特許第6755870号(P6755870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イートン コーポレーションの特許一覧

特許6755870分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ
<>
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000002
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000003
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000004
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000005
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000006
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000007
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000008
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000009
  • 特許6755870-分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755870
(24)【登録日】2020年8月28日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】分離ドア、トリップユニット、およびそれらを含む回路遮断器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/06 20060101AFI20200907BHJP
   H01H 71/02 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   H01H73/06 B
   H01H71/02
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-529065(P2017-529065)
(86)(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公表番号】特表2018-500732(P2018-500732A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015056552
(87)【国際公開番号】WO2016099652
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年10月18日
(31)【優先権主張番号】14/577,376
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エイ・ウィティカー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・イー・バスタ
(72)【発明者】
【氏名】ドエル・ジェイ・コラゾ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・アール・ラクス
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−083494(JP,A)
【文献】 実開昭63−128769(JP,U)
【文献】 特開平08−180791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/06
H01H 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的にハウジング(12)に結合された前面カバー(14)を含むハウジング(12)であって、前記前面カバーが画定された開口部(22)を含む、ハウジング(12)と、
選択的に前記ハウジング(12)に結合されたトリップユニット(18)とを含み、
トリップユニット(18)は、
上または内部に形成された第1レセプタクル(44)および第2レセプタクル(45)と、前記前面カバー(14)が前記ハウジング(12)に結合されるとき、前記前面カバー(14)の前記開口部(22)を介してアクセス可能な前面(20)であって、トリップユニット(18)の1つまたは複数の特性を調整するためのいくつかの調整機構(26)を有する前面(20)とを含むトリップユニットハウジング(24)と、
第1方向にヒンジ軸(42)に沿って延在する第1円筒形部材(60)と、第1方向と反対の第2の方向にヒンジ軸(42)に沿って延在する第2円筒形部材(62)と、第1円筒形部材(60)および前記第2円筒形部材(62)に隣接して配置される輪郭外表面(70)を有する厚肉部(72)とを有するアクセスドア(30)とを含み、
前面カバー(14)がハウジング(12)から切り離されるとき、アクセスドア(30)は、
(i)前記アクセスドア(30)は、前記ハウジング(24)に結合され、一般に、少なくとも第1の所定の角度範囲(α)を介して前記ヒンジ軸(42)の周りにほぼ自由に回転するように、前記第1円筒形部材(60)が、前記第1レセプタクル(44)内に配置され、前記第2円筒形部材(62)が、第2レセプタクル(45)内に配置される、第1状態および
(ii)前記アクセスドア(30)が前記第1所定量の範囲(α)を超えて回転し、輪郭外表面(70)が、前記ハウジング(24)の部分と相互作用するのに応答して、前記アクセスドア(30)が前記ハウジング(24)から切り離される、第2状態から移動可能であり、
前記アクセスドア(30)が前記第1状態に配置され、前記前面カバー(14)が前記ハウジング(12)に結合されるとき、前記前面カバー(14)が前記第1の所定の角度範囲(α)よりも小さい第2の所定の角度範囲(α´)に前記ヒンジ軸(42)周りの前記アクセスドア(30)の回転を制限する、
回路遮断器(10)。
【請求項2】
前記第1レセプタクル(44)と前記第2レセプタクル(45)の各々が、前記ヒンジ軸(42)の周りにほぼ半径距離(r)に配置された曲面(47)によって少なくとも部分的に画定される主要部(46)を含み、前記第1状態で配置されるとき、前記第1円筒形部材(60)が、前記第1レセプタクル(44)の前記主要部(46)内に配置され、前記第2円筒形部材(62)が、前記第2レセプタクル(45)の前記主要部に配置される、請求項に記載の回路遮断器(10)。
【請求項3】
前記第1レセプタクル(44)と前記第2レセプタクル(45)のそれぞれは、さらに、前記主要部(46)から外側に延在し、前記ハウジング(24)の前記前面(20)と平行に配置される基準平面(P)に対し、前記ヒンジ軸(42)周りに角度(θ)で配向するほぼ中心基準線(C)周りに配置され、前記ヒンジ軸(42)がラインする、開口部(48)を含む、請求項に記載の回路遮断器(10)。
【請求項4】
前記第1レセプタクル(44)および前記第2レセプタクル(45)の各々の前記開口部(48)は、前記主要部分(46)から外側に延在し、前記第1レセプタクル(44)および前記第2レセプタクル(45)のそれぞれの最小開口幅(w)を画定する、ほぼ平行な表面によって画定された第1部分(50)を含み、前記第1状態から前記第2状態に移動するとき、前記第1円筒形部材(60)の少なくとも1つが前記第1レセプタクル(44)の前記第1部分を通過するか、または前記第2円筒形部材(62)が前記第2レセプタクル(45)の前記第1部分を通過する、請求項に記載の回路遮断器(10)。
【請求項5】
前記第1レセプタクル(44)および前記第2レセプタクル(45)のそれぞれの前記開口部(48)が、さらに、前記開口部(48)が前記最小開口幅(w)から広がる前記第1部分(50)から外側に延在するフレア部(52)を含む、請求項に記載の回路遮断器(10)。
【請求項6】
前記第1円筒形部材(60)および前記第2円筒形部材(62)のそれぞれが、最小幅(w)よりも大きく、半径距離(r)の2倍より小さい外径(d)によって画定される、請求項に記載の回路遮断器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、参照によって本明細書に組み込まれる2014年12月19日出願の米国特許出願番号第14/577,376号の優先権および利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
開示された概念は、回路遮断器に関し、特に、回路遮断器に使用するためのトリップユニットに関する。本発明はさらに、トリップユニットで使用するためのアクセスドアに関する。
【0003】
背景技術情報
たとえば、回路遮断器であるがこれに限定しない回路安全装置は、通常、過負荷状態などの過電流状態、または短絡回路、またはアーク故障や地絡などのその他の故障状態による損傷から電気回路を保護するために使用される。回路遮断器は、一般に分離可能な接点を含む。分離可能な接点は、オペレータハンドルを介して手動で、または検出された故障状態に応答して自動で操作されても良い。通常、このような回路遮断器は、分離可能な接点を迅速に開くように設計された操作機構と、遮断器を自動的にトリップさせる多数の故障状態を感知するトリップユニットなどのトリップ機構とを含む。故障状態を感知すると、トリップユニットは、操作機構をトリップ状態にトリップさせ、分離可能な接点を開位置に動かす。
【0004】
トリップユニットには、通常、ねじまたは他の適切な締結具を介して回路遮断器のハウジングに固定される1つまたは複数のカバーを取り外すことなくトリップユニットの設定を制御するスイッチに簡単にアクセスできるアクセスドアを含むものがある。このようなアクセスドアは通常、透明なプラスチック材料から形成される。このような構造は多くの利点を提供する。そのような透明な材料を利用するこのような利点の一つは、このようなアクセスドアによって覆われたスイッチおよびスイッチの設定点をアクセスドアを開くことを必要とせずに容易に見ることができることである。そのような材料を使用することの別の利点は、一般に材料コストおよび材料の形成コストが低いことである。
【0005】
こうした現在の設計は多くの利点があるが、アクセスドアは、耐久性が低くなる傾向があり、注意していない場合は、むしろ容易に破断し得るので、改善の余地がある。通常、そのような破損は、技術者が回路遮断器をインストールおよび/または保守点検するとき、したがって、前面カバーを取り外したとき発生する。そのような時間の間に、ユニットに調整を行うため、トリップユニットのアクセスドアを開にしておくのが一般的である。透明な材料から形成されるので、アクセスドアが目立たず、容易く開位置のままになり得る。開位置に配置されるとき、アクセスドアは一般に脆弱であり、その意図した範囲を超えて開かれる場合、通常、アクセスドアのヒンジ部で、容易に破損しうる。このような過度の開状態は、開位置に配置されている間、たとえば、技術者が、アクセスドアの近くに動いたり、アクセスドアを初めに閉じることなく前面カバーをインストールしようとすることによって、アクセスドアに接触した場合に容易に起こり得る。
【0006】
トリップユニットのアクセスドアには改善の余地が存在する。
【0007】
そのようなアクセスドアを採用したトリップユニット、およびそのようなトリップユニットを採用した回路遮断器には改善の余地がある。
【発明の概要】
【0008】
これらのニーズおよび他のものは、ヒンジアセンブリを対象とする開示された概念の実施形態によって満たされる。ヒンジアセンブリは、第1部分と第2部分とを含む。第1部分は、第1レセプタクルと第2レセプタクルを含む。第2部分は、ヒンジ軸に沿って第1の方向に延在する第1円筒形部材と、第1の方向とは反対の第2の方向にヒンジ軸に沿って延在する第2円筒形部材と、第1円筒形部材と第2円筒形部材に隣接して配置される輪郭外表面を有する厚肉部とを含む。第2部分は(i)第2部分が、第1部分に結合され、少なくとも所定の角度範囲に渡ってヒンジ軸を中心にしてほぼ自由に回転するように、第1円筒形部材が第1レセプタクルに配置され、第2円筒形部材が第2レセプタクルに配置される、第1状態、および(ii)第2部分が所定の角度範囲を越えて回転し、輪郭外表面が第1部分の部分と相互作用するのに応答して、第2部分が第1部分から分離される、第2状態から移動可能である。
【0009】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルの各々は、ヒンジ軸の周りにほぼ半径距離に配置された曲面によって少なくとも部分的に画定された主要部を含み、第1状態に配置されたとき、第1円筒形部材は、第1レセプタクルの主要部内に配置され、第2円筒形部材は、第2レセプタクルの主要部に配置される。
【0010】
第1レセプタクルと第2レセプタクルの各々は、さらに、主要部から外側に延在し、ほぼ中心基準線の周りに配置される開口部を含む。
【0011】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルの各々の開口部は、主要部から外側に延在し、第1レセプタクルおよび第2レセプタクルのそれぞれの最小開口幅を画定するほぼ平行な表面によって画定される第1部分を含み、第1状態から第2状態に移動するとき、第1円筒形部材の少なくとも1つが第1レセプタクルの第1部分を通過するか、第2円筒形部材が、第2レセプタクルの第1部分を通過する。
【0012】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルのそれぞれの開口部は、さらに、開口部が最小開口幅から広くなる第1部分から外側に延在するフレア部を含む。
【0013】
第1円筒形部材および第2円筒形部材のそれぞれは、最小の幅よりも大きく、半径距離の2倍よりも小さい外径によって画定されてもよい。
【0014】
そのようなニーズはまたトリップユニットを対象とする開示された概念の実施形態によって満たされる。トリップユニットは、ハウジングとアクセスドアとを含む。ハウジングは、上または内部に形成された第1レセプタクルと第2レセプタクルを含む。アクセスドアは、ヒンジ軸に沿って第1の方向に延在する第1円筒形部材と、第1の方向とは反対の第2の方向にヒンジ軸に沿って延在する第2円筒形部材と、第1円筒形部材と第2円筒形部材に隣接して配置される輪郭外表面を有する厚肉部とを含む。アクセスドアは、(i)アクセスドアがハウジングに結合され、少なくとも所定の角度範囲に渡って、ヒンジ軸の周りにほぼ自由に回転するように、第1円筒形部材が第1レセプタクル内に配置され、第2円筒形部材が第2レセプタクル内に配置される、第1状態、および(ii)アクセスドアが、所定の角度範囲を超えて回転し、輪郭外表面がハウジングの部分と相互作用するのに応答して、アクセスドアがハウジングから切り離される、第2状態から、移動可能である。
【0015】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルの各々は、ヒンジ軸の周りにほぼ半径距離に配置された曲面によって少なくとも部分的に画定された主要部を含んでもよい。そして、第1状態に配置されたとき、第1円筒形部材が、第1レセプタクルの主要部内に配置され、第2円筒形部材は、第2レセプタクルの主要部に配置される。
【0016】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルのそれぞれは、さらに、主要部から外側に延在し、ハウジングの前面に平行に配置された基準平面に対してヒンジ軸の周りにある角度で配向されたほぼ中心基準線の周りに配置され、ヒンジ軸が存在する、開口部を含んでもよい。
【0017】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルの各々の開口部は、主要部から外側に延在し、前記第1レセプタクルと前記第2レセプタクルの最小開口幅を画定する、ほぼ平行な表面によって画定される第1部分を含んでもよい。そして、第1状態から第2状態に移動するとき、第1円筒形部材の少なくとも1つが第1レセプタクルの第1部分を通過するか、または第2円筒形部材が第2レセプタクルの第1部分を通過する。
【0018】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルのそれぞれの開口部は、さらに、開口部は最小開口幅から広くなる第1部分から外側に延在するフレア部を含んでもよい。
【0019】
第1円筒形部材および第2円筒形部材のそれぞれは、最小幅よりも大きく、半径距離の2倍よりも小さい外径によって画定されてもよい。
【0020】
そのようなニーズは、また、回路遮断器を対象とする開示された概念の実施形態によって満たされる。回路遮断器は、ハウジングと選択的にハウジングに結合されるトリップユニットを含む。ハウジングは、ハウジングに選択的に結合される前面カバーを含み、前面カバーは、前面カバーを通して画定される開口部を含む。トリップユニットは、上または内部に形成される第1レセプタクルおよび第2レセプタクルを含むトリップユニットハウジングと、前面カバーが、ハウジングに結合されるとき、前面カバーの開口を介してアクセス可能な前面とを含む。前面はトリップユニットの1つまたは複数の特性を調整するためのいくつかの調整機構を含む。トリップユニットは、さらに、ヒンジ軸に沿って第1の方向に延在する第1円筒形部材と、第1の方向とは反対の第2の方向にヒンジ軸に沿って延在する第2円筒形部材と、第1円筒形部材と第2円筒形部材に隣接して配置される輪郭外表面を有する厚肉部とを有するアクセスドアを含む。前面カバーがハウジングから切り離されたとき、アクセスドアは、(i)アクセスドアはハウジングに結合され、少なくとも第1の所定の角度範囲に渡ってヒンジ軸の周りにほぼ自由に回転するように、第1円筒形部材は第1レセプタクルに配置され、第2円筒形部材は第2レセプタクルに配置される、第1状態、および(ii)アクセスドアが第1の所定の角度範囲を超えて回転し、輪郭外表面がハウジングの部分と相互作用するのに応答して、アクセスドアがハウジングから切り離される、第2状態から、移動可能である。アクセスドアが第1状態に配置され、前面カバーがハウジングに結合されるとき、前面カバーは、第1の所定の角度範囲よりも低い第2の所定の角度範囲にヒンジ軸の周りにアクセスドアの回転を制限する。
【0021】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルの各々は、ヒンジ軸の周りにほぼ半径距離に配置された曲面によって少なくとも部分的に画定された主要部を含むことができ、第1状態に配置されるとき、第1円筒形部材は、第1レセプタクルの主要部内に配置され、第2円筒形部材は、第2レセプタクルの主要部に配置される。
【0022】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルのそれぞれは、主要部から外側に延在し、ハウジングの前面に平行に配置された基準平面に対してヒンジ軸の周りにある角度で配向されたほぼ中心基準線周りに配置され、ヒンジ軸が存在する、開口部をさらに含んでもよい。
【0023】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルの各々の開口部は、主要部から外側に延在し、前記第1レセプタクルと前記第2レセプタクルの最小開口幅を画定する、ほぼ平行な表面によって画定される第1部分を含んでもよく、第1状態から第2状態に移動するとき、第1円筒形部材の少なくとも1つが第1レセプタクルの第1部分を通過するか、または第2円筒形部材が第2レセプタクルの第1部分を通過する。
【0024】
第1レセプタクルおよび第2レセプタクルのそれぞれの開口部は、開口部は最小開口幅から広くなる、第1部分から外側に延在するフレア部をさらに含む。
【0025】
第1円筒形部材と第2円筒形部材の各々は、最小幅より大きく半径距離の2倍より小さい外径によって画定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
開示された概念の完全な理解は、添付図面と併せて読むと好ましい実施形態の以下の説明から得ることができる。
図1図1は、閉位置で示される開示された概念の例示的実施形態にしたがって、アクセスドアを有するトリップユニットを含む回路遮断器の等角図である。
図2図2は、図1の回路遮断器の等角図であり、開位置に配置されたアクセスドアを示す。
図3図3は、閉位置に配置されたアクセスドアを有して示される、図1の回路遮断器のトリップユニットの等角図である。
図4図4は、開位置に配置されたアクセスドアを有して示される、図1の回路遮断器のトリップユニットの等角図である。
図5図5は、図3の5−5線に沿ったトリップユニットとアクセスドアの部分の断面図である。
図6図6は、図4の6−6線に沿ったトリップユニットとアクセスドアの部分の断面図である。
図7図7は、図1の7−7線に沿ったトリップユニットとアクセスドアの部分の断面図である。
図8図8は、トリップユニットのハウジングからその切り離されたアクセスドアを有して示される図3のトリップユニットの分解等角図である。
図9図9は、図5の断面図の部分の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で使用される、たとえば、左、右、前、後、上部、底部およびその派生物などの、方向を示す語句は、図面に示される要素の向きに関連し、明示されないかぎり、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0028】
本明細書で使用される場合、「数」という用語は、1つ、または1つより大きい任意の整数の量(すなわち、複数)を意味する。
【0029】
本明細書で使用されるように、2つ以上の部分が一緒に「結合」されるという記述は、部分が互いに直接接合されるか、または1つまたは複数の中間部分を介して接合されることを意味する。
【0030】
本明細書で使用されるように、文は、2つ以上の部分が「選択的に結合」されるという記述は、容易に元に戻すことができるように、部分が直接または1つまたは複数の中間部分を介して一緒に固定されることを意味する。
【0031】
開示された概念の例示的実施形態による回路遮断器10は、図1および図2に示される。回路遮断器10は、いくつかの適切な締結具16(たとえば、ネジであるが、これに限定されない)を介して成形ハウジングに選択的に結合された前面カバー14を有する成形ハウジング12を含む。開示された概念に従った例示的な実施形態では、ハウジング12はRosite 6060D Pantone432から形成され、前面カバー14は、Valox 3706 ANSI61から形成された。他の適切な材料が、開示された概念の範囲から逸脱することなく使用され得ることが、理解されるべきである。回路遮断器10は、前面カバー14内に画定された開口部22を介してアクセス可能な前面20を有するハウジング12に結合された取り外し可能なトリップユニット18(図3および図4に詳細に示されている)を含む。
【0032】
図3および図4を参照して、トリップユニット18の前面20はトリップユニットハウジング24の一部を形成し、トリップユニットハウジング24は、回路遮断器10の動作を制御するためにその中に配置された回路と関連要素(図示せず)を収容する。開示された概念による例示的な実施形態では、トリップユニットハウジング24は、ハウジング24上に配置された接着オーバーレイを有する前面20を有するSabic Valox 732Eから形成される。しかしながら、他の適切な材料が、開示された概念の範囲から逸脱することなく使用され得ることが、理解されるべきである。前面20は、トリップユニット18の1つまたは複数の特性を調整するためのいくつかの調整機構26(図4)を含む。調整機構26への選択的アクセスを可能にするために、アクセスドア30が、アクセスドア30が調整機構26へのアクセスを制限する閉位置(図1および図3に示す)、およびアクセスドアが、調整機構26へのアクセスを制限しない開位置(図2および図4に示す)の間でヒンジ軸42の周りを回転可能であるように、トリップユニット18はさらに、ヒンジアセンブリ40を介してトリップユニットハウジング24に回転可能に結合されたアクセスドア30を含む。開示された概念による例示的な実施形態では、アクセスドア30は、Sabic LEXAN 141Rクリアから形成される。しかしながら、他の適切な材料が、開示された概念の範囲から逸脱することなく使用され得ることが、理解されるべきである。
【0033】
図3および図4に、ならびに図5図9の追加の図面を続けて参照し、ヒンジアセンブリ40は、アクセスドア30の部分によって一部が形成され、トリップユニットハウジング24の部分によって一部が形成される。より具体的には、ヒンジアセンブリ40は、トリップユニットハウジング24内、またはその上に形成された、第1レセプタクル44および第2レセプタクル45を含む。図9の詳細図を参照すると、第1レセプタクル44は、42ヒンジ軸周りにほぼ半径距離rに配置された曲面47によって少なくとも一部が画定された主要部46を含む。第1レセプタクル44はさらに、主要部46から外側に延在し、ヒンジ軸42から延在し、トリップユニット18の前面20に平行に配置された基準平面Pに対してヒンジ軸42の周りに角度θ(図5)で配向されるほぼ中心基準線Cの周りに配置され、ヒンジ軸42がその中にある、開口部48を含む。開示された概念の例では、90°未満の角度θが不適当であることが判明した。開口部48は、主要部46から外側に延在し、第1レセプタクル44の最小開口幅wを画定するほぼ平行な表面によって画定される第1部分50を含む。開口部48が最小開口幅wより広くなるフレア部分52が、第1部分50から外側に延在する。第2レセプタクル45は、第1レセプタクル44とほぼ同様の形状および形態であり、したがって本明細書でさらに説明しない。第1および第2レセプタクル44および45の各々のこのような構成の一般的な目的は、以下でさらに詳細に説明する。開示された概念に従った例示的な実施形態において、第1レセプタクル44と第2レセプタクル45の各々は、0.060インチの最小開口幅wで形成され、曲面は、ヒンジ軸42から0.047インチの半径距離の距離rに配置され、そして主要部は、基準平面Pに対して135°に配置された中心基準線Cの周りに配置された。しかしながら、このような寸法に対し他の適切な値が、開示された概念の範囲から逸脱することなく使用され得ることが、理解されるべきである。
【0034】
第1および第2レセプタクル部44および45に加えて、ヒンジアセンブリ40は、さらに、トリップユニットハウジング24の部分と相互作用するアクセスドア30の対応する部分を含む。より具体的には、図3および図8を参照すると、ヒンジアセンブリ40は、アクセスドア30からヒンジ軸42に沿って第1の方向に延在する第1円筒形部材60と、第1方向とは反対の第2方向にヒンジ軸42に沿ってアクセスドア30から延在する第2円筒形部材62とを含む。第1および第2円筒形部材60および62の各々は、ほぼ同様の形状および構造を有し、図5の断面図に示すように、外径dにより全体的に画定される。図5図7および図9の断面図に示すように、ドア30が、閉位置(図1および図3に示す)および開位置(図2および図4に示す)の間で、ヒンジ軸42を中心にして、結合され、ほぼ自由に回転するように、第1円筒形部材60は、第1レセプタクル44の主要部46内に配置するようなサイズとする(そして、同様に、第2円筒形部材62は、第2レセプタクル45の対応する部分内に配置する)。本明細書で詳細には説明しないが、1つまたは複数の適切なラッチまたはロック機構(番号なし)は、開示された概念の範囲を変えることなく閉位置(図1および図3に示す)にアクセスドア30を固定するために設けられてもよいことを理解されたい。
【0035】
第1および第2円筒形部材60および62に加えて、アクセスドア30は、ヒンジアセンブリ40の部分である第1および第2円筒形部材60および62に隣接して配置された輪郭外表面70を有する厚肉部72をさらに含む。そのような特徴の機能を、以下に詳細に説明する。
【0036】
このようにヒンジアセンブリ40の基本的な構成要素および配置を説明したが、アセンブリおよびその潜在的な分解に関するこのような構成の利点を説明する。ヒンジアセンブリ40を組み立てるために(すなわち、アクセスドア30をトリップユニットハウジング24に結合する)、第1および第2円筒形部材60および62の各々は、まず、第1および第2レセプタクル44および45の対応する開口部(たとえば、48)と整列される。各レセプタクルのフレア部分(たとえば、52)は、それぞれの円筒形部材を対応する開口部内に芯出しするのを助ける。円筒形部材の両方が、それぞれのレセプタクルの開口部芯出しされると、円筒形部材の各々が、それぞれのレセプタクルの対応する主要部(たとえば、46)に「カチッと嵌まる(スナップする)」ように、円筒形部材の各々は、円筒形部材60および62のそれぞれの場所での、またはその近くでのアクセスドア30に適用される適切な力を加えることにより各開口部の第1部分(たとえば、を通って変位する。したがって、アクセスドア30は、通常、トリップユニットハウジング24に「スナップフィット」することを理解すべきである。
【0037】
アクセスドア30のスナップフィットされたアセンブリをトリップユニットハウジング24に提供することに加えて、ヒンジアセンブリ40はさらに、既知の構成が通常壊れてしまい、アクセスドアまたはトリップユニットハウジングの一方または両方の交換が必要となるような場合(全体トリップユニットの交換が必要となる)、ハウジング24またはドア30のいずれにも損傷を与えることなく、アクセスドア30がトリップユニットハウジング24から容易に取り外せるようにすることができる。前述のように、一般に障害が発生する場合とは、開位置に配置されている間、たとえば、技術者が、アクセスドアの近くに動いたり、アクセスドアを初めに閉じることなく回路遮断器の前面カバーをインストールしようとすることによって、アクセスドア30に接触した場合に容易に起こり得るような、トリップユニットのアクセスドアが、その意図された範囲を超えて開かれるときである。先に説明したように、図4および図6は、アクセスドア30が完全に開位置に配置された状態でのトリップユニット18を示している。そのような完全な開位置は、アクセスドア30の厚肉部72の外表面70がトリップユニットハウジング24の一部に対し負荷をうけるとき達し、そして、アクセスドア30は、ヒンジ軸30周りに閉位置(図5)から所定量範囲α(図6)に渡って回転されるとき起こる。
【0038】
図6の断面図を参照すると、アクセスドア30がそのような全開位置に配置されるとき、アクセスドア30に力(全体的に矢印Fで示す)が加えられる場合、第1レセプタクル44の主要部46内に位置決めされた第1円筒形部材60の位置に対して、厚肉部分72の外表面70とトリップユニットハウジング24との間の相互作用点(番号なし)は、第1円筒形部材60が、矢印Pで示すように、経路に沿って全般的に付勢される結果となる。経路Pが、開口部48の中心基準線Cに沿って一般に通過するとき、第1円筒形部材60は、このように一般に前述のスナップフィットアセンブリ工程と逆の方法(すなわち、円筒形部材60および62の一方または両方が、対応するレセプタクル44、45の第1開口部を通って外側に移動する。)で第1レセプタクル44から押し出される(同様に、第2円筒形部材62が第2レセプタクル45から押し出される)。このような動きを通じて、アクセスドア30は、アクセスドア30が、ヒンジアセンブリ40の任意の部分に損傷を与えることなくトリップユニットハウジング24から分離される結果となるように、トリップユニットハウジング24から容易にスナップフィットを解除する。図示された配置例では、そのようなスナップ結合解除は、アクセスドア30が、約190°の所定角度範囲αを超えて開かれ、完全に約195°で完全に結合解除されるとき、起こり始める。しかし、このようなスナップ結合解除のポイントは、アクセスドア30の厚肉部72の外表面70のプロファイルを変化させると共に、レセプタクルの開口部が中心にくる中心線Cの角度配置を変化させることによって特定の用途に適合するように調整することができることを理解されたい。
【0039】
図4および図6に関連して説明した機能とは対照的に、図7は、トリップユニット18の前面20が、前面カバーの開口部22内に配置されるように、前面カバー14が回路遮断器10のハウジング12に固定されるときの動作中の例示される実施形態の例を示す。アクセスドア30が、トリップユニットハウジング24に隣接する前面カバー14の存在により、より小さな所定の開口角度範囲α´(角度αと比較した場合、図6)に制限された全開位置に配置されたとき、(矢印Fによって通常再び示される)力がアクセスドア30にかかった場合、(トリップユニットハウジング24との相互作用とは対照的に)回路遮断器10の前面カバー14との厚肉部72の外表面70の相互作用は、第1円筒形部材60が矢印P´で示す経路に沿って一般に力を加えられる結果となる。通路P´が開口部48の中心基準線Cを通過せず、代わりに第1レセプタクル44の主要部46の曲面47に向かう傾向があるので、第1円筒形部材60は、第1レセプタクル44に保持される(同様に、第2円筒形部材62は第2受け部45に保持される)。したがって、アクセスドア30は、トリップユニットハウジング24から不所望にスナップ解除されることがない。
【0040】
前述の説明から、開示された概念が既存の配置よりも技術者が損傷させにくいアクセスドアを提供することを理解されたい。さらに、概念は単にトリップユニットの調整機構にアクセスしている回路遮断器のユーザによって分離されないのが望ましくないアクセスドアを提供する。
【0041】
開示された概念の例示的な実施形態は、トリップユニットのアクセスドアに関して示されているが、開示された概念は、アクセスドアまたは類似の構造の選択的結合解除が望ましい他のアプリケーションで使用されてもよいと考えられる。
【0042】
開示された概念の具体的な実施形態について詳細に説明してきたが、当業者は、これらの詳細の種々の変更および代替は、本開示の全体の教示に照らして発展させることができることを、理解するであろう。したがって、開示した個々の形態は、単に説明のためのものであり、添付のクレームの全範囲と、それらの任意およびすべての同等のものとが与えられる、本発明の概念の範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9