特許第6755704号(P6755704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755704
(24)【登録日】2020年8月28日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】日射遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/323 20060101AFI20200907BHJP
   E06B 9/326 20060101ALI20200907BHJP
   E06B 9/322 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   E06B9/323
   E06B9/326
   E06B9/322
【請求項の数】15
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-93430(P2016-93430)
(22)【出願日】2016年5月6日
(65)【公開番号】特開2017-201107(P2017-201107A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2019年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】裸野 善行
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−040465(JP,A)
【文献】 特許第4074424(JP,B2)
【文献】 実公平04−048319(JP,Y2)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0024656(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面壁および後面壁を備えたヘッドボックスと、
前記ヘッドボックスの下方に位置する遮蔽部材と、
前記前面壁の外面および前記後面壁の外面の各々から垂下され、前記遮蔽部材を昇降させるための昇降部材と、
前記前面壁の外面から垂下している前記昇降部材の経路を前記ヘッドボックスの内部に延びる経路に変更する前面側経路変更部と、
前記後面壁の外面から垂下している前記昇降部材の経路を前記ヘッドボックスの内部に延びる経路に変更する後面側経路変更部とを備え
前記昇降部材は、前記遮蔽部材を挟んで対向している
日射遮蔽装置。
【請求項2】
前面壁および後面壁を備えたヘッドボックスと、
前記ヘッドボックスの下方に位置する遮蔽部材と、
前記前面壁の外面および前記後面壁の外面の各々から垂下され、前記遮蔽部材を昇降させるための昇降部材と、
前記前面壁の外面から垂下している前記昇降部材の経路を前記ヘッドボックスの内部に延びる経路に変更する前面側経路変更部と、
前記後面壁の外面から垂下している前記昇降部材の経路を前記ヘッドボックスの内部に延びる経路に変更する後面側経路変更部とを備え、
前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部とは、連結部で連結されており、
前記連結部は、前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部とを、前記ヘッドボックスの前後方向に対して変位するように連結している
日射遮蔽装置。
【請求項3】
前記連結部は、前記ヘッドボックスの前後方向に対して弾性変位可能である
請求項2に記載の日射遮蔽装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記前面側経路変更部を前記前面壁の方向に変位させ突出させるとともに、前記後面側経路変更部を前記後面壁の方向に変位させ突出させる
請求項3に記載の日射遮蔽装置。
【請求項5】
前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部との間に配置される規制部材をさらに備え、
前記規制部材は、前記前面側経路変更部が前記前面壁から離れる方向に変位することを制限するとともに、前記後面側経路変更部が前記後面壁から離れる方向に変位することを制限する
請求項2ないし4のうち、何れか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項6】
前記ヘッドボックスから吊り下げられ、前記遮蔽部材の各々を回動可能に支持するラダーコードをさらに備え、
前記規制部材は、前記ラダーコードを吊り下げ支持する
請求項5に記載の日射遮蔽装置。
【請求項7】
前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部の各々は、前記ヘッドボックスに対して出入りする前記昇降部材を案内し支持する案内支持部を備える
請求項1ないし6のうち、何れか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項8】
前記ヘッドボックスは、前記前面壁および前記後面壁の各々において、前記昇降部材が垂下する位置に開口部を備え、
前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部の各々は、前記開口部に嵌合し、前記前面壁および前記後面壁の各々に対して外側に突出している
請求項7に記載の日射遮蔽装置。
【請求項9】
前記昇降部材を前記案内支持部から前記ヘッドボックス内部へと案内する案内通路をさらに備える
請求項7または8に記載の日射遮蔽装置。
【請求項10】
前記案内通路は、前記案内支持部に対して近い側に位置する第1出入り口と、前記案内支持部に対して前記第1出入り口より遠い側に位置する第2出入り口とを備え、
前記第2出入り口には、前記ヘッドボックス内へ導かれる前記昇降部材を案内する案内部を備える
請求項9に記載の日射遮蔽装置。
【請求項11】
前面壁および後面壁を備えたヘッドボックスと、
前記ヘッドボックスの下方に位置する遮蔽部材と、
前記前面壁側および前記後面壁側の各々から垂下され、前記遮蔽部材を昇降させるための昇降部材と、
前記前面壁に対して突出して位置し、前記前面壁側から垂下される前記昇降部材が前記ヘッドボックスに対して出入りする前面側導出入口と、
前記後面壁に対して突出して位置し、前記後面壁側から垂下される前記昇降部材が前記ヘッドボックスに対して出入りする後面側導出入口とを備え
前記昇降部材は、前記遮蔽部材を挟んで対向している日射遮蔽装置。
【請求項12】
前記昇降部材によって昇降可能に支持されるボトムレールをさらに備え、
前記昇降部材は、前記前面側導出入口および前記後面側導出入口から垂下され前記ボトムレールにおいて転回される部材で構成される
請求項11に記載の日射遮蔽装置。
【請求項13】
前記ボトムレールは、前記昇降部材を保持するホルダを備え、
前記ホルダは、前記昇降部材が係合する溝を備える
請求項12に記載の日射遮蔽装置。
【請求項14】
前記前面壁に対して突出し前記前面側導出入口を構成する前面側突出部および前記後面壁に対して突出し前記後面側導出入口を構成する後面側突出部のうちの少なくとも何れか一方は、カバーで覆われている
請求項11ないし13のうち、何れか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項15】
前面壁および後面壁を備えたヘッドボックスと、
前記ヘッドボックスの下方に位置する遮蔽部材と、
前記前面壁側および前記後面壁側の各々から垂下され、前記遮蔽部材を昇降させるための昇降部材と、
前記前面壁に対して突出して位置し、前記前面壁側から垂下される前記昇降部材が前記ヘッドボックスに対して出入りする前面側導出入口と、
前記後面壁に対して突出して位置し、前記後面壁側から垂下される前記昇降部材が前記ヘッドボックスに対して出入りする後面側導出入口とを備え、
前記前面壁に対して突出し前記前面側導出入口を構成する前面側突出部および前記後面壁に対して突出し前記後面側導出入口を構成する後面側突出部のうちの少なくとも何れか一方は、カバーで覆われており、
前記前面側突出部および前記後面側突出部の各々は、前記前面側導出入口および前記後面側導出入口の各々において、前記昇降部材を案内し支持する案内支持部を備え、
前記カバーは、前記ヘッドボックスの外部から進入し前記案内支持部を通過した前記昇降部材の先端部を前記ヘッドボックス内部の方向へ誘導する誘導部を備える
日射遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日射遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日射遮蔽装置の1つである横型ブラインドは、ラダーコードに支持される複数枚のスラットと、複数枚のスラットを昇降させるための複数の昇降コードとを備えている。複数の昇降コードは、例えば、遮蔽部材としてのスラットの長手方向において、スラットの中央部と、スラットの両端部とに配置されている。これら昇降コードおよびラダーコードは、最下段のスラットの下に位置するボトムレールと接続されている。ボトムレールの上昇時において、スラットは、昇降コードの操作によってボトムレールに積み上がりながら上昇する(特許文献1参照)。昇降コードは、ヘッドボックスの底面からスラットの前後方向にそれぞれ垂下されており、各昇降コードは、スラットの前縁部と後縁部に沿って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−40465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の横型ブラインドでは、ヘッドボックスの小型化が望まれ、ヘッドボックスの前面壁と後面壁の幅を狭くすることが行われる。ヘッドボックスを小型化した場合において、昇降コードがヘッドボックスの底面から引き出され、スラットの前縁部や後縁部に沿って垂下されると、昇降コードは、ヘッドボックスの底面の開口部から一段目のスラットの前縁部や後縁部にかけて傾斜した状態となる。このため、昇降コードは、一段目のスラットの前縁部や後縁部との摩擦が大きくなる。すると、繰り返しスラットが昇降され、また、回動されることで、昇降コードが摩耗してしまう。
【0005】
遮蔽部材としてプリーツ生地を用いたプリーツスクリーンにあっても、スクリーンがヘッドボックスから垂下され昇降コードによって昇降される。このように、プリーツスクリーンも、横型ブラインドと遮蔽部材の構成が異なるだけで、遮蔽部材を昇降させる原理は同じであり、同様な課題が生じる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、昇降部材と遮蔽部材との摩擦を少なくすることを可能とした日射遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための日射遮蔽装置は、前面壁および後面壁を備えたヘッドボックスと、前記ヘッドボックスの下方に位置する遮蔽部材と、前記前面壁の外面および前記後面壁の外面の各々から垂下され、前記遮蔽部材を昇降させるための昇降部材と、前記前面壁の外面から垂下している前記昇降部材の経路を前記ヘッドボックスの内部に延びる経路に変更する前面側経路変更部と、前記後面壁の外面から垂下している前記昇降部材の経路を前記ヘッドボックスの内部に延びる経路に変更する後面側経路変更部とを備える。
【0008】
上記日射遮蔽装置において、前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部とは、連結部で連結されており、前記連結部は、前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部とを、前記ヘッドボックスの前後方向に対して変位するように連結している構成としてもよい。
【0009】
上記日射遮蔽装置において、前記連結部は、前記ヘッドボックスの前後方向に対して弾性変位可能な構成としてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記前面側経路変更部を前記前面壁の方向に変位させ突出させるとともに、前記後面側経路変更部を前記後面壁の方向に変位させ突出させる構成としてもよい。
【0010】
上記日射遮蔽装置において、前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部との間に配置される規制部材をさらに備え、前記規制部材は、前記前面側経路変更部が前記前面壁から離れる方向に変位することを制限するとともに、前記後面側経路変更部が前記後面壁から離れる方向に変位することを制限する構成としてもよい。
【0011】
上記日射遮蔽装置において、前記ヘッドボックスから吊り下げられ、前記遮蔽部材の各々を回動可能に支持するラダーコードをさらに備え、前記規制部材は、前記ラダーコードを吊り下げ支持する構成としてもよい。
【0012】
上記日射遮蔽装置において、前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部の各々は、前記ヘッドボックスに対して出入りする前記昇降部材を案内し支持する案内支持部を備える構成としてもよい。
【0013】
上記日射遮蔽装置において、前記ヘッドボックスは、前記前面壁および前記後面壁の各々において、前記昇降部材が垂下する位置に開口部を備え、前記前面側経路変更部と前記後面側経路変更部の各々は、前記開口部に嵌合し、前記前面壁および前記後面壁の各々に対して外側に突出している構成としてもよい。
【0014】
上記日射遮蔽装置において、前記昇降部材を前記案内支持部から前記ヘッドボックス内部へと案内する案内通路をさらに備える構成としてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記案内通路は、前記案内支持部に対して近い側に位置する第1出入り口と、前記案内支持部に対して前記第1出入り口より遠い側に位置する第2出入り口とを備え、前記第2出入り口には、前記ヘッドボックス内へ導かれる前記昇降部材を案内する案内部を備える構成としてもよい。
【0015】
上記日射遮蔽装置は、前面壁および後面壁を備えたヘッドボックスと、前記ヘッドボックスの下方に位置する遮蔽部材と、前記前面壁側および前記後面壁側の各々から垂下され、前記遮蔽部材を昇降させるための昇降部材と、前記前面壁に対して突出して位置し、前記前面壁側から垂下される前記昇降部材が前記ヘッドボックスに対して出入りする前面側導出入口と、前記後面壁に対して突出して位置し、前記後面壁側から垂下される前記昇降部材が前記ヘッドボックスに対して出入りする後面側導出入口とを備える。
【0016】
上記日射遮蔽装置において、前記昇降部材によって昇降可能に支持されるボトムレールをさらに備え、前記昇降部材は、前記前面側導出入口および前記後面側導出入口から垂下され前記ボトムレールにおいて転回される部材で構成されるようにしてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記ボトムレールは、前記昇降部材を保持するホルダを備え、前記ホルダは、前記昇降部材が係合する溝を備える構成としてもよい。
【0017】
上記日射遮蔽装置において、前記前面壁に対して突出し前記前面側導出入口を構成する前面側突出部および前記後面壁に対して突出し前記後面側導出入口を構成する後面側突出部のうちの少なくとも何れか一方は、カバーで覆われている構成としてもよい。
【0018】
上記日射遮蔽装置において、前記前面側突出部および前記後面側突出部の各々は、前記前面側導出入口および前記後面側導出入口の各々において、前記昇降部材を案内し支持する案内支持部を備え、前記カバーは、前記ヘッドボックスの外部から進入し前記案内支持部を通過した前記昇降部材の先端部を前記ヘッドボックス内部の方向へ誘導する誘導部を備える構成としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、昇降部材と遮蔽部材との摩擦を少なくすることを可能とした日射遮蔽装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態における横型ブラインドの正面図。
図2】一実施形態における横型ブラインドの側面図。
図3】一実施形態における横型ブラインドに用いられるスラットの平面図。
図4】一実施形態における横型ブラインドに用いられるヘッドボックスの内部構造を示す平面図。
図5】(a)は、一実施形態における横型ブラインドの長手方向の両端部における第1昇降コードとラダーコードを示した側面図、(b)は、一実施形態における横型ブラインドの長手方向の中央部における第2昇降コードとラダーコードを示した側面図。
図6】ボトムレールの長手方向の中央部においてホルダが取り付けられた状態を示す斜視図。
図7】ヘッドボックスの内部構造の分解斜視図。
図8】ヘッドボックスとコード案内部材とサポート部材とカバーとの相互の関係を示す分解斜視図。
図9】コード案内部材の連結部が内側に撓んだ状態とヘッドボックス内に取り付けられた状態を示す側面図。
図10】コード案内部材と第2昇降コードとの関係を示す要部平面図。
図11】案内部とカバーとを示す斜視図。
図12】コード案内部材の斜視図。
図13】第2昇降コードとカバーの誘導部との関係を示す要部正面図。
図14】ヘッドボックスとコード案内部材とサポート部材との関係を示す分解斜視図。
図15】ヘッドボックス内に配置されたコード案内部材に対してサポート部材を配置する状態を示す側面図。
図16】ストッパと転回部材と案内部材とを示す分解斜視図。
図17】サポート部材とラダーコードのドラムとを示す分解斜視図。
図18】ヘッドボックスとサポート部材との関係を示す分解斜視図。
図19】一実施形態における横型ブラインドと窓枠との関係を示す正面図。
図20】一実施形態における横型ブラインドにおいて、ボトムレールにスラットが積み上がった状態を示す要部側面図。
図21】コード案内部材の変形例を示す斜視図。
図22】コード案内部材における連結部の変形例を示す斜視図。
図23】転回部材と案内部材の変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、一実施形態における横型ブラインドについて図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、横型ブラインド10は、天井、窓枠、カーテンボックス等の取付部に取り付けられるヘッドボックス11と、日射を遮蔽する遮蔽部材としての複数のスラット12とを備えている。また、横型ブラインド10は、複数のスラット12をチルト調整可能に支持する3本のラダーコード13と、最下段の前記スラット12の下側に位置するボトムレール14と、一端部がボトムレール14に接続される第1昇降部材としての第1昇降コード15aと第2昇降部材としての第2昇降コード15bとを備えている。そして、スラット12の長手方向の両端部の各々に、第1昇降コード15aとラダーコード13とが配置され、スラット12の長手方向の中間部に、第2昇降コード15bとラダーコード13が配置されている。
【0022】
スラット12は、合成樹脂板、アルミ、ステンレス等の金属板等により形成され、細長い矩形薄板状に形成され、上面部が円弧状面を有している。なお、スラット12は、木板で形成してもよい。複数枚のスラット12は、横型ブラインド10の高さ方向である昇降方向に沿ってスラット12が並び、ヘッドボックス11から吊り下げられたラダーコード13によってチルト調整可能に支持されている。最下段のスラット12の下側には、スラット12とほぼ同じ長さを有するボトムレール14が配設されている。
【0023】
ボトムレール14は、複数枚のスラット12が降下した状態を維持する際に重量部材として機能し、SECC等の金属材料で形成されている。ボトムレール14は、スラット12とほぼ同じ長手方向の長さと短手方向の幅とを有し、ボトムレール14が引き上げられるときには、複数枚のスラット12がボトムレール14の上に積み上げられる。ラダーコード13は、ボトムレール14に接続されている。また、ボトムレール14は、ヘッドボックス11から引き出された第1昇降コード15aと第2昇降コード15bが接続され、第1昇降コード15aと第2昇降コード15bによってヘッドボックス11から吊り下げられている。
【0024】
図3に示すように、スラット群を構成する複数のスラット12の各々において、スラット12の長手方向の両端部には、短手方向である前後方向の中央部に、長辺を短手方向とした矩形形状の貫通孔22が配置されている。貫通孔22の各々には、第1昇降コード15aが挿通されている。各貫通孔22の配置される位置は、極力両端部に寄せられており、貫通孔22から先端までの長さは、ラダーコード13に支持された際に貫通孔22より先の部分が自重により撓まない程度とされる。また、スラット12の長手方向における中央部には、スラット12の前後方向の相対する側縁部に第2昇降コード15bが配置される。スラット12には、第2昇降コード15bの挿通に必要な貫通孔は形成されていない。スラット12の長手方向における中央部においては、上述した貫通孔が形成されていないことで、高い遮光性が確保されている。
【0025】
図4に示すように、横型ブラインド10は、スラット12の開閉やボトムレール14の昇降を手動で行うものであり、ヘッドボックス11の内部では、4本の昇降コード15a,15bが案内部材によってヘッドボックス11の長手方向の一方の端部に集約されている。具体的に、図4中左側の第1昇降コード15aは、第1案内部としてのサポート部材17aによって、ヘッドボックス11外からヘッドボックス11内に案内され、ヘッドボックス11内を図4中左側の端部から右側の端部に向かって延在されている。また、図4中右側の第1昇降コード15aは、第1案内部としてのサポート部材17bによって、ヘッドボックス11外からヘッドボックス11内に案内され、ヘッドボックス11内を図4中右側の端部から長手方向の中央部の方向に向かって延在されている。ヘッドボックス11の長手方向の中央部に位置する第2昇降コード15bは、第2案内部としてのコード案内部材17cによって、ヘッドボックス11外からヘッドボックス11内に案内され、ヘッドボックス11内を長手方向の中央部から右側に延在されている。
【0026】
ボトムレール14を昇降させる操作部としてのチルトポール18aおよびチルトポール18aの先端部に備えられたイコライザ18は、サポート部材17bよりヘッドボックス11の長手方向の中央部側となる内側に位置している。このため、図4中右側の第1昇降コード15aは、ヘッドボックス11の図4中右側の端部から左側に向かって延在された後、転回部としての転回部材17dによって、ヘッドボックス11の右側に折り返される。そして、2本の第1昇降コード15aと2本の第2昇降コード15bは、集約された状態で、スラット12およびボトムレール14の自重による落下を阻止する昇降制御部としてのストッパ19に導かれる。ストッパ19は、4本の昇降コード15a,15bの操作により昇降コード15a,15bの移動を阻止する状態と移動を許容させる状態とに切り替わる。そして、ストッパ19で集約された4本の昇降コード15a,15bは、コード導出部としての操作案内部材17eからヘッドボックス11外へ導出され、イコライザ18によって結束される。具体的に、ストッパ19は、昇降コード15a,15bとがスラット12を昇降させる移動を許容し、かつ、スラット12を降下させる移動を規制する規制状態と、スラット12を降下させる移動規制を解除する解除状態とを切り替える。ストッパ19は、通常、規制状態にあり、一旦、昇降コード15a,15bをスラット12を昇降させる向きに移動させると、解除状態となり、スラット12を降下させる方向に昇降コード15a,15bを移動させる。
【0027】
イコライザ18は、下側に引くとボトムレール14およびスラット12を上昇させることができ、止めることで、ボトムレール14およびスラット12の上昇を途中で止めることができる。上昇の際には、ボトムレール14が上昇し、ボトムレール14の上昇に伴い、複数枚のスラット12がボトムレール14に近い位置から順に、ボトムレール14の上に積み重ねられる。また、スラット12を降下させる場合は、イコライザ18を下側に少し引き、緩め、途中で止める場合は、再びイコライザ18を引くことで、ボトムレール14の降下を停止させることができる。降下の際には、ボトムレール14が降下し、ボトムレール14の下降に伴い、複数枚のスラット12の各々もあわせて降下する。また、チルトポール18aを左右に回転させることでスラット12を回動させ、全閉状態と全開状態を切り替えることができる。
【0028】
ヘッドボックス11の内部では、右端から順に、第1昇降コード15aのサポート部材17b、操作案内部材17e、第2昇降コード15bのコード案内部材17c、第1昇降コード15aのサポート部材17aとが長手方向に沿って並んでいる。操作案内部材17eは、ヘッドボックス11の外に第1昇降コード15aおよび第2昇降コード15bを導出し、イコライザ18に取り付けられる。操作部であるイコライザ18とチルトポール18aとは、サポート部材17bとストッパ19との間に配置され、サポート部材17a,17bは、極力、ヘッドボックス11の両端部に寄せて配置される。
【0029】
図5(a)に示すように、スラット12の長手方向の両端部に1本ずつ配置される2本の第1昇降コード15aは、ボトムレール14の長手方向の両端部を昇降する。2本の第1昇降コード15aの各々は、各スラット12の短手方向の中央部に位置する貫通孔22に挿通されており、その先端は、ボトムレール14の短手方向の中央部の取付孔に挿通され、内部に係止されることによって接続されている。
【0030】
図5(b)に示すように、スラット12の長手方向の中央部に位置する第2昇降コード15bは、ボトムレール14の中央部を昇降する。第2昇降コード15bは、スラット12の部屋内側の前縁部と部屋外側の後縁部に昇降方向に沿って延在する。第2昇降コード15bは、1本の紐状部材で構成され、中間部15xがボトムレール14において転回されることで、中間部15xの両側に位置する第1昇降部15yと第2昇降部15zとが部屋内側の前縁部と部屋外側の後縁部に延在される。そして、第2昇降コード15bのスラット12の前縁部に位置する第1昇降部15yとスラット12の後縁部に位置する第2昇降部15zとは、スラット12を挟んで対向する。第2昇降コード15bは、ボトムレール14を前後方向において挟んで吊り上げることで、ボトムレール14を部屋内側や部屋外側に傾くことを抑えながら、昇降できる。
【0031】
すべての昇降コード15a,15bは、断面が円形形状の丸紐などの紐状部材であり、全長に亘って同じ太さで同じ強度ものが用いられている。なお、昇降コード15a,15bのボトムレール14とは反対の端部は、ヘッドボックス11を経てイコライザ18で結束されている。昇降コード15a,15bは、ボトムレール14をヘッドボックス11から吊り下げる部材であり、ボトムレールの重さ、および、スラット12の重さに耐え得る強度を有している。そして、昇降コード15a,15bは、ボトムレール14を吊り下げている。
【0032】
ラダーコード13は、横型ブラインド10の高さ方向に延びる一対の縦糸13aと、縦糸13a間に亘って配置される横糸13bとを備えている。横糸13bは、各スラット12を下側から支持する。なお、横糸13bは、上横糸と下横糸とで環状とし、上横糸と下横糸との間にスラット12を通して、スラット12を支持してもよい。スラット12の長手方向の両端部に位置するラダーコード13からスラット12の端までの突き出しの長さは、スラット12が自重で撓まない程度である。
【0033】
スラット12の両端部に位置する2本の第1昇降コード15aは、スラット12の両端部に位置するラダーコード13の横糸13bに編み込まれている。すなわち、第1昇降コード15aは、所定の横糸13bに対して当該横糸13bの内側(スラット12の長手方向の中央部側)に位置し、異なる所定の横糸13bに対しては外側(スラット12の長手方向端部側)に位置するように編み込まれている。すなわち、第1昇降コード15aは、横糸13bに対して内から外へ、次いで、外から内へと交互にラダーコード13に編み込まれる。スラット12の長手方向の両端部に位置するラダーコード13は、スラット12の端部の近傍に位置しているため、横糸13bがスラット12から外れてしまうおそれがある。2本の第1昇降コード15aは、ラダーコード13に編み込まれることで、第1昇降コード15aが貫通孔22に挿通されたスラット12の端部が横糸13bから外れないようにしている。
【0034】
3本のラダーコード13の中でも第2昇降コード15bに沿うラダーコード13の縦糸13aは、第2昇降コード15bが挿通されるピコ13cを備えている。ピコ13cは、ラダーコード13が編み紐であるときに、縦糸13aから糸を引き出して構成した環状体である。ピコ13cは、部屋内側と部屋外側に位置する各々の縦糸13aに配置され、第2昇降コード15bの部屋内側の第1昇降部15yと部屋外側の第2昇降部15zが挿通される。また、縦糸13aのヘッドボックス11に最も近い位置のピコ13cには、樹脂製の環状部材13dが取り付けられている。環状部材13dは、ピコ13cより物理的強度が高く、繰り返し第2昇降コード15bが移動しても、摩擦によって破損しない強度を有している。なお、ピコ13cは、縦糸13aと横糸13bとの結び目の位置に糸で構成した環状部として説明したが、樹脂成型された環状体を縦糸13aに一体的に設けて構成してもよい。なお、環状部材13dは割愛する構成としてもよい。
【0035】
〔ホルダの構成〕
ボトムレール14には、3本のラダーコード13が垂下される位置にホルダ16が取り付けられている。ラダーコード13の縦糸13aも、一本の紐状部材であり、中間部15xがボトムレール14において転回されることで、中間部15xの両側に位置する第1昇降部15yと第2昇降部15zとが部屋内側の前縁部と部屋外側の後縁部に延在される。ボトムレール14の中間位置に配置されるホルダ16は、第2昇降コード15bと第2昇降コード15bに沿うように位置するラダーコード13を保持する。
【0036】
図6に示すように、ボトムレール14の中間部に配置されるホルダ16は、ボトムレール14の底面を覆う本体部16aを備えており、本体部16aの両端は、ボトムレール14の前縁溝部14aと後縁溝部14bに係合される係合部16bが構成されている。相対する係合部16bには、ラダーコード13の縦糸13aの中間部分が係合される第1溝16cと、第2昇降コード15bの中間部15xが係合される第2溝16dを有している。また、本体部16aには、第1溝16cに係合された縦糸13aの経路上に、ねじによって構成された調整部材16eが配置される。調整部材16eにおける軸部の先端部は、本体部16aの内面に臨み、係合溝16fが形成されている。係合溝16fには、縦糸13aが係合される。
【0037】
本体部16aの内面であって、調整部材16eの周囲には、窪み部16gが形成されている。窪み部16gには、調整部材16eが回転され、調整部材16eに軸部に縦糸13aが巻かれたとき、巻き取られた余剰の縦糸13aが配置される。ホルダ16は、第1溝16cに縦糸13aを係合させ第2溝16dに第2昇降コード15bの中間部15xを係合させて、ボトムレール14の底面側から係合部16bをボトムレール14の前縁溝部14aと後縁溝部14bに係合する。これによって、ホルダ16は、ボトムレール14に取り付けられる。この際、第1溝16cに係合された縦糸13aの中間部分は、ボトムレール14の底面に圧接され、第2溝16dに係合された第2昇降コード15bの中間部15xは、ボトムレール底面に圧接される。これにより、縦糸13aと第2昇降コード15bのボトムレール14からの引き出し位置がホルダ16によって、コードの延在する方向にずれることなく固定される。
【0038】
調整部材16eのねじ頭部には、本体部16aの外面に露出し、コインやマイナスドライバなどの工具を係合される溝部が形成されている。溝部に工具が係合され、調整部材16eが回転されることによって、縦糸13aの長さは調整される。
【0039】
なお、ボトムレール14の長手方向の両端に位置するラダーコード13の縦糸13aを保持するホルダ16は、第2昇降コード15bの中間部15xが係合される第2溝16dを備えていない構成となる。また、何れのホルダ16にあっても、調整部材16eを割愛する構成としてもよい。
【0040】
〔ヘッドボックスの内部構成〕
図4および図7に示すように、ヘッドボックス11は、底板11aと、部屋内側に臨む前面壁11bと部屋外側に臨む後面壁11cとを備え、底板11aと対向する上面に開口部11dが構成されており、断面形状がU字形状に形成されている。前面壁11bや後面壁11cは垂下壁であり、前面壁11bや後面壁11cの間の間隔である第1間隔は、開口部11dから底板11aに至るまで一定である。ヘッドボックス11の底板11aと前面壁11bと後面壁11cとで構成された内部空間には、長手方向の両端部に、第1案内部としてのサポート部材17a、17bが配置され、長手方向の中間部に、第2案内部としてのコード案内部材17cが配置される。また、サポート部材17bとコード案内部材17cとの間には、昇降制御部としてのストッパ19が配置される。ストッパ19のサポート部材17b側には、サポート部材17bからの第1昇降コード15aを後面壁11cに沿うように案内する第3案内部としての案内部材20が配置されている。ストッパ19のコード案内部材17c側には、後面壁11cに沿った第1昇降コード15aを転回させてストッパ19へと導く転回部としての転回部材17dが配置されている。なお、ヘッドボックス11の前後方向の幅は、ここではスラット12の前後方向の幅と同程度、若しくは若干広い程度にまで狭められ、小型化が実現されている。
【0041】
〔コード案内部材17cの構成〕
図8に示すように、コード案内部材17cは、前面壁11bに対向する前面側当接部31と、後面壁11cに対向する後面側当接部32と備えている。
前面側当接部31は、長手方向のほぼ中央部において、前面側当接部31に対して一体的に突出した前面側経路変更部33を備えている。また、後面側当接部32は、長手方向のほぼ中央部において、後面側当接部32に対して一体的に突出した後面側経路変更部34を備えている。
前面側当接部31は、前面壁11bとの対向面が前面壁11bの内面形状に対応して平坦面で構成されている。後面側当接部32もまた、後面壁11cとの対向面が後面壁11cの内面形状に対応して平坦面で構成されている。
前面側経路変更部33は、前面側当接部31に対して突出することで、前面壁11bに形成された開口部36に嵌合し、前面壁11bの外面から突出する。後面側経路変更部34もまた、後面側当接部32に対して突出することで、後面壁11cに形成された開口部36に嵌合し、後面壁11cの外面から突出する。
前面側経路変更部33は、第2昇降コード15bのうち前面壁11b側に位置する第1昇降部15yの出入りを案内する前面側案内部としても機能するものである。具体的に、前面側経路変更部33は、前面壁11bの外面から垂下している第2昇降コード15bの経路をヘッドボックス11の内部に延びる経路に変更する。後面側経路変更部34は、後面壁11c側に位置する第2昇降部15zの出入りを案内する後面側案内部としても機能するものである。具体的に、後面側経路変更部34は、後面壁11cの外面から垂下している第2昇降コード15bの経路をヘッドボックス11の内部に延びる経路に変更する。
前面側経路変更部33および後面側経路変更部34は、前面壁11bの外面および後面壁11cの外面に対して前面側および後面側の突出部となる。第2昇降コード15bの組み付け時や交換時においては、スラット12などが障害とならず、前面側経路変更部33および後面側経路変更部34の下面から第2昇降コード15bの先端部が容易に挿入される。
【0042】
前面側当接部31と後面側当接部32とは、連結部37によって連結されている。連結部37は、薄板をM字形状を有するように折曲して構成されている。そして、連結部37は、前面側当接部31と前記後面側当接部32との間隔を狭くする作業者や工具により外力を受けて、互いに近接する方向に弾性変位するように構成されている。図9に示すように、連結部37は、弾性変位していない状態を基本状態としている。このときの前面側当接部31の前面壁11bとの対向面と後面側当接部32の後面壁との対向面との間隔は、前面壁11bの内面と後面壁11c内面との第1間隔30aと同じ、もしくは、若干広い間隔とされる。前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、前面壁11bと後面壁11cとの間の開口部11dから挿入可能となるまで近づけられ、前面壁11bと後面壁11cとの間隔より狭い第2間隔30bを有する状態となる。すなわち、連結部37は、前面側当接部31に対する後面側当接部32の位置を相対的に変位させる。換言すると、後面側当接部32に対する前面側当接部31の位置を相対的に変位させる。
【0043】
基本状態にあるコード案内部材17cは、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間隔が第1間隔30aと同じ、もしくは、若干広い。このため、このままでは前面壁11bと後面壁11cとの間隔を広げることなく、ヘッドボックス11の開口部11dよりコード案内部材17cを挿入することは困難である。
そこで、コード案内部材17cは、ヘッドボックス11の内部に配置するとき、外力によって連結部37を前面側当接部31と後面側当接部32とを互いに近接する方向に変位させて、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間隔が第1間隔30aより狭い第2間隔30bとされる。勿論、前面側経路変更部33の外面と後面側経路変更部34の外面との間隔が第1間隔30aより狭くなってもよい。
この状態で、コード案内部材17cは、開口部11dよりヘッドボックス11の内部に挿入される。この後、連結部37は、連結部37の弾性復帰力によって弾性復帰し、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、第2間隔30bが拡大する方向に変位する。コード案内部材17cは、前面側当接部31の対向面は、前面壁11bの内面に弾性付勢された状態で当接され、後面側当接部32の対向面は、後面壁11cの内面に弾性付勢された状態で当接される状態に遷移する。これにより、前面側経路変更部33は、前面壁11bの開口部36に嵌合され、後面側経路変更部34は、後面壁11cの開口部36に嵌合される。そして、コード案内部材17cは、ヘッドボックス11内部に、位置決めされ固定された状態で配置される。
【0044】
このように、コード案内部材17cは、ヘッドボックス11の前面壁11bと後面壁11cとの間隔を広げて、ヘッドボックス11に取り付けたり、ヘッドボックス11の長手方向の端部の開口端から中央部までヘッドボックス11の内部をスライドさせて取り付ける必要が無くなる。この点で、コード案内部材17cは、ヘッドボックス11の内部に取り付けることができる。
【0045】
図10および図11に示すように、前面側経路変更部33および後面側経路変更部34には、上面と下面が開口した筒状部38を備える。筒状部38のうちで下面の開口は、第2昇降コード15bの前面側および後面側の導出入口であり、導出入口は、前面壁11bや後面壁11cに対して突出して位置する。筒状部38は、前面壁11bや後面壁11cと平行な互いに離間し平行な一対の回転支持壁38aと、回転支持壁38aや前面壁11bや後面壁11cに対して垂直な立ち上がり壁38dとで構成されている。回転支持壁38aと立ち上がり壁38dで構成される空間部には、第2昇降コード15bの第1昇降部15yや第2昇降部15zを支持する案内支持部としての滑車39が配置される。滑車39の回転軸39aは、相対する回転支持壁38aに配置された支持凹部38bに回転可能に支持される。滑車39は、前面壁11bや後面壁11cの外面から垂下している第2昇降コード15bの経路をヘッドボックス11の内部に延びる経路に変更する。
【0046】
ここで、回転軸39aは、回転支持壁38aの前面壁11bや後面壁11cと平行な面に対して交差し、かつ、一対の回転支持壁38aに対して鉛直である鉛直面38cに対しても交差するように配置される。すなわち、回転軸39aは、一対の回転支持壁38aに対して斜めに配置される。また、滑車39は、筒状部38内において、ヘッドボックス11の長手方向において、案内通路41に近い方向に偏って配置され、案内通路41とは反対側の広い方の空間が第2昇降コード15bの挿通部とされる。滑車39は、第2昇降コード15bを案内するとともに、ボトムレール14の荷重を支持する。
【0047】
ヘッドボックス11より垂下する第2昇降コード15bは、滑車39によって方向がヘッドボックス11内へと変更される。前面側当接部31および後面側当接部32の裏側には、滑車39で方向がヘッドボックス11内に向かって方向が変更された第2昇降コード15bが挿通される案内通路41が配置されている。滑車39は、案内通路41の方向に向かって第2昇降コード15bの経路を変更する。
【0048】
図10および図12に示すように、案内通路41は、滑車39が配置された筒状部38とヘッドボックス11の内部とを繋ぐ空間であって、前面壁11bや前面壁11bに対して斜めに延びている。案内通路41は、滑車39側に第1出入り口41aを備え、ヘッドボックス11の内部側、一例としてストッパ19に近い側に第2出入り口41bを備えている。図12および図13に示すように、案内通路41に第2昇降コード15bを通すには、筒状部38の下面、すなわちスラット12の側から筒状部38に挿通し、次いで、第1出入り口41aに挿通する。このため、第1出入り口41aは、第2昇降コード15bの先端部が挿入しやすくなるように、大きく開口されている。ここでは、第1出入り口41aの上面が第2出入り口41bの方に向かって降下する傾斜案内面41cとして構成されている。
滑車39と第1出入り口41aとの間には、第2昇降コード15bの先端部を滑車39から第1出入り口41aへと案内する案内壁42が立設されている。
【0049】
更に、第2出入り口41bには、ヘッドボックス11の内部において、第2昇降コード15bをストッパ19へと案内する第2出入り口41bの案内部としての案内ローラ43が配置されている。
【0050】
図10および図11に示すように、前面側経路変更部33および後面側経路変更部34は、前面壁11bや後面壁11cの開口部36に嵌合され、さらに、前面壁11bや後面壁11cに対して外方に突出される。前面側経路変更部33および後面側経路変更部34には、開口部36に嵌合された状態において、前面壁11bや後面壁11cの外側からカバー46が取り付けられる。カバー46は、筒状部38の回転支持壁38aの前面壁11bや後面壁11cに対して平行に位置する主面部46aと、主面部46aの側縁部に相対して設けられる側壁部46bと、主面部46aと一対の側壁部46bとに囲まれた上面を閉塞する上面部46cとを備える。また、下面部は、スラット12の方向であり第2昇降コード15bが出入りするための筒状部38の導出入口を露出させるために開口されている。
【0051】
図11に示すように、筒状部38を構成し、前面壁11bや後面壁11cに対して垂直な立ち上がり壁38dは、筒状部38に対してカバー46を取り付けるための取付溝38eを備えている。取付溝38eは、上下方向に沿って配置されており、上下方向の中程に、突起部38fが配置されている。カバー46の側壁部46bは、取付溝38eに係合する案内レール46dを備えている。案内レール46dには、突起部38fに係合する凹部46eを備えている。
【0052】
カバー46は、開口を有する下面部が筒状部38の上面から挿入される。すると、カバー46は、案内レール46dが取付溝38eに係合し、突起部38fが凹部46eに係合するまで挿入される。組立時において、第2昇降コード15bの先端部は、カバー46が前面側経路変更部33および後面側経路変更部34に取り付けられた状態でヘッドボックス11の内部に挿入される。カバー46の主面部46aの内面は、先端が円弧状に切り欠かれた誘導部としての誘導壁47を備えている。誘導壁47は、ここでは2枚平行に設けられており、下側が低く上側が高く形成されている。2枚の誘導壁47の先端面は、凹状曲面を構成し、第2昇降コード15bの先端部を第1出入り口41aへと誘導する誘導部となる。図13に示すように、下側から挿入された第2昇降コード15bの先端部は、滑車39を通過した時点で、誘導壁47に当接し、凹状曲面に案内されることで進行方向が90°曲げられ、第1出入り口41aへ誘導される。第2昇降コード15bの先端部は、誘導壁47の上下方向に延びる中心線48に対して第1出入り口41a側に偏った位置に当たることで、曲面に倣って進行方向が90°曲がる。図10が示すように、また、主面部46aの内面は、滑車39の回転軸39aの端部を押さえ付ける。
【0053】
図8に示すように、ヘッドボックス11の内部に配置されたコード案内部材17cには、さらに、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間に、ラダーコード13の縦糸13aを支持するサポート部材51が配置される。サポート部材51は、ヘッドボックス11の長手方向に対向して位置する2つの側壁51aを有する。対向する側壁51aは、ラダーコード13の2本の縦糸13aが固定されるドラム52を回転可能に支持する凹部で構成された軸受部53を有している。
【0054】
ドラム52は、円筒状の本体部52aと、本体部52aの相対する側面に突設された軸部52bとを備える。軸部52bは、非円形の軸孔52cを備えている。軸孔52cには、断面形状が軸孔52cと同じドラム52を回転する軸が挿通される。軸受部53には、側面から突出した円筒形状の軸部52bが支持される。ラダーコード13の縦糸13aの先端部は、本体部52aの外周面に形成された係止溝52dに係止される。
【0055】
図14および図15に示すように、側壁51aの先端部は、切欠部57を備える。前面壁11bと後面壁11cの先端部には、前面壁11bと後面壁11cに対して内側に突出する係合突部57aが形成されている。切欠部57は、前面壁11bと後面壁11cの先端部に形成された係合突部57aに係合される。
【0056】
底板51bには、前後方向を長軸とした貫通孔54が形成されている。底板51bにおいて、ボトムレール14の底板11aと対向する面には、貫通孔54の周囲に、位置決め突部56が形成されている。位置決め突部56は、例えば貫通孔54を囲むように環状形状を有している。位置決め突部56は、ヘッドボックス11の底板11aに形成された貫通孔54と同形状の挿通孔55に嵌合される。さらに、前面壁11bおよび後面壁11cと対向する側壁51cには、膨出部58が形成されている。膨出部58は、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間に配置されたとき、滑車39の回転軸39aの端部を押さえ付ける。
【0057】
図10及び図14に示すように、サポート部材51は、ヘッドボックス11の内部に配置されたコード案内部材17cの前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間に挿入されると、位置決め突部56が底板11aの挿通孔55に嵌合され位置決めされる。これと共に、サポート部材51は、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34が前面壁11bや後面壁11cから離間する方向に変位することを制限する。すなわち、サポート部材51は、前面側当接部31と後面側当接部32が第1間隔30aよりも狭くなる方向へ変位することを制限する規制部材として機能する。また、膨出部58は、滑車39の回転軸39aをカバー46の方向へ押圧する。回転軸39aは、膨出部58とカバー46の主面部46aの内面に挟まれることにより、軸線方向に変位することが抑制される。そして、軸受部53に取り付けられたドラム52からは、ラダーコード13の縦糸13aが貫通孔54及び挿通孔55を介して垂下される。
なお、コード案内部材17cは一体成型品で構成されている。すなわち、前面側当接部31、後面側当接部32、前面側経路変更部33、後面側経路変更部34、連結部37は、一体的に構成され、コード案内部材17cに対しては、カバー46や滑車39や案内ローラ43が別部材となる。
【0058】
〔転回部材17dの構成〕
図4および図16に示すように、転回部材17dは、ストッパ19のコード案内部材17c側に隣接して配置されている。転回部材17dは、上支持部63と、下支持部64と、上支持部63と下支持部64とを連結する側方支持部65とを備えている。上支持部63と下支持部64とは互いに平行であり、間に、ローラ62が回転可能に配置される。上支持部63と下支持部64の間には、2つのローラ62を回転可能に支持する空間部が構成されている。上支持部63と下支持部64の互いに対向する位置には、ローラ62の回転軸を回転可能に支持する2対の軸孔63a,64aが配置されている。軸孔63a,64aには、ローラ62の支軸が軸支される。転回部材17dにおいては、後面壁11cに近い側にローラ62が1つ配置される。
【0059】
側方支持部65は、ストッパ19の端部に取り付けるための一対の取付片66を備える。一対の取付片66は、先端部に、内側に向かって突出した突起部66cを備えている。一対の取付片66の内側には、取付片66に対して離間して支持片66bが形成されている。一方、ストッパ19の長手方向の挿入端19a側の端面は、転回部材17dと接続する一対の接続片66aを備えている。接続片66aは、一対の取付片66の間隔より若干狭く形成されており、先端部に、外側に向かった突起部66dを備えている。転回部材17dは、一対の取付片66の間であって、一対の取付片66と支持片66bとの間に、一対の接続片66aを挿入し、互いの片の先端部に形成された突起部66c,66d同士を係合させることによって、ストッパ19の挿入端19a側の端面に取り付けられる。一対の取付片66と一対の支持片66bとは、先端部の高さが揃えられており、ストッパ19の長手方向における送出端19b側の端面に突き当てられたときにも、ストッパ19の端面に対してがたつかないように構成されている。
【0060】
転回部材17dは、上下および左右で対称形状を有しており、上支持部63の上面と下支持部64の下面には、突部で構成された位置決め部67が設けられている。位置決め部67は、ヘッドボックス11の底板11aに形成された位置決め孔67aに係合される。転回部材17dは、ローラ62の取付位置を変えるだけで、上下を問わず、ヘッドボックス11の所定位置に取り付けることができる。
なお、ストッパ19は、転回部材17d側の端部が昇降コード15a,15bの挿入端19aとなり、次に説明する案内部材20側の端部が送出端19bとなる。
【0061】
〔案内部材20の構成〕
図4および図16に示すように、ストッパ19のサポート部材17b側には、サポート部材17bからの第1昇降コード15aを後面壁11cに沿うように案内する案内部材20が配置されている。案内部材20は、転回部材17dと同じ構成を有した部材である。案内部材20は、転回部材17dとローラ62の取付位置を変更することなく、上下を逆にしてストッパ19の送出端19bに隣接して隣接して取り付けられる。すなわち、転回部材17dの上支持部63を下側にし、下支持部64を上側にしてヘッドボックス11に取り付けられる。また、転回部材17dとのローラ62の位置を変えたときには、案内部材20としてそのまま利用することができる。案内支持部としてのローラ62は、後面壁11c側に位置される。これにより、サポート部材17bからの第1昇降コード15aは、案内部材20のローラ62によって後面壁11cに沿わされ、転回部材17dのローラ62によって転回されてストッパ19の挿入端19aに挿入される。すなわち、第2昇降コード15bは、案内部材20と転回部材17dとの間において、ストッパ19に対して後面壁11c側に回避される。勿論、2対の軸孔63a,64aの各々にローラ62を配置しておき、上下左右の何れの向きにしても、転回部材17dを案内部材20に使用できるようにしてもよい。
【0062】
〔サポート部材17a,17bの構成〕
図17および図18に示すように、サポート部材17a,17bは、ヘッドボックス11の長手方向に対向して位置する2つの側壁71を有する。対向する側壁71は、ラダーコード13の2本の縦糸13aが固定されるドラム52を回転可能に支持する凹部で構成された軸受部72を有している。軸受部72には、軸部52bが回転可能に支持される。側壁71の先端部は、切欠部73を備える。切欠部73は、前面壁11bと後面壁11cの先端部に形成された係合突部57aに係合される。
なお、ここで用いられるドラム52は、上述したサポート部材51に用いるドラム52と同様な構成を有しているため詳細は省略する。
【0063】
また、底板74には、挿通孔55に対応した、前後方向を長軸とした長孔形状の貫通孔75が形成されている。底板74において、ボトムレール14の底板11aと対向する面には、貫通孔75の周囲に、位置決め突部76が形成されている。位置決め突部76は、例えば貫通孔75を囲むように環状形状を有している。位置決め突部76は、底板11aに形成された貫通孔75と同形状の挿通孔77に嵌合される。さらに、前面壁11bおよび後面壁11cと対向する側壁79には、膨出部78が形成されている。貫通孔75に沿う位置には、貫通孔75の長軸に沿うように支持ローラ80が配置される。支持ローラ80は、垂下される第1昇降コード15aを支持し、ストッパ19の方向に案内する。支持ローラ80の軸は、膨出部78の近傍で支持される。また、貫通孔75および挿通孔55には、ラダーコード13の縦糸13aも挿通される。
【0064】
次に、以上のように構成された横型ブラインド10の作用について説明する。図19に示すように、横型ブラインド10は、取付対象となる窓枠100に取り付けられ、窓枠100内の透光領域101の日射を遮光する。具体的に、横型ブラインド10は、窓枠100を覆って、または、窓枠100を隠すように取り付けられる。この場合、部屋内側の窓枠100の上部に配置されたカーテンボックス103に天井付けで取り付けられる。この場合、横型ブラインド10の横方向の幅W1は、窓枠100の縦枠100a,100a間の間隔W2より長く設定される。高さ方向のヘッドボックス11の下端からボトムレール14までの長さH1についても、窓枠100の下側の横枠100bより下側にボトムレール14が位置するように、上下の横枠100b,100bの間隔H2より長く設定される。これにより、横型ブラインド10は、窓枠100の透光領域101の全体を覆うようにする。なお、下側の横枠100bとボトムレール14とが同じ高さに位置してもよい。
【0065】
この場合、第1昇降コード15aは、ボトムレール14が降下された状態において、窓枠100の縦枠100a,100aに沿った位置又は縦枠100a,100aの外側に位置する。したがって、スラット12の全閉状態において、貫通孔22からの漏光が目立たなくなり、遮光性を高くすることができる。仮に、窓枠100の大きさとの関係で、貫通孔22が窓枠100の内側に位置してしまう場合であっても、貫通孔22が縦枠100a,100aに近接するので、貫通孔22は、縦枠100a,100aの影になって、部屋内まで透過する光量を少なくし目立たなくすることができる。
【0066】
スラット12およびボトムレール14を上昇させるときには、イコライザ18を下に引くと、ボトムレール14が、複数枚のスラット12がボトムレール14に近い位置から順にボトムレール14の上に積み重なるようにして上昇する。また、スラット12およびボトムレール14を降下させるときには、イコライザ18を下に少し引き緩めると、ボトムレール14が降下し、ボトムレール14の下降に伴い、複数枚のスラット12の各々も合わせて降下する。
【0067】
図20に示すように、スラット12に対して部屋内側と部屋外側となるボトムレール14の前後方向の両側縁部には、同じ強度の第2昇降コード15bが延在しているので、昇降時において、ボトムレール14の短手方向のバランスが良くなる。これにより、ボトムレール14が部屋内側又は部屋外側の何れかの方向に傾いてしまうことを抑制することができる。これにより、ボトムレール14が昇降する際に、ボトムレール14上に積み上がるラダーコード13で支持された複数枚のスラット12も、ボトムレール14の上にこぼれるように膨らんで積み上がることを抑制することができる。
また、各スラット12は、サポート部材17a、17b,51が備えたドラム52が回転されることで回動される。
【0068】
以上のような横型ブラインド10は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1)前面側経路変更部33および後面側経路変更部34は、前面壁11bおよび後面壁11cに対して突出している。したがって、前面側経路変更部33からは、第1昇降部15yがほぼ真っ直ぐに垂下され、後面側経路変更部34からは、第2昇降部15zがほぼ真っ直ぐに垂下される。したがって、最上段のスラットの前縁部と第1昇降部15yとの摩擦を小さくすることができる。また、最上段のスラットの後縁部と第2昇降部15zとの摩擦を小さくすることができる。これにより、第2昇降コード15bが摩擦によって切断することを抑制することができる。
(2)前面側と後面側に延在する第2昇降コード15bがスラット12を挟んで対向して位置する。したがって、スラット12がボトムレール14の上にこぼれるように膨らんで積み上がることを抑制することができる。
(3)コード案内部材17cは、前面側と後面側に延在する第2昇降コード15bを前面側経路変更部33および後面側経路変更部34で案内する。したがって、コード案内部材17cは、前面側経路変更部33で第2昇降コード15bの第1昇降部15yを確実に案内することができ、後面側経路変更部34で第2昇降部15zを確実に案内することができる。
(4)前面側経路変更部33および後面側経路変更部34は、前面壁11bおよび後面壁11cに対して突出しており、組立作業時や第2昇降コード15bの交換作業時において、第2昇降コード15bを構成する第1昇降部15yと第2昇降部15zの各先端部を、ヘッドボックス11の内部に容易に挿入することができる。すなわち、第2昇降コード15bは、ヘッドボックス11の底板11aから垂下されていないので、先端部を、前面側経路変更部33および後面側経路変更部34から挿入するとき、スラット12が障害となりにくくなる。
(5)前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、前面壁11bと後面壁11cから外方に突出することで、その分、ヘッドボックス11の前面壁11bと後面壁11cとの間隔を狭くすることができ、ヘッドボックス11を小型化することができる。
【0069】
(6)前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、連結部37で連結され成形品の1部品となるので、横型ブラインド10としての部品点数を削減することができ、また、ヘッドボックス11の内部への組み付けも容易となる。
(7)連結部37は、弾性変位可能であるため、ヘッドボックス11の内部に組み付ける際に、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間隔を狭めてヘッドボックス11の開口部11dより挿入することができる。前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、連結部37の弾性復帰力によって、自動的に、前面壁11bと後面壁11cの開口部36に嵌合し開口部36より外部に突出される。そして、前面側当接部31と後面側当接部32とは、前面壁11bと後面壁11cの各内面に弾性付勢された状態で当接される。したがって、コード案内部材17cは、ヘッドボックス11内の所定位置において正確に位置決めがされる。また、前面壁11bと後面壁11cの内面に対して弾性付勢されることで外れにくい状態で取り付けられる。
【0070】
(8)前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間には、サポート部材51が配置される。したがって、前面側経路変更部33が前面壁11bから離れる方向に変位することを制限するとともに、後面側経路変更部34が後面壁11cから離れる方向に変位することを制限することができる。
(9)サポート部材51は、ラダーコード13を吊り下げ支持するドラム52が配置されている。したがって、サポート部材51は、前面側経路変更部33および後面側経路変更部34の変位制限機能とラダーコード13の支持機能の2つの機能を有することができる。
(10)前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、滑車39を備え、滑車39に第2昇降コード15bが係合することでボトムレール14の荷重を支持することができる。滑車39の回転軸39aは、一対の回転支持壁38aに対して斜めに配置される。したがって、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34の前面壁11bと後面壁11cに対する突出量を小さくすることができる。回転軸39aの両端部は、カバー46の内面とサポート部材51の膨出部58によって挟み込まれることで、軸線方向へのがたつきを少なくすることができる。
【0071】
(11)前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、前面壁11bと後面壁11cの開口部36から容易に前面壁11bと後面壁11cに対して突出させることができる。
(12)案内通路41によって、第2昇降コード15bをヘッドボックス11の内部へと案内することができる。
(13)第1出入り口41aは、第1出入り口41aの案内部としての傾斜案内面41cを有するので、滑車39を通過した第2昇降コード15bの先端部が円滑に第1出入り口41aに導くことができる。
(14)案内通路41の第2出入り口41bには、案内ローラ43が配置されているので、第2昇降コード15bをストッパ19の方向へ円滑に案内することができる。
(15)滑車39と第1出入り口41aとの間には、案内壁42が立設されているので、第2昇降コード15bの先端部を滑車39から第1出入り口41aへと円滑に導くことができる。
【0072】
(16)第2昇降コード15bは、1本の紐状部材で構成され、部品点数を削減することができる。
(17)ホルダ16は、中間部15xを第2溝16dに係合させ、ボトムレール14の底面に圧接させることで、第2昇降コード15bの位置がずれることを抑制することができる。
【0073】
(18)前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、前面壁11bと後面壁11cの開口部36から突出しても、カバー46で覆われることから外観の意匠が悪くなることを抑えることができる。
(19)横型ブラインド10の組み立て作業時において、第2昇降コード15bの先端部をヘッドボックス11内に誘導する作業は、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34にカバー46が取り付けられた状態で行われる。この際、第2昇降コード15bの先端部は、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34の滑車39の横から挿入される。カバー46の内面には、誘導壁47が設けられているので、第2昇降コード15bの先端部は、誘導壁47に案内されて、自ずと進路が90°曲がり、案内通路41の第1出入り口41aの方向に案内される。したがって、第2昇降コード15bの引き回し作業を容易に行うことができる。
【0074】
なお、以上のような横型ブラインド10は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
〔コード案内部材17cの変形例〕
図21に示すように、コード案内部材17cにおいて、案内通路41の第2出入り口41bに設けられる案内部としては、案内ローラ43に代えて、案内面43aとしてもよい。これにより、案内ローラ43が不要となり部品点数を削減することができる。
・また、コード案内部材17cは、第2出入り口41bの案内部を割愛する構成としてもよい。
・案内支持部である滑車39を割愛してもよい。この場合、滑車に代えて、一体成形された案内ピンなどで構成された案内部を設けるようにし、案内部の外周面に構成される案内面で第2昇降コード15bを案内する。このような場合には、滑車39を割愛することから、部品点数を減らすことができる。
・前面側当接部31と前面側経路変更部33、ならびに、後面側当接部32と後面側経路変更部34とは、別部品で構成され、接着剤などで結合される構成であってもよい。
・第2昇降コード15bは、前面壁11bと後面壁11cの外面から導出される構成であってもよく、例えば前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とが外面と面一であったり、若干窪んでいてもよく、このような前面側経路変更部33と後面側経路変更部34から第2昇降コード15bが導出されてもよい。
【0075】
〔連結部37の変形例〕
・前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とは、連結部37で連結されていなくてもよい。この場合、前面側経路変更部33を前面壁11bの内面に配置し、後面側経路変更部34を後面壁11cの内面に配置した後、突っ張りピンなどの規制部材を、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間に架け渡し、前面側経路変更部33を前面壁11bに押し付け、後面側経路変更部34を後面壁11cに押し付けるようにすればよい。また、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間にコイルバネやゴムなどの弾性体を配置し、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とを互いに離間する方向に付勢するようにしてもよい。
【0076】
・コード案内部材17cの連結部37は、弾性変位可能な構成でなくてもよい。図22に示すように、例えば、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間には、連結部37として、リンク機構を設けるようにしてもよい。このリンク機構は、一例として、互いに交差するように配置される第1アーム37aと第2アーム37bとを備え、交差点がピンなどで互いに回動可能に支持され、全体がX形状を有している。そして、第1アーム37aおよび第2アーム37bの前面側当接部31に位置する2つの端部は、前面側当接部31において長孔で構成された案内孔37cに回動可能に軸支され、後面側当接部32に位置する2つの端部は、後面側当接部32において長孔で構成された案内孔37cに回動可能に軸支される。これにより、前面側当接部31と後面側当接部32とは、連結され、また、ヘッドボックス11に挿入するときには、前面側当接部31と後面側当接部32とが第2間隔30bまで狭められた状態でヘッドボックス11の開口部11dより挿入される。勿論、前面側経路変更部33の外面と後面側経路変更部34の外面との間隔が第1間隔30aより狭くなってもよい。そして、ヘッドボックス11に挿入された後は、手動で、前面側当接部31と後面側当接部32とが前面壁11bと後面壁11cに当接される。この後、サポート部材51や突っ張りピンや弾性体などの規制部材が前面側当接部31と後面側当接部32との間に配置される。これにより、前面側経路変更部33が前面壁11bから離れる方向に変位することが制限されるとともに、後面側経路変更部34が後面壁11cから離れる方向に変位することが制限される。
リンク機構としては、図22の構成に限定されるものではなく、例えば、全体形状が菱形や平行四辺形で収縮するパンタグラフのような機構であってもよい。
・連結部37は、前面側当接部31が前面壁11bに対して近接離間する方向に変位可能な構成とし、後面側当接部32が変位しない構成としてもよい。これとは逆に、連結部37は、後面側当接部32が後面壁11cに対して近接離間する方向に変位可能な構成とし、前面側当接部31が変位しない構成としてもよい。すなわち、前面側当接部31と後面側当接部32との間隔が相対的に変化すればよい。
【0077】
〔カバーの変形例〕
・カバー46は、誘導壁47を割愛する構成としてもよい。
・カバー46を割愛する構成としてもよい。
【0078】
・カバー46は、少なくとも前面側経路変更部33および後面側経路変更部34の何れか一方に取り付けられていればよい。第2昇降コード15bを横型ブラインド10に取り付けるにあたっては、第2昇降コード15bの一方の先端部を、最初に、ヘッドボックス11内に配置されたコード案内部材17cにおける前面側または後面側の何れか一方の案内通路41の第2出入り口41bから挿入する。次いで、第2昇降コード15bの一方の先端部を、滑車39を通過させて前面側経路変更部33または後面側経路変更部34の何れか一方からヘッドボックス11の外に露出させる。そして、第2昇降コード15bの一方の先端部は、スラット12に沿って垂下され、ボトムレール14に転回される。この後、第2昇降コード15bの一方の先端部は、前面側経路変更部33または後面側経路変更部34の何れか他方に挿入される。この際、第2昇降コード15bの先端部は、カバー46の誘導壁47に案内されて、自ずと進路が90°曲がり、案内通路41の第1出入り口41aの方向に案内される。
カバー46の誘導壁47は、第2昇降コード15bの一方の先端部が滑車39の横から挿入される場合に機能するものである。以上のように第2昇降コード15bを引き回す場合、第2昇降コード15bの一方の先端部が滑車39の横から挿入されるのは、前面側経路変更部33または後面側経路変更部34の何れか1つである。したがって、カバー46は、第2昇降コード15bの一方の先端部が滑車39の横から挿入される案内部のみに配置するようにしてもよい。
【0079】
〔ホルダの変形例〕
・ホルダ16は、第2昇降コード15bの中間部15xが係合する第2溝16dを割愛してもよい。
〔サポート部材51の変形例〕
・前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とが互いに近接する方向に変位することを制限するための規制部材としてのサポート部材51は、ラダーコード13を吊り下げ支持する機能を備えない構成としてもよい。この場合、別部材で、ラダーコード13を吊り下げ支持する。
・前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間には、サポート部材51を配置しなくてもよい。この場合、前面側経路変更部33と後面側経路変更部34とが互いに近接する方向に変位することを制限するための規制部材として、突っ張りピンなどのピン部材を前面側経路変更部33と後面側経路変更部34との間に架け渡す構成とすればよい。
【0080】
〔転回部材17dと案内部材20の変形例〕
・転回部材17dと案内部材20とを共用する場合において、転回部材17dを上下に反転させれば、ローラ62の位置を変更する必要はない。図23に示すように、軸孔63a,64aは一対分だけ設けるようにしてもよい。これにより、転回部材17dと案内部材20との備品の共通化を図りつつ、二対あった軸孔63a,64aを一対に減らず分、構成を簡素化することができる。
・転回部材17dや案内部材20は、ローラ62に代えて案内壁を立設し、案内壁の側面に構成される案内面で第2昇降コード15bを案内するようにしてもよい。これにより、転回部材17dや案内部材20の部品点数を削減することができる。
・案内部材20についても、転回部材17dのように、一対の取付片66と一対の接続片66aとを係合させて、ストッパ19の送出端19b側の端面に取り付けるようにしてもよい。
・転回部材17dや案内部材20は、位置決め部67を備えていなくてもよい。また、転回部材17dや案内部材20のうちの何れか1つが備えているだけでもよい。
・転回部材17dと案内部材20とは、形状の全く異なる構成の部品であってもよい。
【0081】
〔昇降部材の変形例〕
・第2昇降コード15bは、前面側と後面側とで2本で構成されていてもよい。この場合、それぞれの昇降コード15bの一端部は、ボトムレール14に固定される。
・第1昇降コード15aについても、第2昇降コード15bと同様な構成としてもよい。すなわち、スラット12の貫通孔22に挿通させるのではく、スラット12の部屋内側の前縁部と部屋外側の後縁部に昇降方向に沿って延在する構成としてもよい。この場合、貫通孔22が不要となるので、横型ブラインド10の遮光性を高めることができる。
・スラット12の前縁部と後縁部には、第2昇降コード15bが係合する切り欠き凹部を設けるようにしてもよい。
・第2昇降コード15bは、ヘッドボックス11の第1昇降コード15aの間における長手方向において、複数箇所に垂下されていてもよい。また、第2昇降コード15bは、ヘッドボックス11の長手方向の中央部に配置されていなくてもよく、長手方向の中央部から何れか一方にずれた中間位置に配置されていてもよい。
・第1昇降コード15aや第2昇降コードは、紐状部材ではなくテープ状部材であってもよい。
〔その他の変形例〕
・第2昇降コード15bの遊動の抑制は、ピコ13cや環状部材13dを用いることなく行うこともできる。すなわち、上下に並ぶ横糸13bの間を第2昇降コード15bが挿通される挿通部とし、上下に並ぶ横糸13bの間の挿通部に、第2昇降コード15bが挿通される。具体的に、第2昇降コード15bは、横糸13bの間の挿通部に一方の側から他方の側に挿通されると、複数段、例えば5〜7段程度空けた次の挿通部に他方の側から一方の側に挿通される。これにより、第2昇降コード15bは、ピコ13cや環状部材13dを用いるまでもなく、スラット12の側縁部とラダーコード13の横糸13bとによって、意匠を悪くすることなく、遊動することが抑制される。
・操作部としては、チルトポール18aの先端部にイコライザ18を設けたワンポール式の他、ポールとコードが別々に付き、スラット12の開閉はポールを回して行い、ボトムレール14の昇降は昇降コードを引いて操作するポール式であってもよい。また、このような操作部は、スラット12の貫通孔22より端部側に位置していてもよい。
・横型ブラインド10は、電動モータでボトムレール14を昇降する電動ブライドであってもよい。
・横型ブラインドは、内窓と外窓との間に配置するものであってもよい。また、透光性の間仕切りの内部に配置されるものであってもよい。
・日射遮蔽装置としては、横型ブラインドの他に、プリーツスクリーンにも適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
11…ヘッドボックス、11a…底板、11b…前面壁、11c…後面壁、11d…開口部、12…スラット、13…ラダーコード、13a…縦糸、13b…横糸、13c…ピコ、13d…環状部材、14…ボトムレール、14a…前縁溝部、14b…後縁溝部、15a…第1昇降コード、15a…昇降コード、15b…昇降コード、15b…第2昇降コード、15x…中間部、15y…第1昇降部、15z…第2昇降部、16…ホルダ、16a…本体部、16b…係合部、16c…第1溝、16d…第2溝、16e…調整部材、16f…係合溝、16g…窪み部、17a…サポート部材、17b…サポート部材、17c…コード案内部材、17d…転回部材、17e…操作案内部材、18…イコライザ、18a…チルトポール、19…ストッパ、19a…挿入端、19b…送出端、20…案内部材、22…貫通孔、30a…第1間隔、30b…第2間隔、31…前面側当接部、32…後面側当接部、33…前面側経路変更部、34…後面側経路変更部、36…開口部、37…連結部、37a…第1アーム、37b…第2アーム、37c…案内孔、38…筒状部、38a…回転支持壁、38b…支持凹部、38c…鉛直面、38d…立ち上がり壁、38e…取付溝、38f…突起部、39…滑車、39a…回転軸、41…案内通路、41a…第1出入り口、41b…第2出入り口、41c…傾斜案内面、42…案内壁、43…案内ローラ、43a…案内面、46…カバー、46a…主面部、46b…側壁部、46c…上面部、46d…案内レール、46e…凹部、47…誘導壁、48…中心線、51…サポート部材、51a…側壁、51b…底板、51c…側壁、52…ドラム、52a…本体部、52b…軸部、52c…軸孔、52d…係止溝、53…軸受部、54…貫通孔、55…挿通孔、56…位置決め突部、57…切欠部、57a…係合突部、58…膨出部、62…ローラ、63…上支持部、63a…軸孔、64…下支持部、64a…軸孔、65…側方支持部、66…取付片、66a…接続片、66b…支持片、66c…突起部、66d…突起部、67…位置決め部、67a…位置決め孔、71…側壁、72…軸受部、73…切欠部、74…底板、75…貫通孔、76…位置決め突部、77…挿通孔、78…膨出部、79…側壁、80…支持ローラ、100…窓枠、100a…縦枠、100b…横枠、101…透光領域、103…カーテンボックス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
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図22
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