【実施例】
【0030】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0031】
<<性能試験1:実施例1〜3、比較例1〜2>>
(実施例1)
活性炭粉末(BET比表面積1200m
2/g、平均粒子径20μm)600g、結合材としての粘土鉱物粉末900g、及びメチルセルロース150gを混練し、押出成形して断面視が四角形状のハニカム予備成形体を得た。その後、500℃で5時間焼成し、予備構造体を作製した。
金属酸化触媒としてMn−Cu複合酸化物(Mn:Cu(質量比)=1:0.4、BET比表面積150m
2/g)400g、結合材としてのシリカゾル1000g、及び水100gを混合して金属酸化物混合液を作製した。
予備構造体を金属酸化物混合液に含浸添着させることにより、金属酸化触媒をセルの表面に担持させ(金属酸化触媒添着)、ハニカム状の構造体を作製した。
これを乾燥し、脱臭体を製造した。得られた脱臭体のサイズは、縦15cm、横15cm、長さ3cmであった。
【0032】
(実施例2)
活性炭粉末の含有量を60質量%となるようにした以外は、実施例1と同様にして脱臭体を作製した。
【0033】
(実施例3)
活性炭粉末(BET比表面積1200m
2/g、平均粒子径20μm)710g、金属酸化触媒としてMn−Cu複合酸化物(Mn:Cu(質量比)=1:0.4、BET比表面積150m
2/g)290g、結合材としての粘土鉱物粉末400g、及びメチルセルロース150gを混練し、押出成形して断面視が四角形状のハニカム予備成形体を得た(金属酸化触媒練り込み)。
これを乾燥し、300℃で5時間焼成し、脱臭体を製造した。得られた脱臭体のサイズは、縦15cm、横15cm、長さ3cmであった。
【0034】
(比較例1)
活性炭粉末の含有量を20質量%となるようにした以外は、実施例1と同様にして脱臭体を作製した。
【0035】
(比較例2)
金属酸化触媒を用いなかった以外は、実施例3と同様にして脱臭体を作製した。
【0036】
<セル数と隔壁厚さの測定>
得られた脱臭体について、セル数と隔壁厚さを測定した。結果を表1に示す。
セル数:断面形状における1平方インチあたりのセルの個数
隔壁厚さ(mm):断面形状における隔壁の厚さ
【0037】
<試験例1:1パス脱臭性能の測定>
実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した脱臭体について、脱臭性能の評価を行った。
図2は、悪臭ガスの除去率を算出するための測定装置の説明図である。この測定装置においては、密閉可能な円筒形状の治具10の内部に、脱臭体12が設置される。悪臭ガスG1は、治具10のガス入口部13から導入され、脱臭体12を通過した後のガスG2がガス出口部14から排出されるようになっている。なお、脱臭体容積は3.4ccである。
悪臭ガスG1として硫化水素を用い、ガス濃度5ppm、流量8.5L/分、測定時温度25℃、測定時相対湿度80%、SV150,000h
−1の条件で脱臭性能を評価した。脱臭体12への通気開始から60分後に脱臭体通過後のガスG2をシリンジにて分取し、ガスクロマトグラフィ法(GC/FID)を用いて臭気成分の濃度を測定した。脱臭性能は下記式の除去率(%)として表した。
除去率(%)=(Ci−Cr)/Ci×100
式中、Ciは治具10のガス入口部13における悪臭ガス濃度(ppm)であり、Crは治具10のガス出口部14における悪臭ガス濃度(ppm)である。
結果を表1に示す。
【0038】
<試験例2:圧力損失の測定>
実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した脱臭体について、圧力損失を測定した。厚さ(悪臭ガスの流通方向の厚さ)が30mmの脱臭体を採用し、面風速1m/秒で通気して、微差圧計により脱臭体の入り口側と出口側との圧力損失差を測定した。
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1の結果より、脱臭体を構成する構造体中に活性炭と金属酸化触媒を含有し、かつ活性炭を40質量%以上含有させた実施例1〜3は、活性炭の含有量が20質量%である比較例1、金属酸化触媒を含有しない比較例2に比べて、悪臭ガスの除去率が高くなることがわかった。また、実施例1〜3、比較例1〜2は、セル数が同じであるが、圧力損失に大きな差は見られなかった。
【0041】
<<性能試験2:実施例4〜10、比較例3>>
(実施例4〜10、比較例3)
活性炭粉末の含有量を60質量%となるようにし、断面形状における1平方インチあたりのセルの個数(セル数)と隔壁の厚さを表2に記載するように変更した以外は、実施例1と同様にして脱臭体を作製した。
【0042】
実施例4〜10及び比較例3で製造した脱臭体について、上記試験例1、2の試験を行い、悪臭除去率と圧力損失を測定した。
結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表2の結果より、断面形状における1平方インチあたりのセルの個数(セル数)が150〜400個である実施例4〜10は、比較例3に比べて、悪臭ガスの除去率が高く、圧力損失も低いことがわかった。
【0045】
<<性能試験3:実施例1、比較例4〜6>>
(比較例4〜6)
活性炭粉末に代えて表3に記載の担体を使用した以外は、実施例1と同様にして脱臭体を製造した。
【0046】
実施例1及び比較例4〜6で製造した脱臭体について、上記試験例1の脱臭性能試験を行った。なお、試験は、悪臭ガスとしてメチルメルカプタン(ガス濃度5ppm)と硫化水素(ガス濃度5ppm)を用い、それぞれ測定時相対湿度80%又は90%の条件で試験を行った。
結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表3の結果から、実施例1の脱臭体は、比較例4〜6に比べて、硫化水素及びメチルメルカプタンという複数種のガスの除去率が高く、かつ高い相対湿度であっても高い除去率が維持されていることが分かった。
【0049】
<<性能試験4:実施例1、比較例4〜6>>
<試験例3:72時間脱臭性能の測定>
実施例1及び比較例4〜6で製造した脱臭体について、試験例1と同様の装置を用い、悪臭ガス(硫化水素)を72時間該装置に流通させた後、悪臭ガスの除去率を測定した。
測定条件は、悪臭ガス濃度40ppm、流量0.5L/分、測定時温度25℃、測定時相対湿度80%、SV8,800h
−1であった。
結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
表4の結果から、実施例1の脱臭体は、比較例4〜6に比べて、72時間という長時間にわたり硫化水素を流通させた後でも高い除去率を示した。したがって、実施例1の脱臭体は耐久性に優れることが分かった。
【0052】
<<性能試験5:実施例1、11〜26>>
(実施例11〜26)
表5に記載の金属酸化触媒を用い、活性炭と金属酸化触媒の割合を表5に記載の割合とした以外は、実施例1と同様にして脱臭体を製造した。なお、表5中、金属酸化触媒の含有量は、活性炭の質量を1としたときの質量比である。
【0053】
実施例11〜26で製造した脱臭体について、上記試験例1の脱臭性能試験を行った。
結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5の結果から、実施例11〜26の脱臭体は、金属酸化触媒の種類を変更しても、硫化水素の高い除去率を示した。
【0056】
<<性能試験6:実施例1、27〜34>>
(実施例27)
活性炭粉末(BET比表面積1200m
2/g、平均粒子径20μm)900g、結合材としての粘土鉱物粉末600g、及びメチルセルロース150gを混練し、押出成形して断面視が四角形状のハニカム予備成形体を得た。その後、500℃で5時間焼成し、予備構造体を作製した。
金属酸化触媒としてMn−Cu複合酸化物(Mn:Cu(質量比)=1:0.4、BET比表面積50m
2/g)400g、結合材としてのシリカゾル1000g、及び水100gを混合して金属酸化物混合液を作製した。
予備構造体を金属酸化物混合液に含浸添着させることにより、金属酸化触媒をセルの表面に担持させ(金属酸化触媒添着)、ハニカム状の構造体を作製した。
これを乾燥し、脱臭体を製造した。活性炭の含有量は46質量%であり、得られた脱臭体のサイズは、縦15cm、横15cm、長さ3cm、セル数300個/inch
2であった。
【0057】
(実施例28〜34)
活性炭と金属酸化触媒をBET比表面積が表6に記載のものを用いた以外は、実施例27と同様にして脱臭体を製造した。
【0058】
実施例27〜34で製造した脱臭体について、上記試験例1の脱臭性能試験を行った。なお、試験は、悪臭ガスとしてメチルメルカプタン(ガス濃度5ppm)と硫化水素(ガス濃度5ppm)を用いた。
結果を表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】
表6の結果から、いずれの実施例においてもメチルメルカプタンと硫化水素に対する除去率が50%以上であった。中でも、金属酸化触媒のBET比表面積が80m
2/g以上、活性炭のBET比表面積が、800m
2/g以上であるとより悪臭ガスの除去率が向上することがわかった。