(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、
図1〜
図6に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成を概略的に示す平面図である。
図2は
図1に対応する図であって、液晶表示装置が備えるバックライトケースの構成を概略的に示す平面図である。
図3は
図2に対応する図であって、バックライトケースの側面図である。
図4は、
図2に示すIV−IV線断面図である。
図5は、
図2に示すV−V線断面図である。
図6は、
図4において
一点鎖線で囲んだ部分
VIの拡大図である。
【0010】
これらの図を参照して説明すると、液晶表示装置1は、液晶パネルの形状が矩形ではない異形液晶表示装置であって、液晶パネル3と、液晶パネル3の背面側に配置され、液晶パネル3に光を照射するバックライトを収納するバックライトケース11とを備えている。なお、説明の都合上、
図4及び
図5では、バックライトケース11を液晶パネル3から離れた状態として示しているが、実際には、液晶パネル3は、バックライトケース11の上面側の端面に両面テープ(図示せず)等によって固定されているものとする。
【0011】
液晶パネル3は、平面形状の外形の一部が曲線状に形成されることによって曲線部31を含んでいる。さらに、液晶パネル3は、曲線部31を除く他の平面形状の外形は直線状に形成されることによって、直線部32を含んでいる。なお、本明細書において液晶パネル3の平面形状とは、液晶パネル3を表示領域側から平面視したときのパネルの形状を意味する。
【0012】
バックライトケース11の平面形状の外形は、液晶パネル3の平面形状の外形と対応するように形成されている。なお、樹脂部21と板金部22との一体成形体については詳しくは後述する。
【0013】
バックライトケース11は、液晶パネル3の曲線部31に対応する側は樹脂部21で、直線部32に対応する側のバックライトケースは板金部22で形成されている。また、バックライトケース11の周縁部には、バックライトケース11が液晶パネル3側に立ち上がることによって形成された、樹脂部21からなる側壁211と、板金部22からなる側壁221とが形成されている。これにより、バックライトケース11は、液晶パネル3側が開放された筐体として構成されている。
【0014】
樹脂部21は、例えばポリカーボネート(PC)等の樹脂からなるものとすればよい。また板金部22は、アルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)等の金属板金からなるものとすればよい。その際、金属板金の板厚は特に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0015】
本実施形態では、バックライトケース11に収納されるバックライトは、導光板33と、光源としての発光ダイオード(LED)45と、LED45を駆動するための図示しないドライバが実装されたフレキシブルプリント基板(FPC)を備えて構成されている。
【0016】
本実施形態では、LED45は、導光板33の端面側であって、バックライトケース11の板金部22側の側壁221に貼り付けられている。これにより、バックライトは、サイドライト型バックライトとして構成されている。このような構成において、LED45から出射される光は、導光板33に入射してから、液晶パネル3に向けて照射される。
【0017】
本実施形態では、LED45は、板金部22側に設けられているため、LED45から発生する熱は板金部22により効率良く放熱される。
【0018】
次に、
図6を参照して、バックライトケース11を構成する樹脂部21と板金部22との一体成形体について具体的に説明する。
図6は、
図4において
一点鎖線で囲んだ部分
VIの拡大図である。
【0019】
図6に示すように、バックライトケース11において、樹脂部21と板金部22とは部分的に重なり合っている。この重なり部分において、樹脂部21と板金部とは接着部材53を介して接着されている。
【0020】
接着部材53は特に限定されるものではなく、例えば両面テープ及び接着剤を好適に使用することができる。
【0021】
その際、樹脂部21と板金部22との接着面積は、液晶表示装置1のサイズ及び接着剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、樹脂部21と板金部22との平面視での接着面積は、液晶パネル3の平面形状における全面積の1/4〜1/2としてもよい。
【0022】
本実施形態の液晶表示装置1によれば、上述したように、液晶パネル3の曲線部31に対応する側のバックライトケース11は樹脂部21で構成される。そのため、樹脂部21を樹脂成形することによって、液晶パネル3の曲線部31に対応したバックライトケース11の側壁211を容易に作製することができる。また、板金部22側において、例えば板金の端部をL字状に折り曲げ加工すれば、液晶パネル3の直線部32に対応したバックライトケース11の側壁221を形成することができる。これにより、バックライトケース11の作製を容易にすることで、異形液晶表示装置である液晶表示装置1の量産化を実現することができる。
【0023】
本実施形態に係る液晶表示装置1によれば、バックライトケース11の板金部22によってLED45の放熱が可能であるため、液晶の表示に影響が生じる虞はない。また、本実施形態によれば、バックライトケースをすべて樹脂で成形した場合に発生する、剛性不足による不具合(例えば異音の発生、振動による破壊)を回避することができる。そのため、本実施形態に係る液晶表示装置1は車載等の悪条件下でも好適に使用することができる。
【0024】
なお、本実施形態では、樹脂部21と板金部22とは特定方法で接着されることで一体成形体として構成されているが、本発明に係るバックライトケース11は、樹脂部21と板金部22とが一体となっている構成であれば、これらは他の方法によって一体成形されていてもよい。
【0025】
また、本実施形態では、液晶パネル3は1つの曲線部31を特定の箇所に含む構成であるが、本発明における液晶パネルは、その平面形状の外形の少なくとも一部に曲線部を含むのであれば、曲線部の数及びその位置は特に限定されるものではない。
【0026】
さらに、本実施形態では、液晶パネル3の曲線部31は特定の曲率を有しているが、本発明に係る液晶パネルの曲線部はこのような形状に限定されず、液晶パネルが少なくとも曲線部を含む構成であればよい。したがって、曲線部において他の曲率を採用してもよい。
【0027】
さらに、本発明に係る液晶表示装置のバックライトの構成は上述したサイドライト型バックライトに限定されず、例えば、液晶パネルの直下にLED等の光源を配置した直下型バックライト等の他の構成であってもよい。
【0028】
さらに、本発明に係る液晶表示装置では、光源が板金部に設けられている構成であるが、光源は少なくともバックライトケースに収納される構成であれば、他の構成を採用してもよい。
【0029】
さらに、本発明に係る液晶表示装置において、バックライト
ケースは上述した構成に限定されず、少なくともバックライトケースがバックライトを収納する構成であれば、バックライトケースはさらに他の光学部材等を収納していてもよい。
【0030】
〔実施形態2〕
本発明に係る他の実施形態について、
図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明する。なお、本実施形態でも、実施形態1と同様の変形が可能であることは言うまでもない。
【0031】
本実施形態では、図示しない液晶表示装置における液晶パネルの平面形状の外形が第1の曲線部及び第2の曲線部の2つの異なる曲線部を含む場合についての、バックライトケースの構成について説明する。
図7は、本実施形態に係るバックライトケースの構成を模式的に示す平面図である。
【0032】
図7に示すように、バックライトケース17は、第1の樹脂部70と、第2の樹脂部71と、板金部72との一体成形体である。第1の樹脂部70は、図示しない液晶パネルの第1の曲線部に対応し、第2の樹脂部71は、図示しない液晶パネルの第2の曲線部に対応する。また、板金部72は、図示しない液晶パネルの直線部に対応する。第1
および第2の樹脂部70、71と、板金部72とは、それぞれ実施形態1で説明したような接着部材(図示せず)を介して接着されている。
【0033】
なお、本実施形態において、第1の樹脂部70と第2の樹脂部71とは同一種類の樹脂から構成されていてもよく、異なる種類の樹脂から構成されていてもよい。
【0034】
このように、液晶パネルが複数の曲線部を含む構成の場合には、それぞれの曲線部に対応した樹脂部をバックライトケース17に設ければよい。
【0035】
〔実施形態3〕
本発明に係るさらに他の実施形態について、
図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、主に、実施形態1及び2との相違点について説明する。なお、本実施形態でも、実施形態1及び2と同様の変形が可能であることは言うまでもない。
図8は、本実施形態に係るバックライトケースにおける樹脂部と板金部との接合部分付近を模式的に示す図である。
【0036】
図8に示すように、本実施形態に係るバックライトケース18は、樹脂部81と板金部82との一体成形体として形成されている。樹脂部81には、突起部811が形成されている。一方で、板金部82には、凹部821が形成されている。突起部811は凹部821と嵌合するように構成されている。突起部811と凹部821とを嵌合させることによって、樹脂部81と板金部82とが接合され、バックライトケース18は形成される。
【0037】
なお、樹脂部81と板金部82との接合方法は本実施形態に例示したものに限定されず、例えば、カシメ(図示せず)によって樹脂部81と板金部82とを接合する構成としてもよい。さらには、アウトサート成形により樹脂部81と板金部82とからなる一体成形体を得てもよい。
【0038】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る液晶表示装置1は、平面形状の外形の少なくとも一部に曲線部を含む液晶パネル3と、液晶パネル3に光を照射するバックライトを収納するバックライトケース11とを備えた液晶表示装置1であって、バックライトケース11は、樹脂部21と板金部22との一体成形体であり、曲線部31に対応する側のバックライトケース11は、樹脂部21で形成されている。
【0039】
上記の構成によれば、曲線部31に対応したバックライトケース11の側壁を樹脂成形により容易に作製することができる。したがって、本発明の一態様によれば、バックライトケース11の作製が容易になることで液晶表示装置1の量産化を実現することができる。
【0040】
本発明の態様2に係る液晶表示装置は、上記態様1において、樹脂部21と板金部22とは接着されていてもよい。
【0041】
上記の構成によれば、例えば樹脂成形によって作製された側壁211を有する樹脂部21と、板金の折り曲げ加工によって形成された側壁221を有する板金部22とを接着することで、バックライトケース11を容易に作製することができる。
【0042】
本発明の態様3に係る液晶表示装置は、上記態様2において、樹脂部21と板金部22との
平面視での接着面積は、液晶パネル3の
前記平面形状における全面積の1/4〜1/2としてもよい。
【0043】
上記の構成によれば、樹脂部21と板金部22との接着を確実にすることができる。
【0044】
本発明の態様4に係る液晶表示装置は、上記態様1において、樹脂部21と板金部22とは接合されていてもよい。
【0045】
上記の構成によれば、バックライトケース11を作製した後に、樹脂部21と板金部22とに分解することができる。
【0046】
本発明の態様5に係る液晶表示装置は、上記態様1〜4において、板金部22の側に光源としてのLED45が設けられていてもよい。
【0047】
上記構成によれば、LED45から発生する熱を、板金部22により効率良く放熱することができる。
【0048】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。