(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記平坦なシート体は、前記第1縁辺部と、前記第2縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との一端部どうしを連結している第3縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との他端部どうしを連結している第4縁辺部と、を有する枠体を含む請求項1に記載の緩衝体。
前記平坦なシート体は、更に、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々から、前記係合片の突出長よりも長い延出長にて前記間領域に向けて延出している一対の第2延出部を含んでいる請求項3に記載の緩衝体。
前記平坦なシート体は、更に、前記延出部から前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部に向けてそれぞれ延出している第3延出部を含んでいる請求項2から4のいずれか一項に記載の緩衝体。
前記延出部は、前記第1縁辺部における両端間の中間部と、前記第2縁辺部における両端間の中間部と、に亘って延在し、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部とを相互に連結している請求項1から5のいずれか一項に記載の緩衝体。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0016】
〔第1の実施形態〕
図1から
図9を用いて第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る緩衝体100は、互いに並列に延在している第1縁辺部11及び第2縁辺部12と、第1縁辺部11における両端間の中間部から第2縁辺部12側に向けて延出している延出部(本実施形態の場合、第2対向部2の連結部2a)と、第1縁辺部11と第2縁辺部12との間領域であって第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々の端部近傍の位置に配置された係合片(第3対向部3)と、を備えている。第1縁辺部11、第2縁辺部12、延出部及び係合片が、1枚の平坦なシート体の一部分ずつにより構成されている。
よって、第1縁辺部11と第2縁辺部12とによって第1軸方向において被包装物20を挟持するとともに、延出部と係合片とによって第2軸方向において被包装物20を挟持することができる。この状態では、第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々を、第1平面と第2平面とに対してそれぞれ起立する姿勢で、第1平面及び第2平面の面内方向にてそれぞれ湾曲させ、且つ、第1軸方向に視たときにそれぞれ被包装物20と重なる位置に配置することができる。よって、被包装物20を基準として第1軸方向における両側の位置において、一対の第1対向部の各々によって良好な緩衝効果が得られる。
すなわち、1枚のシート体により構成されている簡単な構造の緩衝体100が単体で被包装物20を安定的に保持することができ、且つ、緩衝体100によって被包装物20を十分に保護することができる。
なお、緩衝体100を折り曲げて該緩衝体100によって被包装物20を保持した状態では、係合片(第3対向部3)は、被包装物20に対して常時当接するようになっていても良いし、緩衝体100又は被包装物20に荷重が作用したときに一時的に被包装物20に対して当接するようになっていても良い。
【0017】
また、以下に説明する緩衝体100の各部も、1枚の平坦なシート体の一部分ずつにより構成されている。すなわち、緩衝体100は、1枚のシート体により構成されている。
ここで、第1縁辺部11と第2縁辺部12との間領域(以下、単に間領域と称する場合がある)は、第1縁辺部11と第2縁辺部12とに挟まれた領域である。
係合片(第3対向部3)は、緩衝体100による保護対象物である被包装物20(
図2)に対して係合する部分である。係合片(第3対向部3)が被包装物20に対して係合した状態については、
図3(b)等に示されている。
【0018】
上記平坦なシート体は、第1縁辺部11と、第2縁辺部12と、第1縁辺部11と第2縁辺部12との一端部どうしを連結している第3縁辺部13と、第1縁辺部11と第2縁辺部12との他端部どうしを連結している第4縁辺部14と、を有する枠体(外周枠部10)を含む。
なお、緩衝体100は、第1縁辺部11と係合片との相互間、並びに、第2縁辺部12と係合片との相互間において、延出部を介さない経路(第3縁辺部13又は第4縁辺部14を介した経路)で、荷重を伝達可能な構成となっている。
また、係合片(第3対向部3)は、第3縁辺部13及び第4縁辺部14からそれぞれ間領域に向けて突出している。
【0019】
上記平坦なシート体は、更に、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々から、係合片(第3対向部3)の突出長よりも長い延出長にて間領域に向けて延出している一対の第2延出部(本実施形態の場合、第4対向部4と第2突出部6とを含む部分)を含んでいる。第2延出部の延出方向先端は、延出部(本実施形態の場合、第2対向部2の連結部2a)の近傍に位置している。すなわち、
図1において、左側の第2延出部の延出方向は右方向であり、当該左側の第2延出部の延出方向先端は、第4縁辺部14の近傍に位置している。また、右側の第2延出部の延出方向は左方向であり、当該右側の第2延出部の延出方向先端は、第3縁辺部13の近傍に位置している。
【0020】
上記平坦なシート体は、更に、延出部(本実施形態の場合、第2対向部2の連結部2a)から第3縁辺部13及び第4縁辺部14に向けてそれぞれ延出している第3延出部(本実施形態の場合、第2対向部2の交差延出部2bと突出部5とを含む部分)を含んでいる。第3延出部の延出方向先端は、第3縁辺部13又は第4縁辺部14の近傍に位置している。すなわち、
図1において、交差延出部2bから左側に延出している2つの第3延出部の延出方向先端は、それぞれ第3縁辺部13の近傍に位置している。また、交差延出部2bから右側に延出している2つの第3延出部の延出方向先端は、それぞれ第4縁辺部14の近傍に位置している。
【0021】
緩衝体100は、第1軸方向において互いに対向配置されて被包装物20を挟持する一対の第1対向部1と、第1軸方向に対して直交する第2軸方向において互いに対向配置されて被包装物20を挟持する第2対向部2及び第3対向部3と、を含む特定形態(
図3(b)、
図4(a)〜(c)、
図5(a)、(b))に折り曲げ変形可能である。
換言すれば、緩衝体100は、第1縁辺部11と第2縁辺部12とが第1軸方向において互いに対向配置されて被包装物20を挟持するとともに、延出部(第2対向部2の連結部2a)と係合片(第3対向部3)とが第2軸方向において互いに対向配置されて被包装物20を挟持する特定形態に折り曲げ変形可能である。
以下、緩衝体100を特定形態に折り曲げた状態を、折り曲げ状態と称する。
折り曲げ状態では、緩衝体100は、被包装物20に沿って変形し、且つ、緩衝体100を包み込むようにして保持する。換言すれば、緩衝体100は、折り曲げ状態とすることにより、被包装物20に装着される。
ここで、第1軸方向は、
図3〜
図8に示すZ方向、及び、Z方向の反対方向(以下、−Z方向と称する場合がある)である。
また、第2軸方向は、
図3〜
図8に示すY方向、及び、Y方向の反対方向(以下、−Y方向と称する場合がある)である。
【0022】
本実施形態では、
図2に示すように、被包装物20が直方体形状(より詳細には扁平な直方体形状)である場合について説明する。被包装物20は、前面21と、前面21に対して反対側を向く背面22(
図4(a)、(b)、(c)、
図5(b))と、互いに反対側を向く一対の側面(第1の対の側面)23と、互いに反対側を向くもう一対の側面(第2の対の側面)24と、を有している。各側面23は、前面21及び背面22に対して直交している。各側面24は、前面21及び背面22に対して直交しているとともに、各側面23に対しても直交している。
被包装物20は、特に限定されないが、コンパクトケースなどの化粧品容器であることが挙げられる。
そして、緩衝体100を折り曲げて、緩衝体100によって被包装物20を保持した折り曲げ状態では、背面22に延出部(第2対向部2の連結部2a)が配置され、前面21に係合片(第3対向部3)が配置されており、第1縁辺部11と第2縁辺部12との各々が、第1の対の側面(一対の側面23)の一方ずつに沿って配置され、且つ、前面21側から背面22側に延びている。
【0023】
折り曲げ状態では、一対の第1対向部1の各々(第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々)は、第1軸方向における被包装物20の一端と他端とをそれぞれ通り且つ第1軸方向に対して直交する第1平面と第2平面とに対してそれぞれ起立する姿勢で、第1平面及び第2平面の面内方向にてそれぞれ湾曲し、且つ、第1軸方向に視たときにそれぞれ被包装物20と重なる位置に配置される(
図5(a)、(b)、
図4(b)参照)。
【0024】
ここで、第1軸方向における被包装物20の一端は、互いに対向する一対の側面23(
図3も参照)のうち一方の側面23であり、第1軸方向における被包装物20の他端は、一対の側面23のうち他方の側面23であるものとする(
図3(b)、
図4(a)参照)。
また、第1平面が第1軸方向における被包装物20の一端を通るとは、第1平面が第1軸方向における被包装物20の一端を面内に包含することを意味し、同様に、第2平面が第1軸方向における被包装物20の他端を通るとは、第2平面が第1軸方向における被包装物20の他端を面内に包含することを意味する。
本実施形態の場合、第1平面は、一方の側面23を含む平面であり、第2平面は、他方の側面23を含む平面である。
第1対向部1(第1縁辺部11)が第1平面に対して起立する姿勢となるとは、第1対向部1の面方向が、第1平面に対して直交状態又は傾斜状態で起立する姿勢となることを意味する。なお、一の第1対向部1(第1縁辺部11)が、第1平面に対する角度が互いに異なる複数の部分を含む姿勢となることが許容される。
同様に、第1対向部1(第2縁辺部12)が第2平面に対して起立する姿勢となるとは、第1対向部1の面方向が、第2平面に対して直交状態又は傾斜状態で起立する姿勢となることを意味するとともに、一の第1対向部1(第2縁辺部12)が、第2平面に対する角度が互いに異なる複数の部分を含む姿勢となることが許容される。
また、第1対向部1(第1縁辺部11、第2縁辺部12)が湾曲するとは、第1対向部1が曲面状に曲がった形態となることであっても良いし、第1対向部1が折れ曲がった形態となることであっても良いし、第1対向部1が、曲面状に曲がった部分と折れ曲がった部分とが混在する形態となることであっても良い。
また、第1対向部1が第1平面の面内方向にて湾曲するとは、第1対向部1が第1平面に沿って湾曲することを意味し、同様に、第1対向部1が第2平面の面内方向にて湾曲するとは、第1対向部1が第2平面に沿って湾曲することを意味する。
本実施形態の場合、折り曲げ状態では、各第1対向部1は、被包装物20の各側面23に対してほぼ直交する起立状態となって、各側面23に沿ってV字状ないしはU字状に湾曲する(
図4(b)、
図5(a)、(b)参照)。
また、第1対向部1(第1縁辺部11、第2縁辺部12)が、第1軸方向に視たときにそれぞれ被包装物20と重なる位置に配置されるとは、第1対向部1の全体又は一部分が、第1軸方向に視たときに被包装物20と重なる位置に配置されることを意味する。ここで、第1対向部1において湾曲している部分のうち少なくとも一部分が、第1軸方向に視たときに被包装物20と重なる位置に配置されることが好ましい。
【0025】
緩衝体100を構成するシート体としては、適度な可撓性と弾性とを有するものが好ましく用いられる。シート体の材料は、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレン等の樹脂材料が好ましい。ただし、シート体は紙であっても良い。
シート体が樹脂材料である場合(シート体が樹脂シートである場合)、シート体の厚みは0.1mm以上0.5mm以下程度であることが好ましく、0.2mm以上0.4mm以下程度であることが更に好ましい。このようにシート体の厚みを設定することにより、被包装物20に対して緩衝体100を装着する作業の作業性の向上と、緩衝体100による緩衝効果の向上と、を両立できる。
緩衝体100は、無色透明などの可視光透過性のものであることが好ましく、このようにすることにより、緩衝体100によって内部の被包装物20の視認性を妨げることが抑制される。ただし、緩衝体100は、必要に応じて、有色透明であったり、部分的に又は全体的に遮光性となっていたりしても良い。
【0026】
緩衝体100は、外力が付与されていない通常時には、平坦な状態(以下、通常状態という場合がある)となり、緩衝体100の厚みはシート体の厚みに等しくなる。
外力を加えて緩衝体100を折り曲げ変形させることによって、緩衝体100を特定形態にする(折り曲げ状態にする)ことができる。
図1、
図3(a)及び
図9に示される緩衝体100は通常状態であり、
図3(b)、
図4(a)〜(c)、
図5(a)、(b)、
図7、
図8(a)〜(d)に示される緩衝体100は折り曲げ状態である。
【0027】
緩衝体100は、折り曲げ状態では、一対の第1対向部1によって第1軸方向(Z方向、−Z方向)において被包装物20を挟持するとともに、第2対向部2と第3対向部3とによって第2軸方向(Y方向、−Y方向)において被包装物20を挟持することができる。よって、緩衝体100に対する被包装物20の相対移動を第1軸方向及び第2軸方向において規制した状態で、被包装物20を緩衝体100によって保持することができる。
そして、上述のように、一対の第1対向部1の各々は、第1軸方向における被包装物20の一端と他端とをそれぞれ通り且つ第1軸方向に対して直交する第1平面と第2平面とに対してそれぞれ起立する姿勢で、第1平面及び第2平面の面内方向にてそれぞれ湾曲し、且つ、第1軸方向に視たときにそれぞれ被包装物20と重なる位置に配置される。このため、被包装物20を基準として第1軸方向における両側の位置において、一対の第1対向部の各々によって良好な緩衝効果が得られる。
【0028】
なお、一対の第1対向部1は、折り曲げ状態において、第1軸方向にて被包装物20から突出するものである、とも言える。すなわち、一方の第1対向部1は被包装物20からZ方向に突出し、他方の第1対向部1は被包装物20から−Z方向に突出する。
【0029】
以下の説明では、便宜的に、
図1における左、右、上、下の方向を用いて緩衝体100の各構成要素の位置関係を説明する場合がある。
【0030】
図1に示すように、緩衝体100は、平坦な状態において、互いに平行に延在するとともに対向する第1縁辺部11及び第2縁辺部12と、第1縁辺部11及び第2縁辺部12に対して直交する方向に延在するとともに互いに対向する第3縁辺部13及び第4縁辺部14と、を含む矩形状の外周枠部10を有している。外周枠部10の外形線は、緩衝体100の外形線でもあり、したがって、緩衝体100も矩形状である。
第1縁辺部11、第2縁辺部12、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々は、所定の幅を有する帯状の部分である。第1縁辺部11の一端と第3縁辺部13の一端とが相互に繋がっており、第1縁辺部11と第4縁辺部14の一端とが相互に繋がっており、第3縁辺部13の他端と第2縁辺部12の一端とが相互に繋がっており、第4縁辺部14の他端と第2縁辺部12の他端とが相互に繋がっている。
そして、第1縁辺部11と第2縁辺部12とにより一対の第1対向部1の一方ずつが構成されている。
なお、外周枠部10は角丸の矩形状であることが好ましく、これにより、折り曲げ状態の緩衝体100を後述する箱体30に挿入しやすくなるとともに、外周枠部10の角部の手触りがソフトになる。
【0031】
折り曲げ状態では、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々は、第1軸方向及び第2軸方向の双方に対して直交する第3軸方向における一方ずつに被包装物20から突出する。
第3軸方向は、
図3〜
図8に示すX方向、及び、X方向の反対方向(以下、−X方向と称する場合がある)である。
すなわち、
図3(b)、
図4(a)、(b)、(c)、
図5(a)、(b)に示すように、第3縁辺部13は被包装物20から−X方向に突出し、第4縁辺部14は被包装物20からX方向に突出する。
換言すれば、折り曲げ状態では、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々は、一対の側面24(第2の対の側面)の一方ずつよりも突出する。
このため、被包装物20を基準として第3軸方向における両側の位置において、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々によって良好な緩衝効果が得られる。
【0032】
更に、折り曲げ状態では、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々は、第2軸方向にて被包装物20から第2対向部2(延出部)側とは反対側(−Y方向)に突出する。
換言すれば、折り曲げ状態では、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々は、前面21よりも突出する。
このため、第2軸方向にて被包装物20を基準として第2対向部2側とは反対側の位置において、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々によって良好な緩衝効果が得られる。
このように、第3縁辺部13及び第4縁辺部14は、被包装物20から−Y方向にも突出するため、第3軸方向(X方向又は−X方向)における緩衝機能と、−Y方向における緩衝機能とを兼ねる。
【0033】
本実施形態の場合、第2対向部2は、一対の第1対向部1の相互間に亘って延在し、一対の第1対向部1どうしを連結している。より詳細には、一方の第1対向部1(第1縁辺部11)の長手方向(
図1の左右方向)における中央部の内側に第2対向部2の一端が連接され、他方の第1対向部1(第2縁辺部12)の長手方向(
図1の左右方向)における中央部の内側に第2対向部2の他端が連接されている。
すなわち、延出部(第2対向部2の連結部2a)は、第1縁辺部11における両端間の中間部と、第2縁辺部12における両端間の中間部と、に亘って延在し、第1縁辺部11と第2縁辺部12とを相互に連結している。
第2対向部2が一対の第1対向部1どうしを連結していることにより、一対の第1対向部1によって被包装物20をより安定的に挟持できるとともに、第2対向部2によって背面22をより安定的に保持できるため、緩衝体100によって被包装物20を更に安定して保持できる。
【0034】
更に、
図1において、第2対向部2は、一対の第1対向部1の左右方向における中央部に配置された1本の連結部2aを有している。このため、各第1対向部1が側面23に沿って湾曲してできるV字形状ないしはU字形状は、連結部2aを基準とする対称性が良好な形状となる。よって、各第1対向部1により各側面23をバランス良く安定して保持することができる。
【0035】
本実施形態の場合、第2対向部2は、一対の第1対向部1に対して直交する方向に延在して一対の第1対向部1どうしを連結している連結部2aと、連結部2aから当該連結部2aの長手方向(
図1の上下方向)に対する交差方向に延出している交差延出部2bと、を含んで構成されている。
より詳細には、連結部2aにおける第1縁辺部11側の端部から、左右一対の交差延出部2bがそれぞれ延出しているとともに、連結部2aにおける第2縁辺部12側の端部からも、左右一対の交差延出部2bがそれぞれ延出している。
換言すれば、連結部2aから、左方と右方のそれぞれに向けて一対ずつの交差延出部2bが延出しているということもできる。
【0036】
折り曲げ状態では、連結部(延出部)2aを含む第2対向部2は、第2軸方向(Y方向、−Y方向)に対して直交し、被包装物20における当該第2対向部2側の端部(本実施形態の場合、背面22)に沿って配置される(
図4(a)、(b)、(c)、
図5(b)参照)。
このため、連結部(延出部)2aを含む第2対向部2によって、被包装物20の背面22を安定的に支えることができる。
【0037】
一方、第3対向部3は、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々の内側に連接されている。
より詳細には、第3対向部3は、外周枠部10の内側の四隅にそれぞれ配置され、第3縁辺部13及び第4縁辺部14から第1縁辺部11及び第2縁辺部12の長さ方向に延出している突片である。
つまり、本実施形態の場合、緩衝体100は4つの第3対向部3を有している。
4つの第3対向部3によって被包装物20を保持できるため、緩衝体100によって被包装物20を安定して保持することができる。
【0038】
折り曲げ状態では、第3対向部(係合片)3は、被包装物20における当該第3対向部側の面(本実施形態の場合、前面21)の縁部に沿って配置される。より詳細には、各第3対向部3は、前面21の四隅の各々に沿って配置される。
これにより、折り曲げ状態において、前面21は、当該前面21の縁部(詳細には四隅)を除き、緩衝体100から露出するようになっている。
【0039】
第3対向部3の先端は丸みを帯びていることが好ましく、これによって第3対向部3が被包装物20を傷つけることを抑制できる。
なお、第3対向部3による被包装物20の保持力の大きさと、被包装物20の前面21の視認性(ディスプレイ性)とは、トレードオフの関係にあるため、第3対向部3の寸法は要求に応じて適宜に設定される。
【0040】
また、第2対向部2の各交差延出部2bの先端側には、突出部5が連接されている。すなわち、本実施形態の場合、緩衝体100は4つの突出部5を有している。折り曲げ状態において、突出部5は、第1軸方向及び第2軸方向の双方に対して直交する第3軸方向にて被包装物20から突出する。
第3軸方向は、
図3〜
図8に示すX方向、及び、X方向の反対方向(以下、−X方向と称する場合がある)である。
換言すれば、折り曲げ状態では、第3延出部(交差延出部2bと突出部5とを含む部分)の各々は、背面22に沿って配置され、且つ、第3延出部の先端部(突出部5)は、第2の対の側面(一対の側面24)の一方ずつよりも突出する。
詳細には、
図3(b)、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)、(b)に示すように、緩衝体100は、第3軸方向における一方(X方向)に被包装物20から突出する突出部5と、第3軸方向における他方(−X方向)に被包装物20から突出する突出部5と、を含む。
このため、被包装物20を基準として第3軸方向における両側の位置において、突出部5によって良好な緩衝効果が得られる。
【0041】
図1において、左上の交差延出部2bと左上の突出部5とを含む部分は、第1縁辺部11と対向する辺が、左上の第3対向部3を避けるように、連結部2aからの延出方向先端に向かって下側に湾曲しており、左側の第4対向部4と対向する辺が第4対向部4に沿って湾曲(こちらも連結部2aからの延出方向先端に向かって下側に湾曲)している。
また、左下の交差延出部2bと左下の突出部5とを含む部分は、第2縁辺部12と対向する辺が、左下の第3対向部3を避けるように、連結部2aからの延出方向先端に向かって上側に湾曲しており、左側の第4対向部4と対向する辺が第4対向部4に沿って湾曲(こちらも連結部2aからの延出方向先端に向かって上側に湾曲)している。
また、右上の交差延出部2bと右上の突出部5とを含む部分、並びに、右下の交差延出部2bと右下の突出部5とを含む部分は、左上の交差延出部2bと左上の突出部5とを含む部分、及び、左下の交差延出部2bと左下の突出部5とを含む部分とそれぞれ左右対称に形成されている。
【0042】
緩衝体100は、平坦な状態において、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の各々の内側に連接された一対の第4対向部4を更に有している。
より詳細には、第3縁辺部13の長手方向における中央部の右側に、一方の第4対向部4が連接されて、該第4対向部4が連結部2aに向けて右方に延出している。また、第4縁辺部14の長手方向における中央部の左側に、他方の第4対向部4が連接されて、該第4対向部4が連結部2aに向けて左方に延出している。
折り曲げ状態では、一対の第4対向部4は、一対の側面(第2の対の側面)24の一方ずつに沿って配置される。すなわち、折り曲げ状態では、一対の第4対向部4は、第3軸方向において互いに対向配置されて被包装物20を挟持する(
図5(a)、(b)、
図4(a)、(b)、(c)参照)。
換言すれば、折り曲げ状態では、一対の第2延出部(第4対向部4と第2突出部6とを含む部分)は、第3軸方向において互いに対向配置されて被包装物20を挟持する。
本実施形態の場合、一対の第4対向部4は、被包装物20の一対の側面24を挟持する。よって、緩衝体100に対する被包装物20の相対移動を第3軸方向において規制した状態で、被包装物20を緩衝体100によって保持することができる。
第4対向部4の幅(第3縁辺部13、第4縁辺部14及び連結部2aの長手方向における幅)は、第4対向部4の基端部(第3縁辺部13又は第4縁辺部14との接続部)から連結部2a側に向かうにつれて(第4対向部4の延出方向における先端側に向けて)広がった後、後述する第2係合部8に達する手前で僅かに狭まっている。
なお、
図1における左側の第4対向部4は、
図1における左側の上下一対の第3対向部3の間に位置し、同様に、
図1における右側の第4対向部4は、
図1における右側の上下一対の第3対向部3の間に位置している。
【0043】
緩衝体100は、一対の第4対向部4の少なくとも一方に連接された第2突出部6を更に有している。
本実施形態の場合、一対の第4対向部4の各々の延出方向の先端に第2突出部6が連接されている。すなわち、第3縁辺部13に連接されている第4対向部4の右端に、一方の第2突出部6が連接されているとともに、第4縁辺部14に連接されている第4対向部4の左端に、他方の第2突出部6が連接されている。
折り曲げ状態では、第2突出部6は、第2軸方向にて第3対向部3側とは反対側(Y方向)に被包装物20から突出する(
図4(b)、(c)
図5(a)、(b)参照)。
換言すれば、折り曲げ状態では、一対の第2延出部(第4対向部4と第2突出部6とを含む部分)の先端部(第2突出部6)は、背面22よりも突出する。
このため、第2軸方向にて被包装物20を基準として第3対向部3側とは反対側の位置において、第2突出部6によって良好な緩衝効果が得られる。
【0044】
以上のように、折り曲げ状態は、被包装物20の六方向(Z方向、−Z方向、Y方向、−Y方向、X方向、−X方向)すべてに緩衝体100の一部分ずつが突出する。換言すれば、折り曲げ状態では、緩衝体100は、被包装物20の六方向すべてにリブ(緩衝体100の一部分ずつにより構成されるリブ)が起立する形態となる。よって、緩衝体100により被包装物20を六方向の全方向において保護することができる。
【0045】
更に、突出部5には係合部7が形成され、第2突出部6には第2係合部8が形成されている。
そして、折り曲げ状態では、係合部7と第2係合部8とが互いに係合するようになっている(
図4(a)、
図4(c)、
図5(a)、(b)参照)。
係合部7と第2係合部8とが係合した状態では、第2突出部6の突出方向への突出部5の移動が規制されるとともに、突出部5の突出方向への第2突出部6及び第4対向部4の移動が規制される。よって、緩衝体100の立体形状が安定する。
より詳細には、
図1において、左上の突出部5には左上の交差延出部2bよりも下に突出する係合部7が、左側の第2突出部6には左側の第4対向部4よりも上に突出する第2係合部8が、それぞれ形成されており、これら係合部7及び第2係合部8の基端部7aと基端部8aとが相互に係合する。なお、互いに係合する基端部7aと基端部8aは、
図1の上下方向において互いに同等の位置に配置されている。
同様に、
図1において、左下の突出部5には左下の交差延出部2bよりも上に突出する係合部7が、左側の第2突出部6には左側の第4対向部4よりも下に突出する第2係合部8が、それぞれ形成されており、これら係合部7及び第2係合部8の基端部7aと基端部8aとが相互に係合する。
更に、
図1における緩衝体100の右半分にも、左半分と左右対称に係合部7及び第2係合部8が形成されており、それぞれ対応する係合部7と第2係合部8とが係合するようになっている。
【0046】
このように、折り曲げ状態では、第2延出部の先端部(第2突出部6)と第3延出部の先端部(突出部5)とが互いに係合し、第2延出部(第4対向部4と第2突出部6とを含む部分)の延出方向への第3延出部(交差延出部2bと突出部5とを含む部分)の移動が規制されるとともに、第3延出部の延出方向への第2延出部の移動が規制される。
【0047】
ここで、基端部7aと基端部8aとの少なくとも一方は、切り込み形状に形成されている(くびれが形成されている)ことが好ましい。本実施形態の場合、上述のように第4対向部4の幅が第2係合部8の手前で狭まっていることにより、第2係合部8の基端部8aにくびれが形成されている。このようにすることによって、係合部7と第2係合部8との係合状態をより安定的に維持させることができる。本実施形態の場合、第2係合部8の基端部8aが切り込み形状に形成されている。
【0048】
なお、ここでは、係合部7と第2係合部8との係合箇所が合計で4箇所である例を説明したが、係合部7と第2係合部8との係合箇所の数は、4箇所に限らず、例えば、1箇所以上8箇所以下の範囲内で適宜に設定することができる。折り曲げ状態の緩衝体100の立体形状の安定性を向上させる観点では当該係合箇所を偶数箇所とすることが好ましい。
【0049】
なお、
図1において、第2対向部2の左右両側には、それぞれスリット状の開口9が緩衝体100の表裏を貫通する状態に形成されており、これにより、一対の第1対向部1(第1縁辺部11、第2縁辺部12)を容易に曲げ変形させることができるとともに、一対の第4対向部4を各々の付け根において容易に曲げ変形させることができるようになっている。
ここで、第1縁辺部11と第3縁辺部13及び第4縁辺部14との接合部の内側の角、並びに、第2対向部2と第3縁辺部13及び第4縁辺部14との接合部の内側の角は、
図1に示すように丸みをもつことが好ましい。このようにすることによって、これら接合部における応力集中を緩和できるため、外周枠部10の耐衝撃性を向上することができる。
その他の部分についても、開口9の内縁は、係合部7の基端部7aと第2係合部8の基端部8aを除き、なだらかな曲線状に形成されていることが好ましい。これにより、開口9の内縁の各部における応力集中を緩和できる。
【0050】
更に、各第1対向部1には、第1対向部1と第2対向部2との接続部を挟む両側位置に、それぞれ第1対向部1の幅方向に延在する罫線15が形成されている。つまり、各第1対向部1には一対ずつの罫線15が形成されている。これにより、第1対向部1が罫線15において容易に曲げ変形できるようになっている。
より詳細には、一の第1対向部1に形成されている一対の罫線15の各々は直線状となっているとともに、当該一対の罫線15は、当該第1対向部1の内側から外側に向けて互いに近づいている。これにより、第1対向部1が第1軸方向の外力を受けた場合に、第1対向部1がねじれ変形しつつ当該外力を吸収することができるため、第1対向部1による優れた緩衝効果が得られる。
【0051】
なお、緩衝体100は、例えば、シート体の原反から打抜き加工などにより切断分離することにより得られる。罫線15は、例えば、ハーフカット線又はミシン目などであり、打抜き加工の際にトムソン刃などを用いて第1対向部1の片面又は両面に形成することができる。
【0052】
緩衝体100は、
図1の左右に対称形であるとともに、
図1の上下にも対称形となっている。
【0053】
ここで、緩衝体100によって保持された被包装物20は、
図6に示される箱体30に収容されるようになっている。
箱体30は、直方体形状であり、前面壁部31と、前面壁部31に対して平行に対向する背面壁部32と、互いに平行に対向する一対の側面壁部33と、互いに平行に対向するもう一対の側面壁部34と、を有している。各側面壁部33は、前面壁部31及び背面壁部32に対して直交している。各側面壁部34は、前面壁部31及び背面壁部32に対して直交しているとともに、各側面壁部33に対しても直交している。
各側面壁部33は、側面壁部33と前面壁部31との境界線で前面壁部31に対して繋がっており、当該境界線を支点として前面壁部31に対して回動可能となっている。各側面壁部33における回動先端側には差込片35が連接されており、差込片35が背面壁部32の内面に沿って背面壁部32と前面壁部31との対向間隔に差し込まれることにより、側面壁部33によって箱体30が閉じられるようになっている。
箱体30は、少なくとも前面壁部31が可視光透過性であり、好ましくは、当該箱体30の全体が可視光透過性となっている。箱体30は、透明(例えば無色透明)な樹脂材料により構成されている。ただし、箱体30は、必要に応じて、有色透明であったり、部分的に遮光性となっていたりしても良い。
【0054】
緩衝体100によって保持された被包装物20は、前面21が前面壁部31側に位置して当該前面壁部31と対向し、背面22が背面壁部32側に位置して当該背面壁部32と対向し、各側面23が各側面壁部33と対向し、各側面24が各側面壁部34と対向する向きで、箱体30に挿入される。その後、側面壁部33が閉じられるとともに、該側面壁部33が、粘着テープなどの固定具により背面壁部32又は側面壁部34に固定される。こうして、緩衝体100によって保持された被包装物20が、緩衝体100とともに箱体30に収容された状態となる(
図7参照)。
【0055】
ここで、緩衝体100と箱体30とにより本実施形態に係る包装キット200(
図7)が構成されている。
すなわち、本実施形態に係る包装キット200は、本実施形態に係る緩衝体100と、箱体30と、を備え、箱体30は、折り曲げ状態の緩衝体100を収容可能である。
【0056】
また、包装キット200と被包装物20とにより本実施形態に係る包装体300が構成されている。
【0057】
より詳細には、
図7に示すように、折り曲げ状態の緩衝体100によって被包装物20を保持させるとともに、被包装物20及び緩衝体100が箱体30に収容された状態において、箱体30の壁面部のうち第2軸方向における第3対向部(係合片)3側(−Y方向側)の壁面部(前面壁部31)の互いに対向する二辺(
図7に示す辺31a)の各々に沿って、第3縁辺部13及び第4縁辺部14が延在する。
換言すれば、第3縁辺部13の外側の辺が、一方の辺31a(つまり前面壁部31と一方の側面壁部34との交線)に沿って延在するとともに、第4対向部4の外側の辺が、他方の辺31a(つまり前面壁部31と他方の側面壁部34との交線)に沿って延在する。
これにより、緩衝体100が箱体30内において、箱体30によって安定的に保持される。
【0058】
更に、
図8(a)に示すように、折り曲げ状態の緩衝体100によって被包装物20を保持させた状態において、第2軸方向にて第3対向部(係合片)3側から被包装物20を視たときに、外周枠部10が被包装物20の外周を囲んでいるとともに、第3対向部3が被包装物20の縁部(より詳細には四隅の各々)に位置し、被包装物20における第3対向部3側の面(前面21)は当該面の周縁部を除き緩衝体100から露出する。
ここで、上述のように、箱体30の前面壁部31は可視光透過性であり、好ましくは、箱体30の全体が可視光透過性である。すなわち、箱体30は、少なくとも第2軸方向における第3対向部3側の壁面部(前面壁部31)が可視光透過性である。
よって、箱体30に収容された被包装物20を第2軸方向にて第3対向部3側から視たときに、被包装物20の前面21の手前側には第3対向部3以外の緩衝体100の構成要素が実質的に存在せず、前面21のほぼ全面が緩衝体100から露出した状態となる。
よって、前面21の視認性が良好な状態で、包装体300を店頭などにおいて陳列することが可能となる。
【0059】
次に、緩衝体100を被包装物20に装着する動作を説明する。
先ず、被包装物20の背面22が緩衝体100の片面に接するとともに、第1縁辺部11の内縁が一方の側面23に位置合わせされるとともに第2縁辺部12の内縁が他方の側面23に位置合わせされるように、被包装物20と緩衝体100とを配置する。この際、被包装物20を緩衝体100の左右方向の中央に位置合わせする(
図3(a)参照)。
次に、4つの第3対向部3を被包装物20の前面21の四隅にそれぞれ係止させる。これにより、緩衝体100を被包装物20に装着することができる(
図3(b)参照)。
この際に、一対の第1対向部1(第1縁辺部11及び第2縁辺部12)はそれぞれ対応する側面23に沿ってV字状ないしはU字状に湾曲する。また、一対の第4対向部4は、それぞれ第3縁辺部13又は第4縁辺部14に対する付け根部分にて湾曲し、一対の側面24に沿って配置される。更に、対応する係合部7と第2係合部8とが係合する。
また、緩衝体100が装着された被包装物20を箱体30によって収容すると、被包装物20の六方向に向けて起立する緩衝体100のリブがそれぞれ箱体30の内面に当接又は近接する。
【0060】
ここで、各第4対向部4は、第3縁辺部13及び第4縁辺部14に対する付け根側から第2対向部2の連結部2a側に向かうにつれて広がっているとともに、交差延出部2bにおいて第4対向部4と対向する辺は第4対向部4に沿って湾曲している。このため、緩衝体100を被包装物20に装着する際に、容易に係合部7と第2係合部8とが係合しやすい。
また、第4対向部4の外形線が曲線状に形成されているため、被包装物20に対する緩衝体100の装着時に第4対向部4と交差延出部2bとが互いにスムーズに摺動でき、これらが相互に引っ掛かってしまうことを抑制できる。
また、各第3対向部3は一対の第1対向部1の各々から離間しているため、各第3対向部3は第1対向部1とは独立に曲げ変形することができる。よって、各第1対向部1を対応する側面23に沿って配置しつつも、各第3対向部3を前面21に沿って配置できるため、緩衝体100によって被包装物20を安定的に保持することができる。
【0061】
ここで、緩衝体100及び箱体30のそれぞれの寸法(
図9、
図6参照)は、被包装物20の寸法(
図2参照)に応じて、下記の範囲に設定することにより、各種効果を向上できる。なお、外周枠部10は、対向間隔A
1で隔てられた幅bの第3縁辺部13及び第4縁辺部14と、対向間隔B
1で隔てられた幅fの第1縁辺部11及び第2縁辺部12と、を備え、幅A
2、高さB
2の四角形状に形成されている。
【0062】
図9中、第3縁辺部13及び第4縁辺部14からの第4対向部4の延出長であるe、交差延出部2bと突出部5とを合わせた部分の連結部2aからの延出長であるg、第3縁辺部13と第4縁辺部14との対向間隔であるA
1、並びに一対の第1対向部1の対向間隔であるB
1は、被包装物20の寸法に基づいて定めることにより被包装物20の緩衝体100内での動きを抑制し、緩衝効果を向上できる。
【0063】
また
図9中、第3縁辺部13及び第4縁辺部14の幅b、突出部5の突出長c、第2突出部6の突出長d、並びに一対の第1対向部1(第1縁辺部11及び第2縁辺部12)の幅fは、被包装物20を箱体30の内壁から隔離する距離を司る寸法であるため、期待する緩衝効果と緩衝体100の材質、及び被包装物20の大きさや重さを考慮して設定することが好ましく、特に3.0〜10.0mmの範囲とすることが好ましい。当該範囲に設定することにより、優れた緩衝効果を得られるとともに被包装物20を緩衝体100に設置した時に緩衝体100の形状がより安定する。
【0064】
図6中、第3軸方向における箱体30の長さL
4、第2軸方向における箱体30の長さL
5、並びに第1軸方向における箱体30の長さL
6は、被包装体20をセットした緩衝体100の外寸法に基づいて定めることが好ましい。
【0065】
また下記式中、Kはクリアランスを示し、緩衝体100の材質、及び被包装物20の大きさや重さ、製造工程上の必要性等を考慮してそれぞれの箇所で定めることができるが、特に0.1〜3.0mmの範囲とすることが好ましい。当該範囲に設定することにより、被包装物20の緩衝体100内での動きを抑制し、緩衝効果を向上できる。
【0066】
下記式(1)にしたがってeを設定することが好ましい。L
2(
図2)は第2軸方向における被包装物20の長さである。
e=L
2+K ・・・(1)
このようにすることによって、第4対向部4によって被包装物20を安定して保持できる。
【0067】
下記式(2)にしたがって、gを設定することが好ましい。L
1(
図2)は第3軸方向における被包装物20の長さであり、aは第2対向部2の連結部2aの幅である。
g={(L
1−a)/2}+c+K ・・・(2)
このようにすることにより、第3軸方向における緩衝効果と背面方向における緩衝効果を高めることができる。
【0068】
下記式(3)にしたがって対向間隔A
1を設定することが好ましい。
A
1=2〔{(L
1−a)/2}
2+L
22〕
1/2+a+K ・・・(3)
このようにすることにより、各第1対向部1を被包装物20の各側面23に沿ってV字状ないしはU字状に湾曲させて緩衝体100を被包装物20に装着した際に、第3縁辺部13(及び第4対向部4)と第4縁辺部14(及び第4対向部4)が各側面24に近接して配置される。よって、一対の第4対向部4によって第3軸方向における被包装物20の動きを好適に抑制することができるとともに、緩衝体100の立体形状が安定する。
【0069】
下記式(4)にしたがって対向間隔B
1を設定することが好ましい。L
3(
図2)は第1軸方向における被包装物20の長さである。
B
1=L
3+K ・・・(4)
このようにすることにより、緩衝体100に対して相対的に被包装物20が第1軸方向に移動することを抑制できる。
なお、対向間隔B
1は長さL
3にほぼ等しいことが特に好ましい。
【0070】
下記式(5)にしたがって長さL
4を設定することが好ましい。
L
4=a+2g+K ・・・(5)
このようにすることにより、折り曲げ状態の緩衝体100が装着された被包装物20を箱体30に収容した際に、箱体30内で緩衝体100が第3軸方向及び第2軸方向において安定的に保持される。
【0071】
下記式(6)にしたがって長さL
5を設定することが好ましい。
L
5=L
2+d+(b
2−c
2)
1/2+K ・・・(6)
このようにすることにより、折り曲げ状態の緩衝体100が装着された被包装物20を箱体30に収容した際に、箱体30内で緩衝体100が第3軸方向及び第2軸方向において安定的に保持される。
【0072】
下記式(7)にしたがって長さL
6を設定することが好ましい。
長さB
2(
図9)は第3縁辺部13及び第4縁辺部14の長手寸法である。
L
6=B
2+K ・・・(7)
このようにすることにより、折り曲げ状態の緩衝体100が装着された被包装物20を箱体30に収容した際に、箱体30内で緩衝体100が第1軸方向において安定的に保持される。
長さL
6は、長さB
2にほぼ等しいことが好ましい。
【0073】
以上のような第1の実施形態によれば、緩衝体100は1枚のシート体により構成されており、折り曲げ状態では、一対の第1対向部1によって第1軸方向において被包装物20を挟持するとともに、第2対向部2と第3対向部3とによって第2軸方向において被包装物20を挟持することができる。
更に、一対の第1対向部1の各々が第1平面と第2平面とに対してそれぞれ起立する姿勢で、第1平面及び第2平面の面内方向にてそれぞれ湾曲し、且つ、第1軸方向に視たときにそれぞれ被包装物20と重なる位置に配置される。よって、被包装物20を基準として第1軸方向における両側の位置において、一対の第1対向部の各々によって良好な緩衝効果が得られる。
すなわち、1枚のシート体により構成されている簡単な構造の緩衝体100が単体で被包装物20を安定的に保持することができ、且つ、緩衝体100によって被包装物20を十分に保護することができる。
【0074】
また、折り曲げ状態では、係合部7と第2係合部8とが互いに略直交する状態で係合しているとともに、第2対向部2と第3対向部3とで被包装物20を挟持するため、緩衝体100が立体形状で安定的に被包装物20を保持することができる。
しかも、被包装物20の前面21を覆う緩衝体100の構成は実質的に第3対向部3のみとなるため、前面21のほぼ全域を緩衝体100から露出させた状態で包装体300をディスプレイすることができる。
つまり、緩衝体100は、被包装物20の前面21をほとんど覆わないにもかかわらず、被包装物20の六面すべてにおいて緩衝効果を発揮するため、高いディスプレイ性と緩衝効果を両立することができる。
【0075】
また、緩衝体100は単体のシート体により構成されているため、テープ止めや接着による貼りあわせ工程を必要としないとともに、折り曲げ加工も必要とせずに製造することができる。よって、緩衝体100は複数個の部品を用いて製造する必要が無いため簡単に製造できる。また、緩衝体100を被包装物20に装着する前に緩衝体100を組み立てる必要もないため、被包装物20に対する緩衝体100の装着作業も簡単に行うことができる。
加えて、被包装物20に装着する前の状態の緩衝体100は平らな一枚板の形態にしうるため、緩衝体100の保管や輸送を省スペースで行うことができるので、荷扱いが容易である。
【0076】
<変形例>
次に、
図10各図を用いて、第1の実施形態に係る緩衝体100の変形例を説明する。なお、各変形例に係る緩衝体100は、以下に説明する点で上記の第1の実施形態に係る緩衝体100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る緩衝体100と同様に構成されている。
【0077】
図10(a)に示す変形例1では、緩衝体100の第2対向部2は連結部2aを有していないとともに、緩衝体100は2つの第2対向部2を有し、第2対向部2の各々は第1縁辺部11及び第2縁辺部12の内側に連接されている。2つの第2対向部2は、互いの方向に向けて延出しており、且つ、互いの先端どうしが離間している。
【0078】
図10(b)に示す変形例2では、緩衝体100は一対の第4対向部4を有していないとともに、第2突出部6及び第2係合部8も有していない。
【0079】
図10(c)に示す変形例3では、緩衝体100は、第2対向部2が交差延出部2bを有していないとともに、突出部5及び係合部7も有していない。
【0080】
図10(d)に示す変形例4では、緩衝体100は、係合部7を有していないとともに、第2突出部6及び第2係合部8を有していない。
【0081】
図10(e)に示す変形例5では、緩衝体100は、係合部7及び第2係合部8を有していない。
【0082】
〔第2の実施形態〕
次に、
図11から
図13を用いて第2の実施形態を説明する。
本実施形態に係る緩衝体100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る緩衝体100と相違する。なお、本実施形態に係る緩衝体100において、第1の実施形態に係る緩衝体100と同様の構成については、適宜に説明を省略する。
【0083】
本実施形態の場合、緩衝体100は、2つの第2対向部2を有し、第2対向部2の各々は第1縁辺部11及び第2縁辺部12の内側に連接されている。2つの第2対向部2は、互いの方向に向けて延出しており、且つ、互いの先端どうしが離間している。従って、第2対向部2は、連結部2aを有していない。更に、第2対向部2は、交差延出部2bを有していない。
そして、本実施形態の場合、外周枠部10の内側の開口9は、一繋がりの単一の開口9となっている。
更に、本実施形態場合、緩衝体100は、突出部5、係合部7及び第2係合部8を有していない。
【0084】
本実施形態の場合も、緩衝体100を被包装物20の外面に沿わせて折り曲げ変形させることにより、
図12(a)〜(d)並びに
図13(a)及び(b)に示すように、緩衝体100を折り曲げ状態とするとともに、緩衝体100を被包装物20に装着することができる。
【0085】
本実施形態に係る緩衝体100は、一対の第1対向部1(第1縁辺部11、第2縁辺部12)、第2対向部2、第3対向部3、一対の第4対向部4、第2突出部6、外周枠部10(第1縁辺部11、第2縁辺部12、第3縁辺部13、第4縁辺部14)及び罫線15を有しており、これらを有することによる効果を第1の実施形態と同様に得られる。
【0086】
なお、本実施形態に係る包装キットは、本実施形態に係る緩衝体100と、上述の箱体30(
図6)と、を備えている。
また、本実施形態に係る包装体は、本実施形態に係る包装キットと、被包装物20と、を備えている。
【0087】
〔第3の実施形態〕
次に、
図14を用いて第3の実施形態を説明する。
本実施形態に係る緩衝体100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る緩衝体100と相違する。なお、本実施形態に係る緩衝体100において、第1の実施形態に係る緩衝体100と同様の構成については、適宜に説明を省略する。
【0088】
本実施形態の場合、緩衝体100は、第3縁辺部13及び第4縁辺部14を有しておらず、第1縁辺部11と第2縁辺部12は互いの端部どうしが離間している。したがって、緩衝体100は、矩形状の外周枠部10を有していない。
更に、緩衝体100は、第4対向部4、第2突出部6、第2係合部8、交差延出部2b、突出部5及び係合部7を有していない。
また、第3対向部3は、第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々の内側に連接されている。
【0089】
図示は省略するが、本実施形態の場合も、緩衝体100を被包装物20(
図2参照)の外面に沿わせて折り曲げ変形させることにより、緩衝体100を折り曲げ状態とするとともに、緩衝体100を被包装物20に装着することができる。
【0090】
本実施形態に係る緩衝体100は、一対の第1対向部1(第1縁辺部11、第2縁辺部12)、第2対向部2、第3対向部3及び罫線15を有しており、これらを有することによる効果を第1の実施形態と同様に得られる。
【0091】
本実施形態の場合、第1対向部1の端部1aが第1対向部1の長手方向において第3対向部3よりも先端側に突出している。
そして、折り曲げ状態では、第1対向部1の各端部1aは、第3軸方向において被包装物20から突出するようになっていることが好ましい。このようにすることにより、第3軸方向において端部1aにより緩衝効果が得られる。
更に、折り曲げ状態では、第1対向部1の端部1aは、第2軸方向にて被包装物20から第2対向部2側とは反対側に突出するようになっていることが好ましい。このようにすることにより、第2軸方向において端部1aにより緩衝効果が得られる。
【0092】
なお、本実施形態に係る包装キットは、本実施形態に係る緩衝体100と、上述の箱体30(
図6)と、を備えている。
また、本実施形態に係る包装体は、本実施形態に係る包装キットと、被包装物20(
図2)と、を備えている。
【0093】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、被包装物20の形状は直方体形状に限らず、扁平な円柱形状など、その他の形状のものであっても良い。
被包装物20が扁平な円柱形状である場合、軸方向の両面は平坦であっても良いし、軸方向の両面のうちの少なくとも一方の周縁部は面取りされていても良い。また、軸方向の片面(第2対向部2により保持される面)は、凸曲面状であっても良い。
また、被包装物20は、化粧料のリフィルであっても良い。化粧料のリフィルは、金皿に収容された形態のものであっても良い。
【0094】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>互いに並列に延在している第1縁辺部及び第2縁辺部と、前記第1縁辺部における両端間の中間部から前記第2縁辺部側に向けて延出している延出部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との間領域であって前記第1縁辺部及び前記第2縁辺部の各々の端部近傍の位置に配置された係合片と、を備え、前記第1縁辺部、前記第2縁辺部、前記延出部及び前記係合片が、1枚の平坦なシート体の一部分ずつにより構成されている緩衝体。
<2>前記平坦なシート体は、前記第1縁辺部と、前記第2縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との一端部どうしを連結している第3縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との他端部どうしを連結している第4縁辺部と、を有する枠体を含む<1>に記載の緩衝体。
<3>前記係合片は、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部からそれぞれ前記間領域に向けて突出している<2>に記載の緩衝体。
<4>前記平坦なシート体は、更に、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々から、前記係合片の突出長よりも長い延出長にて前記間領域に向けて延出している一対の第2延出部を含んでいる<3>に記載の緩衝体。
<5>前記平坦なシート体は、更に、前記延出部から前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部に向けてそれぞれ延出している第3延出部を含んでいる<2>から<4>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<6>前記延出部は、前記第1縁辺部における両端間の中間部と、前記第2縁辺部における両端間の中間部と、に亘って延在し、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部とを相互に連結している<1>から<5>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<7>被包装物が、前面と、前面に対して反対側を向く背面と、互いに反対側を向く第1の対の側面と、互いに反対側を向く第2の対の側面とを有し、当該緩衝体を折り曲げて、当該緩衝体によって前記被包装物を保持した折り曲げ状態では、前記背面に前記延出部が配置され、前記前面に前記係合片が配置されており、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との各々が、前記第1の対の側面の一方ずつに沿って配置され、且つ、前記前面側から前記背面側に延びている<1>から<6>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<8>前記平坦なシート体は、更に、前記第1縁辺部と、前記第2縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との一端部どうしを連結している第3縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との他端部どうしを連結している第4縁辺部と、を有する枠体と、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々から、前記間領域に向けて延出している一対の第2延出部と、を備え、前記係合片は、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部からそれぞれ前記間領域に向けて突出しており、前記一対の第2延出部は、前記係合片の突出長よりも長い延出長にて前記間領域に向けて延出しており、前記折り曲げ状態では、前記一対の第2延出部は、前記第2の対の側面の一方ずつに沿って配置される<7>に記載の緩衝体。
<9>前記折り曲げ状態では、前記一対の第2延出部の先端部は、前記背面よりも突出する<8>に記載の緩衝体。
<10>当該平坦なシート体は、更に、前記第1縁辺部と、前記第2縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との一端部どうしを連結している第3縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との他端部どうしを連結している第4縁辺部と、を有する枠体と、前記延出部から前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部に向けてそれぞれ延出している第3延出部と、を含み、前記折り曲げ状態では、前記第3延出部の各々は、前記背面に沿って配置され、且つ、前記第3延出部の先端部は、前記第2の対の側面の一方ずつよりも突出する<7>から<9>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<11>前記平坦なシート体は、更に、前記第1縁辺部と、前記第2縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との一端部どうしを連結している第3縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との他端部どうしを連結している第4縁辺部と、を有する枠体を含み、前記折り曲げ状態では、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々は、前記第2の対の側面の一方ずつよりも突出する<7>から<10>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<12>前記平坦なシート体は、更に、前記第1縁辺部と、前記第2縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との一端部どうしを連結している第3縁辺部と、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部との他端部どうしを連結している第4縁辺部と、を有する枠体を含み、前記折り曲げ状態では、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々は、前記前面よりも突出する<7>から<11>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<13><1>から<12>のいずれか一項に記載の緩衝体と、箱体と、を備え、前記緩衝体は、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部とが第1軸方向において互いに対向配置されて被包装物を挟持するとともに、前記延出部と前記係合片とが前記第1軸方向に対して直交する第2軸方向において互いに対向配置されて前記被包装物を挟持する特定形態に折り曲げ変形可能であり、前記緩衝体を前記特定形態に折り曲げた折り曲げ状態では、前記第1縁辺部及び前記第2縁辺部の各々は、前記第1軸方向における前記被包装物の一端と他端とをそれぞれ通り且つ前記第1軸方向に対して直交する第1平面と第2平面とに対してそれぞれ起立する姿勢で、前記第1平面及び前記第2平面の面内方向にてそれぞれ湾曲し、且つ、前記第1軸方向に視たときにそれぞれ前記被包装物と重なる位置に配置されるようになっており、前記箱体は、前記折り曲げ状態の前記緩衝体を収容可能である包装キット。
<14><13>に記載の包装キットと、前記被包装物と、を備える包装体。
<A1>1枚のシート体により構成されている緩衝体であって、第1軸方向において互いに対向配置されて被包装物を挟持する一対の第1対向部と、前記第1軸方向に対して直交する第2軸方向において互いに対向配置されて前記被包装物を挟持する第2対向部及び第3対向部と、を含む特定形態に折り曲げ変形可能であり、当該緩衝体を前記特定形態に折り曲げた折り曲げ状態では、前記一対の第1対向部の各々は、前記第1軸方向における前記被包装物の一端と他端とをそれぞれ通り且つ前記第1軸方向に対して直交する第1平面と第2平面とに対してそれぞれ起立する姿勢で、前記第1平面及び前記第2平面の面内方向にてそれぞれ湾曲し、且つ、前記第1軸方向に視たときにそれぞれ前記被包装物と重なる位置に配置される緩衝体。
<A2>前記折り曲げ状態では、前記第2対向部は、前記第2軸方向に対して直交し、前記被包装物における当該第2対向部側の端部に沿って配置される<A1>に記載の緩衝体。
<A3>前記折り曲げ状態では、前記第3対向部は、前記被包装物における当該第3対向部側の面の縁部に沿って配置される<A1>又は<A2>に記載の緩衝体。
<A4>前記第2対向部は、前記一対の第1対向部の相互間に亘って延在し、前記一対の第1対向部どうしを連結している<A1>から<A3>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<A5>前記第2対向部に連接された突出部を更に有し、前記折り曲げ状態において、前記突出部は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向の双方に対して直交する第3軸方向にて前記被包装物から突出する<A1>から<A4>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<A6>当該緩衝体は、平坦な状態において、互いに平行に延在するとともに対向する第1縁辺部及び第2縁辺部と、前記第1縁辺部及び前記第2縁辺部に対して直交する方向に延在するとともに互いに対向する第3縁辺部及び第4縁辺部と、を含む矩形状の外周枠部を有し、前記第1縁辺部と前記第2縁辺部とにより前記一対の第1対向部の一方ずつが構成されている<A1>から<A5>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<A7>前記折り曲げ状態では、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向の双方に対して直交する第3軸方向における一方ずつに前記被包装物から突出する<A6>に記載の緩衝体。
<A8>前記折り曲げ状態では、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々は、前記第2軸方向にて前記被包装物から前記第2対向部側とは反対側に突出する<A6>又は<A7>に記載の緩衝体。
<A9>前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々の内側に前記第3対向部が連接されている<A6>から<A8>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<A10>当該緩衝体は、平坦な状態において、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部の各々の内側に連接された一対の第4対向部を更に有し、前記折り曲げ状態では、前記一対の第4対向部は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向の双方に対して直交する第3軸方向において互いに対向配置されて前記被包装物を挟持する<A6>から<A9>のいずれか一項に記載の緩衝体。
<A11>前記一対の第4対向部の少なくとも一方に連接された第2突出部を更に有し、前記折り曲げ状態において、前記第2突出部は、前記第2軸方向にて前記第3対向部側とは反対側に前記被包装物から突出する<A10>に記載の緩衝体。
<A12>前記第2対向部に連接された突出部と、前記一対の第4対向部の少なくとも一方に連接された第2突出部と、を更に有し、前記突出部には係合部が形成され、前記第2突出部には第2係合部が形成され、前記折り曲げ状態において、前記突出部は、前記第3軸方向にて前記被包装物から突出し、前記第2突出部は、前記第2軸方向にて前記第3対向部側とは反対側に前記被包装物から突出し、前記係合部と前記第2係合部とが互いに係合し、前記第2突出部の突出方向への前記突出部の移動が規制されるとともに、前記突出部の突出方向への前記第2突出部及び前記第4対向部の移動が規制される<A10>に記載の緩衝体。
<A13><A1>から<A12>のいずれか一項に記載の緩衝体と、前記折り曲げ状態の前記緩衝体を収容可能な箱体と、を備える包装キット。
<A14><A13>に記載の包装キットと、前記被包装物と、を備える包装体。
<A15><A6>から<A12>のいずれか一項に記載の緩衝体と、前記折り曲げ状態の前記緩衝体を収容可能な箱体と、前記被包装物と、を備え、前記箱体は直方体形状であり、前記折り曲げ状態の前記緩衝体によって前記被包装物を保持させるとともに、前記被包装物及び前記緩衝体が前記箱体に収容された状態において、前記箱体の壁面部のうち前記第2軸方向における前記第3対向部側の壁面部の互いに対向する二辺の各々に沿って、前記第3縁辺部及び前記第4縁辺部が延在する包装体。
<A16>前記折り曲げ状態の前記緩衝体によって前記被包装物を保持させた状態において、前記第2軸方向にて前記第3対向部側から前記被包装物を視たときに、前記外周枠部が前記被包装物の外周を囲んでいるとともに、前記第3対向部が前記被包装物の縁部に位置し、前記被包装物における前記第3対向部側の面は周縁部を除き前記緩衝体から露出し、前記箱体は、少なくとも前記第2軸方向における前記第3対向部側の壁面部が可視光透過性である<A15>に記載の包装体。