(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755328
(24)【登録日】2020年8月27日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】コンデンサー型マイクロフォン及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H04R 19/04 20060101AFI20200907BHJP
H01L 41/053 20060101ALI20200907BHJP
H01L 41/113 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
H04R19/04
H01L41/053
H01L41/113
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-546697(P2018-546697)
(86)(22)【出願日】2017年10月25日
(65)【公表番号】特表2019-537847(P2019-537847A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】CN2017107666
(87)【国際公開番号】WO2019061618
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2018年9月5日
(31)【優先権主張番号】201710899470.X
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520230282
【氏名又は名称】ウェイハン ゴーアテック マイクロエレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Weifang Goertek Microelectronics CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡孟錦
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャン▼竣凱
【審査官】
篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0110309(US,A1)
【文献】
国際公開第2013/115270(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 19/04
H01L 41/053
H01L 41/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに設けられた背極板と、振動板とを含むコンデンサー型マイクロフォンにおいて、
前記背極板は、前記振動板の上側及び/又は下側に設けられ、
前記振動板には、突出層又はパターン付き構造層が設けられ、前記振動板には、外部と連通する少なくとも一つの放音孔がさらに設けられ、前記放音孔は、前記振動板のうち前記突出層が設けられていない箇所に設けられ、
前記パターン付き構造層が前記背極板の構造に合わせ且つ凹凸状に配置されており、
前記突出層又は前記パターン付き構造層と前記振動板は一体成形構造であることを特徴とするコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項2】
前記振動板に突出層が設けられている場合、前記背極板が支持層を介して前記ベースに設けられ、前記振動板が絶縁層を介して前記背極板のうち前記ベースからより遠く離れた側に設けられ、
前記振動板には、前記背極板側に垂直に延びる突出層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項3】
前記振動板に突出層が設けられている場合、前記振動板が支持層を介して前記ベースに設けられ、前記背極板が絶縁層を介して前記振動板のうち前記ベースからより遠く離れた側に設けられ、
前記振動板には、前記背極板側に垂直に延びる突出層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項4】
前記振動板にパターン付き構造層が設けられている場合、前記背極板が支持層を介して前記ベースに設けられ、前記振動板が絶縁層を介して前記背極板のうち前記ベースからより遠く離れた側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項5】
前記振動板にパターン付き構造層が設けられている場合、前記振動板が支持層を介して前記ベースに設けられ、前記背極板が絶縁層を介して前記振動板のうち前記ベースからより遠く離れた側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項6】
前記振動板に突出層が設けられている場合、前記背極板が前記振動板の両側に設けられ、
前記振動板の両側には、対応する側の背極板に垂直に延びる突出層がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項7】
前記振動板にパターン付き構造層が設けられている場合、前記背極板が前記振動板の両側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項8】
前記コンデンサー型マイクロフォンの内部回路と外部回路を接続するための電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー型マイクロフォン。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサー型マイクロフォンを含むことを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響技術分野に関し、より具体的には、コンデンサー型マイクロフォン及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の進歩と技術の発展に伴い、近年には、携帯電話やノートパソコンなどの電子製品の体積がますます小さくなり、これらの携帯電子製品の性能に対する要求もますます高まっているため、それとセットになる電子部品の体積を小さくするとともに、性能と整合性を向上することが望まれている。コンデンサー型マイクロフォンが携帯電話やノートパソコンなどの電子製品に大量に適用され始め、そのパッケージの体積が従来のエレクトレット型マイクフォンより小さいため、多くのマイクフォンメーカーから好評を得ている。
【0003】
その中、コンデンサー型マイクロフォンは、主に、導体間のコンデンサーの充放電を利用し、振動板により音圧を感知し、導体間の静電電圧の変化を電気信号に直接変換するものである。コンデンサー型マイクロフォンの感度は、主に、容量値及び感知された音圧の変化による容量値の変化量に決められる。従来のコンデンサー型マイクロフォンは、振動板の面積が限られているため、側面の容量が不足し、製品の感度の向上に影響を与えることがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来のコンデンサー型マイクロフォンの構造に起因し、製品の感度の向上が制限されて製品の性能に影響を与えるといった課題を解決するためのコンデンサー型マイクロフォン及び電子装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、ベースと、ベースに設けられた背極板と、振動板とを含み、背極板が振動板の上側及び/又は下側に設けられ、振動板に突出層又はパターン付き構造層が設けられているコンデンサー型マイクロフォンを提供する。
【0006】
また、振動板に突出層が設けられている場合、背極板が支持層を介してベースに設けられ、振動板が絶縁層を介して背極板のうちベースからより遠く離れた側に設けられ、振動板には、背極板側に垂直に延びる突出層が設けられているように構成されることは好ましい。
【0007】
また、振動板に突出層が設けられている場合、振動板が支持層を介してベースに設けられ、背極板が絶縁層を介して振動板のうちベースからより遠く離れた側に設けられ、振動板には、背極板側に垂直に延びる突出層が設けられているように構成されることは好ましい。
【0008】
また、振動板にパターン付き構造層が設けられている場合、背極板が支持層を介してベースに設けられ、振動板が絶縁層を介して背極板のうちベースからより遠く離れた側に設けられ、振動板には、背極板の構造に合わせ且つ凹凸状に配置されたパターン付き構造層が設けられているように構成されることは好ましい。
【0009】
また、振動板にパターン付き構造層が設けられている場合、振動板が支持層を介してベースに設けられ、背極板が絶縁層を介して振動板のうちベースからより遠く離れた側に設けられ、振動板には、背極板の構造に合わせ且つ凹凸状に配置されたパターン付き構造層が設けられているように構成されることは好ましい。
【0010】
また、振動板に突出層が設けられている場合、背極板が振動板の両側に設けられ、振動板の両側には、対応する側の背極板に垂直に延びる突出層がそれぞれ設けられているように構成されることは好ましい。
【0011】
また、振動板にパターン付き構造層が設けられている場合、背極板が振動板の両側に設けられ、振動板には、両側の背極板の構造のいずれにも合わせ且つ凹凸状に配置されたパターン付き構造層が設けられているように構成されることは好ましい。
【0012】
また、突出層又はパターン付き構造層と振動板は一体成形構造であることは好ましい。
【0013】
また、コンデンサー型マイクロフォンの内部回路と外部回路を接続するための電極をさらに含むように構成されることは好ましい。
【0014】
本発明のその他の形態によれば、上記したコンデンサー型マイクロフォンを含む電子装置を提供する。
【0015】
上記したコンデンサー型マイクロフォン及び電子装置によれば、背極板が振動板の上側及び/又は下側に設けられ、振動板には突出層又はパターン付き構造層が設けられているため、突出層又はパターン付き構造層によって製品の側面の容量値を増加させ、製品の感度を向上させることができる。
【0016】
上記及び関連目的を実現するために、本発明の一つ又は複数の形態は後述する特徴を含む。以下の説明及び図面は、本発明のいくつかの例示的な形態を詳細に説明している。しかしながら、これらの形態は本発明の原理を適用可能な種々の形態の一部だけを示すものである。なお、本発明はこれらの形態やそれに均等な形態を含む。
【0017】
以下の図面を参照しながら説明し、それに、本発明に対するより全面的な理解することに伴い、本発明のその他の目的及び効果は、より明らかで理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1によるコンデンサー型マイクロフォンの構造の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例2によるコンデンサー型マイクロフォンの構造の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例3によるコンデンサー型マイクロフォンの構造の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例4によるコンデンサー型マイクロフォンの構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例5によるコンデンサー型マイクロフォンの構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例6によるコンデンサー型マイクロフォンの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、一つ又は複数の実施例に対して全面的に理解するように説明するために、多くの具体的な詳細構成を述べる。しかしながら、それらの具体的な詳細構成が省略された場合でもこれらの実施例を実現し得る。その他の実施例では、一つ又は複数の実施例を容易に説明するために、ブロック図で周知の構造や設備を示している。
【0020】
本発明の説明において、「上」、「下」、「水平」、「鉛直」などの用語が示す方向や位置関係は、図面に示された方向や位置関係に基づいており、本発明を容易に説明したり、説明を簡素化したりするためのものであり、示された装置や素子が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構造されたり操作されたりすることを規定又は示唆するものではないため、本発明を限定するものではない。
【0021】
従来のコンデンサー型マイクロフォンの感度を向上させるために、本発明のコンデンサー型マイクロフォンは、背極板を振動板の上側及び/又は下側に設け、振動板に突出層又はパターン付き構造層を設けるように構成されており、突出層又はパターン付き構造層によって、製品の側面の容量を増加させ、製品の感度及び音響性能を向上させることを図る。
【0022】
以下、本発明の実施例のコンデンサー型マイクロフォンの構造を詳細に説明するために、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施例1によるコンデンサー型マイクロフォンの構造を示す。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施例1のコンデンサー型マイクロフォンは、ベース1と、支持層2を介してベース1に設けられた背極板3と、絶縁層7を介して背極板3のうちベース1からより遠く離れた側(下向き)に設けられた振動板5とを含み、振動板5には、背極板3側に垂直に延びる複数の突出層51が設けられており、突出層51は垂直状で等間隔に配置され、背極板3の孔内まで延びている。突出層51によって振動板5全体の面積を増加させることにより、コンデンサー型マイクロフォンの側面の容量(振動板5と背極板3との間の容量)を増加させるとともに製品の感度を向上させる目的を達成する。
【0025】
なお、振動板5には、外部と連通する少なくとも一つの放音孔6がさらに設けられている。放音孔6は、振動板5のうち突出層51が設けられていない箇所に設けられている。
【0026】
図2は、本発明の実施例2によるコンデンサー型マイクロフォンの構造を示す。
【0027】
図2に示すように、本発明の実施例2のコンデンサー型マイクロフォンは、ベース1と、支持層2を介してベース1に設けられた振動板5と、絶縁層7を介して振動板5のうちベース1からより遠く離れた側に設けられた背極板3とを含み、振動板5には、背極板3側(上向き)に垂直に延びる複数の突出層51が設けられており、突出層51は垂直状で等間隔に配置され、背極板3の孔内まで延びている。突出層51によって振動板5全体の面積を増加させることにより、結果的に側面の容量を増加させるとともに製品の感度を向上させる目的を達成する。
【0028】
図3は、本発明の実施例3によるコンデンサー型マイクロフォンの構造を示す。
【0029】
図3に示すように、本発明の実施例3のコンデンサー型マイクロフォンは、ベース1と、支持板を介してベース1に設けられた背極板3と、絶縁層7を介して背極板3のうちベース1からより遠く離れた側に設けられた振動板5とを含み、振動板5には、背極板3の構造に合わせ且つ凹凸状に配置されたパターン付き構造層52が設けられている。当該パターン付き構造層52は、主に振動板5全体の構造が凹凸状に配置されていることを意味する。つまり、振動板5の面積を増加させるために、振動板5は背極板3の孔構造に合わせた凹凸状のパターン付き構造とされている。
【0030】
なお、振動板5には、外部と連通する少なくとも一つの放音孔6がさらに設けられている。放音孔6は、振動板5のうち背極板3からより遠く離れた側の突起箇所に設けられている。
【0031】
図4は、本発明の実施例4によるコンデンサー型マイクロフォンの構造を示す。
【0032】
図4に示すように、本発明の実施例4のコンデンサー型マイクロフォンは、ベース1と、支持板を介してベース1に設けられた振動板5と、絶縁層7を介して振動板5のうちベース1からより遠く離れた側に設けられた背極板3とを含み、振動板5には、背極板3の構造に合わせ且つ凹凸状に配置されたパターン付き構造層52が設けられている。当該パターン付き構造層52は、主に振動板5全体の構造が凹凸状に配置されていることを意味する。当該実施例における振動板の構造は、設置位置(背極板との相対位置)及び放音孔の設置が相違する点を除き、実施例3における振動板の構造と類似する。
【0033】
図5は、本発明の実施例5によるコンデンサー型マイクロフォンの構造を示す。
【0034】
図5に示すように、本発明の実施例5のコンデンサー型マイクロフォンは、振動板5と、振動板5の両側に設けられた二つの背極板3(上背極板と下背極板を含む)とを含み、下背極板が支持層2を介してベース1に設けられ、振動板5が下背極板のうちベース1からより遠く離れた側に設けられており、振動板5のうちベース1からより遠く離れた側にはさらに上背極板が設けられ、振動板5が上背極板と下背極板との間に位置する。
【0035】
具体的には、振動板5の上下両側には、対応する側の背極板3に垂直に延びる複数の突出層51がそれぞれ設けられており、突出層51は垂直状で等間隔に配置され、対応する側の背極板3の孔内まで延びる。振動板5の上側に位置する突出層と振動板5の下側に位置する突出層とは、互いに均等に配置された状態となっている。即ち、水平方向において、隣接する突出層51同士の間隔はいずれも同じである。
【0036】
図6は、本発明の実施例6によるコンデンサー型マイクロフォンの構造を示す。
【0037】
図6に示すように、本発明の実施例6のコンデンサー型マイクロフォンは、振動板5と、振動板5の両側に設けられた二つの背極板3(上背極板と下背極板を含む)とを含み、下背極板が支持層2を介してベース1に設けられ、振動板5が下背極板のうちベース1からより遠く離れた側に設けられており、振動板5のうちベース1からより遠く離れた側にはさらに上背極板が設けられ、振動板5が上背極板と下背極板との間に位置する。
【0038】
具体的には、上背極板と下背極板の穴は互いに間隔を開けて配置されており、振動板5には、両側の背極板3の構造のいずれにも合わせ且つ凹凸状に配置されたパターン付き構造層52が設けられている。当該パターン付き構造層52は、主に振動板5全体の構造が凹凸状に配置されていることを意味する。これにより、背極板3の孔内にて突起した振動板構造を形成することで、側面の容量を増加させるとともに製品の感度を向上させる目的を達成する。
【0039】
本発明の実施例における突出層51又はパターン付き構造層52は、いずれも振動板5の構成形態の一種類であり、突出層51又はパターン付き構造層52と振動板5が一体成形構造とされている。換言すれば、振動板5が非水平の状態で配置され、整然とした凹凸状に配置されたり、既存の水平な振動板5に振動板5の一側及び/又は両側に対して垂直に延出する突起構造を設けたりしたものである。突出層51とパターン付き構造層52によって振動板5全体の面積を増加させることにより、コンデンサー型マイクロフォンの側面の容量を増加させ、製品の感度を向上させることを図る。
【0040】
本発明の一実施形態において、コンデンサー型マイクロフォンは、それぞれ振動板5の両側に設けられ、コンデンサー型マイクロフォンの内部回路と外部回路を接続するための二つの電極4をさらに備える。
【0041】
本発明は、上記したコンデンサー型マイクロフォンとともに、さらに筐体と筐体内に格納される上記したコンデンサー型マイクロフォンとを含む電子装置を提供する。
【0042】
上記のように、本発明によるコンデンサー型マイクロフォン及び電子装置について、図面を参照しながら例示的に説明したが、本発明により提案された上記コンデンサー型マイクロフォン及び電子装置に対して、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改良を行うことは当業者にとって理解できる。よって、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された内容によって限定されている。
【符号の説明】
【0043】
1・・・ベース
2・・・支持層
3・・・背極板
4・・・電極
5・・・振動板
51・・・突出層
52・・・パターン付き構造層
6・・・放音孔
7・・・絶縁層