(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像手段は、前記送金人端末及び前記受取人端末の双方に備えられ、前記送金人側及び受取人側のインターネットバンキング・サーバそれぞれの顔認証手段は、前記送金人の顔画像と前記受取人の顔画像を相互認証させることを特徴とする請求項2に記載のインターネットバンキング・サーバ。
前記撮像手段は、前記送金人若しくは前記受取人が所持するスマートフォン若しくはタブレット端末又は前記送金人若しくは前記受取人が装着したスマートグラスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインターネットバンキング・サーバ。
送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な金融機関のインターネットバンキング・サーバのプログラムであって、
撮像手段を備えた前記送金人端末から、前記受取人の顔画像を受信する顔画像受信手段、
前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記受取人の顔認証を行う顔認証手段、
前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信するか否かを前記受取人に確認させる口座情報送信可否確認通知を前記受取人端末に送信する手段、
前記口座情報送信可否確認通知を受け取った受取人が自らの口座情報の送信を許可したことに応じて、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信する手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバのプログラムであって、
撮像手段を備えた前記受取人端末から、前記送金人の顔画像を受信する顔画像受信手段、
前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記送金人の顔認証を行う顔認証手段、
前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバ経由で前記送金人端末に送信し、前記送金人端末から送金させる手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明では、上記のような課題にかんがみ、対面式の決済において、インターネットバンキングからの振込操作で送金を行うことができる新たな仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
(1)送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な金融機関のインターネットバンキング・サーバであって、撮像手段を備えた前記送金人端末から、前記受取人の顔画像を受信する顔画像受信手段と、前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記受取人の顔認証を行う顔認証手段と、前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信するか否かを前記受取人に確認させる口座情報送信可否確認通知を前記受取人端末に送信する手段と、前記口座情報送信可否確認通知を受け取った受取人が自らの口座情報の送信を許可したことに応じて、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
(2)送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバであって、 前記受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバが、撮像手段を備えた前記受取人端末から、前記送金人の顔画像を受信する顔画像受信手段と、前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記送金人の顔認証を行う顔認証手段と、を備え、前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバ経由で前記送金人端末に送信し、前記送金人端末から送金させることを特徴とする。
【0008】
(3)送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバであって、 前記送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバが、撮像手段を備えた前記受取人端末から、前記送金人の顔画像を受信する顔画像受信手段と、前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記送金人の顔認証を行う顔認証手段と、前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバ経由で前記送金人端末に送信し、前記受取人の口座情報を受信した送金人端末から送金指示を受け付ける送金受付手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
(4)上記(2)又は(3)に記載の構成において、前記撮像手段は、前記送金人端末及び前記受取人端末の双方に備えられ、前記送金人側及び受取人側のインターネットバンキング・サーバそれぞれの顔認証手段は、前記送金人の顔画像と前記受取人の顔画像を相互認証させることを特徴とする。
【0010】
(5)上記(1)から(4)までのいずれか1つに記載の構成において、店頭での対面販売において、前記顔認証手段は、前記受取人の顔画像を店舗の店員の顔画像とすることを特徴とする。
【0011】
(6)上記(5)に記載の構成において、前記店頭での対面販売において、前記店舗の固有の物体の画像を前記店員の顔画像の代わりとして認証する物体画像認証手段を備えることを特徴とする。
【0012】
(7)上記(1)から(3)までのいずれか1つに記載の構成において、前記受取人端末は、自動販売機であり、前記自動販売機の業者の口座情報を前記受取人の口座情報とする。
【0013】
(8)上記(1)から(7)までのいずれか1つに記載の構成において、前記撮像手段は、前記送金人若しくは前記受取人が所持するスマートフォン若しくはタブレット端末又は前記送金人若しくは前記受取人が装着したスマートグラスであることを特徴とする。
【0014】
(9)送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な金融機関のインターネットバンキング・サーバのプログラムであって、 撮像手段を備えた前記送金人端末から、前記受取人の顔画像を受信する顔画像受信手段、 前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記受取人の顔認証を行う顔認証手段、前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信するか否かを前記受取人に確認させる口座情報送信可否確認通知を前記受取人端末に送信する手段、前記口座情報送信可否確認通知を受け取った受取人が自らの口座情報の送信を許可したことに応じて、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信する手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0015】
(10)送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバのプログラムであって、撮像手段を備えた前記受取人端末から、前記送金人の顔画像を受信する顔画像受信手段、前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記送金人の顔認証を行う顔認証手段、前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバ経由で前記送金人端末に送信し、前記送金人端末から送金させる手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0016】
(11)送金人が所持する送金人端末と、前記送金人からの送金を受け取る受取人の受取人端末とに接続可能な送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバのプログラムであって、撮像手段を備えた前記受取人端末から、前記送金人の顔画像を受信する顔画像受信手段、前記受信した顔画像を、顔認証情報を登録した顔認証情報データベースと照合して前記送金人の顔認証を行う顔認証手段、前記顔認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバ経由で前記送金人端末に送信し、前記受取人の口座情報を受信した送金人端末から送金指示を受け付ける送金受付手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、対面式の決済において、インターネットバンキングからの振込操作で送金を行うことができる新たな仕組みを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向又は処理の流れ方向を表す。
【0020】
<第1の実施形態>
(基本概念)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る「見つめて決済」の基本概念(サービスイメージ)を示す図である。「見つめて決済」とは、相手の顔を見つめることで取得した顔画像から、その相手を送金先又は受取先として認証し、その場で決済を完了するサービスのことである。
【0021】
本サービスのユーザ(送金人)は、銀行等の金融機関で口座開設時や口座変更時に、送金先の相手(受取人)の顔認証情報を事前登録しておく。顔認証情報とは、スマートフォンやスマートグラスのカメラで撮った相手の顔画像を顔認証のための認証情報としてデータベースに登録したものである。ここで撮る顔画像は、顔だけでなく、体のポーズやジュスチャを含んでもよい。登録する顔画像は顔認証情報として、金融機関のシステム内に受取人の口座情報に関連付けて保管しておく。
【0022】
実際に送金するときには、送金人はまず、自身が口座を所有する金融機関のインターネットバンキング(「〇〇ダイレクト」と呼ばれることが多い)に、ログインする。ログインは、通常のスマートフォンやタブレット端末から行ってもよいが、スマートグラスから行うとよりスマートである。スマートグラスとは、メガネをかける要領で頭部に装着して使用され、小型のカメラと小型のディスプレイを搭載したウェアラブルデバイスである。
【0023】
ログインが完了すると、送金人は、対面している相手(受取人)を見つめ、スマートフォンやスマートグラスのカメラで撮った顔画像を金融機関のサーバに送信する。金融機関のサーバでは、受信した顔画像から受取人として登録された顔認証情報をデータベース上で検索(照合)し、顔認証情報に対応した受取人の口座情報を取得する。受取人の登録がない場合でも今後の付き合いが想定される場合は、受取人に口座情報を入力してもらってその場で登録してもよい。なお、ここでいう「対面」とは、目の前の相手と直接対面している場合だけでなく、テレビ電話等の映像送信手段を介して遠隔地の相手と対面している場合も含む。
【0024】
そして、送金人側の金融機関のサーバは、受取人のスマートフォン等に、受取人の口座情報を送金人に送信してよいか否かの確認を求める送信可否確認を送信する。送信可否確認を受信した受取人は自分の口座情報を開示するか否かを判断し、開示する場合は、サーバに対して送信可を通知する。この通知を受け取ったサーバは、今度は、送金人に対して確認通知を送信する。例えば、「受取人は総研 花子さんですか?」のような確認メッセージを送信する。
【0025】
確認通知を受け取った送金人は、受取人に誤りがないことを確認し、送金額を入力して送金指示を行う。送金指示を受信したサーバは、送金を受付け、送金受付完了通知を送金人と受取人の双方に発信する。送金人からの送金指示は、通常のインターネットバンキングにおける振込操作と同じであるが、振込先情報は、確認通知を受け取った時点で振込画面に自動的に入力されている。
【0026】
このようにすることで、送金人は、対面している相手(受取人)から口座情報を聞き出して振込画面に入力することなく、相手人を見つめるだけで振込先情報を取得でき、従来に比べ、振込を簡単かつスマートに行うことができる。また、受取人には、自分の口座情報を送金人に送信してよいか否かの判断が必ず求められるので、見つめられただけで相手に不用意に自分の口座情報が送信されてしまうことはない。
【0027】
図2は、「見つめて決済」サービスの実際の利用シーンの一例として、居酒屋で同僚と飲んだ際の割勘の場面を示したものである。このような場面では「見つめて決済」を利用すると代金の清算をスマートに行うことができる。「見つめて決済」のその他の利用シーンとしては、宴会の幹事が行う集金、特定の個人又はその個人が主催する団体への送金、寄付、募金等の場面が考えられる。
【0028】
(機能構成)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る「見つめて決済」システムの機能構成を示す図である。「見つめて決済」システム(以下、本システム)は、送金人が口座を所有している金融機関のインターネットバンキング・サーバ(IBサーバ100; 以下、単にサーバと呼ぶことがある。)が、送金人が携帯する送金人端末200と、受取人が携帯する受取人端末210とに、インターネット上で、無線通信によって通信可能に接続されている。送金人端末200及び受取人端末210は、一般的なスマートフォン、タブレット端末、スマートグラス(以下、スマートフォン等)であってよい。なお、受取人は、送金人と同じ金融機関に口座を所有している必要はない。
【0029】
送金人端末200は、カメラ(撮像手段201)を備えているものとし、撮像手段201で撮った受取人の顔画像をサーバに送信する顔画像送信手段202を備える。また、受取人端末210は、自分の口座情報を送金人に送信してよいか否かを確認するための送信可否確認手段213を備える。なお、受取人端末210にも、撮像手段211、顔画像送信手段212を備えていてもよいが本実施形態では使用しない。
【0030】
送信可否確認手段213は、サーバからの送信可否確認通知を、あらかじめ登録した受取人の電話番号あてに送受信ができるSMS(Short Message Service)やEメールの送受信もサポートするMMS((Multimedia Messaging Service)を利用したメール等を利用し、送信可否確認通知に対して、許可/不許可を選択するための口座情報送信可否確認画面(後述の
図5参照)を生成して表示する。なお、受取人端末210は、必ずしもカメラ(撮像手段211)を備えていなくともよい。
【0031】
また、図示は省略するが、送金人端末200又は受取人端末210には、「検索者登録手段」及び「個人モード切替手段」を備えていてもよい。「検索者登録手段」とは、被検索者(見つめられる側)が検索者(見つめる側)を事前に登録、又は検索者(見つめる側)が被検索者(見つめられる側)を事前に登録しておく手段のことである。登録する期間は、所定期間(一時的)であってもよい。登録後に口座情報を取得した後は、その登録をいったん解除するようにしてもよい。このようにすることで、見知らぬ相手等から勝手に自分の口座情報を検索される(認証を要求される)不安がなくなる。
【0032】
また、「個人モード切替手段」とは、見つめる相手の人間の属性(モード)を切り替える手段のことである。個人モード切替手段は、例えば、知人が店舗の従業員とし勤務しているときに対面した場合は、その相手を「店員モード」とし、同じ知人が勤務中以外のときに対面した場合は、その相手を「個人モード」として、それらのモードを自分の端末から切り替える機能を備える。このようにすることで、同じ相手でも時と場面により、異なる認証を行うことが可能となる。
【0033】
サーバの機能ブロックとしては、ユーザ端末通信手段101と、顔画像受信手段102と、顔認証手段103と、受取人の登録顔画像を保管する顔認証情報DB104(顔認証情報データベース)と、顧客の口座情報を格納した口座情報DB105(口座情報データベース)と、確認通知手段106と、送金受付手段107とを備えている。
【0034】
ユーザ端末通信手段101は、ユーザ(ここでは送金人及び受取人を指す)の端末とインターネット上の無線通信を制御する。顔画像受信手段102は、送金人端末200から受取人を撮像した顔画像を受信する。顔認証手段103は、受信した顔画像を、送金人によってあらかじめ登録された受取人の顔認証情報を保管する顔認証情報DB104内の登録データと照合し、顔認証情報の特徴量が一致しているデータがあれば顔認証成立とし、その顔認証情報に対応して登録されている受取人の口座情報を読み出す。
【0035】
図4は、この顔認証情報DB104に格納されるデータの構成例を示す図である。図示するように、顔認証情報DB104は、顔認証情報ごとに、受取人の口座情報(口座名義人、銀行名、支店名、口座番号)が対応付けられて保管されている。また、顔認証情報には口座情報以外にも受取人の携帯端末の電話番号等の通知先が対応付けられて登録され、この通知先あてに口座情報送信可否確認通知がSMSメール等で送信される。
【0036】
顔認証情報は、一人の受取人に対して複数登録しておくことも可能で、顔の画像を含んだ体のポーズやジェスチャの異なるものを複数登録しておけば、受取人は、そのポーズ等によって別々の受取口座を指定することが可能となる。例えば、
図4の例では3つのポーズが登録されているので、受取先としてA銀行、B銀行、C銀行の口座を顔認証時の受取人のポーズによって指定できる。また、あらかじめ定めた動作を振込実行の際の第2暗証番号や第2パスワードの代わりとするようなことも可能である。このようにすることでより確実な顔認証が可能となる。
【0037】
図3の説明に戻る。サーバの確認通知手段106は、顔認証手段103の顔認証が成立した場合、前述した送金可否確認通知を受取人端末210に送信する。このとき、送金可否確認通知には口座情報DB105から読み出した送金人の口座情報を含ませてもよい。
【0038】
受取人端末210が送金可否確認通知を受信すると、送信可否確認手段213によって
図5のような口座情報送信可否確認画面300が受取人端末210に表示される。受取人がこの画面から、例えば、送信許可ボタン301を押すと(スマートグラスの場合は音声で指示する)、サーバの確認通知手段106に通知され、確認通知手段106は、顔認証手段103が読み込んだ受取人の口座情報を受取人の確認用画面に含ませ、送金人端末200に送信する。このときの受取人確認画面400の一例を
図6に示す。送金人が受取人に間違いがないことを確認して確認ボタン401を押すと、インターネットバンキングの通常の振込画面に、受取人の口座情報が振込先情報として転記される。送金人は、あとは振込金額を入力して振込実行のボタンを押せばよい。
【0039】
サーバの送金受付手段107は、送金人が受取人の口座情報を確認し、送金人端末200から送金要求をすると、その要求を受け付けて、勘定系システム(図示せず)に対して、送金人の口座から受取人の口座への資金移動(振込)の指示を行う。また、送金受付手段107は、送金受付が完了したことを確認通知手段106に指示し、この指示を受けた確認通知手段106は、送金受付完了通知(振込受付完了通知)を、送金人端末200及び受取人端末210に送信する機能も有する。
【0040】
すなわち、確認通知手段106は、受取人の顔認証が成立した際に、受取人の口座情報を送金人端末200に送信するか否かを受取人に確認させるための口座情報送信可否確認通知を受取人端末210に送信する手段と、口座情報送信可否確認通知を受け取った受取が自らの口座情報の送信を許可したことに応じて、受取人の口座情報を送金人端末200に送信する手段とを併せ持つ。
【0041】
図7は、上記本システムの機能を、送金人端末200、IBサーバ100、受取人端末210が連携する処理をフローチャートの形にまとめたものである。繰り返しになるので逐次説明は省略するが、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。なお、
図7のステップS12がNの場合は、2種類のケースが考えられる。受取人が口座情報の送信を拒否した場合と、顔認証情報が未登録と判定された場合である。前者の場合は、送金人端末200の処理は終了するが、後者の場合は、正しい顔画像が送信されていないことが考えられるので、ステップS11に戻り、受取人の顔画像の撮像をやり直せるようにしてもよい。
【0042】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0043】
<第2の実施形態>
(基本概念)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る「見つめて決済」の基本概念(サービスイメージ)を示す図である。第1の実施形態では、送金人が受取人の顔画像を撮像し、顔認証を行うパターンについて説明したが、第2の実施形態では、逆に、受取人が送金人(被請求人)の顔画像を撮像し、顔認証を行うパターンについて説明する。利用シーンとしては、宴会の幹事である受取人が、たまたま出会った参加人に会費を請求したり清算を要求したりする場面、受取人が貸したお金の返済をたまたま出会った借用人に請求する場面、対面販売で業者(受取人)がお得意様(送金人)に商品代金を請求する場面等が考えられる。
【0044】
第2の実施形態では、
図8に示すように、まず、受取人が携帯するスマートフォンやスマートグラス等から、自身の口座がある受取人側の金融機関のインターネットバンキングにログインする。そして、相手(送金人)を見つめて撮像した顔画像を受取人側の金融機関のサーバに送信する。送金人の顔画像の撮像とインターネットバンキングのログインは順序が逆であってもよい。
【0045】
受取人側の金融機関のサーバでは、受信した顔画像を顔認証情報DB上のデータと照合し、送金人の登録を確認する。送金人の登録がない場合でも今後の付き合いが想定される場合は、送金人に口座情報を入力してもらってその場で登録してもよい。登録が確認されると、受取人側の金融機関のサーバは、送金依頼である請求情報を送金人に送信する。請求情報は、受取人が前もって作成した請求リストから取得するようにしてもよい。
【0046】
送金人は、受取人から口頭で促されるなどして、自分の口座があるインターネットバンキングにログインすると、受取人からの請求情報が表示される。インターネットバンキングにログインしなくとも、別途、SMSメール等で請求情報が通知されるようにしてもよい。送金人は、請求情報に誤りがないことを確認したら、送金指示(振込指示)を自身の口座のある金融機関のインターネットバンキングから行う。送金人側の金融機関のサーバでは、この送金指示を受け付け、送金受付完了通知を送金人及び受取人に発信する。
【0047】
以上のような手順で、請求から入金までの処理を確実に行うことができる。第1の実施形態との主な違いは、受取人側がインターネットバンキングにログインする手間や送金人の顔画像を撮像する手間が増える代わりに、受取人の口座情報送信可否の判断を必要としないことである。送金人は、受取人の口座情報が含まれた請求情報を確認してそのまま振込を行うだけなので、振込の手間が軽減する。振込の手間が減少すれば早期の入金も期待できる。
【0048】
(機能構成)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る「見つめて決済」システムの機能構成を示す図である。ここでは、第1の実施形態の機能ブロック図(
図3参照)との違いについてのみ説明する。
【0049】
第2の実施形態では、送金人側IBサーバ100に加えて、受取人側IBサーバ110が登場する。両サーバは、送金人端末200と受取人端末210とに接続可能であって、機能的には同等である。ただし、送金人端末200の撮像手段201と顔画像送信手段202、及び送金人側IBサーバ100の顔画像受信手段102、顔認証手段103、顔認証情報DB104は、第2の実施形態では実際には機能しない(これを
図9の点線部分で示す。)。一方、受取人側IBサーバ110においては、上記の顔認証に関する手段はすべて機能するが(ただし、顔認証情報DB114には、受取人が登録した送金人(被請求人)の顔認証情報が登録されているものとする。)、送金人側IBサーバ100のように送金受付手段107が機能することはない。
【0050】
また、受取人側IBサーバ110では、送金受付手段107の代わりに、請求情報生成手段118が新たに設けられる。請求情報生成手段118は、受取人が作成した請求リストから今回顔認証した送金人に対する口座情報及び請求金額を抽出し、請求情報を生成し、確認通知手段116を介して、請求情報が含まれた請求情報確認画面を送金人端末200に送信する。このとき同じ請求情報確認画面を受取人端末210に送信し、受取人が確認してから送金人端末200に送信するようにしてもよい。
【0051】
なお、第2の実施形態の変形として、送金人側IBサーバ100の顔認証に関する手段も合わせて機能させれば、重要な取引におけるセキュリティを強化するために、送金人と受取人の顔画像を相互認証させる相互認証の機能を付加することもできる。この場合、撮像手段201、211は、送金人端末200及び受取人端末210の双方に備えられ、送金人及び受取人の顔画像を相手側のIBサーバに送信し、それぞれのIBサーバの顔認証手段103,113は、送金人の顔画像と受取人の顔画像を相互に認証する。すなわち、この実施形態では、
図9の点線の部分の機能ブロックがすべて動作する。なお、相互認証の場合、送金人及び受取人は、自分の顔画像を自分の口座情報に紐付けて自分の金融機関に登録しておけば、相手の口座情報を登録しておかなくても初対面の相手でも「見つめて
決済」が可能となる。
【0052】
相互認証には、相手の静止画(写真)を相互に撮影し、撮影した時刻の差が所定時間より短いかどうかを判定するようにしてもよい。また、相手の動画(ビデオ)を相互に撮影し、撮影時間に同じ時刻が含まれているかどうかを判定するようにしてもよい。例えば、静止画の場合、お互いに撮影した時刻が10〜20秒程度以内であれば、同じ場所、同じ時刻で対面したときの画像と判定できる。また、動画の場合、お互いの撮影時刻が一部でも重なっていれば、同じ場所、同じ時刻での画像と判定できる。このようにすることで、相互認証時のセキュリティを更に高めることができる。
【0053】
なお、相互認証の機能を付加する場合を含め、上記の機能ブロック図では、送金人側IBサーバ100と受取人側IBサーバ110の双方に顔認証に関する手段を設けたが、金融機関が共同で顔認証センターを設立し、顔認証機能を独立させるようにしてもよい。
【0054】
図10は、請求情報確認画面の一例を示す図である。図示する請求情報確認画面500で、送金人は振込先の口座情報と請求金額に誤りがないことを確認し、振込ボタン501を押すと、続いて表示される振込画面に受取人の口座情報と振込金額が自動的に転記されるので、そのまま振込指示をすることができる。請求を受諾しない場合は、拒否ボタン502を押すと請求拒否が受取人端末210に送られる。
【0055】
図11は、以上説明した第2の実施形態に係るシステムの機能を、受取人端末210、受取人側の金融機関のIBサーバ110、送金人端末200、送金人側の金融機関のIBサーバ100の連携処理をフローチャートの形にまとめたものである。このフローチャートにおいても、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいのは
図7の場合と同様である。
【0056】
<その他の実施形態>
上記の第1の実施形態及び第2の実施形態では、金融機関として主に銀行を想定して説明したが、他の金融機関として、クレジットカード会社や証券会社等にも適用が可能である。特に、銀行以外の金融機関の場合、クレジットカード会社が会員の顔認証情報及び加盟店の店員の顔認証情報を管理するようにして、加盟店での対面販売に応用することも可能となる。例えば、顧客が複数のクレジットカードを所持している場合に、顔認証のときのポーズによって、使用するクレジットカードを指定することも可能となる。店員の顔も顔認証できるので、不正防止にもなる。また、他の金融機関の例としては、個人金融の会社において、店舗で顧客を認証する際の顔認証や顧客が店員を認証する顔認証にも応用が可能である。
【0057】
また、本発明では、店頭での対面販売における別の応用も可能である。そこでは、店員の顔画像を認証情報に用いるのでなく、店内にあってその店を特定できるその店固有の物体(例えば、屋号の看板や、昔から店の象徴として店頭に置かれている置物等)を店の認証情報として利用する物体画像認証手段を備えるようにしてもよい。会員は、その店でデビットカード等を所持していなくとも、その店固有の物体の画像を撮像することで、その店を「認証」し、その店の口座へインターネットバンキングで振込することも可能となる。
【0058】
また、本発明は、自動販売機における顔認証にも応用が可能である。すなわち、自動販売機の業者の口座がある金融機関サーバに利用者の顔画像と口座情報を登録するようにしておく。特に年齢確認が必要な酒やタバコの自動販売機では特に有効である。この場合、撮像手段を備えた自動販売機が受取人端末となり、自動販売機の業者の口座情報が受取人の口座情報となる。口座情報送信可否確認は自動販売機が自動的に行う。このようにしておけば、利用者が現金やクレジットカード等を持ち合わせていなくとも、インターネットバンキングの振込によって自動販売機で購入した商品の代金を支払うことが可能となる。
【0059】
また、利用者は、よく利用する自動販売機の固有の物体の画像(自動販売機の識別用パネルや識別用バーコード等でもよい)を、受取人の顔認証情報の代わりに物体認証情報として自動販売機の業者の口座情報とともに金融機関に登録することができる。このとき、物体認証と利用者の顔認証とを組み合わせて相互認証するようにすれば不正購入がより防止できる。
【0060】
(実施形態の効果)
本システムによれば、第1に、対面式の決済において、インターネットバンキングからの操作で送金を行うことができる新たな仕組みを提供することができる。送金人が受取人を見つめて撮像した顔画像を使って顔認証することで、振込先の情報を受取人から聞き出すことなく、受取人の口座情報を取得することができる。したがって、現金を持ち合わせていなくとも、インターネットで振込が簡単に行える。また、口座情報を送金人に送信することの可否の確認を受取人が行うことで、単に見つめられただけでは口座情報が送信されることはない。
【0061】
第2に、受取人が送金人(被請求人)に請求をする場合に受取人が送金人を見つめて撮像した顔画像を使って顔認証することで、受取人は簡単に請求が行え、送金人は振込先の情報を受取人から聞き出すことなく、その請求に対して支払うことができる。
【0062】
第3に、送金人と受取人が相互に顔認証することで、より安全な決済の仕組みを提供することができる。
【0063】
第4に、店頭での対面販売において、店員の顔を認証することでその店の口座情報を取得することができるので、インターネットからの振込で商品代金を支払うことができる。
また、店員のミスや不正を抑止する手段ともなり得る。
【0064】
第5に、店頭での対面販売において、顔認証の代わりにその店舗固有の物体を認証することでその店の口座情報を取得することができるので、インターネットからの振込で商品代金を支払うことができる。
【0065】
第6に、自動販売機での商品購入において、自動販売機自体を受取人端末とし、自動販売機業者の口座情報を取得することができる。このようにすることで、現金やクレジジットカード等を持ち合わせていなくとも、インターネットからの振込で商品代金を支払うことができる。
【0066】
第7に、顔画像を撮像する手段は、一般的なスマートフォン、タブレット端末の他、スマートグラスとすることができ、特にスマートグラスを使用すると自然に相手の顔画像を撮像することができる。
【0067】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、「見つめて決済」を処理するインターネットバンキング・サーバについて説明したが、本発明は、方法の発明又はプログラムの発明としても捉えることができる。