(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゴルフグリーン上のゴルフ対象物の位置を決定するためのコンピュータプログラム命令を格納する非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記ゴルフグリーンは、その周辺に近接して位置する複数の固定基準点を有し、前記コンピュータプログラム命令は、プロセッサ上で実行されるとき、前記プロセッサに、
カメラにより少なくとも前記ゴルフ対象物の第1の画像及び第2の画像を撮像することであって、前記第1の画像及び前記第2の画像のそれぞれは、写真画像であり、前記第1の画像及び前記第2の画像のそれぞれには、前記複数の固定基準点のうちの特定の基準点と共に前記ゴルフ対象物が写される、ことと、
前記ゴルフグリーンの地形から定義される複数の等高線及び複数の方向線を有する等高線地図を受け取ることと、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて、前記ゴルフ対象物の前記位置を決定することであって、
前記ゴルフ対象物の前記位置を決定することは、
前記複数の基準点のうちの前記特定の基準点から、前記第1の画像及び前記第2の画像の両方に含まれる一組の前記固定基準点を識別することと、
前記ゴルフ対象物の前記位置を決定するために前記一組の固定基準点を使用することと、を含む、ことと、
前記ゴルフ対象物の前記位置を表示することと、を含む操作を行わせる非一過性コンピュータ可読媒体。
前記ゴルフ対象物の前記位置は、マルチ画像写真測量法を使用して決定され、前記複数の固定基準点のうちの前記特定の基準点から識別される、一組の前記固定基準点が、前記第1の画像及び前記第2の画像の両方に含まれる、請求項12に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【背景技術】
【0003】
ゴルフは非常に人気のあるスポーツであるが、最も基礎的なレベルで、このスポーツをプレーする上においても、個々のゴルファーには専念すべき種々の技能が要求される。ゴルファーの基本的なスイング技術は、ほんの少し例を挙げれば、彼の(又は彼女の)運動感覚及び力、ゴルフクラブの選択、ゴルフボールの選択、並びにゴルフコースの条件、を含む、多くの要素により左右される。
【0004】
ゴルファーにとって、ゴルフで成功するための最も重要な秘訣の1つは、彼自身とゴルフコース上の任意の特定の場所との間の距離を精度高く見極めることである。ゴルフラウンドの間、ゴルフボールを効果的に打つために、ゴルファーが打つそれぞれのショットには、ある種の距離の見極めが求められる。平均的な18ホールのゴルフコースには、通常100〜600ヤード超の範囲のゴルフフェアウェイがある。したがって、選択した対象物に向けて所望の軌道でゴルフボールを打つために、距離を精度高く見極める能力は、ゴルファーが行う最終的なクラブ選択及びスイングに影響する。このように、ゴルフが大衆的であり、競技において絶えず向上しようという果てしない欲求があらゆる技能レベルのゴルファーに存在するため、これらの距離を見極める支援をし、成績、技能レベル及び全体的な喜びを向上させるために、ゴルファーが使用し得る多くの手法及びデバイスがある。
【0005】
ゴルフに関する距離を見極めるためのより一般的な手法及びデバイスの一部としては、コースの目印、コースヤーデージブック、全地球測位システム(GPS)受信機を有する持ち運び可能なデバイス、及びレーザー距離計がある。コースの目印は通常、コースのフェアウェイに固定された常設の目印の形態で、所与のゴルフコース全域に渡る予め設定された位置にある。かかる目印からの距離は通常、特定のフェアウェイに関連したグリーンのセンター(ほとんどの場合、フロント及びセンター)までの距離である。このように、予め設定されたこれらの距離の精度が粗いことを考慮すると、ゴルファーは特定のプレー条件下の個々のゴルフショットにおいて、自力でより正確な距離を計算することになる。
【0006】
コースヤーデージブックは通常個々のゴルフコースで入手可能であり、ゴルフホール毎の印刷された詳細なヤーデージ情報を提供し、フェアウェイの形状、個々のホールにおけるティーボックスから種々の場所までの距離(例えば、ウォーターハザード又はバンカー)及び、フェアウェイ上の固定点から関連するグリーンまでの距離、を示すそれぞれのホールの眺望図を含む。このように情報が増えたにもかかわらず、ゴルファーは個々のゴルフショットのために、依然として基本的に自力でより正確な距離を見極めることになる。更に、ゴルフラウンドの間、かかるコースヤーデージブックを効率的な方法で解読及び利用することは、気軽なゴルファーにとっては難易度が高い場合がある。
【0007】
過去数年に渡って、GPS受信機及びレーザー距離計を備えた持ち運び可能な携帯用デバイスは、主要な競技改善のための補助機器として、ゴルフ業界及びゴルファーに急速に採り入れられてきた。ゴルフコース上の特徴部への距離を計算するために、GPS受信機からの位置を使用することができ、種々の携帯用デバイス(スマートフォンのアプリケーションが挙げられるが、これに限定されない)において利用されてきた。現在市販されている機器の多くには、プリインストール(すぐ使用できる)、世界各地のゴルフコース地図、カラータッチスクリーンディスプレイ、Bluetooth(登録商標)接続、及びデジタルスコアカードなどの、高度な機能が含まれる。ゴルファーはラウンドの間、かかるGPS搭載デバイスを持ち運び、リアルタイムの距離情報を機器から入手する。当然、理解されるように、GPSデバイスの中には依然としてやや精度の粗いものもあり、例えば、10〜15ヤードずれることがあるため、クラブ選択に悪影響を及ぼす場合がある。
【0008】
レーザー距離計は、手に持って操作する距離計測機器であり、ゴルファーは、この機器のファインダーの十字線を所望の対象物(例えば、旗竿)に合わせて狙い、それから機器を作動させ所与の距離を計測する。しかしながら、かかるデバイスの精度は、誤った結果を避けるために堅固で安定した方法で距離計を持つゴルファーの手腕に大いに依存する。
【0009】
上記のそれぞれのゴルフ用補助機器は、グリーン上で行われるゴルフボールのパッティングとは対照的な、ゴルフボールをグリーンへと進めるためにティーエリア又はゴルフフェアウェイから放たれる、ゴルファーのいわゆる「フルスイング」ショットを対象としたものである。このようなタイプの補助機器における、パッティング向けの、かつパッティングに役立つ情報は、個々のパッティングストロークの訓練を行うこと、又はゴルフラウンドの間にリアルタイムでパットを行うことについて、ゴルファーを支援するという観点からは、やや限定されたものとなる。興味深いことには、パッティングは、標準的なゴルフラウンドの間になされる全ストローク数のうち、大きな割合(例えば、25〜30パーセント)を占め、ゴルフプロ、アマチュア、観客及びキャスターが頻繁に繰り返す、「ドライバーは見せるためのもの、パットはお金を稼ぐためのもの」という周知のゴルフ格言に表されるように、プロゴルフトーナメント及び娯楽的なプレーの双方において、パットはラウンドの間にいくつかの偉大なドラマを創りあげることがある。
【0010】
このように、現行のゴルフ用補助機器の中にはパッティングに関する一般情報を提供するのに有用なものもあるが、ゴルファーは、一般情報を咀嚼し個々のゴルフパットをリアルタイムでどのように打つかを決定するため、その情報をどのように効果的に利用するかという課題に依然として取り組んでいる。上記リアルタイムでの決定には、グリーン上のゴルフボールの正確な位置、ゴルフカップ(又はホール)の正確な位置、並びに、地形及びいわゆるグリーンスピードを含むグリーン全体の面特徴、が重要である。
【0011】
したがって、ゴルファーのパッティング手腕及び精度を高めるために、パッティンググリーン面上での対象物(より具体的には、グリーン上のゴルフボール及び/又はゴルフホール)の正確な位置、のリアルタイムの決定のための改善した手法が必要である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
種々の実施形態によれば、対象物(例えば、ゴルフボール又はゴルフホール)の正確な位置は、その(又はそれらの)対象物が存在する又は位置するゴルフグリーンに近接して位置していることにより、一組の基準点を構成する、複数の物体を利用して、決定される。明確かつ容易な説明とするために、本明細書の以下の記述全体を通して、対象物の正確な位置の決定は、1つ以上の対象物(つまり、複数の対象物)に対して等しく適用されることが理解されるであろう。
【0024】
図1は、種々の実施形態に従って構成された例示的な等高線地
図100である。図に示すように、グリーン102は単一のグリーンであり、一般的なゴルフコースレイアウトに従い、コース内に位置する18個のグリーンのうちの1つである。グリーン102は、グリーン面(一般的にゴルフコース上で芝が最も短くカットされていたり、芝の種類が異なる)から、フリンジ106(一般的にグリーンとは異なるカットがされた芝を有するエリアであり、かつグリーン面を直に取り囲む)を経て、その後フェアウェイ108(一般的にグリーン及びフリンジエリアとは芝のカットが異なっていたり、芝の種類が異なる)へと移行する、境界104(又は時にトランジションエリアと呼ばれる)を有する。いわゆる等高線150−1、150−2〜150−n及び、方向線、すなわち矢印160−1、160−2〜160−nで表されるいわゆる「傾斜」が、規定されかつ参照として記録可能であるように、当初のグリーンが構築された後、グリーン面の起伏は実質的に変化しないまま(当然、是認又は望まれる面地形改変による起伏変化を防ぐことはできない)である。理解されるように、形状、スピード、勾配及びブレイクなどの特徴の観点において、かかる等高線及び、方向線、すなわち矢印(かかる方向線、すなわち矢印は等高線から導かれる)は、グリーンの詳細な起伏に関する重要な指標である。グリーン102はまた、一般的に砂で満たされ、かつグリーン102上に乗せること及び/又はとどめることに失敗したゴルフショットを捕捉する、バンカー110を有する。
【0025】
ゴルフコース(例えば、グリーン102、フリンジ106、及びフェアウェイ108などのエリア)を適切に灌漑するためには、所定の時間帯に、これら種々のエリアに定期的に(例えば、自動化したスケジュール通りに)水を撒くスプリンクラー網の利用が一般的である。例示的に、このスプリンクラー網は、所望の灌漑を行うために、グリーン102に近接して取り囲むように位置し、ある所定の配置でフリンジ106及びフェアウェイ108中に常設的に埋め込まれる、複数のスプリンクラーヘッド112〜126により部分的に定義される。有利なことに、複数のスプリンクラーヘッド112〜126(及び、理解されるように、それらがその一部を構成する任意のゴルフコース全域に渡る、より広いスプリンクラー網)は、好適な座標系(例えば、3D局所デカルト座標系)において、それら3D座標が決定される際、一組の固定基準点を構成する。種々の実施形態によれば、グリーン102上の対象物の位置を決定するために、複数の固定基準点(例えば、複数のスプリンクラーヘッド112〜126)を利用する。グリーン102に近接する又は近くにある他の固定物体もまた、対象物の位置を決定するために使用可能である(それらの固定物体の3D座標が予め設定されている場合)ことが理解されるであろう。他の固定物体としては、排水管の蓋、看板、標識、建造物、正面観覧席、及び設備が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
図1は、対象物、例えば対象物130及び対象物140の位置を決定するための種々の実施形態に従った、対象物130及び140のそれぞれの位置の決定を説明するものである。図に示すように、複数のスプリンクラーヘッド112〜126はグリーン102に近接して位置する。例示的に、対象物130は、旗竿170(又は時に「ピン」とも呼ばれる)が設置されるグリーン102上に開けられたゴルフカップであり、対象物140は、グリーン102上のゴルフボールである。理解されるように、任意のゴルフコースについて、ゴルフカップ(又はピン)の位置は日によって変更され得るが、一般的に同日中又は同ゴルフラウンド中は変更されない。
【0027】
より詳細には、対象物130の位置の決定は、スプリンクラーヘッド112、116、及び118、のそれぞれを利用することで示され、対象物140の位置の決定は、スプリンクラーヘッド122、124、及び126、のそれぞれを利用することで示される。理解されるように、更なる例示的実施形態によれば、利用する固定基準点の数は、3より多くてもよく、位置を特定する対象物の数は1より多くてもよい。
【0028】
図2は、種々の実施形態に従って、
図1の等高線地
図100を使用し対象物の正確な位置を決定するための、例示的な操作200のフローチャートを示すものである。詳細には、一般的な位置情報、及び一般的な位置に固有の、既知の3D座標へのアクセス(ブロック210を参照)が、初期入力として機能する。すなわち、一実施形態によれば、グリーン102に近接して位置する複数のスプリンクラーヘッド112〜126の、それぞれのスプリンクラーヘッドの既知の3D座標は予め決定され、かつ例示的には、ユーザーデバイスへと予め読み込まれる。かかるユーザーデバイスの例示的な実施形態を
図6に示し、本明細書で以下に更に記載する。理解されるように、かかる実施形態のユーザーデバイスを、ユーザー(例えば、ゴルファー、キャディー、インストラクター、競技委員など)がゴルフラウンドの間携帯する、携帯用GPSデバイス、距離計、又はスマートフォンなどの、多くの市販のデバイスとして、又はそれらと共に、操作するために適応させることができる。かかる市販のデバイスの1つの例としては、SkyGolf(登録商標)から入手可能であるSkyCaddie(登録商標)TOUCHが挙げられる。理解されるように、かかるデバイスはまた、地図情報を予め読み込んでもよいし、ユーザーが多くの既知の通信方法(例えば、無線通信)によりリアルタイムでアップデートしてもよい。種々の実施形態によれば、かかる地図情報は、本明細書の
図1に示す等高線地
図100で示されているようなものであってよい。
【0029】
図2に示すように、ユーザーは特定の固定基準点を登録する(ブロック220を参照)。繰り返すが、複数のスプリンクラーヘッド112〜126のそれぞれのスプリンクラーヘッドは、例示的には、ユーザーデバイス内に格納された既知の3D位置を有する。一実施形態によれば、固定基準点(例えば、複数のスプリンクラーヘッド112〜126)の全て又はいくつかを、このように登録する。したがって、登録により、既知の3D位置が与えられ、位置の決定における固定基準点の利用が容易となる。特定のスプリンクラーヘッド(例えば、
図1のスプリンクラーヘッド112)上に多少近接した状態で、ユーザーが留まったり(hover)又は垂直に構えたりする(plumb)などの多くの手法により登録を実現することができ、更にユーザーはその近接した位置において、かかる登録操作用の登録制御部を有するユーザーデバイスのボタンを押してもよい。例示的に、固定基準点の識別及び登録を容易にするために、登録制御部は固定基準点を撮像するカメラの使用を含んでいてもよい。
【0030】
ここで、種々の実施形態によれば、位置を特定する対象物の識別が行われ(ブロック230を参照)、対象物の位置(例えば、
図1の対象物130又は対象物140)を、ユーザー位置(例えば、ゴルフグリーン)の周辺に近接して位置する複数のスプリンクラーヘッド112〜126から構成される、複数の固定基準点により得られる座標系(例えば、3Dデカルト座標系)において計算することができる(ブロック240を参照)。対象物の位置の決定及び操作に関する種々の別の実施形態について、本明細書で以下に非常に詳細に記載する。
【0031】
最終的には、計算された後に、一実施形態によれば、識別した対象物の正確な位置を、例示的には、ユーザーデバイスのディスプレイ上に出力することができる(ブロック250)。有利なことに、種々の実施形態によれば、対象物130(例えば、ゴルフカップ)及び対象物140(例えば、ゴルフボール)の両方の正確な位置を把握すること、並びにかかる情報を、例示的には、等高線150−1、150−2〜150−n、及び方向指示矢印160−1、160−2〜160−nと共に、ゴルファーに提供することにより、ゴルファーは、パットを打つためのストローク(つまり、どのくらい強くゴルフボールを打つか)、及び位置合わせ(つまり、ゴルフボールとゴルフカップとの間の方向及びブレイク)に関する高い感覚をより備えるようになる。したがって、本明細書の実施形態は、ゴルファーのパッティング技術を向上させるための実用的な訓練補助、及び/又はパッティングの確信度及び結果を向上させるためのリアルタイムなプレー補助、としての機能を果たすことができる。
【0032】
図3は、実施形態に従って、マルチ画像写真測量法を利用して対象物の位置を決定するための、例示的な操作300のフローチャートを示すものである。理解されるように、写真測量法は、精度の高い面点の位置を再構築することを含む、写真から測定値を得る手法である。写真測量技術は、測量、地形地図作成、建築、土木工学、品質管理、製造、考古学、及び地質学、を含む種々の分野で利用されてきた。この実施形態によれば、既知の又は受け取った複数の固定基準点(ブロック310を参照)のうちの全て又はいくつかと共に、識別した対象物(例えば、対象物130又は対象物140)の画像を少なくとも2枚撮像する(ブロック320を参照)。独立型カメラ、又はかかる目的でカメラを搭載したユーザーデバイス(例えば、近距離写真測量機能を有する)を用いて、これら2枚の画像の撮像を実現することができる。理解されるように、この方法は計測用及び非計測用カメラの両方に好適である。
【0033】
対象物の2枚の画像が撮像されると、本明細書で以下に更に記載する通り、画像空間(例えば、カメラ)と物体空間(例えば、ゴルフグリーン)との間の変換パラメータの推定が行われる(ブロック330を参照)。すなわち、撮像された2枚の対象物の画像から、複数の固定基準点のうちのどの基準点が両方の画像に現れるかについて決定を行い、重複する(つまり、両方の画像に現れる)一組の基準点を使用して対象物の位置の決定を行う。理解されるように、多くの周知の物体認識手順、又は画像上の基準点を識別するための好適な自動検出法を使用して、画像上の固定基準点の識別を行うことができる。一般的な場合、両方の画像内に5つまでの基準点が現れなければならない。種々の実施形態によれば、以下に更に記載する通り、両方の画像内に現れる必要のある固定基準点の実際の数は、例示的に2〜5の範囲内である。これらの実施形態において利用する写真測量法の性質を考慮に入れると、固定基準点の部分集合を選択するのではなく、両方の画像内に現れる全ての固定基準点を使用してもよい、ということが当然に理解されるであろう。
【0034】
この実施形態によれば、入力データは、対象物の画像空間座標(x
t,y
t)、n個の重複しない基準点を示す画像空間座標(x
i,y
i)及び物体空間座標(X
i,Y
i,Z
i)、i=1,...,nを含む。2枚以上の画像により推定された変換パラメータを用いて、対象物の座標の推定を行い(ブロック340を参照)、識別された対象物の正確な位置を、例示的には、ユーザーデバイスのディスプレイ上に出力することができる(ブロック350を参照)。出力結果は推定された対象物の物体空間座標(X
t,Y
t,Z
t)を含む。
【0035】
この実施形態のマルチ画像写真測量法による対象物の位置の決定は、計測用及び非計測用カメラの両方に好適であるため、例示的には、「未校正カメラモデル」として認識される、いわゆる「直接線形変換(DLT)モデル」の非線形拡張に基づいている。例えば、Bopp,H.and H.Krauss(1978),「An orientation and calibration method for non−topographic applications」,Photogrammetric Engineering and Remote Sensing,Vol.44,No.9,pp.1191−1196,American Society of Photogrammetry、Luhmann,T.,S.Robson,S.Kyle,and I.Harley(2011),「Close Range Photogrammetry:Principles,Techniques and Applications.」,Whittles Publishing,Scotland,UK、及び、Mikhail,E.M.,J.S.Bethel,and J.C.McGlone(2001),「Introduction to Modern Photogrammetry.」,John Wiley&Sons,New York、のそれぞれは全ての目的のため参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
DLTモデルにおいて、画像空間座標(x,y)を物体空間座標(X,Y,Z)に関連付ける共線方程式は、下記の線形分数関数で記述することができる。
ここでb
ijは、それぞれのカメラ画像に関連する推定されるべき11個の未知の変換パラメータである。これらはDLTモデルの基本方程式である。
【0037】
連立方程式(1)は11個の未知パラメータb
ijのうち9個のみが独立であり、パラメータが過剰な状態になるため、パラメータ間の2つの(非線形)制約条件を課して扱う条件を下記で説明する。
【0038】
スケーリングパラメータλを、以下のように定義し、
下記の関係式で表される、主点座標(x
p,y
p)と画面距離(principal distance)cの定義において使用する。
【0039】
上記(4)及び(5)を等式化し、方程式(2)及び(3)を用いると、パラメータ間の第1の(非線形)制約条件は、次式により与えられる。
【0040】
パラメータ間の第2の(非線形)制約条件は、次式により与えられる。
【0041】
カメラ(又はユーザーデバイス)の位置及び/又は外部標定が物体座標系において既知であるならば、未知のパラメータb
ijに、別の制約条件を課してもよい。例えば、既知の基準点上でカメラを垂直に構えてその位置を確定すること、及び/又は慣性センサを使用してその姿勢を確定することを行う。例示的に一実施形態によれば、ユーザーは、複数のスプリンクラーヘッドのうちの特定のスプリンクラーヘッド(例えば、
図1のスプリンクラーヘッド112)上で、正確に垂直に構えて、その垂直位置において、ユーザーはユーザーデバイスのボタンを押し特定の基準点を登録し、続いてその垂直位置を保ったまま、対象物及び種々の基準点の写真を撮影し、それからカメラの位置に関する事前情報を、変換パラメータを解くために用いるルーチンに組み込んでもよい。
【0042】
ここで、n個の基準地座標(X
i,Y
i,Z
i)、i=1,...,nが、物体座標系において誤差なく既知であり、かつ画像座標系において、対応する独立かつ一様に分布するランダム測定誤差
と共に(x
i,y
i)と計測されていると仮定する。それから方程式(1)を拡張し、下記2n個の観測方程式からなる連立方程式を導くことができる。
方程式(9)は、ランダム誤差の確率分布、すなわち、その期待値E{e}=0、及びばらつき
を示し、
【0043】
更に別の実施形態によれば、基準点座標(つまり、上記の基準点座標(X
i,Y
i,Z
i)、i=1,...,n)におけるランダム誤差を許容し、はるかに一般的なランダム誤差分布の利用が可能である、上記したDLTモデルよりも一般的なモデルを採用する。かかる数式は、予め決定済みの基準点座標における統計的不確定性(つまり、その分散及び共分散において示されるもの)に相当し、結果としてより精度の高い対象物の位置の決定を可能とする。この実施形態では、全最小二乗(TLS)補正に関する推定手法を採用する。例えば、Snow,K.(2012),「Topics in total least−squares adjustment within the errors−in−variables model:singular cofactor matrices and prior information.」Ph.D.Dissertation,The Ohio State University,Columbus,Ohio,USA、は全ての目的のため参照により本明細書に組み込まれる。この別の実施形態で利用するモデルは、他の点ではかなり任意性の高い、対称正値(半)定符号の余因子行列を扱うものであり、このモデルは2D線フィッティング及び2D相似変換などのようなアプリケーションにおいて有用であり、本明細書の種々の実施形態によれば、所定の画像空間座標及び物体空間座標の関数として、識別した対象物の正確な位置の推定において有用である。
【0044】
より詳細には、制約条件(6)及び(7)と共に方程式(8)の連立方程式を、下記の通り一次方程式化し、行列形式で記述することができ、
ここで、1行目は2n個の観測方程式を含み、2行目は2つのパラメータ制約条件を含む。下記の通り11個の未知の変換パラメータをベクトル内に集めた。
【0045】
補助記号[N c]:=A
T[A y]を定義し、下記の通り推定値を示すことができる。
【0046】
任意の位置から写真を撮影し、かつ慣性センサを使用しない場合、上記方程式(11)では、カメラ画像内に現れる基準点は少なくとも5個必要である。しかしながら、基準点から写真を撮影すること、及び/又は慣性センサを使用することを行う場合、行列Kを介しモデルへと別の制約条件を追加し、それによりカメラ画像内の必要な基準点を、わずか2個とすることができる。それでもなお、方程式(11)は非線形であるため、反復により解かれなければならず、これは、11個全ての未知のパラメータに対し初期近似値が必要であることを意味する。これらの数は、少なくとも11個の無制約線形連立方程式を解くことにより得られるため、カメラ画像内に現れる必要のある基準地は少なくとも6個となる。
【0047】
上記工程において推定した変換パラメータを用いて、対象物の位置を提供するために、対象物(ボール又はホール)の物体空間座標(X
t,Y
t,Z
t)を推定することができる。特に、写真kに現れるそれぞれの対象物の点P
tについて、2つの観測方程式を下記形式で記述することができる。
【0048】
ここで、(x
t,k,y
t,k)は、関連するランダム誤差
を有する対象物の画像空間座標であり、
(X
t,Y
t,Z
t)は、対象物の推定されるべき未知の物体空間座標である。
それぞれの写真画像について、方程式(12)の形式で2つの方程式が記述できるため、3個の未知の座標について解くためには、少なくとも2箇所から対象物を撮影しなければならない。
【0049】
全ての基準点が共通の平面の上又は近くに位置する場合、このアルゴリズムが数値的に不安定になることがある、ということにもまた留意されたい。この場合は、写真を撮影する際、既知の長さの垂直な棒を用いて1つ又は2つ以上の基準点を効果的に高くすることができる。あるいは、本明細書で以下に記載する更に別の実施形態によれば、より高い数値的安定性を達成することができる。
【0050】
上記の実施形態では、基準点において写真を撮影する必要はない。しかしながら、既知の固定基準点(例えば、スプリンクラーヘッド112)において写真を撮影する場合、カメラの3個の外部パラメータ値は事前に判明する。この追加情報を、制約条件として方程式(10)に含めることができ、これによって対象物の位置の推定において、数値的安定性及び精度の向上が得られる可能性がある。
【0051】
更に上記の実施形態では、カメラの外部標定を(例えば、慣性センサで)事前に把握する必要はない。しかしながら、これらのパラメータが事前に把握される場合、この情報を、制約条件として方程式(10)に含めることができ、これによって対象物の位置の推定において、数値的安定性及び精度の向上が得られる可能性がある。
【0052】
上記の最小二乗推定値
は、計画行列Aの要素が定数であり、かつ全てのデータ誤差が独立かつ一様に分布するという仮定に基づいている。更に別の実施形態では、計画行列Aの要素において、ランダム性が許容されるような、より一般的な手法を用いてもよく、更にいわゆる全最小二乗(TLS)補正法を適用することで、より一般的なランダム誤差分布に対応してもよい。有利なことに、かかる数式は、予め決定済みの基準点座標における統計的不確定性(つまり、その分散及び共分散において示されるもの)に相当し、結果としてより精度の高い対象物の位置の決定を可能とする。かかる方法は、例えば、Snow,K.(2012),Topics in total least−squares adjustment within the errors−in−variables model:singular cofactor matrices and prior information.Ph.D.Dissertation,The Ohio State University,Columbus,Ohio,USA、に記載され、全ての目的のため参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
更なる実施形態によれば、対象物の位置を決定するために複数の既知の固定基準点を利用する。すなわち入力データは、n個(nは3以上)の重複しない基準点の3D座標(X
i,Y
i,Z
i)、i=1,...,n、及び対象物への複数の重複しない基準値、例示的には、距離計測デバイス(例えば、レーザー距離計)からの、対象物のn個(nは3以上)の重複しない基準点の、複数の測定値(R
i)、i=1,...,nを含む。出力データは、対象物の推定された3D座標(X,Y,Z)を含む。3つ以上の測定値を用いる場合、初期座標値(X
0,Y
0,Z
0)が必要になるが、最小二乗推定手法により問題を解決することができる。上記初期値は、任意の3つの測定値に基づいた一意解のような、あらゆる好適な手段を用いて決定してよい。重複しない基準点への測定値の数が3つ(n=3)の場合、かかる一意解により最終的な対象物の位置が得られる。
【0054】
実施形態によれば、
図4の例示的な操作400に示すように、複数の既知の固定基準点(ブロック410を参照)は、対象物の位置の決定に利用される。更に、複数の固定基準点は対象物の位置に近接して位置する。この実施形態によれば、固定基準点のうちの特定の基準点は、対象物の位置の決定に用いるために識別又は登録される(ブロック420を参照)。本明細書において上記した通り、例示的に、複数の固定基準点は、複数のスプリンクラーヘッド112〜126であり、スプリンクラーヘッドのうちの特定のスプリンクラーヘッドの識別又は登録は、特定のスプリンクラーヘッド(例えば、
図1のスプリンクラーヘッド112)上に多少近接した状態で、ユーザーが留まったり又は垂直に構えたりするなどの多くの手法により実現することができ、更にユーザーは、その近接した位置において、かかるスプリンクラーヘッドの固定位置に近接した現在位置を登録又は識別するために、かかる登録処理のためにプログラムされたユーザーデバイスのボタンを押してもよい。
【0055】
ここで、固定基準点のうちの特定の基準点の位置を知ることにより、この位置情報を、識別された対象物(ブロック430を参照)について、面上での対象物の正確な位置を決定するために使用することができる。例示的には、レーザー距離計(又はいくつかの類似機能を有する距離計測デバイス)を、既知の固定基準点(例えば、スプリンクラーヘッド112)から、対象物(例えば、対象物130又は対象物140)までの距離を決定するために使用することができ、この距離は、ユーザーデバイス(例えば
図6を参照)への入力として提供され得る。すなわち、識別された対象物と登録された固定基準点のうちの特定の基準点との間の複数の距離を計測する(ブロック440を参照)。一実施形態によれば、それぞれの対象物に対してそれぞれ3つの測定距離を計測するために、少なくとも3つの固定基準点を利用する。この距離情報を利用することにより、対象物130又は140の位置を、以下更に記載するように決定し(ブロック450を参照)、ユーザーへ、例示的には、ユーザーデバイスのディスプレイ上へと出力してもよい(ブロック460を参照)。
【0056】
この実施形態によれば、最小二乗推定手法を用いて、
による座標の補正ベクトルで反復計算を行い、ここで、n×3の計画行列Aは下記の通り定義され、
yは、n×1のインクリメンタルな観測ベクトルであり、下記の通り定義され、
i=1,...,nである。ここで、上付き文字jは、j回目の反復計算を表し、j=1,2,...と続く。
【0057】
それから、対象物の点の座標について、下記の通り更新を行う必要がある。
【0058】
推定された座標の補正ベクトルのノルムが、予め設定した閾値ε未満になるまで、つまり、
となるまで(ここで、例えば、ε=10
−12)、上記2工程が繰り返される。
【0059】
更なる実施形態によれば、(対象物と2つの固定基準点との間の)2つの測定距離、及びグリーン(
図1のグリーン102を参照)の等高線地図(
図1の等高線地
図100を参照)からの面の標高情報の関数として、正確な対象物の位置が得られる。上記のように、本明細書の実施形態ではDEMを利用するが、DEMは3D点群の離散集合から作成される連続した地形面のデジタル表現である。すなわち、等高線地図をユーザーにとって読みやすいものにするために、DEMを使用して、一定の高度を表す等高線を面上に描画する。このように、容易に理解されるように、3D地形面を2D図(つまり、等高線地図)として描画する。次いで、対象物の位置におけるグリーンの標高を反復補間し、対象物の正確な位置を決定するために、2つの測定距離と組み合わせて、かかるDEM情報を使用することができる。
【0060】
図5は、この実施形態に従い、測定距離情報、及び面の標高情報を利用することによって、対象物の位置を決定するための例示的な操作500のフローチャートを示すものである。詳細には、この実施形態では、対象物と2つの特定の固定基準点との間の少なくとも2つの測定距離を利用し(ブロック520を参照)、ここで、かかる距離は、上記実施形態記載の距離計測デバイス(例えば、レーザー距離計)を使用して計測されている。しかしながら、この別の実施形態によれば、グリーン(例えば、グリーン102)に固有の標高情報を詳細に示す面の標高情報を受け取る(ブロック510)。理解されるように、かかる標高情報は、ユーザーデバイスに予め読み込まれるか、又はリアルタイムでユーザーがダウンロードした、生成された等高線地
図100の一部であってよい。
それから、正確な対象物の3D位置を決定するために、グリーン102の等高線地
図100から得られる標高情報を、対象物と固定基準点のうちの特定の2つの基準点との間の2つの測定距離と組み合わせて、反復解へと組み込むことができる。これは、対象物の位置の初期推定値を計算すること(ブロック530を参照)、次いで、第1の反復工程として等高線地図から予め補間した面の標高を使用して、その初期推定からより正確に対象物の位置を計算すること(ブロック540を参照)、次いで、反復スキームのそれぞれの連続工程でグリーンの等高線をより正確に補間する(ブロック550を参照)ことによって達成される。理解されるように、対象物の位置の連続的な計算がある予め定義した許容誤差内に収まるまで、又は所望の精度に到達するまで、反復工程が続く。
等高線地図がデジタル表現される場合(例えば、基本的な不規則三角形網(TIN)モデル)、等高線の直接補間が採用され得るが、代わりにグラフィック画像ファイル(例えば、JPEGファイル)で等高線が表現される場合、数値補間を行う前に先ずデジタル化する必要がある、ということに留意されたい。それから例示的には、ディスプレイ上に位置を表示することで、対象物の決定された位置を出力し得る(ブロック560を参照)。
【0061】
上記した通り、本明細書の種々の実施形態は、その方法を実践するための方法及び装置の形式で具体化することができる。開示する方法は、ユーザーデバイスへと搭載、及び/又は通信可能に接続される、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、及びコンピュータ可読媒体の組み合わせ(集合的に「コンピュータ」)によって、行われてもよい。
図6は、本明細書の種々の実施形態による、面上の対象物の正確な位置を決定するための方法を実行するために、使用することができる例示的なコンピュータ600のハイレベルブロック図である。コンピュータ600はデータ記憶デバイス620と、メモリ630と動作可能に連結されたプロセッサ610と、を含む。プロセッサ610は、このような動作を定義するコンピュータプログラム命令を実行することによってコンピュータ600全体の動作を制御する。コミュニケーションバス660は、コンピュータ600の種々の構成部品間の接続及び通信を容易にする。コンピュータプログラム命令は、データ記憶デバイス620又は非一過性コンピュータ可読媒体に格納されてもよく、コンピュータプログラム命令の実行が必要なときにメモリ630にロードされてもよい。このように、本明細書で開示する方法の工程(例えば、
図2〜
図5及び本明細書で上記する関連説明を参照)は、メモリ630及び/又はデータ記憶デバイス620に格納されたコンピュータプログラム命令により定義され、そのコンピュータプログラム命令を実行するプロセッサ610により制御され得る。例えば、開示する方法により定義した例示的な操作を実行するために、当業者によりプログラムされたコンピュータ実行可能コードとして、コンピュータプログラム命令を実装することができる。したがって、このコンピュータプログラム命令を実行することにより、プロセッサ610は、開示する方法により定義されたアルゴリズムを実行する。コンピュータ600はまた、ネットワーク(例えば、無線通信ネットワーク)又は通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))を介して他のデバイスと通信するための1つ又は2つ以上の通信インタフェース650を含む。例えば、かかる通信インタフェースは、多くの周知の様式における、受信機、トランシーバー又は、有線若しくは無線通信交換用モデムであってもよい。コンピュータ600はまた、ユーザーのコンピュータ600への働きかけを可能にする1つ又は2つ以上の入力/出力デバイス640(例えば、カメラ、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカー、マイク、ボタンなど)を含む。
【0062】
プロセッサ610には、汎用及び専用マイクロプロセッサの両方が含まれてよく、コンピュータ600の単独のプロセッサであっても、複数のプロセッサのうちの1つであってもよい。プロセッサ610は例えば1つ又は2つ以上の中央演算処理装置(CPU)を備えてもよい。プロセッサ610、データ記憶デバイス620及び/又はメモリ630は、1つ又は2つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は1つ又は2つ以上のフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)を含むか、これらにより補完されるか、又はこれらに組み込まれてもよい。
【0063】
データ記憶デバイス620及びメモリ630はそれぞれ、有形の非一過性コンピュータ可読記憶媒体を含む。データ記憶デバイス620及びメモリ630は、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DDR RAM)、又はその他のランダムアクセス型ソリッドステート記憶デバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを各々含んでもよく、また、1つ又は2つ以上の内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク記憶デバイス、光磁気ディスク記憶デバイス、光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリ装置、消去可能プログラムマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラムマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)などの半導体メモリデバイス、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク読み出し専用メモリ(DVD−ROM)ディスク、又はその他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0064】
入力/出力デバイス640は、カメラ、プリンター、スキャナー、ディスプレイスクリーンなどの周辺機器を含んでいてもよい。例えば、入力/出力デバイス640は、ユーザーへと情報を表示するための、陰極線管(CRT)、プラズマ又は液晶ディスプレイ(LCD)モニターなどのディスプレイデバイス、並びに、ユーザーからコンピュータ600への入力を提供し得る、マウス又はトラックボールなどのキーボード及びポインティングデバイス、を含んでいてもよい。
【0065】
説明を明確にするために、本明細書記載の例示的実施形態は、単一の機能ブロック、又は機能ブロックの組み合わせを含むように示されている場合があることに留意すべきである。これらブロックが示す機能は、専用又は共有ハードウェアのいずれか一方を用いて提供されてもよく、ソフトウェアを実行可能なハードウェアが挙げられるが、これに限定されない。例示的な実施形態は、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、及び/又は本明細書に記載の操作を実行するソフトウェアを含んでいてもよい。このように、例えば本明細書のブロック図は、当業者には、本明細書の種々の実施形態で説明する例示的な機能、操作、及び/又は回路原理の概念図であると考えられよう。同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コード、プログラムコードなどは、コンピュータ可読媒体内に実質的に表され、コンピュータ、機械若しくはプロセッサによって実行され得る種々のプロセスを、そのようなコンピュータ、機械又はプロセッサが明確に示されているかどうかに関わらず、表していることが理解されるであろう。当業者であれば、実際のコンピュータ又はコンピュータシステムの実装においては、他の構造を有していてもよく、同様に他の構成要素を含んでいてもよいこと、及び、かかるコンピュータのいくつかの構成要素のハイレベル表現は、例示的な目的のためであることを認識するであろう。
【0066】
上述の発明を実施するための形態は、あらゆる点で例示を目的とするものであり、本発明を限定するものとして理解すべきではなく、本明細書に開示された本発明の範囲は、発明を実施するための形態から判断すべきものではなく、特許請求の範囲を、特許法で許容される最大限の範囲によって解釈して判断すべきである。本明細書に記載かつ示された諸実施形態が単に本発明の原理を例示するものにすぎないこと、及び、種々の変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者により実施され得るものであることを理解されたい。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施することが可能である。