(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定部材は、前記導光板のうち互いに異なる組み合わせの隣接する2つの光源間の前方に各々位置し且つ前記複数の光源の配列方向に沿って間隔を空けて位置する複数の領域に接着される
請求項1〜4のいずれか一つに記載の面状照明装置。
前記接着工程において、櫛歯状の部材と平坦面を有する部材との間に前記導光板および前記固定部材を配置した状態で、前記平坦面を有する部材を超音波振動させて前記複数の領域に前記固定部材を超音波溶着する、請求項11に記載の面状照明装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る面状照明装置および面状照明装置の製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により面状照明装置および面状照明装置の製造方法の用途が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、説明を分かりやすくするために、各図面には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示する場合がある。
【0010】
<面状照明装置の概要>
まず、面状照明装置10の概要について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る面状照明装置10の外観の一例を示す平面図である。
図1に示すように、実施形態に係る面状照明装置10は、遮光シート30で覆われていない出射領域である有効エリア40から光を出射する。すなわち、遮光シート30により、有効エリア40が規定される。
【0011】
実施形態に係る面状照明装置10は、液晶表示装置のバックライトとして用いられる。かかる液晶表示装置は、例えば、スマートフォンに用いられる。
【0012】
なお、
図1において、右側の遮光シート30よりも左側の遮光シート30のほうが、幅が広い。これは、右側の遮光シート30は、後述するFPC(Flexible Printed Circuit)12やLED14などが含まれない比較的狭い領域を覆う一方で、左側の遮光シート30は、後述するFPC12やLED14などを含む比較的広い領域を覆うためである。左側の遮光シート30の幅は、例えば、2.5mm以下である。
【0013】
<面状照明装置の詳細な構成>
つづいて、面状照明装置10の詳細な構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、
図1のA−A線に沿った断面の一例を示す図である。
図2に示すように、面状照明装置10は、フレーム11と、FPC12と、固定部材13と、複数のLED14と、接続部材15と、導光板16と、拡散シート17と、プリズムシート18と、反射シート19と、固定部材20と、固定部材21と、固定部材22と、遮光シート30とを含む。なお、
図2に示す例では、FPC12とLED14とを接続するはんだは図示していない。
【0014】
フレーム11は、FPC12と、固定部材13と、複数のLED14と、接続部材15と、導光板16と、拡散シート17と、プリズムシート18と、反射シート19と、固定部材20と、固定部材21と、固定部材22とを収納する部材である。フレーム11は、剛性が大きい、例えば、ステンレス製の板金フレームである。フレーム11は、底部11aと、側壁部11bとを有する。
【0015】
底部11aは、導光板16の後述する主面16cに沿って広がる部位である。底部11aは、床面11cを有する。床面11cは、LED14や導光板16を接続部材15や固定部材21,22を介して支持する。側壁部11bは、導光板16の後述する側面16aの長手方向に沿って、導光板16から光が出射する方向(床面11cの法線方向)に向けて底部11aから一体に立ちあがる部位である。側壁部11bは、側面11dを有する。
【0016】
FPC12は、2つの主面12a,12bを有し、一方の主面12aに、複数のLED14が実装される基板である。FPC12には所定の配線パターン(図示せず)が形成されており、かかる配線パターンを介して、外部電源(図示せず)からの電力がLED14に供給され、LED14を発光させることができる。なお、FPC12は、基板の一例であって、硬質性(リジッド)の基板であってもよい。
【0017】
固定部材13は、フレーム11の側面11dに対してFPC12を固定させる部材である。固定部材13は、例えば、両面テープである。そして、固定部材13の一方の面がFPC12の主面12aとは反対側の主面12bに貼り付けられ、他方の面が側面11dに貼り付けられることにより、側面11dに対してFPC12が固定される。
【0018】
LED14は、点状の光源(点状光源)である。LED14は、例えば、青色LEDと黄色蛍光体とからなる疑似白色LEDである。LED14は、全体として直方体状に形成され、FPC12に実装される面と反対側の面に発光面14aを有する、いわゆるトップビュー型のLEDである。
【0019】
LED14は、複数設けられる。また、複数のLED14は、その発光面14aを、導光板16の側面16aに対向させた状態で、側面16aの長辺方向(Y軸方向)に沿って配列される。そして、複数のLED14は、側面16aに向けて光を発する。このように、複数のLED14は、側面16aに入射される光を発する。
【0020】
接続部材15は、例えば、片面に粘着面を有する短冊状の片面テープである。接続部材15は、例えば、基材および粘着層を含む。接続部材15の基材は、例えば、PET(Polyethylene Terephthalate)である。接続部材15の粘着層は、例えば、シリコンやアクリルであり、LED14の床面11c側の面の少なくとも一部に接着される。なお、接続部材15は、片面テープに限定されず、例えば、両面テープなどであってもよい。
【0021】
導光板16は、透明材料(例えば、ポリカーボネート樹脂)を用いて平板状に形成されている。導光板16は、その外表面に、側面16aと、2つの主面16b,16cとを有する。
【0022】
側面16aは、LED14の発光面14aからLED14が発した光が入射される入射面である。また、主面16bは、側面16aから入射された光が外方に出射される出射面である。さらに、主面16bとは反対側の面である主面16cには、例えば、複数のドットからなる光路変更パターンが形成されている。
【0023】
かかる光路変更パターンを形成することにより、導光板16の中を進む光の進行方向が変更されて、主面16bから効率的に光が出射される。すなわち、実施形態に係る面状照明装置10は、いわゆるエッジライト型の照明装置である。
【0024】
拡散シート17は、導光板16の主面16b側に配置され、主面16bから出射される光を拡散する。具体例を挙げて説明すると、拡散シート17は、主面16bおよびLED14の床面11cとは反対側の面の少なくとも一部を覆うように配置され、主面16bから出射された光を拡散する。
【0025】
プリズムシート18は、拡散シート17に対して導光板16とは反対側に配置され、拡散シート17により拡散された光の配光制御を行って、配光制御が行われた光を出射する。
【0026】
遮光シート30は、プリズムシート18の側壁部11b側の一部を覆うように配置され、導光板16の主面16bのうちの一部の領域から出射される光を遮ることにより、面状照明装置10から光が出射される有効エリア40(
図1参照)を規定する。
【0027】
反射シート19は、導光板16の主面16b(出射面)とは反対側の主面16cから漏れた光を反射して、再度導光板16に戻す。反射シート19は、固定部材20によりフレーム11の床面11c上に固定された状態で、導光板16の主面16cと床面11cとの間に配置される。
【0028】
固定部材20は、例えば、白色の両面テープであり、一方の面が反射シート19の一部に貼り付けられ、他方の面が固定部材22に貼り付けられる。これにより、固定部材20および固定部材22を介して反射シート19が床面11c上に固定される。
【0029】
固定部材21は、短冊状の固定部材であり、導光板16と固定部材22(他の部材の一例)との間に配置され、導光板16と固定部材22とに接着される。固定部材21は、固定部材22と対向する一方の面21aが平坦面であり、導光板16の主面16cと対向する他方の面21bも平坦面である。
図3は、実施形態に係る固定部材21の構成の一例を示す図である。
【0030】
固定部材21は、低温(例えば、80度〜100度)で活性化する熱活性部材を含む。例えば、固定部材21は、熱活性両面接着テープ、またはエストラマーである。熱活性両面接着テープは、例えば、基材を有さず低温活性粘着剤で構成される熱活性両面接着フィルム、ポリウレタンコート紙またはポリエチレンコート紙に低温活性粘着剤が塗布されて構成されるテープ、またはアクリルの不織布に低温活性粘着剤が塗布されて構成されるテープである。また、エストラマーは、例えば、熱硬化性エラストマー(例えば、熱硬化性樹脂系エラストマー)、または、熱可塑性エラストマーである。
【0031】
固定部材21は、単位面積あたりの接着強度が高いほど好適である。熱活性両面接着テープは、エストラマーよりも単位面積あたりの接着強度を高くすることができ、固定部材21として熱活性両面接着テープを用いることが好適である。
【0032】
図2に示す固定部材22は、例えば、片面に粘着層を有する片面テープである。例えば、基材および粘着層を含む。固定部材22の基材は、例えば、PETである。固定部材22の粘着層は、例えば、シリコンやアクリルである。なお、固定部材22は、片面テープに限定されず、例えば、両面テープなどであってもよい。
【0033】
固定部材22は、固定部材21よりも面積が大きく、フレーム11の床面11cに一方の面22aが接着される。固定部材21は、固定部材22の他方の面22bのLED14側の端部に一方の面21aが溶着され、他方の面21bのうち導光板16の後述の複数の領域16d(
図4参照)に対向する後述の複数の領域21c(
図7参照)が導光板16の複数の領域16dに溶着される。なお、各面21a,21b,22a,22bは平坦面である。
【0034】
図2に示すように、導光板16は、固定部材21,22によって、LED14とは独立してフレーム11に固定される。そのため、LED14を取り外すことなく、導光板16側のユニット(例えば、反射シート19、固定部材20、および固定部材21,22を含むユニット)を取り外すことが可能となる。これにより、導光板16を含むユニットを取り替えるリワークを容易に行うことができる。
【0035】
図4は、実施形態に係る面状照明装置10におけるLED14、導光板16、および固定部材21の関係を示す図である。
図4に示すように固定部材21は、導光板16のLED14寄りの領域16fに対向して配置され、領域16fに対向する一部の領域が溶着される。
【0036】
具体的には、固定部材21は、導光板16のうち互いに異なる組み合わせの隣接する2つのLED14間の前方(X軸正方向)に各々位置し且つ複数のLED14の配列方向(Y軸方向)に沿って間隔を空けて位置する複数の領域16dに溶着されて固定される。複数の領域16dへの固定部材21の溶着は、超音波溶着によって行われる。
【0037】
このように、固定部材21が導光板16に溶着されるため、従来の粘着性の固定部材を用いる固定よりも導光板16への接着強度を高めることができる。そのため、導光板16のうちフレーム11への固定に用いられる領域16dが狭額縁化に伴って小さくなった場合であっても、必要な接着強度を確保することができる。
【0038】
また、導光板16の主面16cにおける領域16fのうち溶着される領域16d間に位置する領域16eは、固定部材21が溶着されないため、固定部材21と複数の領域16eとの間には空気層が存在する。そのため、固定部材21がLED14の発光面14aから出射される光の進行に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0039】
また、固定部材22は、溶着ではなく粘着によってフレーム11に接続されるため、フレーム11と固定部材22との間の単位面積当たりの接着強度は、導光板16と固定部材21との間の単位面積当たりの接着強度に比べて低い。そのため、固定部材21が溶着した状態の導光板16をフレーム11から取り外すことができ、LED14を取り外すことなく、導光板16を含むユニットを取り替えることができる。なお、固定部材22は面積が大きい上に一方の面22a全体でフレーム11の床面11cに接着されるため、固定部材22とフレーム11との接着強度は確保される。
【0040】
ここで、実施形態に係る面状照明装置10の製造方法として、導光板16に固定部材21を溶着する方法を説明する。
図5〜
図7は、実施形態に係る導光板16に固定部材21を溶着する方法の一例を示す図である。
【0041】
図5に示すように、導光板16の主面16c上に固定部材21、固定部材22、および剥離紙27を順に配置する。このとき、固定部材21は導光板16の主面16cに対向する状態である。なお、剥離紙27は、固定部材22の一方の面22aに形成された粘着層に剥離可能に取り付けられている。
【0042】
次に、
図6に示すように、固定部材21を主面16cに載置した状態の導光板16を超音波溶着装置50のアンビル51の平坦面51c上に配置する。その後、剥離紙27上に超音波溶着装置50のホーン52を押しつけ、ホーン52を超音波振動させる。
図6に示す例では、ホーン52は、櫛歯状の部材であり、直方体状の基体部52aと、基体部52aの下方に設けられ互いに間隔を空けて配置される直方体状の複数のティース部52bとを備える。
【0043】
複数のティース部52bの各々は、複数の領域16d(
図4参照)のうち対応する領域16dの直下に配置される。そのため、
図7に示すように、固定部材21のうち複数の領域16dと対向する複数の領域21cが超音波振動によって活性化して導光板16の主面16cのうち複数の領域16dに溶着される。また、固定部材21の一方の面21aのうち
図7において複数の領域21cの上方に位置する複数の領域21dが活性化して固定部材22に溶着される。
【0044】
このように、アンビル51およびホーン52を有する超音波溶着装置50によって、固定部材21を導光板16の複数の領域16dに超音波溶着する溶着工程を実行することができる。導光板16の主面16cに固定部材21が溶着されることから、導光板16の主面16cに粘着性の固定部材を接着する場合に比べ、接着強度を向上させることができる。そのため、固定部材21が接着される領域16dを幅狭にすることができ、導光板16の主面16cに粘着性の固定部材を接着する場合に比べ、更なる狭額縁化を図ることができる。また、固定部材21は、短冊状に形成され、個々の領域16dに対応して分離されておらず連続体として形成されていることから、取り扱いが容易である。したがって、面状照明装置10の組み立て作業性を向上させることができる。なお、固定部材21が導光板16の側面16aの長手方向に沿って複数個に分割されていてもよいことは言うまでもないことである。
【0045】
また、固定部材21の複数の領域21dは固定部材22に溶着されるため、固定部材21と固定部材22との接着強度を向上させることができる。また、固定部材22の一方の面22aは、固定部材21の一方の面21aよりも面積が大きく、かかる一方の面22a全体でフレーム11の床面11cに接着されるため、導光板16とフレーム11との接着強度を確保することができる。また、固定部材22は、粘着材により床面11cに接着されるため、比較的容易に剥がすこともできる。
【0046】
上述した例では、ホーン52を櫛歯状に形成し、アンビル51を直方体状に形成したが、ホーン52およびアンビル51の形状は、
図6に示す例に限定されない。
図8は、
図6に示す超音波溶着装置50とは異なる超音波溶着装置50を用いて導光板16に固定部材21を溶着する方法の一例を示す図である。
【0047】
図8に示す超音波溶着装置50のアンビル51は、櫛歯状に形成されており、直方体状の基体部51aと、基体部51aから突出して互いに間隔を空けて配置される直方体状の複数のティース部51bとを備える。また、
図8に示すホーン52は、平坦面52cを有する矩形状の部材であり、平坦面52cがアンビル51と対向する。
【0048】
アンビル51のティース部51b上には、剥離紙27、固定部材22、固定部材21、および導光板16が順に積層されて配置される。その後、導光板16の主面16b上に超音波溶着装置50のホーン52の平坦面52cを押しつけ、ホーン52を超音波振動させる。
【0049】
これにより、固定部材21のうちアンビル51の各ティース部51bとホーン52の平坦面52cとに挟まれた領域が超音波振動によって活性化する。そのため、
図6に示す例の場合と同様に、固定部材21のうち複数のティース部51bの各々の上方に位置する複数の領域21c(
図7参照)が導光板16の複数の領域16dに溶着される。また、固定部材21のうち複数のティース部51bの各々の上方に位置する複数の領域21d(
図7参照)が超音波振動によって活性化して固定部材22に溶着される。
【0050】
図8に示す超音波溶着装置50の場合、超音波振動されるホーン52の形状がシンプルな形状である。そのため、ホーン52が櫛歯状である場合に比べ安価なホーン52を用いることができ、面状照明装置10の製造コストを抑えることができる。
【0051】
また、固定部材21は、上述した構成に限定されない。
図9は、実施形態に係る固定部材21の他の構成例を示す図である。
図10は、
図1のA−A線に沿った断面の他の例を示す図であり、
図9に示す固定部材21を用いた構成である場合の例を示している。
【0052】
図9および
図10に示す固定部材21は、短冊状の固定部材である。かかる固定部材21は、一方の面21aが平坦面であり、他方の面21bにLED14の配列方向(Y軸方向)に間隔を空けて複数の突出部21eが形成された短冊状の部材である。
【0053】
図10に示す例では、固定部材21は、フレーム11の床面11cに一方の面23aが溶着される第1の接続部材23と、第1の接続部材23の他方の面23bに一方の面24aが各々溶着され、LED14の配列方向(Y軸方向)に間隔を空けて配置される複数の第2の接続部材24とを備える。そして、複数の突出部21eは、複数の第2の接続部材24によって形成される。なお、上述した固定部材21の他方の面21bは、第1の接続部材23の他方の面23bの一部と第2の接続部材24の他方の面24bとで構成される。
【0054】
第1の接続部材23は、低温(例えば、80度〜100度)で活性化する熱活性接続部材である。例えば、第1の接続部材23は、熱硬化性エラストマー(例えば、熱硬化性樹脂系エラストマー)、または、熱可塑性エラストマーである。第1の接続部材23の一方の面23aがフレーム11の床面11cに溶着される。
【0055】
第2の接続部材24は、低温(例えば、80度〜100度)で活性化する熱活性部材であり、例えば、熱活性両面接着テープである。熱活性両面接着テープは、例えば、基材を有さず低温活性粘着剤で構成される熱活性両面接着フィルム、ポリウレタンコート紙またはポリエチレンコート紙に低温活性粘着剤が塗布されて構成されるテープ、アクリルの不織布に低温活性粘着剤が塗布されて構成されるテープなどである。第2の接続部材24の他方の面24bが導光板16の主面16cに溶着される。
【0056】
図11は、実施形態に係るフレーム11と導光板16とに
図9に示す固定部材21を溶着する方法の一例を示す図である。
図11に示すように、超音波溶着装置50のアンビル51の平坦面51c上に、フレーム11、固定部材21、および導光板16が順に配置された状態で、ホーン52の平坦面52cを導光板16に押しつけ、ホーン52を超音波振動させる。
【0057】
これにより、第1の接続部材23は、一方の面23aのうち複数の第2の接続部材24の下方に各々位置する複数の領域が活性化してフレーム11の床面11cに溶着される。また、各第2の接続部材24の他方の面24bは、活性化して導光板16の主面16cに溶着される。固定部材21は、短冊状に形成されており、個々の領域16dに対応して分離されていないことから、取り扱いが容易である。したがって、面状照明装置10では、組み立て作業性を向上させることができる。
【0058】
第1の接続部材23がエストラマーで構成される場合、第1の接続部材23が熱活性両面接着テープである場合に比べて、フレーム11に溶着した第1の接続部材23をフレーム11から取り外し易い。そのため、例えば、リワークによって面状照明装置10から導光板16を含むユニット(固定部材21を含む)を容易に取り外すことができる。
【0059】
図11に示す例では、ホーン52およびアンビル51の形状が共にシンプルな形状になるため、ホーン52またはアンビル51が櫛歯状である場合に比べ安価な超音波溶着装置を用いることができ、面状照明装置10の製造コストを抑えることができる。なお、
図9に示す固定部材21を導光板16とフレーム11とに溶着する場合、ホーン52またはアンビル51の一方が櫛歯状であってもよい。この場合、ティース部51bまたはティース部52bを上下方向で第2の接続部材24と一致する位置に配置する。
【0060】
また、
図9および
図10に示す固定部材21では、第1の接続部材23の他の面23bに複数の第2の接続部材24を配置したが、かかる例に限定されない。例えば、固定部材21は、第1の接続部材23の他の面23bに平面視で第1の接続部材23と同形の第2の接続部材24を重ねた構成であってもよい。この場合、
図6または
図8に示す超音波溶着装置50を用いて固定部材21を導光板16とフレーム11とに溶着する。これによっても、
図9および
図10に示す固定部材21と同様に、リワークの際に面状照明装置10から固定部材21を含むユニット(固定部材21を含む)を容易に取り外すことができる。
【0061】
上述した例では、面状照明装置10は、トップビュー型のLEDを用いた構成であるが、サイドビュー型のLEDを用いた構成であってもよい。
図12は、
図1のA−A線に沿った断面の他の例を示す図であり、
図1に示す面状照明装置10がサイドビュー型のLEDを用いた構成である場合の例を示している。
図13は、
図12に示す面状照明装置10におけるLED14、導光板16、および固定部材21の関係を示す図である。なお、
図2に示す面状照明装置10と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、
図2に示す面状照明装置10と異なる点を中心に説明する。
【0062】
図12に示す面状照明装置10は、発光面14aとFPC12への実装面とが直交する、いわゆるサイドビュー型のLED14を有し、FPC12の主面12aの一部が導光板16に対向する位置にFPC12が配置される。導光板16は、LED14の光軸と導光板16の光軸とが一致された状態で、固定部材21によってFPC12の主面12aに固定される。なお、LED14ははんだ26によってFPC12の一方の主面12aに実装されている。
【0063】
固定部材21は、
図12および
図13に示すように、導光板16の主面16cのうちLED14寄りの領域16fのうちの一部に固定される。具体的には、固定部材21は、導光板16のうち互いに異なる組み合わせの隣接する2つのLED14間の前方(X軸正方向)に各々位置し且つ複数のLED14の配列方向(Y軸方向)に沿って間隔を空けて位置する複数の領域16dに溶着されて固定される。複数の領域16dへの固定部材21の溶着は、超音波溶着によって行われる。なお、固定部材21が固定される導光板16の領域は、主面16cに限定されない。例えば、FPC12は、出射面(主面16b)側に配置されていてもよい。この場合、固定部材21は、例えば、主面16bに固定される。
【0064】
このように、固定部材21が導光板16とFPC12とに各々溶着されるため、導光板16およびFPC12への接着強度を高めることができる。そのため、導光板16のうちFPC12への固定に用いられる領域16dが狭額縁化に伴って小さくなった場合であっても、必要な接着強度を確保することができる。また、領域16d間に位置する領域16eは、固定部材21が溶着されないため、固定部材21がLED14の発光面14aから出射される光の進行に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0065】
ここで、
図12および
図13に示す面状照明装置10の製造方法として、FPC12と導光板16とを固定部材21を用いて固定する方法を説明する。
図14および
図15は、実施形態に係るFPC12と導光板16とを固定部材21を用いて固定する方法の一例を示す図である。
【0066】
図14に示すように、FPC12の主面12aと導光板16の主面16cとの間に、固定部材21を配置する。なお、固定部材21が
図9に示す構成である場合、固定部材21の第1の接続部材23はFPC12の主面12aに対向し、固定部材21の第2の接続部材24は導光板16の主面16cに対向する状態である。
【0067】
次に、
図15に示すように、固定部材21を介してFPC12が上方に配置された導光板16の主面16bをアンビル51の平坦面51c上に配置する。その後、FPC12の主面12b上にホーン52を押しつけ、ホーン52を超音波振動させる。ホーン52に設けられた複数のティース部52bの各々は、複数の領域16d(
図13参照)のうち対応する領域16dの直下に配置される。
【0068】
そのため、
図15に示すように、固定部材21のうち複数の領域16d(
図13参照)と対向する複数の領域が超音波振動によって活性化して導光板16の主面16cにおける複数の領域16dに溶着される。また、固定部材21のうち複数のティース部52bの各々の下方に位置する複数の領域が超音波振動によって活性化してFPC12に溶着される。なお、超音波溶着装置は、
図15に示す構成に限定されず、
図8に示す構成であってもよい。
【0069】
このように、導光板16とFPC12とに各々固定部材21が溶着されることから、導光板16とFPC12とに各々粘着性の固定部材を接着する場合に比べ、接着強度を向上させることができる。そのため、導光板16をFPC12に固定するために用いられる導光板16の領域16dを幅狭にすることができ、導光板16の主面16cに粘着性の固定部材を接着する場合に比べ、更なる狭額縁化を図ることができる。
【0070】
また、固定部材21が
図9に示す構成であり、かつ第1の接続部材23がエストラマーで構成される場合、第1の接続部材23が熱活性両面接着テープである場合に比べてFPC12に溶着した第1の接続部材23をFPC12から取り外し易い。そのため、例えば、リワークによって面状照明装置10から導光板16を含むユニット(固定部材21を含む)を容易に取り外すことができる。また、固定部材21は、第1の接続部材23の他の面23bに平面視で第1の接続部材23と同形の第2の接続部材24を重ねた構成であってもよい。この場合、第1の接続部材23をエストラマーで構成し、第2の接続部材24を熱活性両面接着テープとすることができる。すなわち、固定部材21は、単位面積当たりの接着強度が異なる2つの層を含み、かかる2つの層のうち導光板16側の層(導光板16と対向する層)がFPC12側の層(FPC12と対向する層)よりも単位面積当たりの接着強度が大きい構成であってもよい。この場合も、リワークによって面状照明装置10から導光板16を含むユニット(固定部材21を含む)を容易に取り外すことができる。
【0071】
なお、サイドビュー型のLEDを用いた面状照明装置10の製造方法は、
図15に示すようにFPC12に固定部材21を溶着する溶着工程を含まなくてもよい。例えば、固定部材21は、
図6または
図8に示すように固定部材22および剥離紙27を取り付けた固定部材21を導光板16に溶着する。そして、剥離紙27を剥がして固定部材22の一方の面22aをFPC12に接着する。
【0072】
また、
図6に示す例では、アンビル51上に導光板16、固定部材21、固定部材22、および剥離紙27の順に載置し、ホーン52を剥離紙27に押しつけたが、かかる例に限定されない。例えば、アンビル51上に剥離紙27、固定部材22、固定部材21、および導光板16の順に載置し、ホーン52を導光板16に押しつけて超音波溶着を行ってもよい。すなわち、アンビル51上に配置する導光板16、固定部材21、固定部材22、および剥離紙27の順番は、
図6に示す順番と逆順であってもよい。このことは、
図8に示す超音波溶着装置50の場合も同様である。
【0073】
また、
図11に示す例では、アンビル51の平坦面51c上にフレーム11、固定部材21、および導光板16の順に載置し、ホーン52を導光板16に押しつけたが、かかる例に限定されない。例えば、アンビル51上に導光板16、固定部材21、およびフレーム11の順に載置し、ホーン52をフレーム11に押しつけて超音波溶着を行ってもよい。
【0074】
同様に、
図15に示す例では、アンビル51の平坦面51c上に導光板16、固定部材21、およびFPC12の順に載置し、ホーン52をFPC12に押しつけたが、かかる例に限定されない。例えば、アンビル51上にFPC12、固定部材21、および導光板16の順に載置し、ホーン52を導光板16に押しつけて超音波溶着を行ってもよい。
【0075】
以上のように、実施形態に係る面状照明装置10は、導光板16と他の部材(例えば、固定部材22、フレーム11、またはFPC12)との間に配置され、導光板16を他の部材に固定する短冊状の固定部材21を備える。そして、固定部材21は、導光板16のうち互いに異なる組み合わせの隣接する2つのLED14間の前方に各々位置し且つ複数のLED14の配列方向(Y軸方向)に沿って間隔を空けて位置する複数の領域16dに接着される。かかる面状照明装置10では、固定部材21が短冊状に形成されており、個々の領域16dに対応して分離されておらず連続体として形成されている。そのため、面状照明装置10では、組み立て作業性を向上させることができる。また、固定部材21が溶着により導光板16に接着されるため、導光板16への接着強度を高めることができ、更なる狭額縁化を実現することができる。なお、固定部材21は、
図3および
図9に示す形状に限定されず、短冊状に形成されていれば
図3および
図9に示す形状以外の形状であってもよい。例えば、固定部材21の一方の面21aに凹凸面や蛇行面があってもよい。また、例えば、固定部材21の端辺に凹凸や蛇行した曲線があってもよい。このように、固定部材21は、複数の領域16dを一体に覆うことが可能な短冊形の部分を含む形状であればよく、例えば、一方の面21aおよび他方の面21b並びに端辺のうち少なくともいずれかに突出する部分、凹凸面、または蛇行面などがある形状であってもよい。
【0076】
なお、上述した固定部材21は、低温(例えば、80度〜100度)で活性化する熱活性部材を含む構成としたが、80度未満または100度超で活性化する熱活性部材を含む構成であってもよい。
【0077】
また、
図9に示す固定部材21は、互いに異なる種類の第1の接続部材23および第2の接続部材24とで構成したが、固定部材21は、一つの種類の部材で複数の突出部21eを有する短冊状に形成することもできる。
【0078】
また、上述した実施形態では、固定部材21を、熱活性部材を含む構成とし、熱活性部材を超音波振動によって活性化させて固定部材21の導光板16への溶着を行ったが、かかる例に限定されない。すなわち、固定部材21は、導光板16への接着強度を高めることができればよく、熱活性部材を含まない構成であってもよい。また、固定部材21の導光板16への接着は、超音波溶着に限定されず、例えば、レーザ溶着であってもよく、また、超音波振動以外の振動によって行ってもよい。
【0079】
また、固定部材21を導光板16の複数の領域16dと固定部材22とへ接着する接着工程は、超音波溶着に代えて、固定部材21を導光板16の複数の領域16dと固定部材22とに熱圧着するものであってもよい。この場合、固定部材21の一方の面21aおよび他方の面21bに直交する方向を上下方向とすると、熱圧着装置(図示せず)は、各領域21c,21dに上下方向の圧力をかけながら各領域21c,21dを加熱することで、固定部材21を複数の領域16dと固定部材22とに接着する。
【0080】
例えば、
図5に示す状態の導光板16、固定部材21、固定部材22、および剥離紙27を導光板16が下になるように熱圧着装置のステージに載置する。そして、熱圧着装置において剥離紙27のうち上下方向で領域16d(複数の領域16eを除く領域)に対向する領域に圧力を加えながら加熱することで、固定部材21を導光板16の複数の領域16dと固定部材22とに接着することができる。これによっても、接着強度を向上させることができる。なお、熱圧着装置のステージにおける導光板16の載置面を加熱することもできる。この場合、例えば、熱圧着装置のステージは、導光板16のうち上下方向で各領域16d(複数の領域16eを除く領域)に対向する領域を加熱する構成とすることができる。
【0081】
なお、固定部材21が粘着性を有するエストラマーである場合、熱圧着に代えて、固定部材21を導光板16の複数の領域16dと固定部材22とに熱を加えずに圧着してもよい。この場合、固定部材21の一方の面21aおよび他方の面21bに直交する方向を上下方向とすると、圧着装置(図示せず)は、各領域21c,21dに上下方向の圧力をかけることで、固定部材21を複数の領域16dと固定部材22とに接着する。これによっても、接着強度を向上させることができる。
【0082】
また、上述した実施形態では、LED14を光源の一例として説明したが、光源は、LED14に限定されず、他の点状光源であってもよい。
【0083】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。