(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6756075
(24)【登録日】2020年8月31日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】外科用ステープラー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20200907BHJP
A61B 17/115 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/115
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-514176(P2019-514176)
(86)(22)【出願日】2017年6月26日
(65)【公表番号】特表2019-518577(P2019-518577A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】CN2017089939
(87)【国際公開番号】WO2017202392
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2018年12月25日
(31)【優先権主張番号】201610345074.8
(32)【優先日】2016年5月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518418706
【氏名又は名称】シャンハイ イーシ メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI YISI MEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】518132008
【氏名又は名称】イーシ(スーチョウ)メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】ニエ、ホンリン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、グアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シーリャン
(72)【発明者】
【氏名】シー、シウファン
(72)【発明者】
【氏名】リー、アンフア
(72)【発明者】
【氏名】バオ、ミンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヤン
【審査官】
吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05074454(US,A)
【文献】
中国実用新案第205006962(CN,U)
【文献】
特表2005−505334(JP,A)
【文献】
特開昭61−098250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハンドル部と、第2ハンドル部と、調節機構と、を備える外科用ステープラーであって、
前記第1ハンドル部が、ネイルカートリッジベースと、脱着可能なネイルカートリッジ部と、ロックバーと、駆動部と、を有し、
前記第2ハンドル部が、ネイル押出シートと、回転軸と、を有し、
前記第2ハンドル部が、前記第1ハンドル部と組み立てられ、前記第1ハンドル部の前記ロックバーによって前記第1ハンドル部に対してロックされ、
前記調節機構が、前記外科用ステープラーの近端部に設けられ、前記第1ハンドル部と前記第2ハンドル部の間に位置し、
使用者からの入力に応じて前記調節機構が回転させられることにより、前記第2ハンドル部が、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致するように前記回転軸を中心に前記第1ハンドル部に対して回転し、
前記調節機構がカム機構であって、回転ダイヤルと、回転ダイヤルボタンと、ピンと、押えばねと、調節スライドと、スライドピンと、を有し、
前記回転ダイヤルが、前記ピン及び前記押えばねを介して前記第1ハンドル部と接続し、前記調節スライドが、前記スライドピンを介して前記第2ハンドル部と接続し、前記ネイルカートリッジベースに円孔が存在し、前記ピン、前記回転ダイヤル及び前記調節スライドと同軸に一致し、
前記調節機構の前記回転ダイヤルボタンが前記回転ダイヤルと接続し、前記回転ダイヤルが少なくとも2つの段差面を有し、前記調節スライドが前記回転ダイヤルのいずれかの段差面と噛合し、
前記回転ダイヤルが、前記回転ダイヤルボタンの回転に伴って回転し、前記噛合している前記調節スライドが前記段差面の垂直方向で変位し、それによって、前記第2ハンドル部が前記スライドピンを介して、挟んだ組織の厚みが近端と遠端で一致するように、前記第1ハンドル部に対して回転することを特徴とする外科用ステープラー。
【請求項2】
第1ハンドル部と、第2ハンドル部と、調節機構と、を備える外科用ステープラーであって、
前記第1ハンドル部が、ネイルカートリッジ部と、駆動部と、を有し、
前記第2ハンドル部が、ネイル押出シートを有し、
前記第1ハンドル部及び/又は前記第2ハンドル部にロック機構が設けられ、前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部が回転機構の回転によって回転し、かつ、ロック機構によって互いにロックされ、
前記調節機構が前記第1ハンドル部と前記第2ハンドル部の間に位置し、
前記調節機構を調節することで前記第2ハンドル部が前記回転機構によって前記第1ハンドル部に対して回転可能に構成され、
前記調節機構であるカム機構が、回転ダイヤルボタンと、回転ダイヤルと、調節スライドと、を有し、
前記回転ダイヤルボタンが前記回転ダイヤルと接続し、前記回転ダイヤルが少なくとも2つの段差面を有し、前記調節スライドの一つの端部が前記回転ダイヤルのいずれかの段差面と噛合し、前記調節スライドの他の端部がスライド機構を介して前記第2ハンドル部と接続し、
前記回転ダイヤルが、前記回転ダイヤルボタンの回転に伴って回転し、前記噛合している前記調節スライドが前記段差面の垂直方向で変位し、それによって、前記第2ハンドル部が前記スライド機構を介して、挟んだ組織の厚みが近端と遠端で一致するように、前記第1ハンドル部に対して回転することを特徴とする外科用ステープラー。
【請求項3】
第1ハンドル部と、第2ハンドル部と、調節機構と、を備える外科用ステープラーであって、
前記第1ハンドル部が、ネイルカートリッジ部と、駆動部と、を有し、
前記第2ハンドル部が、ネイル押出シートを有し、
前記第1ハンドル部及び/又は前記第2ハンドル部にロック機構が設けられ、前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部が回転機構の回転によって回転し、かつ、ロック機構によって互いにロックされ、
前記調節機構が前記第1ハンドル部と前記第2ハンドル部の間に位置し、
前記調節機構を調節することで前記第2ハンドル部が前記回転機構によって前記第1ハンドル部に対して回転可能に構成され、
前記調節機構が、回転ダイヤルと、回転ダイヤルボタンと、ピンと、押えばねと、調節スライドと、スライドピンと、を有し、
前記第1ハンドル部がネイルカートリッジベースをさらに備え、
前記回転ダイヤルが、前記ピン及び前記押えばねを介して前記第1ハンドル部と接続し、前記調節スライドが、前記スライドピンを介して前記第2ハンドル部と接続し、前記ネイルカートリッジベースに円孔が存在し、前記ピン、前記回転ダイヤル及び前記調節スライドと同軸に一致し、
前記調節機構の前記回転ダイヤルボタンが前記回転ダイヤルと接続し、前記回転ダイヤルが少なくとも2つの段差面を有し、前記調節スライドが前記回転ダイヤルのいずれかの段差面と噛合し、
前記回転ダイヤルが、前記回転ダイヤルボタンの回転に伴って回転し、前記噛合している前記調節スライドが前記段差面の垂直方向で変位し、それによって、前記第2ハンドル部が前記スライドピンを介して、挟んだ組織の厚みが近端部と遠端部で一致するように、前記第1ハンドル部に対して回転することを特徴とする外科用ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に属し、ステープラーに関し、特に、外科用ステープラーに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用ステープラーの作動原理は2つの対応するハンドル部(通常ネイル押出シート部とネイルカートリッジ部を有する)の閉鎖によって組織を挟んで、それからステープラーのネイルカートリッジ部の縫合ネイルを押し出して成形して、組織を縫い合わせるのである。一部のステープラーに、また縫い合わせた組織をカットするカッターを設けられている。
【0003】
上記の機能を持っている外科用ステープラーは第1ハンドル部と第2ハンドル部を有し、第1ハンドル部に脱着可能なネイルカートリッジ部、ロックバー、駆動部を有している。ネイルカートリッジ部は普通にネイルカートリッジ、若干の縫合ネイル、若干のネイル押出ブロックを有し、ネイルカートリッジに数列の孔があって、孔の中に縫合ネイルがあって、ネイルカートリッジの表面が組織との接触面である。第2ハンドル部に数列のネイル成形溝がついているネイル成形面を有するネイル押出シートを有している。
【0004】
第1ハンドル部が第2ハンドル部と接続して、そして第1ハンドル部に位置するロックバーのロックによって縫い合わる組織を閉鎖することができる。
【0005】
駆動部にウェッジプッシュシートを有しており、駆動部がステープラーの近端部から遠端部に移動する時、ネイルカートリッジ内の縫合ネイルをネイル押出シートのネイル成形面のネイル成形溝で成形するように駆動する。従来は、駆動部にまた組織が縫い合わせられ後に、多列のネイル線の間で組織を切断するカッターを有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のステープラーの設計では、異なる組織を縫い合わせる時、組織の強靭性、厚さなどが一致しないため、ステープラーでわりに厚い組織を閉鎖する時、挟んだ組織の近端部と遠端部での圧縮厚さが一致しない現象が発生するが、従来は、遠端部での圧縮厚さが近端部より大きいことが発生し、
図5に示すように、この時にL2>L1となる。このような状況によって、近端部と遠端部の縫合ネイルの成形高さが一致しないことをもたらすが、遠端部で成形高さが高すぎて、甚だしきに至っては成形の不良が出て、更に縫合口に出血、吻合部漏出などの現象を招く。
【0007】
これに鑑みて、前記のステープラーの前記欠陥を克服するように、現在切実に新しいステープラーを設計しなければならないのである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、挟んだ組織の厚さを近端部と遠端部で一致にして、縫合ネイルの成形率を高めて、縫合口の出血、吻合部漏出などの現象の発生を減らすことができる外科用ステープラーを提供することを目的とする。
【0009】
上記技術的課題を解決するための本発明の具体的な構成は、以下によって把握される。
【0010】
(1)本発明に係る1つの態様は、第1ハンドル部と、第2ハンドル部と、調節機構と、を備える外科用ステープラーであって、前記第1ハンドル部が、ネイルカートリッジベースと、脱着可能なネイルカートリッジ部と、ロックバーと、駆動部と、を有し、前記第2ハンドル部が、ネイル押出シートと、回転軸と、を有し、前記第2ハンドル部が、前記第1ハンドル部と組み立てられ、前記第1ハンドル部の前記ロックバーによって縦方向でロックされ、前記調節機構が、前記ステープラーの近端部に設けられ、前記第1ハンドル部と前記第2ハンドル部の間に位置し、前記調節機構を回転して、前記第2ハンドル部が、その上の回転軸によって前記第1ハンドル部に対して回転させ、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致し、前記調節機構がカム機構であって、回転ダイヤルと、回転ダイヤルボタンと、ピンと、押えばねと、調節スライドと、スライドピンと、を有し、前記回転ダイヤルが、前記ピン及び前記押えばねを介して前記第1ハンドル部と接続し、前記調節スライドが、前記スライドピンを介して前記第2ハンドル部と接続し、前記ネイルカートリッジベースに円孔が存在し、前記ピン、前記回転ダイヤル及び前記調節スライドと同軸に一致し、前記調節機構の前記回転ダイヤルボタンが前記回転ダイヤルと接続し、前記回転ダイヤルが少なくとも2つの段差面を有し、前記調節スライドが前記回転ダイヤルのいずれかの段差面と噛合し、前記回転ダイヤルが、前記回転ダイヤルボタンの回転に伴って回転し、前記噛合している調節スライドが前記段差面の垂直方向で変位し、それによって、前記第2ハンドル部が前記スライドピンを介して、挟んだ組織の厚みが近端と遠端で一致になるよう前記第1ハンドル部に対して回転する外科用ステープラー。
【0011】
(2)本発明に係る他の1つの態様は、第1ハンドル部と、第2ハンドル部と、調節機構と、を備える外科用ステープラーであって、前記第1ハンドル部が、ネイルカートリッジ部と、駆動部と、を有し、前記第2ハンドル部が、ネイル押出シートを有し、前記第1ハンドル部又は/及び前記第2ハンドル部にロック機構が設けられ、前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部が回転機構の回転によって回転し、かつ、ロック機構によって縦方向でロックされ、前記調節機構が前記第1ハンドル部と前記第2ハンドル部の間に位置し、前記調節機構を調節することで前記第2ハンドル部がその上の回転機構によって第1ハンドル部に対して回転する外科用ステープラー。
【0012】
(3)上記(2)までの態様において、好ましくは、前記調節機構が、前記ステープラーの近端部に設けられ、前記調節機構の自身の高さを調節することで、前記第2ハンドル部が前記第1ハンドル部に対して回転して、前記ステープラーで挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致になること。
【0013】
(4)上記(2)までの態様において、好ましくは、前記調節機構がカム機構であること。
【0014】
(5)上記(4)の態様において、好ましくは、前記カム機構が、回転ダイヤルボタンと、回転ダイヤルと、調節スライドと、を有し、前記回転ダイヤルボタンが前記回転ダイヤルと接続し、前記回転ダイヤルが少なくとも2つの段差面を有し、前記調節スライドの一つの端部が前記回転ダイヤルのいずれかの段差面と噛合し、前記調節スライドの他の端部がスライド機構を介して第2ハンドル部と接続し、前記回転ダイヤルが、前記回転ダイヤルボタンの回転に伴って回転し、前記噛合している調節スライドが前記段差面の垂直方向で変位し、それによって、前記第2ハンドル部が前記スライド機構を介して、挟んだ組織の厚みが近端と遠端で一致になるよう、前記第1ハンドル部に対して回転すること。
【0015】
(6)上記(2)の態様において、好ましくは、前記調節機構が、回転ダイヤルと、回転ダイヤルボタンと、ピンと、押えばねと、調節スライドと、スライドピンと、を有し、
前記回転ダイヤルが、前記ピン及び前記押えばねを介して前記第1ハンドル部と接続し、前記調節スライドが、前記スライドピンを介して前記第2ハンドル部と接続し、前記ネイルカートリッジベースに円孔が存在し、前記ピン、前記回転ダイヤル及び前記調節スライドと同軸に一致し、前記調節機構の前記回転ダイヤルボタンが前記回転ダイヤルと接続し、前記回転ダイヤルが少なくとも2つの段差面を有し、前記調節スライドが前記回転ダイヤルのいずれかの段差面と噛合し、前記回転ダイヤルが、前記回転ダイヤルボタンの回転に伴って回転し、前記噛合している調節スライドが前記段差面の垂直方向で変位し、それによって、前記第2ハンドル部が前記スライドピンを介して、挟んだ組織の厚みが近端と遠端で一致になるよう、前記第1ハンドル部に対して回転すること。
【0016】
(7)上記(2)の態様において、好ましくは、前記調節機構が、非水平のスライディングベベルを有するウェッジスライダーを有し、前記ウェッジスライダーは、その前記スライディングベベルが前記ネイルカートリッジベースに合わせるよう、前記ネイルカートリッジベースの上に設けられ、前記スライディングベベルに押しボタンが設けられ、前記押しボタンを押すことでウェッジスライダーが異なる位置に移動させて、前記ネイルカートリッジベースが前記スライディングベベルの合わせ位置を変えて、さらに、前記ネイル押出シートの近端部を上げたり下げたりして、遠端部を下げたり上げたりして、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致になること。
【0017】
(8)上記(2)の態様において、好ましくは、前記調節機構が、ネジ山を有する調節ネジを有し、前記調節ネジのネジ山が前記第1ハンドル部/第2ハンドル部に位置するネジ山と螺合し、前記調節ネジの頭部が前記第2ハンドル部/第1ハンドル部に合わせること。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ハンドル部の近端部の調節機構によって、挟んだ組織の厚さを近端部と遠端部で一致にして、縫合ネイルの成形率を高めて、縫合口の出血、吻合部漏出などの現象の発生を減らすことができる外科用ステープラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る外科用ステープラーの構造を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る外科用ステープラーの調節機構の構造を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る外科用ステープラーの回転ダイヤルの構造を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る外科用ステープラーの調節スライドの構造を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る外科用ステープラーの調節前の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る外科用ステープラーの調節後の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係る外科用ステープラーの調節機構の構造を示す概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態に係る外科用ステープラーのウェッジスライダーの構造を示す概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態に係る外科用ステープラーの構造を示す概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3実施形態に係る外科用ステープラーの調節ネジの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1〜
図6を参照して実施形態のステープラーについて説明する。本発明は、第1ハンドル部10と、第2ハンドル部20と、調節機構30と、を有する外科用ステープラーを開示した。
【0022】
本実施形態において、前記第1ハンドル部10はネイルカートリッジベース101、脱着可能なネイルカートリッジ部(ネイルカートリッジ107、若干のネイル押出ブロックと若干の縫合ネイルを有する)、ロックバー105、駆動部(本実施形態では、プッシュハンドル部103、プッシュシートとカッターである)を有している。ロックバー105が回転可能に第1ハンドル部10に設けられている。第2ハンドル部20はネイル押出シートケース201、ネイル押出シート203と回転軸205(その他の回転機構でもよい)を有しているが、ネイル押出シート203はネイル成形面を備えている。
【0023】
前記第1ハンドル部10と第2ハンドル部20が一緒に組み立てられて、そして第1ハンドル部10のロックバー105を介して縦方向でロックされる。
【0024】
前記調節機構30がステープラーの近端部に置かれており、第1ハンドル部10と第2ハンドル部20の間に位置している(更に具体的には、ネイルカートリッジベース101とネイル押出シート203の間に位置している)。調節機構30を回して、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端で一致になるように、第2ハンドル部20をその上の回転軸205を介して第1ハンドル部10に対して回転させる。
【0025】
図2を参照して、本実施形態の中で、前記調節機構30がカム機構である。前記カム機構は回転ダイヤルボタン305、回転ダイヤル305、ピン309、押えばね308、調節スライド302、スライドロック303(その他のスライド機構でもよい)を有している。
【0026】
そのうち、回転ダイヤル304がピン309と押えばね308を介して第1ハンドル部10と接続して、調節スライド302がスライドロック303を介して第2ハンドル部20と接続している。ネイルカートリッジベース101に円孔があって、
図2に示すように、ピン309、回転ダイヤル304、調節スライド302と同軸で合わせている。
【0027】
図3、
図4のように、回転ダイヤルボタン305が回転ダイヤル304と接続して、回転ダイヤル304に少なくとも2つの段差面3041、3042、3043、3044、3045(
図3を参照)を有し、調節スライド302の一つの端部が回転ダイヤル304のいかなる段差面と噛合し、他の端部がスライドピン303を介して第2ハンドル部20と接続している。回転ダイヤルボタン305を回転する時、回転ダイヤル304がそれに伴って回転して、それに噛合していた調節スライド302(回転ダイヤル304の段差面に合わせている第2段差面3021を有する)に段差面の垂直方向で変位が出て、それによってスライドピン303を介して、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致になるまで、第2ハンドル部20を第1ハンドル部10に対して回転させて、
図6に示すように、この時にL1はL2とほぼ同じです。
【0028】
もちろん、前記調節機構はほかの方式によって、ステープラーで挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致になるまで、第2ハンドル部を第1ハンドル部に対して回転させることもできるのである。
【0029】
(第2実施形態)
本実施形態と実施形態1との違いとして、本実施形態では、
図7、
図8を参照して、調節機構が非水平のスライディングベベル311を有するウェッジスライダー31を有する。ウェッジスライダー31がネイルカートリッジベース101の上に設けられ、スライディングベベル311がネイル押出シート203に合わせている。スライディングベベル311に押しボタン312が設けられ、押しボタン312を押すことでウェッジスライダー31が異なる位置に移動させて、ネイルカートリッジベース101がスライディングベベル311の合わせ位置を変えて、さらに、ネイル押出シート203の近端部を上げたり下げたりして、遠端部を下げたり上げたりして、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致することになり、
図6に示すように、この時、L1はL2とほぼ同じです。
【0030】
(第3実施形態)
本実施形態と実施形態1との違いとして、本実施形態では、
図9、10に示すように、調節機構が、ネジ山を有する調節ネジ32(調節つまみ321、ねじ山322を有する)を有し、調節ネジ32のネジ山がネイルカートリッジベース101に位置するネジ山と螺合し、調節ネジの頭部がネイル押出シート203に合わせている。
【0031】
手動で調節ネジの調節つまみを調節すると、調節ネジの頭部がネイルカートリッジベースに対する位置を変位して、ネイル押出シート203の近端部を上げ(下げ)たり、遠端部を下げ(上げ)たりし、これによって、挟んだ組織の厚さが近端部と遠端部で一致することになり、
図6に示すように、この時、L1はL2とほぼ同じです。
【0032】
(第4実施形態)
第1ハンドル部、第2ハンドル部と調節機構を有する外科用ステープラー。前記第1ハンドル部はネイルカートリッジ部と駆動部とを有し、第2ハンドル部はネイル押出シートを有している。第1ハンドル部及び/又は第2ハンドル部にロック機構が設けられ、第1ハンドル部、又は第2ハンドル部が回転軸(その他の回転機構でもよい)を介して回転して、そしてロック機構を介して縦方向でロックすることができる。前記調節機構が第1ハンドル部と第2ハンドル部の間に位置して、前記調節機構を調節することで前記第2ハンドル部がその上の回転機構によって第1ハンドル部に対して回転することができる。
【0033】
上記のことをまとめると、本発明で提供する外科用ステープラーは、ハンドル部の近端部の調節機構によって、挟んだ組織の厚さを近端部と遠端部で一致にして、縫合ネイルの成形率を高めて、縫合口の出血、吻合部漏出などの現象の発生を減らすことができる。
【0034】
ここで、本発明の陳述と応用は説明的なものであるが、決して本発明の範囲を上記の実施形態に制限するわけではないのである。ここで開示した実施形態は変形と変更が可能で、本分野の普通の技術者にとって実施形態の代替と相当な各部品は周知のものである。本分野の技術者は、本発明の精神や本質特徴を逸脱せずに、本発明がその他の形式、構造、配置、割合およびその他の部、材料と部品で実現することができる。本発明の範囲と内容を逸脱せずに、ここで開示した実施形態に対してその他の変形と変更を行うことができると理解するべきである。