(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754998
(24)【登録日】2020年8月27日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】半導体スイッチ素子の駆動回路
(51)【国際特許分類】
H03K 17/16 20060101AFI20200907BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20200907BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20200907BHJP
H03K 17/691 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
H03K17/16 H
H02M1/08 A
H03K17/687 F
H03K17/687 A
H03K17/691
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-39041(P2016-39041)
(22)【出願日】2016年3月1日
(65)【公開番号】特開2017-158013(P2017-158013A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2019年2月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年電気学会産業応用部門大会(JIASC2015)プログラム、IV−139〜140 発行所:一般社団法人電気学会 発行日: 平成27年9月2日 [刊行物等] 崇城大学 エネルギーエレクトロニクス研究所 第21回公開セミナー 発表日:平成27年11月19日 [刊行物等] 企業向け人材育成講座 技術者塾 開催日:平成27年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】304028726
【氏名又は名称】国立大学法人 大分大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 仁浩
【審査官】
渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−042633(JP,A)
【文献】
実開昭60−153691(JP,U)
【文献】
特開2011−024323(JP,A)
【文献】
特開2002−353737(JP,A)
【文献】
特開2005−286384(JP,A)
【文献】
特開2011−188383(JP,A)
【文献】
特開平06−029809(JP,A)
【文献】
特開2013−258472(JP,A)
【文献】
特開2008−235952(JP,A)
【文献】
特表2006−526318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/16
H03K 17/687
H02M 1/08
H03K 17/691
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個のスイッチ素子を直列に接続し、その両端を直流電源の正極及び負極に接続したハーフブリッジ回路と、
前記2個のスイッチ素子間に一端が接続された直流バイアスコンデンサと、
前記2個のスイッチ素子が互いにON/OFF動作されたときに前記直流バイアスコンデンサの他端に出力される矩形波電圧を正弦波電圧に変換するためのLC共振回路であって、インダクタと可変容量コンデンサを含むLC共振回路と、
前記LC共振回路によって形成された正弦波電圧によって駆動される半導体スイッチ素子と、を備え、
前記LC共振回路は、前記可変容量コンデンサと前記半導体スイッチ素子の寄生容量との合成容量と、前記インダクタで形成されており、
前記LC共振回路の共振周波数が前記2個のスイッチ素子のスイッチング周波数と一致するように、或いは、前記LC共振回路の共振周波数と前記2個のスイッチ素子のスイッチング周波数を、前記正弦波電圧が前記半導体スイッチ素子の耐圧を超えず、且つ前記半導体スイッチ素子を駆動するための閾値以下とならない特定の関係で動作させるように、前記可変容量コンデンサの容量が調整される、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体スイッチ素子の駆動回路において、前記半導体スイッチ素子のゲート端子は、前記LC共振回路のインダクタンスと可変容量コンデンサの接続点に接続される、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体スイッチ素子の駆動回路において、前記可変容量素子は、電圧の印加によって静電容量を変化させるものである、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の半導体スイッチ素子の駆動回路において、前記半導体スイッチ素子はGaNパワーデバイスである、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項5】
少なくとも2個のスイッチ素子を直列に接続し、その両端を直流電源の正極及び負極に接続したハーフブリッジ回路と、
前記2個のスイッチ素子間に一端が接続された直流バイアスコンデンサと、
前記直流バイアスコンデンサの他端と前記直流電源の一方の端子間に接続されたインダクタと可変容量コンデンサからなる直列回路と、
半導体スイッチ素子と、
前記可変容量コンデンサの両端に接続された1次巻線と前記半導体スイッチ素子のゲート・ソース間に接続された2次巻線とを有するトランスと、を備え、
前記2個のスイッチ素子が互いにON/OFF動作されたときに前記直流バイアスコンデンサの他端に出力される矩形波電圧を、前記可変容量コンデンサと前記トランスの巻線比で変換された前記半導体スイッチ素子のゲート・ソース間容量との合成容量と、前記インダクタとによって変換して、前記半導体スイッチ素子のゲートを駆動する正弦波電圧を生成するLC共振回路が形成されており、
前記LC共振回路の共振周波数が前記2個のスイッチ素子のスイッチング周波数と一致するように、或いは、前記LC共振回路の共振周波数と前記2個のスイッチ素子のスイッチング周波数を、前記正弦波電圧が前記半導体スイッチ素子の耐圧を超えず、且つ前記半導体スイッチ素子を駆動するための閾値以下とならない特定の関係で動作させるように、前記可変容量コンデンサの容量が調整される、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体スイッチ素子の駆動回路において、前記トランスはパルストランスである、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項7】
請求項5または6に記載の半導体スイッチ素子の駆動回路において、前記可変容量コンデンサは、電圧の印加によって静電容量を変化させるものである、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか1項に記載の半導体スイッチ素子の駆動回路において、前記半導体スイッチ素子はGaNパワーデバイスである、半導体スイッチ素子の駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体スイッチ素子の駆動回路に関し、特に、GaNパワーデバイスのような高速応答可能なスイッチデバイスを効率的に且つ安定して駆動することが可能な半導体スイッチ素子の駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力変換回路におけるスイッチング周波数の高周波化が求められている。この背景としてまず、受動部品の小型化があげられる。電圧の平滑を行うチョークコイルとキャパシタの大きさは電源内において大きな比重を示すため、回路の小型化という点で大きな意味を持つ。次に、電源の負荷変動に対する高速応答化という点があげられる。高周波によるスイッチングにより、負荷変動に対して良好な過渡応答を得ることができる。
【0003】
次世代のパワーデバイスとして注目されているGaNデバイスの登場によって、MHz帯のスイッチング周波数で動作するスイッチング電源の開発が進んでいる。このようなスイッチ素子を駆動する場合は矩形波電圧を用いるのが一般的である。しかしながら矩形波で高周波スイッチングする場合、スイッチング損失の増大を引き起こすだけでなく、ゲート電圧のリンギングが生じ、スイッチの誤動作や放射ノイズ等の問題の要因となる。
【0004】
これに対し、正弦波電圧を用いた駆動回路は、ゲート電圧のリンギングが発生することがなく、また、ゲートの充放電エネルギーを回生できるといった利点を有している。しかしながら、正弦波をLC共振回路によって生成しているため、半導体スイッチ素子の駆動周波数と共振周波数を一致させて動作させる必要がある。共振現象を利用した従来の駆動回路では、インダクタとコンデンサの共振周波数が固定値であるため、半導体スイッチ素子の駆動周波数を可変することが難しかった。駆動周波数を可変しようとすると、共振電圧波形の増減により、駆動対象となる半導体スイッチ素子の駆動端子の耐圧を超え、或いは、駆動するための閾値以下となるなどの問題が生じる。
【0005】
本発明に係る分野の一般的技術水準を示すものとして、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−228760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、従来の半導体スイッチ素子のゲート駆動回路における上記の問題点を解決するためになされたものであり、LC共振回路によって生成した正弦波によって半導体スイッチ素子を駆動するための回路において、駆動波形の共振条件や実効電圧値を可変することが可能な駆動回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様では、少なくとも2個のスイッチ素子を直列に接続し、その両端を直流電源の正極及び負極に接続したハーフブリッジ回路と、前記ハーフブリッジ回路における中点電位を形成するための直流バイアスコンデンサと、前記ハーフブリッジ回路及び直流バイアスコンデンサによって形成された矩形波電圧を正弦波電圧に変換するためのLC共振回路であって、インダクタと可変容量コンデンサを含むLC共振回路と、前記LC共振回路によって形成された正弦波電圧によって駆動される半導体スイッチ素子と、を備え、前記LC共振回路は、前記可変容量コンデンサと前記半導体スイッチ素子の寄生容量との合成容量と、インダクタで形成されている、半導体スイッチ素子の駆動回路を提供する。
【0009】
第1の態様の駆動回路において、前記半導体スイッチ素子のゲート端子は、前記LC共振回路のインダクタンスと可変容量コンデンサの接続点に接続されていても良い。また、前記可変容量素子は、電圧の印加によって静電容量を変化させるものであって良い。更に、前記半導体スイッチ素子はGaNパワーデバイスであっても良い。
【0010】
本発明の第2の態様では、少なくとも2個のスイッチ素子を直列に接続し、その両端を直流電源の正極及び負極に接続したハーフブリッジ回路と、前記ハーフブリッジ回路における中点電位を形成するための直流バイアスコンデンサと、前記直流バイアスコンデンサと前記直流電源の一方の端子間に接続されたインダクタと可変容量コンデンサからなる直列回路と、半導体スイッチ素子と、前記可変容量コンデンサの両端に接続された1次巻線と前記半導体スイッチ素子のゲート・ソース間に接続された2次巻線とを有するトランスと、を備え、前記可変容量コンデンサと前記トランスの巻線比で変換された前記半導体スイッチ素子のゲート・ソース間容量との合成容量と、前記インダクタとによって、前記半導体スイッチ素子のゲートを駆動する正弦波電圧を生成するLC共振回路が形成されている、半導体スイッチ素子の駆動回路を提供する。
【0011】
第2の態様の駆動回路において、前記トランスはパルストランスであっても良い。また、前記可変容量コンデンサは、電圧の印加によって静電容量を変化させるものであっても良い。更に、前記半導体スイッチ素子をGaNパワーデバイスで構成しても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体スイッチ素子の駆動回路では、ハーフブリッジ回路を構成する各スイッチ素子及び/またはスイッチング駆動対象の半導体スイッチ素子に製造上のバラツキが生じ、それらの発振周波数がずれた場合でも、LC共振回路における可変容量コンデンサの容量を調整することにより、共振周波数と半導体スイッチ素子の駆動周波数とを一致させること、あるいは両者を特定の関係で動作させること、が可能となる。その結果、機器の信頼性の向上や製造上の歩留まりの向上が期待できる。
【0013】
また、可変容量コンデンサの容量を調整することにより、駆動対象である半導体スイッチ素子のON時間を制御することができるので、これにより、LLCコンバータのような周波数制御方式のコンバータに対しても適用が可能となる。また、LC共振回路における可変容量コンデンサの容量を調整することにより、駆動対象となる半導体スイッチ素子に印加する駆動電圧波形の実効値を一定値に保つ、あるいは、所望の値に可変させることが出来るので、駆動対象となる半導体スイッチ素子の駆動端子の耐圧を超え、或いは、駆動するための閾値以下となるなどの問題を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る、半導体スイッチ素子の駆動回路を示す図。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る、半導体スイッチ素子の駆動回路を示す図。
【
図5】可変容量コンデンサの印加電圧対容量特性を示すグラフ。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る半導体スイッチ素子の駆動回路の試作機の仕様を示す図。
【
図7】
図6に示す仕様の試作機におけるGaNデバイスのドレイン・ソース間電圧とゲート・ソース間電圧波形を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る半導体スイッチ素子の駆動回路を示す。
図1において、1は駆動対象である半導体スイッチ素子であり、例えば、GaNを材料とするスイッチ素子、いわゆるGaNパワーデバイスである。2、3は、例えばSiのMOSFETで形成され互いに直列に接続された第1、第2のスイッチ素子であり、直列接続の両端に直流電源V
iが接続される。第1、第2のスイッチ素子2、3は、固定磁比率50%で互いにON/OFF動作するように構成されており、これによって、ハーフブリッジ回路4が形成される。通常、第1、第2のスイッチ素子2、3はドライブICとして一体に形成される。C
biasは、第1、第2のスイッチ素子2、3の接続点と直流電源V
iの一端(正極または負極)間に接続された直流バイアスコンデンサであり、中点電位V
i/2を形成している。これにより直流バイアスコンデンサC
biasの後段には、電圧が交流分のみの矩形波電圧が形成される。
【0016】
直流バイアスコンデンサC
biasで形成された矩形波電圧は、LC共振回路5によって正弦波電圧に変換され、半導体スイッチ素子1のゲート端子に入力される。LC共振回路5は、インダクタL
rと駆動対象である半導体スイッチ素子1の寄生容量(ゲート・ソース間容量)C
GS、更に、可変容量コンデンサC
vで構成される。可変容量コンデンサC
vは、インダクタL
rと直流電源V
iの一端間に挿入されている。
【0017】
図1の回路において、直流バイアスコンデンサC
biasから出力される矩形波電圧を正弦波電圧に変換する共振回路5の共振周波数f
rは、以下の式(1)に従って算出することができる。
【数1】
【0018】
式(1)において、分母は共振点を示す。
【0019】
上記式(1)によって決定される共振周波数f
rを、ハーフブリッジ回路4の駆動周波数f
0とほぼ一致させる(f
r≒f
0)ことによって、
図1の回路により、半導体スイッチ素子1のゲートに共振周波数f
rの正弦波電圧を供給することができる。従って、例えば製造上のバラツキなどにより、ドライブICの駆動周波数や、駆動対象である半導体スイッチ素子の共振周波数が変化した場合でも、可変容量コンデンサC
vの容量を調節することにより、共振周波数を補正することが可能となる。
【0020】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体スイッチ素子の駆動回路を示す。この実施形態の回路は、駆動対象である半導体スイッチ素子1を、トランスTによって、直流電源V
iを含む駆動回路側から絶縁した(isolated)構成を有する。
【0021】
図3は、
図2に示す回路の等価回路を示す。
図3のV
pは、
図2の回路における直流バイアスコンデンサC
biasの方形波出力電圧を示し、コンデンサC
iは、半導体スイッチ素子1のゲート・ソース間容量C
GSをトランスTの巻線比によって変換したものを示す。トランスTにパルストランスを用いた場合は、巻数比によってゲート容量が変換されるので、コンデンサC
iは、
【数2】
で示される容量を有する。ここで、N
1はトランスTの1次側巻数を、N
2は2次側巻数を示す。従って、
図2に示す駆動回路における共振回路5’の共振周波数f
rは、以下の式(3)によって与えられる。
【数3】
【0022】
この実施形態の場合も、第1の実施形態の場合と同様に、可変容量コンデンサC
vの容量を可変することによって、共振条件を変更することが可能となる。
【0023】
可変容量コンデンサC
vとして、例えば、太陽誘電(株)社製のものが使用可能である。
図4に、このような可変容量コンデンサC
vの等価回路を示す。可変容量コンデンサC
vは、
図4に示す様に4つの端子を持っており、Power端子とGND端子間に印加する電圧によって、SIG+端子とSIG−端子の間の静電容量が変化するという特性を持っている。本来、無線通信の共振周波数マッチング等の用途に使われるものなので、一素子当たりの容量は130[pF]前後と小さく、サイズも1mm×0.5mmと小型である。そのため、本実施形態では、この可変容量素子を八並列に並べたものを可変容量コンデンサC
vとして用いた。
【0024】
図5に、この可変容量コンデンサC
vの静電容量可変特性の一例を示す。横軸にコンデンサC
vのPower端子とGND端子間への印加電圧(Applied voltage)Vtを、縦軸に印加電圧0時の容量C
0に対する電圧印加時の容量ΔCの割合(ΔC/C
0[%])を示す。
図5に示すように、印加電圧が0Vの時の容量C
0は1000[pF]であるが、印加電圧Vt=5Vの場合は容量が約50%、印加電圧Vt=10Vの場合は約70%の減少となる。
【0025】
なお、
図4及び
図5に示す可変容量コンデンサC
vは、
図2に示す第2の実施形態の駆動回路のみならず、
図1に示す第1の実施形態の駆動回路に適用されることは勿論である。
【0026】
図6に、第2の実施形態に係る駆動回路の試作機の一例を示す。この試作機では、ハーフブリッジ回路4を構成するドライブIC(DriveIC)に、TI社のLM5113を用いた。インダクタLrを700nH、直流電源V
iを7Vとしている。半導体スイッチ素子1として、EPC社製のGaNスイッチ素子(EPC2001)の駆動を試みた。このスイッチ素子1は、100V耐圧、オン抵抗7mΩの素子で、ゲート・ソース間容量(入力容量)C
GSは850pFである。パルストランスTの巻数比を2:1としているので、式(2)より約213nFに1次側等価変換され、可変容量コンデンサC
vと並列接続される。可変容量コンデンサC
vは1000pF〜300pFに可変できるものを用いた。これらの値を式(3)に代入すると、理論上は、半導体スイッチ素子1のゲート駆動周波数即ち共振周波数f
rを、5.5MHz〜8.4MHzに可変できることになる。
【0027】
図7に、
図6に示す駆動回路における、GaNスイッチ素子1のドレイン・ソース間電圧V
outとゲート・ソース間電圧V
GSの各波形を示す。可変容量コンデンサC
vに電圧を印可してその容量を変化させることで、スイッチング周波数f
rを5.8MHz(
図7(a))、6.7MHz(
図7(b))、8MHz(
図7(c))に可変することが出来た。スイッチング周波数f
rを可変しても、GaNスイッチ素子1の出力電圧はほぼ3Vに保たれていることが分かる。
【符号の説明】
【0028】
1 半導体スイッチ素子
2、3 第1、第2のスイッチ素子
4 ハーフブリッジ回路
5、5’ LC共振回路
V
i 直流電源
C
bias 直流バイアスコンデンサ
C
v 可変容量コンデンサ
C
GS 半導体スイッチ素子のゲート・ソース間容量
T トランス