入力依頼メッセージを受け取ると、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)から、受け取った新たなキーワードと共に追加情報を入力し、メッセージ送受信部73からメッセージとして、通信キャリア5のメッセージサービス51を介してセンタ1に返信する。
【0048】
メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33が受信した上記メッセージから、キーワードと共に追加情報を受け取り、本人確認を行うと共に、追加情報の入力データをルールにしたがってチェックする。エラーがない場合には(チェックOK)、メッセージ処理部32は、情報保管サーバ21のデータ抽出・記録部24へその旨を通知する。データ抽出・記録部24は、その通知を受けて、(T−1)情報収集テーブル22にステータス「追加情報入手完了」を記録する。
【0049】
(12)再入力依頼
上記(11)でチェックした追加情報の入力データにエラーがあった場合には(チェックNG)、メッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に、再入力依頼のメッセージをキーワードと共に送信する。
【0050】
(13)追加情報登録および登録完了の連絡
上記(11)の「追加情報入力」で、情報保管サーバ21のデータ抽出・記録部24が(T−1)情報収集テーブルにステータス「追加情報入手完了」を記録した後、利用者情報処理部23は、利用者情報サーバ11へ追加情報を通知する。それを受け取った利用者情報サーバ11の対象者抽出部14は、利用者情報送受信部15を介してその通知を受け取り、(T−2)利用者管理テーブル12に対して、対象となった利用者のレコードの追加情報のデータ項目に、その追加情報を記録し登録する。
【0051】
また、上記追加情報の登録完了後、対象となった利用者に対してその登録完了を連絡する。そのために、メッセージ処理サーバ31のメッセージ処理部32は、メッセージ送受信部33および通信キャリア5のメッセージサービス51を介して、利用者端末7(携帯電話71またはスマートデバイス72)のメッセージ送受信部73に、登録完了のメッセージを送信する。
【0052】
ここで、上記(8)の「合意確認」の処理時および上記(11)の「追加情報入力」の処理時において、利用者から返信されるキーワードにより本人確認ができなかった場合について触れなかったが、その場合には、上記(6)の「再入力依頼」の処理と同様に、キーワードの再入力を依頼する処理が行われる。
【0053】
以上のように、本発明は、利用者端末を使用して、利用者から追加情報を迅速にかつ正確に収集することができ、その際に、通信キャリアによるメッセージサービス(例えばSMS)を利用することにより成りすまし等を防止するものである。
また、本発明は、利用者に対して情報(データ)の返信要求時にセンタから送るキーワードを入力させることにより常にセキュリティを確保し、加えて、返信された入力情報を即時にチェックすることにより入力情報の正確性を確保するものである。
【0054】
今後、マイナンバー制度が導入されると、各個人に割り振られたマイナンバーを追加情報として収集する必要性が発生する。しかし、個人情報であるマイナンバーの取り扱いについては法律上で厳格に定められている。保険や年金等の手続きにおいても、今後はマイナンバーが必要となってくることから、本発明に係る追加情報収集システムが有効に機能するものである。
【0055】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施例において説明した全ての構成を備えるものに、必ずしも限定されるものではない。上記実施例の構成の一部については、他の構成により追加、削除および置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…センタ、11…利用者情報サーバ、12…(T−2)利用者管理テーブル、
21…情報保管サーバ、22…(T−1)情報収集テーブル、23…利用者情報処理部、24…データ抽出・記録部、25…(T−3)応答パターンテーブル、
26…パターン抽出・記録部、31…メッセージ処理サーバ、32…メッセージ処理部、33…メッセージ送受信部、34…利用者情報表示部、35…専用表示部、
36…共通表示部、41…ファイアウォール、42…ルータ、
5…通信キャリア(メッセージプロバイダを含む)、51…メッセージサービス、
6…インターネット、7…利用者端末、71…携帯電話、72…スマートデバイス、
73…メッセージ送受信部
図1
図2
図3
図4