特許第6754906号(P6754906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6754906歯付きベルトおよびスプロケットのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754906
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】歯付きベルトおよびスプロケットのシステム
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/02 20060101AFI20200907BHJP
   F16G 1/28 20060101ALI20200907BHJP
   F16H 55/38 20060101ALI20200907BHJP
   F16H 55/30 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   F16H7/02 A
   F16G1/28 C
   F16G1/28 E
   F16H55/38 A
   F16H55/30 Z
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-548326(P2019-548326)
(86)(22)【出願日】2018年3月1日
(65)【公表番号】特表2020-509318(P2020-509318A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】US2018020444
(87)【国際公開番号】WO2018164939
(87)【国際公開日】20180913
【審査請求日】2019年9月4日
(31)【優先権主張番号】15/452,453
(32)【優先日】2017年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ピース,ジェニファ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,レスリー
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−520071(JP,A)
【文献】 特表2011−506875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/00
F16G 1/28
F16H 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトおよびスプロケットのシステムであって、
ベルト本体内に配置された張力コードと、
前記ベルト本体から突出する少なくとも2つの歯とを備え、
前記ベルトが、前記ベルトにおいて少なくとも2つの歯の間で計測されるピッチ長さを有し、
前記少なくとも2つの歯の1つが、第1直線セグメントと第2直線セグメントの間に位置する、第1半径と第2半径と第3半径を備える歯先と外形を有し、
前記スプロケットが、前記少なくとも2つの歯の1つを受容する溝を有し、前記溝の外形は、第1の半径と第2の半径と第3の半径と第4の半径とを有し、各半径は他の半径に連続的に接続するとともに、他の半径の長さとは異なり、
前記歯が、歯高の90%において少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、歯高の90%におけるピッチ長さの約35%である幅を有し、
歯先と溝の間に容積を備える
ベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項2】
前記歯高が前記ピッチ長さの40%を越えない、請求項1に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項3】
少なくとも2つの歯の1つが、少なくとも11°の基部において歯の角度を有する、請求項1に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項4】
前記溝が歯高よりも大きい深さを有する、請求項1に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項5】
前記溝が前記歯先において100°と120°の間の接触角を有する、請求項1に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項6】
前記溝の角度が基部における前記歯の角度の2°以内である、請求項1に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項7】
前記歯が、歯高の90%において前記少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、15%から20%の範囲で、歯高の90%における溝の幅よりも大きい幅を有する、請求項1に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項8】
ベルトおよびスプロケットのシステムであって、
ベルト本体内に配置された張力コードと、
前記ベルト本体から突出する少なくとも2つの歯とを備え、
前記ベルトは、前記ベルトにおいて前記少なくとも2つの歯の間で計測されるピッチ長さを有し、
前記少なくとも2つの歯の1つは、第1直線セグメントと第2直線セグメントの間に位置する、第1半径と第2半径と第3半径を有する歯先と外形を有し、
前記スプロケットは、前記少なくとも2つの歯の1つを受容する溝を有し、前記溝の外形は、第1の半径と第2の半径と第3の半径と第4の半径とを有し、各半径は他の半径に連続的に接続するとともに、他の半径の長さとは異なり、
前記歯は、歯高の90%において少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、15%から20%の範囲において、歯高の90%における溝幅より大きい幅を有し、
前記歯先と前記溝の間に貯留部とを備える
ベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項9】
前記歯高が前記ピッチ長さの40%を越えない、請求項8に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項10】
少なくとも2つの歯の1つが、少なくとも11°の基部において歯の角度を有する、請求項8に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項11】
前記溝が歯高よりも大きい深さを有する、請求項8に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項12】
前記溝が前記歯先において100°と120°の間の接触角を有する、請求項8に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項13】
前記溝の角度が基部における前記歯の角度の2°以内である、請求項8に記載のベルトおよびスプロケットのシステム。
【請求項14】
ベルトであって、
ベルト本体内に配置された張力コードと、
前記ベルト本体から突出する少なくとも2つの歯とを備え、
前記ベルトは、前記ベルトにおいて少なくとも2つの歯の間で計測されるピッチ長さを有し、
前記少なくとも2つの歯の1つは、第1直線セグメントと第2直線セグメントの間に位置する、第1半径と第2半径と第3半径を有する歯先と外形を有し、
前記歯は、歯高の90%において少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、歯高の90%におけるピッチ長さの約35%である幅を有する
ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略的に、ランドの圧力が減少するようにスプロケット溝の所定の部分に係合する歯側部を有する歯付きベルトおよびスプロケットのシステムに関し、特に、歯とスプロケット溝の間に貯留部を形成する切頭形状の歯先を有し、歯が、ランド圧力を低減するようにして干渉嵌合によって支持されるように、前記スプロケット溝の所定部分に係合するベルトに関する。
【0002】
従来技術のベルトおよびスプロケットのシステムは、ベルトの歯先とプーリ溝の底部との間にクリアランスを有する成型された溝形状を基礎とする。架橋の後、ベルトの歯先とプーリ溝の底部との間のクリアランスを増加させる、ベルトの歯高の収縮がある。このクリアランスは、ラック形状のベルト歯がスプロケット溝に噛み合うときに、ベルトのピッチラインがプーリ溝をわたる弦になることを生じさせる。この弦作用はベルトのランド部において過度の摩耗を引き起こす。ベルト内の力はプーリによって支持されなければならない。この支持は、歯先と溝底部の間と、歯側部とプーリ側部と、ベルト歯の間のベルトランドに発達し、分布する圧力から成る。ベルトランドに分布するこの支持部分はベルトのランド部の過度の摩耗を起こすのに十分なほど大きい。
【0003】
さらに、ベルトピッチは弦作用により、駆動および被駆動スプロケット歯によって繰り返し増減するので、被駆動スプロケットの角速度は交互に増減する。このコギング動作はシステムにおける振動として感じられる。
【従来技術】
【0004】
歯付きベルトとプーリ形状の多くの設計が従来技術において提案されてきた。従来技術の代表は米国特許公開公報2009/156341であり、これは、ベルト本体内に配置された張力コードと、ベルト本体から突出する歯とを備え、歯は、連続的に接続され、歯先と歯基部の間に配置された、少なくとも2つの不均等な輪郭を有し、歯を受容する溝を有するスプロケットを備え、溝は、少なくとも2つの不均等な半径の間に配置された少なくとも1つの実質的に直線を有し、張力コードが歯基部の間に実質的に円弧形状を有するようにして、張力コードが支持されるようにスプロケット溝の所定部分に係合する歯先を備えた、ベルトおよびスプロケットのシステムを開示する。
【0005】
必要とされるものは、歯とスプロケット溝の間に貯留部を形成し、歯がランドの圧力を減少させるようにして干渉嵌合によって支持されるように、スプロケット溝の所定部分に係合する、切頭歯先を有するベルトである。本発明はこの必要性に合致する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ベルト/スプロケットシステムを備え、特に、歯とスプロケット溝の間に貯留部を形成し、歯がランドの圧力を減少させるようにして干渉嵌合によって支持されるように、スプロケット溝の所定部分に係合する、切頭歯先を有するベルトを備えるシステムおよび方法に向けられる。
【0007】
本発明は、ベルト本体内に配置された張力コードと、ベルト本体から突出する少なくとも2つの歯とを備え、ベルトが、ベルトにおいて少なくとも2つの歯の間で計測されるピッチ長さを有し、少なくとも2つの歯の1つが、第1直線セグメントと第2直線セグメントの間に位置する、第1半径と第2半径と第3半径を備える歯先と外形を有し、スプロケットが、少なくとも2つの歯の1つを受容する溝を有し、溝の外形は、第1の半径と第2の半径と第3の半径と第4の半径とを有し、各半径は他の半径に連続的に接続するとともに、他の半径の長さとは異なり、歯が、歯高の90%において少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、歯高の90%におけるピッチ長さの約35%である幅を有し、歯先と溝の間に容積を備える、ベルトおよびスプロケットのシステムである。
【0008】
以上は、後述する本発明の詳細は記述をよく理解するために、本発明の特徴と技術的利点を広く説明したものである。本発明の付加的な特徴と利点は以下に記載され、これは、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する。開示される概念と特定の実施形態は、本発明の目的を達成するために他の構造を設計したり修正するための基礎として容易に使用されるかもしれないことが当業者により理解されるべきである。また、そのような均等な構造が添付された特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しないことが当業者によって理解されるべきである。本発明の特徴であると思われる新しい特徴は、構成および作動方法として、さらなる目的および利点とともに、添付される図面とともに検討されるとき、後述する記載からよりよく理解される。しかし、各図面は図示と記載のためだけであり、本発明の限定の定義として意図されないことは、明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
この明細書に組み込まれその一部を構成し、同一数字が同一部分を示す添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。図において、
【0010】
図1】弦効果を示す、従来技術のベルトとスプロケットの外形図である。
【0011】
図2】歯先における支持を示す、他の従来技術のベルトとスプロケットの外形図である。
【0012】
図3】歯先とプーリ溝の間に平らな歯と自由容積を示す、他の従来技術のベルトとスプロケットの外形図である。
【0013】
図4】本発明の歯の外形の側面図である。
【0014】
図4A.4B】数値の例の表である。
【0015】
図5】本発明のベルト溝の外形の側面図である。
【0016】
図5A.5B】数値の例の表である。
【0017】
図6】本発明の溝の外形に本発明のベルト歯の外形を重ね合わせた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は弦効果を示す従来技術のベルトおよびスプロケットの外形図である。従来技術の歯付きベルトシステムはピッチライン(C)を有するベルトを備える。ピッチラインは一般的に、ベルト本体内に位置する張力コードTに一致するが、常にそうであるとは限らない。張力コードは、ベルト駆動システムにおけるベルトの動作の間、ベルト負荷を受ける。図1はベルトおよびスプロケットの側面図である。従来技術において、「歯」はベルトの幅にわたって配設され、典型的には、張力コードすなわちベルトの長手方向に垂直に整列される。
【0019】
歯付きベルトは一般的に、溝(D)を有するスプロケット(S)に係合する。ベルト歯(E)はスプロケットの溝(D)に係合する。図1は、従来技術の設計による、ベルト歯に係合するスプロケットの一部を示す。典型的には、多くの歯がスプロケットに係合する。ベルトは、部分(A)および(B)を含むスプロケットの外面に負荷をかける。スプロケットは一般的に、歯付きベルトによって駆動される機械的装置に係合する。スプロケットの各溝はスプロケットの回転軸に平行である。
【0020】
作動中、ピッチラインのAとBの間の「スパン」はピッチライン(C)を生じさせ、これにより張力コードTはAとBの間において実質的に直線になる。これは、製造時に、歯の収縮があり、あるいはクライランスが必要となるからである。これは、溝底Gと歯先Hの間におけるギャップあるいは無負荷状態を発生させることとなる。これは延いては、ラック形状のベルト歯がスプロケット溝に噛み合うように、ベルトのピッチラインがプーリ溝の部分(AおよびB)にわたって弦(直線)になることを引き起こす。実際には、ピッチラインは「折れ」、すなわち屈曲点IP1およびIP2において曲がる。点AおよびBはスプロケットが歯基すなわちランドに係合する部分のあたりである。
【0021】
したがって、作動時、ベルトピッチラインがスプロケット歯によって上下動するので、スプロケットの角速度が交互に加減速する。これは、ベルト駆動システムに好ましくない振動を引き起こし、またエンジンのタイミングにも同様に影響する。これは、ベルト歯間のベルトランドにおける早期摩耗とベルト損傷を導き得る。プーリによる屈曲力の伝達によって、内部のベルト力が解放され、または増加したとき、ベルトは、ベルトとランドの間の相対速度と圧力の組み合わせによって摩耗する。
【0022】
図2は、従来技術のベルトとスプロケットの外形図であり、溝の底に達して、コードラインを円弧形状に押し上げやすい歯を示している。歯と溝の僅かな大きさの違いにより、歯の側部と溝の間に形成された2つのギャップ(α1)および(α2)が存在する。歯先は、油中駆動システムに閉じ込められた油を保持する空間を残すことなく、溝の底部に接触する。溝内における歯先に、キャプチャゾーンが存在し、そこでは歯が溝内に「捕獲」される。これは、作動時に、張力コードTの覆っている部分を実質的に円弧形状に支持するように、溝の底部において歯先が負荷を受けて圧縮することを意味する。部分30を参照のこと。しかし、歯全体は完全には圧縮されず、代わりに、それは溝底部と点P5の近傍の間の溝を占める歯の部分だけである。これはまた、中心線CLの各側における半径部分R1に対応する。
【0023】
本発明のベルトは、スプロケットによるベルトの支持の3つの領域、すなわち溝の底部と、溝の側部と、ベルトランドとを提供する。従来技術のベルトは、ベルトランドによりもたらされる過大な支持に頼っているのに対し、本発明のベルトとスプロケットは、この支持のほとんどを歯の側部とベルトの溝に変更し、ランドの圧力を減少させる。このウェッジ形状は、溝内において下方に空間を許容しつつ、歯を支持する。いくつかの支持は、減少するが、ベルトランドに残る。
【0024】
動作時にベルトおよび歯が十分に係合するとき、歯の素材は圧縮されて拡大し、ギャップ(α1)および(α2)を実質的に占める。これは同時に、張力コード部分30が素材によってゾーンに支持されることを引き起こす。この支持の結果、張力コードTは基部50、51の間において半径RTを有する実質的に円弧形状をとる。図3参照。これは動作時にベルトの振動を著しく減少させることになるかもしれないが、歯先においてウェットシステムのオイルを収容するための空間はない。オイルのような、ほとんど非圧縮の流体は、それ自体のスペースを生成し、歯の側部とランドに沿って捕獲され、歯と溝の間の圧力を増大させる。
【0025】
図3は、切り取られることにより、溝内において底部に達するのではなくギャップζを形成した歯先を示す、従来技術のベルトとスプロケットの外形図である。歯は底部支持ゾーンによって部分的に支持される。ギャップζは、ウェットシステムにおいて捕獲された油を収容するが、このような貯留部を有するベルトが、歯(50、51)の間において、ベルトの外形のランド部分におけるほとんどの負荷を受けて、典型的な損傷モードのようなランドの摩耗をしばしば導くことがわかっている。この場合、プーリ溝は、ランドにおいて必要な支持を増加させ、ベルトを支持するためにランドにおいて必要な圧力を増加させるベルトに対して、少しも支持しない。側部における摩擦的支持が減少した場合、ランドの圧力はさらに増加する。
【0026】
図4は本発明の歯の外形の側面図であり、図5は本発明のスプロケット溝の外形の側面図である。本発明のシステムは歯付きベルトとスプロケットを備える。図6は本発明の歯とスプロケットの外形とを重ねたものである。
【0027】
本発明の歯の外形は、ノンロックウェッジ状態の歯を支持することにより、ランドの圧力を減少させる。溝は、ランドにおいて必要とされる支持力の大きさを減少させてランドの圧力を増加させる、ベルトを支持している。本発明はまた、歯先の近くの歯を広げることにより、ベルト歯の剛性を増加させる。歯を短くすることは噛み合いを容易にする。
【0028】
本発明の歯と溝は、その位置へ移るかもしれないオイルまたは他の流体を溜めるため、歯先と溝の間のギャップζ(図6)を提供する。例えば作動中、オイルはプーリの側部とランドの周囲に捕獲され得るが、これは圧力を増加させ、ランドの摩耗状態を悪化させる。空洞はこのオイルを除去する手段となる。
【0029】
本発明の外形は非類似形状の歯と溝を提供する。歯と溝の形状は歯の基部において類似しているが、溝底部において広がり、歯先において歯を支持する。本発明の歯先は溝底部において溝よりも厚い。歯先の幅は、歯高の90%に位置するピッチ長さの約35%である。これは、歯先の適切な圧縮と溝内における歯の「ウェッジ」支持をもたらす。本発明の歯も従来技術と比較して短い。全歯高はピッチ長さAの約40%にすぎない。短い歯により、歯先の幅にかかわらず、適切な噛み合いを得ることができる。
【0030】
例えば、ピッチが11mmであれば、歯高の90%における歯先の幅は0.35×11mm=3.85mmである。全歯高は0.4×11=4.4mmである。
【0031】
基部における歯の角度αは少なくとも11°である。これは、噛み合いの問題を起こし、システムの騒音を増加させる、歯が「直立」しすぎることを防止する。
【0032】
協働するスプロケット溝は、歯高の90%における歯幅の83%と87%の間の幅を有する。図6参照。換言すれば、歯高の90%において、歯溝は歯幅よりも15%から20%短い。したがって大きめの歯先は作動時に、歯を支持する溝に対して、干渉嵌合を生じる。溝は、歯先の側部によって歯を支持するために、歯高71よりも大きい最大深さ81を有する。これは、歯先において、流体を集める貯留部ζを形成する。深さ81は(0,0,0)からGP8までの計測値である。歯高71は(0,0,0)からTP7までの計測値である。
【0033】
スプロケットは歯先において100°と120°の間の角度βを有する。この角度により、歯を支持するノンロックウェッジ効果が得られる。角度βは、歯先が溝(31、41)に接触する2つの交点の間に位置する。図6参照。角度の先端における深さDはピッチ長さの39%から44%の間である。基部における溝の角度は歯の角度の2°以内である。角度の類似性により、歯側部の適切な支持が得られ、これは延いては歯側部における応力を解消する。スプロケット歯とODの間のフィレット半径はピッチ長さの0.081と0.086の間である。これもまた、耐久性を増加させるために、歯側部における適切な支持を確実にする。
【0034】
ベルト歯の例は、図4Aおよび4Bに示されるような数値である。図4Aおよび4Bにおける値は一例として示されているだけであり、本発明の幅を限定することを意図していない。原点(0,0,0)はベルトIDの上に位置する。
【0035】
各歯は、中心線CLを挟んで、相互に合体した2つの半割れ部材10、20を有する。各半割れ部材は、相互に連続的に接続した4つの半径TR1、TR2、TR3、TR4を有する。実質的に直線である線分TS1は点TP2とTP3の間、TR1とTR2の間に位置する。この明細書に記載された各半径は円の一部であり、各半径は実質的に一定であることを意味する。代替的な実施形態において、各半径TR1かTR2かTR3かTR4は、作動条件によって要求されるかもしれないが、dR/dXの関数として変化してもよい。
【0036】
歯の各半割れ部材の各半径TR4は直線的な線分TS2によって接続される。
【0037】
本発明のベルト本体は、従来の、および/または適当な加硫された、あるいは熱可塑性エラストマ合成物であってもよい。この目的のために使用される適当なエラストマは、例えばポリウレタンエラストマ(ポリウレタン/尿素エラストマも含む)(PU)、ポリクロロプレン・ゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)、水素添加NBR(HNBR)、スチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)、エピクロロヒドリン、ポリブタジエン・ゴム(BR)、天然ゴム(NR)、およびエチレン・プロピレン・コポリマー(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー(EPDM)、エチレン・オクテン・コポリマー(EOM)、エチレン・ブテン・コポリマー(EBM)、エチレン・オクテン・ターポリマー(EODM)等のエチレン・アルファ・オレフィン・エラストマ、およびシリコン・ゴム、あるいはこれらの2以上の組み合わせを含む。
【0038】
張力コード60は、ポリエステル、カーボンファイバ、金属ワイヤ、ナイロン、アラミド、ガラス、または、撚る、または編む等の適当な、および/または従来の構成において、これらの2以上の任意の組み合わせであってもよく、また概略的に、撚る、または編む等の適当な、および/または従来の構成である1または複数のストランドであってもよく、また概略的に、1または複数のヤーンであってもよい。「ヤーン」はヤーンの製造者から得られる形態のフィラメントまたはファイバの束を指し、捩じられたヤーンと捩じられないヤーンとを含む。「ストランド」は、コードを形成する中間工程として、捩じられ、撚られ、または編まれたヤーンを指す。ベルトは、歯側または背面または両面に表面層を有し、これは、コーティング、帆布、ポリマーフィルム、またはこれらの組み合わせであり、好ましい耐摩耗性と、意図されたアプリケーションのための適切な環境抵抗をもたらす。
【0039】
図5は本発明のスプロケット溝の側面図である。溝の外形は半径GR1、GR2、GR3、GR4、GR5およびGR6を有し、各半径は点GP2、GP3、GP4、GP5、GP6、GP7、およびGP8の間で連続的に接続される。参考のため、点GP8は中心線CL上に位置する。点GP1は歯基部50、51に位置する。図4の歯の外形の場合のように、溝の外形には直線的な線分はない。点GP1、GP2、GP3、およびGP4の直行座標の数値の例が図5aおよび5bに示される。
【0040】
スプロケットの例は図5Aに示されるような数値である。図5A図5Bにおける値は一例として示されているだけであり、本発明の幅を限定することを意図していない。全ての数値に対する基準は、図4図5においてそれぞれ、(0,0,0)における原点に関している。貯留部ζの上部の概略的な位置は座標0,0,0から距離xのところである。
【0041】
図6は本発明のベルト歯とスプロケットの係合の側面図である。この実施形態では、歯が溝に係合する貯留部ζがある。これは、歯の素材が僅かに拡大し、空気またはオイルまたは他の流体の貯留部として作用する自由容積となる。しかし、歯は30と40において溝を押圧する。これは、30と40においてこの位置における歯の厚さが溝の幅よりも15%から20%大きいからであり、30と40において干渉嵌合を生じる。30と40の間の幅100における歯先の表面の部分は、分布荷重がかかる単純支持梁に近い。
【0042】
幅100はシステムの作動状態に応じて調整されてもよい。この実施形態において、面部分100は実質的に平面である。ベルトは、ベルト本体内に配置された張力コードと、ベルト本体から突出する少なくとも2つの歯とを備え、ベルトは、ベルトにおいて少なくとも2つの歯の間で計測されるピッチ長さを有し、少なくとも2つの歯の1つは、第1直線セグメントと第2直線セグメントの間に位置する、第1半径と第2半径と第3半径を有する歯先と外形を有し、歯は、歯高の90%において少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、歯高の90%におけるピッチ長さの約35%である幅を有する。
【0043】
ベルトおよびスプロケットのシステムは、ベルト本体内に配置された張力コードと、ベルト本体から突出する少なくとも2つの歯とを備え、ベルトは、ベルトにおいて少なくとも2つの歯の間で計測されるピッチ長さを有し、少なくとも2つの歯の1つは、第1直線セグメントと第2直線セグメントの間に位置する、第1半径と第2半径と第3半径を有する歯先と外形を有し、スプロケットは、少なくとも2つの歯の1つを受容する溝を有し、溝の外形は、第1の半径と第2の半径と第3の半径と第4の半径とを有し、各半径は他の半径に連続的に接続するとともに、他の半径の長さとは異なり、歯は、歯高の90%において少なくとも2つの歯の1つと溝の間において干渉嵌合となるように、歯高の90%におけるピッチ長さの約35%である幅を有し、歯先と溝の間に容積を有する。
【0044】
本発明とその利点がここに記載されたが、添付された特許請求の範囲により定義された発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更、置換、変更が可能である。さらに、本出願の範囲は、明細書に記載されたプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法および工程の実施形態に限定されることを意図していない。当業者は本発明の開示から容易に理解するので、ここに記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を発揮し、または実質的に同じ結果を達成するプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法またはシステムが本発明に従って利用される。したがって、添付された特許請求の範囲は、このようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法または工程の範囲内にあることを意図する。ここに開示された本発明は、明確に開示されない要素がなくても適切に実現されるかもしれない。
図1
図2
図3
図4
図4a
図4b
図5
図5a
図5b
図6