(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754673
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】トグルスイッチ付き電子機器
(51)【国際特許分類】
H01H 23/00 20060101AFI20200907BHJP
H01H 21/00 20060101ALI20200907BHJP
H01H 89/00 20060101ALI20200907BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
H01H23/00 S
H01H21/00 A
H01H89/00
H04N5/225 100
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-215150(P2016-215150)
(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公開番号】特開2018-73731(P2018-73731A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000209751
【氏名又は名称】池上通信機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】上泉 悠
【審査官】
内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−301854(JP,A)
【文献】
実開平01−150325(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 − 9/28
H01H 19/00 − 23/30
H01H 89/00 − 89/10
H04N 5/222− 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されるデータの処理操作をユーザーが行うために用いるスイッチレバーを備えた複数のトグルスイッチと、
前記スイッチレバーに当接するとともに、前記トグルスイッチをそれぞれ支持固定するブラケットと、
前記ブラケットに接続された静電容量式のタッチセンサーと、
を備え、
前記スイッチレバー及び前記ブラケットは、それぞれ導電性を有しており、
前記タッチセンサーは、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する静電容量の変化を検出することを特徴とするトグルスイッチ付き電子機器。
【請求項2】
入力されるデータの処理操作をユーザーが行うために用いるスイッチレバーを備えた複数のトグルスイッチと、
前記スイッチレバーに当接するとともに、前記トグルスイッチをそれぞれ支持固定するブラケットと、
前記入力されるデータが表示されるデータ表示装置と、
前記ブラケットに接続された静電容量式のタッチセンサーと、
を備え、
前記スイッチレバー及び前記ブラケットは、それぞれ導電性を有しており、
前記タッチセンサーは、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する静電容量の変化を検出し、当該静電容量の変化が検出された際には、前記データ表示装置に所定のデータを表示させることを特徴とするトグルスイッチ付き電子機器。
【請求項3】
撮像装置に搭載する当該撮像装置の撮像データを表示するビューファインダーと、
前記撮像装置による撮像時にユーザーが前記撮像データの処理操作を行うために用いるスイッチレバーを備えた複数のトグルスイッチと、
前記スイッチレバーに当接するとともに、前記トグルスイッチをそれぞれ支持固定するブラケットと、
前記ブラケットに接続された静電容量式のタッチセンサーと、
を備え、
前記スイッチレバー及び前記ブラケットは、それぞれ導電性を有しており、
前記タッチセンサーは、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する静電容量の変化を検出し、当該静電容量の変化が検出された際には、前記ビューファインダーに表示される撮像データに対して、所定の付加映像データを重畳させることを特徴とするトグルスイッチ付き電子機器。
【請求項4】
前記タッチセンサーには、画像データ処理部が接続されており、当該画像データ処理部が、前記ビューファインダーに表示される撮像データに対して、所定の付加映像データを重畳させることを特徴とする請求項3記載のトグルスイッチ付き電子機器。
【請求項5】
前記タッチセンサーは、センサーパッドと、当該センサーパッドの静電容量の変化を検出する静電容量検出部と、を有し、前記静電容量検出部が、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する前記センサーパッドの静電容量の変化を検出するものであることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載のトグルスイッチ付き電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、放送用カメラといった撮像装置に搭載して用いるもので、特に、ユーザーが操作するトグルスイッチの機能情報などが容易に表示部分にて目視可能となるトグルスイッチ付き電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビューファインダー装置などの電子機器に設けられているトグルスイッチは、主に機能のオン/オフを切り替えるために用いられ、一般的には、
図4のような形状をしている。トグルスイッチ50は、機構上、人間の指が触れるスイッチ部分52が金属製であることが多く、また、人間が触れたことによる電気的なノイズに基づく誤動作を防止するため、金属製のスイッチ部分52は、アースに接続させておくことが望ましいとされている。
【0003】
通常は、アースと接続された金属製の筐体に、金属製のスイッチ部分52と電気的接続のある金属製の本体部分54を接触させる方法を採るが、それが難しい場合には、
図5のような金属製のブラケット55を用いることがある。このブラケット55を金属製の本体部分54に接触した状態で装着させるとともに、端子をプリント基板(図示せず)に接続させることで、金属製のスイッチ部分52をプリント基板経由で、アースに接続させることが可能となる。
【0004】
また、従来から、電子機器等には、タッチセンサーが採用されているが、このタッチセンサーは、人間の指が触れていることを検出するための技術で、
図6のように、メカニカルなスイッチを設けることなく、スイッチと同じような働きをさせる用途などに利用されている。つまり、図中、プリント基板(PRINTED CIRCUIT BOARD)上のオーバーレイ(OVERLAY)の表面をタッチ面(TOUCH SURFACE)とし、そのタッチ面を指で触れることによって、スイッチのON、OFFを行うことができるように機能させたものである。
【0005】
ところで、タッチセンサーを実現する方式の一つとしては、静電容量方式というものがある。まず、
図7に示すように、プリント基板(PRINTED CIRCUIT BOARD)上に、導体のセンサーパッド(SENSOR PAD)を設け、I/Oピン(I/O PIN)を介して接続されたタッチセンサーIC(図示せず)によって、このセンサーパッド(SENSOR PAD)の静電容量を監視する。次に、センサーパッド(SENSOR PAD)上に人間の指が近づくと、センサーパッド(SENSOR PAD)の静電容量が変化する。この変化を検出することにより、タッチセンサーとしての機能を実現するわけである。
【0006】
例えば、特許文献1には、配線部が形成された基板と、プッシュ操作及びタッチ操作がされる操作面を有する操作部と、前記操作部を動作可能に支持する導電性の支持部を有し、前記操作面に対する前記タッチ操作に基づく静電容量の変化を前記配線部に出力する第1のスイッチ部と、前記基板及び前記操作部の間に設けられ、前記プッシュ操作により前記操作部が動作したことによるプッシュ方向の変位に基づく信号を前記配線部に出力する第2のスイッチ部と、を備えたことを特徴とするスイッチ装置が開示されている。
【0007】
そして、従来から、タッチセンサーを利用したカメラ装置についても開発されてきており、例えば、特許文献2には、カメラボディの正面、上面、及び側面の少なくとも一方に設けられた複数の操作スイッチと、前記カメラボディの背面に設けられ、撮影時のスルー画像、又は記録された再生画像を表示する表示部とを有し、前記複数の操作スイッチの一部又は全部の配置を前記表示部に表示し、前記操作スイッチの表面には、前記操作スイッチへの接触を検知する接触センサーが設けられ、前記複数の操作スイッチの一部又は全部の配置の表示と共に、接触した操作スイッチを他の操作スイッチと区別して表示することを特徴とするカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−301854号公報
【特許文献2】特開2007−221384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のビューファインダー装置などの電子機器に設けられているトグルスイッチは、その操作をする際に、オペレーター(ユーザー)は、意識的に、または、無意識的にスイッチ付近に表記されているスイッチの機能名を目視し、目的の機能(スイッチ)であることを確認するものである。
【0010】
しかしながら、オペレーターの姿勢や、周囲が暗いなどの理由により、トグルスイッチの操作が手探りになってしまう場合や、任意に機能がアサインできるスイッチであるために、具体的な機能名を明示できない場合など、オペレーターが操作しようとしているスイッチの機能名を認識できないことがある。
【0011】
また、上記特許文献1に開示されているタッチセンサーといったものを電子機器に転用する場合には、既存の電子機器の外観を大きく変更する必要が出てくるため、製造や運用面でのコスト向上につながってしまう。さらに、上記特許文献2に開示されているようなカメラ装置についても、カメラ装置の外観にタッチセンサーを取り付ける必要があり、既存のカメラ装置の外観上の変更が必須となってしまい、また、装置の構成が複雑なものとなるため、やはり、製造や運用面でのコスト向上につながると言える。
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するためのもので、既存の電子機器の外観を大きく変更する必要がなく、また、特別な技術や、部品を使用しなくても、比較的簡易な手法を採ることによって、トグルスイッチに対するユーザーの接触の検知ができ、さらに、トグルスイッチの機能を表示装置等において、目視により容易に確認することができるとともに、トグルスイッチを使用する様々な機器への展開が図れるトグルスイッチ付き電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題に対応するため、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、入力されるデータの処理操作をユーザーが行うために用いるスイッチレバーを備えた複数のトグルスイッチと、前記スイッチレバーに当接するとともに、前記トグルスイッチをそれぞれ支持固定するブラケットと、前記ブラケットに接続された静電容量式のタッチセンサーとを備え、前記スイッチレバー及び前記ブラケットは、それぞれ導電性を有しており、前記タッチセンサーは、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する静電容量の変化を検出することを特徴とするトグルスイッチ付き電子機器である。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、入力されるデータの処理操作をユーザーが行うために用いるスイッチレバーを備えた複数のトグルスイッチと、前記スイッチレバーに当接するとともに、前記トグルスイッチをそれぞれ支持固定するブラケットと、前記入力されるデータが表示されるデータ表示装置と、前記ブラケットに接続された静電容量式のタッチセンサーとを備え、前記スイッチレバー及び前記ブラケットは、それぞれ導電性を有しており、前記タッチセンサーは、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する静電容量の変化を検出し、当該静電容量の変化が検出された際には、前記データ表示装置に所定のデータを表示させることを特徴とするトグルスイッチ付き電子機器である。
【0015】
そして、請求項3記載の発明は、撮像装置に搭載する当該撮像装置の撮像データを表示するビューファインダーと、前記撮像装置による撮像時にユーザーが前記撮像データの処理操作を行うために用いるスイッチレバーを備えた複数のトグルスイッチと、前記スイッチレバーに当接するとともに、前記トグルスイッチをそれぞれ支持固定するブラケットと、前記ブラケットに接続された静電容量式のタッチセンサーとを備え、前記スイッチレバー及び前記ブラケットは、それぞれ導電性を有しており、前記タッチセンサーは、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する静電容量の変化を検出し、当該静電容量の変化が検出された際には、前記ビューファインダーに表示される撮像データに対して、所定の付加映像データを重畳させることを特徴とするトグルスイッチ付き電子機器である。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のトグルスイッチ付き電子機器であって、前記タッチセンサーには、画像データ処理部が接続されており、当該画像データ処理部が、前記ビューファインダーに表示される撮像データに対して、所定の付加映像データを重畳させることを特徴としている。さらに、請求項5記載の発明は、請求項1〜4何れか1項記載のトグルスイッチ付き電子機器であって、前記タッチセンサーは、センサーパッドと、当該センサーパッドの静電容量の変化を検出する静電容量検出部と、を有し、前記静電容量検出部が、前記ユーザーによる前記スイッチレバーの接触に起因する前記センサーパッドの静電容量の変化を検出するものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一般的な電子機器の部材(タッチセンサー、トグルスイッチ等)の組み合わせで構成されているため、高い汎用性を持つことができる。また、製作済みの既存機器においても、外観上の変更をすることなく、通常のトグルスイッチを、いわゆるセンシングトグルスイッチとして用いることができる。また、ユーザーが操作するトグルスイッチがどの機能に対応するものであるかを表示装置や、ビューファインダーを通じて容易に視認することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態における回路構成のブロック図である。
【
図2】本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態における主要構成部分の概念図である。
【
図3】本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態の使用例を示したもので、(a)はトグルスイッチがOFFの状態が、機能名が表示されている図、(b)はトグルスイッチがONになった状態が、機能名とともに表示されている図である。
【
図4】従来のトグルスイッチの一例を示した図である。
【
図5】従来のトグルスイッチとブラケットの一例を示した図である。
【
図6】従来のタッチセンサーの一例を示したイメージ図である。
【
図7】従来の静電容量式タッチセンサーの動作原理を示したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態における回路構成のブロック図で、
図2は、本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態における主要構成部分の概念図、そして、
図3は、本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態の使用例を示したもので、(a)はトグルスイッチがOFFの状態が、機能名が表示されている図、(b)はトグルスイッチがONになった状態が、機能名とともに表示されている図である。
【0020】
符号については、10がトグルスイッチ付き電子機器、12がスイッチレバー、14がトグルスイッチ、16がブラケット、18がタッチセンサー、20がデータ表示装置、22がビューファインダー、24がマイクロプロセッサー、26が画像データ処理部、28がセンサーパッド、30が静電容量検出部、32がプリント基板、34がI/Oピンを表している。
【0021】
まず、
図1及び2に示すように、本実施形態におけるトグルスイッチ付き電子機器10は、入力されるデータの処理操作をユーザーが行うために用いるスイッチレバー12を備えた複数のトグルスイッチ14と、スイッチレバー12に当接するとともに、トグルスイッチ14をそれぞれ支持固定するブラケット16と、ブラケット16に接続された静電容量式のタッチセンサー18とを備えている。なお、本実施形態におけるタッチセンサー18は、ブラケット16に電気的に接続されるセンサーパッド28と、センサーパッド28の静電容量の変化を検出する静電容量検出部30を有するものである。
【0022】
そして、スイッチレバー12と、ブラケット16は、それぞれ導電性を有しており、オペレーターであるユーザーが、スイッチレバー12に対して指などを接触させた際には、タッチセンサー18の静電容量検出部30が、ユーザーによるスイッチレバー12の接触に起因するセンサーパッド28の静電容量の変化を検出する構成となっている。つまり、この静電容量の変化が検出された場合には、ユーザーが、スイッチレバー12に接触したことになるわけである。このように、本実施形態では、センサーパッド28の機能をスイッチレバー12に置き換えた(スイッチレバー12まで延長した)ものと同等の構成となっているわけである。
【0023】
またさらに、本実施形態では、タッチセンサー18が、ユーザーのスイッチレバー12に対する接触を検知した際、即ち、タッチセンサー18が、静電容量の変化を検出した際には、データ表示装置20に所定のデータが表示されるようになっている。この所定のデータとは、例えば、ユーザーが接触したスイッチレバー12を備えるトグルスイッチ14の機能名や、その機能が現在ONか、OFFかといった情報や、その他の有用な情報を意味している。
【0024】
続いて、本発明に係るトグルスイッチ付き電子機器の実施形態について、詳しく説明する。まず、トグルスイッチ付き電子機器10におけるトグルスイッチ14の操作は、ディスプレーなどのデータ表示装置20を覗きながら行うことが多いため、手探りでの操作になりがちである。そのため、オペレーターであるユーザーが、トグルスイッチ14の操作をする際、自分が、これから操作するスイッチの機能を瞬時に認識することが難しい。
【0025】
そこで、本発明では、ユーザーが、トグルスイッチ14のスイッチレバー12に指などで接触すると、例えば、
図3に示すように、「そのスイッチの機能名」や、「その機能の現在の状態」といった所定のデータをデータ表示装置20上に表示するようになっている。なお、スイッチの機能の切り替えは、従来と同じように、トグルスイッチ14のスイッチレバー12を傾けるという操作方法により実現させる。即ち、例えば、
図3では、(a)のモノクロ表示(MONO)がOFFの状態から、(b)のモノクロ表示(MONO)がONの状態へと切り替えるというものである。なお、本図では、図面作成における色彩の都合上、(a)、(b)ともにモノクロ表示として示している。
【0026】
続いて、本実施形態におけるトグルスイッチ付き電子機器10は、
図1、2に示すように、導電性を有するスイッチレバー12を備えるトグルスイッチ14(
図1では、3つのトグルスイッチ14)は、導電性を有するブラケット16(
図2参照)をそれぞれ装着することにより支持固定されている。ここで、ブラケット16は、
図2に示すように、スイッチレバー12に物理的に当接している。
【0027】
そして、各ブラケット16には、静電容量式のタッチセンサー18が電気的に接続されている。従って、オペレーターであるユーザーが、トグルスイッチ14のスイッチレバー12の何れかに指を接触させると、ブラケット16を通じて、静電容量式のタッチセンサー18が、これを検知することができるわけである。
【0028】
つまり、ユーザーがトグルスイッチ14のスイッチレバー12に触れると、ブラケット16を通じて、タッチセンサー18のセンサーパッド28における静電容量が変化し、その静電容量の変化をタッチセンサー18の静電容量検出部30が、検出するという仕組みである。ここで、本実施形態においては、センサーパッド28は、各ブラケット16に、プリント基板32上で、電気的に接続されており、さらに、センサーパッド28と、静電容量検出部30は、I/Oピン34を経由して接続されている。
【0029】
このような構成とすることで、ユーザーが、スイッチレバー12に指を接触させることに起因するセンサーパッド28における静電容量の変化を静電容量検出部30が検出し、その検出をユーザーによるスイッチレバー12の接触と検知することができることになる。本実施形態は、一般的な電子機器の部材であるタッチセンサーや、トグルスイッチ、ブラケット等の組み合わせで構成されているため、高い汎用性を持つことができる。また、外観上の変更をすることなく、通常のトグルスイッチを、いわゆるセンシングトグルスイッチとして用いることができることになる。
【0030】
次に、タッチセンサー18が、静電容量の変化を検出した場合には、このタッチセンサー18は、どのスイッチレバー12を備えたトグルスイッチ14にユーザーが指を接触させたかについて、マイクロプロセッサー24に通知する。そして、マイクロプロセッサー24は、ユーザーの指が接触したトグルスイッチ14の機能名をデータ表示装置20に表示させるように、画像データ処理部26にコマンドを送信する。このコマンドを受けた画像データ処理部26は、データ表示装置20に、ユーザーの指が接触したトグルスイッチ14の機能名を表示させる。また、機能名とともに、その機能が、現在ONか、OFFかについても表示させることが好ましい。
【0031】
さらに、本実施形態においては、ユーザーが該当のトグルスイッチ14を傾ける(操作する)と、その動作をマイクロプロセッサー24が検知し、該当のトグルスイッチ14に割り当てられている機能をトグルスイッチ付き電子機器10に対して切り替えるよう制御するようになっている(
図3参照)。また、トグルスイッチ14のスイッチレバー12に触れた時間によって、トグルスイッチ14の機能を変更するといった様々な機能を付加することも可能である。
【0032】
続いて、本発明に係るトグルスイッチ付きの電子機器の他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。他の実施形態は、
図1に示すように、上記の実施形態におけるデータ表示装置20が、ビューファインダー22となり、トグルスイッチ付き電子機器10は、放送用カメラといった撮像装置に搭載するものとしている。なお、このビューファインダー22は、撮像装置に搭載する当該撮像装置の撮像データを表示するものである。
【0033】
オペレーターであるユーザーが、トグルスイッチ14のスイッチレバー12の何れかに指を接触させると、スイッチレバー12に当接しているブラケット16を通じて、静電容量式のタッチセンサー18が、これを検知するという構成や流れは、上記の実施形態と同様であるが、他の実施形態においては、タッチセンサー18が、静電容量の変化を検出した際には、画像データ処理部26に対して、データ表示装置20に所定のデータを表示させるのではなく、ビューファインダー22に表示される撮像データに対して、所定の付加映像データが重畳させるという構成を採っている。
【0034】
この所定の付加画像データとは、例えば、ユーザーが接触したスイッチレバー12を備えるトグルスイッチ14の機能名や、その機能が現在ONか、OFFかといった情報や、その他の有用な情報を意味し、これを撮像データに重畳させるというわけである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、ユーザーが操作するトグルスイッチを容易に表示装置にて視認することができるため、近年の、特に放送業界において、有用なものとなる。また、誤操作が重大な放送事故に繋がりかねない放送用カメラや、ビューファインダーには、特に重宝されるものとなる。
【符号の説明】
【0036】
10 トグルスイッチ付き電子機器
12 スイッチレバー
14 トグルスイッチ
16 ブラケット
18 タッチセンサー
20 データ表示装置
22 ビューファインダー
24 マイクロプロセッサー
26 画像データ処理部
28 センサーパッド
30 静電容量検出部
32 プリント基板
34 I/Oピン