(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固体アルカリ形燃料電池が高効率運転中である場合、前記残燃料供給手段は、前記燃料供給手段から排出される残燃料の40vol%以上を前記酸化剤供給手段に供給する、
請求項3に記載の固体アルカリ形燃料電池システム。
前記固体アルカリ形燃料電池が高効率運転中である場合、前記残燃料供給手段は、前記燃料供給手段から排出される残燃料の80vol%以上を前記酸化剤供給手段に供給する、
請求項3に記載の固体アルカリ形燃料電池システム。
前記固体アルカリ形燃料電池が低負荷運転中である場合、前記残燃料供給手段は、前記燃料供給手段から排出される残燃料の50vol%以上を前記酸化剤供給手段に供給する、
請求項3に記載の固体アルカリ形燃料電池システム。
前記固体アルカリ形燃料電池が低負荷運転中である場合、前記残燃料供給手段は、前記燃料供給手段から排出される残燃料の60vol%以上80vol%以下を前記酸化剤供給手段に供給する、
請求項3に記載の固体アルカリ形燃料電池システム。
前記燃料供給手段のうち前記残燃料供給手段との分岐点より下流側に配置され、前記燃料供給手段の外部に排出される残燃料の排圧を調整するための排圧調整機構を備える、
請求項1乃至8のいずれかに記載の固体アルカリ形燃料電池システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(固体アルカリ形燃料電池システム1)
図1は、固体アルカリ形燃料電池システム1の構成を模式的に示す断面図である。固体アルカリ形燃料電池システム1は、固体アルカリ形燃料電池10、酸化剤供給手段13、燃料供給手段15、残燃料供給手段17、排圧調整弁18(排圧調整機構の一例)及び逆流防止弁19を備える。
【0013】
固体アルカリ形燃料電池10は、比較的低温で作動するアルカリ形燃料電池(AFC)の一種である。本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10の作動温度は、50℃〜250℃である。固体アルカリ形燃料電池10は、例えばメタノールによって作動し、以下のような電気化学反応によって発電する。
【0014】
・カソード12: 3/2O
2+3H
2O+6e
−→6OH
−
・アノード14: CH
3OH+6OH
−→6e
−+CO
2+5H
2O
・全体 : CH
3OH+3/2O
2→CO
2+2H
2O
【0015】
固体アルカリ形燃料電池10は、カソード12、アノード14及び無機固体電解質体16を備える。
【0016】
1.カソード12
カソード12は、一般的に空気極と呼ばれる正極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、カソード12には、酸化剤供給手段13を介して、酸素(O
2)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いることができる。
【0017】
ここで、本実施形態に係る残燃料供給手段17は、燃料供給手段15から排出される残燃料の少なくとも一部を酸化剤供給手段13に導くよう構成されている。
【0018】
上述した電気化学反応式で示されるように、アノード14では電気化学反応によって水(H
2O)が生成されるため、燃料供給手段15から排出される残燃料には水が含まれている。そのため、残燃料供給手段17及び酸化剤供給手段13を介してカソード12に供給される残燃料に含まれる水は、上述したカソード12における電気化学反応に利用される。
【0019】
また、燃料供給手段15からアノード14に供給された燃料の一部が、アノード14における電気化学反応に利用されずに残る場合がある。この場合、残燃料には、燃料自体が含まれる。そのため、カソード12では、残燃料に含まれる燃料が酸化剤に含まれる酸素と反応することによって、水(H
2O)と二酸化炭素(CO
2)とが生成される。例えば、燃料としてメタノールを用いる場合には、カソード12において以下の反応が起こる。
【0020】
・カソード12: CH
3OH+3/2O
2→CO
2+2H
2O
【0021】
このように残燃料に含まれる燃料から生成される水は、上述したカソード12における電気化学反応に利用される。
【0022】
カソード12における電気化学反応に必要とされる水の全量が、残燃料に含まれる水と、残燃料に含まれる燃料から生成される水とによって賄われる場合、カソード12に供給される酸化剤は、実質的に水を含んでいなくてもよい。この場合、酸化剤に水を含有させるための設備(例えば、酸素と水との混合装置、水タンクなど)を設ける必要がなく、また、酸素に水を混合させるためのエネルギー消費もない。
【0023】
一方、カソード12における電気化学反応に必要とされる水の一部のみが、残燃料に含まれる水と、残燃料に含まれる燃料から生成される水とによって賄われる場合、カソード12に供給される酸化剤は、水を含んでいることが好ましい。この場合、酸化剤に水を含有させるための設備を設ける必要はあるが、水の量を少なくできるため、設備の小型化を図ることができるとともに、酸素に水を混合させるためのエネルギー消費を低減させることができる。なお、酸素と水を含む酸化剤としては、加湿空気が好適である。
【0024】
本明細書において、「水(H
2O)」は、気体状態の水蒸気、液体状態の水分、及び、水蒸気と水分との気液混合物のいずれであってもよい。同様に、本明細書において、「燃料」は、気体状態の蒸気燃料、液体状態の液体燃料、及び、蒸気燃料と液体燃料との気液混合物のいずれであってもよい。
【0025】
カソード12は、アルカリ形燃料電池に使用される公知のカソード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード12における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10mg/cm
2、より好ましくは、0.1〜5mg/cm
2である。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード12ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
【0026】
カソード12の作製方法は特に限定されないが、例えば、カソード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を無機固体電解質体16の一方の面に塗布することにより形成すればよい。
【0027】
2.酸化剤供給手段13
酸化剤供給手段13は、酸化剤供給路13a、本体13b及び酸化剤排出路13cを有する。
【0028】
酸化剤供給路13aは、本体13bに接続される。酸化剤供給路13aは、酸化剤を本体13bに供給する。酸化剤供給路13aには、後述する残燃料供給手段17が接続されている。従って、酸化剤供給路13aは、残燃料供給手段17から供給される残燃料を酸化剤とともに本体13bに供給する。ただし、残燃料供給手段17は、本体13bに直接接続されていてもよいし、酸化剤供給路13a及び本体13bそれぞれに接続されていてもよい。
【0029】
本体13bには、カソード12が配置されている。カソード12には、酸化剤供給路13aから酸化剤とともに残燃料が供給される。
【0030】
酸化剤排出路13cは、本体13bに接続される。酸化剤排出路13cは、カソード12を通過した後の残酸化剤を、本体13bの内部から外部に排出する。残酸化剤には、酸素、水、燃料、二酸化炭素の少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0031】
3.アノード14
アノード14は、一般的に燃料極と呼ばれる負極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、アノード14には、燃料供給手段15を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。
【0032】
水素原子を含む燃料は、アノード14において水酸化物イオン(OH
−)と反応可能なものであればよい。この燃料は、カソード12において酸素と反応して水を生成可能なものであることが好ましい。
【0033】
このような燃料は、液体燃料及び気体燃料のいずれの形態であってもよい。液体燃料は、燃料化合物そのものが液体であってもよいし、固体の燃料化合物を水やアルコール等の液体に溶解させたものであってもよい。
【0034】
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NH
2NH
2)、水加ヒドラジン(NH
2NH
2・H
2O)、炭酸ヒドラジン((NH
2NH
2)
2CO
2)、硫酸ヒドラジン(NH
2NH
2・H
2SO
4)、モノメチルヒドラジン(CH
3NHNH
2)、ジメチルヒドラジン((CH
3)
2NNH
2、CH
3NHNHCH
3)、及びカルボンヒドラジド((NHNH
2)
2CO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NH
2CONH
2)、(iii)アンモニア(NH
3)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NH
2OH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NH
2OH・H
2SO
4)等のヒドロキシルアミン類、ギ酸(HCOOH)、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0035】
上記燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため耐久性の向上を図ることができるだけでなく、二酸化炭素の排出を無くすこともできる。
【0036】
上記燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジン、ギ酸は液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば1〜90重量%であり、好ましくは30〜90重量%である。
【0037】
さらに、メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
【0038】
アノード14は、アルカリ形燃料電池に使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、このような有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード14ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、銀担持カーボン(Ag/C)、及び白金ルテニウム担持カーボン(Pt−Ru/C)のように合金化した触媒が挙げられる。
【0039】
アノード14の作製方法は特に限定されないが、例えば、アノード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を無機固体電解質体16のカソード12と反対側の面に塗布することにより形成すればよい。
【0040】
4.燃料供給手段15
燃料供給手段15は、燃料供給路15a、本体15b及び燃料排出路15cを有する。
【0041】
燃料供給路15aは、本体15bに接続される。燃料供給路15aは、燃料を本体15bに供給する。
【0042】
本体15bには、アノード14が配置されている。
【0043】
燃料排出路15cは、本体15bに接続される。燃料排出路15cは、アノード14を通過した後の残燃料を、本体15bの内部から外部に排出する。残燃料には、水が含まれている。残燃料には、燃料が含まれていてもよい。燃料排出路15cには、後述する残燃料供給手段17が接続されている。従って、燃料排出路15cから排出される残燃料の少なくとも一部は、残燃料供給手段17を介して酸化剤供給手段13(酸化剤供給路13a)に供給される。ただし、残燃料供給手段17は、本体15bに直接接続されていてもよい。
【0044】
燃料排出路15cには、残燃料供給手段17との分岐点より下流側に排圧調整弁18が配置されている。排圧調整弁18は、燃料排出路15cの外部に排出される残燃料の排圧を調整する。これによって、本体15bから排出される残燃料のうち残燃料供給手段17へ流入する残燃料の割合を簡便に調整することができる。
【0045】
5.無機固体電解質体16
無機固体電解質体16は、カソード12とアノード14との間に配置される。無機固体電解質体16は、カソード側表面16Sとアソード側表面16Tとを有する。カソード側表面16Sは、無機固体電解質体16の外表面のうちカソード12が配置される空間に露出する領域であり、カソード12と対向する。アソード側表面16Tは、無機固体電解質体16の外表面のうちアノード14が配置される空間に露出する領域であり、アノード14と対向する。
【0046】
無機固体電解質体16は、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスである。無機固体電解質体16の水酸化物イオン伝導度は、高ければ高いほど好ましいが、典型的には10
−4〜10
−1S/mである。
【0047】
無機固体電解質体16は、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide、以下「LDH」という。)によって構成することができる。この場合、無機固体電解質体16は、AEM(アニオン交換膜)のような有機系材料を電解質として用いる場合に比べて優れた耐熱性及び耐久性を発揮する。
【0048】
LDHは、一般式:[M
2+1−xM
3+x(OH)
2][A
n−x/n・mH
2O](式中、M
2+は2価の陽イオンであり、M
3+は3価の陽イオンであり、A
n−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4である)によって表される基本組成を有する。
【0049】
上記一般式において、M
2+は、任意の2価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはNi
2+、Mn
2+、Mg
2+、Ca
2+及びZn
2+が挙げられ、より好ましくはMg
2+である。M
3+は、任意の3価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはAl
3+又はCr
3+が挙げられ、より好ましくはAl
3+である。A
n−は、任意の陰イオンでありうるが、好ましい例としてはOH
−及びCO
32−が挙げられる。
【0050】
従って、上記一般式において、M
2+がMg
2+を含み、M
3+がAl
3+を含み、A
n−がOH
−及び/又はCO
32−を含むのが特に好ましい。nは、1以上の整数であるが、好ましくは1又は2である。xは、0.1〜0.4であるが、好ましくは0.2〜0.35である。mは、任意の実数である。
【0051】
また、上記一般式においてM
3+の一部または全部を4価以上の価数の陽イオンで置き換えてもよく、その場合は、上記一般式における陰イオンA
n−の係数x/nは適宜変更されてよい。
【0052】
無機固体電解質体16は、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質を含む粒子群のみによって構成されていてもよいが、この粒子群の緻密化や硬化を助ける補助成分を含んでいてもよい。
【0053】
また、無機固体電解質体16は、基材としての開気孔性の多孔質体と、この多孔質体の孔を埋めるように孔中に析出及び成長させた無機固体電解質(例えばLDH)との複合体であってもよい。多孔質体は、アルミナ及びジルコニアなどのセラミックス材料や、発泡樹脂又は繊維状物質からなる多孔性シート等の絶縁性材料によって構成することができる。
【0054】
無機固体電解質体16は、板状、膜状及び層状のいずれの形態であってもよい。無機固体電解質体16が膜状又は層状である場合、無機固体電解質体16は、膜状又は層状の無機固体電解質体が多孔質基材上又は多孔質基材中に形成されたものであってもよい。無機固体電解質体16が膜状又は層状である場合、無機固体電解質体16の厚さは、100μm以下とすることができ、好ましくは75μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは25μm以下、特に好ましくは5μm以下である。無機固体電解質体16を薄くすることによって、無機固体電解質体16の抵抗を低減できる。無機固体電解質体16の厚さの下限値は、用途に応じて設定可能であるが、ある程度の堅さを確保するには1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。無機固体電解質体16が板状である場合、無機固体電解質体16の厚さは、0.01mm〜0.5mmとすることができ、好ましくは0.02mm〜0.2mmであり、より好ましくは0.05mm〜0.1mmである。
【0055】
6.残燃料供給手段17
残燃料供給手段17は、燃料供給手段15(具体的には、本体15b)から排出される残燃料の少なくとも一部を、酸化剤供給手段13(具体的には、本体13b)に供給する。本実施形態において、残燃料供給手段17は、燃料供給手段15の燃料排出路15cから、酸化剤供給手段13の酸化剤供給路13aへと繋がる。残燃料供給手段17は、燃料排出路15cに開口する流入口から、酸化剤供給路13aに開口する流出口へと残燃料を導く。残燃料には、水が含まれている。残燃料には、燃料が含まれていてもよい。
【0056】
残燃料供給手段17と燃料供給手段15との接続箇所(すなわち、流入口)における残燃料の圧力は、残燃料供給手段17と酸化剤供給手段13との接続箇所(すなわち、流出口)における残燃料の圧力より大きいことが好ましい。これによって、燃料供給手段15から酸化剤供給手段13に残燃料を循環させるための動力源(例えば、ポンプなど)を省略又は省力化できるため、残燃料供給のための電力消費を抑えることができる。
【0057】
残燃料供給手段17には、逆流防止弁19が配置されている。残燃料供給手段17は、酸化剤供給手段13側から燃料供給手段15側への残燃料の逆流を防止する。具体的には、逆流防止弁19は、燃料供給手段15側から酸化剤供給手段13側への残燃料の流れを許容する一方で、酸化剤供給手段13側から燃料供給手段15側への残燃料及び酸化剤の流れを妨げる。逆流防止弁19としては周知の逆止弁を用いることができる。
【0058】
逆流防止弁19は、燃料排出路15c側の流入口付近に配置されることが好ましい。これによって、残燃料の逆流を抑制しつつ、水分の凝縮による排圧調整機構18及び逆流防止弁19の閉塞を効果的に抑制することができる
【0059】
燃料供給手段15から排出される残燃料のうち残燃料供給手段17へ流入する残燃料の割合は、固体アルカリ形燃料電池10が高効率運転中か低負荷運転中かによって調整することが好ましい。
【0060】
固体アルカリ形燃料電池10が高効率運転中である場合、残燃料供給手段17は、燃料供給手段15から排出される残燃料の40vol%以上を酸化剤供給手段13に供給することが好ましい。これによって、カソード12において必要とされる水の全量を残燃料でまかなうことができるため、高効率で長時間運転しても出力が低下することを抑制できる。さらに、残燃料供給手段17は、燃料供給手段15から排出される残燃料の80vol%以上を酸化剤供給手段13に供給することがより好ましい。これによって、高効率で長時間運転しても出力が低下することをより抑制できる。なお、高効率運転とは、燃料利用率60%以上85%以下、空気利用率40%以上60%以下、かつ、電流密度10%以上(対定格電流密度)の条件で固体アルカリ形燃料電池10が作動することを意味する。
【0061】
固体アルカリ形燃料電池10が低負荷運転中である場合、残燃料供給手段17は、燃料供給手段15から排出される残燃料の50vol%以上を酸化剤供給手段13に供給することが好ましい。これによって、カソード12において必要とされる水の全量を残燃料でまかなうことができるため、低負荷で長時間運転しても出力が低下することを抑制できる。さらに、残燃料供給手段17は、燃料供給手段15から排出される残燃料の60vol%以上80vol%以下を酸化剤供給手段13に供給することがより好ましい。これによって、酸素が過剰に消費されることを抑制できるため、低負荷で長時間運転しても出力が低下することをより抑制できる。なお、低負荷運転とは、燃料利用率60%未満、空気利用率40%未満、かつ、電流密度10%以上(対定格電流密度)の条件で固体アルカリ形燃料電池10が作動することを意味する。
【0062】
残燃料供給手段17を介して燃料供給手段15から酸化剤供給手段13に導かれる残燃料の組成は、燃料供給手段15から外部に排出される残燃料の組成と同じであることが好ましい。すなわち、残燃料供給手段17には、残燃料から燃料を分離する分離膜や、残燃料に含まれる水と二酸化炭素とを分離する気液分離装置などが配置されていないことが好ましい。これによって、燃料供給手段15から酸化剤供給手段13へ残燃料を直接導くことができるため、残燃料供給手段17の構成を簡素化できるとともに、冷却や循環等のための動力を要しないため残燃料供給のための電力消費を低減できる。
【0063】
残燃料供給手段17を介して燃料供給手段15から酸化剤供給手段13に導かれる残燃料が水及び燃料を含む場合、水に対する燃料の体積比は0.02以上0.73以下が好ましい。これによって、カソード12において必要とされる水の全量を残燃料によってまかなうことができる。残燃料に含まれる水及び燃料の体積比は、冷却トラップを用いて残燃料に含まれる水と燃料を分離することによって測定することができる。なお、残燃料の組成は特に制限されないが、例えば、水:53vol%以上83vol%以下、燃料:2vol%以上38vol%以下、二酸化炭素:10vol%以上17vol%以下とすることができる。
【0064】
残燃料供給手段17を介して燃料供給手段15から酸化剤供給手段13に導かれる残燃料は、気相と液相とが混在する気液混合状態であってもよいし、気相のみを含む気体状態であってもよい。残燃料に含まれる気相は、18vol%以上100vol%以下であることが好ましい。これによって、残燃料供給手段17が閉塞し残燃料の供給が停止することを防止できる。残燃料に含まれる気相の割合は、残燃料供給手段17の流入口において測定される。なお、気相に含まれる燃料の割合は特に制限されないが、2vol%以上80vol%以下とすることができる。
【0065】
(無機固体電解質体16の製造方法)
無機固体電解質体16の製造方法の一例について説明する。以下に説明する製造方法は、ハイドロタルサイトに代表されるLDHのLDH粉末を成形及び焼成して酸化物焼成体とし、これをLDHへ再生した後、余剰の水分を除去することにより行われる。この製造方法によれば、緻密な無機固体電解質体16を簡便かつ安定的に製造できる。
【0066】
1.LDH粉末の準備
上述した一般式:[M
2+1−xM
3+x(OH)
2][A
n−x/n・mH
2O](式中、M
2+は2価の陽イオン、M
3+は3価の陽イオンであり、A
n−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4である)によって表される基本組成を有するLDH粉末を準備する。このようなLDH粉末は市販品であってもよいし、硝酸塩や塩化物を用いた液相合成法等の公知の方法にて作製した原料であってもよい。
【0067】
LDH粉末の粒径は特に限定されないが、体積基準D50平均粒径は、0.1μm〜1.0μmが好ましく、0.3μm〜0.8μmがより好ましい。LDH粉末の粒径が細かすぎると粉末が凝集して成形時に気孔が残留しやすく、LDH粉末の粒径が大きすぎると成形性が悪くなりやすい。
【0068】
LDH粉末は、仮焼によって酸化物粉末としてもよい。この際の仮焼温度は、原料粒径が大きく変化しない温度範囲に設定することができ、例えば500℃以下が好ましく、380℃〜460℃がより好ましい。
【0069】
2.成形体の作製工程
次に、LDH粉末を成形して成形体を得る。この成形は、成形体の相対密度が43%〜65%、より好ましくは45%〜60%、さらに好ましくは47%〜58%になるように、例えば加圧成形により行われるのが好ましい。加圧成形には、金型一軸プレス、冷間等方圧加圧(CIP)、スリップキャスト、或いは押出成形など公知の手法を用いることができる。ただし、LDH粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、乾式成形法に限られる。
【0070】
成形体の相対密度は、成形体の寸法及び重量から密度を算出し、理論密度で除して求められる。成形体の重量は吸着水分の影響を受けるため、一義的な値を得るために、室温、相対湿度20%以下のデシケータ内で24時間以上保管したLDH粉末を用いた成形体か、もしくは成形体を前記条件下で保管した後に相対密度を測定するのが好ましい。
【0071】
ただし、LDH粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合には、成形体の相対密度が26%〜40%、より好ましくは29〜36%にする。酸化物粉末を用いる場合の相対密度は、LDHを構成する各金属元素が仮焼により各々酸化物に変化したと仮定して、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求める。
【0072】
3.焼成工程
次に、成形体を焼成して酸化物焼成体を得る。この焼成は、酸化物焼成体が、成形体の重量の57%〜65%の重量、及び/又は、成形体の体積の70%〜76%の体積となるように行われるのが好ましい。
【0073】
酸化物焼成体の重量を、成形体の重量の57%以上とすることで、後工程のLDHへの再生時に再生できない異相が生成されにくくなり、成形体の重量の65%以下とすることで、焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。また、酸化物焼成体の体積を、成形体の体積の70%以上とすることで、後工程のLDHへの再生時に異相が生成にくくなるとともに、クラックも生じにくくなり、成形体の体積の76%以下とすることで、焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。
【0074】
ただし、LDH粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、酸化物焼成体が、成形体の重量の85%〜95%、及び/又は、成形体の体積の90%以上の体積となるように焼成されるのが好ましい。
【0075】
また、LDH粉末を仮焼したか否かに関わらず、焼成は、酸化物焼成体の相対密度が、酸化物換算で20%〜40%になるように行われるのが好ましく、より好ましくは20%〜35%であり、さらに好ましくは20%〜30%である。酸化物換算での相対密度とは、LDHを構成する各金属元素が焼成により各々酸化物に変化したと仮定し、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求めた相対密度である。
【0076】
成形体の焼成温度は400℃〜850℃とすることができ、700℃〜800℃が好ましい。焼成工程は、1時間以上、好ましくは3時間〜10時間の間、上記焼成温度で保持する工程を含むのが好ましい。また、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、上記焼成温度に到達するまでの昇温速度は100℃/h以下が好ましく、5℃/h〜75℃/hがより好ましく、10℃/h〜50℃/hがさらに好ましい。従って、昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は、20時間以上が好ましく、30時間〜70時間がより好ましく、35時間〜65時間がさらに好ましい。
【0077】
4.LDHへの再生工程
次に、酸化物焼成体を上述したn価の陰イオン(A
n−)を含む水溶液中又はその直上に保持してLDHへと再生し、それにより水分に富むLDH固化体を得る。すなわち、この製法により得られるLDH固化体は必然的に余分な水分を含んでいる。
【0078】
なお、水溶液中に含まれる陰イオンはLDH粉末中に含まれる陰イオンと同種の陰イオンとしてよいし、異なる種類の陰イオンとしてもよい。
【0079】
酸化物焼成体の水溶液中又は水溶液直上での保持は、密閉容器内で水熱合成の手法により行われるのが好ましい。密閉容器の例としては、テフロン(登録商標)製の密閉容器が挙げられる。密閉容器の外側には、ステンレス製等のジャケットを設けることが好ましい。
【0080】
LDH化は、酸化物焼成体を20℃以上200℃未満で、少なくとも酸化物焼成体の一面が水溶液に接する状態に保持することにより行われるのが好ましく、より好ましい温度は50℃〜180℃であり、さらに好ましい温度は100℃〜150℃である。このようなLDH化温度で、酸化物焼結体は1時間以上保持されるのが好ましく、2時間以上保持されるのがより好ましく、5時間以上保持されるのがさらに好ましい。これによって、十分にLDHへの再生を進行させて異相が残るのを抑制できる。なお、保持時間は、長すぎても特に問題はないが、効率性を重視して適宜設定すればよい。
【0081】
LDHへの再生に使用するn価の陰イオンを含む水溶液の陰イオン種として空気中の二酸化炭素(炭酸イオン)を利用する場合、イオン交換水を用いることができる。なお、密閉容器内の水熱処理の際には、酸化物焼成体を水溶液中に水没させてもよいし、治具を用いて少なくとも一面が水溶液に接する状態で処理を行ってもよい。少なくとも一面が水溶液に接する状態で処理した場合、完全水没と比較して余分な水分量が少ないので、その後の工程が短時間で済む場合がある。ただし、水溶液が少なすぎるとクラックが発生しやすくなるため、焼成体重量と同等以上の水分を用いるのが好ましい。
【0082】
5.脱水工程
次に、LDH固化体から余剰水分を除去することによって、無機固体電解質体16を得る。余剰水分を除去する工程は、300℃以下、除去工程の最高温度での推定相対湿度25%以上の環境下で行われるのが好ましい。LDH固化体からの急激な水分の蒸発を防ぐため、室温より高い温度で脱水する場合はLDHへの再生工程で使用した密閉容器中に再び封入して行うことが好ましい。その場合の好ましい温度は50℃〜250℃であり、さらに好ましくは100℃〜200℃である。また、脱水時のより好ましい相対湿度は25%〜70%であり、さらに好ましくは40%〜60%である。脱水を室温で行ってもよく、その場合の相対湿度は通常の室内環境における40%〜70%の範囲内であればよい。
【0083】
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0084】
[変形例1]
上記実施形態において、固体アルカリ形燃料電池10は、排圧調整弁18及び逆流防止弁19を備えることとしたが、燃料供給手段15から排出される残燃料の少なくとも一部が残燃料供給手段17を介して酸化剤供給手段13に供給される限り、逆流防止弁19は省略してもよい。
【0085】
[変形例2]
上記実施形態において、固体アルカリ形燃料電池10は、排圧調整機構の一例としての排圧調整弁18を備えることとしたが、排圧調整機構の構成はこれに限られない。排圧調整機構は、燃料排出路15c及び残燃料供給手段17それぞれの配管長及び配管径の少なくとも一方を調整することによって構成することができる。例えば、燃料排出路15cの配管長と残燃料供給手段17の配管長との比を調整することによって、燃料供給手段15から外部に排出される残燃料の排圧を調整することができる。或いは、燃料排出路15cの配管径と残燃料供給手段17の配管径との比を調整することによって、燃料供給手段15から外部に排出される残燃料の排圧を調整することができる。これらの場合、排圧調整機構は、燃料排出路15c及び残燃料供給手段17によって構成される。
【実施例】
【0086】
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例には限定されない。
【0087】
(アルカリ形燃料電池システムの作製)
実施例1〜9及び比較例1〜2に係るアルカリ形燃料電池システムを次の通り作製した。
【0088】
まず、PVDFによって構成される多孔質基材を用意した。次に、多孔質基材をアルミナ及びチタニアの混合ゾルを含浸させて熱処理することによって、多孔質基材の内表面にアルミナ・チタニア層を形成した。次に、原料水溶液(ニッケルイオン、尿素)に多孔質基材を浸漬させ、原料水溶液中で水熱処理した。これにより、多孔質基材の三次元網目構造の隙間にLDHが配置された電解質を形成した。
【0089】
次に、カソード触媒としてのPt/C(Pt担持量50wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC10E50E)と、バインダーとしてのPVDF粉末とを準備した。そして、カソード触媒:PVDF粉末:水の重量比が9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように混合することによって、カソードペーストを調製した。その後、電解質の一方の面にカソードペーストを印刷してカソードを形成した。
【0090】
次に、アノード触媒としてのPt−Ru/C(Pt−Ru担持量54wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC61E54)と、バインダーとしてのPVDF粉末とを準備した。そして、カソード触媒:PVDF粉末:水の重量比が、9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように混合することによって、アノードペーストを調製した。その後、電解質の他方の面にアノードペーストを印刷してアノードを形成した。
【0091】
次に、N
2雰囲気中において150℃で15分熱処理することによって、実施例1〜9及び比較例1〜2に係るアルカリ形燃料電池を完成させた。
【0092】
次に、実施例1〜9では、アルカリ形燃料電池に酸化剤供給手段、燃料供給手段及び残燃料供給手段を取り付けて、
図1に示したアルカリ形燃料電池システムを作製した。一方、比較例1〜2では、アルカリ形燃料電池に酸化剤供給手段及び燃料供給手段のみを取り付けた。比較例1〜2では、残燃料供給手段を設けなかった。
【0093】
(アルカリ形燃料電池の運転試験)
1.高効率運転試験
【0094】
まず、実施例1〜4及び比較例1のアルカリ形燃料電池を90℃の恒温槽に入れた。
【0095】
次に、アノードに90vol.%メタノール水溶液を全量気化させて供給するとともに、カソードに100%RH空気を供給しながら、表1に示す高効率運転の条件で通電させ、セル電圧値[V]から初期出力[W/cm
2]を求めた。なお、実施例1〜4及び比較例1のアルカリ形燃料電池の定格電流密度は、0.1A/cm
2であった。
【0096】
次に、アノードに90vol.%メタノール水溶液を全量気化させて供給するとともに、カソードに露点20℃以下の空気を供給しながら、表1に示す高効率運転の条件で720時間通電させた後、セル電圧値[V]から運転後出力[W/cm
2]を求めた。実施例1〜4では、残燃料供給手段を用いて、表1に示す割合の残燃料を燃料供給手段から酸化剤供給手段へ供給した。比較例1では、燃料供給手段から酸化剤供給手段へ残燃料を供給しなかった。
【0097】
表1では、運転後出力が初期出力の90%以上であった場合を◎、80%以上であった場合を○、60%以上80%未満であった場合を△、60%未満であった場合を×と評価した。
【0098】
2.低負荷運転試験
【0099】
まず、実施例5〜9及び比較例2のアルカリ形燃料電池を90℃の恒温槽に入れた。
【0100】
次に、アノードに90vol.%メタノール水溶液を全量気化させて供給するとともに、カソードに100%RH空気を供給しながら、表1に示す低負荷運転の条件で通電させ、セル電圧値[V]から初期出力[W/cm
2]を求めた。なお、実施例5〜9及び比較例2のアルカリ形燃料電池の定格電流密度は、0.1A/cm
2であった。
【0101】
次に、アノードに90vol.%メタノール水溶液を全量気化させて供給するとともに、カソードに露点20℃以下の空気を供給しながら、表1に示す低負荷運転の条件で720時間通電させた後、セル電圧値[V]から運転後出力[W/cm
2]を求めた。実施例5〜9では、残燃料供給手段を用いて、表1に示す割合の残燃料を燃料供給手段から酸化剤供給手段へ供給した。比較例2では、燃料供給手段から酸化剤供給手段へ残燃料を供給しなかった。
【0102】
表1では、運転後出力が初期出力の90%以上であった場合を◎、80%以上であった場合を○、60%以上80%未満であった場合を△、60%未満であった場合を×と評価した。
【0103】
【表1】
【0104】
実施例1〜4と比較例1との比較から、残燃料供給手段を介して30vol%以上の残燃料をカソードに供給することによって、高効率で長時間運転した後における出力維持率を向上できることが確認された。
【0105】
同様に、実施例5〜9と比較例2との比較から、残燃料供給手段を介して40vol%以上の残燃料をカソードに供給することによって、低負荷で長時間運転した後における出力維持率を向上できることが確認された。
【0106】
このような結果が得られたのは、高効率運転及び低負荷運転それぞれに適した量の残燃料を再利用することにより、カソードにおいて必要とされる水の全量を残燃料でまかなうことができたためである。
【0107】
また、実施例1〜3と実施例4との比較から、40vol%以上の残燃料をカソードに供給することによって、さらに、80vol%以上の残燃料をカソードに供給することによって、高効率で長時間運転した後における出力維持率をより向上できることが確認された。
【0108】
また、実施例5〜8と実施例9との比較から、50vol%以上の残燃料をカソードに供給することによって、さらに、60vol%以上80vol%以下の残燃料をカソードに供給することによって、低負荷で長時間運転した後における出力維持率をより向上できることが確認された。80vol%以下に抑えることで運転後出力がより向上したのは、残燃料を適宜制限することによって、酸素が過剰に消費されることを抑制できたためである。
【解決手段】固体アルカリ形燃料電池10は、カソード12と、アノード14と、無機固体電解質体16と、酸化剤供給手段13と、燃料供給手段15と、残燃料供給手段17とを備える。酸化剤供給手段13は、カソード12に酸化剤を供給する。燃料供給手段15は、アノード14に燃料を供給する。残燃料供給手段17は、燃料供給手段15から排出される残燃料の少なくとも一部を、酸化剤供給手段13に供給する。