特許第6755314号(P6755314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6755314デオキシヘキソースアルキルアセタールまたはモノエーテルを含む抗菌性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755314
(24)【登録日】2020年8月27日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】デオキシヘキソースアルキルアセタールまたはモノエーテルを含む抗菌性組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7028 20060101AFI20200907BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20200907BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20200907BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20200907BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20200907BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20200907BHJP
   A01N 43/16 20060101ALI20200907BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   A61K31/7028
   A61K8/60
   A61P11/02
   A61P17/00
   A61P17/02
   A61P27/16
   A61P31/04
   A61Q17/00
   A61Q19/00
   A23L33/10
   A61L9/01 M
   A01N43/16 A
   A01P3/00
【請求項の数】12
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-531414(P2018-531414)
(86)(22)【出願日】2016年12月19日
(65)【公表番号】特表2019-501158(P2019-501158A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】IB2016057780
(87)【国際公開番号】WO2017103904
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年2月14日
(31)【優先権主張番号】15/02629
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508137132
【氏名又は名称】テレオス・スターチ・アンド・スウィートナーズ・ベルギー
【氏名又は名称原語表記】TEREOS STARCH & SWEETENERS BELGIUM
(73)【特許権者】
【識別番号】500034033
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・クロード・ベルナール・リヨン・プルミエ
(73)【特許権者】
【識別番号】592236245
【氏名又は名称】サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィク
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LARECHERCHE SCIENTIFIQUE
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】シャルロット・ゴズラン
(72)【発明者】
【氏名】ドリーヌ・ベルメッシエリ
(72)【発明者】
【氏名】マリー−クリスティーヌ・デュクロ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・デュゲ
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ルメール
(72)【発明者】
【氏名】ジェラール・リナ
(72)【発明者】
【氏名】オアナ・ドゥミトレスク
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・レドル
【審査官】 小堀 麻子
(56)【参考文献】
【文献】 Amelia P. Rauter et al.,Synthesis, surface active and antimicrobial properties of new alkyl 2,6-dideoxy-L-arabino-hexopyranosides,Carbohydrate Research,2005年,Vol.340,p.191-201
【文献】 Ning Ding et al.,Synthesis and antibacterial evaluation of a series of oligorhamnoside derivatives,Carbohydrate Research,2011年,Vol.346,p.2126-2135
【文献】 Aoife Smith et al.,Synthesis and antimicrobial evaluation of carbohydrate and polyhydroxylated non-carbohydrate fatty acid ester and ether derivatives,Carbohydrate Research,2008年,Vol.343,p.2557-2566
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/16
A01P 3/00
A61K 31/7028
A23L 33/10
A61K 8/60
A61L 9/01
A61P 11/02
A61P 17/00
A61P 17/02
A61P 27/16
A61P 31/04
A61Q 17/00
A61Q 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル基が11〜18個の炭素原子を含むデオキシヘキソースアルキルモノエーテルまたはアルキルモノアセタールまたはその薬学的に許容される塩の位置異性体および/またはジアステレオ異性体混合物を含み、前記アルキルモノエーテルまたはアルキルモノアセタール基が2−O−位、3−O−位および/または4−O−位にあることを特徴とする、組成物。
【請求項2】
デオキシヘキソースがラムノースまたはフコースであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
デオキシヘキソースがグリコシル化されたおよび/または水素化されたおよび/または脱水されたことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
アルキル基が11〜13個の炭素原子を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
デオキシヘキソース誘導体がラムノピラノシドであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
デオキシヘキソース誘導体がメチルラムノピラノシドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
グラム陽性細菌に対して殺菌剤または静菌剤として使用するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
グラム陽性菌がリステリア属のリステリア科の細菌スタフィロコッカス属スタフィロコッカス科の細菌またはエンテロコッカス属のエンテロコッカス科の細菌であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
食品、化粧品、医薬品、植物衛生、獣医または表面処理用の組成物に組み込まれることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
外用の衛生用または皮膚用品としての使用のためのおよび/またはグラム陽性細菌による細菌感染症の処置または予防における使用のための、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項11】
グラム陽性菌による感染症が皮膚または粘膜の感染症、好ましくは毛嚢炎、膿瘍、爪周囲炎、おでき、膿痂疹、指間感染症、炭疽病、蜂巣炎、二次創感染、耳炎、副鼻腔炎、汗腺炎、感染性乳腺炎、外傷後皮膚感染症または火傷皮膚の感染症から選択される感染症である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
基質を請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物に接触させることを含む、基質の消毒またはグラム陽性菌による細菌コロニー形成の予防のための方法であって、前記基質が植物または動物由来の食品、食品組成物;金属、プラスチック、ガラス、コンクリートまたは石;調理器具、コンテナ、冷蔵保存システム、冷蔵庫、冷蔵室から選択される食品産業において使用される器具、道具または装置;外科用道具およびプロテーゼから選択される病院内環境において使用される器具;ならびに公共交通機関の手すりおよび座席から選択される公共交通機関の基質から選択されるものである、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルキル基が11〜18個の炭素原子を含むデオキシヘキソースのアルキルアセタールおよびアルキルエーテル、その薬学的に許容される塩、異性体または異性体混合物を含む殺菌性または静菌性組成物、グラム陽性菌感染症の治療または予防におけるその使用、外用の衛生用または皮膚用製品としてのその使用および表面を消毒するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術背景
抗菌性化合物は微生物の成長を阻害し、または停止させる、または殺すことができる分子として定義される。この状況において、それらは一般的にヒトおよび動物の感染を予防または処置するために使用され、食品加工産業では食品中の病原菌の増殖を防ぐために使用される。抗菌性化合物の広範な使用は、耐性感染病原体の出現を促進している。最も広範に使用される抗菌性化合物に対する耐性メカニズムを獲得している細菌の拡大は、ますます警戒すべき主要な公衆衛生問題である(J. S. Bradley et al. Lancet Infect. Dis. 2007; 7: 68-78)。
【0003】
例として、スタフィロコッカス属の最も病原性の種、すなわちスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)に対する抗菌剤に対して耐性の、多くの細菌株が単離されている。スタフィロコッカス感染症は、重篤な感染症の高い割合を占める。さらに、院内感染の約半数が、スタフィロコッカスに関連すると報告される。一般に用いられる抗菌剤に耐性を有するエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)またはエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の多くの細菌株もまた特記し得る。それらは特にブドウ球菌属より毒性は弱いが、多剤耐性エンテロコッカス株の数の増加および、より最近ではこの細菌群に頼りになる抗菌剤であるグリコペプチド類に耐性の腸球菌の流行が特定されている。
【0004】
抗菌剤の過剰な使用だけでなく、食品の保存方法にも関連し得るもう1つの抗菌剤耐性の現象が記載されている。すなわち、例えばリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)は、低温でまたは酸性媒体中で浸透圧ストレスを生き延びた後、抗菌剤に対してより耐性となることが示されている(Anas A. et al. (2015) Food Microbiology, Volume 46, April, 154-160頁)。その上、ヒトの汚染は食品に由来する。さらに、比較的珍しいが、ヒトリステリア症は死亡率50%と概算される重篤な感染症である。従って、現在の食品の保存または処理方法によって引き起こされ得るリステリア・モノサイトゲネス(L. monocytogenes)における抗菌剤耐性の出現は、公衆衛生に対する重大な脅威を成す。
【0005】
抗菌剤耐性には数メカニズムが同時に関与することがよくあるが、通常は3つのカテゴリー:(a)細菌内への抗菌剤の浸透の欠如、(b)細菌の酵素系による抗菌剤の不活性化または排出および(c)細菌標的と抗菌剤の親和性欠如に分類される。これら3つの抵抗性メカニズムのカテゴリーは構成要素を有しており、すなわち、使用されるメカニズムは関連する分子の構造による。
【0006】
従って、耐性を発生させる機会を与えることが少ない抗菌性組成物を得るために、本発明者らは、細菌の耐性発生の機会を減少させることができる、抗菌活性を有するが、わずかな構造的差異を含む組成物の使用を構想した。すなわち、本発明者らは抗菌活性を有する化合物の異性体混合物を含む組成物を構想した。
【0007】
本発明者らは低毒性および低環境負荷を有する抗菌性組成物;工業的用途に完全に利用可能なだけではなく、非生物由来の抗菌剤と同程度に効果的であるように、再生可能な資源から大量に、低コストで得ることができる生分解性組成物を開発することを望んでいた。
【0008】
先行文献のいかなる製造方法も、低毒性かつ低コストの生物由来の化合物の異性体混合物の製造を可能にしない。
【0009】
それにもかかわらず、生物由来の化合物は先行文献によって記載されている。すなわち、先行文献には抗菌剤として使用される種々の化合物が記載され、その中にグラム陽性菌に対して活性であり、長い脂肪族鎖を有する脂肪酸およびそれらの対応するポリヒドロキシル化されたエステルがある。指標として、最も活性な抗菌剤の1つは、C12脂肪族鎖を有するグリセロールモノエステルであるモノラウリンである。その商標名はLAURICIDIN(登録商標)である。この化合物は細菌の増殖を阻害するための食品添加物として使用される(E. Freese, C. W. Sheu, E. Galliers. Nature 1973, 241, 321-325; E. G. A. Verhaegh, D. L. Marshall, D.-H. Oh. Int. J. Food Microbiol.1996, 29, 403-410)。しかしモノラウリンのエステル官能基はエステラーゼ感受性であるため、この化合物は速やかに分解し、半減期が短い。
【0010】
先行文献にはまた、その生分解性、その低い毒性および環境負荷のため、特に魅力的であると考えられる糖由来の抗菌剤が記載されている。
【0011】
糖由来の抗菌剤の例は、原材料および製造コストが比較的低いままであるため、抗菌剤用途で工業的にも使用される糖由来のエステルである。例えば、国際特許出願国際公開2014/025413号に記載されている抗菌製剤中のヒノキチオールとの混合物としてのカプリル酸ソルビタンを特記し得る。この出願によれば、この製剤はグラム陽性および陰性細菌、真菌および/または酵母を阻害するまたは殺すことを可能にするとされている。
【0012】
先行文献にはまた、食品産業における抗菌剤としての二糖類エステルの使用が記載されている。ドデカノイルスクロースは、最も一般的に使用されている1つである。これは、リステリア・モノサイトゲネス(L. monocytogenes)に対して特に活性であるとされている(M. Ferrer, J. Soliveri, F.J. Plou, N. Lopez-Cortes, D. Reyes-Duarte, M. Christensen, J.L. Copa-Patino, A. Ballesteros, Enz. Microb. Tech., 2005, 36, 391-398)。それにもかかわらず、それは病院での使用で、スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)の増殖を弱く阻害することも記載されている(J.D. Monk, L.R. Beuchat, A.K. Hathcox, J. Appl. Microbiol., 1996, 81, 7-18)。すなわち、スクロースエステルが殺菌性(細菌を殺す)ではなく、静菌性(細菌の増殖を停止させる)の性質を有すると報告される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
さらに、糖エステルの合成には多くの欠点が存在する。第一に、製造コストが低いとしても、エステル、より具体的には二糖類および三糖類に関するエステルの合成は、モノ−、ジ−およびポリエステルの混合物の形成を引き起こす糖の高い官能性のため問題があり、また高い極性物質をより良好に溶解させるために、ジメチルホルムアミド(DMF)およびピリジンのような極性溶媒の存在が一般的に必要である。しかし、これらの溶媒は発がん性、変異原性、および生殖毒性(CMR)に分類され、これらの使用は避けなければならない。この課題を解決するために、酵素的合成が使用されたが、これらの条件における高希釈の媒体を使用する必要性が製造を制限した。
【0014】
さらに、これらの化合物上のエステル官能基は細胞内に存在するエステラーゼにより容易に加水分解できる。しかし、この加水分解後に放出される分子、例えば糖類および脂肪酸はほとんどまたは全く抗菌特性を有さない(脂肪酸はわずかに活性である)。これは、それらの化合物の活性時間短縮を担う不安定性の原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、効果的かつ安定な抗菌性物質を含む、耐性が発生しづらい抗菌性組成物を製造するために、本発明は、デオキシヘキソースアルキルモノアセタールまたはモノエーテルを提案し、そのアルキル基は、環境に配慮し、かつ局所適用のためのまたは摂取による適用のための危険とならないのと同時に、安価な条件で得られる位置異性体および/またはジアステレオ異性体の混合物の形態で、優先的に11〜18個の炭素を含む異性体の混合物を含む。
【0016】
発明の詳細な説明
殺菌性または静菌性組成物
本発明は一般的に、アルキルエーテルまたはアルキルアセタール基が優先的に2−O−、3−O−または4−O−位に存在し、異性体が優先的に位置異性体および/またはジアステレオ異性体から選択される、アルキル基が11〜18個の炭素原子を含むデオキシヘキソースアルキルエーテルもしくはアルキルアセタールならびに/またはグリコシル化されたおよび/もしくは水素化されたおよび/もしくは脱水されたデオキシヘキソースアルキルエーテルもしくはアルキルアセタール、その薬学的に許容される塩、その異性体または異性体の混合物を含むという点で特徴付けられる殺菌性または静菌性組成物に関する。一般的に、デオキシヘキソースはラムノースまたはフコースから選択される。有利に、デオキシヘキソースアルキルエーテルまたはアルキルアセタールはデオキシヘキソースアルキルモノアセタールまたはモノエーテルである。一般的に、前記デオキシヘキソースはグリコシル化されたおよび/または水素化されたおよび/または脱水されたデオキシヘキソースである。
【0017】
本発明は、デオキシヘキソース誘導体がグリコシル化されたおよび/または水素化されたおよび/または脱水されたデオキシヘキソースであり、異性体が好ましくは位置異性体および/またはジアステレオ異性体から選択され、以下の工程を含む製造により得られる、デオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体またはその異性体のアルキルモノアセタールまたはモノエーテルまたはその異性体の混合物を含む組成物に関する。
a)11〜18個の炭素原子を含む脂肪族アルデヒドまたはそのアセタールによるデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアセタール化またはトランスアセタール化、
b)a)で得られるデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアルキルアセタールの、優先的に酸触媒非存在下の、任意の接触水素化、および
c)アルキル基(R)が11〜18個の炭素原子を含む、b)で得られるデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアルキルモノエーテルの異性体の回収
または
アルキル基(R)が11〜18個の炭素原子を含む、a)で得られるデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアルキルモノエーテルの異性体の回収。
【0018】
「デオキシヘキソース」はヒドロキシル基(OH)の1つが水素により置換されたヘキソースであると理解されるべきである。デオキシヘキソースは植物から単離され;例えば、ラムノースはクロウメモドキ属(Rhamnus)またはウルシ属植物に由来し、フコースは哺乳動物または昆虫細胞の膜多糖に由来する。適切なデオキシヘキソースの例はフコースまたはラムノースであり得る。
【0019】
本明細書で使用される用語「ラムノース」は、D−(−)−ラムノースまたはL−(+)−ラムノースをいう。イソズルシトールまたは6−デオキシ−L−マンノースとも称されるラムノースは、実験式C12のヘキソースである。
【0020】
本明細書で使用される用語「フコース」とは、D−(−)−フコースまたはL−(+)−フコースをいう。6−デオキシ−L−ガラクトースとも称されるフコースは、実験式C12のヘキソースである。
【0021】
ある実施態様によって、デオキシヘキソースはグリコシル化されたおよび/または水素化されたおよび/または脱水されたデオキシヘキソースである。このようなグリコシル化されたおよび/または水素化されたおよび/または脱水されたデオキシヘキソースは、本明細書において「デオキシヘキソース誘導体」と称される。例えば、ラムノース誘導体はアンヒドロラムノースまたはラムニトールである。
【0022】
「アンヒドロラムノース」は脱水により、ラムノースからの1以上の水分子の脱離により得られる化合物であると解釈されるべきである。アンヒドロラムノースの例は1,2−アンヒドロラムノース、1,2−アンヒドロラムノース、1,3−アンヒドロラムノースまたは2,3−アンヒドロラムノースであり得る。
【0023】
アンヒドロラムノースはラムニトールの脱水により得られ、例えば、1,5−アンヒドロラムニトールを形成し得る。
【0024】
ある実施態様によって、前記ラムノース誘導体は糖アルコール、ラムニトールである。本明細書で使用される用語「糖アルコール」とは、「ポリオール」とも称されるが、カルボニル基(アルデヒドまたはケトン)が一級または二級ヒドロキシルに還元された、水素化された単糖の形態をいう。
【0025】
同様に、デオキシヘキソースがフコースであるとき、前記水素化されたフコース誘導体は糖アルコール、フコシトールである。
【0026】
有利に、フコース誘導体はアンヒドロフコースである。「アンヒドロフコース」はフコースからの1以上の水分子の脱離による、脱水により得られるフコースであると解釈されるべきである。アンヒドロフコースの例は、1,2−アンヒドロフコースまたは1,3−アンヒドロフコースであり得る。
【0027】
ある実施態様によって、本発明による方法は、例えば、モノアンヒドロラムノースまたはモノアンヒドロフコースを得るための前記デオキシヘキソースまたはその誘導体の脱水工程を含む。デオキシヘキソースは一般的に、脱水工程前に融解される。脱水工程は触媒、例えば酸触媒を用いて実施され得る。
【0028】
本発明によって、脱水工程は、好ましくは約20〜50バール圧の水素雰囲気下で実施される。
【0029】
有利に、脱水工程は120℃〜170℃、好ましくは130℃〜140℃の温度で実施される。
【0030】
デオキシヘキソースは一般的に、脱水工程の後、例えば結晶化、再結晶またはクロマトグラフィーにより精製される。
【0031】
ある実施態様によって、前記デオキシヘキソース誘導体はグリコシル化されたデオキシヘキソース、つまりアルキルグリコシドである。
【0032】
本明細書で使用される用語「グリコシル化された」または「グリコシル化」とは、糖類のアノマー位でアルキル基と糖類が反応して混合アセタール官能基を生じる反応をいう(IUPAC Compendium of Chemical Terminology Gold book Version 2.3.3 2014-02-24 p. 635-636およびPAC, 1995, 67, 1307 ("Glossary of class names of organic compounds and reactivity intermediates based on structure" IUPAC Recommendations 1995) page 1338 White Book, p. 136)。このグリコシル化反応は、アルキル化がアルキル基と糖類の間で起こるが、糖類の任意の酸素上で起こり、エーテル官能基を形成し得る点でアルキル化と相違する。
【0033】
本明細書で使用される用語「アルキルグリコシド」とは、先行文献に記載されているように、還元部分がグリコシル化によりアルキル基への結合により結合しているデオキシヘキソースをいう。一般的に、デオキシヘキソースまたはその誘導体は酸素原子(O−グリコシド)、窒素原子(グリコシルアミン)、硫黄原子(チオグリコシド)または炭素原子(C−グリコシド)によりアルキル基と結合し得る。アルキル基は種々の鎖長を有してよく;好ましくは、アルキル基はC1−C4アルキル基である。さらに好ましいアルキル基はメチルまたはエチルである。一般的に、グリコシル化されたデオキシヘキソースはグリコシル化されたラムノース、グリコシル化されたラムニトール、グリコシル化されたフコースまたはグリコシル化されたフコシトールである。アルキルグリコシドは、例えばメチルラムノシド、エチルラムノシド、プロピルラムノシド、ブチルラムノシド、メチルフコシド、エチルフコシド、プロピルフコシドおよびブチルフコシドから成る群から選択される。
【0034】
本発明によって、アセタール化またはトランスアセタール化工程は以下を含む:
i)好ましくは70℃〜130℃、一般的には90℃〜110℃の温度まで前記デオキシヘキソースまたはその誘導体を予熱する任意の工程、
ii)脂肪族アルデヒドもしくはデオキシヘキソース脂肪族アルデヒド誘導体またはそれらの誘導体を添加する工程、および
iii)触媒、好ましくは酸触媒を添加する工程。
【0035】
一般的に、脂肪族アルデヒドのアセタールは、対応するアルデヒドのジアルキルアセタールである。ジメチルアセタールおよびジエチルアセタールが好ましい。
【0036】
工程i)は、無溶媒で実施できるという点で特に有利である。
【0037】
好ましくは、アセタール化またはトランスアセタール化工程、および適当な場合脱水工程で使用される酸触媒は、均一または不均一な酸触媒であり得る。「均一な酸触媒」という表現で使用される用語「均一」とは、試薬と同一の相(固体、液体、気体)または同一の凝集状態にある触媒をいう。逆に「不均一な酸触媒」という表現で使用される用語「不均一」とは、試薬と異なる相(固体、液体、気体)にある触媒をいう。
【0038】
アセタール化またはトランスアセタール化工程、および適当な場合脱水工程で使用される前記酸触媒は、固体または液体の、有機酸または無機酸から独立して選択してよく、固体酸が好ましい。特に、好ましい酸触媒はパラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸(CSA)およびスルホン酸樹脂から選択される。
【0039】
一般的に、アセタール化またはトランスアセタール化工程は70℃〜130℃、一般的には70℃〜90℃の温度で実施される。反応混合物の温度は使用される試薬および溶媒の関数として変化し得る。反応時間は達成する転化率により決定される。
【0040】
ある実施態様によって、アセタール化またはトランスアセタール化工程は、脂肪族アルデヒドまたはそのアセタール、一般的には直鎖または分枝鎖の脂肪族アルデヒドまたはそのアセタールにより実施できる。アセタール化またはトランスアセタール化工程は11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個の炭素原子を有する脂肪族アルデヒドまたはそのアセタール、例えばウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、テトラデカナール、ペンタデカナール、ヘキサデカナール、ヘプタデカナール、オクタデカナールおよびアセタールを使用して実施できる。好ましくは、C11−C13脂肪族アルデヒドまたはこれらのアセタールはC12脂肪族アルデヒドまたはそのアセタール、例えばドデカナールまたはそのアセタールである。
【0041】
本明細書で使用される表現「そのアセタール」または「それらのアセタール」は、対応するC11−C18脂肪族アルデヒドのジアルキルアセタールを含む。より具体的には、C11−18脂肪族アルデヒドのジメチルまたはジエチルアセタールが好ましい。
【0042】
ある態様によって、アセタール化またはトランスアセタール化工程は溶媒下または無溶媒下で実施できる。溶媒存在下で反応を実施するとき、溶媒は好ましくは極性溶媒である。
【0043】
一般的に、溶媒はジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMA)、アセトニトリル(CHCN)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2Me−THF)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、プロパノール(PrOH)、イソプロパノール(iPrOH)、ブタノール(BuOH)、ジブチルエーテル(DBE)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)およびトリメトキシプロパン(TMP)から選択できる。
【0044】
徹底的な実験により、アセタール化またはトランスアセタール化工程で最適な収率および転化率が観察できる条件の選択に至った。[(C11−18脂肪族アルデヒドまたはそれらのアセタール):デオキシヘキソースまたはその誘導体]のモル比が5:1から1:5、好ましくは4:1から1:4、および有利には3:1から1:3の間であるとき、最良の結果が得られた。
【0045】
本発明者らは、アセタール化反応で、1:1から1:5、好ましくは1:1から1:4、および好ましくは1:3から1:2のC11−C18脂肪族アルデヒド:(デオキシヘキソースまたはその誘導体)のモル比が、収率を改善し、最適な転化率を与えることをより具体的に示した。
【0046】
本発明者らはまた、トランスアセタール化反応で、1:1から5:1、好ましくは5:4から4:1、および、より好ましくは3:1から4:3、さらにより好ましくは3:2から2:5のC11−C18脂肪族アセタール:(デオキシヘキソースまたはその誘導体)のモル比が、収率を改善し、最適な転化率を与えることを示した。使用される触媒はアセタール化反応の触媒と同一である。
【0047】
ある実施態様によって、本発明の方法はまた、脱水、必要に応じてアセタール化またはトランスアセタール化工程のいずれか1つの工程後に、中和および/またはろ過および/または精製の少なくとも1つの工程を含む。
【0048】
精製工程を設けるとき、前記精製工程は例えば結晶化、再結晶またはクロマトグラフィーであってよい。クロマトグラフィーは、好ましくは非水極性溶媒を使用して実施される。一般に、水素化分解工程の前にろ過および/または精製の工程を設けるとき、非水極性溶媒は水素化分解工程で使用される溶媒と同一でよい。
【0049】
有利には、水素化分解工程は80℃〜140℃の温度で、および/または15〜50バール、好ましくは20〜40バールの水素圧で実施される。
【0050】
水素化分解工程は、有利には極性非プロトン性溶媒、好ましくは非水性溶媒中で実施される。これは、非プロトン性溶媒がより良好な転化率を与えるためである。非プロトン性溶媒の例は、とりわけ、制限なく、アルカン類、1,2,3−トリメトキシプロパン(TMP)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2Me−THF)、ジブチルエーテル(DBE)およびシクロペンチルメチルエーテル(CPME)である。好ましくは、非プロトン性溶媒はCPMEである。アルカン類は媒体中での水素の溶解をより良好にするため、有利である。しかし、CPMEのような他の非プロトン性溶媒よりも転化率は低い。一般的に、アルカン類の中ではドデカンおよびヘプタンが好ましい。
【0051】
水素化分解工程は好ましくは極性非プロトン性溶媒中、80℃〜140℃の温度で、および/または15〜50バールの水素圧で、水素化分解反応に適切な触媒の存在下で実施される。
【0052】
好ましくは、水素化分解工程は好ましくは非水性極性溶媒中、100℃〜130℃の温度で、および/または25〜35バールの水素圧で実施される。
【0053】
一般的に、水素化分解は貴金属または普通金属に基づく触媒のような、適切な触媒の存在下で実施される。より具体的には、一般的な金属は鉄族または非鉄族金属であり得る。一般的に、水素化分解は鉄族金属に基づく触媒の存在下で実施される。
【0054】
指標として、鉄族金属に属する金属触媒は、ニッケル、コバルト、または鉄であり得る。
【0055】
好ましくは、水素化分解はパラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、またはイリジウムのような貴金属に基づく触媒を使用して実施される。
【0056】
原則として、水素化分解で使用される触媒は炭素、アルミナ、ジルコニア、またはシリカまたはそれらの任意の混合物のような支持体に固定されていてよい。このような支持体は例えばビーズである。従って、炭素ビーズに固定されたパラジウム(Pd/C)を有利に使用できる。これらの触媒は貴金属または普通金属の添加することでドープすることができる。これらはドープ剤と称される。一般的に、ドープ剤は触媒の1から10重量%に相当する。
【0057】
本発明は、デオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体の2つの異なる位置にアルキルエーテルまたはアルキルアセタールを有するデオキシヘキソースアルキルモノアセタールまたはモノエーテルの位置異性体混合物および薬学的に許容されるその塩を含む、殺菌性または静菌性組成物に関し、ここで、アルキル基は11〜18個の炭素原子、好ましくは11〜13個の炭素原子を含む。
【0058】
用語「薬学的に許容される塩」は、患者に投与することにより、本明細書に示すような化合物を(直接または間接に)提供することができる任意の塩を意味する。塩は当分野で既知の方法により製造され得る。
【0059】
「異性体」は、同一の原子組成(分子式)を有するが、異なる線形式または立体化学式を有する分子実体を意味することを意図する(PAC, 1994, 66, 1077 (Glossary of terms used in physical organic chemistry (IUPAC Recommendations 1994) 1129頁)。
【0060】
一般的に、異性体は位置異性体および/またはジアステレオ異性体である。
【0061】
本発明によって、用語「ジアステレオ異性体」とは、エナンチオマー(重ね合わせることができない鏡像を形成する立体化学式を有する分子実体)ではない立体異性体(同一の構成を有するがそれらの原子の空間的配置が異なる異性体)をいう。
【0062】
本発明によって、用語「位置異性体」または表現「位置異性体」とは、官能基が炭素鎖の異なる炭素に位置する異性体をいう。より具体的には、これはアルキルモノアセタールまたはモノエーテル基がデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体の主鎖に存在する異なる酸素に位置するデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアルキルモノアセタールまたはモノエーテルの異性体を意味することを意図する。
【0063】
一般的には、例えばメチル 2,3−O−ドデシリデン α−L−ラムノピラノシドおよび/またはメチル 2−O−ドデシル α−L−ラムノピラノシドおよび/またはメチル 3−O−ドデシル α−L−ラムノピラノシドを挙げることができる。
【0064】
一般的に、組成物はグラム陽性菌に対して殺菌性または静菌性である。本発明はまた、このような組成物の、グラム陽性菌に対して殺菌性または静菌性である薬剤としての使用に関する。
【0065】
有利には、殺菌性または静菌性組成物は食品、化粧品、医薬品、植物衛生、獣医または表面処理用の組成物、例えば、特にクリーム、ジェル、粉末、ローション、特にバター、シャワージェル、石けん、シャンプー、シャワーバス、脱臭剤、制汗剤、ウェットティッシュ、日焼け止め製剤または装飾的な化粧品(decorative cosmetic)製剤の形の、皮膚を洗浄および/またはケアするための化粧品および/または皮膚科学的組成物に組み込まれる。
【0066】
本発明はまた、殺菌性または静菌性物質として使用するための、アルキル基が11〜18個の炭素原子を含むデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアルキルアセタールまたはアルキルエーテル、その薬学的に許容される塩、異性体または異性体混合物を含み、前記デオキシヘキソース誘導体がグリコシル化および/または水素化されたおよび/または脱水されたデオキシヘキソースであり;優先的には前記アルキルエーテルまたはアルキルアセタール基が2−O−位、3−O−位または4−O−位に存在し、異性体が優先的には位置異性体および/またはジアステレオ異性体から選択されるものである点で特徴付けられる組成物に関する。
【0067】
本発明はまた、外用の衛生用または皮膚用製品として使用するための、アルキル基が11〜18個の炭素原子を含むデオキシヘキソースまたはデオキシヘキソース誘導体のアルキルアセタールまたはアルキルエーテル、その薬学的に許容される塩、異性体または異性体混合物を含み、前記デオキシヘキソース誘導体がグリコシル化および/または水素化されたおよび/または脱水されたデオキシヘキソースである点で特徴付けられる組成物に関する。
【0068】
一般的に、「衛生用製品」とは、例えばローション、ムース、スプレーおよび液体のみならず、本発明による組成物を浸透させることができるワイプスまたは何らかの支持体を含む、洗浄、感染予防または衛生のために使用される何らかの製品を指す。表現「皮膚用製品」は皮膚または粘膜への適用を目的とした何らかの製品を示す。
【0069】
グラム陽性菌感染症の処置または予防における使用
本発明はまた、グラム陽性菌による細菌感染症の処置または予防における使用を目的とした、本発明による組成物に関する。
【0070】
「処置」とは、患者における(感染を少なくとも軽減し、根絶しまたは進展を停止させることを目的とした)治療的処置を意味すると解される。「予防」とは、患者における(感染出現の危険性を低下させることを目的とした)予防的処置を意味すると解される。
【0071】
「患者」は例えば、細菌感染症および特にグラム陽性菌感染症による影響を受ける、または受け得る、ヒトまたは非ヒト哺乳類(例えば齧歯類(マウス、ラット)、ネコ、イヌまたは霊長類)であり得る。好ましくは、対象はヒトである。
【0072】
表現「グラム陽性」はグラム染色によって濃青色または紫色に染められる細菌を示し、紫色の染色を保持できないグラム陰性菌と対照的である。グラム染色技術は当業者に周知であり、細菌の細胞膜および細胞壁の特性に基づく。
【0073】
一般的に、グラム陽性菌はファーミキューテス門、特にラクトバチルス目またはバチルス目の細菌から選択されるバチルス綱に由来する細菌である。
【0074】
本発明のある態様によって、バチルス目に由来する細菌はアリサイクロバチルス科、バチルス科、カリオファノン科、リステリア科、パエニバチルス科、パステウリ科、プラノコッカス科、スポトラクトバチルス科、スタフィロコッカス科、サーモアクチノミセス科およびチュリキバクター科から選択される。
【0075】
一般的に、リステリア科に由来する細菌は、例えばブロコトリックス属またはリステリア属に由来し、また一般的に、リステリア・フレイスクマンニ(L. fleischmannii)、リステリア・グライ(L. grayi)、リステリア・イノキュア(L. innocua)、リステリア・イバノビイ(L. ivanovii)、リステリア・マルトイ(L. marthii)、リステリア・モノサイトゲネス(L. monocytogenes)、リステリア・ロコウルティエ(L. rocourtiae)、リステリア・セエリゲリ(L. seeligeri)、リステリア・ウェイヘンステファネンシス(L. weihenstephanensis)およびリステリア・ウェルシメリ(L. welshimeri)から選択され得る。
【0076】
グラム陽性菌がスタフィロコッカス科に由来する細菌であるとき、それらは特にスタフィロコッカス属、ゲメラ属、ヨトガリコッカス属、マクロコッカス属、サリニコッカス属およびノソコミイコッカス属から選択される。
【0077】
スタフィロコッカス属の細菌は、例えばスタフィロコッカス・アルレッテ(S. arlettae)、スタフィロコッカス・アグネティス(S. agnetis)、スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)、スタフィロコッカス・アウリクラリス(S. auricularis)、スタフィロコッカス・カピティス(S. capitis)、スタフィロコッカス・カプレ(S. caprae)、スタフィロコッカス・カルノサス(S. carnosus)、スタフィロコッカス・カセオリティクス(S. caseolyticus)、スタフィロコッカス・クロモゲネス(S. chromogenes)、スタフィロコッカス・コーニー(S. cohnii)、スタフィロコッカス・コンディメンティ(S. condimenti)、スタフィロコッカス・デルフィニ(S. delphini)、スタフィロコッカス・デブリエセイ(S. devriesei)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・エクオラム(S. equorum)、スタフィロコッカス・フェリス(S. felis)、スタフィロコッカス・フレウレティ(S. fleurettii)、スタフィロコッカス・ガリナラム(S. gallinarum)、スタフィロコッカス・ヘモリティカス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(S. hominis)、スタフィロコッカス・ハイカス(S. hyicus)、スタフィロコッカス・インテルメディアス(S. intermedius)、スタフィロコッカス・クローシー(S. kloosii)、スタフィロコッカス・レーイ(S. leei)、スタフィロコッカス・レンタス(S. lentus)、スタフィロコッカス・ラグデュネシス(S. lugdunensis)、スタフィロコッカス・ルトレ(S. lutrae)、スタフィロコッカス・マシリエンシス(S. massiliensis)、スタフィロコッカス・マクロティ(S. microti)、スタフィロコッカス・ムスセ(S. muscae)、スタフィロコッカス・ネパレンシス(S. nepalensis)、スタフィロコッカス・パステウリ(S. pasteuri)、スタフィロコッカス・ペテンコフェリ(S. pettenkoferi)、スタフィロコッカス・ピスシフェルメンタンス(S. piscifermentans)、スタフィロコッカス・シュディンテルメディウス(S. pseudintermedius)、スタフィロコッカス・シュドラグデュネシス(S. pseudolugdunensis)、スタフィロコッカス・プルベレリ(S. pulvereri)、スタフィロコッカス・ロストリ(S. rostri)、スタフィロコッカス・サッカロリティカス(S. saccharolyticus)、スタフィロコッカス・サプロフィティカス(S. saprophyticus)、スタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)、スタフィロコッカス・シウリ(S. sciuri)、スタフィロコッカス・シミエ(S. simiae)、スタフィロコッカス・シムランス(S. simulans)、スタフィロコッカス・ステパノビシー(S. stepanovicii)、スタフィロコッカス・サシナス(S. succinus)、スタフィロコッカス・ビツリヌス(S. vitulinus)、スタフィロコッカス・ワルネリ(S. warneri)およびスタフィロコッカス・キシロサス(S. xylosus)から選択される。
【0078】
本発明の別の一態様によって、ラクトバチルス目に由来する細菌は、アエロコッカス科、カルノバクテリウム科、エンテロコッカス科、ラクトバチルス科、ロイコノストック科およびストレプトコッカス科から選択される。
【0079】
一般的に、エンテロコッカス科に由来する細菌は、ババリコッカス属、カテリコッカス属、エンテロコッカス属、メリソコッカス属、ピリバクター属、テトラジェノコッカス属、バゴコッカス属に由来する細菌から選択される。
【0080】
エンテロコッカス属に由来する細菌は、例えばエンテロコッカス・マロドラタス(E. malodoratus)、エンテロコッカス・アビウム(E. avium)、エンテロコッカス・ドゥランス(E. durans)、エンテロコッカス・フェカーリス(E. faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)、エンテロコッカス・ガリナラム(E. gallinarum)、エンテロコッカス・ヒラエ(E. hirae)、エンテロコッカス・ソリタリウス(E. solitarius)、好ましくはエンテロコッカス・アビウム(E. avium)、エンテロコッカス・ドゥランス(E. durans)、エンテロコッカス・フェカーリス(E. faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)から選択される。
【0081】
スタフィロコッカス属に由来する細菌、より具体的にはスタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)は、膣または鼻の粘膜のような、皮膚または粘膜の多くの感染症の原因である。例えば毛嚢炎、膿瘍、爪周囲炎、おでき、膿痂疹、指間感染症、炭疽病(ブドウ球菌炭疽病)、蜂巣炎、二次性創傷感染症、耳炎、副鼻腔炎、汗腺炎、感染性乳腺炎、外傷後皮膚感染症または火傷皮膚の感染症などの感染症。
【0082】
エンテロコッカス属に由来する細菌および、より具体的にはエンテロコッカス・フェカーリス(E. faecalis)は、特に心内膜炎ならびに膀胱、前立腺および精巣上体の感染症の原因である。
【0083】
本発明はまた、本発明による組成物を、必要とする個体に治療上効果的な量で投与、好ましくは局所投与することにより、グラム陽性菌による細菌感染症、好ましくは皮膚または粘膜の感染症を処置または予防するための方法に関する。
【0084】
グラム陽性菌に感染したヒトにおいて、「治療上効果的な量」とは、感染症の悪化を防ぐために十分な量または感染症を根絶させるために十分な量を意味することを意図する。感染していないヒトにおいて、「治療上効果的な量」とは、グラム陽性菌に接触したであろうヒトを保護し、かつこのグラム陽性菌によって引き起こされる感染症の発生を回避するために十分な量である。
【0085】
一般的に、局所投与は本発明による組成物を皮膚または粘膜に塗布することにより行われる。
【0086】
基質の細菌コロニー形成を消毒または予防するための方法
本発明はまた、基質を本発明による組成物に接触させることを含む、基質のグラム陽性菌を殺菌するまたは細菌コロニー形成を予防するための方法に関する。
【0087】
一般的に、基質はグラム陽性菌によってコロニー形成され得る、および接触または摂取によって感染症を動物へ伝染させることができる何らかの支持体である。
【0088】
例えば、基質は植物または動物由来の食品またはこのような食品またはこれらの食品の抽出物を含む食品組成物および特に穀物、果実、野菜、肉、魚または臓物であり得る。
【0089】
また基質は、金属、プラスチック、ガラス、コンクリートまたは石から選択される1以上の成分であり得る。
【0090】
優先的には、基質は食品産業において(調理器具、コンテナ、冷蔵保存システム、冷蔵庫、冷蔵室など)、例えば外科用道具またはプロテーゼのような院内セクターにおいて、または公共交通機関(公共交通機関の手すり、座席など)のために使用される器具、道具または装置である。
【0091】
本発明はまた、表面を消毒、処理、滅菌または浄化するための組成物に関する。
【0092】
別個の意味を有するが、用語「含む」、「含有する」、「包含する」および「から成る」は本発明の記載において互換的に用いられ、互いに置き換えることができる。
【0093】
本発明は、単に例として示す以下の図および実施例を読むことによって、より良好に理解される。
【実施例】
【0094】
実施例
メチルグリコピラノシドアセタールは特許第13/01,375号、「Process for preparing long-chain alkyl cyclic alkyl acetals based on sugars」に先に記載された方法に従い、糖類のアセタール化またはトランスアセタール化によって調製した。メチルグリコピラノシドアルキルアセタールはその後、特許第14/01,346号に以前記載された、酸触媒を用いない還元条件を用いて還元される。指標として、ソルビタンアセタールおよびエーテルの合成を以下に記載する。
【0095】
実施例1:メチルグリコピラノシドアルキルアセタール(A)を製造するための一般的方法
アルゴン雰囲気下、100ml丸底フラスコで硫酸ナトリウム(1.5当量)存在下でメチルグリコピラノシド(2当量)を乾燥THF(10ml)に溶解する。アルデヒド(1当量)を1分間かけて滴下添加し、その後Amberlyst 15(アルデヒドに対して20重量%)を添加した。反応混合物を3時間、還流させて(65℃)撹拌する。室温に戻した後、反応混合物をろ過し、酢酸エチル(2×25ml)で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(AcOEt/シクロヘキサン)により精製し、メチルグリコピラノシドアルキルアセタールを得る。
【0096】
【化1】
メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−グルコピラノシド(1a):方法(A)に従って、メチル α−D−グルコピラノシド(3.22g、16.6mmol)とドデカナール(1.52g、8.3mmol)から化合物1aを製造した。反応後、残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン 60:40)で精製し、1aを白色固体(0.77g、26%)の形態で得た。融点=69℃;H NMR(300MHz,CDCl) δ:0.86(3H、t、J=7、CH)、1.17−1.32(16H、m、8CH)、1.33−1.47(2H、m、CH)、1.53−1.74(2H、m、CH)、2.64(2H、brs、OH+OH)、3.24(1H、t、J=9.0、CH)、3.41(3H、s、OCH)、3.49−3.68(3H、m、CH+CH+CH)、3.84(1H、t、J=9.0、CH)、4.10(1H、dd、J=10.0および5.0、CH)、4.52(1H、t、J=5.0、CH)、4.74(1H、d、J=4.0、CH);13C NMR(75MHz、CDCl) δ:14.24(CH)、22.80(CH)、24.20(CH)、29.46(CH)、29.58(CH)、29.62(CH)、29.67(CH)、29.74(CH)、29.76(CH)、32.03(CH)、34.36(CH)、55.57(OCH)、62.63(CH)、68.57(CH)、71.81(CH)、73.02(CH)、80.46(CH)、99.85(CH)、102.84(CH);IR νmax:3388(OH)、2921、2852、1466、1378、1089、1063、1037、991;HRMS(ESI) C1936NaOの計算値:383.2404[M+Na];実測値:383.2398(+1.6ppm);Rf=0.30(EtOAc/シクロヘキサン 60:40)。
【0097】
【化2】
メチル 4,6−O−ドデシリデン−β−D−グルコピラノシド(1b):方法(A)に従って、メチル β−D−グルコピラノシド(5.00g、25.7mmol)とドデカナール(2.37g、12.8mmol)から化合物1bを製造した。反応後、残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、30:70から50:50)により精製し、1bを白色固体(1.30g、28%)の形態で得た。融点=84℃;H NMR(300MHz,CDCl) δ:0.87(3H、t、J=6.7、CH)、1.25(16H、見かけ上のbrs、8CH)、1.34−1.45(2H、m、CH)、1.53−1.73(2H、m、CH)、3.25−3.34(2H、m、CH+CH)、3.44(1H、dd、J=9.0、7.0、CH)、3.56(4H、s、CH+OCH)、3.73(1H、m、CH)、4.18(1H、dd、J=10.4、4.4、CH)、4.28(1H、d、J=7.7、CH)、4.54(1H、t、J=5.1、CH);13C NMR(75MHz,CDCl) δ:14.13(CH)、22.70(CH)、24.14(CH)、29.35(CH)、29.45(CH)、29.50(CH)、29.56(CH)、29.63(CH)、29.65(CH)、31.92(CH)、34.23(CH)、55.51(OCH)、66.21(CH)、68.21(CH)、73.19(CH)、74.61(CH)、80.00(CH)、102.83(CH)、104.07(CH);IR νmax:3650(OH)、2950、2824、2867、2159、2028、1112;HRMS(ESI) C1936NaOについての計算値:383.2404[M+Na];実測値:383.2395(+2.3ppm)。Rf=0.30(EtOAc/シクロヘキサン 40:60)
【0098】
【化3】
メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−マンノピラノシド(1c):方法(A)に従って、メチル α−D−マンノピラノシド(4.00g、20.5mmol)とドデカナール(3.45g、18.7mmol)から化合物1cを製造した。反応後、反応媒体を減圧下で濃縮し、CHClに溶解した。有機相を水(3x100ml)飽和NaCl溶液(2x100ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、20:80から50:50)により精製し、1cを白色固体(0.73g、11%)の形態で得た。融点=104℃;H NMR(300MHz、CDCl) δ:0.88(3H、t、J=6.9、CH)、1.17−1.32(16H、m、8CH)、1.37−1.42(2H、m、CH)、1.58−1.68(2H、m、CH)、3.37(3H、s、OCH)、3.53−3.72(3H、m、CH+CH+CH)、3.98(1H、dd、J=9.0、3.7、CH)、4.13(1H、dd、J=3.6、1.4、CH)、4.58(1H、dd、J=8.8、2.9、CH)、4.10(1H、t、J=5.1、CH)、4.73(1H、d、J=1.3、CH);13C NMR(75MHz、CDCl) δ:14.13(CH)、22.69(CH)、24.10(CH)、29.35(CH)、29.46(CH)、29.51(CH)、29.56(CH)、29.63(CH)、29.65(CH)、31.92(CH)、34.40(CH)、55.05(OCH)、63.00(CH)、68.38(CH)、68.81(CH)、70.82(CH)、78.23(CH)、101.15(CH)、103.06(CH);IR νmax:3380(OH)、2924、2852、1466、1156、1029、682;HRMS(ESI)C1936NaOについての計算値:383.2404[M+Na];実測値:383.2396(+2.2ppm)。Rf=0.2(シクロヘキサン/EtOAc、70:30)。
【0099】
【化4】
メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−ガラクトピラノシド(1d):方法(A)に従って、メチル α−D−ガラクトピラノシド(5.00g、25.7mmol)とドデカナール(2.37g、12.9mmol)から化合物1dを製造した。反応後、反応媒体を減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーで精製せずに1dを白色固体(2.30g、45%)の形態で得た。融点=115℃;H NMR(300MHz,CDCl) δ: 0.89(3H、t、J=6.7、CH)、1.15−1.50(18H、m、9CH)、1.61−1.71(2H、m、CH)、3.45(3H、s、OCH)、3.61(1H、見かけ上のs、CH)、3.77−3.94(3H、m、CH+CHCH)、4.04(1H、d、J=2.5、H)、4.14(1H、dd、J=12.5、1.4、CH)、4.59(1H、t、J=5.2、CH)、4.91(1H、d、J=3.2、CH);13C NMR(75MHz、CDCl) δ:14.06(CH)、22.50(CH)、23.49(CH)、29.27(CH)、29.34(CH)、29.41(CH)、29.48(CH)、29.55(CH)、29.61(CH)、31.97(CH)、34.47(CH)、55.66(OCH)、62.45(CH)、68.92(CH)、69.82(CH)、69.92(CH)、75.42(CH)、100.1(CH)、102.1(CH);IR νmax:3414、3328(OH)、2916、2850、2160、1121、1032;HRMS(ESI) C1936NaOについての計算値383.2404[M+Na];実測値:383.2389(+4.0ppm)。Rf=0.6(EtOAc/シクロヘキサン 60:40)。
【0100】
【化5】
メチル 2,3−O−ドデシリデン−α−L−ラムノピラノシド(1e):方法(A)に従って、メチル α−L−ラムノピラノシド(1.00g、5.60mmol)とドデカナール(0.94g、5.10mmol)から化合物1eを製造した。反応後、反応媒体を減圧下で濃縮し、CHClに溶解した。有機相を水(3x100ml)飽和NaCl溶液(2x100ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、0:100、その後10:90から100:0)により精製した。分離不可能な1eの2つのジアステレオ異性体53:47の混合物をベージュ色固体(0.85g、49%)の形態で得た。融点=46℃;H NMR(300MHz,CDCl) ジアステレオ異性体混合物のδ:0.88(6H、t、J=6.7、2xCH)、1.25−1.32(42H、m、18(CH)+2xCH)、1.57−1.63(2H、m、CH)、1.67−1.74(2H、m、CH)、3.34−3.42(2H、m、2xCH)、3.38(3H、s、OCH)、3.39(3H、s、OCH)、3.65−3.67(2H、m、2xCH)、3.93−4.00(2H、m、CH+CH)、4.00−4.08(1H、m、CH)、4.18(1H、dd、J=7.4、5.4、CH)、4.85(1H、s、CH)、4.88(1H、s、CH)、4.98(1H、t、J=5.0、CH)、5.24(1H、t、J=4.8、CH);13C NMR(75MHz、CDCl) ジアステレオ異性体混合物のδ:14.13(2xCH)、17.41(CH)、17.56(CH)、22.70(2CH)、23.77(CH)、24.23(CH)、29.35(2CH)、29.49(CH)、29.50(CH)、29.53(2CH)、29.56(2CH)、29.62(2CH)、29.65(2CH)、31.92(2CH)、34.90(CH)、35.41(CH)、54.96(2OCH)、65.24(CH)、65.87(CH)、71.57(CH)、74.94(CH)、75.17(CH)、77.37(CH)、77.40(CH)、78.99(CH)、97.96(CH)、98.28(CH)、104.2(CH)、104.3(CH);IR νmax:3650、3238(OH)、2921、2852、2159、2029、1136、1029;HRMS(ESI) C1936NaOについての計算値367.2455[M+Na];実測値:367.2452(+0.9ppm)。Rf=0.5(EtOAc/シクロヘキサン 50:50)。
【0101】
実施例2:メチルグリコピラノシドアルキルエーテルの位置異性体混合物を製造するための一般的方法(B)
100mlのステンレス鋼オートクレーブ内でメチルグリコピラノシドアルキルアセタール(3mmol)をシクロペンチルメチルエーテル(CPME、30ml)に溶解し、5%−Pd/C(0.45g、5mol%パラジウム)をその後添加した。反応器を密閉し、水素を3回パージし、30バールで導入した。反応混合物を機械的に撹拌し、120℃で15時間撹拌した。室温まで冷却後、水素圧を開放し、反応混合物をエタノール(100ml)に溶解し、ろ過(0.01μm ミリポアデュラポアフィルター)した。ろ液を減圧下で濃縮してメチルグリコピラノシドアルキルエーテルの位置異性体混合物を得た。
【0102】
【化6】
メチル 6−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(2a)およびメチル 4−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(2a’):一般的方法(B)に従って、メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−グルコピラノシド1a(5.00g、14mmol)から化合物2aおよび2a’を製造した。2aと2a’の73:27の混合物を白色固体(2.52g、51%)の形態で得た。化合物の特徴付けを容易にするために、混合物の位置異性体はシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、50:50から100:0、その後EtOH/EtOAc 10:90)により分離できる。2a:白色固体。H NMR(300MHz,CDCl) δ:0.87(3H、t、J=7、CHアルキル)、1.09−1.44(18H、m、9(CH)アルキル)、1.47−1.70(2H、m、CH)アルキル、3.41(3H、s、OCH)、3.43−3.84(7H、m)、4.21(3H、brs、OH)、4.74(1H、d、J=4、アノマーCH);13C NMR(75MHz,CDCl) δ:14.25(CH)、22.82(CH)、26.17(CH)、29.50(CH)、29.67(CH)、29.73(CH)、29.77(CH)、29.80(2CH)、29.83(CH)、32.06(CH)、55.35(OCH)、70.33(CH)、70.51(CH)、71.23(CH)、72.10(CH)、72.30(CH)、74.49(CH)、99.57(CH);IR νmax:3402(OH)、2918、2851、1467、1370、1057、1015、902;HRMS(ESI) C1938NaOについての計算値:385.2561[M+Na];実測値:385.2558(+0.6ppm);Rf=0.16(EtOAc/EtOH 10:1)。2a’:白色固体。H NMR(300MHz,CDCl) δ:0.87(3H、t、J=7、CHアルキル)、1.14−1.42(18H、m、9(CH)アルキル)、1.47−1.71(2H、m、CHアルキル)、2.16(3H、brs、OH)、3.24(1H、t、J=10);3.41(3H、s、OCH)、3.49(1H、dd、J=10および4)、3.54−3.66(2H、m)、3.69−3.91(4H、m)、4.74(1H、d、J=4、アノマーCH);13C NMR(75MHz,CDCl) δ:14.26(CH)、22.83(CH)、26.20(CH)、29.49(CH)、29.64(CH)、29.74(2CH)、29.77(CH)、29.80(CH)、30.47(CH)、32.06(CH)、55.46(OCH)、62.15(CH)、70.99(CH)、72.81(CH)、73.28(CH)、75.05(CH)、77.94(CH)、99.20(CH);IR νmax:3295(OH)、2913、2848、1739、1469、1370、1114、1067、1042、993;HRMS(ESI) C1938NaOについての計算値:385.2561[M+Na];実測値:385.2574(−3.5ppm);Rf=0.24(EtOAc/EtOH 10:1)。
【0103】
【化7】
メチル 6−O−ドデシル−α−D−マンノピラノシド(2b)およびメチル 4−O−ドデシル−α−D−マンノピラノシド(2b’):一般的方法(B)に従って、メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−マンノピラノシド 1c(0.70g、1.94mmol)から化合物2bおよび2b’を製造した。反応後、残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、40:60)により精製した。分離不可能な2bと2b’の75:25の混合物を無色油状物質(0.24g、34%)の形態で得た。優勢な位置異性体2bについてのH NMR(300MHz,CDCl)δ:0.88(3H、t、J=6.7、CH)、1.20−1.35(18H、m、9CH)、1.55−1.61(2H、m、CH)、3.35(3H、s、OCH)、3.44−3.57(2H、m、OCH)、3.60−3.98(6H、m、CH+CH+CH+CH+CH)、4.73(1H、d、J=1.5、CH);優勢な位置異性体2bについての13C NMR(75MHz、CDCl)δ:14.06(CH)、22.63(CH)、25.95(CH)、29.30(CH)、29.42(CH)、29.44(CH)、29.54(CH)、29.57(CH)、29.58(CH)、29.61(CH)、31.86(CH)、54.96(OCH)、69.50(CH)、69.65(CH)、70.37(CH)、71.12(CH)、71.67(CH)、72.14(OCH)、100.7(CH);IR νmax:3650、3238(OH)、2921、2852、2159、2029、1976、1156;HRMS(ESI) C1938NaOについての計算値:385.2561 [M+Na];実測値:385.2555(+1.5ppm);Rf=0.22(シクロヘキサン/EtOAc 60:40)。
【0104】
【化8】
メチル 6−O−ドデシル−α−D−ガラクトピラノシド(2c)およびメチル 4−O−ドデシル−α−D−ガラクトピラノシド(2c’):一般的方法(B)に従って、メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−ガラクトピラノシド 1d(0.69g、1.90mmol)から化合物2cおよび2c’を製造した。反応後、残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、50:50)により精製した。分離不可能な2cと2c’の90:10の混合物を白色固体(0.19g、27%)の形態で得た。融点=110℃;優勢な位置異性体2cについてのH NMR(300MHz,CDCl)δ:0.87(3H、t、J=6.6、CH)、1.24(18H、brs、9CH)、1.55−1.60(2H、m、CH)、3.41(3H、s、OCH)、3.48(2H、t、J=6.7、OCH)、3.67−3.90(5H、m、3CH+CH)、4.04−4.05(1H、m、CH)、4.83(1H、d、J=3.5、CH);優勢な位置異性体2c’についての13C NMR(75MHz、CDCl)δ:14.24(CH)、22.81(CH)、26.17(CH)、29.47(CH)、29.59(CH)、29.61(CH)、29.70(CH)、29.74(CH)、29.76(2CH)、29.78(CH)、32.44(CH)、55.59(OCH)、69.68(CH)、70.47(CH)、71.11(CH)、71.34(CH)、72.30(CH)、99.84(CH);IR νmax:3651、3250(OH)、2917、2849、2493、2430、2159、2029、1976、1042;HRMS(ESI) C1938NaOについての計算値:385.2561[M+Na];実測値:385.2548(+3.2ppm);Rf=0.30(シクロヘキサン/EtOAc 40:60)。
【0105】
【化9】
メチル 2−O−ドデシル−α−L−ラムノピラノシド(2d)およびメチル 3−O−ドデシル−α−L−ラムノピラノシド(2d’):一般的方法(B)に従って、メチル 2,3−O−ドデシリデン−α−L−ラムノピラノシド 1e(0.70g、2.03mmol)から化合物2dおよび2d’を製造した。反応後、残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、40:60)により精製した。分離不可能な2dおよび2d’93:7の混合物を無色油状物質(0.19g、27%)の形態で得た。優勢な位置異性体2dについてのH NMR(300MHz,CDCl)δ: 0.87(3H、t、J=6.7、CH)、1.18−1.35(21H、m、9(CH)+CH)、1.53−1.59(2H、m、CH)、2.35(2H、brs、OH)、3.31−3.47(5H、m、CH+CH+OCH)、3.52(1H、dd、J=3.9、1.3、CH)、3.54−3.62(1H、m、CH)、3.62−3.71(2H、m、CH+CH)、4.71(1H、見かけ上のs、CH);優勢な位置異性体2d’についての13C NMR(75MHz、CDCl)δ:14.11(CH)、17.54(CH)、22.68(CH)、25.99(CH)、29.34(CH)、29.41(CH)、29.56(CH)、29.59(CH)、29.62(CH)、29.65(CH)、29.80(CH)、31.91(CH)、54.75(OCH)、67.38(CH)、71.24(CH)、71.51(CH)、74.07(CH)、78.53(CH)、97.83(CH);IR νmax:3650、3238(OH)、2921、2852、2519、2029、2029、1976、1070;HRMS(ESI) C1938NaOについての計算値:369.2611[M+Na];実測値:369.2605(+1.8ppm);Rf=0.51(シクロヘキサン/EtOAc 60:40)。
【0106】
実施例3:C12単糖のアセタールおよびエーテル誘導体のグラム陽性細菌に対する静菌特性の測定
C12アルキル基を有する化合物で最良の結果が観察されたため、実施例1および2で得られた化合物を用いて、より広いグラム陽性菌株のパネルに対するアッセイを実施した。
【0107】
3.1 材料および方法
3.1.1 試験された目的の化合物:
メチルグルコピラノシドアセタール
・メチル 4,6−O−ドデシリデン−α−D−グルコピラノシド(1a)
・メチル 4,6−O−ドデシリデン−β−D−グルコピラノシド(1b)
メチルグリコピラノシドエーテル混合物
・メチル 6−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(2a)およびメチル 4−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(2a’)
・メチル 6−O−ドデシル−α−D−マンノピラノシド(2b)およびメチル 4−O−ドデシル−α−D−マンノピラノシド(2b’)
・メチル 6−O−ドデシル−α−D−ガラクトピラノシド(2c)およびメチル 4−O−ドデシル−α−D−ガラクトピラノシド(2c’)
・メチル 2−O−ドデシル−α−L−ラムノピラノシド(2d)およびメチル 3−O−ドデシル−α−L−ラムノピラノシド(2d’)
ソルビタンエーテル混合物
・3−O−ドデシル−1,4−D−ソルビタン、5−O−ドデシル−1,4−D−ソルビタンおよび6−O−ドデシル−1,4−D−ソルビタン
【0108】
3.1.2 試験されたグラム陽性菌
試験された菌株は、多抗生剤耐性である基準株および培養物であり;これらは、"Hospice de Lyon"で単離された臨床菌株であり、以下のとおりである:
・−スタフィロコッカス スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus):ATCC(登録商標)29213TM、ATCC25923、
・メシチリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus) スタフィロコッカス株(Lac-Deleo USA 300)、(MU3)、(HT 2004-0012)、LY 199-0053、(HT 2002-0417)、(HT 2006-1004)、
・ダプトマイシン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus) スタフィロコッカス株(ST 2015-0188)(ST 2014 1288)、(ST 2015-0989)。
・−腸球菌:エンテロコッカス・フェカーリス(E. faecalis)(ATCC(登録商標)29212TM)、エンテロコッカス・フェカーリス(E. faecalis)腸球菌の臨床菌株、尿から単離:015206179901(以下9901)株、015205261801(以下1801)株
・−腸球菌:エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)(CIP 103510)、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)腸球菌の臨床菌株:Van A 0151850763(以下 Van A); 株015 205731401(以下1401)、
・−リステリア:リステリア・モノサイトゲネス(L. monocytogenes)(CIP 103575)、血液培養から単離された臨床菌株(015189074801、LM1)、脳脊髄液から単離された臨床菌株(015170199001、LM2)、血液培養から単離された臨床菌株(015181840701、LM3)。
【0109】
3.1.3 接種材料の調製:
(血液寒天培地上、37℃で18時間インキュベートした後に)新しく単離した試験培養を、0.5マクファーランド(Mc)懸濁液、すなわち1〜2×10CFU(細菌)/cmが得られるまで、滅菌水(10ml)に添加する。その後最終濃度1×10CFU/cmを得るために細菌懸濁液を希釈した。
【0110】
3.1.4 MICを観察するためのマルチウェルプレートの調製:
各ウェルは最終同一量のMueller−Hinton培地(細菌培養用富栄養培地)および0.5×10CFU/cmの細菌を含む。
目的の試験化合物を25mg/mLのエタノールまたはDMSOに希釈し、その後種々の濃度に2倍ずつ希釈する。マルチウェルプレート上に、目的の試験化合物がない培養培地を含む第1系列を設計した。これは生育対照(対照ウェル)に対応する。これらの対照は細菌生育を、種々の濃度の目的の試験化合物を含む後のウェルの細菌生育と比較するための参照としての役割を果たす。第2系列のウェルは、ウェル内に256mg(7mM)の濃度の目的の試験化合物の母溶液を含む。最終濃度が0.25mg/L(0.0007mM)の最終系列まで、ウェルの各系列を2倍ずつ希釈した。各濃度は、同一プレート内で二重である。プレートを18時間、37℃でインキュベートする。インキュベート後の観察は対照ウェルの濁度(細菌生育の指標)を示す。抗菌活性がある場合、細菌生育は阻害され、これは濁度または細菌残渣の非存在により示される。
最小阻害濃度(MIC)は"Clinical Laboratory Standards Institute" (Clinical-Laboratory-Standards-Institute, 6th ed. Approved standard M100-S17. CLSI, Wayne, PA, 2007)の推奨に従って、グラム陽性菌株について決定した。
【0111】
3.1.5 接種材料の調製:
(血液寒天培地上、37℃で18時間インキュベートした後に)新しく単離した試験培養物を、0.5マクファーランド(Mc)、すなわち10CFU(細菌)/cmの懸濁液が得られるまで滅菌水(10ml)に添加する。細菌懸濁液をその後希釈して最終濃度10CFU/cmを得た。
【0112】
3.2 結果
3.2.1 スタフィロコッカス属の菌株についての結果
96穴プレートの観察によると、全てのアセタールまたはエーテル単糖誘導体は、ガラクトースエーテル(C12−Eth−α−MeGalac)およびグルコースα−アセタール(C12−Ac−α−MeGlu)(MIC>256mg/l)を除いて、試験されたスタフィロコッカス菌株に対して活性である(8<MIC<64mg/l)。
【0113】
結果(表6)の分析時、全ての誘導体は実際に、C12炭素に基づく鎖を含むことに留意する。さらに、それらのうちいくつかのみが試験されたスタフィロコッカス菌株に対して活性である(8<MIC<64mg/l)。さらに、分子1aおよび1bを比較したとき、これらの分子は互いのアノマー位でのみ異なり;そしてそれらの一方のみが有効な抗菌活性を有することが観察される。
【表1】
表6.種々のスタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)ブドウ球菌株に対するメチルグリコピラノシドおよびソルビタンのアセタールおよびエーテル誘導体についての抗菌結果:mg/lでの最小阻害濃度(MIC)。
【0114】
同様に、エーテル結合かアセタール結合により異なる分子1aおよび2a+2a’を比較したとき、これらの分子の一方のみが有効な抗菌活性を有する。最後に、糖の性質はまた、分子の抗菌活性を変化させることができる。従って、C12−Eth−α−MeGlu、C12−Eth−α−MeRhamおよびC12−Eth−α−MeManはC12−Eth−α−MeGalacと比較して抗菌活性を有することが注目される。この情報は、分子の抗菌活性が、糖の性質、アノマー炭素の配置およびアルキル鎖の結合の性質に複合的方式で依存することを明確に示す。
【0115】
エンテロコッカス属の菌株についての結果
【表2】
表7.種々のエンテロコッカス菌株に対する糖エーテルおよび糖アセタールおよびソルビタンアセタール誘導体の抗菌性の結果。mg/lにおける最小阻害濃度(MIC)。
【0116】
全てのエンテロコッカス菌株について良好な殺菌活性が観察された;C12−Ac−α−MeGluおよびC12−Eth−α−MeGalacを除いて試験された全ての分子について32<MIC<8mg/l。
【0117】
リステリア属の菌株についての結果
【表3】
表8.種々のリステリア菌株に対する糖エーテルおよび糖アセタールおよびソルビタンアセタール誘導体の抗菌性の結果。mg/lにおける最小阻害濃度(MIC)。
【0118】
化合物C12−Ac−α−MeGluおよびC12−Eth−α−MeGalac以外、良好な抗菌活性が全てのリステリア菌株に対して観察されることが注目される;試験された全ての分子について64<MIC<8mg/l。
本発明はさらに次の態様を含む。
項1.アルキル基が11〜18個の炭素原子を含むデオキシヘキソースアルキルエーテルまたはアルキルアセタール、その薬学的に許容される塩、異性体もしくは異性体混合物を含み、前記異性体が位置異性体および/またはジアステレオ異性体から選択され、優先的に、前記アルキルエーテルまたはアルキルアセタール基が2−O−位、3−O−位および/または4−O−位にあることを特徴とする、組成物。
項2.デオキシヘキソースがグリコシル化されたおよび/または水素化されたおよび/または脱水されており、優先的に、デオキシヘキソースがラムノースまたはフコースであることを特徴とする、項1に記載の組成物。
項3.アルキル基が11〜13個の炭素原子を含むことを特徴とする、項1または2に記載の組成物。
項4.デオキシヘキソース誘導体がラムノピラノシド、優先的にメチルラムノピラノシドであることを特徴とする、項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
項5.デオキシヘキソースアルキルエーテルまたはアルキルアセタールがデオキシヘキソースアルキルモノアセタールまたはモノエーテルであり、優先的に、前記アルキルモノアセタール基が2,3−O−位または3,4−O−位にあるか、または前記アルキルモノエーテル基が2−O−位、3−O−位または4−O−位にあることを特徴とする、項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
項6.グラム陽性細菌に対して殺菌剤または静菌剤として使用するための、項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
項7.グラム陽性細菌がファーミキューテス門、一般的にバチルス綱、特にラクトバチルス目またはバチルス目の細菌から選択されることを特徴とする、項6に記載の組成物。
項8.グラム陽性菌がアリサイクロバチルス科、バチルス科、カリオファノン科、リステリア科、パエニバチルス科、パステウリ科、プラノコッカス科、スポロラクトバチルス科、スタフィロコッカス科、サーモアクチノミセス科およびチュリキバクター科から選択される、バチルス目に由来する細菌であり、および/またはグラム陽性細菌がアエロコッカス科、カルノバクテリウム科、エンテロコッカス科、ラクトバチルス科、ロイコノストック科およびストレプトコッカス科から選択されるラクトバチルス目の細菌であることを特徴とする、項6または7に記載の組成物。
項9.グラム陽性菌が一般的にリステリア・フレイスクマンニ(L. fleischmannii)、リステリア・グライ(L. grayi)、リステリア・イノキュア(L. innocua)、リステリア・イバノビイ(L. ivanovii)、リステリア・マルトイ(L. marthii)、リステリア・モノサイトゲネス(L. monocytogenes)、リステリア・ロコウルティエ(L. rocourtiae)、リステリア・セエリゲリ(L. seeligeri)、リステリア・ウェイヘンステファネンシス(L. weihenstephanensis)およびリステリア・ウェルシメリ(L. welshimeri)から選択される、ブロコトリックス属またはリステリア属などのリステリア科の細菌である、および/またはスタフィロコッカス属、ゲメラ属、マクロコッカス属、サリニコッカス属およびノソコミイコッカス属から選択されるスタフィロコッカス科の細菌であることを特徴とする、項8に記載の組成物。
項10.グラム陽性菌が、スタフィロコッカス・アルレッテ(S. arlettae)、スタフィロコッカス・アグネティス(S. agnetis)、スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)、スタフィロコッカス・アウリクラリス(S. auricularis)、スタフィロコッカス・カピティス(S. capitis)、スタフィロコッカス・カプレ(S. caprae)、スタフィロコッカス・カルノサス(S. carnosus)、スタフィロコッカス・カセオリティクス(S. caseolyticus)、スタフィロコッカス・クロモゲネス(S. chromogenes)、スタフィロコッカス・コーニー(S. cohnii)、スタフィロコッカス・コンディメンティ(S. condimenti)、スタフィロコッカス・デルフィニ(S. delphini)、スタフィロコッカス・デブリエセイ(S. devriesei)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・エクオラム(S. equorum)、スタフィロコッカス・フェリス(S. felis)、スタフィロコッカス・フレウレティ(S. fleurettii)、スタフィロコッカス・ガリナラム(S. gallinarum)、スタフィロコッカス・ヘモリティカス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(S. hominis)、スタフィロコッカス・ハイカス(S. hyicus)、スタフィロコッカス・インテルメディアス(S. intermedius)、スタフィロコッカス・クローシー(S. kloosii)、スタフィロコッカス・レーイ(S. leei)、スタフィロコッカス・レンタス(S. lentus)、スタフィロコッカス・ラグデュネシス(S. lugdunensis)、スタフィロコッカス・ルトレ(S. lutrae)、スタフィロコッカス・マシリエンシス(S. massiliensis)、スタフィロコッカス・マクロティ(S. microti)、スタフィロコッカス・ムスセ(S. muscae)、スタフィロコッカス・ネパレンシス(S. nepalensis)、スタフィロコッカス・パステウリ(S. pasteuri)、スタフィロコッカス・ペテンコフェリ(S. pettenkoferi)、スタフィロコッカス・ピスシフェルメンタンス(S. piscifermentans)、スタフィロコッカス・シュディンテルメディウス(S. pseudintermedius)、スタフィロコッカス・シュドラグデュネシス(S. pseudolugdunensis)、スタフィロコッカス・プルベレリ(S. pulvereri)、スタフィロコッカス・ロストリ(S. rostri)、スタフィロコッカス・サッカロリティカス(S. saccharolyticus)、スタフィロコッカス・サプロフィティカス(S. saprophyticus)、スタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)、スタフィロコッカス・シウリ(S. sciuri)、スタフィロコッカス・シミエ(S. simiae)、スタフィロコッカス・シムランス(S. simulans)、スタフィロコッカス・ステパノビシー(S. stepanovicii)、スタフィロコッカス・サシナス(S. succinus)、スタフィロコッカス・ビツリヌス(S. vitulinus)、スタフィロコッカス・ワルネリ(S. warneri)およびスタフィロコッカス・キシロサス(S. xylosus)から選択されるスタフィロコッカス属に由来する細菌であることを特徴とする、項9に記載の組成物。
項11.グラム陽性菌がババリコッカス属、カテリコッカス属、エンテロコッカス属、メリソコッカス属、ピリバクター属、テトラジェノコッカス属またはバゴコッカス属に由来する細菌から選択される、エンテロコッカス科に由来する細菌であることを特徴とする、項8に記載の組成物。
項12.グラム陽性菌がエンテロコッカス・マロドラタス(E. malodoratus)、エンテロコッカス・アビウム(E. avium)、エンテロコッカス・ドゥランス(E. durans)、エンテロコッカス・フェカーリス(E. faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)、エンテロコッカス・ガリナラム(E. gallinarum)、エンテロコッカス・ヒラエ(E. hirae)、エンテロコッカス・ソリタリウス(E. solitarius)、好ましくはエンテロコッカス・アビウム(E. avium)、エンテロコッカス・ドゥランス(E. durans)、エンテロコッカス・フェカーリス()およびエンテロコッカス・フェシウム(E. faecalis)から選択されるエンテロコッカス属に由来する細菌であることを特徴とする、項11に記載の組成物。
項13.食品、化粧品、医薬品、植物衛生、獣医または表面処理用の組成物に組み込まれることを特徴とする、項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
項14.外用の衛生用または皮膚用品としてのその使用のためのおよび/またはグラム陽性細菌による細菌感染症の処置または予防における使用のための、項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
項15.グラム陽性菌による感染症が皮膚または粘膜の感染症、好ましくは毛嚢炎、膿瘍、爪周囲炎、おでき、膿痂疹、指間感染症、炭疽病、蜂巣炎、二次創感染、耳炎、副鼻腔炎、汗腺炎、感染性乳腺炎、外傷後皮膚感染症または火傷皮膚の感染症から選択される感染症である、項14に記載の組成物。
項16.基質を項1〜5のいずれか一項に記載の組成物に接触させることを含む、基質の消毒またはグラム陽性菌による細菌コロニー形成の予防のための方法。