特許第6754890号(P6754890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本碍子株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000002
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000003
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000004
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000005
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000006
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000007
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000008
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000009
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000010
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000011
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000012
  • 特許6754890-ウエハ支持台 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754890
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】ウエハ支持台
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20200907BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20200907BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20200907BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20200907BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/302 101B
   H01L21/205
   H01L21/31 C
   H05H1/46 L
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-504504(P2019-504504)
(86)(22)【出願日】2018年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2018007542
(87)【国際公開番号】WO2018163935
(87)【国際公開日】20180913
【審査請求日】2019年10月23日
(31)【優先権主張番号】62/467,430
(32)【優先日】2017年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朋大
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−197391(JP,A)
【文献】 特開2011−119654(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/080502(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/093806(WO,A1)
【文献】 特開2003−160874(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0103970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/205
H01L 21/3065
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ載置面を有する円板状のセラミック基体の内部にRF電極とヒータ電極とが前記ウエハ載置面側からこの順に埋設されたウエハ支持台であって、
前記セラミック基体の前記ウエハ載置面とは反対側の面の中央に接合された中空のセラミックシャフトを備え、
前記RF電極は、同一平面上のゾーンごとに形成された複数のRFゾーン電極によって構成され、
前記複数のRFゾーン電極及び前記ヒータ電極は、前記セラミック基体の前記ウエハ載置面とは反対側の面の外側に設けられた複数のRFゾーン電極用導体及びヒータ電極用導体にそれぞれ独立して接続されており
前記複数のRFゾーン電極用導体及び前記ヒータ電極用導体は前記セラミックシャフトの内部に配置され、
前記複数のRFゾーン電極のうち前記セラミック基体に前記セラミックシャフトを投影した中央領域から外れた位置に設けられたものは、自身に対応する前記RFゾーン電極用導体とジャンパを介して接続され、
前記ジャンパは、前記セラミック基体の内部であって前記RF電極が設けられた平面よりも前記ウエハ載置面から離れた平面上に設けられている、
ウエハ支持台。
【請求項2】
前記RF電極は、前記複数のRFゾーン電極として、前記セラミック基体と同心円状の円形電極か前記円形電極を複数に分割した電極を含み、更に、前記円形電極の外側に前記セラミック基体と同心円の1以上の円環電極か前記円環電極の少なくとも1つを複数に分割した電極を含む、
請求項1に記載のウエハ支持台。
【請求項3】
前記複数のRFゾーン電極のうち2以上のRFゾーン電極が前記中央領域から外れた位置に設けられており、
前記2以上のRFゾーン電極ごとに設けられる前記ジャンパは同一平面上に設けられている、
請求項1又は2に記載のウエハ支持台。
【請求項4】
前記ジャンパは、前記ヒータ電極と同一平面に前記ヒータ電極と非接触な状態で設けられている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のウエハ支持台。
【請求項5】
前記ヒータ電極は、前記RFゾーン電極の数と同数又は異なる数の複数のヒータゾーン電極によって構成され、
前記ヒータ電極用導体は、前記複数のヒータゾーン電極のそれぞれに独立して接続されるヒータゾーン電極用導体によって構成されている、
請求項1〜のいずれか1項に記載のウエハ支持台。
【請求項6】
前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記RFゾーン電極同士の間のギャップには少なくとも1つの前記ヒータゾーン電極が配置されている、
請求項に記載のウエハ支持台。
【請求項7】
前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記複数のRFゾーン電極と前記複数のヒータゾーン電極とが一致するように配置されている、
請求項に記載のウエハ支持台。
【請求項8】
ウエハ載置面を有する円板状のセラミック基体の内部にRF電極とヒータ電極とが前記ウエハ載置面側からこの順に埋設されたウエハ支持台であって、
前記RF電極は、同一平面上のゾーンごとに形成された複数のRFゾーン電極によって構成され、
前記複数のRFゾーン電極及び前記ヒータ電極は、前記セラミック基体の前記ウエハ載置面とは反対側の面の外側に設けられた複数のRFゾーン電極用導体及びヒータ電極用導体にそれぞれ独立して接続されており、
前記ヒータ電極は、前記RFゾーン電極の数と同数又は異なる数の複数のヒータゾーン電極によって構成され、
前記ヒータ電極用導体は、前記複数のヒータゾーン電極のそれぞれに独立して接続されるヒータゾーン電極用導体によって構成されており、
前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記複数のRFゾーン電極と前記複数のヒータゾーン電極とが一致するように配置されている、
ウエハ支持台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ支持台に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハ支持台としては、ウエハ載置面を有する円板状のセラミック基体の内部にRF電極とヒータ電極とがウエハ載置面側からこの順に埋設されたものが知られている。例えば、特許文献1には、この種のウエハ支持台として、セラミックス基体内においてウエハ搭載面からの深さが互いに異なるように埋設されている円形状RF電極及び円環状RF電極を備えたものが開示されている。このウエハ支持台のウエハ載置面に対向する位置には平板上部電極が配置される。そして、その平板上部電極とウエハ支持台の両RF電極とからなる平行平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる。特許文献1には、プラズマを発生させる際に、円形状導RF電極と円環状RF電極にそれぞれ異なる高周波電力を印加することによってプラズマの密度分布を良好にコントロールできると説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5896595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プラズマを発生させる際、平板上部電極と円形状RF電極との距離及び平板上部電極と円環状RF電極との距離が異なるし、ウエハ載置面と円形状RF電極との間の誘電体層(セラミック基体)の厚さとウエハ載置面と円環状RF電極との間の誘電体層の厚さも異なる。そのため、プラズマの密度分布を良好にコントロールするのが難しかった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、プラズマの密度分布を容易にコントロールできるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的の少なくとも1つを達成するため、本発明のウエハ支持台は以下の構成を採用した。
【0007】
すなわち、本発明のウエハ支持台は、
ウエハ載置面を有する円板状のセラミック基体の内部にRF電極とヒータ電極とが前記ウエハ載置面側からこの順に埋設されたウエハ支持台であって、
前記RF電極は、同一平面上のゾーンごとに形成された複数のRFゾーン電極によって構成され、
前記複数のRFゾーン電極及び前記ヒータ電極は、前記セラミック基体の前記ウエハ載置面とは反対側の面の外側に設けられた複数のRFゾーン電極用導体及びヒータ電極用導体にそれぞれ独立して接続されている、
ものである。
【0008】
このウエハ支持台では、複数のRFゾーン電極及びヒータ電極は、セラミック基体のウエハ載置面とは反対側の面の外側に設けられた複数のRFゾーン電極用導体及びヒータ電極用導体にそれぞれ独立して接続されている。そのため、RFゾーン電極ごとに異なる高周波電力を供給することができ、プラズマの密度分布を良好にコントロールすることができる。ここで、RF電極は、同一平面上のゾーンごとに形成された複数のRFゾーン電極によって構成されている。そのため、ウエハ支持台の上方に配置される平板上部電極と各RFゾーン電極との距離はすべて同じであり、ウエハ載置面と各RFゾーン電極との間のセラミック基体の厚さ(誘電体層の厚さ)もすべて同じである。そのため、プラズマの密度分布を良好になるように容易にコントロールすることができる。なお、RFゾーン電極の形状や数は任意に決定することができる。
【0009】
本発明のウエハ支持台において、前記RF電極は、前記複数のRFゾーン電極として、前記セラミック基体と同心円状の円形電極か前記円形電極を複数に分割した電極を含み、更に、前記円形電極の外側に前記セラミック基体と同心円の1以上の円環電極か前記円環電極の少なくとも1つを複数に分割した電極とを含むようにしてもよい。セラミック基体の内周部分と外周部分とではプラズマの密度分布が異なることが多いため、このように円形電極(又は円形電極を複数に分割した電極)と1以上の円環電極(又は円環電極を複数に分割した電極)とに分けることが好ましい。例えば、RFゾーン電極として、セラミック基体と同心円状の円形電極と、その円形電極の外側にセラミック基体と同心円の1以上の円環電極を設けてもよい。あるいは、セラミック基体と同心円状の円形電極を半分に分けた一対の半円形電極と、その両半円形電極の外側にセラミック基体と同心円の1以上の円環電極を設けてもよい。あるいは、円環電極を複数に分割してもよい。
【0010】
本発明のウエハ支持台は、前記セラミック基体の前記ウエハ載置面とは反対側の面の中央領域に接合された中空のセラミックシャフトを備え、前記複数のRFゾーン電極用導体及び前記ヒータ電極用導体は前記セラミックシャフトの内部に配置され、前記複数のRFゾーン電極のうち前記セラミック基体に前記セラミックシャフトを投影した中央領域から外れた位置に設けられたものは、自身に対応する前記RFゾーン電極用導体とジャンパを介して接続され、前記ジャンパは、前記セラミック基体の内部であって前記RF電極が設けられた平面よりも前記ウエハ載置面から離れた平面上に設けられていてもよい。こうすれば、セラミック基体の中央領域から外れた位置のRFゾーン電極については、ジャンパを利用してそのRFゾーン電極に対応するRFゾーン電極用導体に配線することができる。この場合、前記複数のRFゾーン電極のうち2以上のRFゾーン電極が前記中央領域から外れた位置に設けられており、前記2以上のRFゾーン電極ごとに設けられる前記ジャンパは同一平面上に設けられていてもよい。こうすれば、各ジャンパを異なる深さに設けた場合に比べてセラミック基体の厚さが薄くなる。セラミック基体の厚さが薄くなると、その熱容量が小さくなるため、セラミック基体の温度調整ひいてはウエハの温度調整を迅速に行うことができる。また、前記ジャンパは、前記ヒータ電極と同一平面に前記ヒータ電極と非接触な状態で設けられていてもよい。こうすれば、セラミック基体の厚さを薄くすることができる。
【0011】
本発明のウエハ支持台において、前記ヒータ電極は、前記RFゾーン電極の数と同数又は異なる数の複数のヒータゾーン電極によって構成され、前記ヒータ電極用導体は、前記複数のヒータゾーン電極のそれぞれに独立して接続されるヒータゾーン電極用導体によって構成されていてもよい。こうすれば、ヒータゾーン電極ごとに異なる電力を供給することができるため、ゾーンごとの製膜性のバラツキをヒーター温度の調整で補償・調整できる。この場合、前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記RFゾーン電極同士の間のギャップには少なくとも1つの前記ヒータゾーン電極が配置されていてもよい。印加するRF電力を大きくした場合、ギャップ間隔を大きくとるとRFの干渉を抑制でき有利であるが、RF電極の存在しないギャップ部分でプラズマ密度が減少し面内のプラズマ密度が不均一になることがある。そこで、そのギャップ領域にヒータゾーン電極を配置することにより、プラズマ密度の不均一から生じる製膜性のバラツキを温度分布すなわちヒーター温度の調整で補償・調整することができ、有効である。あるいは、前記セラミック基体を前記ウエハ載置面から見たときに前記複数のRFゾーン電極と前記複数のヒータゾーン電極とが一致するように配置されていてもよい。こうすれば、各RFゾーン電極をそれに対応するヒータゾーン電極により個別に温度制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】プラズマ発生装置10の概略構成を示す斜視図。
図2図1のA−A断面図。
図3図1のB−B断面図。
図4】RF電極23、ジャンパ27及びヒータ電極30の配置を示す斜視図。
図5】RF電極123、ジャンパ127,128及びヒータ電極30の配置を示す斜視図。
図6】別例のRF電極23、ジャンパ27及びヒータ電極30の配置を示す斜視図。
図7】ヒータ電極130の斜視図。
図8】RF電極23及びヒータ電極130の配置を示す斜視図。
図9】RF電極23及びヒータ電極130の配置を示す斜視図。
図10】RF電極23の別例を示す平面図。
図11】RF電極23の別例を示す平面図。
図12】ジャンパ27の別例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1はプラズマ発生装置10の斜視図、図2図1のA−A断面図、図3図1のB−B断面図、図4はRF電極23、ジャンパ27及びヒータ電極30の配置を示す斜視図である。
【0014】
プラズマ発生装置10は、図1に示すように、ウエハ支持台20と、上部電極50とを備えている。
【0015】
ウエハ支持台20は、プラズマを利用してCVDやエッチングなどを行うウエハWを支持して加熱するために用いられるものであり、図示しない半導体プロセス用のチャンバの内部に取り付けられる。このウエハ支持台20は、セラミック基体22と、中空のセラミックシャフト29とを備えている。
【0016】
セラミック基体22は、図2に示すように、セラミック製(例えばアルミナ製とか窒化アルミニウム製)の円板状部材である。このセラミック基体22は、ウエハWを載置可能なウエハ載置面22aを備えている。セラミック基体22のウエハ載置面22aとは反対側の面(裏面)22bの中央には、セラミックシャフト29が接合されている。セラミック基体22には、図2図4に示すように、RF電極23とジャンパ27とヒータ電極30とが、それぞれ離間した状態で埋設されている。RF電極23とジャンパ27とヒータ電極30は、ウエハ載置面22aに近い方からこの順に埋設されている。
【0017】
RF電極23は、ウエハ載置面22aと平行(実質的に平行な場合を含む、以下同じ)に設けられている。RF電極23は、セラミック基体22の中心から所定半径(ここではセラミック基体22の半径の半分以上)の円21(図3参照)の内側のゾーンに設けられた第1RFゾーン電極24と、その円21の外側のゾーンに設けられた第2RFゾーン電極25とで構成されている。第1RFゾーン電極24は、セラミック基体22と同心円状の円形電極である。第2RFゾーン電極25は、第1RFゾーン電極24の外側に離間して設けられ、セラミック基体22と同心円状の円環電極である。第1RFゾーン電極24は、セラミック基体22にセラミックシャフト29を投影した円形の中央領域22c(図2及び図3の2点鎖線)に重複するように設けられているが、第2RFゾーン電極25は、中央領域22cから外れた位置に設けられている。第1及び第2RFゾーン電極24,25は、いずれも導電性のメッシュシートで構成されている。
【0018】
第1RFゾーン電極24は、図2に示すように、裏面中央に電極端子24aが接続されている。電極端子24aは、セラミック基体22の裏面22bから外部に露出するように設けられている。第1RFゾーン電極24は、電極端子24aを介して第1RFゾーン電極用導体34に接続されている。第1RFゾーン電極用導体34は、セラミックシャフト29の中空内部及び下部開口を経て第1交流電源44に接続されている。
【0019】
第2RFゾーン電極25は、図2に示すように、自身(第2RFゾーン電極25)に対応する第2RFゾーン電極用導体35とジャンパ27を介して接続されている。具体的には、第2RFゾーン電極25の裏面のうち直径方向からやや外れた2点に、円柱状の内部端子25a,25aの上端が接続されている。ジャンパ27は、ウエハ載置面22aと平行な導電性で帯状のメッシュシートであり、セラミック基体22の内部のうちRF電極23とヒータ電極30との間で電極端子24aや第1RFゾーン電極用導体34と干渉しないように配置されている。ジャンパ27は、裏面中央に電極端子27aが接続されている。電極端子27aは、セラミック基体22の裏面22bから外部に露出するように設けられている。ジャンパ27は、電極端子27aを介して第2RFゾーン電極用導体35に接続されている。第2RFゾーン電極用導体35は、セラミックシャフト29の中空内部及び下部開口を経て第2交流電源45に接続されている。
【0020】
ヒータ電極30は、ウエハ載置面22aと平行に設けられている。ヒータ電極30は、セラミック基体22の直径よりもわずかに小さい直径の円内で、その円の中心付近に配置された2つの電極端子30a,30bのうちの一方の電極端子30aからその円内のほぼ全面にわたって一筆書きの要領で他方の電極端子30bまでコイルを配線したものである。各電極端子30a,30bは、配線部材38,38(ヒータ電極用導体)を介して電源48に接続されている。
【0021】
RF電極23、ジャンパ27及びヒータ電極30の材質は、同じであっても異なっていてもよい。材質としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Mo、W、Nb、Mo化合物、W化合物又はNb化合物が挙げられる。このうち、セラミック基体22との熱膨張係数差の小さいものが好ましい。
【0022】
セラミックシャフト29は、セラミック基体22と同じセラミックからなる円筒状部材である。セラミックシャフト29の上部端面は、セラミック基体22の裏面22bに拡散接合やTCB(Thermalcompressionbonding)により接合されている。TCBとは、接合対象の2つの部材の間に金属接合材を挟み込み、金属接合材の固相線温度以下の温度に加熱した状態で2つの部材を加圧接合する公知の方法をいう。
【0023】
上部電極50は、図1に示すように、セラミック基体22のウエハ載置面22aと対向する上方位置(例えば図示しないチャンバの天井面)に固定されている。この上部電極50は、グランドに接続されている。
【0024】
次に、プラズマ発生装置10の使用例について説明する。図示しないチャンバ内にプラズマ発生装置10を配置し、ウエハ載置面22aにウエハWを載置する。そして、第1RFゾーン電極24に第1交流電源44から高周波電力を供給し、第2RFゾーン電極25に第2交流電源45から高周波電力を供給する。こうすることにより、上部電極50とセラミック基体22に埋設されたRF電極23とからなる平行平板電極間にプラズマが発生し、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。また、図示しない熱電対の検出信号に基づいてウエハWの温度を求め、その温度が設定温度(例えば350℃とか300℃)になるようにヒータ電極30へ印加する電圧を制御する。
【0025】
以上詳述したウエハ支持台20では、第1及び第2RFゾーン電極24,25にそれぞれ異なる高周波電力(例えば同じ周波数で異なるワット数の電力とか、異なる周波数で同じワット数の電力とか、異なる周波数で異なるワット数の電力など)を供給することができ、プラズマの密度分布を良好にコントロールすることができる。ここで、第1及び第2RFゾーン電極24,25は同一平面上に形成されている。そのため、ウエハ支持台20の上方に配置される上部電極50と各RFゾーン電極24,25との距離はすべて同じであり、ウエハ載置面22aと各RFゾーン電極24,25との間のセラミック基体22の厚さ(誘電体層の厚さ)もすべて同じである。そのため、プラズマの密度分布を良好になるように容易にコントロールすることができる。
【0026】
また、セラミック基体22の内周部分と外周部分とではプラズマの密度分布が異なることが多いため、上述したようにRF電極23を内周側の円形電極(第1RFゾーン電極24)と外周側の円環電極(第2RFゾーン電極25)とに分けることが好ましい。
【0027】
更に、セラミック基体22にセラミックシャフト29を投影した中央領域22cから外れた第2RFゾーン電極25については、ジャンパ27を利用してその第2RFゾーン電極25に対応するRFゾーン電極用導体35に配線することができる。
【0028】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0029】
例えば、上述した実施形態では、RF電極23を同一平面上の第1及び第2RFゾーン電極24,25で構成したが、RF電極を同一平面上の3つ以上のRFゾーン電極で構成してもよい。図5に、RF電極123を、同一平面上の第1〜第3RFゾーン電極124〜126で構成した例を示す。図5中、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。なお、図5では、ヒータ30の配線部材38,38や電源48は省略した。第1RFゾーン電極124は、セラミック基体22と同心円状の円形電極であり、第2及び第3RFゾーン電極125,126は、セラミック基体22と同心円の円環電極である。第1RFゾーン電極124は、セラミック基体22にセラミックシャフト29を投影した円形の中央領域22c(図2及び図3の2点鎖線)と重複するように設けられている。第1RFゾーン電極124は、裏面中央に接続された電極端子124aを介して第1RFゾーン電極用導体134に接続され、更に第1交流電源144に接続されている。第2及び第3RFゾーン電極125,126は、中央領域22cから外れた位置に設けられている。第2RFゾーン電極125は2つの内部端子125aを介してジャンパ127に接続され、ジャンパ127は電極端子127aを介して第2RFゾーン電極用導体135に接続され、更に第2交流電源145に接続されている。第3RFゾーン電極126は2つの内部端子126aを介してジャンパ128に接続され、ジャンパ128は電極端子128aを介して第3RFゾーン電極用導体136に接続され、更に第3交流電源146に接続されている。2つのジャンパ127,128は、同一平面上に設けられている。2つのジャンパ127,128が設けられた平面は、RF電極123が設けられた平面とヒータ電極30が設けられた平面との間に位置している。この図5の構成でも、上述した実施形態と同様の効果が得られる。特に、第1〜第3RFゾーン電極124〜126にそれぞれ異なる高周波電力を供給することができるため、プラズマの密度分布をより良好にコントロールすることができる。また、各ジャンパ127,128を同一平面上に設けたため、各ジャンパ127,128を異なる深さに設ける場合に比べてセラミック基体22の厚さが薄くなる。セラミック基体22の厚さが薄くなると、その熱容量が小さくなるため、セラミック基体22の温度調整ひいてはウエハの温度調整を迅速に行うことができる。
【0030】
上述した実施形態では、ジャンパ27とヒータ電極30とをセラミック基体22の異なる深さに設けたが、図6に示すように、ジャンパ27とヒータ電極30とをセラミック基体22内の同一平面上に設けてもよい。図6中、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。なお、図6では、ヒータ30の配線部材38,38や電源48は省略した。こうすれば、セラミック基体22の厚さを更に薄くすることができる。
【0031】
上述した実施形態において、ヒータ電極30の代わりに、RFゾーン電極の数と同数又は異なる数の複数のヒータゾーン電極によって構成されたヒータ電極を用いてもよい。例えば、図7のヒータ電極130は、セラミック基体22の中心から所定半径(例えばセラミック基体22の半径の半分以上)の円133の内側の円形ゾーンに設けられた第1ヒータゾーン電極131と、その円133の外側の円環ゾーンに設けられた第2ヒータゾーン電極132とで構成されている。第1ヒータゾーン電極131は、セラミック基体22の中心付近に配置された2つの電極端子131a,131bのうちの一方の電極端子131aからその円形ゾーンのほぼ全面にわたって一筆書きの要領で他方の電極端子131bまでコイルを配線したものである。各電極端子131a,131bは、配線部材を介して第1電源141に接続されている。第2ヒータゾーン電極132は、セラミック基体22の中心付近に配置された2つの電極端子132a,132bのうちの一方の電極端子132aからその円環ゾーンに延び出したあとその円環ゾーンのほぼ全面にわたって一筆書きの要領でコイルを配線し、他方の電極端子132bに戻したものである。各電極端子132a,132bは、配線部材を介して第2電源142に接続されている。こうすれば、第1及び第2ヒータゾーン電極131,132のそれぞれに異なる電力を供給することができるため、ゾーンごとの製膜性のバラツキをヒーター温度の調整で補償・調整できる。
【0032】
このように上述した実施形態でヒータ電極30の代わりにヒータ電極130を採用した場合において、図8に示すように、セラミック基体22をウエハ載置面22aから見たときに第1及び第2RFゾーン電極24,25同士の間のギャップGには第1及び第2ヒータゾーン電極131,132の一方(図8では第2ヒータゾーン電極132)が配置されていてもよい。印加するRF電力を大きくした場合、ギャップGの間隔を大きくとるとRFの干渉を抑制でき有利であるが、RF電極の存在しないギャップGの部分でプラズマ密度が減少し面内のプラズマ密度が不均一になることがある。そこで、そのギャップGの領域にヒータゾーン電極131,132の一方を配置することにより、プラズマ密度の不均一から生じる製膜性のバラツキを温度分布すなわちヒーター温度の調整で補償・調整することができ、有効である。
【0033】
あるいは、上述した実施形態でヒータ電極30の代わりにヒータ電極130を採用した場合において、図9に示すように、セラミック基体22をウエハ載置面Wから見たときに第1RFゾーン電極24が第1ヒータゾーン電極131と一致し、第2RFゾーン電極25が第2ヒータゾーン電極132と一致するように配置してもよい。こうすれば、各RFゾーン電極24,25をそれに対応するヒータゾーン電極131,132により個別に温度制御することができる。
【0034】
上述した実施形態では、RF電極23は円形電極の第1RFゾーン電極24と円環電極の第2RFゾーン電極25とで構成したたが、円環電極である第2RFゾーン電極25を複数に分割して各分割電極に個別に交流電源を接続してもよいし、円形電極である第1RFゾーン電極24を複数に分割して各分割電極に個別に交流電源を接続してもよい。こうすれば、プラズマの密度分布を更に良好になるように容易にコントロールすることができる。図10に、RF電極23を構成する第2RFゾーン電極25を3つの円弧状電極251〜253に分割した場合を例示する。図11に、RF電極23を構成する第2RFゾーン電極25を3つの円弧状電極251〜253に分割し、更に第1RFゾーン電極24を2つの半円形電極241,242に分割した場合を例示する。
【0035】
上述した実施形態では、第2RFゾーン電極25とジャンパ27とを接続する2つの内部端子25a,25aをセラミック基体22の直径からやや外れた位置に設けたが、セラミック基体22の直径上に設けてもよい。その場合、図12に示すように、ジャンパ27が電極端子24aと干渉しないようにジャンパ27を湾曲させればよい。
【0036】
上述した実施形態では、内部端子25a,25aを介して第2RFゾーン電極25とジャンパ27とを接続したが、1つの内部端子25aを介して第2RFゾーン電極25とジャンパ27とを接続してもよい。こうすれば、ジャンパ27の長さをセラミック基体22の半径と同程度の長さにする(短くする)ことができる。
【0037】
上述した実施形態では、第1及び第2RFゾーン電極24,25やジャンパ27は、いずれも導電性のメッシュシートで構成したが、特にメッシュシートに限定されるものではなく、例えば導電性の一様なシート(金属箔など)を用いてもよい。
【0038】
上述した実施形態において、RF電極23に電圧を印加することによりウエハWをウエハ載置面22aに吸引するようにしてもよい。また、セラミック基体22に更に静電電極を埋設し、その静電電極に電圧を印加することによりウエハWをウエハ載置面22aに吸引してもよい。
【0039】
上述した実施形態では、ウエハ支持台20の製造方法の一例を示したが、ウエハ支持台20の製造方法は特にこれに限定されるものではなく、他の公知の製造方法によってウエハ支持台20を製造してもよい。例えば特開2012−89694号公報に記載された製造方法に準じてウエハ支持台20を製造してもよい。
【0040】
本出願は、2017年3月6日に出願された米国仮出願第62/467430号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ウエハをプラズマ処理する際に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 プラズマ発生装置、20 ウエハ支持台、21 円、22 セラミック基体、22a ウエハ載置面、22b 裏面、22c 中央領域、23 RF電極、24 第1RFゾーン電極、24a 電極端子、25 第2RFゾーン電極、25a 内部端子、27 ジャンパ、27a 電極端子、29 セラミックシャフト、30 ヒータ電極、30a,30b 電極端子、34 第1RFゾーン電極用導体、35 第2RFゾーン電極用導体、38 配線部材、44 第1交流電源、45 第2交流電源、48 電源、50 上部電極、123 RF電極、124 第1RFゾーン電極、124a 電極端子、125 第2RFゾーン電極、125a 内部端子、126 第3RFゾーン電極、126a 内部端子、127,128 ジャンパ、127a,128a 電極端子、130 ヒータ電極、131 第1ヒータゾーン電極、131a,131b 電極端子、132 第2ヒータゾーン電極、132a,132b 電極端子、133 円、134 第1RFゾーン電極用導体、135 第2RFゾーン電極用導体、136 第3RFゾーン電極用導体、141 第1電源、142 第2電源、144 第1交流電源、145 第2交流電源、146 第3交流電源、241,242 半円形電極、251〜253 円弧状電極。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12