(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーは、薄膜、コーティングされた支持材料、ナノロッド、微粒子、及び繊維から選択される形態を有する、請求項1又は2に記載の方法。
前記混合物の並流用に前記接触器と共に配置された第2の接触器、第2の接触器の第2の入口への分流器又は第2の混合物フィード、を更に含む装置であって、前記第2の接触器は第2の内部容積空間を画定し、前記第2の内部容積空間を介して前記第2の入口と流体連通した第2の出口を有し、前記第2の接触器の前記第2の内部容積空間は、前記非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーと同一又は異なることができる第2の非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを含有し、前記装置の操作中、前記揮発性成分及び少なくとも1種の他の成分を含む前記混合物は、前記第2の入口を通って前記第2の接触器に入り、前記第2の非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーと接触することにより、前記揮発性成分の少なくとも一部が前記第2の非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーにより収着され、除去処理した混合物が前記第2の出口を通って前記第2の接触器から出るようにした、請求項8に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
方法の工程
揮発性成分及び少なくとも1種の他の成分を含む混合物中において、揮発性成分を除去処理するための方法により、除去処理した混合物が形成され、この除去処理した混合物は、本方法を実行する前の混合物よりも少ない揮発性成分を含有する。本方法は、
1)揮発性成分の少なくとも一部を、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーのバルク中に収着させることにより、除去処理した混合物を形成し、収着した揮発性成分を有する非多孔質架橋エラストマーを増強処理し、これにより増強処理した架橋エラストマーを形成する工程であって、工程1)の際に、揮発性成分の少なくとも一部は気相中にある、工程と、
2)増強処理した架橋エラストマーから揮発性成分の少なくとも一部を脱着することにより、脱着した揮発性成分及び再生したエラストマーを形成する工程と、
3)再生したエラストマーを、繰り返す工程1)にて非多孔質架橋エラストマーの全部分又は一部分として使用する工程と、
4)工程1)後の除去処理した混合物、及び工程2)後の脱着した揮発性成分の、一方又は両方を所望の場所に配分する工程と、を含む。
【0008】
方法の工程1)において、方法の条件(例えば圧力及び温度)は、揮発性成分の少なくとも一部が気相中にあるものである。条件は、混合物が加熱されるようなものであってもよい。加熱のための温度は、揮発性成分の沸点を上回ってよい。あるいは、少なくとも一部の(あるいは全ての)揮発性成分が気相となるように温度が選択される。あるいは、本方法は、工程1)の前に混合物を蒸発させることを更に含んでよい。混合物は、加熱(例えば、混合物の沸点を上回る)などの任意の好都合な手段により蒸発させてよい。理論に束縛されるものではないが、混合物中の揮発性成分の分圧が、非多孔質架橋エラストマー中の揮発性成分の分圧を上回るならば、揮発性成分を非多孔質架橋エラストマーのバルク中に物質移動させるための十分なドライビングフォース(推進力)が存在すると考えられる。
【0009】
混合物は、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマー(「本エラストマー」)と、本エラストマーが、混合物から揮発性成分の少なくとも一部を本エラストマーのバルクに収着させるのに十分な時間の間接触してよい。混合物は、工程1)にて本エラストマーと直接、すなわち、メンブレンを使用することなく接触してよい。混合物は液体であってよく、揮発性成分の少なくとも一部は気相中にある。あるいは、混合物は工程1)の際気相中にあってよい。
【0010】
方法の工程2)を実施して、本エラストマーを再生することができる。本エラストマーが揮発性成分を収着するにつれ、収着速度は低下し得、かつ/又は本エラストマーが膨潤し得る。本エラストマーのバルクから揮発性成分の少なくとも一部を脱離させることによって、本エラストマーの再生及び再使用が可能であることが好ましい。工程2)の際及び/又は後で、揮発性成分を任意に回収してよい。本エラストマーの再生は、方法の工程1)を停止して本エラストマーを再生した後で、工程2)の後に工程1)を繰り返すことにより実施することができる。あるいは、増強処理した架橋エラストマーで工程2)を実施する際に、混合物を経路変更して、工程1)を継続してよい。本方法の例を
図1で以下に示す。
【0011】
増強処理した架橋エラストマーの再生は、任意の好都合な方法、例えば、場合により増強処理した架橋エラストマーと接触した乾燥空気のガス流又は不活性ガス流によりスイープしながら加熱することにより実施してよい。増強処理した架橋エラストマーを減圧(例えば大気圧未満)にさらすこと、及び/又は増強処理した架橋エラストマーを、揮発性成分を除去処理したスイープ流と接触させることにより、低温(例えば25℃以下の室温)にて脱着させることも可能である。あるいは、増強処理した架橋エラストマーを膨潤させて、又は膨潤させることなく、溶媒にさらすこともまた用いて、増強処理した架橋エラストマーを再生することができる。あるいは、液体抽出、例えば溶媒又は超臨界流体抽出を使用して、増強処理した架橋エラストマーを再生することができる。本方法は、再生したエラストマーを再利用して工程1)を繰り返し得る、工程3)を更に含む。工程1)の繰り返しで使用する非多孔質架橋エラストマーは、全て再生されたエラストマーであってよく、あるいは、工程1)を繰り返すのに使用する非多孔質架橋エラストマーの一部分が再生したエラストマーであり、残部は新しい非多孔質架橋エラストマーであってよい。
【0012】
本方法は、工程1)の際及び/又は後に除去処理した混合物、並びに工程2)の際及び/又は後に脱着した揮発性成分の、一方又は両方を所望の場所に配分すること、を更に含む。配分することは、任意の好都合な手段、例えば、除去処理した混合物を、流路(例えばパイプ、ダクト、又は他の導管)を通して所望の場所に供給すること(例えば回収操作)により実施してよい。回収操作には冷却装置、例えば熱交換器又は冷却管を含むことができる。回収操作には、除去処理した混合物を貯蔵するためのタンク、リザーバ、若しくは他の容器、及び/又は揮発性成分を貯蔵するためのタンクなどの回収装置を含むことができる。あるいは、例えば、除去処理した混合物を反応物質として使用する場合に、除去処理した混合物を異なる操作に配分してよい。あるいは、揮発性成分を反応物質として使用する場合、揮発性成分を異なる操作に配分してよい。あるいは、除去処理した混合物及び揮発性汚染物質の一方又は両方を回収容器に配分してよい。
【0013】
例えば、本方法を使用して、揮発性成分の混合物を精製する場合である。除去処理した混合物は、任意の好都合な手段(例えば、混合物を加熱する、及び/又は混合物が気相中にある場合に、除去処理した混合物を、流路(例えばパイプ、ダクト、又は他の導管)を通して熱交換器又は冷却管に供給し、この中で冷却すること)により回収され得る、及び/又は配分され得る精製した混合物である。
【0014】
あるいは、精製した混合物の回収には、精製した混合物を冷却管(上述)から、精製した混合物を反応物質又は溶媒として使用する異なる反応器に供給することを含んでよい。あるいは、精製した混合物がポリオルガノシロキサン(環式ポリオルガノシロキサン揮発性汚染物質を非含有)を含む場合、精製した混合物は、試験、パッケージ化、及び/若しくは販売される回収容器に配分され得るか、又は、精製した混合物は異なるプロセスに配分され、ポリオルガノシロキサン含有生成物の作製において反応物質若しくは他の成分として使用され得る。
【0015】
あるいは、混合物が廃水であり、除去処理した混合物が精製水である場合、精製水は、精製水を試験プロセス、又は環境に供給すること(例えばポンピング)により配分されてよい。あるいは、混合物が空気であり、除去処理した混合物が精製空気(例えば除湿した空気)である場合、精製ガスは、配管を経由したブローイング又はポンピングにより、空調システム又は換気システム内に配分されてよい。工程1)の際及び/又は後に除去処理した混合物、並びに工程2)の際及び/又は後に脱着した揮発性成分の、一方又は両方が配分される導管はまた、搬送装置(例えばポンプ、ファン、通風機、押出成形機、配合機、及びバルブ)と共に、インライン監視試験装置、例えばゲージ、メーター及びセンサを含有してよいと理解される。
【0016】
揮発性成分は、任意の好都合な手段により回収することができる。例えば、増強処理した架橋エラストマーを、上述したとおりに乾燥ガス流でスイープすることにより再生する場合、揮発性成分を含有するガス流は、冷却管を通して揮発性成分を回収するように配分してよい。あるいは、溶媒を使用して増強処理した架橋エラストマーを再生する場合、溶媒を留去、抽出、又は蒸留するための装置に揮発性成分を配分してよい。あるいは、揮発性成分を配分することは、冷却管(上述)からの揮発性成分、又は揮発性成分を含有する溶媒を、揮発性成分を反応物質として使用する異なる反応器に供給することを含んでよい。
【0017】
揮発性成分
揮発性成分は、混合物から望ましく取り除かれる任意の種であってよい。本明細書に記載する方法において、揮発性成分は、70℃で0.1mmHg〜70℃で760mmHg、あるいは、70℃で1mmHg〜70℃で100mmHg、あるいは、70℃で4mmHg〜82mmg、あるいは70℃で17mmHg〜70℃で82mmHgの蒸気圧を有してよい。方法の工程1)により形成される生成物は除去処理した混合物であり、上記除去処理した混合物は揮発性成分を非含有であるか、又は工程1)の前の混合物よりも少ない揮発性成分を含有する。「非含有である」とは、除去処理した混合物が、揮発性成分を全く含有しないか、又はGC分析により検出できない量の揮発性成分を含有することを意味する。
【0018】
揮発性成分は、重合度(「DP」)が3〜12の環式ポリオルガノシロキサンであってよく、あるいは、揮発性成分は平均DPが4の環式ポリジアルキルシロキサンであってよい。環式ポリオルガノシロキサンは、式(R
11R
12SiO
2/2)
k[式中、下付き文字kは3〜12であり、各R
11は独立して一価の炭化水素基又は一価のハロゲン化炭化水素基であり、各R
12は独立してR
11、OH、又はHである。]を有してよい。好適な一価の炭化水素基としてはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及び炭素環式基が挙げられる。アルキル基としては、分枝鎖又は非分枝鎖の飽和一価炭化水素基が挙げられ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル及び/又はn−プロピル)、ブチル(例えばイソブチル、n−ブチル、tert−ブチル、及び/又はsec−ブチル)、ペンチル(例えばイソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル、並びに、6個以上の炭素原子の分枝鎖飽和一価炭化水素基が例示されるが、これらに限定されない。アルケニル基は、二重結合を含有する一価の炭化水素基である。R
11の好適なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル(例えばiso−プロペニル及び/又はn−プロペニル)、ブテニル(例えばイソブテニル、n−ブテニル、tert−ブテニル、及び/又はsec−ブテニル)、ペンテニル(例えばイソペンテニル、n−ペンテニル、及び/又はtert−ペンテニル)、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、及びデセニル、並びに、6個以上の炭素原子の、このような分枝鎖基が例示されるが、これらに限定されない。アルキニル基は、三重結合を含有する一価の炭化水素基である。R
11の好適なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル(例えばiso−プロピニル及び/又はn−プロピニル)、ブチニル(例えばイソブチニル、n−ブチニル、tert−ブチニル、及び/又はsec−ブチニル)、ペンチニル(例えばイソペンチニル、n−ペンチニル、及び/又はtert−ペンチニル)、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、及びデシニル、並びに、6個以上の炭素原子の、このような分枝鎖基が例示されるが、これらに限定されない。アリール基としては、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル、及びナフチルにより例示されるがこれらに限定されない、環式の完全不飽和炭化水素基が挙げられる。単環式アリール基は、5〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜17個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。アラルキル基は、側枝及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又は側枝アルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基としては、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。炭素環式基は炭化水素環である。炭素環式基は単環式であってよく、あるいは、縮合環、ブリッジ環、又はスピロ多環式環を有してよい。単環式炭素環式基は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有していてよい。多環式炭素環式基は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有していてよい。炭素環は、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。炭素環式基は、飽和したシクロアルキル基であってよい。好適な単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルにより例示される。好適な一価のハロゲン化炭化水素基とは、炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、式としてはハロゲン原子で置換されている一価の炭化水素基を意味する。ハロゲン化炭化水素基としては、ハロアルキル基、ハロゲン化炭素環式基、及びハロアルケニル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル(CF
3)、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−へプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルなどのフッ素化アルキル基、並びにクロロメチル及び3−クロロプロピルなどの塩素化アルキル基が挙げられる。ハロゲン化炭素環式基としては、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルなどのフッ素化シクロアルキル基;並びに、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルなどの塩素化シクロアルキル基が挙げられる。ハロアルケニル基としては、クロロアリル基が挙げられる。あるいは、揮発性成分は環式ポリジオルガノハイドロジェンシロキサンであってよい。揮発性成分は、(i)ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D
3)、(ii)オクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)、(iii)テトラメチルシクロテトラシロキサン(D
4H)、(iv)テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(D
4Vi)、(v)テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン(D
4Ph)、(vi)デカメチルシクロペンタシロキサン(D
5)、(vii)ペンタメチルシクロペンタシロキサン(D
5H)、(viii)ペンタメチルペンタビニルシクロペンタシロキサン(D
5Vi)、(ix)ペンタメチルペンタフェニルシクロペンタシロキサン(D
5Ph)、(x)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D
6)、(xi)ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン(D
6H)、(xii)ヘキサメチルヘキサビニルシクロヘキサシロキサン(D
6Vi)、(xiii)ヘキサメチルヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン(D
6Ph)、又は(xiv)(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)、(x)、(xi)、(xii)、及び(xiii)の2つ以上の組み合わせを含んでよい。あるいは、揮発性成分は、D
3、D
4、D
5、D
6、並びにD
3、D
4、D
5、D
6の2つ以上の組み合わせから選択してよい。あるいは、揮発性成分はD
4であってよい。
【0019】
あるいは、揮発性成分は、DPが1〜14のオルガノシラン又はポリオルガノシロキサンであってよい。オルガノシランは、式R
1vSiR
2(4−v)[式中、各R
1は独立して一価の炭化水素基又は一価のハロゲン化炭化水素基であり、各R
2は独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシなどの炭化水素オキシ基、アミノ官能基、アセトキシなどのアシルオキシ基、エポキシ官能基、メタクリレート官能基、ケトキシムなどのオキシモ官能基、アクリレート官能基、ポリエーテルなどのポリオール官能基、チオール官能基であり、下付き文字vは0〜4、あるいは0〜3である。]を有してよい。
【0020】
R
1の好適な一価の炭化水素基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及び炭素環式基が挙げられる。アルキル基としては、分枝鎖又は非分枝鎖の一価の炭化水素基が挙げられ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル及び/又はn−プロピル)、ブチル(例えばイソブチル、n−ブチル、tert−ブチル、及び/又はsec−ブチル)、ペンチル(例えばイソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル、並びに、6個以上の炭素原子の分枝鎖飽和一価炭化水素基が例示されるが、これらに限定されない。アルケニル基は、二重結合を含有する一価の炭化水素基である。R
1の好適なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル(例えばiso−プロペニル及び/又はn−プロペニル)、ブテニル(例えばイソブテニル、n−ブテニル、tert−ブテニル、及び/又はsec−ブテニル)、ペンテニル(例えばイソペンテニル、n−ペンテニル、及び/又はtert−ペンテニル)、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、及びデセニル、並びに、6個以上の炭素原子の、このような分枝鎖基が例示されるが、これらに限定されない。アルキニル基は、三重結合を含有する一価の炭化水素基である。R
1の好適なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル(例えばiso−プロピニル及び/又はn−プロピニル)、ブチニル(例えばイソブチニル、n−ブチニル、tert−ブチニル、及び/又はsec−ブチニル)、ペンチニル(例えばイソペンチニル、n−ペンチニル、及び/又はtert−ペンチニル)、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、及びデシニル、並びに、6個以上の炭素原子の、このような分枝鎖基が例示されるが、これらに限定されない。アリール基としては、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル、及びナフチルにより例示されるがこれらに限定されない、環式の完全不飽和炭化水素基が挙げられる。単環式アリール基は、5〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜17個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。アラルキル基は、側枝及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又は側枝アルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基としては、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。炭素環式基は炭化水素環である。炭素環式基は単環式であってよく、あるいは、縮合環、ブリッジ環、又はスピロ多環式環を有してよい。単環式炭素環式基は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有していてよい。多環式炭素環式基は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有していてよい。炭素環は、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。炭素環式基は、飽和したシクロアルキル基であってよい。好適な単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルにより例示される。好適な一価のハロゲン化炭化水素基とは、炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、式としてはハロゲン原子で置換されている一価の炭化水素基を意味する。ハロゲン化炭化水素基としては、ハロアルキル基、ハロゲン化炭素環式基、及びハロアルケニル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル(CF
3)、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−へプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルなどのフッ素化アルキル基、並びにクロロメチル及び3−クロロプロピルなどの塩素化アルキル基が挙げられる。ハロゲン化炭素環式基としては、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルなどのフッ素化シクロアルキル基;並びに、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルなどの塩素化シクロアルキル基が挙げられる。ハロアルケニル基としては、クロロアリル基が挙げられる。
【0021】
R
2の好適なハロゲン原子としては、F、Cl、Br、又はI、あるいは、F、Cl、又はBr、あるいは、Cl、又はBr、あるいは、Cl、あるいはBrが挙げられる。R
2の好適な炭化水素オキシ基は式OR
3[式中、R
3はR
1に関して上述したとおりの一価の炭化水素基である。]を有する。下付き文字vは1〜4、あるいは1〜3、あるいは1〜2である。例示的なオルガノシランとしては、トリメチルシラン、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、及び/又はメチルトリメトキシシランが挙げられる。
【0022】
揮発性ポリオルガノシロキサンは直鎖又は分枝鎖であってよい。例としては、ポリジメチルシロキサンオリゴマー及びポリマーが挙げられる。揮発性ポリオルガノシロキサンは、単位式(R
43SiO
1/2)
w(R
42SiO
2/2)
x(R
4SiO
3/2)
y(SiO
4/2)
z[式中、R
4は水素原子、OH、又は上述したとおりのR
1であり、下付き文字wは>0であり、下付き文字xは≧0であり、下付き文字yは≧0であり、下付き文字zは≧0であり、ただし数量(w+x+y+z)は≦14である。]を有することができる。あるいは、yは0であってよい。あるいは、zは0であってよい。あるいは、wは2であってよく、xは0〜12、あるいは0〜2であってよい。例示的な揮発性ポリオルガノシロキサンとしては、式(R
43SiO
1/2)
2(R
42SiO
2/2)
2、(R
43SiO
1/2)
2(R
42SiO
2/2)
1、(R
43SiO
1/2)
2、及び/又は(R
43SiO
1/2)
4(SiO
4/2)
1のものを挙げることができる。あるいは、各R
4は独立して水素原子、メチル基、ビニル基、又はフェニル基であってよい。あるいは、各R
4はメチルであってよい。このような揮発性ポリオルガノシロキサンとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、及び他の低分子量ポリオルガノシロキサン(例えば、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A)から市販されている、0.5〜1.5cStのDow Corning(登録商標)200Fluids及びDow Corning(登録商標)OS FLUIDS)が挙げられる。
【0023】
あるいは、揮発性成分は揮発性有機化合物(VOC)であってよい。VOCは、(i)アルデヒド(例えばホルムアルデヒド又はアセトアルデヒド)、(ii)芳香族化合物、(iii)アルカン又はシクロアルカン、(iv)アルケン、(v)アルキン、又は(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)の2つ以上の組み合わせであってよい。芳香族化合物の例としては、芳香族炭化水素(例えばトルエン、ベンゼン、及び/又はキシレン)が挙げられる。アルカンの例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及び/若しくはこれらの異性体、シクロヘキサン、並びに/又はこれらの組み合わせが挙げられる。アルケンの例としては、エチレン、プロペン、ブテン、ペンテン、及び/若しくはこれらの異性体、並びに/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
あるいは、VOCは有機溶媒であってもよい。有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンなどのケトン;ベンゼン、トルエン、又はキシレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテルなどのエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、又はメチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル;テトラヒドロフラン;ホワイトスピリット;ミネラルスピリット;ナフサ;n−メチルピロリドン;ハロゲン化炭化水素などのハロゲン化揮発性有機化合物、例えばクロロフルオロカーボン(フレオンなど)、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせであることができる。
【0025】
あるいは、VOCは、重合又は架橋で使用する有機モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエン、イソプレン、ビニルクロライド、ビニルアセテート、フッ化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)、アクリレート及びメタクリレートモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シアノアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラフルオロエチレン、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート)、イソシアネート(例えばメチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ホスゲン)、アミン化合物(例えばエチレンジアミン)、エポキシ化合物(例えばオリゴマー液状エポキシ樹脂)であってよい。VOCはまた、石油由来の燃料又は燃料混合物、例えばディーゼル燃料、ジェット燃料又はガソリンであってよい。あるいは、VOCは、有機硫黄化合物などの、有害の、又は臭気を引き起こす有機化合物であってよい。あるいは、揮発性成分はCO
2であってよい。
【0026】
あるいは、揮発性成分は無機化合物であってよい。例えば、本明細書に記載する方法を、混合物を乾燥させるために使用する場合、揮発性成分は水蒸気であってよい。あるいは、無機化合物は、(i)クロラミン、(ii)H
2S、(iii)SO
x、(iv)NO
x、並びに、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)の2つ以上の組み合わせであってよい。
【0027】
混合物
混合物は、上述したとおりに、揮発性成分の一部又は全てを取り除くのが望ましい任意の混合物であってよい。混合物は、揮発性成分及び少なくとも1種の他の成分を含む。揮発性成分は、混合物中の少なくとも1種の他の成分の蒸気圧未満の蒸気圧を有してよい。特定の実施形態において、揮発性成分は、非多孔質架橋エラストマー中での、蒸気の相対圧力によって、又は、揮発性成分の溶解度と少なくとも1種の他の成分の溶解度との差によって、混合物中の少なくとも1種の他の成分と区別することができる。例えば、一実施形態において、混合物中の他の成分が、直鎖ポリジメチルシロキサンよりも低い蒸気圧を有する場合、直鎖ポリジメチルシロキサンなどの種は、揮発性成分であることができる。あるいは、揮発性成分が例えば、直鎖ポリジメチルシロキサンの蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する有機溶媒である場合、同じ直鎖ポリジメチルシロキサンが、混合物中の他の成分であることができる。理論に束縛されるものではないが、蒸気圧の差(揮発性成分が、混合物中の少なくとも1種の他の成分よりも高い蒸気圧を有する場合)、又は、非多孔質架橋エラストマー中における、揮発性成分の溶解度と、混合物中の少なくとも1種の他の成分との溶解度の差によって、蒸気相の揮発性成分が優先的に混合物から取り除かれ、非多孔質架橋エラストマー中に収着することができると考えられる。
【0028】
少なくとも1種の他の成分は、相対的に不揮発性のポリオルガノシロキサンであってよい(例えば、揮発性成分について上述したポリオルガノシロキサンよりも揮発性が低い)。不揮発性のポリオルガノシロキサンは、単位式(R
43SiO
1/2)
p(R
42SiD
2/2)q(R
4SiO
3/2)
r(SiO
4/2)
s[式中、R
4は上述したとおりであり、Dは酸素原子又は二価の炭化水素基であり、下付き文字pは>0であり、下付き文字qは>0であり、下付き文字rは≧0であり、下付き文字sは≧0であり、ただし数量(p+q+r+s)>14である。]を有することができる。各Dは、酸素原子、又は、1つの単位のケイ素原子を別の単位中の別のケイ素原子と結合する二価の基である。Dが二価の結合基である場合、Dは、2〜30個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基、2〜30個の炭素原子を含有する二価のアクリレート官能性炭化水素基、及び/又は2〜30個の炭素原子を含有する二価のメタクリレート官能性炭化水素基から独立して選択されてよい。好適な二価の炭化水素基の代表的な非限定例としては、アルキレン基、例えばエチレン、プロピレン(イソプロピレン及びn−プロピレンを含む)、並びにブチレン(n−ブチレン、t−ブチレン、及びイソブチレンを含む);並びにペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、並びにこれらの分枝鎖及び直鎖異性体;フェニレンなどのアリーレン基;並びに
【0030】
などのアルキルアラルキレン基が挙げられる。
【0031】
このような二価の有機官能性炭化水素基の代表的な非限定例としては、二価のビスフェノールA誘導基、アクリレート官能性アルキレン基、及びメタクリレート官能性アルキレン基が挙げられる。あるいは、各基Dは、エチレン、プロピレン、ブチレン又はヘキシレンであってよい。あるいは、基Dの各例はエチレン又はプロピレンであってよい。不揮発性ポリオルガノシロキサンは当技術分野において既知であり、市販されている。好適な不揮発性ポリオルガノシロキサンは、不揮発性ポリジメチルシロキサンにより例示されるが、これに限定されない。このような不揮発性ポリジメチルシロキサンとしては、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されているDOW CORNING(登録商標)200Fluidsが挙げられ、10cSt〜100,000cSt、あるいは20cSt〜50,000cSt、あるいは50cSt〜100,000cSt、あるいは50cSt〜50,000cSt、あるいは12,500〜60,000cStの範囲の粘度を有することができる。本明細書に記載する方法を使用して、揮発性ポリオルガノシロキサンを不揮発性ポリオルガノシロキサンから取り除く際、揮発性ポリオルガノシロキサンは、同一温度にて不揮発性ポリオルガノシロキサンの蒸気圧より低い蒸気圧を有する。不揮発性ポリオルガノシロキサン及び揮発性ポリオルガノシロキサンは互いに、少なくとも1つの特性、例えば分子量、重合度、及びR
4基の選択が異なる。
【0032】
不揮発性ポリオルガノシロキサンは、非環式ポリオルガノシロキサンポリマー及び/又はコポリマーであってよい。本方法を使用して、ポリオルガノシロキサン中間体、及び生成物(例えば直鎖及び/又は分枝鎖ポリジオルガノシロキサンポリマー及び/又はコポリマー)を精製することができる。特定の用途においては、環式ポリジアルキルシロキサンの含量が少ないか、又は(GCにより)検出されないことが、特に美容及びヘルスケア業界で顧客の望みである。このようなポリジオルガノシロキサンポリマー及びコポリマーの例は、以下の式(I)又は(II)
式(I):R
63SiO(R
62SiO)
k(R
6HSiO)
mSiR
63、
式(II):R
62HSiO(R
62SiO)
n(R
6HSiO)
oSiR
62H、又は
これらの組み合わせを有することができる。
【0033】
上記式(I)及び(II)において、下付き文字kは1〜2000の範囲の平均値を有し、下付き文字mは0〜2000の範囲の平均値を有し、下付き文字nは1〜2000の範囲の平均値を有し、下付文字oは0〜2000の範囲の平均値を有する。各R
6は独立して一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のハロゲン化炭化水素基であってよい。一価の炭化水素基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及び炭素環式基が挙げられる。アルキル基としては、分枝鎖又は非分枝鎖の一価の炭化水素基が挙げられ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル及び/又はn−プロピル)、ブチル(例えばイソブチル、n−ブチル、tert−ブチル、及び/又はsec−ブチル)、ペンチル(例えばイソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル、並びに、6個以上の炭素原子の分枝鎖飽和一価炭化水素基が例示されるが、これらに限定されない。アリール基としては、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル、及びナフチルにより例示されるがこれらに限定されない、環式の完全不飽和炭化水素基が挙げられる。単環式アリール基は、5〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜17個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。アラルキル基は、側枝及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又は側枝アルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基としては、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。炭素環式基は炭化水素環である。炭素環式基は単環式であってよく、あるいは、縮合環、ブリッジ環、又はスピロ多環式環を有してよい。単環式炭素環式基は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有していてよい。多環式炭素環式基は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有していてよい。炭素環は、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。炭素環式基は、飽和したシクロアルキル基であってよい。好適な単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルにより例示される。好適な一価のハロゲン化炭化水素基とは、炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、式としてはハロゲン原子で置換されている一価の炭化水素基を意味する。ハロゲン化炭化水素基としては、ハロアルキル基、ハロゲン化炭素環式基、及びハロアルケニル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル(CF
3)、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−へプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルなどのフッ素化アルキル基、並びにクロロメチル及び3−クロロプロピルなどの塩素化アルキル基が挙げられる。ハロゲン化炭素環式基としては、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルなどのフッ素化シクロアルキル基;並びに、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルなどの塩素化シクロアルキル基が挙げられる。ハロアルケニル基としては、クロロアリル基が挙げられる。
【0034】
あるいは、一価の有機基は、酸素原子で置換された炭化水素基、例えばアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボキシレート、及びカルボン酸エステルを含むカルボキシル基であってよい。あるいは、一価の有機基は、硫黄原子で置換された炭化水素基、例えばチオール官能基、アルキル及びアリールサルファイド基、スルホキシド官能基、スルホン官能基、スルホニル官能基、及びスルホンアミド官能基であってよい。あるいは、一価の有機基は、窒素原子で置換された炭化水素基、例えばアミン、ヒドロキシルアミン、ニトリル、ニトロ基、N−オキサイド、ヒドラジド、アジド、及びエナミンであってよい。あるいは、一価の有機基は、別のへテロ原子含有基で置換された炭化水素基であってよい。一価の炭化水素基上で置換され、一価の有機基を形成する原子及び基の非限定例としては、F、Cl、Br、I、OR’、OC(O)N(R’)
2、CN、NO、NO
2、ONO
2、アジド、CF
3、OCF
3、R’、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R’)
2、SR’、SOR’、SO
2R’、SO
2N(R’)
2、SO
3R’、C(O)R’、C(O)C(O)R’、C(O)CH
2C(O)R’、C(S)R’、C(O)OR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)
2、OC(O)N(R’)
2、C(S)N(R’)
2、(CH
2)
0〜2N(R’)C(O)R’、(CH
2)
0〜2N(R’)N(R’)
2、N(R’)N(R’)C(O)R’、N(R’)N(R’)C(O)OR’、N(R’)N(R’)CON(R’)
2、N(R’)SO
2R’、N(R’)SO
2N(R’)
2、N(R’)C(O)OR’、N(R’)C(O)R’、N(R’)C(S)R’、N(R’)C(O)N(R’)
2、N(R’)C(S)N(R’)
2、N(COR’)COR’、N(OR’)R’、C(=NH)N(R’)
2、C(O)N(OR’)R’、又はC(=NOR’)R’が挙げられ、式中、R’は水素又は炭素ベースの部位であることができ、炭素ベースの部位は、それ自身が更に置換されることができ、例えば、R’は水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであることができ、任意のアルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアリールアルキル、又はR’は独立して一置換又は多置換であることができ、又は、1個の窒素原子又は隣接する複数の窒素原子に結合した2個のR’基は、1個又は複数個の窒素原子と共に、一置換又は独立して多置換であることができるヘテロシクリルを形成することができる。有機基の例としては、直鎖及び/又は分枝鎖基(例えばアルキル基、完全に又は部分的にハロゲン置換されたハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アクリレート官能基、及びメタクリレート官能基)、並びに、他の有機官能基(例えばエーテル基、シアン酸エステル基、エステル基、カルボン酸塩基、メルカプト基、サルファイド基、アジド基、ホスホネート基、ホスフィン基、マスクされたイソシアノ基、及びヒドロキシル基)が挙げられる。有機基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、及びt−ブチル基などのアルキル基、アクリロイルオキシプロピル基及びメタクリロイルオキシプロピル基などのアクリレート官能基;ビニル、アリル、及びブテニル基などのアルケニル基;エチニル及びプロピニル基などのアルキニル基;フェニル、トリル、及びキシリル基などの芳香族基;シアノエチル及びシアノプロピル基などのシアノアルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、ジクロロフェニル、及び6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基などのハロゲン化炭化水素基;アリルオキシ(ポリオキシエチレン)、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)、及びアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基などのアルケニルオキシポリ(オキシアルキレン)基;プロピルオキシ(ポリオキシエチレン)、プロピルオキシポリ(オキシプロピレン)、及びプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基などのアルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;ペルフルオロプロピルオキシ(ポリオキシエチレン)、ペルフルオロプロピルオキシポリ(オキシプロピレン)、及びペルフルオロプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基などのハロゲン置換アルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、及びエチルヘキシルオキシ基などのアルコキシ基;3−アミノプロピル、6−アミノヘキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン、及び3−プロピルピロール基などのアミノアルキル基;3−グリシドキシプロピル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、及び5,6−エポキシヘキシル基などのエポキシアルキル基;アセトキシエチル及びベンゾイルオキシプロピル基などのエステル官能基;ヒドロキシエチル及び2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシ官能基;プロピル−t−ブチルカルバメート及びプロピルエチルカルバメート基などのマスクされたイソシアネート官能基;ウンデカナール及びブチルアルデヒド基などのアルデヒド官能基;3−プロピル無水コハク酸及び3−プロピル無水マレイン酸基などの無水物官能基;並びに、3−カルボキシプロピル及び2−カルボキシエチルの亜鉛、ナトリウム、又はカリウム塩などの、カルボン酸の金属塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
精製される、混合物中のポリオルガノシロキサンは、
a)トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
b)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、
c)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
d)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン)、
e)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、
f)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン)、
g)トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、
ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
ヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、
h)a)、b)、c)、d)、e)、f)、及びg)の2つ以上の組み合わせにより例示される。
【0036】
あるいは、混合物はプロセスガス又は蒸気流であってよい。例としては、反応器からの、混合した上部の蒸気流、例えば、ポリオルガノシロキサンを重合又は官能化するために使用するもの、並びに、埋立てガスなどの残留揮発性シロキサンを含有する空気流及び排気流が挙げられる。反応の種類の例としては、加水分解、縮合、ヒドロシリル化、エポキシ化、アルコキシル化、エステル交換、アルコール交換分解、ラジカル重合、アニオン重合又はカチオン重合が挙げられる。プロセスガス流のその他の例としては、発電装置、エンジン、ヒーター及び炉からの燃焼排気が挙げられる。
【0037】
あるいは、混合物はプロセス液体流であってよい。例としてはVOC含有排水、又は、残留モノマーを含有するラテックス塗料若しくは残留揮発性シロキサンを含有するシリコーンエマルジョンなどのエマルジョンが挙げられる。
【0038】
方法の用途/使用
本方法を、例えば、乾燥させる、及び/又はVOCを取り除く、及び/又はプロセス蒸気流から無機化合物を取り除くため、様々な用途で使用することができる。
【0039】
あるいは、本明細書に記載する方法を使用して、混合物(例えば不揮発性ポリオルガノシロキサン(上述)、例えば非環式ポリジオルガノシロキサン、プロセスガス排気物、及びプロセス排水)中の、環式ポリジオルガノシロキサン(上述)、例えばポリジアルキルシロキサンの量を低下させることができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用して、除去処理した混合物中に所望の揮発性成分を残しながら、揮発性成分を選択的に取り除くことができる。本実施形態において、非多孔質架橋エラストマー中での1つの揮発性成分の溶解度は、より高い蒸気圧を有する第2の揮発性成分の溶解度より高い場合がある。
【0041】
例えば、水蒸気、並びにD
4及びD
5などの環式ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーンエマルジョンの場合、環式ポリオルガノシロキサンを取り除き、水蒸気をエマルジョン中に残すのが望ましい場合がある。
【0042】
一実施形態では、本明細書に記載する方法を使用して、揮発性成分及び少なくとも1種の不揮発性成分を含む混合物から、揮発性成分を取り除くことができる。本方法は、
1)蒸気相混合物を、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーと直接接触させることにより、収着前の混合物よりも少ない揮発性成分を含有する除去処理した混合物を形成することで、収着した揮発性成分を有する非多孔質架橋エラストマーを増強処理し、これにより増強処理した架橋エラストマーを形成する工程と、
2)工程1)の際及び又は後に除去処理した混合物を回収する工程と、
3)収着した揮発性成分の少なくとも一部を増強処理した架橋エラストマーから脱着することにより、脱着した揮発性成分、及び脱着前の増強処理した架橋エラストマーよりも少ない収着した揮発性成分を含有する再生したエラストマーを形成する工程と、
4)再生したエラストマーを、繰り返す工程1)にて非多孔質架橋エラストマーの全部分又は一部分として使用する工程と、
場合により5)工程2)の際及び/又は後に脱着した揮発性成分を回収する工程と、を含む。本実施形態において、揮発性成分は揮発性汚染物質であってよい。揮発性汚染物質は、上述したように、重合度が3〜12の環式ポリオルガノシロキサンを含んでよい。混合物中の少なくとも1種の不揮発性成分は、直鎖ポリオルガノシロキサンを含んでよい。非多孔質架橋エラストマーは、非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーであってよい。本実施形態の方法を使用して、直鎖ポリオルガノシロキサンを含むがこれに限定されない様々な混合物からD
4を取り除いてよい。
Tg≦25℃を有する非多孔質架橋エラストマー
【0043】
非多孔質架橋エラストマーはTg≦+25℃を有する。非多孔質架橋エラストマーは、有機エラストマー又はポリオルガノシロキサンエラストマーであってよい。Tgは−225℃〜+25℃の範囲であってよい。あるいは、Tgは−200℃〜+25℃の範囲であってよい。本方法での使用に好適な有機エラストマーの例としては、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、アタクチックポリプロピレン及びエチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ハロゲン化ゴム、フルオロエラストマー(例えばViton(商標))、ポリエーテルブロックアミド、エチレンビニルアセテート(EVA)、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、ペルフルオロエラストマー(例えばKalrez(商標))、ポリスチレン、ポリアクリレート、及びポリウレタンゴムが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、Tg>+25℃を有するガラス質有機ポリマーは、よりTgが低い材料よりも自由体積が少なく、その自由体積により、Tgが高い材料よりも、エラストマーのバルクへのより多くの収着が可能となると考えられる。本明細書で使用するエラストマーは、>0、あるいは0>2の誘電正接を有してよい。誘電正接とは、弾性損失率の、弾性貯蔵弾性率に対する比を意味する。
【0044】
Tg≦25℃を有する非多孔質架橋エラストマーが、Tg≦25℃を有する非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーである場合、上記非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーは、
i)成分を組み合わせて、
(A)ヒドロシリル化触媒と、
(B)平均して1分子当たり、2個以上のケイ素結合脂肪族不飽和炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンと、
(C)平均して1分子当たり、2個より多いケイ素結合水素原子を有する架橋剤と、
場合により(D)阻害剤と、
場合により(E)溶媒と、
を含む組成物を調製する工程と、
ii)組成物を加熱する工程と、
により、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを形成することを含む方法により調製することができる。理論に束縛されるものではないが、Tgは、成分(B)の適切な選択、成分(B)の重合度(DP)及び分子量、並びに架橋密度により制御することができる。成分(B)がポリジメチルシロキサンである場合、Tg≦25℃を有する非多孔質架橋エラストマーを形成するために、DPは10以上であってよい。当業者は、成分(A)及び(B)を選択して、Tg≦25℃を有する非多孔質架橋エラストマーを形成する方法を理解するであろう。
【0045】
成分(A)に好適なヒドロシリル化触媒は当技術分野において既知であり、市販されている。このようなヒドロシリル化触媒は、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム及びイリジウムから選択される金属を含むことができる。あるいは、ヒドロシリル化触媒は、このような金属の化合物(例えば、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、二塩化白金)、及び上記化合物と低分子量オルガノポリシロキサンとの錯体、又はマトリックス若しくはコア/シェル型構造にマイクロカプセル化された白金化合物であり得る。白金と低分子量オルガノポリシロキサンとの錯体としては、白金との1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化されてもよい。例示的なヒドロシリル化触媒は、米国特許第3,159,601号、同第3,220,972号、同第3,296,291号、同第3,419,593号、同第3,516,946号、同第3,814,730号、同第3,989,668号、同第4,784,879号、同第5,036,117号及び同第5,175,325号、並びに欧州特許第0347895(B)号に記載されている。マイクロカプセル化されたヒドロシリル化触媒及びその調製方法は、米国特許第4,766,176号及び同第5,017,654号に例示されているとおり、当該技術分野において既知である。
【0046】
成分(B)は、平均して1分子当たり、ヒドロシリル化反応を受けることが可能な2個以上のケイ素結合脂肪族不飽和炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンである。成分(B)は、直鎖及び/又は分枝鎖構造を有してよい。成分(B)はホモポリマー又はコポリマーであってよい。成分(B)は1種類のポリオルガノシロキサンであってよい。あるいは、成分(B)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2種以上のポリオルガノシロキサンを含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、シロキサン単位、及び配列。成分(B)中の脂肪族不飽和炭化水素基を末端、側枝、又は末端及び側枝位置の両方に配置してよい。脂肪族不飽和炭化水素基は、ビニル、アリル、プロペニル、若しくはヘキセニルなどのアルケニル基、又はエチニル及びプロピニルなどのアルケニル基であってよい。
【0047】
成分(B)のポリオルガノシロキサン中の残りのケイ素結合有機基は、脂肪族不飽和非含有である一価の有機基であり得る。一価の炭化水素基の例としては、R
1について上述したとおりの、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環式基が挙げられるが、これらに限定されない。一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、R
1について上述したとおりのハロアルキル基及びハロゲン化シクロアルキル基が挙げられる。他の一価の有機基の例は上述したとおりであり、グリシドキシアルキル、アクリルオキシアルキル、メタクリルオキシアルキルなどの、酸素原子で置換された炭化水素基、並びに、アルコキシ又はポリエーテル基(エチレングリコール及びプロピレングリコール、並びにこれらのコポリマー)、並びに、アミノアルキルなどの、窒素原子で置換された炭化水素基、並びに、シアノエチル及びシアノプロピルなどのシアノ官能基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
成分(B)は、
式(I):R
72R
8SiO(R
72SiO)
a(R
7R
8SiO)
bSiR
72R
8、
式(II):R
73SiO(R
72SiO)
c(R
7R
8SiO)
dSiR
73
のポリジオルガノシロキサン
又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0049】
式(I)及び(II)において、各R
7は独立して、水素原子又は脂肪族不飽和非含有である一価の有機基であり、各R
8は独立してアルケニル基又はアルキニル基である。下付き文字aは、0又は正の数であり得る。あるいは、下付き文字aは、少なくとも2の平均値を有する。あるいは、下付き文字aは、2〜2000の範囲の値を有し得る。下付き文字bは、0又は正の数であり得る。あるいは、下付き文字bは、0〜2000の範囲の平均値を有し得る。数量(a+b)は少なくとも10、あるいは100〜4000であってよい。下付き文字cは、0又は正の数であり得る。あるいは、下付き文字cは、0〜2000の範囲の平均値を有し得る。下付き文字dは、少なくとも2の平均値を有する。あるいは、下付き文字dは、2〜2000の範囲の平均値を有し得る。数量c+dは少なくとも10、あるいは100〜4000であってよい。R
7の好適な一価の有機基は、上述した一価の炭化水素基及び一価のハロゲン化炭化水素基である。あるいは、各R
7はメチルなどのアルキル、及びフェニルなどのアリールにより例示される一価の炭化水素基である。各R
8は独立してアルケニル基又はアルキニル基である。R
8は、アルケニル基(例えばビニル、アリル、ブテニル、及びヘキセニル)、並びにアルキニル基(例えばエチニル及びプロピニル)により例示される。
【0050】
成分(B)は、以下のようなポリジオルガノシロキサンを含み得る:
i)ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
iii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
vii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、
viii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、
ix)フェニル,メチル,ビニル−シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
x)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
xi)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xii)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xiii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xiv)トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン
xv)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xvi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xvii)i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、x)、xi)、xii)、xiii)、xiv)、xv)、及びxvi)の2つ以上の組み合わせ。
【0051】
成分(B)としての使用に好適なポリジオルガノシロキサン流体の調製方法、例えば、対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は環式ポリジオルガノシロキサンの平衡が、当技術分野において既知である。
【0052】
組成物中の成分(B)の量は、成分(B)の脂肪族不飽和基の量及びヒドロシリル化反応性、成分(A)の種類及び量、並びに、成分(B)及び/又は成分(C)のケイ素結合水素原子の含量を含む様々な因子に依存する。しかしながら、成分(B)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて、0.1〜99.9%の範囲であってよい。
【0053】
組成物中の成分(C)はSiH官能性化合物、すなわち、平均して1分子当たり、2個より多いケイ素結合水素原子を有する化合物である。成分(C)は、シラン及び/又はオルガノハイドロジェンシリコン化合物を含み得る。組成物中の成分(C)の量は、成分(C)のSiH含量、及び、成分(B)の脂肪族不飽和基の含量を含む様々な因子に依存するが、成分(C)の量は、0.3:1〜5:1、あるいは0.1:10〜10:1の範囲の、成分(C)中のSiH基の、成分(B)中の脂肪族不飽和有機基に対するモル比(一般に、SiH:Vi比と呼ばれる)をもたらすのに十分であってよい。成分(C)は、モノマー又はポリマー構造を有することができる。成分(C)がポリマー構造を有する場合、ポリマー構造は直鎖又は分枝鎖であってよい。成分(C)がポリマーであるときは、成分(C)はホモポリマー又はコポリマーであり得る。成分(C)中のケイ素結合水素原子は、末端に、側枝に、又は末端及び側枝位置の両方に配置してよい。成分(C)は、1つのSiH官能性化合物であり得る。あるいは、成分(C)は、2つ以上のSiH官能性化合物の組み合わせを含み得る。成分(C)は、以下の特性の少なくとも1つが異なる2つ以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む組み合わせであり得る:構造、平均分子量、粘度、シロキサン単位、及び配列。
【0054】
成分(C)は、式R
9eSiH
f[式中、下付き文字eは0、1、2、又は3であり、下付き文字fは1、2、3、又は4であり、ただし(e+f)の合計は4である。]のシランを含んでよい。各R
9は独立してハロゲン原子又は一価の有機基である。R
9の好適なハロゲン原子は、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素、あるいは塩素によって例示される。R
9の好適な一価の有機基としては、上述した一価の炭化水素及び一価のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。成分(C)の好適なシランの例は、トリクロロシラン(HSiCl
3)、Me
2HSiCl、又はMeHSi(OMe)
2により例示される。
【0055】
あるいは、成分(C)のオルガノハイドロジェンシリコン化合物は、HR
102SiO
1/2、R
103SiO
1/2、HR
10SiO
2/2、R
102SiO
2/2、R
10SiO
3/2、HSiO
3/2、及びSiO
4/2単位を含むがこれらに限定されないシロキサン単位を含む、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含んでよい。前述の式において、各R
10は独立して、上述の脂肪族不飽和非含有である一価の有機基から選択される。
【0056】
成分(C)は、以下のポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み得る:
式(III):R
103SiO(R
102SiO)
g(R
10HSiO)
hSiR
103、
式(IV):R
102HSiO(R
102SiO)
i(R
10HSiO)
jSiR
102H、又は
これらの組み合わせ。
【0057】
上記の式(III)及び式(IV)中、下付き文字gの平均値は0〜2000の範囲であり、下付き文字hの平均値は2〜2000の範囲であり、下付き文字iの平均値は0〜2000の範囲であり、下付き文字jの平均値は0〜2000の範囲である。各R
10は独立して、上述した一価の炭化水素基又は一価のハロゲン化炭化水素基である。
【0058】
成分(C)についてのポリオルガノハイドロジェンシロキサンの例としては、以下のものが挙げられる:
a)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
b)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン)、
c)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、
d)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン)、
e)トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、
f)a)、b)、c)、d)及びe)の2つ以上の組み合わせ。
【0059】
成分(C)としての使用に好適な直鎖及び分枝鎖オルガノハイドロジェンポリシロキサンの作製方法、例えばオルガノハロシランの加水分解及び縮合が、当技術分野において既知である。
【0060】
成分(D)は阻害剤であり、使用すると、同一の成分を含有するが阻害剤の加えられていない組成物と比較して、組成物の反応速度を変化させることができる。ヒドロシリル化硬化性組成物の阻害剤は、アセチレン系アルコール(例えばメチルブチノール、エチニルシクロヘキサノール、ジメチルヘキシノール、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−ブチン−3−オール、1−プロピン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール、並びにこれらの組み合わせ)、シクロアルケニルシロキサン(例えば1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサンにより例示されるメチルビニルシクロシロキサン、及びこれらの組み合わせ)、エン−イン化合物(例えば3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン)、ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール、ホスフィン、メルカプタン、ヒドラジン、アミン(例えばテトラメチルエチレンジアミン)、ジアルキルフマレート、ジアルケニルフマレート、ジアルコキシアルキルフマレート、マレエート(例えばジアリルマレエート)、ニトリル、エーテル、一酸化炭素、アルケン(例えばシクロオクタジエン、ジビニルテトラメチルジシロキサン)、アルコール(例えばベンジルアルコール)、並びにこれらの組み合わせにより例示される。
【0061】
あるいは、組成物中の成分(D)は、シリル化アセチレン系化合物であってよい。理論に束縛されるものではないが、シリル化アセチレン系化合物を添加すると、シリル化アセチレン系化合物を含有していない組成物又は上述したもののような有機アセチレン系アルコール阻害剤を含有する組成物のヒドロシリル化による反応生成物と比較して、組成物のヒドロシリル化反応から調製される反応生成物の黄変が低減すると考えられる。
【0062】
シリル化アセチレン系化合物の例は、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)トリメチルシラン、((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、ビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルシラン、ビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シランメチルビニルシラン、ビス((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)ジメチルシラン、メチル(トリス(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ))シラン、メチル(トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ))シラン、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)トリエチルシラン、ビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)メチルトリフルオロプロピルシラン、(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オキシ)トリメチルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジフェニルメチルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルビニルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)ジメチルビニルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)ジフェニルメチルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)トリメチルシラン及びこれらの組み合わせにより例示される。あるいは、成分(D)はメチル(トリス(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ))シラン、((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、又はこれらの組み合わせにより例示される。成分(D)として有用なシリル化アセチレン系化合物は、酸受容体の存在下でクロロシランと反応させることにより、上述のアセチレン系アルコールをシリル化するといった、当該技術分野において既知の方法により調製され得る。
【0063】
組成物に添加される阻害剤の量は、組成物の所望の可使時間(ポットライフ)、組成物が一部型構成組成物であるか又は多部型構成組成物であるか、使用される具体的な阻害剤、存在する場合には成分(C)の選択及び量といった、様々な因子によって変動する。しかし、存在する場合、阻害剤の量は、組成物中の全ての成分の重量に基づいて、0重量%〜1重量%、あるいは0重量%〜5重量%、あるいは0.001重量%〜1重量%、あるいは0.01重量%〜0.5重量%、あるいは0.0025重量%〜0.025重量%の範囲であり得る。
【0064】
組成物は、周囲温度又は高温での混合などの任意の便利な手段により全ての成分を組み合わせることを含む方法により、調製することができる。成分(D)は、存在する場合、例えば、組成物が高温で調製される場合及び/又は組成物が一部型構成組成物として調製される場合、成分(A)よりも前に添加され得る。
【0065】
あるいは、例えば、成分(I)が存在しないとき、又は組成物を使用前に長期間保存するとき、組成物は、多部型構成組成物として調製することができる。多部型構成組成物中では、成分(A)は、例えば、成分(C)のようなケイ素結合水素原子を有する任意の成分とは異なる部に保存され、これらの部は組成物の使用直前に組み合わされる。例えば、二部構成組成物は、混合などの任意の好都合な手段により、(A)及び(B)を含む成分を組み合わせることにより調製することができる。硬化剤を、混合などの任意の好都合な手段により、(B)及び(C)を含む成分を組み合わせることにより調製することができる。これらの成分は、常温又は高温で組み合わせられ得る。二部型構成組成物を用いるとき、基部(ベース)の硬化剤に対する重量比は、1:1〜10:1の範囲とすることができる。この組成物は、ヒドロシリル化反応を介して反応して、反応生成物を生じる。
【0066】
組成物の加熱は、30℃〜100℃、あるいは50℃〜85℃の温度で、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを形成するのに十分な時間実施してよい。製造される架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーが1気圧25℃の条件下で固体となるように、成分、成分の量、及び加熱条件を選択する。架橋ポリオルガノシロキサンは、25℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。上述の組成物は、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)として上述したもの以外の充填剤及び成分を非含有であってよい。エラストマーを、溶媒(E)の存在下で調製(架橋)した後、乾燥させてよい。あるいは、Tg≦25℃を有する非多孔質架橋エラストマーを、他の架橋の反応体系、例えばラジカル硬化、縮合硬化、光硬化、及びエポキシ−アミン硬化により調製してよい。
【0067】
理論に束縛されるものではないが、取り除かれる揮発性成分、及び形成される除去処理した混合物を含む様々な因子に応じ、本方法での使用に関して、非多孔質架橋エラストマーを選択してよいと考えられる。例えば、揮発性成分が水である場合、非多孔質架橋エラストマーは、ポリオキシアルキレン基を含有するポリオルガノシロキサンエラストマーであってよい。揮発性成分が環式ポリオルガノシロキサンである場合、非多孔質架橋エラストマーは、アルキル基を有するポリオルガノシロキサンエラストマーであってよい。
【0068】
システム/装置
図1は、本発明の方法を実行するのに使用可能な装置100の例である。第1の接触器101は、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーの粒子102の、第1の充填床を収容する。第1の接触器101は、第1の入口103、及び第1の出口104を有する。供給ライン105を使用して、上述した混合物を、入口バルブ106から第1の入口103に通して、第1の接触器101の中に供給することができる。混合物が第1の接触器101を通過すると、揮発性成分が粒子102内に収着する。除去処理した混合物が、第1の出口104を通って第1の接触器101から出て、出口バルブ107を通って、出口ライン108を通って出る。除去処理した混合物は、図示しない収集容器に保管可能な精製生成物である。
【0069】
装置100は、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーの粒子202の、第2の充填床を収容する第2の接触器201を更に含んでよい。粒子202は、第1の接触器101内の粒子102と同じ、又は異なっていてよい。第2の接触器201は、第2の入口203及び第2の出口204を有する。所望の場合、例えば、第1の充填床内の粒子102が、充填床を通して望まないますますの圧力低下を引き起こす揮発性成分を収着すると膨潤す場合、及び/又は、粒子がより多くの揮発性成分を収着すると、粒子102が揮発性成分を収着することができる速度が望ましくない速度まで低下する場合、バルブ106及び107は閉じられてよく、供給バルブ206及び出口バルブ207は開いていてよい。これにより、混合物の経路が変更されて、供給ライン205を通って第2の接触器201の中に流れ、入口バルブ206を通って第2の入口203に入る。混合物が第2の接触器201を通過すると、揮発性成分は粒子202内に収着する。除去処理した混合物は第2の接触器201を、第2の出口204、出口バルブ207を通って、出口ライン208を通って出る。除去処理した混合物は、図示しない、同じ又は異なる回収容器に保管可能な精製生成物である。
【0070】
混合物の、第1の接触器101を通過する流れが停止した後で、接触器101内の粒子102を再生することができる。例えば、パージバルブ109、110を開けることができ、スイープガス(例えば空気又は不活性ガス)が第1の接触器101、ライン111、112を通過する。第1の接触器101を場合により加熱してよく、及び/又はスイープガスを場合により加熱してよい。第1の接触器101内の粒子102が再生された後で、バルブ206、207を閉じることができ、混合物が再び、第1の接触器101を通って経路変更される。粒子202は、図示しないバルブ及びラインを通って第1の接触器101内でと同様に再生することができる。本方法を、装置100を使用して繰り返してよい。開口可能なパージバルブ209、210を開き、スイープガス(例えば空気又は不活性ガス)が、第2の接触器201、ライン211、212を通過することにより、第2の接触器201内の粒子202を再生することができる。第2の接触器201を場合により加熱してよく、及び/又はスイープガスを場合により加熱してよい。
【0071】
図1には、当業者の発明を示すものが含まれている。しかし、本開示の教示から、当業者は、開示される特定の実施形態において、特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で多くの変更をなし、尚も類似する又は同様の結果を得ることができることを理解しなければならない。例えば、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーは、粒子102、202に加えて、又はこれらの代わりに、様々な形態を有することができる、例えば、上記エラストマーは、薄膜、コーティングした支持材料(例えば、包装、トレー、プレート、メッシュ)、ナノロッド、微粒子、並びに/又は繊維(中空及び非中空)の形態であることができる。接触器101、201は、垂直に配向されていても、又は図示するとおりに水平に配向されていてもよい。接触器101、201は、充填床、流動床、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーでコーティングしたプレート、トレー、又はディスクを含有するタワー(塔)であってよい。あるいは、接触器101、201は、ガラス転移温度が≦25℃の非多孔質架橋エラストマーが、ホイール表面の全部分又は一部分にコーティングされた、収着ホイール、例えば乾燥ホイール、又は、他の回転ディスク若しくはホイール装置であってよい。あるいは、追加の接触器(図示せず)が、接触器101、201と並列又は直列構成となるように構成されてよい。場合により、接触器が収着ホイール又はディスクである場合、ホイールは再生が発生するセクタ又はゾーンを通って回転し、単一のデバイスでの、連続した収着及び再生を可能にしてよい。
【実施例】
【0072】
これらの実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明することを意図しており、本特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するかのように解釈してはならない。実施例では、以下の成分を使用した。
【0073】
比較例1:不揮発性シリコーン流体中でのD
4蒸気収着。30ミリグラム(mg)の不揮発性シリコーン流体1(DOW CORNING(登録商標)50cSt200Fluid)を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、D
4の蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。シリコーン流体1は不揮発性である。蒸気収着分析器上の有機蒸気セルのリザーバを、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,USA)から入手可能)で充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、シリコーン流体/D
4蒸気系が熱力学的平衡に達し、シリコーン流体及び収着したD
4蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、シリコーン流体1を、60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、シリコーン流体1の平衡収着能を、1グラム(g)のシリコーン流体1あたりの、収着したD
4蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。シリコーン流体1の収着能は、表1に含まれている。
【0074】
比較例2:多孔質固体吸着剤中でのD
4蒸気の収着。12mgの顆粒活性炭(Darco20〜40活性炭メッシュ粒度、Sigma−Aldrich)を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、D
4の蒸気に、20℃での飽和に対して様々な分圧にてさらした。第2の実験において、蒸気収着分析器上の有機蒸気セルのリザーバを、D
4で充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、活性炭/D
4蒸気系が熱力学的平衡に達し、活性炭及び収着したD
4蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、活性炭を、60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、活性炭の均衡収着能を、1gの活性炭あたりの、収着したD
4蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。活性炭の収着能は、表1に含まれている。
【0075】
実施例1:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー1。A部及びB部を含む二部型構成組成物を混合することにより、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを調製した。25℃で55Pa・sの粘度を有する、99.61部のα,ω−ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(Vi−PDMS1)を、0.39部のKarstedt白金触媒分散体と混合することにより、A部を調製し、これにより、同量のA部及びB部を組み合わせた際に、全体の白金濃度が10重量ppmとなった。98.54部のVi−PDMS1を、25℃にて0.03Pa・sの平均粘度を有し、SiHの形態で1%のHを含む、1.26部のポリジメチルシロキサン−ポリヒドリドメチルシロキサンコポリマー(架橋剤1)、及び0.20部のメチルブチノールと組み合わせることにより、B部を調製した。A部及びB部を各々独立して、2回20秒サイクルで回転ミキサにて、3000rpmにて混合した。5.06gのA部、及び5.06gのB部を次に組み合わせ、2回20秒の混合サイクルで混合した後、真空槽に配置して減圧下で2分間脱気し、その後混合物を強制空気対流式オーブンに移して3時間85℃にて硬化させた。得られたサンプルは透明で乾燥した、流動性のないエラストマー(以下架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー1と呼ぶ)であった。
【0076】
実施例2:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2。過剰の良溶媒であるデカメチルシクロペンタシロキサン(D
5)の存在下にて、A部及びB部を含む二部型構成組成物を混合することにより、膨潤した架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを調製した。ポリプロピレン混合カップで、99.61部のVi−PDMS1を、0.39部のKarstedt白金触媒分散体と混合することによりA部を調製し、同量のA部及びB部を組み合わせた際に、全体の白金濃度が10ppmとなった。98.54部のVi−PDMS1を1.26部の架橋剤1と組み合わせることにより、B部を調製した。A部及びB部を各々独立して、Hauschild回転ミキサで2回20サイクル、約3000rpmで混合した。0.625gのA部を、4.375gのD
5と組み合わせ、2回20秒の混合サイクルで混合した。0.625gのB部を4.375gのD
5と組み合わせ、2回20秒の混合サイクルで混合した。最終的に、4.42gの、D
5を含有するA部、及び、4.42gの、D
5を含有するB部を組み合わせ、2回20混合サイクルで混合した。サンプルを次に、強制空気対流式オーブンに移して、3時間85℃で硬化させた。得られた、膨潤した架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを次に、1インチのHgの減圧下で、真空オーブンに150℃で24時間配置した。得られた再生したエラストマーを次に、再び重さを量り、残留D
5が完全になくなり、再生したエラストマー(以下架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2と呼ぶ)が残っていることを確認した。得られたサンプルは、透明で乾燥した、非流動性の固体であった。本実施例では、本明細書に記載する方法を使用してエラストマーを再生することができることが示された。
【0077】
実施例3:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー1内でのD
4蒸気収着。実施例1に記載するサンプルから切断した、2mgの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー1の一片を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、D
4の蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。蒸気収着分析器上の、有機蒸気セルのリザーバにオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)を充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー/D
4蒸気系が熱力学的平衡に達し、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー及び収着したD
4蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを、60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、収着剤の平衡収着能を、1気圧あたりでの、1gの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーあたりの、収着したD
4蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー1の収着能は、表1に含まれている。高い相対圧力では、平衡プロファイルには1000分かかるが、40℃で高い相対圧力0.8からD
4の相対圧力0.02まで脱着すると、サンプルは収着したD
4の急激な単調減少をはるかに短い期間で示し、それにより本実施例で試験した条件下における脱着容易性が示され、本明細書に記載する方法での使用への適合性が示される。
【0078】
実施例4:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2内でのD
4蒸気収着。実施例2に記載する硬化させたサンプルから切断した、34mgの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2の一片を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、D
4の蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。蒸気収着分析器上の有機蒸気セルのリザーバを、D
4で充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー/D
4蒸気系が熱力学的平衡に達し、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー及び収着したD
4蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2サンプルを60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2の平衡収着能を、1気圧あたりでの、1gの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2あたりの、収着したD
4蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー2の収着能は、表1に含まれている。高い相対圧力では、平衡プロファイルには1000分かかるが、40℃で高い相対圧力0.8からD
4の相対圧力0.02まで脱着すると、サンプルは収着したD
4の急激な単調減少をはるかに短い期間で示し、これらの脱着容易性が確認される。
【0079】
実施例5:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー3。A部及びB部を含む二部型構成組成物を混合することにより、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを調製した。25℃で12Pa・sの粘度を有する、99.61部のα,ω−ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(Vi−PDMS2)を、0.39部のKarstedt白金触媒分散体と混合することにより、A部を調製し、これにより、同量のA部及びB部を組み合わせた際に、全体の白金濃度が10重量ppmとなった。91.74部のVi−PDMS2を、25℃にて0.005Pa・sの平均粘度を有し、SiHの形態で0.8重量%のHを含む、8.15部のポリジメチルシロキサン−ポリヒドリドメチルシロキサンコポリマーのトリメチルシロキシ末端コポリマー(架橋剤2)、及び0.10部のメチルブチノールと組み合わせることにより、B部を調製した。A部及びB部を各々独立して、2回20秒サイクルで回転ミキサにて、3000rpmにて混合した。5.00gのA部、及び5.01gのB部を次に組み合わせ、2回20秒の混合サイクルで混合した後、真空槽に配置して減圧下で2分間脱気し、その後混合物を強制空気対流式オーブンに移して3時間85℃にて硬化させた。得られたサンプルは透明で乾燥した、流動性のないエラストマー(以下本明細書では架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー3と呼ぶ)であった。
【0080】
実施例6:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー4。過剰の良溶媒であるデカメチルシクロペンタシロキサン(D
5)の存在下にて、A部及びB部を含む二部型構成組成物を混合することにより、膨潤した架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを調製した。ポリプロピレン混合カップで、99.61部のVi−PDMS2を、0.39部のKarstedt白金触媒分散体と混合することによりA部を調製し、同量のA部及びB部を組み合わせた際に、全体の白金濃度が10ppmとなった。91.47部のVi−PDMS1を8.13部の架橋剤2と組み合わせることにより、B部を調製した。A部及びB部を各々独立して、Hauschild回転ミキサで2回20秒のサイクル、3000rpmにて混合した。0.624gのA部を、4.377gのD
5と組み合わせ、2回20秒の混合サイクルで混合した。0.622gのB部を4.376gのD
5と組み合わせ、2回20秒の混合サイクルで混合した。最終的に、4.95gの、D
5を含有するA部、及び、4.95gの、D
5を含有するB部を組み合わせ、2回20混合サイクルで混合した。サンプルは室温で1時間以内に、架橋ソフトゲルを形成した。得られた、膨潤した架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを次に、1インチのHgの減圧下で、真空オーブンに150℃で24時間配置した。得られた再生したエラストマーを次に、再び重さを量り、残留D
5が完全になくなり、再生したエラストマー(以下架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー4と呼ぶ)が残っていることを確認した。得られたサンプルは、透明で乾燥した、非流動性の固体であった。本実施例では、本明細書に記載する方法を使用してエラストマーを再生することができることが示された。
【0081】
実施例7:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー3内でのD
4蒸気収着。実施例5に記載するサンプルから切断した、12mgの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー3の一片を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、D
4の蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。蒸気収着分析器上の、有機蒸気セルのリザーバにオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)を充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー/D
4蒸気系が熱力学的平衡に達し、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー及び収着したD
4蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを、60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、収着剤の平衡収着能を、1気圧あたりでの、1gの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーあたりの、収着したD
4蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー3の収着能は、表1に含まれている。本サンプルは、低い相対圧力にて、非架橋液体(比較例1)の収着能に匹敵するD
4蒸気の収着能を示し、これは、D
4蒸気のための収着剤としての実用性を示す。
【0082】
実施例8:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー4内でのD
4蒸気収着。実施例5に記載するサンプルから切断した、15mgの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー4の一片を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、D
4の蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。蒸気収着分析器上の、有機蒸気セルのリザーバにオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)を充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー/D
4蒸気系が熱力学的平衡に達し、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー及び収着したD
4蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを、60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、収着剤の平衡収着能を、1気圧あたりでの、1gの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーあたりの、収着したD
4蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー4の収着能は、表1に含まれている。本サンプルは、低い相対圧力にて、非架橋液体(比較例1)の収着能に匹敵するD
4蒸気の収着能を示し、これは、D
4蒸気のための収着剤としての実用性を示す。
【0083】
【表1】
【0084】
比較例3:不揮発性シリコーン流体中におけるトルエン蒸気収着。37mgの不揮発性シリコーン流体2(DOW CORNING(登録商標)350cSt200Fluid)を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、トルエンの蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。シリコーン流体1は不揮発性である。蒸気収着分析器上の、有機蒸気セルのリザーバにトルエン(ACS規格適合等級、Fisher Scientific)を充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、シリコーン流体/トルエン蒸気系が熱力学的平衡に達し、シリコーン流体及び収着したトルエン蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、シリコーン流体2を、60℃での乾燥に2時間通し、あらゆる意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、シリコーン流体2の平衡収着能を、1gのシリコーン流体2あたりの、収着したトルエン蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。シリコーン流体2の収着能は、表2に含まれる。
【0085】
実施例9:架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー5内でのトルエン蒸気収着。基部と硬化剤とを所定の10:1の混合比で混合した後、85℃にて3時間硬化させたブロックから切断した42mgの、Sylgard(登録商標)184Elastomer(Dow Corning Corp.)のサンプル(架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー5)を、蒸気収着分析機器(TA Instruments VTI−SA+)内のメンブレン上に配置し、トルエンの蒸気に、所定温度での飽和に対して様々な分圧にてさらした。蒸気収着分析器上の、有機蒸気セルのリザーバにトルエン(ACS規格適合等級、Fisher Scientific)を充填した。温度及び相対圧力の各組み合わせにおいて、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー/トルエン蒸気が熱力学的平衡に達し、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー及び収着したトルエン蒸気の最終質量を記録した。各等温線の前で、架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを、60℃での乾燥に3時間通し、あらゆる揮発性種、又は意図せず収着した質量を取り除き、最初の「乾燥」質量を確保した。温度及び圧力の各組み合わせにおいて、収着剤の平衡収着能を、1気圧あたりでの、1gの架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーあたりの、収着したトルエン蒸気のmgの単位(mg/g)で記録した。架橋ポリオルガノシロキサンエラストマー5の収着能は、表2に含まれている。本サンプルは、低い相対圧力にて、非架橋シリコーン流体2(比較例3)の収着能に匹敵するD
4蒸気の収着能を示しており、これは、D
4蒸気のための収着剤としての実用性を示す。
【0086】
【表2】
【0087】
これらの結果は、本発明で使用する架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーが非多孔質の、非流動性の架橋固体であっても、温度と共に増加する極めて高い蒸気の収着能を保持し、これらは低い相対圧力にさらされる際に容易に脱着されることを示している。
【0088】
比較例4:活性炭吸着剤を含む充填床。0.49の相対圧力のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)蒸気、及び0.04の相対圧力のヘキサメチルジシロキサン(L
2)蒸気を含有する、125標準立法センチメートル(sccm)の窒素ガスを、Darco20〜40メッシュ粒径の、顆粒活性炭粒子の充填床に導入した。充填床の入口で組み合わされたガス/蒸気流の温度は23℃であった。充填床を収容したステンレス鋼管の内径及び長さは、それぞれ0.46センチメートル(cm)及び7.0cmであった。充填床を構成する活性炭の質量は472ミリグラム(mg)であった。時間平均の、充填床の入口及び出口における圧力はそれぞれ、2.78及び1.88ポンド毎平方インチゲージ圧(psig)であった。0.5マイクロメートル(μm)のフィルタを充填床の出口に配置し、粒子が下流から流れてこないようにした。充填床の排出D
4蒸気及びL
2蒸気の濃度を、ガスクロマトグラフへのガス/蒸気自動注入を使用して、時間の関数として測定した。このデータから、充填床の能力を、活性炭1グラムあたり275mgのD
4、及び活性炭1グラムあたり63mgのL
2として計算した。吸着した蒸気相内での、D
4及びL
2モル分率の相対比率として定義されるD
4/L
2分離係数は、8.1であった。
【0089】
実施例9:非多孔質架橋ポリオルガノシロキサンエラストマーを含む充填床。0.49の相対圧力のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)蒸気、及び0.04の相対圧力のヘキサメチルジシロキサン(L
2)蒸気を含有する、125sccmの窒素ガスを、非多孔質ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子の充填床に導入した。充填床の入口で組み合わされたガス/蒸気流の温度は23℃であった。充填床を収容したステンレス鋼管の内径及び長さはそれぞれ、0.46cm及び7.0cmであった。充填床を構成する、非多孔質ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子の質量は304mgであった。時間平均の、充填床の入口及び出口における圧力はそれぞれ、3.10及び1.88psigであった。0.5μmのフィルタを充填床の出口に配置して、粒子が下流から流れてこないようにした。充填床の排出D
4蒸気及びL
2蒸気の濃度を、ガスクロマトグラフへのガス/蒸気自動注入を使用して、時間の関数として測定した。このデータから、充填床の能力を、非多孔質シリコーンエラストマー粒子1グラムあたり205mgのD
4蒸気、及び、非多孔質シリコーンエラストマー粒子1グラムあたり24mgのL
2蒸気として計算した。吸着した蒸気相内での、D
4及びL
2のモル分率の相対比率として定義されるD
4/L
2分離係数は、16.6であった。比較例4及び実施例9は、実施例9に記載の方法により、活性炭を使用する方法よりも良好に、D
4をL
2から選択的に取り除くことができることを示す。