特許6755793IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

本願発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ7(以下、「MMP-7」と称することもある)の会合体を単量体化する方法に関する。詳細には、MMP-7の会合体を低濃度の1価陽イオン化合物を含有する溶液または当該化合物を含有しない同溶液中で処理することからなる、MMP-7会合体の単量体化方法、該単量体化方法を取り入れたMMP-7の製造方法、及び前記溶液にさらに糖アルコール又は糖類を溶解したMMP-7含有(医薬)組成物

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本願発明者らは、MMP-7を含有する医薬品の開発検討の過程で、MMP-7は、従来の医薬品製剤、特には前述のメタロプロテアーゼの溶液組成物のように、塩化ナトリウム等の1価陽イオン化合物が体液と等張の150mM程度以上の場合会合体を形成すること、及び、蛋白やその製剤の製造時に通常用いられる装置中のゲル又は製剤の保存時に通常用いられるバイアル瓶等の容器にMMP-7が吸着することに気づき、MMP-7製造時における、MMP-7の製造装置への吸着が抑制されたMMP-7会合体の単量体化方法、該単量体化方法を取り入れたMMP-7の製造方法、及びMMP-7の会合体形成及び吸着が抑制されたMMP-7含有(医薬)組成物を提供することが課題となった。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本願発明者らは、の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記(1)〜(4)を見出し、本願発明を完成するに至った。 (1)MMP-7会合体は、低濃度の1価陽イオン塩化物(塩化ナトリウム及び塩化カリウム等)を含むトリス緩衝液(pH6〜8)等の溶液で処理することにより、解離して単量体を形成する。1価陽イオン塩化物を含有しない同溶液で処理した場合においても同様に単量体を形成する。 (2)・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本願発明に従えば、MMP-7の会合体を容易に単量体化する方法が提供されるので、当該方法をMMP-7の製造工程に組み入れることにより、MMP-7の生産性や回収効率を上げることができる。 また、当該方法により単量体化されたMMP-7は、MMP-7の会合体が存在する場合に比べてMMP-7の酵素としての比活性が高く、高品質のMMP-7製剤を得るための好適な材料となり得る。 更に、本願発明の態様の一つである、低濃度の塩化ナトリウム、及び糖アルコール又は糖類を含む緩衝液中でMMP-7を保存することにより、MMP-7は単量体としての形状を維持するだけでなく、高い酵素活性を維持し、またMMP-7の保存容器への吸着を抑制することができる。したがって、本願発明の単量体化方法に使用される緩衝液は、MMP-7製剤の保存液として有用である。そして、本願発明の、水溶液とした場合に低濃度の塩化ナトリウム、及び糖アルコール又は糖類を含むMMP-7組成物は、MMP-7の会合体形成が抑制され、さらにMMP-7の容器等への吸着が抑制された、医薬用途の溶液組成物及びその調製用組成物として有用である。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、動的光散乱法により測定したMMP-7の分子量の解析結果に基づく、塩化ナトリウム(NaCl)及び塩化カリウム(KCl)によるMMP-7会合体の形成抑制効果を示す。

【図2】図2は、動的光散乱法により測定したMMP-7の分子量の解析結果に基づく、MMP-7会合体の形成抑制における塩化カルシウム(CaCl2)の影響を示す。

【図3】図3は、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定したMMP-7の分子量の解析結果に基づく、MMP-7の会合体形成におけるMMP-7濃度の影響を示す。

【図4】図4は、0.1mg/ml、2mg/ml、20mg/mlの各MMP-7を、150mM塩化ナトリウム(NaCl)または40mM NaClを含有するトリス緩衝液で希釈したときに、当該濃度の塩化ナトリウムがMMP-7の酵素活性に及ぼす影響を示す。

【図5】図5は、マンニトールによるMMP-7のゲルへの吸着抑制効果を示す。A:5mMトリス緩衝液(pH7)/10mM CaCl2/40mM NaCl、B:5mMトリス緩衝液(pH7)/10mM CaCl2/40mM NaCl/3.5%マンニトール。

【図6】図6は、マンニトール及びスクロースによるMMP-7のバイアル器壁への吸着抑制効果を示す。

【図7】図7は、マンニトール及びスクロースの各濃度におけるMMP-7のバイアル器壁への吸着抑制効果を示す。

【図8】図8は、マンニトール及びスクロースの各濃度におけるMMP-7の酵素活性に及ぼす影響を示す。

【図9】図9は、MMP-7会合体の形成抑制におけるマンニトールの影響を示す。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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