(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6755897
(24)【登録日】2020年8月28日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/40 20170101AFI20200907BHJP
A47B 88/49 20170101ALI20200907BHJP
【FI】
A47B88/12
A47B88/08
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-64204(P2018-64204)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-5548(P2019-5548A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2018年3月29日
(31)【優先権主張番号】106121325
(32)【優先日】2017年6月23日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】葉 至欣
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】
津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05671988(US,A)
【文献】
特開2000−037242(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3123193(JP,U)
【文献】
実開昭55−056140(JP,U)
【文献】
米国特許第04932792(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/40
A47B 88/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端及び後端を有する第1のレールと、
係合部を有する第2のレールと、
前記第1のレールに設けられる保持部材であって、該保持部材は前記第1のレールの後端に隣接して配置されるベースプレートと、該ベースプレートから延びる弾性区画と、該弾性区画に接続される保持区画とを有し、該保持区画は該弾性区画から所定の高さ突出している、保持部材と、
前記第1のレールと前記第2のレールとの間で可動に配置されるとともに、前記第1のレールに対する前記第2のレールの引き出し動作を延ばすための第3のレールと、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールの係合部は孔であり、
前記第2のレールは第1の端壁及び第2の端壁を有し、該第1の端壁及び該第2の端壁は共に前記孔を定義し、
前記保持部材の保持区画は第1の側及び第2の側を有し、該第1の側は前記第1の端壁に対応し、該第2の側は前記第2の端壁に対応し、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して引っ込め位置に位置している場合、前記第2のレールの係合部は前記保持部材の保持区画と係合し、該係合状態にある場合、前記係合部の第1の端壁及び第2の端壁は前記保持区画の第1の側及び第2の側とそれぞれ当接し、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から離れている場合、前記第2のレールの係合部と前記保持部材の保持区画との係合は外れており、
前記保持部材は前記ベースプレートから前記第1のレールの前端の方に突出する停止部を有し、該停止部は、前記第3のレールの後端に対応するとともに前記第3のレールが前記第1のレールに対して前記引っ込め位置に位置している場合に前記第3のレールを止めるように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第2のレールの第1の端壁及び前記保持部材の保持区画の第1の側の一方に配置される第1のガイド機構と、
前記第2のレールの第2の端壁及び前記保持部材の保持区画の第2の側の一方に配置される第2のガイド機構と、
をさらに含む、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のレールは一対の第1の側壁及び第1の中間壁を含み、該第1の中間壁は該一対の第1の側壁の間に配置されて該一対の第1の側壁の一方と該一対の第1の側壁の他方とを接続し、該一対の第1の側壁及び該第1の中間壁は共に第1の通路を定義し、
前記スライドレールアセンブリは、前記第1の通路内に配置されるとともに前記第1のレールの前記一対の第1の側壁に設けられる第1の摺動支援装置をさらに含み、
前記第1の摺動支援装置は、前記第1のレールに対する前記第3のレールの変位を促進するために複数の回転ボールを有する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記第3のレールは一対の第2の側壁及び第2の中間壁を含み、該第2の中間壁は該一対の第2の側壁の間に配置されて該一対の第2の側壁の一方と該一対の第2の側壁の他方とを接続し、該一対の第2の側壁及び該第2の中間壁は共に第2の通路を定義し、
前記スライドレールアセンブリは、前記第2の通路内に配置されるとともに前記第3のレールの前記一対の第2の側壁に設けられる第2の摺動支援装置をさらに含み、
前記第2の摺動支援装置は、前記第3のレールに対する前記第2のレールの変位を促進するために複数の回転ボールを有する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記保持部材は前記第1のレールの後端に隣接する位置に設けられ、前記保持部材はベースプレートを有し、該ベースプレートは前記第1のレールの後端に隣接する前記位置に固定されて設けられ、前記保持部材の弾性区画は該ベースプレートから延びている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記保持部材は金属材料でできた弾性部材である、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記保持部材は前記第1のレールの第1の中間壁に固定されて設けられている、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的には引っ込め位置(retracted position)で保持することができるスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライドレールアセンブリは、引き出し又はシャーシにおいて実施される少なくとも1つの2区画スライド(two section slide)を含む。2区画スライドは、引き出しをキャビネットから引き出すのを促進するために引き出しに設けられる。あるいは、2区画スライドはラックからシャーシを引き出すのを促進するためにシャーシに設けられる。この結果、キャビネット及びラックの維持及び利用が容易になる。
【0003】
引っ込め位置でスライドレールアセンブリを固定するために従来のロック機構が用いられている。動作時、引っ込め位置からスライドレールアセンブリのロックを解除するために解除機構がロック機構と協働する。そのため、スライドレールアセンブリは引っ込め位置から伸長位置に伸長することができる。しかしながら、解除機構と協働するロック機構を用いる上記のデザインは複雑であるとともにコストが高いという欠点がある。
【0004】
スライドレールアセンブリを引っ込め位置で固定する別の方法は、スライドレールアセンブリのレールの1つの端部に柔軟なクッション部材を設けることである。柔軟なクッション部材が設けられたレールに対して別のレールが引っ込められると、他方のレールが柔軟なクッション部材と擦れてスライドレールアセンブリが引っ込め位置で固定される。しかしながら、スライドレールアセンブリの引き出し及び引っ込めの数の増加に伴って柔軟なクッション部材の摩耗が増えて柔軟なクッション部材と他方のレールとの間の摩擦又は固定能力が低下する。したがって、スライドレールアセンブリの引っ込め位置における安定性が下がる。上述した柔軟なクッション部材を備えるスライドレールアセンブリのデザインは参考として特許文献1及び2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7086708号明細書
【特許文献2】米国特許第8152251号明細書
【特許文献3】米国特許第4469384号明細書
【特許文献4】米国特許第4932792号明細書
【特許文献5】米国特許第6126255号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は上記の欠点を解決するスライドレールアセンブリを提供する。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール及び保持部材を含む。第2のレールは係合部を有する。保持部材は第1のレールに設けられる。保持部材は弾性区画及び保持区画を有し、保持区画は該弾性区画から所定の高さ突出している。第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置に位置している場合、第2のレールの係合部は保持部材の保持区画と係合する。第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置から離れている場合、第2のレールの係合部と前記保持部材の保持区画との係合は外れている。
【0008】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る組み立てられた状態にあるスライドレールアセンブリの断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る、スライドレールアセンブリが引っ込め位置にある場合に保持部材と係合する係合部を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る、引っ込め位置から第1の位置に第2のレールが引き出された場合に保持部材の側部に当接する第2のレールの係合部を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る、第2のレールを引き出して変位させたことによって変形した保持部材を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る第2の位置に引き出された第2のレールを示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る、伸長位置から引っ込め位置に引っ込められたスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る、第2のレールが引っ込め方向の引っ込め位置に到達した場合に保持部材と当接する第2のレールの係合部を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る、第2のレールを引っ込めて変位したことにより変形した保持部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図4は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリ10を示す。スライドレールアセンブリ10は第1のレール12、第2のレール14及び保持部材18を含む。第2のレール14は係合部16を有する。保持部材18は第1のレール12に設けられている。保持部材18は弾性区画20及び保持区画22を有し、保持区画22は弾性区画20から高さh突出している。第2のレール14が第1のレール12に対して引っ込め位置に位置している場合、第2のレール14の係合部16は、第2のレール14が第1のレール12に対して引っ込め位置P1で維持されるように保持部材18の保持区画22と係合する。第2のレール14が第1のレール12に対して引っ込め位置P1から離れている場合、例えば、第2のレール14が第1のレール12から引き出された場合、
図7に示すように第2のレール14の係合部16と保持部材18の保持区画22との係合は外れている。
【0011】
好ましい実施形態では、
図2に示すように、第2のレール14の係合部16は孔であり得るが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0012】
好ましい実施形態では、
図4に示すように、第2のレール14は第1の端壁24a及び第2の端壁24bを有する。第1の端壁24a及び第2の端壁24bは共に係合部16を定義する。保持部材18の保持区画22は第1の側26a及び第2の側26bを有する。第1の側26aは第1の端壁24aに対応し、第2の側26bは第2の端壁24bに対応する。
【0013】
好ましい実施形態では、
図4に示すように、スライドレールアセンブリ10は第1のガイド構造を含み、第1のガイド構造は第2のレール14の第1の端壁24a及び保持部材18の保持区画22の第1の側26aの一方に配置される。本実施形態では、第1のガイド構造は第1の傾斜面(例えば面取り構造)又は弧面(例えば円形構造)であり、第1の傾斜面又は弧面は保持部材18の保持区画22の第1の側26aに配置される。
【0014】
好ましい実施形態では、
図4に示すように、スライドレールアセンブリ10は第2のガイド構造をさらに含み、第2のガイド構造は第2のレール14の第2の端壁24b及び保持部材18の保持区画22の第2の側26bの一方に配置されている。本実施形態では、第2のガイド構造は第2の傾斜面(例えば面取り構造)又は弧面(例えば円形構造)であり、第2の傾斜面又は弧面は保持部材18の保持区画22の第2の側26bに配置される。
【0015】
好ましい実施形態では、
図2〜
図4に示すように、スライドレールアセンブリ10は第3のレール28をさらに含む。第3のレール28は第1のレール12と第2のレール14との間で可動に配置される。第3のレール28は第1のレール12に対する第2のレール14の引き出し動作を延ばすためのものである。即ち、本実施形態では、第3のレール28は第1枢軸部のレール12に配置されるとともに第1のレール12に対して摺動可能であり、第2のレール14は第3のレール28に配置されるとともに第3のレール28に対して摺動可能である。そのため、第1のレール12から第2のレール14を引き出すプロセスの間、第3のレール28は第1の引き出し動作により第1のレール12から引き出され、第2のレール14は第2の引き出し動作により第3のレール28から引き出される。その結果、第3のレール28によって第2のレール14と第1のレール12との間で2区画引き出し動作ができるようになり、第1のレール12に対する第2のレール14の引き出し動作を延ばすことができる。
【0016】
好ましい実施形態では、
図2及び
図3に示すように、第1のレール12は一対の第1の側壁30及び第1の中間壁32を含む。第1の中間壁32は一対の第1の側壁30の間に配置され、一対の第1の側壁30の一方を一対の第1の側壁30の他方に接続する。一対の第1の側壁30及び第1の中間壁32は共に第1の通路34を定義する。スライドレールアセンブリ10は第1の摺動支援装置36をさらに含む。第1の摺動支援装置36は第1の通路34に配置されるとともに第1のレール12の一対の第1の側壁30に設けられる。第1の摺動支援装置36は第1のレール12に対する第3のレール28の変位を促進するために複数の回転ボールを有する。
【0017】
好ましい実施形態では、
図2及び
図3に示すように、第3のレール28は一対の第2の側壁38及び第2の中間壁40を含む。第2の中間壁40は一対の第2の側壁38の間に配置され、一対の第2の側壁38の一方を一対の第2の側壁38の他方に接続する。一対の第2の側壁38及び第2の中間壁40は共に第2の通路42を定義する。スライドレールアセンブリ10は第2の摺動支援装置44をさらに含む。第2の摺動支援装置44は第2の通路42に配置され、第3のレール28の一対の第2の側壁38に設けられる。第2の摺動支援装置44は第3のレール28に対する第2のレール14の変位を促進するために複数の回転ボールを有する。加えて、第3のレール28の前端には停止ベース46が固定配置されている。停止ベース46は第2の摺動支援装置44が第3のレール28から離れるのを防止するためのものである。
【0018】
好ましい実施形態では、
図2に示すように、第1のレール12は前端48a及び後端48bを有する。保持部材18はベースプレート50を有する。ベースプレート50は第1のレール12の後端48bに隣接する位置に固定設置される。保持部材18の弾性区画20はベースプレート50から延びる。保持部材18は第1のレール12の第1の中間壁32に固定されて設けられることが好ましい。
【0019】
好ましい実施形態では、
図2に示すように、保持部材18は金属材料でできた弾性部材である。
【0020】
好ましい実施形態では、
図2及び
図4に示すように、保持部材18は停止部52を有する。停止部52は第3のレール28の後端に対応する。第3のレール28が第1のレール12に対して引っ込め位置P1に位置している場合、停止部52は第3のレール28を引っ込め位置P1で止めるためのものである。
【0021】
図4に示すように、第2のレール14が第1のレール12に対して引っ込め位置P1に位置している場合、保持部材18の保持区画22は第2のレール14の係合部16内に弾性的に突入する。そのため、保持部材18の保持区画22は第2のレール14の第1の端壁24a及び第2の端壁24bと係合する。その間、第2のレール14は引っ込め位置P1にしっかり固定することができるため、第2のレール14を第1のレール12に対して引っ込められた状態で固定して維持することができる。
【0022】
図5〜
図7に示すように、第2のレール14が引っ込め位置P1から引き出されて第1のレール12に対して第1の方向D1に変位されると、保持部材18の保持区画22の第2の側26bは第2のレール14の第2の端壁24bによって押圧される。保持部材18の弾性区画20が変形することで保持部材18の保持区画22は第2のレール14の係合部16から離れることができる。その結果、第2のレール14を構造的な制約なしに第1のレール12に対して第1の方向D1に変位させることができる。
【0023】
図8〜
図10に示すように、第2のレール14が第1のレール12に対して伸長位置P2から引っ込め位置P1に第2の方向D2に変位されると、保持部材18の保持区画22の第1の側26aが第2のレール14の第2の端壁24bによって押圧される。保持部材18の弾性区画20は弾性区画20の変形により弾性ポテンシャルを蓄積する。保持部材18の保持区画22が第2のレール14の係合部16が位置する場所に動かされると、保持部材18の弾性区画20は弾性ポテンシャルを放って弾性復元力を生成する。弾性復元力は、
図4に示すように保持部材18の保持区画22が第2のレール14の係合部16内に突入して係合部16と係合できるようにする。その結果、第2のレール14を第1のレール12に対して引っ込め位置P1で固定でき、引っ込められた状態で固定して維持することができる。
【0024】
弾性区画20は、
図5及び
図6に示すように第1の弾性部201、第2の弾性部202及び枢軸部(pivotal portion)203を含むことができる。第1の弾性部201はベースプレート50及び枢
軸部203を接続する。第2の弾性部202は枢軸部203及び第1の側26aを接続する。第2のレール14が引っ込め位置P1から引き出され、第1のレール12に対して第1の方向D1に変位すると、保持部材18の保持区画22の第2の側26bは第2のレール14の第2の端壁24bによって押圧される。そのため、保持区画22は枢軸部203を中心に回転して係合部16から離れる。
【0025】
実際の用途では、弾性区画20の枢軸部203と保持区画22の第2の側26bとの間の距離を第1のフォースアームA1と定義できる。
図5及び
図6に示すように、保持部材18の保持区画22の第2の側26bが第2のレール14の第2の端壁24bによって押圧されると、保持区画22が枢軸部203に枢動されてベースプレート50の方に回転する。即ち、第1のフォースアームA1は保持区画22が枢軸部203を中心に回転するフォースアームとして見なすことができる。保持部材18の硬さは一定であるため、第1のレール12から引き出すために第2のレール14に加えられる力は第1のフォースアームA1の長さの設計により調節できる。
【0026】
図7及び
図8に示すように、第2のレール14が第1のレール12に対して伸長位置P2から引っ込め位置P1に第2の方向に変位されると、保持部材18の保持区画22の第1の側26aは第2のレール14の第2の端壁24bによって押圧される。そのため、保持区画22は枢軸部203を中心にベースプレート50の方に回転し、第2のレール14を引っ込め位置P1に動かすことができる。
【0027】
実際の用途では、弾性区画20の枢軸部203と保持区画22の第1の側26aとの間の距離を第2のフォースアームA2と定義できる。
図7及び
図8に示すように、保持部材18の保持区画22の第1の側26aが第2のレール14の第2の端壁24bによって押圧されると、保持区画22は枢軸部203に枢動されてベースプレート50の方に回転する。即ち、第2のフォースアームA2は保持区画22が枢軸部203を中心に回転するフォースアームと見なすことができる。保持部材18の硬さは一定であるため、伸長位置P2から第1のレール12内に引っ込めるために第2のレール14に加えられる力は第2のフォースアームA2の長さの設計により調節できる。
【0028】
加えて、
図7及び
図8に示すように、弾性区画20の第1の弾性部201に押圧支援構造204が配置されている。押圧支援構造204は、第2のレール14が弾性区画20を第2の方向に通過できるように保持区画22が第2の端壁24bによって押圧されるのを促進する。本実施形態では、押圧支援構造204は傾斜構造(即ち、面取り構造)であり得るが、本発明はそのような構成に限定されない。例えば、押圧支援構造204は円弧構造(即ち、円形構造)であってもよい。これらの設計のうちのどちらを採用するかは実際の要件に依る。
【0029】
従来技術に比べて、本発明のスライドレールアセンブリは下記のような利点を有する。
【0030】
1)スライドレールアセンブリが引っ込め位置にある場合に、保持部材はスライドレールアセンブリを引っ込められた状態で固定して維持することを可能にする。
【0031】
2)保持部材は弾性係合を採用するため、従来技術に比べて安定性及び信頼性の点で優れている。
【0032】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0033】
10 スライドレールアセンブリ
12 第1のレール
14 第2のレール
16 係合部
18 保持部材
20 弾性区画
22 保持区画
24a 第1の端壁
24b 第2の端壁
26a 第1の側
26b 第2の側
28 第3のレール
30 第1の側壁
32 第1の中間壁
34 第1の通路
36 第1の摺動支援装置
38 第2の側壁
40 第2の中間壁
42 第2の通路
44 第2の摺動支援装置
46 停止ベース
48a 前端
48b 後端
50 ベースプレート
52 停止部