特許第6755678号(P6755678)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6755678-太陽電池 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755678
(24)【登録日】2020年8月28日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】太陽電池
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/44 20060101AFI20200907BHJP
【FI】
   H01L31/04 112Z
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-42312(P2016-42312)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-178290(P2016-178290A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年11月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-58424(P2015-58424)
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯川 麻由美
(72)【発明者】
【氏名】宇野 智仁
(72)【発明者】
【氏名】早川 明伸
(72)【発明者】
【氏名】小原 峻士
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103956394(CN,A)
【文献】 特開2014−236045(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/171520(WO,A1)
【文献】 宮坂 力ほか,ペロブスカイト薄膜太陽電池の開発と最新技術,日本,技術教育出版有限会社,2014年12月20日,pp. 118-123,ISBN 978-4-907837-25-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/42−51/48
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する太陽電池であって、
前記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物と、周期表2族元素、周期表11族元素、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、チタン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素とを含有する部位を有する
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
周期表2族元素、周期表11族元素、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、チタン及びランタンからなる群より選択される少なくとも1種の元素の含有量の割合が、有機無機ペロブスカイト化合物中の金属元素100モル%に対して0.01モル%以上、20モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
【請求項3】
周期表2族元素、周期表11族元素、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、チタン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素が、カルシウム、ストロンチウム、銀、銅、マンガン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素であることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
【請求項4】
周期表2族元素、周期表11族元素、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、チタン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素が、カルシウム、ストロンチウム、銀及び銅からなる群から選択される1種以上の元素であることを特徴とする請求項3記載の太陽電池。
【請求項5】
電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体が、封止材で封止されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体を備えた光電変換素子が開発されている。このような光電変換素子では、光励起により光キャリアが生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
【0003】
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池が注目されている。
【0004】
有機太陽電池においては、ほとんどの場合フラーレンが用いられている。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。例えば、特許文献1には、P型半導体となる有機化合物とフラーレン類とを用いて形成された半導体ヘテロ接合膜が記載されている。しかしながら、フラーレンを用いて製造される有機太陽電池において、その劣化の原因はフラーレンであることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、フラーレンに代わる材料が求められている。
【0005】
そこで近年、有機無機ハイブリッド半導体と呼ばれる、中心金属に鉛、スズ等を用いたペロブスカイト構造を有する光電変換材料が発見され、高い光電変換効率を有することが示された(例えば、非特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−344794号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476−3483(2010)
【非特許文献2】M.M.Lee et al.,Science,338,643−647(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する太陽電池であって、前記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物と、周期表2族元素、周期表11族元素、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素とを含有する部位を有する太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
【0010】
本発明者らは、電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する太陽電池において、光電変換層に特定の有機無機ペロブスカイト化合物を用いることを検討した。有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率の向上が期待できる。
しかしながら、光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池は、更なる光電変換効率の向上が課題となっていた。これに対して、本発明者らは、光電変換層を、有機無機ペロブスカイト化合物と、周期表2族元素、周期表11族元素、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素とを含有する部位(以下、「有機無機ペロブスカイト化合物部位」ともいう。)を有するものとすることにより、光電変換効率を飛躍的に向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明の太陽電池は、電極と、対向電極と、上記電極と上記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する。
なお、本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
【0012】
上記電極及び上記対向電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。なお、上記対向電極は、パターニングされた電極であることが多い。
電極材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、金、銀、チタン、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。対向電極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記電極及び上記対向電極は、それぞれ陰極になっても、陽極になってもよい。
【0013】
上記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む有機無機ペロブスカイト化合物部位を有する。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
【0014】
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン、アニリン、ピリジン及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンがより好ましい。中でも高い光電変換効率が得られることから、メチルアミン、ホルムアミニジウム及びこれらのイオンが特に好ましい。
【0015】
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電子軌道の重なりの観点から、鉛又はスズが好ましい。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0016】
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
【0017】
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
【0018】
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。
上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。
【0019】
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。上記結晶化度が30%以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記結晶化度が30%以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール(加熱処理)、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
【0020】
上記熱アニール(加熱処理)を行う場合、上記有機無機ペロブスカイト化合物を加熱する温度は特に限定されないが、100℃以上、250℃未満であることが好ましい。上記加熱温度が100℃以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱温度が250℃未満であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。より好ましい加熱温度は、120℃以上、230℃以下である。また、加熱時間も特に限定されないが、3分以上、2時間以内であることが好ましい。上記加熱時間が3分以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱時間が2時間以内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。
これらの加熱操作は真空又は不活性ガス下で行われることが好ましく、露点温度は10℃以下が好ましく、7.5℃以下がより好ましく、5℃以下が更に好ましい。
【0021】
上記有機無機ペロブスカイト化合物部位は、周期表2族元素、周期表11族元素、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン及びランタンからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する。
上記有機無機ペロブスカイト化合物部位がこれらの元素を含有することにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記周期表2族元素、周期表11族元素、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン及びランタンからなる群より選択される少なくとも1種の元素として、具体的には例えば、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、銀、銅、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン、ランタン等が挙げられる。より光電変換効率が向上する観点からは、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、銀、銅、セシウム、マンガン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素が好ましい。また光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)を抑制する観点からは、カルシウム、ストロンチウム、銀、銅、マンガン及びランタンからなる群から選択される1種以上の元素がより好ましく、カルシウム、ストロンチウム、銀及び銅からなる群から選択される1種以上の元素が特に好ましい。
【0022】
上記周期表2族元素、周期表11族元素、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン及びランタンからなる群より選択される少なくとも1種の元素の含有量の割合(モル%)は特に限定されないが、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の金属元素(R−M−Xで表されるM)100モル%に対する好ましい下限が0.01モル%、好ましい上限が20モル%である。上記含有量の割合(モル%)が0.01モル%以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流密度、フィルファクターの低下に起因する光劣化が抑制される。上記含有量の割合(モル%)が20モル%以下であれば、上記元素の存在による初期変換効率低下を抑制することができる。上記含有量の割合(モル%)のより好ましい下限は0.1モル%、より好ましい上限は10モル%である。
【0023】
上記周期表2族元素、周期表11族元素、セシウム、イットリウム、オスミウム、ロジウム、マンガン、アンチモン、チタン及びランタンからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有させる方法は特に限定されず、例えば、有機無機ペロブスカイト化合物の層を形成する際に使用する溶液に上記元素のハロゲン化物を混合する方法等が挙げられる。
【0024】
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。なお、ここでいう有機半導体又は無機半導体は、後述する電子輸送層又はホール輸送層としての役割を果たしてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
【0025】
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
【0026】
上記光電変換層は、上記有機無機ペロブスカイト化合物と上記有機半導体又は上記無機半導体とを含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
【0027】
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
【0028】
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
【0029】
本発明の太陽電池においては、上記電極と上記光電変換層との間に、電子輸送層が配置されていてもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
【0030】
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層(バッファ層)のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物を複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
【0031】
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
【0032】
本発明の太陽電池においては、上記光電変換層と上記対向電極との間に、ホール輸送層の材料が積層されてもよい。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
【0033】
上記ホール輸送層の材料は一部が上記光電変換層に浸漬していてもよいし、上記光電変換層上に薄膜状に配置されてもよい。上記ホール輸送層の材料が薄膜状に存在する時の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
【0034】
本発明の太陽電池は、更に、基板等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、金属基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
【0035】
本発明の太陽電池は、上述したような、電極と、対向電極と、上記電極と上記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体(即ち、必要に応じて配置される上記基板上に上記電極、必要に応じて上記電子輸送層、上記光電変換層、必要に応じて上記ホール輸送層及び上記対向電極が形成された上記積層体)が、封止材で封止されていることが好ましい。上記積層体が封止材で封止されていることで、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。ここで、上記封止材は、その端部を閉じるようにして、上記積層体全体を覆うことが好ましい。上記封止材としてはバリア性を有していれば特に限定されないが、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂並びに無機材料等が挙げられる。
【0036】
上記熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン等が挙げられる。
【0037】
上記封止材の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は20000nmである。
【0038】
上記無機材料としては、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又は酸窒化物が挙げられる。なかでも、上記封止材に水蒸気バリア性及び柔軟性を付与するために、Zn、Snの両金属元素を含む金属元素の酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。
【0039】
上記封止材のうち、上記熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂で上記積層体を封止する方法は特に限定されず、例えば、シート状の封止材を用いて上記積層体をシールする方法、封止材を有機溶媒に溶解させた封止材溶液を上記積層体に塗布する方法、封止材となる液状モノマーを上記積層体に塗布した後、熱又はUV等で液状モノマーを架橋又は重合させる方法、封止材に熱をかけて融解させた後に冷却させる方法等が挙げられる。
【0040】
上記封止材のうち、上記無機材料で上記積層体を覆う方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング法がより好ましい。
上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記積層体上に原料を堆積して製膜することにより、無機材料からなる無機層を形成することができる。
上記封止材は、上記熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂と、上記無機材料との組み合わせでもよい。
【0041】
また、本発明の太陽電池においては、更に、上記封止材上を、例えばガラス板、樹脂フィルム、無機材料を被覆した樹脂フィルム、金属箔等のその他の材料が覆っていてもよい。即ち、本発明の太陽電池は、上記積層体と上記その他の材料との間を、上記封止材によって封止、充填又は接着している構成であってもよい。これにより、仮に上記封止材にピンホールがあった場合にも充分に水蒸気をブロックすることができ、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。
【0042】
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、必要に応じて配置される上記基板上に上記電極、必要に応じて上記電子輸送層、上記光電変換層、必要に応じて上記ホール輸送層及び上記対向電極をこの順で形成して上記積層体を作製した後、上記封止材で上記積層体を封止する方法等が挙げられる。
【0043】
上記光電変換層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法、印刷法等が挙げられる。なかでも、印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を大面積で簡易に形成することができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0047】
(実施例1)
(1)チタンを含有する塗布液の作製
チタン粉末10mmolを精秤し、ビーカーに入れ、過酸化水素水40gを加え、さらにアンモニア水10gを加えた。これを2時間水冷した後、L−乳酸30mmolを添加し、80℃に設定したホットプレートで一日加温し、そこへ蒸留水10mlを添加しチタンを含有する塗布液を作製した。
(2)太陽電池の作製
ガラス基板上に、電極(陰極)として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
チタンを含有する塗布液を回転数1500rpmの条件でスピンコート法により塗布した。塗布後、大気中550℃で10分間焼成し、電子輸送層を形成した。
更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み300nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。次いで、ハロゲン化金属化合物としてヨウ化鉛をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて1Mの溶液を調製した。さらに銅を添加するために、上記ヨウ化鉛のDMF溶液に0.01Mの濃度(銅の含有量(表中、添加物濃度)=鉛100モル%に対して1モル%)になるように添加物として塩化銅を溶解させて、これを上記多孔質状の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜した。更に、アミン化合物としてヨウ化メチルアンモニウムを2−プロパノールに溶解させて1Mの溶液を調製した。この溶液内に上記のヨウ化鉛(添加物を含む)を製膜したサンプルを浸漬させることによって有機無機ペロブスカイト化合物であるCHNHPbIを含む層を形成することで、有機無機ペロブスカイト化合物部位を形成した。浸漬後、得られたサンプルに対して80℃にて30分間加熱処理を行った。更に、ホール輸送層としてPoly(4−butylphenyl−diphenyl−amine)(1−Material社製)の1wt%クロロベンゼン溶液を有機無機ペロブスカイト化合物部位上にスピンコート法によって50nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。
光電変換層上に、対向電極(陽極)として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を作製した。得られた積層体上に、封止材としてのポリイソブチレン樹脂(BASF社製のOPPANOL100)を10μm積層したアルミホイルを100℃でラミネートし、太陽電池を得た。
【0048】
実施例2〜10、12、14〜16、参考例1、2
添加物を表1に記載の化合物・添加量に変更したこと、またホール輸送層を表1に記載のものに変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
【0049】
(実施例17、18)
実施例1の多孔質状の電子輸送層上に有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbIをモル比1:1で溶かし、Pbの濃度が1Mになるように調製した。さらにストロンチウム、またはチタンを添加するために、上記の調製した溶液に0.01Mの濃度(ストロンチウム又はチタンの含有量(表中、添加物濃度)=鉛100モル%に対して1モル%)になるように添加物として塩化ストロンチウム又はヨウ化チタンを溶解させて、これを上記多孔質状の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜し、有機無機ペロブスカイト化合物部位を形成した。更に、ホール輸送層としてPoly(4−butylphenyl−diphenyl−amine)(1−Material社製)の1wt%クロロベンゼン溶液を有機無機ペロブスカイト化合物部位上にスピンコート法によって50nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。光電変換層上に、対向電極(陽極)として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を作製した。得られた積層体上に、封止材としてのポリイソブチレン樹脂(BASF社製のOPPANOL100)を10μm積層したアルミホイルを100℃でラミネートし、太陽電池を得た。
【0050】
(実施例19)
実施例1の多孔質状の電子輸送層上に有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbClをモル比3:1で溶かし、Pbの濃度が1Mになるように調製した。さらにストロンチウムを添加するために、上記の調製した溶液に0.01Mの濃度(ストロンチウムの含有量(表中、添加物濃度)=鉛100モル%に対して1モル%)になるように添加物として塩化ストロンチウムを溶解させて、これを上記多孔質状の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜し、有機無機ペロブスカイト化合物部位を形成した。更に、ホール輸送層としてPoly(4−butylphenyl−diphenyl−amine)(1−Material社製)の1wt%クロロベンゼン溶液を有機無機ペロブスカイト化合物部位上にスピンコート法によって50nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。光電変換層上に、対向電極(陽極)として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を作製した。得られた積層体上に、封止材としてのポリイソブチレン樹脂(BASF社製のOPPANOL100)を10μm積層したアルミホイルを100℃でラミネートし、太陽電池を得た。
【0051】
(実施例20)
積層体を封止材で封止しなかったこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
【0052】
(比較例1)
有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液を調製する際に添加物を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
【0053】
(比較例2)
有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液を調製する際に添加物を使用しないこと以外は実施例3と同様にして、太陽電池を得た。
【0054】
(比較例3−7)
有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液を調製する際に使用した添加物の種類及び濃度を、表1に記載の通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
【0055】
(比較例8)
有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液を調製する際に添加物を使用しないこと以外は実施例17と同様にして、太陽電池を得た。
【0056】
(比較例9)
有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液を調製する際に添加物を使用しないこと以外は実施例19と同様にして、太陽電池を得た。
【0057】
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0058】
(1)初期変換効率
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、ソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて強度100mW/cmの光を照射し光電変換効率を測定した。実施例1−16、20、比較例2−7については比較例1の変換効率を1に規格化した際、1.1以上であった場合を○○、1以上、1.1未満であった場合を○、1未満であった場合を×とし、実施例17−18については比較例8の変換効率を1に規格化した際、1.1以上であった場合を○○、1以上、1.1未満であった場合を○、1未満であった場合を×とし、実施例19については比較例9の変換効率を1に規格化した際、1.1以上であった場合を○○、1以上、1.1未満であった場合を○、1未満であった場合を×とした。
(2)光劣化試験
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、ソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて強度100mW/cmの光を照射した。光照射を開始した直後の光電変換効率と光照射を1時間続けた後の光電変換効率とをそれぞれ測定した。光照射を1時間続けた後の光電変換効率/光照射を開始した直後の光電変換効率の値を求め、その値が0.9以上であった場合を○○○、0.8以上、0.9未満であった場合を○○、0.6以上、0.8未満であった場合を○、0.6未満であった場合を×とした。
【0059】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を提供することができる。
図1