(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記挿し口部は、前記管体における前記挿し口部と融着する部分と異なる色の樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気融着継手。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インジケータ孔部が屈曲していると、屈曲部分に溶融した樹脂が留まる虞がある。そして、インジケータ孔部の屈曲部分に留まった樹脂が硬化してしまうとインジケータ孔部から溶融した樹脂を視認できず、管体と電気融着継手との融着の良否を判断できない虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、管体と電気融着継手との融着の良否を確実に判断することができる電気融着継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る電気融着継手は、樹脂が用いられた管体と融着接続される電気融着継手において、管状に形成され前記管体に挿し込まれて前記管体と融着する挿し口部と、前記挿し口部に設けられた発熱体と、前記挿し口部と連なる本体部と、前記本体部から径方向の外側に突出する鍔部と、を有し、前記鍔部には、直線状に延びて前記鍔部を貫通するインジケータ孔部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、インジケータ孔部が直線状に延びているため、インジケータ孔部が屈曲している場合と比べて、インジケータ孔部を溶融した樹脂が内部で留まりにくい構造とすることができる。また、インジケータ孔部が本体部から径方向の外側に突出する鍔部を貫通しているため、本体部に鍔部が設けられておらず、本体部の外径が鍔部の外径となるように本体部が肉厚に形成されていてインジケータ孔部が本体部の外周部まで延びる場合と比べて、インジケータ孔部の長さを短くすることができる。
これらのことにより、挿し口部および管体の互いに融着される部分の樹脂は、溶融してインジケータ孔部に入り込むと鍔部の挿し口部と離間する側に確実に到達することができる。その結果、鍔部の挿し口部と離間する側からインジケータ孔部に樹脂が視認できるかどうかを判断することで、管体と電気融着継手との融着の良否を判断することができる。
【0009】
また、本発明に係る電気融着継手では、インジケータ孔部は、前記本体部の軸線方向と平行に延びていてもよい。
このような構成とすることにより、インジケータ孔部が本体部の軸線方向と交差する方向に延びている場合と比べて、インジケータ孔部の長さを短くすることができる。このため、インジケータ孔部に入り込んだ樹脂が鍔部の挿し口部と離間する側まで到達しやすい。
【0010】
また、本発明に係る電気融着継手では、前記インジケータ孔部は、内周面が前記挿し口部の外周部と連なるように設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、挿し口部および管体の互いに融着される部分の溶融した樹脂がインジケータ孔部に容易に入り込むことができる。インジケータ孔部の内周面と挿し口部の外周面とが連なるとは、インジケータ孔部の内周面と挿し口部の外周面とが段差や隙間なく連続していることを示している。
【0011】
また、本発明に係る電気融着継手では、前記本体部には、前記挿し口部が複数連結されていて、前記鍔部には、複数の前記挿し口部それぞれの側から前記本体部側に延びるように複数の前記インジケータ孔部が複数形成され、複数の前記インジケータ孔部が合流しないように構成されていてもよい。
このような構成とすることにより、電気融着継手によって複数の管体どうしを接続することができる。また、インジケータ孔部が複数の挿し口部それぞれの側から本体部側に延びるよう複数形成されて、各インジケータ孔部が合流することがないため、複数の管体それぞれと電気融着継手との融着の良否を確認することができる。
【0012】
また、本発明に係る電気融着継手では、前記挿し口部は、前記管体における前記挿し口部と融着する部分と異なる色の樹脂材料で形成されていてもよい。
このような構成とすることにより、溶融してインジケータ孔部に入り込んだ樹脂の色を確認することで、電気融着継手と管体とが溶融したかどうかを確認することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、管体と電気融着継手との融着の良否を確実に判断することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による電気融着継手について、
図1および
図2に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、第1実施形態による電気融着継手1Aは、接続対象となる第1樹脂管(管体)11および第2樹脂管(管体)12それぞれと融着し、第1樹脂管11と第2樹脂管12とを接続可能に構成されている。第1樹脂管11および第2樹脂管12には、内部に断面円形状の通路が延びている。電気融着継手1Aも、内部に断面円形状の通路が延びている。
電気融着継手1Aは、第1樹脂管11および第2樹脂管12をそれぞれの通路の軸線が同一直線状に配置されるように接続可能に構成されている。
【0016】
電気融着継手1A、第1樹脂管11および第2樹脂管12の通路に対して、それぞれの軸線が延びる方向を軸線方向とする。電気融着継手1Aの軸線方向の一方側に第1樹脂管11が接続され、軸線方向の他方側に第2樹脂管12が接続されている。
また、電気融着継手1A、第1樹脂管11および第2樹脂管12に対して、それぞれの軸線に直交して近接・離間する方向を径方向とし、それぞれの軸線回りに回る方向を周方向とする。
【0017】
電気融着継手1Aは、第1樹脂管11に挿し込まれる第1挿し口部2と、第2樹脂管12に挿し込まれる第2挿し口部3と、第1挿し口部2と第2挿し口部3とを連結する本体部4と、第1挿し口部2の外周部に設けられた第1発熱体5と、第2挿し口部3の外周部に設けられた第2発熱体6と、を有している。
第1挿し口部2は、第1樹脂管11に挿し込まれると第1樹脂管11と嵌合し、第2樹脂管12に挿し込まれると第2樹脂管12と嵌合するように構成されている。
【0018】
第1挿し口部2、第2挿し口部3および本体部4は、それぞれ樹脂を材料として円筒状に形成され、同軸に配置されている。第1挿し口部2と第2挿し口部3との間に本体部4が配置されている。第1挿し口部2、第2挿し口部3および本体部4それぞれの内径は、略同じ寸法に形成されている。第1挿し口部2および第2挿し口部3それぞれの外径は、略同じ寸法で本体部4の外径よりも小さく形成されている。
【0019】
第1樹脂管11および第2樹脂管12に、例えば、内径50mmの積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンスーパーエスロメタックス」用いるとすると、第1挿し口部2および第2挿し口部3の外径を略50.6mm、第1挿し口部2および第2挿し口部3の内径を45.5mmとすることができる。
【0020】
第1発熱体5は、第1挿し口部2の軸線方向の略全体にわたって外周部に巻きつけられた発熱線(φ0.42mm、被覆1.4mm×1.4mm被覆)を有する第1コイル51で構成されている。第1コイル51は、本体部4を通って外部に引き出され、本体部4の外周部に設けられた第1ターミナルピン52と接続されている。
第2発熱体6は、第2挿し口部3の軸線方向の略全体にわたって外周部に巻きつけられた発熱線(φ0.42mm、被覆1.4mm×1.4mm被覆)を有する第2コイル61で構成されている。第2コイル61は、本体部4を通って外部に引き出され、本体部4の外周部に設けられた第2ターミナルピン62と接続されている。
第1ターミナルピン52と第2ターミナルピン62とは、軸線方向に並んで配置されている。
【0021】
第1挿し口部2には、第1発熱体5が設けられた外周部の略全体に第1発熱体5が発熱した際に溶融可能な第1溶融部21が形成されている。
第2挿し口部3には、第2発熱体6が設けられた外周部の略全体に第2発熱体6が発熱した際に溶融可能な第2溶融部31が形成されている。
また、第1樹脂管11には、第1挿し口部2が挿し込まれて第1発熱体5が発熱した際に溶融可能な第1樹脂管溶融部111が形成されている。
第2樹脂管12には、第2挿し口部3が挿し込まれた際に第2発熱体6発熱した際に溶融可能な第2樹脂管溶融部121が形成されている。
【0022】
本体部4の外周部には、本体部4から周方向全体にわたって径方向の外側に突出する3つのフランジ部43〜45が軸線方向に間隔をあけて形成されている。また、軸線方向に隣り合うフランジの間には、それぞれ径方向の外側に開口し、周方向全体にわたって延びる2つの溝部41,42が軸線方向に間隔をあけて形成されている。2つの溝部41,42のうち軸線方向の一方側の溝部41を第1溝部41とし、軸線方向の他方側の溝部42を第2溝部42とする。
本実施形態では、第1溝部41および第2溝部42の幅寸法が略15mm、第1溝部41および第2溝部42の深さ寸法が略5.3mmに想定されている。第1溝部41および第2溝部42の底面よりも第1挿し口部2および第2挿し口部3の外周面の方が径方向内側に配置されている。
【0023】
3つのフランジ部43〜45のうちの第1溝部41よりも軸線方向の一方側のフランジを第1フランジ部(鍔部)43とし、第2溝部42よりも軸線方向の他方側のフランジを第2フランジ部(鍔部)44とし、第1溝部41と第2溝部42との間のフランジを第3フランジ部45とする。
本体部4は、軸線方向に対称に形成されていて、第1フランジ部43と第2フランジ部44とが軸線方向に対称に形成され、第1溝部41と第2溝部42とが軸線方向に対称に形成されている。本実施形態では、第1フランジ部43および第2フランジ部44は、それぞれ3.0mmの厚さ寸法(軸線方向の寸法)に形成されている。
第3フランジ部45は、第1フランジ部43および第2フランジ部44よりも軸線方向の寸法が長く形成されている。第3フランジ部45は、第1コイル51および第2コイル61が引き出されていて、引き出された第1コイル51が接続される第1ターミナルピン52、および引き出された第2コイル61が接続される第2ターミナルピン62が設けられている。
第1フランジ部43、第2フランジ部44および第3フランジ部45は、それぞれ外径が63.4mmとなるように形成されている。
【0024】
第1フランジ部43には、軸線方向に貫通する第1インジケータ孔部46が形成されている。第1インジケータ孔部46は、径方向内側の位置が第1溝部41の底面と同じ位置に配置され、第1挿し口部2の外周面よりも径方向の外側に配置されている。本実施形態では、1つの第1インジケータ孔部46が第1フランジ部43に形成されている。
第2フランジ部44には、軸線方向に貫通する第2インジケータ孔部47が形成されている。第2インジケータ孔部47は、径方向内側の位置が第2溝部42の底面と同じ位置に配置され、第2挿し口部3の外周面よりも径方向の外側に配置されている。本実施形態では、1つの第2インジケータ孔部47が第2フランジ部44に形成されている。
第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47は、例えば、内径が略2.0mmとなるように形成されている。
【0025】
次に、第1実施形態による電気融着継手1Aによる第1樹脂管11と第2樹脂管12との接合方法について説明する。
まず、電気融着継手1Aの第1挿し口部2を第1樹脂管11に挿し込んで嵌合させ、第2挿し口部3を第2樹脂管12に挿し込んで嵌合させる。このとき、第1樹脂管11の軸線方向他方側の端部を第1フランジ部43の軸線方向一方側の端面と当接させ、第2樹脂管12の軸線方向一方側の端部を第2フランジ部44の軸線方向他方側の端面と当接させる。
【0026】
続いて、第1ターミナルピン52から第1発熱体5に通電し、電気融着継手1Aの第1溶融部21および第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111をそれぞれ溶融させて、第1樹脂管11と電気融着継手1Aとを融着させる。このとき、電気融着継手1Aの第1溶融部21の溶融した樹脂と、第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111の溶融した樹脂とが第1インジケータ孔部46に入り込み、第1溝部41に向かって流れる。そして、これらの樹脂は、第1溝部41または第1溝部41近傍に到達すると、第1インジケータ孔部46から露出し、作業者が第1溝部41を介して視認することが可能となる。作業者は、第1インジケータ孔部46から露出した樹脂を第1溝部41を介して確認することにより、第1樹脂管溶融部111と、電気融着継手1Aの第1溶融部21とがそれぞれ溶融したことを確認することができ、電気融着継手1Aと第1樹脂管11との融着を確認することができる。
【0027】
また、第1発熱体5への通電と前後してまたは同時に、第2ターミナルピン62から第2発熱体6に通電し、電気融着継手1Aの第2溶融部31および第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121をそれぞれ溶融させて、第2樹脂管12と電気融着継手1Aとを融着させる。このとき、電気融着継手1Aの第2溶融部31の溶融した樹脂と、第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121の溶融した樹脂とが第2インジケータ孔部47に入り込み、第2溝部42向かって流れる。そして、これらの樹脂は、第2溝部42または第2溝部42近傍に到達すると、第2インジケータ孔部47から露出し、作業者が第2溝部42を介して視認することが可能となる。作業者は、第2インジケータ孔部47から露出した樹脂を第2溝部42を介して確認することにより、第2樹脂管溶融部121と、電気融着継手1Aの第2溶融部31とがそれぞれ溶融したことを確認することができ、電気融着継手1Aと第2樹脂管12との融着を確認することができる。
【0028】
次に、上述した第1実施形態による電気融着継手1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した第1実施形態による電気融着継手1Aでは、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47が直線状に延びているため、屈曲するインジケータ孔部と比べて溶融した樹脂が第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47の内部で留まりにくい構造とすることができる。また、第1インジケータ孔部46が第1フランジ部43を軸線方向に貫通し第1溝部41の内部に連通するとともに、第2インジケータ孔部47が第2フランジ部44を軸線方向に貫通し第2溝部42の内部に連通している。このため、本体部4に第1フランジ部43および第2フランジ部44が設けられておらず、本体部4の外径が第1フランジ部43および第2フランジ部44の外径となるように本体部が肉厚に形成されていて第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47が本体部4の外周面まで延びる場合と比べて、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47の長さを短くすることができる。
【0029】
これらのことにより、第1挿し口部2の第1溶融部21および第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111は、溶融して第1インジケータ孔部46に入り込むと第1溝部41または第1溝部41の近傍に確実に到達することができる。その結果、第1溝部41を介して第1インジケータ孔部46に樹脂が確認できるかどうかを判断することで、第1樹脂管11と電気融着継手1Aとの融着の良否を判断することができる。
また、第2挿し口部3の第2溶融部31および第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121は、溶融して第2インジケータ孔部47に入り込むと第2溝部42または第2溝部42の近傍に確実に到達することができる。その結果、第2溝部42を介して第2インジケータ孔部47に樹脂が確認できるかどうかを判断することで、第2樹脂管12と電気融着継手1Aとの融着の良否を判断することができる。
【0030】
また、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47は、本体部4の軸線方向と平行に延びていることにより、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47が本体部4の軸線方向と交差する方向に延びている場合と比べて、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47の長さを短くすることができる。
このため、第1インジケータ孔部46に入り込んだ樹脂が第1溝部41または第1溝部41近傍まで到達しやすい。また、第2インジケータ孔部47に入り込んだ樹脂が第2溝部42または第2溝部42近傍まで到達しやすい。
また、第1溝部41および第2溝部42は、溝状であることにより、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47を第1溝部41および第2溝部42の延びる方向の広い範囲から視認しやすい。
【0031】
また、第1インジケータ孔部46が第1フランジ部43を軸線方向に貫通し第1溝部41の内部に連通するとともに、第2インジケータ孔部47が第2フランジ部44を軸線方向に貫通し第2溝部42の内部に連通し、第1溝部41と第2溝部42との間に第3フランジ部45が形成されている。これにより、第1インジケータ孔部46と第2インジケータ孔部47とが合流することがないため、第1樹脂管11および第2樹脂管12それぞれと電気融着継手1Aとの融着の良否を確認することができる。
【0032】
また、第1溝部41および第2溝部42の溝の幅を例えば15mm以上など人の指が入る大きさとすることにより、第1インジケータ孔部46および第2インジケータ孔部47から第1溝部41および第2溝部42の内部に入り込んだ樹脂を人の指で触れることができる。これにより、作業を行う場所が暗く、作業者が第1溝部41および第2溝部42の内部に到達した樹脂を視認しづらい場合でも、指で樹脂に触れることで樹脂が第1溝部41および第2溝部42の内部に到達したかどうかを確認することができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
図3および
図4に示すように、第2実施形態による電気融着継手1Bでは、第1インジケータ孔部46Bの内周面が第1溶融部21の外周面と段差や隙間なく連続している。また、第1インジケータ孔部46Bの内周面は、第1溝部41の底部と連続している。
第1インジケータ孔部46Bは、第1挿し口部2側から第1溝部41側に向かって本体部4の径方向の外側に向かうように本体部4の軸線方向に対して傾斜している。なお、第1インジケータ孔部46Bは直線状に延びている。
【0034】
第2実施形態による電気融着継手1Bでは、第2インジケータ孔部47Bの内周面が第2溶融部31との外周面と段差や隙間なく連続している。また、第2インジケータ孔部47Bの内周面は、第2溝部42の底部と連続している。
そして、第2インジケータ孔部47Bは、第2挿し口部3側から第2溝部42側に向かって本体部4の径方向の外側に向かうように本体部4の軸線方向に対して傾斜している。なお、第2インジケータ孔部47Bは直線状に延びている。
【0035】
第2実施形態による電気融着継手1Bでは、第1溶融部21が、第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111と異なる色の樹脂で形成され、第1溶融部21が、第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121と異なる色の樹脂で形成されている。
【0036】
第2実施形態による電気融着継手1Bによる第1樹脂管11と第2樹脂管12との接合方法は、電気融着継手1Aによる第1樹脂管11と第2樹脂管12との接合方法と同様に行うことができる。
また、第2実施形態では、第1インジケータ孔部46Bの内周面が、第1挿し口部2の外周面と段差や隙間なく連続している。これにより、第1挿し口部2の第1溶融部21および第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111の溶融した樹脂が第1インジケータ孔部46Bに容易に入り込むことができる。同様に、第2インジケータ孔部47Bの内周面も、第2挿し口部3の外周面と段差や隙間なく連続している。これにより、第2挿し口部3の第2溶融部31および第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121の溶融した樹脂が第2インジケータ孔部47Bに容易に入り込むことができる。
【0037】
第2実施形態では、第1インジケータ孔部46Bは、電気融着継手1Bの軸線方向に対して斜めに延びているため、第1インジケータ孔部46Bの第1挿し口部2側よりも第1溝部41側を下側とすることにより、第1インジケータ孔部46Bに入り込んだ溶融した樹脂が第1溝部41または第1溝部41近傍に到達しやすい。同様に、第2インジケータ孔部47Bは、電気融着継手1Bの軸線方向に対して斜めに延びているため、第2インジケータ孔部47Bの第2挿し口部3側よりも第2溝部42側を下側とすることにより、第2インジケータ孔部47Bに入り込んだ溶融した樹脂が第2溝部42または第2溝部42近傍に到達しやすい。
【0038】
第2実施形態では、上述したように、第1溶融部21が、第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111と異なる色の樹脂で形成され、第1溶融部21が、第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121と異なる色の樹脂で形成されている。これにより、第1インジケータ孔部46Bに入り込んだ溶融した樹脂の色を確認することで、第1挿し口部2の第1溶融部21および第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111のそれぞれが溶融したかどうかを確認することができる。
【0039】
特に、第2実施形態では、溶融した樹脂が第1インジケータ孔部46Bに入り込みやすく、第1溝部41または第1溝部41近傍に到達しやすい。これにより、第1溶融部21および第1樹脂管溶融部111それぞれが溶融した際には、それぞれの溶融した樹脂が第1溝部41または第1溝部41近傍に到達しやすい。このため、第1挿し口部2の第1溶融部21および第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111のそれぞれが溶融したかどうかを確実に確認することができる。
同様に、第2インジケータ孔部47Bに入り込んだ溶融した樹脂の色を確認することで、第2挿し口部3の第2溶融部31および第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121のそれぞれが溶融したかどうかを確実に確認することができる。
【0040】
(第3実施形態)
図5に示すように第3実施形態による電気融着継手1Cは、本体部4Cの第1フランジ部43と第2フランジ部44の間に、第1実施形態および第2実施形態による電気融着継手1A,1B(
図2および
図4参照)に設けられていた第1溝部41、第2溝部42および第3フランジ部45に代わって、第3溝部48が形成されている。
第1インジケータ孔部46Cは、第1フランジ部43を直線状に貫通し第3溝部48に開口している。第2インジケータ孔部47Cは、第2フランジ部44を直線状に貫通し第3溝部48に開口している。
【0041】
第1ターミナルピン52Cおよび第2ターミナルピン62Cは、それぞれ第3溝部48の内部に配置されている。第1ターミナルピン52Cは、第3溝部48の内部において第1フランジ部43と離間した位置に配置されている。第2ターミナルピン62Cは、第3溝部48の内部において第2フランジ部44と離間した位置に配置されている。
第1ターミナルピン52Cおよび第2ターミナルピン62Cは、径方向外側の端部が第1フランジ部43および第2フランジ部44の径方向外側の端部より径方向内側に配置されている。
【0042】
第3実施形態による電気融着継手1Cによれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、第1ターミナルピン52Cおよび第2ターミナルピン62Cが第1フランジ部43および第2フランジ部44よりも径方向外側に突出しないため、電気融着継手1Cの外径を抑えることができ、狭隘部において配管することができる。また、第1ターミナルピン52Cおよび第2ターミナルピン62Cが第1フランジ部43および第2フランジ部44よりも径方向外側に突出しないため、管理や運搬を容易にすることができる。
【0043】
以上、本発明による電気融着継手の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、電気融着継手1A,1Bは、軸線が直線となるように形成されているが、軸線が湾曲したり屈曲したりするように形成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、電気融着継手1A,1Bは、第1挿し口部2および第2挿し口部3の電気融着を行うための2つの挿し口部が形成されているが、例えば、3つの挿し込み口が形成されてT字形状に形成されていてもよいし、4つ以上の挿し込み口が形成されていてもよい。また、電気融着継手1A,1Bに、電気融着を行うための挿し込み口が1つだけ設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、電気融着継手1A,1Bは、樹脂管である第1樹脂管11および第2樹脂管12の接続に用いられているが、例えば樹脂層と金属層とを有する金属補強複合管などの樹脂を用いた管体の接続に用いられていてもよい。
【0044】
また、上記の実施形態では、第1フランジ部43には1つの第1インジケータ孔部46,46Bが形成され、第2フランジ部44には1つの第2インジケータ孔部47,47Bが形成されているが、第1フランジ部43に周方向に間隔をあけて2つ以上の第1インジケータ孔部46,46Bが形成され、第2フランジ部44に周方向に間隔をあけて2つ以上の第2インジケータ孔部47,47Bが形成されていてもよい。このように、電気融着継手1A,1Bに複数の第1インジケータ孔部46,46Bおよび複数の第2インジケータ孔部47,47Bが設けられていることにより、電気融着継手1A,1Bの周方向の複数の箇所で融着の良否を確認することができる。
【0045】
また、上記の実施形態では、電気融着継手1A,1Bの本体部4に径方向外側に開口して周方向に全体延びる第1溝部41および第2溝部42が形成され、第1溝部41の内部に第1インジケータ孔部46,46Bが開口し、第2溝部42の内部に第2インジケータ孔部47,47Bが開口している。これに対し、電気融着継手1A,1Bの本体部4に第1溝部41および第2溝部42に代わって、径方向外側に開口して周方向に延びない第1凹部および第2凹部が形成されていて、第1凹部の内部に第1インジケータ孔部46,46Bが開口し、第2凹部の内部に第2インジケータ孔部47,47Bが開口し、第1凹部および第2凹部を介して溶融した樹脂を確認するようにしてもよい。このような場合、第1凹部および第2凹部の形状は適宜設定されてよい。また、第1インジケータ孔部46,46Bおよび第2インジケータ孔部47,47Bがそれぞれ複数設けられている場合、各第1インジケータ孔部46,46Bおよび第2インジケータ孔部47,47Bに対して第1凹部または第2凹部が形成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1フランジ部43および第2フランジ部44は本体部4に対して径方向全体にわたって形成されているが、径方向の一部や、径方向に間隔をあけた複数の部分に設けられていてもよい。
【0046】
また、第2実施形態では、第1挿し口部2の第1溶融部21は、第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111と異なる色の樹脂材料で形成されているが、第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111と同じ色の樹脂材料で形成されていてもよい。第2実施形態では、第2挿し口部3の第2溶融部31は、第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121と異なる色の樹脂材料で形成されているが、第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121と同じ色の樹脂材料で形成されていてもよい。第1実施形態において、第1挿し口部2の第1溶融部21が第1樹脂管11の第1樹脂管溶融部111と異なる色の樹脂材料で形成され、第2挿し口部3の第2溶融部31が第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121と異なる色の樹脂材料で形成されているが、第2樹脂管12の第2樹脂管溶融部121と同じ色の樹脂材料で形成されていてもよい。
【0047】
また、上記の第3実施形態では、第1ターミナルピン52Cが第3溝部48の内部において第1フランジ部43と離間した位置に配置され、第2ターミナルピン62Cが第3溝部48の内部において第2フランジ部44と離間した位置に配置されている。これに対し、
図6に示す電気融着継手1Dのように、第1ターミナルピン52Dが第3溝部48の内部において第1フランジ部43と当接した位置に配置され、第2ターミナルピン62Dが第3溝部48の内部において第2フランジ部44と当接した位置に配置されていてもよい。
【0048】
また、上記の実施形態では、部材の寸法を例示しているが、上記以外の寸法に形成されていてもよい。