特許第6754889号(P6754889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754889
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】プリント基板メタルマスク製造システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/39 20200101AFI20200907BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20200907BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20200907BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   G06F17/50 658M
   G06F17/50 608A
   H05K3/00 D
   H05K3/12 610P
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-503660(P2019-503660)
(86)(22)【出願日】2016年9月23日
(65)【公表番号】特表2019-532377(P2019-532377A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(86)【国際出願番号】CN2016099799
(87)【国際公開番号】WO2018018736
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2019年3月9日
(31)【優先権主張番号】201610593972.5
(32)【優先日】2016年7月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514234230
【氏名又は名称】上海望友信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ ▲勝▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲豊▼收
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 久▲軒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲継▼▲碩▼
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−112864(JP,A)
【文献】 特開2006−351724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F30/00−30/398
H05K3/00
H05K3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板メタルマスク製造システムであって、
所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ図形、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、
前記ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含み、
前記ボンディングパッド部品情報入力モジュールは、更に、材料コードを含む部品リスト情報を入力して対応する前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に追加し、
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、前記材料コードに基づいて、記録の属性として更に材料コードを含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致した材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置することを特徴とするプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項2】
プリント基板メタルマスク製造システムであって、
所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ図形、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、
前記ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含み、
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性にパッケージ名が更に含まれ、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に更にパッケージ名が含まれることから、前記パッケージ名に基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致したパッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置することを特徴とするプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項3】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得することを特徴とする請求項又は請求項に記載のプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項4】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画することを特徴とする請求項又は請求項に記載のプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項5】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、前記ボンディングパッド部品情報及び対応するメタルマスク開口図形を前記メタルマスク開口データベースに追加することを特徴とする請求項又は請求項に記載のプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項6】
更に、処理結果出力モジュールを含み、処理済みのシステムコアデータ情報をメタルマスク製造の加工情報として所定のフォーマットで出力することを特徴とする請求項又は請求項に記載のプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項7】
プリント基板メタルマスク製造システムであって、
所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ名、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、
前記ボンディングパッド部品パッケージ名に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ名とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含むことを特徴とするプリント基板メタルマスク製造システム。
【請求項8】
プリント基板メタルマスク製造システムであって、
所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド材料コード、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、
前記ボンディングパッド材料コードに基づいて、記録の属性としてボンディングパッド材料コードとメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含むことを特徴とするプリント基板メタルマスク製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子製造の技術分野に関し、特に、プリント基板メタルマスクの製造方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子制造業界において、メタルマスクは基本的にガーバーファイルを用いて製造されており、且つ、ほとんど全てが手作業で製造されている。このような方式の場合には特に開口漏れが生じやすく、工場到着後に、メタルマスクの開口が正確か否か及び漏れの有無を人為的に肉眼で確認せねばならないことが多い。従来の比較的良好な製造方式は、一般的に次のステップを含む。
1.CircuitCAM又はCAM350でガーバーのボンディングパッドを取り込む。
2.どの対象のボンディングパッドが1つのパッケージのものかを人為的に肉眼で確認する。
3.変換を要するボンディングパッドを手作業で選択し、ボンディングパッドを開口に変換する。
4.全ての処理が完了したか否かをチェックし、全ての処理が終わっていない場合にはステップ2〜4を繰り返し実行する。
5.開口が適切か否か及び開口がプリント基板と一致するか否かの目視検査を行い、不適切又は不一致の場合にはボンディングパッドの開口を再処理する。また、開口が適切で且つプリント基板と一致している場合には、メタルマスク加工データを出力する。
【0003】
上記の方法で製造する場合にはN個の部品についてN回操作する必要があるため、非常に煩雑であるだけでなく、漏れが生じやすい。且つ、導入したガーバーファイルは正確なものでなければならない。正確でない場合、最終的に実際のプリント基板と比較する最終段階でガーバーファイルにボンディングパッドの抜け等のエラーが存在することに気付くことになる。このような方法で1000点余りの部材を有する製品を処理するには、通常は3〜4時間を必要とする。一方、業界における電気製品の成長に伴ってスマート製造への移行も始まっており、インダストリー4.0、インターネットプラス、スマート工場等の理念が制造業全体に導入されている。こうしたスピーディー且つ高効率な方式によって、製造には革命的な変化が生じると考えられる。
【0004】
上記に鑑み、如何にしてより迅速且つ効果的にメタルマスクの製造を完了可能な方案を見出すかが当業者にとって喫緊の課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術の瑕疵に鑑みて、本発明は、従来技術におけるプリント基板のメタルマスク製造は煩雑で時間を要し、且つエラーが生じやすいとの課題を解決するプリント基板メタルマスクの製造方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的及びその他関連の目的を実現するために、本発明は、プリント基板メタルマスクの製造方法であって、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ図形、ボンディングパッド部品座標を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する方法を提供する。
【0007】
前記所定の入力フォーマットは、プリント基板CADファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれるものであってもよい。
【0008】
前記ボンディングパッド部品座標は、CAD座標であってもよい。
【0009】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法は、更に、材料コードを含む部品リスト情報を入力して対応する前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に追加し、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性には更に材料コードが含まれ、前記材料コードに基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致した材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するものであってもよい。
【0010】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法は、更に、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性にはパッケージ名が更に含まれ、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報が更にパッケージ名を含み、前記パッケージ名に基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致したパッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するものであってもよい。
【0011】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法は、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得するものであってもよい。
【0012】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法は、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画するものであってもよい。
【0013】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、前記ボンディングパッド部品情報及び対応するメタルマスク開口図形を前記メタルマスク開口データベースに追加するものであってもよい。
【0014】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法は、更に、全てのボンディングパッドが確実に開口を備えるよう全ボンディングパッド部品をチェックするものであってもよい。
【0015】
前記プリント基板メタルマスクの製造方法は、更に、処理済みのシステムコアデータ情報をメタルマスク製造の加工情報として所定のフォーマットで出力するものであってもよい。
【0016】
前記所定の出力フォーマットは、DXFファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれるものであってもよい。
【0017】
本発明は、更に、プリント基板メタルマスクの製造方法であって、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ名、ボンディングパッド部品座標を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ名に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ名とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する方法を提供する。
【0018】
本発明は、更に、プリント基板メタルマスクの製造方法であって、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド材料コード、ボンディングパッド部品座標を含み、前記ボンディングパッド材料コードに基づいて、記録の属性としてボンディングパッド材料コードとメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する方法を提供する。
【0019】
本発明は、更に、プリント基板メタルマスク製造システムであって、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ図形、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、前記ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含むシステムを提供する。
【0020】
前記所定の入力フォーマットは、プリント基板CADファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれるものであってもよい。
【0021】
前記ボンディングパッド部品座標は、CAD座標とするものであってもよい。
【0022】
前記ボンディングパッド部品情報入力モジュールは、更に、材料コードを含む部品リスト情報を入力して対応する前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に追加し、前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、前記材料コードに基づいて、記録の属性として更に材料コードを含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するものであってもよい。
【0023】
前記ボンディングパッド部品情報入力モジュールは、更に、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性にパッケージ名が更に含まれ、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に更にパッケージ名が含まれることから、前記パッケージ名に基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致したパッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するものであってもよい。
【0024】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得するものであってもよい。
【0025】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画するものであってもよい。
【0026】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、前記ボンディングパッド部品情報及び対応するメタルマスク開口図形を前記メタルマスク開口データベースに追加するものであってもよい。
【0027】
前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、全てのボンディングパッドが確実に開口を備えるよう全ボンディングパッド部品をチェックするものであってもよい。
【0028】
前記プリント基板メタルマスク製造システムは、処理結果出力モジュールを更に含み、処理済みのシステムコアデータ情報をメタルマスク製造の加工情報として所定のフォーマットで出力するものであってもよい。
【0029】
前記所定の出力フォーマットは、DXFファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれるものであってもよい。
【0030】
本発明は、更に、プリント基板メタルマスク製造システムであって、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ名、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、前記ボンディングパッド部品パッケージ名に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ名とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含むシステムを提供する。
【0031】
本発明は、更に、プリント基板メタルマスク製造システムであって、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換し、前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド材料コード、ボンディングパッド部品座標を含むボンディングパッド部品情報入力モジュールと、前記ボンディングパッド材料コードに基づいて、記録の属性としてボンディングパッド材料コードとメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置するボンディングパッド部品開口処理モジュール、を含むシステムを提供する。
【発明の効果】
【0032】
以上述べたように、本発明のプリント基板メタルマスクの製造方法及びそのシステムは以下の有益な効果を有する。即ち、設計データであるCADやガーバーを最大限活用し、100%正確に利用することで、100%の精度を実現可能となる。且つ、人為的介入が大幅に削減され、簡単なステップで完了させられるため、60〜80%以上の時間が短縮される。また、機器のオペレータにもさほどの知識は求められないため、一般作業者であっても遂行可能となる。本発明によれば、従来の作業方式を変更することで、プリント基板メタルマスクの製造におけるボンディングパッド部品開口図形の自動又は半自動形成が実現される。これにより、労働力が大幅に削減されるだけでなく、メタルマスクの製造効率が向上し、且つ、メタルマスク製造の精度が上がるため、非常に高い優位性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明におけるプリント基板メタルマスクの製造方法の一実施例のフローチャートを示す。
図2図2は、本発明におけるプリント基板メタルマスクの製造方法のその他の実施例のフローチャートを示す。
図3図3は、本発明に係るプリント基板メタルマスクの製造方法のその他の実施例におけるメタルマスク開口データベースに対する記録の追加を示す図である。
図4図4は、本発明におけるプリント基板メタルマスク製造システムの一実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、特定の具体的実施例によって本発明の実施形態を説明する。当業者は本明細書に開示の内容から容易に本発明のその他の利点と効果を理解可能である。本発明は、その他の異なる具体的実施形態で実施又は応用してもよい。また、本明細書の各詳細事項については、異なる観点及び応用に基づいて、本発明の精神を逸脱しないことを前提に各種の補足又は変形を加えてもよい。
【0035】
なお、本実施例で提供する図面は本発明の基本思想を概略的に説明するものにすぎない。よって、図面には本発明に関連するモジュールのみを示しており、実際に実施する際のモジュールの数、形状及びサイズで記載しているわけではない。実際に実施する際の各モジュールの形態、数及び比率は任意に変更してもよく、且つ、モジュールの配置形態がより複雑になる場合もある。
【0036】
本発明は、プリント基板メタルマスクの製造方法を提供する。一実施例において、図1に示すように、前記プリント基板メタルマスクの製造方法は以下を含む。
【0037】
ステップS1:所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換する。前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ図形、ボンディングパッド部品座標を含む。前記所定の入力フォーマットには、プリント基板CADファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれる。ガーバーファイルとは、プリント基板回路における電気回路設計ソフトで生成されるプリント基板加工ファイルであり、拡張子にはpho、gbr、art、gbx等がある。プリント基板加工ファイルは、プリント基板工場において生産に使用される。また、ガーバーフォーマットとは、回路板の業界ソフトで描画される回路板の回路層、ソルダーレジスト層、文字層等の画像、及び、ドリル、ルーター加工データのドキュメントフォーマットの集合である。通常、ガーバードキュメントは回路板設計者が専用の電子設計自動化(EDA)ソフト又はCADソフトを用いて作成する。ガーバードキュメントはプリント基板工場に送られ、CAMソフトに導入されることで各プリント基板工程にデータを提供する。また、ガーバーデータは、自動光学検査機器のような特定の機器に画像データを提供するために用いてもよく、又は、ドリル情報(フラッシュのための開口)の描画に用いてもよい。
【0038】
ステップS2:前記ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。具体的には、コアデータにおけるボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口データベースにおけるボンディングパッド部品パッケージ図形に基づく類似図形マッチングにより(類似度は百分率で設定可能。例えば、類似度が90%以上なら両者が一致していると考える)、メタルマスク開口データベースにおける一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を取得する。なお、前記ボンディングパッド部品座標はCAD座標である。一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、材料コードを含む部品リスト情報を入力し、対応する前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に追加する。また、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性には更に材料コードが含まれる。前記材料コードに基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。また、材料コードとはボンディングパッド部品の材料コードである。一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性にパッケージ名が更に含まれ、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報が更にパッケージ名を含む。前記パッケージ名に基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致したパッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。また、パッケージ名とはボンディングパッド部品のパッケージ名である。
【0039】
一実施例において、メタルマスク開口データベースの記録には、ボンディングパッド部品パッケージ図形属性(又は、部品パッケージ図形属性ともいう)と、メタルマスク開口図形属性が含まれる。図3に示すように、メタルマスク開口データベースにメタルマスク開口図形の記録を追加する方式には以下が含まれる。
1.開口層にメタルマスク加工データ(DXF又はガーバー等)を読み込み、当該開口層におけるボンディングパッド部品パッケージ図形及び対応するメタルマスク開口図形を取得する。
2.メタルマスク開口変換モジュールで開口層の開口を形成し、当該開口層におけるボンディングパッド部品パッケージ図形及び対応するメタルマスク開口図形を取得する。
3.メタルマスク開口手動描画モジュールで開口層の開口を形成し、当該開口層におけるボンディングパッド部品パッケージ図形及び対応するメタルマスク開口図形を取得する。
【0040】
これら3種類の開口図形に関し、開口層コアデータの部品パッケージ図形と衝突した開口図形(メタルマスク開口図形)がメタルマスク開口データベースに保存される。一の実施例において、メタルマスク開口データベースの記録の属性としてパッケージ名属性及び/又は材料コード属性を更に含んでもよく、記録の保存時に、対応するパッケージ名及び/又は材料コードを保存してもよい。
【0041】
一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得する。前記メタルマスク開口変換アルゴリズムはユーザ自身で定義して追加することができる。前記メタルマスク開口変換アルゴリズムは、関連のIPC標準に基づき設定する。例えば、アルゴリズムによって、図形のサイズ変換や、矩形の四隅の切除等を実行する。また、IPC標準が更新された場合には、メタルマスク開口の変換方法を柔軟に追加すればよい。一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画する。前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、前記ボンディングパッド部品情報及び対応するメタルマスク開口図形を前記メタルマスク開口データベースに追加する。
【0042】
一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、全てのボンディングパッドが確実に開口を備えるよう、全ボンディングパッド部品をチェックする。一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、更に、処理済みのシステムコアデータ情報をメタルマスク製造の加工情報として所定のフォーマットで出力する。前記所定の出力フォーマットには、DXFファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれる。DXFとはオートデスク社が開発したもので、AutoCADとその他ソフトウェアとの間でCADデータをやり取りするためのCADデータファイルフォーマットである。DXFは、オープンなベクトルデータフォーマットであり、ASCII形式とバイナリ形式の2種類に分類される。ASCIIは可読性に優れるが占有スペースが大きい。これに対し、バイナリ形式は占有スペースが小さく、読み取り速度が速い。AutoCADは現在最も利用されているCADシステムであるため、DXFもまた広く使用されており、事実上の標準となっている。DXFファイルは大多数のCADシステムにおいて読み取り又は出力可能である。
【0043】
一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換する。前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ名、ボンディングパッド部品座標を含む。次に、前記ボンディングパッド部品パッケージ名に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ名とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。一実施例において、ボンディングパッド部品パッケージ名を用いたマッチングに成功しなかったボンディングパッド部品については、更に、ボンディングパッド材料コード又はボンディングパッド部品パッケージ図形を用いてマッチングすることができる。マッチングに成功しなかった場合には、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得すること、又は、前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画することができる。
【0044】
一実施例において、前記プリント基板メタルマスクの製造方法では、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換する。前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド材料コード、ボンディングパッド部品座標を含む。次に、前記ボンディングパッド材料コードに基づいて、記録の属性としてボンディングパッド材料コードとメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。一実施例において、ボンディングパッド材料コードを用いたマッチングに成功しなかったボンディングパッド部品については、更に、ボンディングパッド部品パッケージ名又はボンディングパッド部品パッケージ図形を用いてマッチングすることができる。マッチングに成功しなかった場合には、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得すること、又は、前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画することができる。
【0045】
一実施例において、図2に示すように、前記プリント基板メタルマスクの製造方法は以下を含む。プリント基板CADファイルを読み込み、システムコアデータに変換して保存する。また、ボンディングパッドのガーバー層データが存在する場合にはガーバーを再度読み込み、メタルマスク開口への変換待ちのボンディングパッド層に変換する。ボンディングパッドのガーバー層データが存在しない場合、プリント基板CADからメタルマスク開口への変換待ちのボンディングパッド層(型板層とも称する)を抽出し、システムコアデータとして保存する。また、選択的に部品表を読み込み、部品表の材料コードをCAD図形データの部品情報に組み合わせる。部品表(Bill of Material,BOM)とは、コンピュータ支援により企業の生産管理を行う場合、まずは企業が製造する製品の構成と全ての関連部品をコンピュータで読み出し可能とする必要があり、コンピュータが識別しやすいよう、図式化された製品構造を何らかのデータフォーマットに変換する必要がある。このようなデータフォーマットで記載される製品構造ファイルを部品表、即ちBOMという。部品表は製品構造を定義する技術文書であるため、製品構造表又は製品構造ツリーとも称する。
【0046】
この場合、システムコアデータにおける重要データは、部材の座標、部材のボンディングパッド、部品のパッケージ、部材の材料コードを含むコアデータのCAD部材層となり、その他がメタルマスク開口への変換待ちのボンディングパッド層となる。システムコアデータは、図形表示データと部品表データを含み、プリント基板の長さ、幅、厚さ、部材の座標、角度、材料コードがその内容となる。また、部品表データとプリント基板データを編集し、閲覧可能とすることができる。
【0047】
メタルマスク開口データベースの図形データには、部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形が含まれる。また、メタルマスク開口データベースには、更に、文字列データとしてパッケージ名及び/又は材料コードが含まれる。CAD図形パッケージを列挙して、全部材のボンディングパッドが確実に開口図形を有するまで以下を実行する。
1.まず、ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、図形が一致した開口データベースにおけるメタルマスク開口図形(型板開口図形とも称する)をCAD座標に基づいて開口層(即ち、開口ボンディングパッド層)に配置する。即ち、部品パッケージ図形を用いて開口データベースにおけるパッケージ図形を検索し、図形の類似度が比率(例えば、ユーザにより98%と設定してもよい)要求を満たすものが検出されると、開口図形を開口層に形成する。
2.コアデータはボンディングパッド部品のパッケージ図形を有し、ボンディングパッド部品はパッケージ名及び/又は材料コードを有する。そこで、残りの一致しなかったものについては、パッケージ名又は材料コードに基づいて検索し、一致した場合には、開口データベースにおけるメタルマスク開口図形をCAD座標に基づいて開口層に配置する。具体的には、部材の材料コードを用いて開口データベースにおける材料コードの文字列を検索し、一致するものが検出された場合には、開口図形を開口層に形成する。また、部材のパッケージ名を用いて開口データベースにおけるパッケージ名の文字列を検索し、一致するものが検出された場合には、開口図形を開口層に形成する。
3.次に、残ったものについて、メタルマスク開口変換モジュール(複数のメタルマスク開口変換アルゴリズムを含む)を用いて相応のアルゴリズムを選択し、開口変換を行うことができる。
4.更に、アルゴリズムではサポートされなかった残りについては、メタルマスク開口手動描画モジュールを用いて開口を描画することができる。
【0048】
なお、上記ステップの開口図形は、次回に使用できるよう、いずれもメタルマスク開口データベースに保存することができる。
【0049】
続いて、ボンディングパッド開口につき検証・チェックを行い、各部材のボンディングパッドがいずれも開口を有するか否かをチェックすることで漏れを防止する。また、余分な開口の有無についても逆チェックを行う。更に、最終的なメタルマスクデータと元のボンディングパッド及びCADを比較して、漏れや余分な開口の有無をチェックすることとしてもよい。具体的には、コアデータの全ての部材について、各部材のボンディングパッド図形の下に開口図形が存在するか否かについて総当たり検索し、存在する場合には、開口データがどの部材のボンディングパッドに属するかをマークする。これを、全部材のボンディングパッドについて検索を完了するまで実行する。開口層において、どの部材のボンディングパッドに属するかがマークされなかったものが余分な開口となる。また、部材のボンディングパッドの下に開口が存在しないものが漏れとなる。最後に、機器の違いに応じたフォーマットファイル(DXFやガーバー等のフォーマットファイル)でメタルマスク製造機器のメタルマスク加工データを出力する。
【0050】
本発明は、更に、プリント基板メタルマスク製造システムを提供する。プリント基板メタルマスク製造システムには、上述したプリント基板メタルマスクの製造方法を適用すればよい。一実施例において、図4に示すように、前記プリント基板メタルマスク製造システム1は、ボンディングパッド部品情報入力モジュール11と、ボンディングパッド部品開口処理モジュール12を含む。
【0051】
ボンディングパッド部品情報入力モジュール11は、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換する。前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ図形、ボンディングパッド部品座標を含む。前記所定の入力フォーマットには、プリント基板CADファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれる。一実施例において、前記ボンディングパッド部品情報入力モジュール11は、更に、材料コードを含む部品リスト情報(BOM,Bill of Material)を入力し、対応する前記ボンディングパッド部品パッケージ情報に追加する。
【0052】
ボンディングパッド部品開口処理モジュール12はボンディングパッド部品情報入力モジュール11に接続されており、前記ボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。具体的には、コアデータにおけるボンディングパッド部品パッケージ図形とメタルマスク開口データベースにおけるボンディングパッド部品パッケージ図形に基づいて類似図形マッチングを行い(類似度は百分率で設定可能。例えば、類似度が90%以上なら両者が一致していると考える)、メタルマスク開口データベースにおける一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を取得する。なお、前記ボンディングパッド部品座標はCAD座標である。前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、前記材料コードに基づいて、記録の属性として更に材料コードを含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ図形に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。また、材料コードとはボンディングパッド部品の材料コードである。一実施例において、前記ボンディングパッド部品開口処理モジュールは、更に、前記メタルマスク開口データベースの記録の属性にはパッケージ名が更に含まれ、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報には更にパッケージ名が含まれるため、前記パッケージ名に基づいてメタルマスク開口データベースを検索し、一致したパッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。また、パッケージ名とはボンディングパッド部品のパッケージ名である。
【0053】
一実施例において、メタルマスク開口データベースの記録には、ボンディングパッド部品パッケージ図形属性(又は、部品パッケージ図形属性ともいう)と、メタルマスク開口図形属性が含まれる。図3に示すように、メタルマスク開口データベースにメタルマスク開口図形の記録を追加する方式には以下が含まれる。
1.開口層にメタルマスク加工データ(DXF又はガーバー等)を読み込み、当該開口層におけるボンディングパッド部品パッケージ図形及び対応するメタルマスク開口図形を取得する。
2.メタルマスク開口変換モジュールで開口層の開口を形成し、当該開口層におけるボンディングパッド部品パッケージ図形及び対応するメタルマスク開口図形を取得する。
3.メタルマスク開口手動描画モジュールで開口層の開口を形成し、当該開口層におけるボンディングパッド部品パッケージ図形及び対応するメタルマスク開口図形を取得する。
【0054】
これら3種類の開口図形に関し、開口層コアデータの部品パッケージ図形と衝突した開口図形(メタルマスク開口図形)がメタルマスク開口データベースに保存される。一の実施例において、メタルマスク開口データベースの記録の属性としてパッケージ名属性及び/又は材料コード属性を更に含んでもよく、記録の保存時に対応するパッケージ名及び/又は材料コードを保存してもよい。
【0055】
一実施例において、前記ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得する。一実施例において、前記ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、更に、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画する。前記ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、更に、前記ボンディングパッド部品情報及び対応するメタルマスク開口図形を前記メタルマスク開口データベースに追加する。即ち、メタルマスク開口変換アルゴリズムに基づいて開口変換して取得した前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形、又は、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて手作業で描画した対応するメタルマスク開口図形を前記メタルマスク開口データベースに追加する。
【0056】
一実施例において、前記ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、更に、全てのボンディングパッドが確実に開口を備えるよう全ボンディングパッド部品をチェックする。一実施例において、前記プリント基板メタルマスク製造システム1は、処理結果出力モジュールを更に含む。処理結果出力モジュールと前記ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、処理済みのシステムコアデータ情報をメタルマスク製造の加工情報として所定のフォーマットで出力する。前記所定の出力フォーマットには、DXFファイルフォーマット又は/及びガーバーファイルフォーマットが含まれる。DXFとはオートデスク社が開発したもので、AutoCADとその他ソフトウェアとの間でCADデータをやり取りするためのCADデータファイルフォーマットである。DXFは、オープンなベクトルデータフォーマットであり、ASCII形式とバイナリ形式の2種類に分類される。ASCIIは可読性に優れるが占有スペースが大きい。これに対し、バイナリ形式は占有スペースが小さく、読み取り速度が速い。AutoCADは現在最も利用されているCADシステムであるため、DXFもまた広く使用されており、事実上の標準となっている。DXFファイルは大多数のCADシステムにおいて読み取り又は出力可能である。
【0057】
一実施例において、前記ボンディングパッド部品情報入力モジュール11は、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換する。前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド部品パッケージ名、ボンディングパッド部品座標を含む。ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、前記ボンディングパッド部品パッケージ名に基づいて、記録の属性としてボンディングパッド部品パッケージ名とメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド部品パッケージ名に対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。一実施例において、ボンディングパッド部品パッケージ名を用いたマッチングに成功しなかったボンディングパッド部品については、更に、ボンディングパッド材料コード又はボンディングパッド部品パッケージ図形を用いてマッチングすることができる。マッチングに成功しなかった場合には、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得すること、又は、前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画することができる。
【0058】
一実施例において、ボンディングパッド部品情報入力モジュール11は、所定の入力フォーマットでボンディングパッド部品情報を含むプリント基板メタルマスク設計情報を入力し、前記プリント基板メタルマスク設計情報を対応するシステムコアデータ情報に変換する。前記システムコアデータ情報はボンディングパッド部品パッケージ情報を含み、前記ボンディングパッド部品パッケージ情報は、ボンディングパッド材料コード、ボンディングパッド部品座標を含む。ボンディングパッド部品開口処理モジュール12は、前記ボンディングパッド材料コードに基づいて、記録の属性としてボンディングパッド材料コードとメタルマスク開口図形を含むメタルマスク開口データベースを検索し、一致したボンディングパッド材料コードに対応するメタルマスク開口図形を前記ボンディングパッド部品座標に基づいて開口層に配置する。一実施例において、ボンディングパッド材料コードを用いたマッチングに成功しなかったボンディングパッド部品については、更に、ボンディングパッド部品パッケージ名又はボンディングパッド部品パッケージ図形を用いてマッチングすることができる。マッチングに成功しなかった場合には、ボンディングパッド部品パッケージ情報に基づいて適切なメタルマスク開口変換アルゴリズムを選択し、開口変換することで前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を取得すること、又は、前記ボンディングパッド部品に対応するメタルマスク開口図形を手作業で描画することができる。
【0059】
以上述べたように、本発明のプリント基板メタルマスクの製造方法及びシステムによれば、従来の作業方式を変更することで、プリント基板メタルマスクの製造におけるボンディングパッド部品開口図形の自動又は半自動形成が実現される。これにより、労働力が大幅に削減されるだけでなく、メタルマスクの製造効率が向上し、且つ、メタルマスク製造の精度が上がるため、非常に高い優位性を有する。したがって、本発明は従来技術における様々な欠点を解消しており、高度な産業上の利用価値を有している。
【0060】
なお、上記の実施例は本発明の原理と効果を例示的に説明するものにすぎず、本発明を限定する主旨ではない。本技術を熟知する者であれば、本発明の精神及び範疇を逸脱することなく、上記の実施例を補足又は変形可能である。よって、当業者が本発明に開示される精神及び技術思想を逸脱することなく実行するあらゆる等価の補足又は変形は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 プリント基板メタルマスク製造システム
11 ボンディングパッド部品情報入力モジュール
12 ボンディングパッド部品開口処理モジュール
S1〜S2 ステップ
図1
図2
図3
図4