(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754676
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/711 20130101AFI20200907BHJP
H04L 29/14 20060101ALI20200907BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
H04L12/711
H04L13/00 311
H04L12/28 200M
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-222904(P2016-222904)
(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公開番号】特開2018-82294(P2018-82294A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207089
【氏名又は名称】大電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】坂本 充宏
【審査官】
宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−211680(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0259059(US,A1)
【文献】
特開2015−139110(JP,A)
【文献】
特開2008−131615(JP,A)
【文献】
特開2009−105519(JP,A)
【文献】
特開2012−120073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/955,29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の情報通信機器に接続されて信号形態を変換する一の変換装置、及び他の情報通信機器に接続されて信号形態を変換する他の変換装置が、一の伝送路と他の一又は複数の冗長伝送路とを接続して形成されるネットワークシステムにおいて、
前記一及び他の変換装置が、
各々に接続された前記一及び他の情報通信機器の障害を検知し、各々に接続された前記他及び一の変換装置を介して前記一の伝送路及び、前記他の一又は複数の冗長伝送路のうち少なくとも2つの伝送路から、障害発生情報を同時送信する障害発生通知手段と、
前記同時送信された障害発生情報を受信した場合に、前記他及び一の情報通信機器に障害が発生したことを検出する障害発生検出手段と、
を備えることを特徴とする
ネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
前記変換装置が、障害を検知した場合に、一定時間経過後に障害が復旧していない場合に限り、前記障害発生通知手段に対して、前記同時送信を行うことを指示する送信指示手段を備えることを特徴とする
ネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のネットワークシステムにおいて、
前記変換装置が、物理層に準拠した通信方式に基づく装置であることを特徴とする
ネットワークシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のネットワークシステムにおいて、
前記障害発生情報が、IEEE802.3規格に基づくRF信号であることを特徴とする
ネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信機器間で送受信されるデータの信号形態を変換する変換装置から構成される冗長化された通信網を中継して、情報通信機器間のデータ通信を行うネットワークシステムに関し、特に、障害発生時における通信ロスを抑制できるネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各種の情報通信機器においては、一般に、通信網を中継してデータ通信が行われている。このような情報通信機器の一例としては、スイッチングハブがある。例えば、従来、スイッチングハブを中継する通信網では、OSI参照モデルにおける物理層に準拠した通信方式に基づいて、信号形態を変換する変換装置として、メディアコンバータ(光伝送装置ともいう)(略称MC)が一般に使用されている(例えば、特許文献1及び2)。通信網を形成するメディアコンバータ間では、単ポート接続が基本構成となっており、一般的なメディアコンバータは、通信障害が発生した際には、物理層で障害を検知し、IEEE802.3に準拠して物理層上でLFS(Link Fault Signaling)信号を用いてリンク情報伝達を行い、障害の発生を接続相手に通知している。LFS信号とは、LF(Local Fault)信号及びRF(Remote Fault)信号という2つの信号から構成されるものである。
【0003】
さらに、現在では、通信障害が発生する可能性を考慮し、フォールトトレラントの観点から、冗長化された変換装置が望まれている。このような変換装置として、例えば、複数のポートを持たせるものがあり、例えば、プライマリ用とセカンダリ用(バックアップ用)の2つのポートを有する変換機器(別名2ポートセレクタともいう)が提案されている。
【0004】
2ポートセレクタは、隣接するスイッチングハブとの間で通信障害が発生した際には、当該通信障害が発生した事実を、該当のスイッチングハブとの間で完結し、外部には通知しない仕様となっている。換言すると、2ポートセレクタは、当該障害発生の事実を、隣接する2ポートセレクタには標準では通知しない仕様となっており、すなわち、対向するスイッチングハブには通知されない仕様となっている。
【0005】
この理由としては、当該障害発生の事実を、隣接する2ポートセレクタに通知(障害通知)したとしても、2ポートセレクタ自体が複数ポートによる冗長構成(経路が1対2の構成)を有することから、いずれかのポートを使って、通信障害が発生したスイッチングハブに対しても継続して通信は行われるため、障害通知を行ったところでその効果が無いということが挙げられる。さらに、そもそも、一般的な2ポートセレクタは、OSI参照モデルにおける物理層に準拠した通信方式に基づくことから、2ポートセレクタ間で(さらには対向するスイッチングハブまで)障害発生を通知するような制御信号は標準では持ち合わせていないという仕様上の制約も挙げられる。
【0006】
このようなことから、2ポートセレクタは、現状では、隣接するスイッチングハブ間で一心断の通信障害が発生した際には、対向するスイッチングハブまで障害通知を行う手段が無いことから、通信障害を検知できない対向するスイッチングハブは、通常通り、通信信号の送信を継続し、結果として、複数ポートで冗長化された装置構成に起因して、通信ロスが生じているという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−18171号公報
【特許文献2】特開2015−12346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来では、冗長構成を有する変換装置では、障害の発生を、対向する情報通信機器(例えば、対向するスイッチングハブ)が検知できないという課題があった。
【0009】
本発明は、前記課題を解消するためになされたものであり、障害発生時における情報通信機器間の通信ロスを抑制できるネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示するネットワークシステムは、情報通信機器に接続されて信号形態を変換する変換装置が、一の伝送路と他の一又は複数の冗長伝送路とを接続して形成され、複数の情報通信機器が、当該情報通信機器に接続される当該変換装置を介して構成されるネットワークシステムであって、前記変換装置が、隣接する一の情報通信機器の障害を検知した場合に、隣接する他の前記変換装置に対して、前記一の伝送路及び、前記他の一又は複数の冗長伝送路のうち少なくとも2つの伝送路から、障害発生情報を同時送信する障害発生通知手段と、前記同時送信された障害発生情報を受信した場合に、前記一の情報通信機器に障害が発生したことを検出する障害発生検出手段とを備えるものである。
【0011】
このように、前記変換装置において、前記障害発生通知手段が、障害を検知した場合に、前記障害発生情報を同時送信すると共に、前記障害発生検出手段が、当該同時送信された障害発生情報を受信した場合に、前記一の情報通信機器に障害が発生したことを検出することから、冗長構成を有する前記変換装置においても、前記一の情報通信機器に障害が発生したことが検出できることとなり、より確実に、障害発生を、前記一の情報通信機器(例えば、対向ハブ)にまで連携することができる。
【0012】
本願に開示するネットワークシステムは、必要に応じて、前記変換装置が、障害を検知した場合に、一定時間経過後に障害が復旧していない場合に限り、前記障害発生通知手段に対して、前記同時送信を行うことを指示する送信指示手段を備えるものである。このように、前記変換装置において、前記送信指示手段が、障害を検知した場合に、一定時間経過後に障害が復旧していない場合に限り、前記障害発生通知手段に対して、前記同時送信を行うことを指示することから、短時間の障害発生または瞬間的な障害発生が起きる瞬断時には、前記一の情報通信機器(例えば、対向ハブ)にまで、障害発生を通知しないこととなり、不要な通信量を抑制すると共に、前記一の情報通信機器(例えば、対向ハブ)に不要な通知を送信することを抑制することができる。
【0013】
本願に開示するネットワークシステムは、必要に応じて、前記変換装置が、物理層に準拠した通信方式に基づく装置であるものである。このように、前記変換装置が、物理層に準拠した通信方式に基づくことから、既存のネットワーク構成を変更することなく、前記障害通知が発信されることとなり、低コストで容易に前記変換装置を導入することができる。
【0014】
本願に開示するネットワークシステムは、必要に応じて、前記障害発生情報が、IEEE802.3規格に基づくRF信号であるものである。このように、前記障害発生情報がRF信号であることから、既存のRF信号によって、障害発生を通知できることとなり、低コストで簡易に障害発生を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るネットワークシステムの構成図を示す。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るネットワークシステムの構成図を示す。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るネットワークシステムの構成図を示す。
【
図4】本発明のその他の実施形態に係るネットワークシステムの構成図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
本願の第1の実施形態に係るネットワークシステムを、
図1および
図2の構成図に従い説明する。
【0017】
第1の実施形態に係るネットワークシステムは、情報通信機器の一例としてスイッチングハブを用いた構成であり、
図1(a)に示すように、スイッチングハブ10に接続されて信号形態を変換する変換装置20が、一の伝送路30aと他の一の冗長伝送路30bとを接続して形成され、複数のスイッチングハブ10aおよび10bが、これらスイッチングハブ10aおよび10bに接続される変換装置20aおよび20bを介して構成される。
【0018】
さらに、
図1(a)に示すように、この変換装置20a(総括して変換装置20ともいう)が、隣接する一のスイッチングハブ10aの障害Aを検知した場合に、隣接する他の変換装置20bに対して、一の伝送路30aと他の一の冗長伝送路30b(総括して伝送路30ともいう)のうち少なくとも2つの伝送路30から、障害発生情報Bを同時送信する障害発生通知手段21(21aおよび21b)と、この同時送信された障害発生情報Bを受信した場合に、前記一のスイッチングハブ10aに障害が発生したことを検出する障害発生検出手段22(22aおよび22b)と、を備える構成である。
【0019】
この変換装置20としては、物理層に準拠した通信方式に基づくことが好ましい。既存のネットワーク構成を変更することなく、前記障害発生情報Bの疎通が行えることとなり、低コストで容易なネットワーク構成が可能となる。このような変換装置20としては、特に、プライマリ用とセカンダリ用(バックアップ用)の2つのポートを有する2ポートセレクタを用いることができる。この一の伝送路30aと他の一の冗長伝送路30bを含む伝送路30としては、ポートを用いることができる。
【0020】
また、障害発生情報Bは、特に限定されないが、IEEE802.3規格に基づくRF信号を用いる。障害発生情報BがRF信号であることにより、既存のRF信号によって、新たな信号を用いることなく、障害発生を通知できることとなり、低コストで簡易に障害発生を検知することができる。
【0021】
上記構成に基づいて、10GBASE回線で構成されたネットワークに対して本実施形態を適用した構成を、
図2に示す。この構成に基づいて、本実施形態における動作を以下に記載する。
【0022】
先ず、スイッチングハブ10aで光信号受信断が発生した場合に、スイッチングハブ10aから、隣接する変換装置20aである2ポートセレクタに対してRF信号が送信される。次に、2ポートセレクタで、この送信されたRF信号に基づいて、該当するユーザポートダウン処理が行われる。
【0023】
次に、2ポートセレクタは、対向する2ポートセレクタ(変換装置20b)に対して、2つのポートを使って(プライマリ及びセカンダリの両方のセグメント間で)RF信号を同時送信する。このRF信号によって、2ポートセレクタ(変換装置20b)は、対向するスイッチングハブ10bに対して、ポートダウン処理を行うように通信を行う。
【0024】
このような処理によって、変換装置20において、前記障害発生通知手段21が、当該変換装置20aに隣接する一のスイッチングハブ10aでの障害を検知した場合に、障害発生情報Bを同時送信すると共に、当該変換装置20aに対向する変換装置20bにおける前記障害発生検出手段22が、当該同時送信された障害発生情報Bを受信した場合に、一のスイッチングハブ10aに障害Aが発生したことを検出することから、冗長構成を有する2ポートセレクタのような変換装置20においても、当該変換装置20aに隣接するスイッチングハブ10aに障害Aが発生したことが対向するスイッチングハブ10bで検出できることとなり、より確実に、障害発生を、対向ハブ(スイッチングハブ10b)にまで連携することができる。
【0025】
すなわち、RF信号をプライマリ及びセカンダリの両方のセグメント間に伝えることにより、冗長構成をとる変換装置20であっても、障害の発生を対向機器にまで、検知させることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
本願の第2の実施形態に係るネットワークシステムを、
図3に従い説明する。
【0027】
第2の実施形態に係るネットワークシステムは、
図3(a)に示すように、前記第1の実施形態に係るネットワークシステムと同じく、前記スイッチングハブ10と、前記変換装置20と、前記障害発生通知手段21と、前記障害発生検出手段22と、前記伝送路30とを備え、さらに、障害を検知した場合に、一定時間経過後に障害が復旧していない場合に限り、前記障害発生通知手段21に対して、前記同時送信を行うことを指示する送信指示手段23を備える構成である。
【0028】
第2の実施形態に係るネットワークシステムは、
図3(a)に示すように、前記第1の実施形態に係るネットワークシステムと同じく、前記スイッチングハブ10と、前記変換装置20と、前記障害発生通知手段21と、前記障害発生検出手段22と、前記伝送路30とを備え、さらに、障害を検知した場合に、一定時間経過後に障害が復旧していない場合に限り、前記障害発生通知手段21に対して、前記同時送信を行うことを指示する送信指示手段23を備える構成である。
【0029】
上記構成に基づいて、10GBASE回線で構成されたネットワークに対して本実施形態を適用した構成を、
図3(b)に示す。図に示すように、2ポートセレクタ20は、送信指示手段23として時間計測を行うクロックカウンタを備える。このクロックカウンタでカウントされた時間が閾値以上の場合に限り、前記障害発生通知手段21は、前記同時送信を行う。この閾値、すなわち瞬断時間(クロックカウント数)は、任意に設定可能である。この構成に基づいて、本実施形態における動作を以下に記載する。
【0030】
先ず、スイッチングハブ10aと2ポートセレクタ20a間(SW-HUB1とOPT1間)に、瞬断により障害Aが発生した場合、2ポートセレクタ20aのポート(OPT1)で障害Aを検出した時点から、クロック数をカウントする。
【0031】
障害Aの発生から予め設定した設定カウント数(閾値)が経過した時点で、障害Aが復旧した場合、すなわち、障害継続時間が予め設定した設定カウント数(閾値)未満の場合は、障害と認識せずにポート(OPT2およびOPT3)に対する前記同時送信は行わない。
【0032】
また、障害Aの発生から予め設定した設定カウント数(閾値)が経過した時点で、障害Aが継続した場合、すなわち、障害継続時間が予め設定した設定カウント数(閾値)以上の場合は、障害と認識し、前記第1の実施形態と同様に、ポート(OPT2およびOPT3)に対する前記同時送信を実施する。
【0033】
すなわち、2ポートセレクタ20aは、ポート(OPT1)で障害Aを検出した場合には、自ポート(OPT2とOPT3)両方(AND条件)から、対向する2ポートセレクタ20bに、RF信号を送信する。自ポート(OPT2とOPT3)両方(AND条件)からRF信号を受信した2ポートセレクタ20bは、自ポート(OPT1)からRF信号をスイッチングハブ10bに送信する。当該スイッチングハブ10bは、このRF信号を受信することによって、障害検出が可能となる。
【0034】
なお、前記閾値(クロックカウンタ数)が0の場合は、前記第1の実施形態と同様の動作となる。
【0035】
なお、障害個所がポート(OPT2)間経路とポート(OPT3)間経路で同時に発生した場合も、2ポートセレクタ20間のポートでRF信号の同時送信(AND条件)が成立することから、対向するスイッチングハブ10bで障害検出が可能となる。
【0036】
このように、2ポートセレクタ20aは、スイッチングハブ10aと自ポート(OPT1)間で瞬断(人や自然等の力が働き一時的にロスが大きくなり断線するがすぐに復旧する)が発生した場合は経路全体として障害と認識しないという動作が可能となる。すなわち、瞬断時には、対向ハブであるスイッチングハブ10bにまで、障害発生を通知しないこととなり、不要な通信量を抑制すると共に、対向ハブに不要な通知を送信することを抑制することができる。
【0037】
(その他の実施形態)
なお、上記では、変換装置20aとして、2ポートセレクタを挙げたが、2ポートで冗長化された変換装置に限定されない。例えば、その他の実施形態に係るネットワークシステムとしては、
図4(a)に示すように、変換装置20aが有する伝送路30として、一の伝送路30aの他に、他の複数の冗長伝送路(30b、30c・・・)を備えることも可能である。
【0038】
この構成によって、例えば、変換装置20aが接続する複数のスイッチングハブ10aのうち、一のスイッチングハブ10aに障害が発生した場合には、一の伝送路30a及び他の冗長伝送路30bで前記同時送信を行い、他のスイッチングハブ10aに障害が発生した場合には、一の伝送路30a及び他の冗長伝送路30cで前記同時送信を行う等の同時送信で使用する伝送路30の組み合わせによって、対向するスイッチングハブ10bに対して、どのスイッチングハブ10aで障害が発生しているかを通知することも可能となり、より細かな障害通知を実現することができる。
【0039】
また、このような数ポート(伝送路)の構成は、
図4(b)および(c)に示すように、スイッチングハブ10間経路の冗長構成をN対M(N,M≧1)として、上記第2の実施形態で用いたクロックカウンタを備える構成でも適用が可能である。
【0040】
図4(b)では、ネットワークシステムは、SW-HUB1⇔OPT1-OPT2⇔OPT2-OPT1⇔SW-HUB2とSW-HUB3⇔OPTN-OPTM⇔OPTM-OPTN⇔SW-HUB4の2系統から構成される。スイッチングハブ10(SW-HUB1)とポート(OPT1)間で検出した障害は、対向するスイッチングハブ10(SW-HUB2)で障害検出することができる一方で、他のスイッチングハブ10の経路(SW-HUB3〜SW-HUB4)へは影響しない。
【0041】
図4(c)に示すように、対向する2つのスイッチングハブ10間(SW-HUB1〜SW-HUB2)の経路に全てのポート(OPT1-N)を接続した場合は、ポートの同時送信(AND条件)を組み合わせることによって、対向するスイッチングハブ10(SW-HUB2)で障害検出が可能になる。このように、他の変換装置20のポート割り当ての構成によって、任意に障害検知の構成を簡易に得ることが可能であることから、本冗長構成の変換装置20を用いたネットワークシステムの応用範囲は、広範に及ぶものである。
【0042】
なお、上記の各実施形態では、情報通信機器としてスイッチングハブを用いたが、前記変換装置から構成される通信網を中継してデータ通信を行える情報通信機器であれば、この構成に限定されるものではない。例えば、情報通信機器として、ルーターやPC端末等を用いて、上記の各実施形態で示したネットワークシステムを構築することもでき、上記の各実施形態と同様に、障害発生時に、このような情報通信機器間の通信ロスを抑制できるネットワークシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 スイッチングハブ
10a スイッチングハブ
10b スイッチングハブ
20 変換装置
20a 変換装置
20b 変換装置
30 伝送路
30a 一の伝送路
30b 冗長伝送路
30c 冗長伝送路
21 障害発生通知手段
21a 障害発生通知手段
21b 障害発生通知手段
22 障害発生検出手段
22a 障害発生検出手段
22b 障害発生検出手段