特許第6755360号(P6755360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755360
(24)【登録日】2020年8月27日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】駐車支援装置、及び駐車支援システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 99/00 20090101AFI20200907BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20200907BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20200907BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   B60R99/00 330
   B60R1/00 A
   B60R99/00 351
   B60R99/00 340
   G08G1/16 C
   B60W30/06
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-83674(P2019-83674)
(22)【出願日】2019年4月25日
(62)【分割の表示】特願2015-71888(P2015-71888)の分割
【原出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2019-167098(P2019-167098A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2019年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(72)【発明者】
【氏名】谷 泰司
(72)【発明者】
【氏名】大歳 哲也
【審査官】 内山 隆史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−108599(JP,A)
【文献】 特開2007−320433(JP,A)
【文献】 特開2008−213791(JP,A)
【文献】 特開2003−054341(JP,A)
【文献】 特開2012−001144(JP,A)
【文献】 特開2007−210612(JP,A)
【文献】 特開2011−230549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 99/00
B60R 1/00
B60W 30/06
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記自車両の周囲を撮影した画像に基づいて、障害物の有無を検出すると共に、駐車枠に囲まれた駐車領域で、かつ、前記自車両の駐車が可能な駐車可能領域を検出する検出手段と、
前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続している場合には前記3つ以上連続している駐車可能領域のうち両端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択し、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続しない場合には前記検出した駐車可能領域のうちいずれか1つを選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車支援装置において、
前記検出した駐車可能領域への移動経路を導出する経路導出手段と、
前記導出した移動経路を前記撮影画像に重畳表示させる表示制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駐車支援装置において、
前記駐車可能領域が複数検出された場合には、
前記表示制御手段は、前記自車両が駐車する駐車可能領域への移動経路を前記撮影画像に重畳表示させ、他の駐車可能領域への移動経路は重畳表示させないことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項4】
自車両の駐車を支援する駐車支援システムであって、
前記自車両の周囲を撮影する撮影装置と、
請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車支援装置と、
を備えていることを特徴とする駐車支援システム。
【請求項5】
自車両の周囲を撮影した画像に基づいて、障害物の有無を検出すると共に、駐車枠に囲まれた駐車領域で、かつ、前記自車両の駐車が可能な駐車可能領域を検出する検出ステップと、
前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続している場合には前記3つ以上連続している駐車可能領域のうち両端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択し、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続していない場合には前記検出した駐車可能領域のうちいずれか1つを選択する選択ステップと、
を備えていることを特徴とする駐車支援方法。
【請求項6】
自車両の周囲を撮影した画像に基づいて、障害物の有無を検出すると共に、駐車枠に囲まれた駐車領域で、かつ、前記自車両の駐車が可能な駐車可能領域を検出する検出ステップと、
前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続している場合には前記3つ以上連続している駐車可能領域のうち両端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択し、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続していない場合には前記検出した駐車可能領域のうちいずれか1つを選択する選択ステップと、
を備えている駐車支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の運転者に対して自車両の駐車可能な領域を提示する技術が知られている。この技術では、例えば、車両に搭載されたカメラで車両の周囲を撮影し、撮影した画像に基づいて駐車スペースを検出する。そして、その検出した駐車スペースを画面に表示することによって駐車可能な領域を提示するようになっている。運転者は、提示された駐車可能領域の中から駐車する領域を選択して自車両を駐車させることができる。なお、本発明と関連する技術としては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-1144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単に駐車可能領域を提示するものでは、駐車可能領域が複数存在する場合に、例えば運転初心者や高齢の運転者は「駐車しやすさ」などを考慮せずに駐車する領域を選択してしまうことが多い。このような場合には、運転技術のレベルがあまり高くない人が結果的に駐車難易度の高い駐車領域を選択してしまうことになる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、駐車動作時や降車時に障害物と接触する可能性の小さい、より安全に駐車可能な領域を選択することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、自車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、前記自車両の周囲を撮影した画像に基づいて、障害物の有無を検出すると共に、駐車枠に囲まれた駐車領域で、かつ、前記自車両の駐車が可能な駐車可能領域を検出する検出手段と、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続している場合には前記3つ以上連続している駐車可能領域のうち両端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択し、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続しない場合には前記検出した駐車可能領域のうちいずれか1つを選択する選択手段と、を備えることを特徴とする駐車支援装置である。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の駐車支援装置において、前記検出した駐車可能領域への移動経路を導出する経路導出手段と、前記導出した移動経路を前記撮影画像に重畳表示させる表示制御手段と、をさらに備えている。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の駐車支援装置において、前記駐車可能領域が複数検出された場合には、前記表示制御手段は、前記自車両が駐車する駐車可能領域への移動経路を前記撮影画像に重畳表示させ、他の駐車可能領域への移動経路は重畳表示させない。
【0009】
また、請求項4の発明は、自車両の駐車を支援する駐車支援システムであって、前記自車両の周囲を撮影する撮影装置と、請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車支援装置と、を備えている駐車支援システムである。
【0010】
また、請求項5の発明は、自車両の周囲を撮影した画像に基づいて、障害物の有無を検出すると共に、駐車枠に囲まれた駐車領域で、かつ、前記自車両の駐車が可能な駐車可能領域を検出する検出ステップと、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続している場合には前記3つ以上連続している駐車可能領域のうち両端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択し、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続していない場合には前記検出した駐車可能領域のうちいずれか1つを選択する選択ステップと、を備えていることを特徴とする駐車支援方法である。
【0011】
また、請求項6の発明は、自車両の周囲を撮影した画像に基づいて、障害物の有無を検出すると共に、駐車枠に囲まれた駐車領域で、かつ、前記自車両の駐車が可能な駐車可能領域を検出する検出ステップと、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続している場合には前記3つ以上連続している駐車可能領域のうち両端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択し、前記検出した駐車可能領域が3つ以上連続していない場合には前記検出した駐車可能領域のうちいずれか1つを選択する選択ステップと、を備えている駐車支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1ないし6の発明によれば、障害物の有無に基づいて自車両の駐車に適した駐車可能領域を選択することから、駐車動作時及び降車時に障害物と接触する可能性の小さい、より安全に駐車できる駐車可能領域を提示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、駐車支援システムの概要を示す図である。
図2図2は、自車両周囲を俯瞰した図である。
図3図3は、自車両の後方画像を示す図である。
図4図4は、自車両周囲を俯瞰した図である。
図5図5は、自車両の後方画像を示す図である。
図6図6は、自車両周囲を俯瞰した図である。
図7図7は、乗員の配置状況と駐車可能領域との関係を示す図である。
図8図8は、自車両の後方画像を示す図である。
図9図9は、自車両周囲を俯瞰した図である。
図10図10は、自車両の後方画像を示す図である。
図11図11は、駐車支援システムの処理を示すフローチャートである。
図12図12は、駐車支援システムの概要を示す図である。
図13図13は、周囲の状況と評価値との関係を示す図である。
図14図14は、駐車適正度を説明する図である。
図15図15は、駐車適正度を説明する図である。
図16図16は、駐車支援システムの処理を示すフローチャートである。
図17図17は、周囲の状況と評価値との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.駐車支援システムの構成>
本実施の形態に係る駐車支援システムは、車両の駐車スペースである駐車可能領域へ車両を駐車させる際に、車両の運転者に対して、より安全に駐車できる駐車可能領域を提示するシステムである。特に、本実施の形態の駐車支援システムは、車両を駐車場に駐車させる際に車両に搭載されたカメラで撮影した画像に基づいて駐車可能領域を検出し、駐車可能領域周囲の障害物の有無を考慮してより安全に駐車することができる駐車可能領域を選択するシステムである。以下、駐車支援システムの構成について説明する。
【0016】
図1は、駐車支援システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、駐車支援システム100は、撮影部2と、駐車支援装置3と、ディスプレイ4と、乗員検知部5とを備えている。
【0017】
撮影部2は、撮影装置としてのフロントカメラ21、右サイドカメラ22、左サイドカメラ23及びリアカメラ24を備え、車両外部を撮影する。各カメラ22〜24は、広角レンズを備え、180度以上の画角に渡ってデジタル撮影し、撮影した画像データを駐車支援装置3に送信する。車両の前後左右にカメラを設置することで、撮影部2は、車両の全周を撮影できる。各カメラ22〜24により撮影された画像は、広角レンズの歪曲収差により像が歪んで撮影された場合でも、画像の補正処理により平面な画像に修正することができる。
【0018】
フロントカメラ21は、車両の先端部に配置され、車両の前方を撮影する。フロントカメラ21は、車両のいわゆるフロントグリルに配置されるが、車室内のバックミラー裏面に設置し、フロントガラスを通して車両の前方を撮影してもよい。右サイドカメラ22は、車両の右サイドミラーのケース内に設置され、車両の右側方を撮影する。左サイドカメラ23は、車両の左サイドミラーのケース内に設置され、車両の左側方を撮影する。リアカメラ24は、車両の後部に設置され、車両の後方を撮影する。リアカメラ24は、リアゲートの開放レバー付近に設置されるが、リアスポイラーの下部に設置してもよい。この場合には、撮影視点が上昇し、より遠方まで車両後方を撮影することができる。
【0019】
なお、本実施の形態の駐車支援システム100では、4つのカメラを備えた構成について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。いずれか1つ又は複数のカメラを備えた構成としてもよい。例えば、リアカメラ24を備えた構成とし、このリアカメラ24の撮影画像を用いて駐車可能領域の検出など本発明の各処理を実行してもよい。
【0020】
駐車支援装置3は、車両の駐車が可能な領域を検出し、検出した駐車可能領域の中から自車両の駐車に適した駐車可能領域を選択する電子制御装置である。駐車支援装置3は、制御部31と、入出力部32と、記憶部33とを備えている。
【0021】
制御部31は、図示しないCPU、RAM、及びROMを備えるコンピュータである。制御部31は、駐車支援装置3が備えている入出力部32及び記憶部33と接続され、相互にデータの送受信を行い、駐車支援装置3の全体を制御する。また、制御部31は、検出部31aと、表示制御部31bと、選択部31cと、経路導出部31dとを備えている。制御部31が備えるこれら各部は、プログラムに従ってCPUが演算処理を行うことにより実現される機能である。
【0022】
検出部31aは、撮影部2が撮影した車両外部の画像に映された駐車枠を検出すると共に、駐車領域及び駐車可能領域を検出する処理を行う。駐車枠とは、車両の駐車スペースを区画する枠線のことである。また、駐車領域とは、駐車枠で囲まれた車両の駐車スペースのことであり、駐車可能領域とは、駐車領域のうち、他車両等の障害物がなく自車両の駐車が可能な領域のことである。
【0023】
検出部31aは、各カメラ21〜24のいずれか1つ又は複数のカメラで撮影した画像を用いて駐車枠を検出する。具体的には、撮影画像中の輝度変化に基づいて駐車枠を検出する。かかる検出処理は、画像中の所定領域に対して行ってもよい。所定領域とは、例えば画像中の路面に相当する領域などである。画像全体を検出処理すると処理負荷が膨大となるのに対して、検出処理を所定領域に対してのみ行えば処理負荷を軽減することができる。
【0024】
また、検出部31aは、検出した駐車枠に基づいて駐車領域を検出する。具体的には、検出部31aは、駐車枠で囲まれた領域を駐車領域として検出する。例えば、一般的な駐車枠の大きさを記憶部33に記憶しておき、検出した駐車枠で囲まれた領域の大きさと比較することで駐車領域を検出する。
【0025】
そして、検出部31aは、駐車可能領域を検出する。駐車領域内に既に他の車両が駐車している場合や、何らかの物体が存在する場合には車両を駐車することができない。したがって、検出部31aは、そのような障害物の有無も検出し、駐車領域と、各駐車領域内の障害物検出結果とに基づいて駐車可能領域を検出する。つまり、検出部31aは、障害物の検出処理を行うと共に、駐車可能領域の検出も行う。その際、検出部31aは、障害物が存在しない駐車領域を駐車可能領域として検出する。なお、障害物の検出は、撮影部2で撮影した画像に基づいて行うことができるが、障害物検出用の他のセンサやレーダ装置などを別途設けて検出してもよい。
【0026】
また、検出部31aは、駐車領域や障害物を検出すると、それらの座標値に基づいて、障害物と隣接する駐車領域との距離を導出する。例えば、障害物が他車両であった場合には、該他車両と隣接する駐車領域との距離が導出されることになるため、他車両が隣接する駐車領域に対してどの程度の寄り具合であるかを検出することができる。
【0027】
表示制御部31bは、ディスプレイ4に表示される表示用画像を生成し、表示の制御を行う。表示制御部31bは、撮影部2で撮影された画像情報を静止画又は動画ファイルとして取り込み保存し、ディスプレイ4で表示可能なデータ形式に変換することで表示用画像を生成し、入出力部32を介してディスプレイ4へ出力する。例えば、表示制御部31bは、リアカメラ24で撮影された自車両後方が映し出された駐車領域を含む画像をディスプレイ4にて表示する制御を行う。
【0028】
選択部31cは、検出部31aで検出した全ての駐車可能領域の中から、各駐車可能領域の周囲の状況(例えば、隣接する駐車領域の障害物の検出結果等)に基づいて、より安全に駐車することができる駐車可能領域を選択する。この駐車可能領域の選択処理の詳細については後述する。
【0029】
経路導出部31dは、車両が駐車可能領域に駐車するための経路を導出する。具体的には、経路導出部31dは、車両の位置と駐車可能領域の位置、ステアリングの舵角等に基づいて駐車可能領域に駐車する際の移動経路を導出する。なお、経路導出部31dにて導出した移動経路は、表示制御部31bの制御によってディスプレイ4に表示される。
【0030】
入出力部32は、駐車支援装置3へ入出力されるデータを制御する。例えば、入出力部32は、車両が駐車を開始する際に、駐車支援制御の開始を要求する信号を入力する。また、入出力部32は、制御部31からの出力要求に従い、表示制御部31bが生成した表示制御画像をディスプレイ4へ出力する。また、入出力部32は、撮影部2の各カメラ21〜24から送信される画像データ等を取得する。
【0031】
記憶部33は、駐車枠情報33aと、パラメータ33bとを記憶している。記憶部33としては、電気的にデータの読み書きが可能であり、電源が遮断されてもデータが消去されない不揮発性の半導体メモリを用いることができる。例えば、記憶部33は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリにより構成される。なお、記憶部33は、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブで構成することもできる。
【0032】
駐車枠情報33aは、検出した駐車枠や、駐車領域、駐車可能領域を示す座標値等の情報や、障害物の寄り具合に関する座標値等の情報が含まれている。また、パラメータ33bは、検出処理の際に用いられる各種パラメータであり、例えば、枠線を検出する際のエッジ検出に用いる所定値や、駐車枠で囲まれた領域が駐車領域であるか否かの判断に用いる所定値等である。
【0033】
ディスプレイ4は、タッチパネル41を備えた画像等を表示する表示装置である。例えば、ディスプレイ4は、液晶ディスプレイである。
【0034】
タッチパネル41は、ユーザがディスプレイ4に表示されたボタンを示す領域に対する指での接触を感知し、感知したタッチパネル41上の位置情報を入出力部32へ出力する。タッチパネル41が感知したディスプレイ4上の位置情報と表示制御部31bが生成した表示用画像の情報とから、制御部31はユーザの操作内容を認識できる。例えば、ディスプレイ4に表示された車両の座席位置の選択画面からユーザがいずれかを選択した場合には、その選択された座席に対応する情報が入出力部32に送信される。
【0035】
乗員検知部5は、車両内の乗員の着座位置を検知する。つまり、どの座席に乗員が座っているかを検知する。具体的には、各座席の下にセンサを設けておき、乗員が座るとセンサが反応することで座っている座席を検知する方法や、車室内カメラを備え、カメラ画像に基づいていずれの座席に乗員が座っているかを検知する方法など、種々の方法を用いることができる。また、ユーザがタッチパネル41を操作していずれの座席に乗員が座っているかを事前に登録しておいてもよい。
【0036】
<1−2.駐車可能領域の選択処理>
次に、駐車支援装置3の選択部31cが、運転者に提示する駐車可能領域を選択する処理について説明する。この選択処理は、検出された各駐車可能領域の周囲の障害物の状況に応じて、より安全に駐車することができる(他車両等に接触する危険性の低い)駐車可能領域を選択する処理である。本実施の形態では、周囲の障害物の状況の違いに応じて第1選択処理〜第3選択処理があり、これらを順に説明する。
【0037】
まず、第1選択処理について説明する。図2及び図3は、第1選択処理を説明する図である。図2は、第1選択処理の理解を容易にするための図であり、自車両1の周囲を俯瞰した図である。また、図3は、リアカメラ24で撮影した画像をディスプレイ4に表示した図である。
【0038】
第1選択処理は、隣接する左右の駐車領域に他車両等の障害物が存在しない駐車可能領域を選択する処理である。換言すると、駐車可能領域が3つ以上の連続した領域として並んでいる場合に、端の領域以外の駐車可能領域を選択する処理である。以下、具体的に説明する。
【0039】
駐車支援装置3は、検出部31aが検出した駐車可能領域の座標値等の情報を用いて、駐車可能領域の位置を判定し、駐車可能領域が3以上連続している場合には、端の駐車可能領域以外の駐車可能領域を選択する。図2の例で説明すると、まず、検出部31aは、自車両1がバックで駐車場に駐車しようとすると、自車両1後方に存在する5つの駐車可能領域PA1〜PA5を検出する。
【0040】
そして、選択部31cは、検出された各駐車可能領域PA1〜PA5の各位置を参照することで、連続して3以上並んで配置されている駐車可能領域があるか否かを判定する。図2の例では、駐車可能領域PA1〜PA3の3つの領域が連続している。そこで、選択部31cは、端の領域以外の(つまり中央の領域の)駐車可能領域PA2を、より安全に駐車することができる駐車可能領域として選択する。
【0041】
なお、駐車可能領域が4つ以上連続している場合も同様に、端の領域以外の駐車可能領域を選択すればよい。つまり、隣接する左右の領域が共に駐車可能領域となっている駐車可能領域(駐車可能領域に挟まれた駐車可能領域)を選択すればよい。
【0042】
そして、図3に示すように、リアカメラ24で撮影した画像上の対応する領域に囲み枠線を重畳表示することで、選択した駐車可能領域を運転者に提示することができる。
【0043】
このように、障害物の存在しない領域が隣接している駐車可能領域を選択し、運転者に提示することで、駐車動作時及び降車時に他車両等に接触する危険性の低いより安全な駐車可能領域に自車両1を駐車することが可能になる。
【0044】
次に、第2選択処理について説明する。図4及び図5は、第2選択処理を説明する図である。図4は、第2選択処理の理解を容易にするための図であり、自車両1の周囲を俯瞰した図である。また、図5は、リアカメラ24で撮影した画像をディスプレイ4に表示した図である。
【0045】
第2選択処理は、駐車可能領域が2つ連続した領域として並んでいる場合に、隣接する駐車領域に存在する他車両等の障害物との距離(寄り具合)に応じて駐車可能領域を選択する処理である。以下、具体的に説明する。
【0046】
駐車支援装置3は、検出部31aが検出した駐車可能領域の座標値等の情報を用いて、駐車可能領域の位置を判定し、駐車可能領域が2つ連続している場合には、各駐車可能領域に隣接する駐車領域の障害物(他車両)との距離を導出する。そして、選択部31cは、距離が大きい方(つまり、寄り具合の小さい方)の駐車可能領域を選択する。
【0047】
図4の例で説明すると、まず、検出部31aは、自車両1がバックで駐車場に駐車しようとすると、自車両1後方に存在する5つの駐車可能領域PA6〜PA10を検出する。
【0048】
そして、選択部31cは、検出された各駐車可能領域PA6〜PA10の各位置を参照することで、連続して2つ並んで配置されている駐車可能領域があるか否かを判定する。図4の例では、駐車可能領域PA6及びPA7の2つの領域が連続しており、選択部61は、障害物との距離が大きい方の駐車可能領域PA7を選択する。
【0049】
具体的には、検出部31aは、検出した駐車領域の情報と障害物の検出結果とに基づいて、各駐車可能領域と障害物との距離(寄り具合)を導出する。つまり、検出部31aは、駐車可能領域PA6と、隣接する駐車領域PA11に駐車してある他車両10との距離を導出する。また、検出部31aは、駐車可能領域PA7と、隣接する駐車領域PA12に駐車してある他車両10との距離を導出する。
【0050】
そして、選択部61は、これら各距離を比較して、距離の大きい方(すなわち、寄り具合の小さい方)の駐車可能領域を、より安全に駐車することができる駐車可能領域として選択する。図4に示す例の場合、駐車可能領域PA7と駐車領域PA12に駐車してある他車両10との距離が、駐車可能領域PA6と駐車領域PA11に駐車してある他車両10との距離よりも大きいため、駐車可能領域PA7が選択される。
【0051】
そして、図5に示すように、リアカメラ24で撮影した画像上の対応する領域に囲み枠線を重畳表示することで、選択した駐車可能領域を運転者に提示することができる。
【0052】
このように、隣接する駐車領域に障害物が存在する場合であっても、駐車可能領域との距離が大きい方(寄り具合が小さい方)を選択して運転者に提示することで、駐車動作時及び降車時に他車両等に接触する危険性の低いより安全な駐車可能領域に自車両1を駐車することが可能になる。
【0053】
次に、第3選択処理について説明する。図6ないし図8は、第3選択処理を説明する図である。図6は、第3選択処理の理解を容易にするための図であり、自車両1の周囲を俯瞰した図である。図7は、乗員の配置状況と選択する駐車可能領域との関係を示す図である。また、図8は、リアカメラ24で撮影した画像をディスプレイ4に表示した図である。
【0054】
第3選択処理は、駐車可能領域が2つ連続した領域として並んでいる場合であって、隣接する駐車領域に存在する他車両等の障害物との距離(寄り具合)が左右で同程度の場合に、自車両1の乗員の配置状況に応じて選択する駐車可能領域を変える処理である。以下、具体的に説明する。
【0055】
駐車支援装置3は、第2選択処理と同様に、2つ連続した領域として並んでいる駐車可能領域PA13及びPA14を検出すると、隣接する駐車領域に存在する障害物との距離を導出する。選択部31cは、左右の距離を比較して同程度である場合には、乗員の配置状況に関する情報を乗員検知部5から取得し、乗員の配置状況に対応した駐車可能領域を選択する。
【0056】
図7は、「運転席」「助手席」「後右席」及び「後左席」の4つの座席を有する車両に乗員が着座する各パターンと、選択する駐車可能領域との対応関係を示している。「○」は、その座席に乗員が着座していることを示しており、「※」は、選択される駐車可能領域を示している。このような対応関係を示すテーブルは、駐車支援装置3の記憶部33に記憶されておいてもよい。選択部31cは、乗員検知部5から取得した情報と、図7に示すテーブルとに基づいて、乗員の配置状況に対応付けられた駐車可能領域を選択する。
【0057】
例えば、選択部31cは、乗員検知部5から取得した情報により「運転席」「助手席」及び「後左席」に乗員が座っていると判定すると、右側の駐車可能領域(図6の例では駐車可能領域PA14)を選択する。また、選択部31cは、乗員検知部5から取得した情報により「運転席」及び「後右席」に乗員が座っていると判定すると、左側の駐車可能領域(図6の例では駐車可能領域PA13)を選択する。
【0058】
本実施の形態では、例として、車両の右側の座席(運転席及び後右席)に座っている乗員の数と、車両の左側の座席(助手席及び後左席)に座っている乗員の数とを比較して選択する駐車可能領域を決めている。右側の座席の乗員が多い場合には左側の駐車可能領域を選択し、左側の座席の乗員が多い場合には右側の駐車可能領域を選択する。これは、乗員の多い側が障害物のない領域となるように選択することで、駐車後の降車時に他車両に接触することをできるだけ回避することが可能になる。
【0059】
なお、本実施の形態では、右側の座席の乗員と左側の座席の乗員とが同数である場合には、右側の駐車可能領域を選択するようになっている。これは、運転者は降車時のドアの開閉には慣れている可能性が高いことから、助手席側を障害物のない領域とした方がより安全と考えられるためである。ただし、選択する駐車可能領域は逆であってもよい。
【0060】
そして、例えば右側の駐車可能領域(図6の駐車可能領域PA14)が選択された場合には、図8に示すように、リアカメラ24で撮影した画像上の対応する領域に囲み枠線を重畳表示することで、選択した駐車可能領域を運転者に提示することができる。
【0061】
このように、隣接する駐車領域に障害物が存在する場合であって、各障害物との距離が同程度の場合には、乗員の配置状況に対応した駐車可能領域を選択することにより、駐車動作時及び降車時に他車両等に接触する危険性の低いより安全な駐車可能領域に自車両1を駐車することが可能になる。
【0062】
なお、図7では、4つの座席を有する4人乗りの車両を例に挙げて説明しているが、5人乗りや7人乗りなど、他の座席数の車両であっても同様である。各テーブルを予め記憶しておき、車両の座席数に応じたテーブルを使用すればよい。
【0063】
また、上述した第1選択処理〜第3選択処理の結果、選択すべき駐車可能領域が複数存在する場合がある。この場合は、全ての駐車可能領域を選択してもよいし、他の選択条件を加えてもよい。
【0064】
例えば、駐車可能領域の前方の領域における障害物の有無を選択条件に加える等である。具体的には、図9に示すように、駐車領域が左右に複数並んでいる駐車場に駐車する際に、駐車可能領域に対向する領域に他車両が駐車しているかを選択条件に加える方法である。このように、対向する駐車領域に他車両が存在するか否かを選択条件に加えることで、その結果に応じて選択する駐車可能領域が決定される。
【0065】
図9を例に具体的に説明すると、駐車可能領域が4つ連続している場合には、端の領域以外の駐車可能領域が2つ(PA15及びPA16)存在するため、第1選択処理では、いずれの駐車可能領域も選択可能となる。
【0066】
そこで、各駐車可能領域に対向する駐車領域(PA17及びPA18)に他車両が駐車されているか否かを判定し、他車両が存在しない駐車領域を選択する。つまり、選択部31cは、対向する領域が駐車可能領域か否かを判定し、駐車可能領域である方を選択する。図9の例では、他車両が存在しない駐車可能領域PA17と、他車両が存在する駐車領域PA18であるため、選択部31cは、最終的には、対向する領域に他車両の存在しない駐車可能領域PA15を選択することになる。
【0067】
なお、選択すべき駐車可能領域が複数存在する場合に、対向する領域がいずれも駐車可能領域である場合には、優劣がつかないため双方を選択すればよい。
【0068】
また、選択した駐車可能領域に囲み枠線を重畳表示することに加えて、その駐車可能領域までの移動経路を示すガイド線を重畳表示してもよい。そうすることで、運転者は、駐車可能領域の位置のみならず駐車可能領域までの移動経路も把握することができる。さらに、選択した駐車可能領域が複数ある場合には、全ての駐車可能領域までの移動経路を示すガイド線を重畳表示してもよい。
【0069】
例えば、図9に示す例で駐車可能領域PA15及びPA16の双方が選択されたとすると、図10に示すように、各駐車可能領域PA15・PA16までの移動経路を示すガイド線が重畳表示される。
【0070】
この場合、さらに、ユーザがいずれかの駐車可能領域を選択した場合には、その選択した駐車可能領域までのガイド線のみを残して他のガイド線を消去してもよい。また、自車両1の進行方向に基づいていずれの駐車可能領域に向かっているかを予測した場合には、予測した駐車可能領域までのガイド線のみを残して他のガイド線を消去する構成としてもよい。
【0071】
<1−3.駐車支援システムの処理>
次に、駐車支援システム100の処理について説明する。図11は、駐車支援システム100の処理を示すフローチャートである。
【0072】
駐車支援システム100は、例えばギアがリバースに入る等、自車両が駐車態勢に入ると起動する。ユーザが駐車支援開始のスイッチをオンする等によっても起動する。駐車支援システム100は、起動すると駐車可能領域を検出する(ステップS101)。すなわち、上述したように、例えばリアカメラ24の撮影画像に基づいて駐車枠を検出して駐車領域を検出する。そして、障害物を検出してその結果に基づいて駐車可能領域を検出する。
【0073】
駐車支援システム100は、駐車可能領域の検出処理の結果、駐車可能領域が3つ以上連続した領域として検出されたか否かを判定する(ステップS102)。駐車支援システム100は、駐車可能領域の座標値などに基づいて連続しているか否かを判定する。
【0074】
駐車可能領域が3つ以上連続している場合には(ステップS102でYes)、駐車支援システム100は、第1選択処理を実行する(ステップS103)。つまり、連続した駐車可能領域のうちの端の領域以外の駐車可能領域を選択する。そして、駐車支援システム100は、リアカメラ24で撮影した画像上において、選択した駐車可能領域に対応する位置に囲み枠線を重畳表示する(ステップS109)。
【0075】
これに対して、駐車可能領域が3つ以上連続していない場合には(ステップS102でNo)、駐車支援システム100は、駐車可能領域が2つ連続した領域として検出されたか否かを判定する(ステップS104)。駐車可能領域が2つ連続している場合には(ステップS104でYes)、駐車支援システム100は、各駐車可能領域と隣接する領域の障害物との距離(寄り具合)が同程度か否かを判定する(ステップS105)。例えば、リアカメラ24の撮影画像に基づいて検出した駐車枠又は駐車可能領域と、障害物の検出結果との座標値に基づいて距離を導出することで判定可能である。
【0076】
各駐車可能領域と障害物との距離が同程度でない場合には(ステップS105でNo)、第2選択処理を実行する。すなわち、駐車支援システム100は、各距離を比較して大きい方の駐車可能領域を選択する。そして、駐車支援システム100は、リアカメラ24で撮影した画像上において、選択した駐車可能領域に対応する位置に囲み枠線を重畳表示する(ステップS109)。
【0077】
一方、各駐車可能領域と障害物との距離が同程度である場合には(ステップS105でYes)、第3選択処理を実行する。すなわち、駐車支援システム100は、自車両の乗員の配置状況に対応した駐車可能領域を選択する。そして、駐車支援システム100は、リアカメラ24で撮影した画像上において、選択した駐車可能領域に対応する位置に囲み枠線を重畳表示する(ステップS109)。
【0078】
また、駐車可能領域が2つ連続した領域として検出されない場合には(ステップS104でNo)、駐車支援システム100は、駐車可能領域が1つ検出されたか否かを判定する(ステップS108)。そして、駐車可能領域が1つ検出された場合には(ステップS108でYes)、駐車支援システム100は、リアカメラ24で撮影した画像上において、検出された駐車可能領域に対応する位置に囲み枠線を重畳表示する(ステップS109)。
【0079】
一方、駐車可能領域が1つも検出されない場合には(ステップS108でNo)、駐車支援システム100は、駐車可能領域の選択や提示等の処理を行うことなく終了する。
【0080】
なお、図11に示すフローチャートでは、駐車可能領域が2つ連続した領域として検出された場合に、障害物との距離に応じて第2選択処理又は第3選択処理を実行しているが、これに限定されるものではない。例えば、障害物との距離を考慮せずに第3選択処理のみを実行してもよい。すなわち、この場合、障害物との距離に関わらず乗員の配置状況に応じて駐車可能領域が選択されることになる。
【0081】
また、図11に示すフローチャートにおいて、駐車可能領域の前方領域に障害物が存在するか否かを選択条件に含めた処理を追加してもよい。この場合、駐車支援システム100は、第1選択処理(ステップS103)、第2選択処理(ステップS106)又は第3選択処理(ステップS107)の後に、対向する前方領域の障害物の有無判定処理を行い、障害物の無い駐車可能領域を選択することになる。そして、駐車支援システム100は、選択した駐車可能領域に対して囲み枠線表示を行う(ステップS109)。
【0082】
また、図11に示すフローチャートにおいて、選択した駐車可能領域までの移動経路を示すガイド線を重畳表示する処理を追加してもよい。この場合、駐車可能領域が選択された後に、囲み枠線を重畳表示するのと併せてガイド線を重畳表示すればよい。さらに、複数の駐車可能領域が選択され、複数のガイド線が表示された場合に、自車両が駐車しようとしている駐車可能領域へのガイド線のみを表示する処理を追加してもよい。この場合、ユーザの指示によって駐車する駐車可能領域が決定したり、又は自車両の進行方向の予測結果から、駐車しようとしている駐車可能領域が決定すると、この決定した駐車可能領域への移動経路を示すガイド線のみを残して他のガイド線を消去する処理を行えばよい。
【0083】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、検出された駐車可能領域の並びや、乗員の配置状況に基づいて運転者に提示する駐車可能領域を選択する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、障害物の有無等、周囲の状況に応じて駐車の適正度を示す評価値を設定しておき、検出した駐車可能領域毎にその評価値を用いて駐車適正度を数値化し、その結果に基づいて運転者に提示する駐車可能領域を選択する構成としてもよい。以下、この構成について第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。
【0084】
<2−1.駐車支援システムの構成>
図12は、本実施の形態に係る駐車支援システム200の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る駐車支援システム200は、第1の実施の形態と同様に、車両の運転者に対して、より安全に駐車できる駐車可能領域を提示するシステムである。
【0085】
図12に示すように、駐車支援システム200は、撮影部2と、駐車支援装置3と、ディスプレイ4と、乗員検知部5とを備えている。これらのうち、撮影部2、ディスプレイ4及び乗員検知部5は、第1の実施の形態の駐車支援システム100で説明した各構成と同様の構成であるため説明を省略する。
【0086】
駐車支援装置3は、車両の駐車が可能な領域を検出し、検出した駐車可能領域の中から自車両の駐車に適した駐車可能領域を選択する電子制御装置である。駐車支援装置3は、制御部31と、入出力部32と、記憶部33とを備えている。
【0087】
本実施の形態の駐車支援装置3は、記憶部33に評価値33cが記憶されている点と、選択部31cが評価値33cを用いて駐車可能領域を選択する点とが第1の実施の形態と異なる点である。その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、以下では相違する点を中心に説明する。
【0088】
評価値33cは、障害物の状況などの自車両周囲の状況を評価項目とし、この評価項目毎に設定された駐車難易度を含む適正度を示す値である。本実施の形態の駐車支援装置3は、この評価値33cを用いて、検出された駐車可能領域の中から駐車に適した駐車可能領域として、より安全に駐車することができる駐車可能領域を選択する。
【0089】
図13は、評価値33cを説明する図である。図13に示すように、評価値33cは、周辺の障害物の有無などの状況に対応付けられた値であり、各状況における駐車難易度を含む駐車の適正度を示す値である。例えば、図13の例では、駐車可能領域に隣接する左右の領域に障害物がない場合の評価項目「両側に障害物なし」に対応する評価値を「1」とし、右側に障害物がある場合の評価項目「右側に障害物あり」に対応する評価値を「2」に設定している。このように、図13の例では、駐車し易い状況(駐車難易度が小さい状況)の評価項目ほど評価値が小さくなるように設定されている。また、同程度の駐車難易度の場合には、駐車に適しているほど評価値が小さくなるように設定されている。
【0090】
なお、図13に示す評価値は、あくまでも例示であり適宜変更可能である。また、周囲の状況として他の状況を追加することも可能である。さらに、本実施の形態では、該当する状況に対応した評価値を加算していく加点方式を採用しているが、評価値を減算していく減点方式を採用してもよい。
【0091】
選択部31cは、検出部31aで検出した全ての駐車可能領域について、評価値33cを用いて駐車適正度を導出し、その結果に基づいて運転者に提示する駐車可能領域を選択する。
【0092】
<2−2.駐車可能領域の選択処理>
次に、駐車支援装置3の選択部31cが、運転者に提示する駐車可能領域を選択する処理について説明する。この選択処理は、検出された各駐車可能領域の周囲の障害物の有無などの自車両周囲の状況に応じて設定された評価値33cを用いて駐車適正度を導出し、その結果に基づいて、より安全に駐車することができる(他車両等に接触する危険性の低い)駐車可能領域を選択する処理である。
【0093】
図14を用いて具体的に説明する。図14は、駐車可能領域の選択処理の理解を容易にするための図であり、自車両1の周囲を俯瞰した図である。
【0094】
図14は、第1の実施の形態と同様の検出処理をした結果、PA21〜PA25の5つの駐車可能領域が検出された例を示している。選択部31cは、検出された駐車可能領域毎に図13に示す周囲の状況に該当するか否かを判定し、該当する状況に対応した評価値を加算する処理を行う。
【0095】
駐車可能領域PA21を例に具体的に説明すると、駐車可能領域PA21の左側の駐車領域に障害物(他車両)が存在し、その障害物との距離は中程度のため評価値「3」と「2」が加算される。さらに、前方の領域にも障害物(他車両)が存在するため、評価値「2」が加算される。すなわち、駐車可能領域PA21の駐車適正度は3+2+2=7となる。
【0096】
駐車可能領域PA22の場合には、駐車可能領域PA22の両側の領域に障害物が存在せず、前方の領域にも障害物が存在しないため、評価値は「1」のみが加算される。つまり、駐車可能領域PA22の駐車適正度は1となる。
【0097】
同様にして他の駐車可能領域の駐車適正度を導出すると、駐車可能領域PA23、PA24及びPA25の駐車適正度はそれぞれ6、8及び10となる。選択部31cは、全ての駐車可能領域に対して駐車適正度を導出すると、最も駐車適正度の低い(最も評価値の合計が小さい)駐車可能領域を選択する。図14の例では、駐車可能領域PA22が選択される。
【0098】
このように、本実施の形態では、周囲の障害物の有無などの評価項目毎に設定された評価値を用いて駐車適正度を導出することで、駐車動作時及び降車時に他車両等に接触する危険性の低いより安全な駐車可能領域に自車両1を駐車することが可能になる。
【0099】
また、駐車可能領域を選択した後には、第1の実施の形態と同様にリアカメラ24で撮影した画像上の対応する位置に囲み枠線を重畳表示することで運転者に対して駐車可能領域の位置を提示することが可能になる(例えば図3参照)。ただし、これに限らず、俯瞰画像の対応する位置に囲み枠線を重畳表示して運転者に提示してもよい。さらに、これらの場合において、選択した駐車可能領域や他の駐車可能領域の対応する位置に、それぞれ導出した駐車適正度も併せて表示してもよい。
【0100】
なお、駐車可能領域を選択する処理においては、予め許容値を設定しておいてもよい。許容値とは、駐車可能領域を選択する際に用いる駐車適正度の閾値である。例えば、駐車支援装置3は、許容値以下の駐車適正度の駐車可能領域を全て選択するといった方法で用いられる。
【0101】
図15を用いて具体的に説明する。図15は、駐車可能領域の選択処理の理解を容易にするための図であり、自車両1の周囲を俯瞰した図である。
【0102】
図15は、第1の実施の形態と同様の検出処理をした結果、PA26〜PA31の6つの駐車可能領域が検出された例を示している。選択部31cは、検出された駐車可能領域毎に図14の場合と同様に駐車適正度を導出する処理を行う。その結果、駐車可能領域PA26〜PA31の駐車適正度は、それぞれ7、1、3、4、7及び9となる。
【0103】
ここで、許容値が「3」に設定されていたとすると、駐車適正度が「1」の駐車可能領域PA27と、駐車適正度が「3」の駐車可能領域PA28が選択され、他の駐車可能領域は選択されない。すなわち、許容値以下の駐車適正度の駐車可能領域が選択され、許容値を超える駐車適正度の駐車可能領域は選択されないことになる。
【0104】
なお、この場合においても、駐車可能領域を選択した後には、リアカメラ24で撮影した画像上の対応する位置に囲み枠線を重畳表示してもよいし、俯瞰画像の対応する位置に囲み枠線を重畳表示してもよい。また、選択した駐車可能領域の駐車適正度や他の駐車可能領域の駐車適正度を併せて表示してもよい。
【0105】
<2−3.駐車支援システムの処理>
次に、駐車支援システム200の処理について説明する。図16は、駐車支援システム200の処理を示すフローチャートである。
【0106】
駐車支援システム200は、第1の実施の形態と同様に、例えばギアがリバースに入る等、自車両が駐車態勢に入ると起動する。また、ユーザが駐車支援開始のスイッチをオンする等によっても起動する。駐車支援システム200は、起動すると駐車可能領域を検出する(ステップS201)。これは、上述したステップS101と同様の処理である。
【0107】
そして、駐車支援システム200は、駐車適正度を導出する(ステップS202)。これは、上述したように、検出した全ての駐車可能領域に対して、周辺の状況といった評価項目毎に対応付けられた評価値を加算することによって行われる。
【0108】
そして、駐車支援システム200は、許容値が設定されているか否かを判定する(ステップS203)。許容値が設定されている場合には(ステップS203でYes)、駐車支援システム200は、導出した駐車適正度(評価値の合計値)が許容値以下の駐車可能領域を選択する(ステップS204)。一方、許容値が設定されていない場合には(ステップS203でNo)、駐車支援システム200は、導出した駐車適正度(評価値の合計値)が最も小さい駐車可能領域を選択する(ステップS205)。
【0109】
そして、駐車支援システム200は、リアカメラ24で撮影した画像上において、選択した駐車可能領域に対応する位置に囲み枠線を重畳表示する(ステップS206)。なお、俯瞰画像を表示する場合には、俯瞰画像上の対応する位置に囲み枠線を重畳表示し、駐車適正度を表示する場合には駐車可能領域に対応する位置にそれぞれの駐車適正度を表示する。
【0110】
また、図16に示すフローチャートにおいて、選択した駐車可能領域までの移動経路を示すガイド線を重畳表示する処理を追加してもよい。この場合、駐車可能領域が選択された後に、囲み枠線を重畳表示するのと併せてガイド線を重畳表示すればよい。さらに、複数の駐車可能領域が選択され、複数のガイド線が表示された場合に、自車両が駐車しようとしている駐車可能領域へのガイド線のみを表示する処理を追加してもよい。この場合、ユーザの指示によって駐車する駐車可能領域が決定したり、又は自車両の進行方向の予測結果から、駐車しようとしている駐車可能領域が決定すると、この決定した駐車可能領域への移動経路を示すガイド線のみを残して他のガイド線を消去する処理を行えばよい。
【0111】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記各実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0112】
上記第2の実施の形態において、自車両の乗員の配置状況に応じて評価値を変えてもよい。図17は、本変形例における評価値を説明する図である。図17に示すように、助手席の有無といった自車両の乗員の配置状況に応じて評価値を変えている。「助手席有」とは、自車両の助手席に乗員が存在する場合であり、「助手席無」とは、自車両の助手席に乗員が存在しない場合である。
【0113】
図17の例では、助手席に乗員が存在する場合と存在しない場合とで、「右側に障害物あり」と「左側に障害物あり」の評価項目に対応する評価値を異ならせている。これは、助手席に乗員が存在している場合には、助手席の乗員の乗り降りをより安全にするために、自車両の左側にスペースを空けた状態で駐車することが好ましく、助手席に乗員が存在しない場合には、運転者の乗り降りをより安全にするために、自車両の右側にスペースを空けた状態で駐車することが好ましいからである。
【0114】
また、上記各実施の形態において、乗員の配置状況に荷物の配置状況を含めてもよい。すなわち、荷物をいずれの座席に配置しているかに応じて選択する駐車可能領域を変えるものである。乗員が着座していなくても荷物を乗せている座席は降車時にドアを開閉することがある。荷物の配置状況を考慮した選択をすることで、荷物の出し入れ時に他車両等に接触する危険性をできるだけ小さくすることができる。
【0115】
また、上記各実施の形態において、駐車可能領域の後方の障害物の有無を考慮に入れて選択してもよい。後方の障害物を考慮することで、例えば、駐車可能領域の後方に他車両が停車している場合などに、バックドアの開閉時に他車両に接触する危険性をできるだけ小さくすることができる。
【0116】
また、上記各実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【符号の説明】
【0117】
2 撮影部
3 駐車支援装置
4 ディスプレイ
5 乗員検知部
100・200 駐車支援システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17