(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一部に断熱壁を有する筐体を有し、前記断熱壁は対向する壁材の間で構成される壁材間空間の中に断熱材が設けられた構造であり、前記断熱壁を貫通する貫通孔部を有する環境形成装置において、
前記貫通孔部は、貫通孔形成部材と, 前記壁材と前記貫通孔形成部材との間に介在されるシール部材を有し、
前記貫通孔形成部材は、前記貫通孔部の内壁を構成する管部と、少なくとも一方の前記壁材に対向する壁面対向領域を有するフランジ部を有し、前記壁面対向領域にはシール配置部が設けられ、
前記シール部材は、前記管部の開口端を取り巻くライン部を有し、当該ライン部は主シール部と、当該主シール部に対して外側側方及び/又は内側側方に張り出した補助シール部を有し、当該補助シール部は前記主シール部に比べて厚さが薄いものであり、
前記シール部材は、前記シール配置部に設置され、
前記シール部材に外力が掛かっていない状態においては、前記主シール部が前記壁面対向領域のいずれの部分よりも突出し、前記補助シール部が前記壁面対向領域の一部と同じ突出位置となるか、あるいは前記壁面対向領域のいずれの部分よりも突出し、
少なくとも前記主シール部が前記壁材に圧接された状態で、前記貫通孔形成部材が前記壁材に設置されることを特徴とする環境形成装置。
前記フランジ部が、軸部を有する締結要素によって前記壁材に固定され、前記ライン部が前記軸部の外側を取り巻いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境形成装置。
前記シール部材を正面視した際の輪郭形状は、前記フランジ部に装着された際に前記管部の開口端に位置する基礎輪郭部と、当該基礎輪郭部から外側に張り出した張り出し部を有し、前記締結要素の少なくとも一部が当該張り出し部に配されていることを特徴とする請求項4に記載の環境形成装置。
前記フランジ部は雌ねじ又は雄ねじが形成されたねじ部を有し、当該ねじ部は当該フランジ部を貫通せず、前記フランジ部は、別途用意のねじ又はナットを介して前記壁材に固定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境形成装置。
前記フランジ部は、前記管部と連通し、前記壁面対向領域よりも突出した突出部を有し、当該突出部が前記壁部の開口と係合していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されていた問題点の他に、急激に試験室207の温度が変化することで、断熱壁201の試験室207側の内壁208が移動する事等により、断熱壁201の壁面と、フランジ203、205との間のシ−リング材が切れて気密性が損なわれる懸念もある。
【0009】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、断熱壁に対する気密性がより高い貫通孔を備えた環境形成装置や貫通孔に取り付けられる貫通孔構成部材を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、少なくとも一部に断熱壁を有する筐体を有し、前記断熱壁は対向する壁材の間で構成される壁材間空間の中に断熱材が設けられた構造であり、前記断熱壁を貫通する貫通孔部を有する環境形成装置において、前記貫通孔部は、貫通孔形成部材と、前記壁材と前記貫通孔形成部材との間に介在されるシール部材を有し、前記貫通孔形成部材は、前記貫通孔部の内壁を構成する管部と、少なくとも一方の前記壁材に対向する壁面対向領域を有するフランジ部を有し、前記壁面対向領域にはシール配置部が設けられ、前記シール部材は、前記管部の開口端を取り巻くライン部を有し、当該ライン部は主シール部と、当該主シール部に対して外側側方及び/又は内側側方に張り出した補助シール部を有し、当該補助シール部は、前記主シール部に比べて厚さが薄いものであり、前記シール部材は、前記シール配置部に設置され、前記シール部材に外力が掛かっていない状態においては、前記主シール部が前記壁面対向領域のいずれの部分よりも突出し、前記補助シール部が前記壁面対向領域の一部と同じ突出位置となるか、あるいは前記壁面対向領域のいずれの部分よりも突出し、少なくとも前記主シール部が前記壁材に圧接された状態で、前記貫通孔形成部材が前記壁材に設置されていることを特徴とする環境形成装置である。
【0011】
本発明の環境形成装置では、特有の構成を備えたシール部材を使用してフランジ部と壁材の間の気密性を確保し、筐体内の空気等が断熱壁の内部に侵入することを防いでいる。
本発明で採用するシール部材は、シーリング材とは異なり、固体であって一定の形状を備えている。
本発明で採用するシール部材は、主シール部と、主シール部に対して外側側方及び/又は内側側方に張り出した補助シール部を有している。
また本発明ではシール部材は、貫通孔形成部材のシール配置部に設置され、シール部材に外力が掛かっていない状態においては、シール部材の主シール部がフランジ部の壁面対向領域のいずれの部分よりも突出する。従ってねじ等でフランジ部を筐体の壁材側に引き寄せると、主シール部が筐体の壁材と接する。
本発明では採用するシール部材は、補助シール部を有し、補助シール部は主シール部に比べて厚さが薄い。そして補助シール部はフランジ部の壁面対向領域の一部と同じ突出位置となるか、あるいは壁面対向領域のいずれの部分よりも突出している。
そのためフランジ部を筐体の壁材側に強く引き付けると、補助シール部が壁材と接触し、ねじ等を締めつける際に要するトルクが大きくなり、それ以上の締めつけが困難となる。
そのためフランジ部の過度の締めつけが抑制され、シール部材が押しつぶされる状態となることは少ない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記主シール部は断面形状が略円形であり、前記補助シールの断面形状は平板状であることを特徴とする請求項1に記載の環境形成装置である。
【0013】
主シール部は断面形状が略円形であるからシール性が高い。補助シールの断面形状は平板状であるから圧縮に要する力が大きく、押しつぶされにくい。
【0014】
前記補助シール部が、前記壁材と接していてもよい(請求項3)。
【0015】
請求項4に記載の発明は、フランジ部が、軸部を有する締結要素によって壁材に固定され、前記ライン部が前記軸部の外側を取り巻いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境形成装置である。
【0016】
本発明では、フランジ部は、ねじ等の軸部を有する締結要素によって壁材に固定されている。
本発明の環境形成装置では、シール部材のライン部は前記軸部の外側を取り巻いているから、軸部はシール部材で囲まれた領域内にある。そのため軸部を挿通するねじ挿通孔等についても、シール部材で囲まれた領域内にあり、気密性が確保されている。
【0017】
請求項5に記載の発明は、前記シール部材を正面視した際の輪郭形状は、前記フランジ部に装着された際に前記管部の開口端に位置する基礎輪郭部と、当該基礎輪郭部から外側に張り出した張り出し部を有し、前記締結要素の少なくとも一部が当該張り出し部に配されていることを特徴とする請求項4に記載の環境形成装置である。
【0018】
本発明の環境形成装置では、シール部材は、管部の開口端に位置する基礎輪郭部と、基礎輪郭部から外側に張り出した張り出し部を有している。そしてフランジ部を固定する締結要素の少なくとも一部が張り出し部に配されている。そのため締結要素を挿通するねじ挿通孔等についても、シール部材で囲まれた領域内にあり、気密性が確保されている。
【0019】
請求項6に記載の発明は、前記フランジ部は雌ねじ又は雄ねじが形成されたねじ部を有し、当該ねじ部は当該フランジ部を貫通せず、前記フランジ部は、別途用意のねじ又はナットを介して前記壁材に固定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境形成装置である。
【0020】
本発明の環境形成装置では、フランジ部にねじ部があるが、当該ねじ部はフランジ部を貫通しない。
そのため、ねじ部は、気密性が高い。
【0021】
請求項7に記載の発明は、前記フランジ部は、前記管部と連通し、前記壁面対向領域よりも突出した突出部を有し、当該突出部が前記壁部の開口と係合していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境形成装置である。
【0022】
本発明で採用する貫通孔形成部材は、フランジ部に管部と連通する突出部があり、突出部が壁部の開口と係合している。そのため本発明の環境形成装置は、貫通孔形成部材を取り付ける際の位置決めが容易である。
【0023】
貫通孔部の構造に関する発明は、対向する壁材を有する断熱壁に形成される貫通孔部に取り付けられる貫通孔部構造であって、前記貫通孔部構造は、貫通孔形成部材と前記壁材と前記貫通孔形成部材との間に介在されるシール部材を有し、前記貫通孔形成部材は、前記貫通孔部の内壁を構成する管部と、少なくとも一方の前記壁材に対向させる壁面対向領域を有するフランジ部を有し、前記壁面対向領域にはシール配置部が設けられ、前記シール部材は、前記管部の開口端を取り巻くライン部を有し、当該ライン部は主シール部と、当該主シール部に対して外側側方及び/又は内側側方に張り出した補助シール部を有し、当該補助シール部は前記主シール部に比べて厚さが薄いものであり、前記シール部材は、前記シール配置部に設置され、前記シール部材に外力が掛かっていない状態においては、前記主シール部が前記壁面対向領域のいずれの部分よりも突出し、前記補助シール部が前記壁面対向領域の一部と同じ突出位置となるか、あるいは前記壁面対向領域のいずれの部分よりも突出し、少なくとも前記主シール部が前記壁材に圧接された状態で、前記貫通孔形成部材が前記壁材に設置されることを特徴とする。
【0024】
本発明の貫通孔部構造は、例えば環境形成装置に形成される貫通孔に取り付ける構成として推奨される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の環境形成装置は、筐体の断熱壁に、送風機の軸等を挿通する貫通孔を有し、貫通孔の断熱壁に対する気密性が高い。
また、本発明の貫通孔構成部材は気密性が高い。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態の環境試験装置1は、送風機2のシャフト3を挿通する貫通孔部5に特徴がある。特徴部分の説明に先立って、環境試験装置1の概要について簡単に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態の環境試験装置1は、公知のそれと同様に、断熱壁6で覆われた筐体7を有している。筐体7の前面には開口13があり、開口13には扉10が設けられている。筐体7の内部には試験室8として機能する空間がある。
筐体7は、ステンレス等で作られた内側筐体11と、鋼板又はステンレス等で作られた外側筐体12を有し、両者の間の空間にグラスウール等の断熱材15が内蔵されたものである。
従って、前記した断熱壁6は、対向する壁材20、21の間に構成される壁材間空間22の中にグラスウール等の断熱材15が設けられた構造となっている。
説明の便宜上、内側筐体11の一部であって、試験室8側の壁材20を内側壁材20と称し、外側筐体12の一部であって、筐体7の外郭を構成する壁材21を外側壁材21と称する場合がある。
【0028】
本実施形態では、筐体7及び扉10によって断熱槽25が形成されている。断熱槽25の内部には仕切り26があり、大きく、試験室8と、空調部27に分かれている。
仕切り26には、上下の端部と中央に通気開口30、31、32があり、当該通気開口30、31、32によって試験室8と、空調部27が連通している。
本実施形態では、中央の通気開口31が、空調部27から試験室8に空気を吹き出す空気吹き出し部として機能し、上下の端部に設けられた通気開口30、32は、試験室8内の空気を空調部27に導入する空気導入部として機能する。
【0029】
空調部27内には空調機器33及び送風機2が内蔵されている。
空調機器33は、加湿装置36、冷却装置37及び加熱ヒータ(加熱装置)39によって構成されている。これらの機器はいずれも公知であるから詳細な説明を省略する。
送風機2は、羽根部40と駆動モータ41を有し、羽根部40は、筐体7の内部であって、仕切り26の中央の通気開口31の近傍に設置されている。
駆動モータ41は、筐体7の外部にあり、シャフト3によって両者が接続されている。シャフト3は、断熱壁6に形成された貫通孔部5に挿通されている。
【0030】
送風機2を起動すると、試験室8内の空気が上下の通気開口(空気導入部)30、32から空調部27内に導入される。そして空調部27が通風状態となり、空調機器33に空気が接触して熱交換や湿度調整がなされ、中央の通気開口(空気吹き出し部)31から試験室8内に調整後の空気が吹き出される。
また中央の通気開口(空気吹き出し部)31の近傍に、図示しない温度センサーと湿度センサーが設けられている。
環境試験装置1を使用する際には、送風機2を運転し温度センサー及び湿度センサーの検出値が、設定環境の温度及び湿度に近づく様に空調機器33を制御する。
【0031】
次に、本発明の特徴的構成たる、貫通孔部5について説明する。貫通孔部5は、筐体7の断熱壁6を貫通する孔であり、送風機2のシャフト3が挿通される。
本実施形態では、貫通孔部5は、
図2に示すような貫通孔形成部材50によって構成されており、壁材20、21との間は、シール部材51、52によって気密性が確保され、筐体7内の空気が断熱壁6内に漏れることを防止している。
説明の便宜上、内側壁材20と貫通孔形成部材50との間に介在されるシール部材51を内側シール部材51と称し、外側壁材21と貫通孔形成部材50との間に介在されるシール部材52を外側シール部材52と称する場合がある。
また補助的な部材として、パッキン押さえ43と、パッキン材45が使用されている。
【0032】
貫通孔形成部材50は、各図に示すように、管部53の両端にフランジ部55、56が設けられたものである。貫通孔形成部材50は、壁材20、21の間で構成される壁材間空間22に設置されるものであり、一方のフランジ部55は、内側壁材20の壁材間空間22側に設置される。説明の便宜上、フランジ部55を筐体側内部フランジ部55と称する場合がある。他方のフランジ部56は、外側壁材21の壁材間空間22側に設置される。説明の便宜上、フランジ部56を外郭側内部フランジ部56と称する場合がある。
【0033】
筐体側内部フランジ部55は、その表面であって、後記する突出壁58を除く領域が壁面対向領域28(
図3参照)として機能する。
筐体側内部フランジ部55は、
図3の様に、正面視が円形であり、中央に管部53と連通する開口57がある。また開口57の周囲は、フランジ部55の面に対して垂直に突出した突出壁58で覆われている。突出壁58は、開口57の周囲を環状に取り巻いている。
突出壁58の外側には、シール配置部60が設けられている。シール配置部60は、凹溝であり、突出壁58の外側にあって開口57の周囲を環状に取り巻いている。
筐体側内部フランジ部55の表面であって、シール配置部60の外側領域は平面であるが、貫通孔形成部材50を内側壁材20に固定するための雌ねじ孔61が三箇所に設けられている。
雌ねじ孔61は、
図5(d)に示すように不貫通の孔62である。
本実施形態では、雌ねじ孔61の嵌合しろを確保するため、フランジ部55の裏面側に肉盛り部65が設けられ、筐体側内部フランジ部55の表面から肉盛り部65に至る不貫通の孔62が設けられている。
【0034】
次に外郭側内部フランジ部56について説明する。
外郭側内部フランジ部56は、その表面の全域が壁面対向領域98(
図4参照)として機能する。
外郭側内部フランジ部56の正面形状は、
図5(c)の様に、円を基調とし、3か所に耳部66を有している。3か所の耳部66は、いずれも小円弧状であり、等間隔に配置されている。即ち外郭側内部フランジ部56は、三分割された基礎円部(基礎輪郭部)38があり、基礎円部(基礎輪郭部)38の間に外側に張り出した小円弧状の耳部(張り出し部)66がある。
外郭側内部フランジ部56の外周端部であって、基礎円部38に相当する領域には、外郭側内部フランジ部56の面に対して垂直に突出した突出壁78が設けられている。
突出壁78を正面視すると円弧状であり、各円弧の中心は管部53の開口端の円の中心と一致する。即ち突出壁78は管部53の開口端と同心状に設置されている。
また各耳部66には雌ねじ孔67が形成されている。雌ねじ孔67は、
図5(d)の様に、不貫通の孔68である。
【0035】
外郭側内部フランジ部56にも中央に管部53と連通する開口71がある。
外郭側内部フランジ部56では、開口71の周囲が直接的にシール配置部72となっている。即ち基礎円部38の外周端部に設けられた突出壁78が、外側シール部材52の脱落を防止するシールガイトとして機能し、外郭側内部フランジ部56の略全面がシール配置部72として機能する。
【0036】
管部53は、内部に貫通孔46が設けられており、長手方向に貫通する。
管部53の内部であって、外郭側内部フランジ部56の近傍には、仕切り部90がある。仕切り部90は、管部53の内部を部分的に絞った仕切りであり、中央には貫通孔47がある。仕切り部90を境として筐体側内部フランジ部55に至る領域は、筐体側内部フランジ部55に向かうにつれて内径が大きくなる方向にテーパが形成されている。
仕切り部90を境として外郭側内部フランジ部56に至る領域は、内径が等しいストレート部である。仕切り部90を境として外郭側内部フランジ部56に至る領域は、パッキン挿入部48として機能する。
【0037】
次に
図6に示す内側シール部材51について説明する。
内側シール部材51は、シリコンゴム等の柔軟性を有する樹脂によって成形されたものである。内側シール部材51は、正面視が円形である。即ち内側シール部材51は、細く薄いライン部73によって構成されており、当該ライン部73を全体的に観察すると円形を呈している。
内側シール部材51の中央開口76の内径は、筐体側内部フランジ部55の突出壁58が構成する円の外形よりもわずかに大きい。
また内側シール部材51のライン部73の幅は、筐体側内部フランジ部55のシール配置部60の凹溝に嵌まり込むことができる程度の大きさである。
【0038】
ライン部73の断面形状は、いずれの部位も同じであり、
図6(c)の様に略円形の主シール部75があり、その両脇に板状の補助シール部77が設けられている。
補助シール部77は、主シール部75に対して外側側方と内側側方の双方に張り出したものである。
即ち内側シール部材51は正面視が円形であり、補助シール部77は、その円の外側に向かって主シール部75からヒレ状に張り出した外側補助シール部77aと、円の内側に向かってヒレ状に張り出した内側補助シール部77bによって構成されている。
内側補助シール部77bの幅Fは、外側補助シール部77aの幅Eよりも広い。
【0039】
両脇の補助シール部77の表面同士、及び裏面同士は同一平面を形成する。
補助シール部77の厚さAは、主シール部75の厚さBよりも薄い。補助シール部77は、主シール部75の高さ方向(厚さ方向)の中心から側面側に張り出しているから、補助シール部77を水平な床面に外力を掛けずに置いた場合の補助シール部77の上面100の高さは、主シール部75の頂部よりも低く、下面101の高さは、主シール部75の下部よりも高い。
また主シール部75の厚さBは、前記したシール配置部60の凹溝の深さCよりも大きい。内側シール部材51を水平な床に外力を掛けずに置いた際の床面から補助シール部77の上面100までの高さDは、シール配置部60の凹溝の深さCよりも大きい。
【0040】
次に
図7に示す外側シール部材52について説明する。
外側シール部材52も、シリコンゴム等の柔軟性を有する樹脂によって成形されたものである。外側シール部材52は、正面視が円を基調とし、3か所に耳部(張り出し部)80が形成されたものである。
3か所の耳部80は、いずれも小円弧状であり、等間隔に配置されている。即ち外側シール部材52は、三分割された基礎円部(基礎輪郭部)81があり、その間に小円弧状の耳部(張り出し部)80がある。
即ち外側シール部材52は、薄いライン部83によって構成されており、当該ライン部83を全体的に観察すると3か所が外側に突出した円形である。
外側シール部材52の中央開口85は円形である。即ち外側シール部材52の外形形状は、三箇所に凸部を有する円形であるが、中央開口85は真円もしくはそれに近い形状である。
【0041】
ライン部83の断面形状は、部位によって異なっている。断面形状の共通点として、
図7(c)の様にいずれの部位にも主シール部86があり、その両脇に板状の補助シール部87が設けられている。
補助シール部87は、主シール部86に対して外側側方と内側側方の双方に張り出したものである。
即ち外側シール部材52は正面視が円を基調とした形状であり、その円の外側に向かって主シール部86からヒレ状に張り出した外側補助シール部87aと、内側に向かってヒレ状に張り出した内側補助シール部87bがある。
内側補助シール部87bの幅Hは、外側補助シール部87aの幅Gよりも大きい。
【0042】
両脇の補助シール部87の表面同士、及び裏面同士は同一平面を形成する。
補助シール部87の厚さJは、主シール部86の厚さIよりも薄い。
また主シール部86の厚さIは、前記した外郭側内部フランジ部56の突出壁78の高さKよりも大きい。
補助シール部87は、主シール部86の高さ方向(厚さ方向)の中心から側面側に張り出しているから、補助シール部87を水平な床面に外力を掛けずに置いた場合の補助シール部87の上面103の高さは、主シール部86の頂部よりも低く、下面105の高さは、主シール部86の下部よりも高い。
外側シール部材52を水平な床に外力を掛けずに置いた際の床面から補助シール部87の上面103までの高さMは、外郭側内部フランジ部56の突出壁78の高さKよりも大きい。
【0043】
主シール部86を正面視した際の輪郭形状は、外側シール部材52の外形形状の外縁に沿った形状であり、円を基調とし、3か所に耳部(張り出し部)80を有するものである。
外側シール部材52の耳部(張り出し部)80においては、内側補助シール部87bが広い範囲に膜状に形成されている。内側補助シール部87bで囲まれる中央開口85は真円もしくはそれに近い形状となっている。
【0044】
耳部80の内側補助シール部87bには貫通孔88が設けられている。
前記した様に貫通孔88は内側補助シール部87bに設けられており、貫通孔88は主シール部86で囲まれた領域内に開口している。
また外側シール部材52が外郭側内部フランジ部56のシール配置部72に装着された状態においては、外側シール部材52の貫通孔88は、外郭側内部フランジ部56の雌ねじ孔67と連通する。そのため外郭側内部フランジ部56の雌ねじ孔67は、外側シール部材52の主シール部86で囲まれた領域内に開口することとなる。
【0045】
次に、断熱壁6と、貫通孔形成部材50及びシール部材51、52等の位置関係について説明する。
本実施形態では、筐体側内部フランジ部55のシール配置部60に、内側シール部材51が装着されている。即ち筐体側内部フランジ部55のシール配置部60の溝に、内側シール部材51が嵌まりこんでいる。
【0046】
また、外郭側内部フランジ部56のシール配置部72に、外側シール部材52が装着されている。
即ち外郭側内部フランジ部56の基礎円部(基礎輪郭部)38に外側シール部材52の基礎円部(基礎輪郭部)81が配置され、外郭側内部フランジ部56に設けられた円弧状の突出壁78で外側シール部材52の外周部が保持される。
また外郭側内部フランジ部56の耳部(張り出し部)66に外側シール部材52の耳部(張り出し部)80が配される。
外側シール部材52が外郭側内部フランジ部56に装着された状態においては、外側シール部材52の基礎円部81は、管部53の開口端と同心状の位置に納まる。
【0047】
前記した様に断熱壁6は、対向する壁材20、21の間で構成される壁材間空間22の中に断熱材15が設けられた構造となっている。
壁材20、21の貫通孔相当部には、
図3、
図4の様に開口91、92が設けられている。即ち内側壁材20には試験室側開口91が設けられ、外側壁材21には外郭側開口92が設けられている。
【0048】
そして対向する壁材20、21の間の壁材間空間22に貫通孔形成部材50が設置され、貫通孔形成部材50の管部53内の貫通孔46が、試験室側開口91と外郭側開口92を連通させている。
即ち内側壁材20には筐体側内部フランジ部55の壁面対向領域28が接し、壁面対向領域28と内側壁材20に内側シール部材51が圧縮された状態で介在されている。
特に内側シール部材51は、主シール部75が圧縮されて内側壁材20に強く押し付けられており、板状の補助シール部77は内側壁材20に軽く当たっている状態である。
また外側壁材21には、外郭側内部フランジ部56の壁面対向領域98が接し、壁面対向領域98と外側壁材21に外側シール部材52が圧縮された状態で介在されている。
特に外側シール部材52は、主シール部86が圧縮されて外側壁材21に強く押し付けられており、板状の補助シール部87は外側壁材21に軽く当たっている状態である。
【0049】
また本実施形態では、筐体側内部フランジ部55の開口57の周囲を突出壁58が環状に取り巻いており、当該突出壁58は、
図2の様に壁材20の開口91内に入り込んでいる。
【0050】
本実施形態では、壁材20、21の間に貫通孔形成部材50が設置されることによって、断熱壁6に貫通孔部5が形成され、
図2の様に送風機2のシャフト3が貫通孔部5に挿通される。
貫通孔形成部材50の内部には、パッキン挿入部があり、フェルト状、マット状、毛布状等のパッキン材45が押し込まれていてシャフト3の周囲を覆っている。外郭側開口92には板状のパッキン押さえ43があり、パッキン材45の飛び出しを防いでいる。
【0051】
本実施形態では、貫通孔形成部材50は、一時締結要素たるねじ96、97によって対向する壁材20、21に固定されている。
即ち内側壁材20には試験室側開口91の周囲にねじ挿通孔93が3個設けられ、当該ねじ挿通孔93にねじ96を試験室側から挿通し、当該ねじ96を筐体側内部フランジ部55の雌ねじ孔61と係合させて筐体側内部フランジ部55が内側壁材20に固定されている。ねじ96にはシーリング材が塗布されている。
また外側壁材21にも外郭側開口92の周囲にねじ挿通孔95が3個設けられ、当該ねじ挿通孔95にねじ97を外郭の外側から挿通し、当該ねじ97を外郭側内部フランジ部56の雌ねじ孔67と係合させて外郭側内部フランジ部56が外側壁材21に固定されている。ねじ97にはシーリング材は塗布されていない。
【0052】
筐体側内部フランジ部55が、内側壁材20の壁材間空間22側に固定された状態においては、内側シール部材51の主シール部75が内側壁材20の壁材間空間22側と接し、やや押圧されて高さが低くなった状態となっている。
また内側シール部材51の補助シール部77についても、内側壁材20の壁材間空間22側と接している。
【0053】
外郭側内部フランジ部56と外側壁材21の関係も同様であり、外郭側内部フランジ部56が、外側壁材21の壁材間空間22側に固定された状態においては、外側シール部材52の主シール部86が外側壁材21の壁材間空間22側と接し、やや押圧されて高さが低くなった状態となっている。
また外側シール部材52の補助シール部87についても、外側壁材21の壁材間空間22側と接している。
【0054】
ここで内側シール部材51及び外側シール部材52は、いずれも管部53の開口端を環状に取り巻き、且つ少なくとも主シール部75、86が、内部フランジ部55、56と壁材20、21の間に圧縮状態で介在されているから、管部53と壁材間空間22の間はすべて封鎖されており、内部フランジ部55、56と壁材間空間22の間は絶縁された状態となって気体や液体の流通が防止される。
そのため管部53と壁材間空間22の間は、気密性が確保されている。
【0055】
筐体側内部フランジ部55の近傍に注目すると、筐体側内部フランジ部55を内側壁材20に固定するためのねじ挿通孔93が内側壁材20に形成されている。
しかしながら、ねじ96にはシーリング材が塗布されているので、ねじ挿通孔93は実質的にシーリング材で封鎖され、筐体7内の空気が壁材間空間22に侵入することが阻止される。
また本実施形態では、筐体側内部フランジ部55側の雌ねじ孔61は、不貫通であるから、仮にねじの溝を伝って試験室内の空気が筐体側内部フランジ部55に入っても、壁材間空間22側への抜け道がなく、壁材間空間22に侵入することができない。
【0056】
一方、外郭側内部フランジ部56においては、ねじ97の軸部110は外側シール部材52の補助シール部87bの耳部80に形成された貫通孔88を通過して外部側内部フランジ部56と係合している。ここで貫通孔88は、外側シール部材52の主シール部86で囲まれた領域内に開口しているので、ねじ挿通孔95は、壁材間空間22内における外側シール部材52の主シール部86で囲まれた領域に開口している。そのため、ねじ挿通孔95の周辺は、主シール部86で封鎖されている。
また外郭側内部フランジ部56側の雌ねじ孔67は、不貫通であるから、仮にねじの溝を伝って筐体7外の空気が外郭側内部フランジ部56に入っても、壁材間空間22への抜け道がなく、壁材間空間22に侵入することができない。
【0057】
次に、貫通孔形成部材50を対向する壁材20、21の間に固定する際における、シール部材51、52の挙動について説明する。
内側シール部材51に注目すると、シール部材51は前記した様に筐体側内部フランジ部55のシール配置部60に装着されている。
【0058】
ここでシール部材51に外力が掛かっていない自然状態を見ると、筐体側内部フランジ部55の壁面対向領域28においては、
図8(a)の様にシール部材51の主シール部75が最も内側壁材20側に突出した位置となる。
即ち筐体側内部フランジ部55には、開口57の周囲を取り巻く突出壁58があるが、突出壁58は、
図2の様に壁材20の開口91内に入り込むので、壁材20とは対向しない。
筐体側内部フランジ部55において、壁材20と対向するのは、突出壁58の外側の領域に限られる。
【0059】
ここでシール配置部60と、シール部材51の寸法関係を確認すると、補助シール部77の厚さAは、主シール部75の厚さBよりも薄い。
さらに補助シール部77は、主シール部75の中間高さの位置から横方向に張り出しており、水平姿勢に置いた状態においては、主シール部75の最高高さの位置が補助シール部77の最高高さの位置よりも高い。
また主シール部75の厚さBは、前記したシール配置部60の凹溝の深さCよりも大きい。そのため主シール部75はその一部がシール配置部60の凹溝から突出し、壁面対向領域28においては、
図8(a)の様に、シール部材51の主シール部75が最も突出した位置となる。
また内側シール部材51を水平な床に置いた際の床面から補助シール部77の上面までの高さDは、シール配置部60の凹溝の深さCよりも大きいから、壁面対向領域28において主シール部75の次に突出する部位は、内側シール部材51の補助シール部77である。
【0060】
この状態で、前記したねじ96によって筐体側内部フランジ部55を内側壁材20側に引き寄せると、
図8(b)の様に主シール部75の先端が壁材20の壁材間空間22側に接する。その後は、主シール部75を圧縮することとなるので、ねじ96を回転させるのに要するトルクがやや増大する。
そしてさらにねじ96を締めつけてゆくと、
図8(c)の様に壁材20がシール部材51の補助シール部77と接し、ねじ96を回転させるのに要するトルクが極端に増大する。
そのため組み立て作業者は、十分にねじ96が締めつけられたと感じ、それ以上のねじ締めを停止する。
このときの内側シール部材51は、弾性に余裕を残した状態であり、完全に潰された状態ではなく、気密性を確保するだけの弾性を備えている。
【0061】
内側シール部材51の挙動について説明したが、外側シール部材52についても同様の挙動が期待できる。
即ち外側シール部材52についても、外力が掛かっていない自然状態を見ると、外郭側内部フランジ部56の壁面対向領域98においては、外側シール部材52の主シール部86が最も突出した位置となる。そして主シール部86についで、壁面対向領域98において突出する部位は、外側シール部材52の補助シール部87である。
【0062】
従ってねじ97によって外郭側内部フランジ部56を外側壁材21側に引き寄せると、最初に主シール部86の先端が壁材21と接し、次いでシール部材52の補助シール部87と接し、ねじ97を回転させるのに要するトルクが極端に増大する。
そのため組み立て作業者は、十分にねじ97が締めつけられたと感じ、それ以上のねじ締めを停止する。
このときの外側シール部材52は、弾性に余裕を残した状態であり、潰された状態ではなく、気密性を確保するだけの弾性を備えている。
【0063】
なお筐体側内部フランジ部55を内側壁材20に取り付ける際には、予め筐体側内部フランジ部55に形成された突出壁58を壁材20の開口91内に係合させ、突出壁58をガイドとして、ねじ96を取り付けることが望ましい。この方策を採用することにより、貫通孔形成部材50の位置決め作業や芯出し作業が軽減される。
【0064】
またシール部材51、52の材料の種類や硬度を変更したり、補助シール部77、87の厚みを変えることで、主シール部75、86の締め付け圧力を任意に変えることができる。
【0065】
以上説明した実施形態で採用した貫通孔形成部材50は、管部53の両端にフランジ部55、56が設けられたものであり、二つのフランジ部55、56の構造は異なっている。
しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではなく、管部53の両端に同じ形状、構造のフランジ部を設けてもよい。
例えば、前記した筐体側内部フランジ部55の様な正面視が円形であり、シール配置部60の外側に雌ねじ孔61が設けられた構造のフランジ部を管部53の両端に設けてもよい。
逆に前記した外郭側内部フランジ部56の様に、複数の耳部66を有し、雌ねじ孔67が外側シール部材52の主シール部86で囲まれた領域内に開口するような構造のものを管部53の両端に設けてもよい。
【0066】
また管部53の両端に設けられたフランジ部の形状が、前記した実施形態とは逆であってもよい。即ち前記した筐体側内部フランジ部55の様な正面視が円形であり、シール配置部60の外側に雌ねじ孔61が設けられた構造のフランジ部を外側壁材21側に設置し、外郭側内部フランジ部56の様な複数の耳部66を有するフランジ部を内側壁材20側に設置してもよい。
【0067】
推奨される構成は、フランジ部の雌ねじ孔がシール部材の主シール部で囲まれた領域内に開口する構造のものであり、前記した外郭側内部フランジ部56の様な構造のものが望ましい。また他に、
図9に示す様な形態のフランジ部115も考えられる。
図9に示す貫通孔形成部材111では、フランジ部115の外周近傍に凹溝状のシール配置部112があり、その内部に雌ねじ孔113が設けられている。
【0068】
以上説明した実施形態では、貫通孔形成部材50は管部53の両端にフランジ部55、56があり、二つのフランジ部55、56は、いずれも壁材20、21の壁材間空間22側に面する位置に設けられるが、いずれか一方が壁材20、21の外側に設けられていてもよい。
また双方のフランジ部が壁材20、21の外側に設けられていてもよい。
また管部53の一方にのみフランジ部55、56が設けられたものであってもよい。
貫通孔形成部材50は複数の部材に分かれていてもよい。
【0069】
双方のフランジ部を壁材20、21の外側に配置する構成を採用する場合は、前記した様に貫通孔形成部材50を複数の部材に分けることが望ましい。
例えば
図10(a)の様に、フランジ部100と、管部101の一部が一体化され、端部に雌ねじ102が形成された貫通孔形成部材片103と、フランジ部105と、管部107の一部が一体化され、端部に雄ねじ108が形成された貫通孔形成部材片106を個別に成形し、壁材間空間22で雌ねじ102と雄ねじ108を係合させてもよい。
フランジ部100、105を壁材20、21の外側に配置する場合には、シール配置部60は、管部101、107側に設けることとなる。
【0070】
また
図10(b)の様に、フランジ部110と、管部111の一部が一体化され、端部に雄ねじ112が形成された貫通孔形成部材片113を別途用意し、貫通孔形成部材片113のフランジ部110と、
図2乃至
図5に示した貫通孔形成部材50のフランジ部55で壁材20(又は21)を挟んでもよい。
図10(b)では、貫通孔形成部材片113の管部111の外周にねじ117を形成し、貫通孔形成部材50の内面に形成したねじ116と係合させたが、壁材20(又は21)を貫通するねじによってフランジ部110と、フランジ部55を直接締結してもよい。
【0071】
以上説明した実施形態では、フランジ部55、56に雌ねじ孔61、67を設けたが、当該部位に雄ねじを立設し、壁材20、21の外に設けたナットを係合させてもよい。
貫通孔形成部材50を取り付ける締結要素は、ネジに限定されるものではなく、鋲やクリップ等であってもよい。
【0072】
以上説明した実施形態では、内側シール部材51を水平な床に置いた際の床面から補助シール部77の上面100までの高さDを、シール配置部60の凹溝の深さCよりも大きいものとしたが、両者が同一であってもよい。
同様に、外側シール部材52を水平な床に置いた際の床面から補助シール部87の上面103までの高さMは、外郭側内部フランジ部56の突出壁78の高さKと同じであってもよい。
【0073】
以上説明した実施形態では、送風機2として軸流送風機を図示したが、遠心式の送風機であってもよい。
さらに貫通孔部5は、送風機2のシャフト3を挿通するものに限定されず、例えば試験室8内の被試験物に給電したり、センサーの信号を取り出すための貫通孔として使用してもよい。
【0074】
また貫通孔部5の構造は、環境試験装置1の断熱壁6に設けるものに限定されるものではなく、熱処理装置や冷凍庫等の低温環境や高温環境を作る装置に形成する貫通孔にも応用することができる。
【0075】
以上説明した実施形態では、貫通孔形成部材50の管部53の断面形状、即ち貫通孔の断面形状は円形であるが、貫通孔の断面形状は任意であり、楕円形状や多角形であってもよい。また貫通孔の断面形状は非対象の異形形状であってもよい。
シール部材の正面形状は、実施形態として例示したものに限定されない。シール部材の正面形状は、貫通孔形成部材50の管部53の開口57を取り巻くことができれば足り、開口57の形状と相似形である必要はない。
例えば、開口57の形状が円形であり、シール部材の正面形状が楕円形や耳部がある形状であってもよい。
【0076】
以上説明した実施形態では、筐体側内部フランジ部55を固定するねじ96は、すべてが内側シール部材51で囲まれる領域の外にあり、外郭側内部フランジ部56を固定するねじ97は、すべてがシール部材52で囲まれる領域内にあるが、一つのフランジ部に対してシール部材の領域内にあるねじと外側にあるねじが混在していてもよい。