特許第6756551号(P6756551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6756551
(24)【登録日】2020年8月31日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】開放型圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/02 20060101AFI20200907BHJP
   F04C 29/02 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   F04C18/02 311W
   F04C29/02 311K
【請求項の数】22
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-174902(P2016-174902)
(22)【出願日】2016年9月7日
(65)【公開番号】特開2018-40293(P2018-40293A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 創
(72)【発明者】
【氏名】宮本 善彰
(72)【発明者】
【氏名】水野 尚夫
(72)【発明者】
【氏名】野口 章浩
(72)【発明者】
【氏名】後藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】鹿内 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】後藤 秀作
【審査官】 上野 力
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−030188(JP,A)
【文献】 特開昭56−143386(JP,A)
【文献】 特開昭55−035154(JP,A)
【文献】 実開昭58−130096(JP,U)
【文献】 特開昭57−105582(JP,A)
【文献】 特開平08−004667(JP,A)
【文献】 米国特許第05308231(US,A)
【文献】 特開昭55−060685(JP,A)
【文献】 特開2012−062854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/02
F04C 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、
前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、
前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、
前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され
前記第一開口部は、前記中心軸を中心とする周方向の位置が前記油導入部と異なる位置に形成されている開放型圧縮機。
【請求項2】
前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びている請求項1に記載の開放型圧縮機。
【請求項3】
前記油路は、前記旋回端板において、前記旋回ラップが設けられた側の表面に形成された段部を避けて設けられている請求項1又は2に記載の開放型圧縮機。
【請求項4】
前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、
前記給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する請求項1からの何れか一項に記載の開放型圧縮機。
【請求項5】
前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受と前記軸方向で対向する位置に形成されている請求項に記載の開放型圧縮機。
【請求項6】
前記給油路は、前記中心軸を挟んで前記クランクピンと反対側にオフセットした位置で前記軸方向に延びている請求項又はに記載の開放型圧縮機。
【請求項7】
前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、
前記他の給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、
前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する請求項1からの何れか一項に記載の開放型圧縮機。
【請求項8】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、
前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、
前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、
前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、
前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、 前記他の給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する開放型圧縮機。
【請求項9】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、
前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、
前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、
前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、
前記給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する開放型圧縮機。
【請求項10】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、
前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、
前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、
前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、
前記油路は、前記旋回端板において、前記旋回ラップが設けられた側の表面に形成された段部を避けて設けられている開放型圧縮機。
【請求項11】
前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びている請求項10に記載の開放型圧縮機。
【請求項12】
前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、
前記給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する請求項10又は11に記載の開放型圧縮機。
【請求項13】
前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受と前記軸方向で対向する位置に形成されている請求項12に記載の開放型圧縮機。
【請求項14】
前記給油路は、前記中心軸を挟んで前記クランクピンと反対側にオフセットした位置で前記軸方向に延びている請求項12又は13に記載の開放型圧縮機。
【請求項15】
前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、
前記他の給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、
前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する請求項10から14の何れか一項に記載の開放型圧縮機。
【請求項16】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、
前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、
前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、
前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、
前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、
前記給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する開放型圧縮機。
【請求項17】
前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びている請求項16に記載の開放型圧縮機。
【請求項18】
前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受と前記軸方向で対向する位置に形成されている請求項16又は17に記載の開放型圧縮機。
【請求項19】
前記給油路は、前記中心軸を挟んで前記クランクピンと反対側にオフセットした位置で前記軸方向に延びている請求項16から18の何れか一項に記載の開放型圧縮機。
【請求項20】
前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、
前記他の給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、
前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する請求項16から19の何れか一項に記載の開放型圧縮機。
【請求項21】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、
前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、
前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、
前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、
前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、
前記他の給油路は、
前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、
前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する開放型圧縮機。
【請求項22】
前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びている請求項21に記載の開放型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開放型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
開放型圧縮機は、金属製のハウジング内に、電動機やエンジンによって回転駆動されるクランクシャフトと、クランクシャフトに対してオフセットされた位置に設けられた偏心軸と、この偏心軸に回転可能に支持される旋回スクロールと、旋回スクロールと対向する固定スクロールと、を有している(例えば、特許文献1参照)。旋回スクロールは、上記クランクシャフトの軸線を中心として、自転を伴わずに公転すなわち旋回運動を行う。これにより、固定スクロールと旋回スクロールとの間に形成される圧縮室の容積を変化させ、圧縮室内に導かれた流体を圧縮する。
【0003】
特許文献1の開放型圧縮機は、偏心軸は、旋回スクロールの端板に形成された有底円筒状のボスの内部に、ドライブ軸受を介して回動自在に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−352377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開放型圧縮機においては、ハウジングの外部からハウジング内に圧縮対象の流体とともに送り込まれるミスト状の潤滑油によって、ドライブ軸受の潤滑がなされる。このドライブ軸受は、旋回スクロールの旋回端板の内部に収容されている。そのため、開放型圧縮機の運転状況によっては、ドライブ軸受へミスト状の潤滑油十分供給することが困難となる場合もある。潤滑油の供給が不十分であると、潤滑不良が発生し、固定スクロールと旋回スクロールとの間で流体を圧縮するときに生じる荷重によってドライブ軸受に異常摩耗が発生する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ドライブ軸受に安定して潤滑油を供給することが可能な開放型圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る開放型圧縮機は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、前記第一開口部は、前記中心軸を中心とする周方向の位置が前記油導入部と異なる位置に形成されている。
【0008】
このように構成することで、旋回端板が旋回運動しながら圧縮室内に流体が吸引され、旋回端板の外周面で開口する第一開口部の圧力がドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部の圧力よりも低くなる。そのため、油路内には、第二開口部から第一開口部に向かう流れが生じる。これにより、ドライブ軸受収容部内で開口した第二開口部からドライブ軸受収容部内の潤滑油が吸引される。その結果、ドライブ軸受の周辺の潤滑油の流れを円滑にし、潤滑油が滞留してしまうことを抑えられる。
【0009】
本発明の第二態様に係る開放型圧縮機では、第一態様において、前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びていてもよい。
【0010】
このように構成することで、油路内の潤滑油の流れ方向と、旋回端板に働く遠心力の方向とを一致させることができる。したがって、旋回端板の遠心力を効率良く利用して油路内の潤滑油を流すことができる。その結果、ドライブ軸受の周辺の潤滑油の流れをより円滑にすることができる。
さらに、第一開口部と油導入部とが離される。そのため、油導入部から流れ込む冷媒が第一開口部から油路内に流れ込みにくくなる。したがって、油路内を逆流する冷媒によってドライブ軸受を潤滑する潤滑油が洗い流れされて、ドライブ軸受付近の潤滑油が少なくなってしまうことを防ぐことができる。
【0013】
本発明の第態様に係る開放型圧縮機では、第一又は第二の態様の何れか一つにおいて、前記油路は、前記旋回端板において、前記旋回ラップが設けられた側の表面に形成された段部を避けて設けられていてもよい。
【0014】
このように構成することで、応力が集中する旋回端板の段部と油路と同じ位置に形成され、旋回端板が部分的に薄くなってしまうことを防ぐことができる。したがって、応力が集中する旋回端板の段部付近の強度が低下するのを抑えることができる。
【0015】
本発明の第態様に係る開放型圧縮機では、第一から第の態様の何れか一つにおいて、前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、前記給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する給油路が内部に形成されていてもよい。
【0016】
このように構成することで、給油路を通して、ハウジング内に潤滑油が導入される空間から、ドライブ軸受収容部へと潤滑油を供給することができる。これによって、ドライブ軸受に新たな潤滑油を安定して供給できる。
【0017】
本発明の第態様に係る開放型圧縮機では、第の態様において、前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受と前記軸方向で対向する位置に形成されていてもよい。
【0018】
このように構成することで、給油路を通して、ドライブ軸受にダイレクトに潤滑油を供給することができる。
【0019】
本発明の第態様に係る開放型圧縮機では、第又はの態様において、前記給油路は、前記中心軸を挟んで前記クランクピンと反対側にオフセットした位置で前記軸方向に延びていてもよい。
【0020】
このように構成することで、給油路を形成するためのスペースを、ドライブ軸受に対して径方向に近い位置で確保し易くなる。そのため、ドライブ軸受に近い位置に給油路を形成できる。
【0023】
本発明の第態様に係る開放型圧縮機では、第一から第の態様の何れか一つにおいて、前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、前記他の給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部とを有していてもよい。
【0024】
このように構成することで、給油路を通して、ドライブ軸受にダイレクトに潤滑油を供給することができる。
【0025】
本発明の第態様に係る開放型圧縮機は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、前記駆動軸は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する給油路が内部に形成され、前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、前記他の給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する。
本発明の第態様に係る開放型圧縮機は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、前記給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する。
【発明の効果】
【0026】
上記開放型圧縮機によれば、ドライブ軸受に安定して潤滑油を供給することができる。
本発明の第十態様に係る開放型圧縮機は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、前記油路は、前記旋回端板において、前記旋回ラップが設けられた側の表面に形成された段部を避けて設けられている。
本発明の第十一態様に係る開放型圧縮機は、第十態様において、前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びていてもよい。
本発明の第十二態様に係る開放型圧縮機は、第十又は第十一態様において、前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、前記給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有していてもよい。
本発明の第十三態様に係る開放型圧縮機は、第十二態様において、前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受と前記軸方向で対向する位置に形成されていてもよい。
本発明の第十四態様に係る開放型圧縮機は、第十二又は第十三態様において、前記給油路は、前記中心軸を挟んで前記クランクピンと反対側にオフセットした位置で前記軸方向に延びていてもよい。
本発明の第十五態様に係る開放型圧縮機は、第十から第十四態様の何れか一つの態様において、前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、前記他の給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有していてもよい。
本発明の第十六態様に係る開放型圧縮機は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、前記駆動軸と、前記駆動軸に設けられて前記クランクピン及び前記旋回スクロールの旋回によって生じる偏心力を打ち消すバランスウェイトと、を連通して形成された給油路を更に備え、前記給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する第一給油開口部と、前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する第二給油開口部とを有する。
本発明の第十七態様に係る開放型圧縮機は、第十六態様において、前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びていてもよい。
本発明の第十八態様に係る開放型圧縮機は、第十六又は第十七態様において、前記第二給油開口部は、前記ドライブ軸受と前記軸方向で対向する位置に形成されていてもよい。
本発明の第十九態様に係る開放型圧縮機は、第十六から第十八態様において、前記給油路は、前記中心軸を挟んで前記クランクピンと反対側にオフセットした位置で前記軸方向に延びていてもよい。
本発明の第二十態様に係る開放型圧縮機は、第十六から第十九態様において、前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、前記他の給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有していてもよい。
本発明の第二十一態様に係る開放型圧縮機は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸の端部に一体に形成され、前記中心軸から前記中心軸に直交する方向に偏心したクランクピンと、前記クランクピンが挿入されるドライブ軸受と、前記ドライブ軸受が収容されるドライブ軸受収容部を有する旋回端板、及び前記クランクピンが配置されている側に対して前記中心軸の延びる軸方向の反対側に向かって前記旋回端板から延びている旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記駆動軸、前記クランクピン、及び、前記旋回スクロールを収容するとともに、前記ドライブ軸受に供給される潤滑油を外部から導入する油導入部を有したハウジングと、を備え、前記旋回端板は、前記旋回端板の外周面で開口する第一開口部と、前記ドライブ軸受収容部内で開口する第二開口部とを連通させる油路が内部に形成され、前記駆動軸と、前記クランクピンと、を連通して形成された他の給油路を更に備え、前記他の給油路は、前記ハウジング内において前記潤滑油が導入される空間に面して開口する他の第一給油開口部と、前記ドライブ軸受内に位置する前記クランクピンの先端部に形成されて前記ドライブ軸受が配置された空間に面して開口する他の第二給油開口部と、を有する。
本発明の第二十二態様に係る開放型圧縮機は、第二十一態様において、前記油路は、前記旋回端板内を径方向に延びていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第一実施形態における開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図2】上記開放型スクロール圧縮機の旋回スクロールを軸方向から見た図である。
図3】上記開放型スクロール圧縮機の一部の構成を示す拡大断面図である。
図4】本発明の第二実施形態の開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図5】本発明の第三実施形態の開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図6】本発明の第四実施形態における開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図7】本発明の第五実施形態における開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態における開放型圧縮機を図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態における開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図2は、上記開放型スクロール圧縮機の旋回スクロールを軸方向から見た図である。図3は、上記開放型スクロール圧縮機の一部の構成を示す拡大断面図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の開放型スクロール圧縮機(開放型圧縮機)1Aは、ハウジング2と、フロントハウジング3と、駆動軸5と、スクロール圧縮機構6と、メイン軸受7と、サブ軸受8と、を備えている。
【0030】
ハウジング2は、駆動軸5と、後述するクランクピン51と、後述する旋回スクロール62を含むスクロール圧縮機構6と、メイン軸受7と、サブ軸受8と、を収容している。ハウジング2は、中心軸Xに沿って軸方向Daに延びている。ハウジング2は、一端部2aが開口し、他端部2bが閉塞した有底円筒状をなしている。ハウジング2の外周面には、流体である冷媒(冷媒ガス)及びミスト状の潤滑油を外部からハウジング2内に導入させる吸入口(油導入部)21と、スクロール圧縮機構6により圧縮された冷媒をハウジング2の外部へ吐出する吐出口22と、が形成されている。
【0031】
なお、以下では、中心軸Xが延びている方向を軸方向Daとする。中心軸Xを基準にした径方向を単に径方向Drとする。また、中心軸Xを中心とする駆動軸周りの方向を周方向Dcとする。
【0032】
フロントハウジング3は、ハウジング2の一端部2a側の開口を閉塞するようにハウジング2に取り付けられている。フロントハウジング3は、ハウジング2に固定されることで、ハウジング2とともに内部に密閉空間を形成している。この密閉空間内に、スクロール圧縮機構6及び駆動軸5が収容される。フロントハウジング3は、ハウジング2の内側に挿入される部分に、ハウジング2の他端部2bに向かって筒状に延びる軸受保持部31を有している。軸受保持部31には、その内外を貫通する第一給油路81が形成されている。第一給油路81は、メイン軸受7とサブ軸受8との間で、軸受保持部31内の内側空間S3に連通している。フロントハウジング3には、内側空間S3と、貫通孔32内のサブ軸受8の外周側とを連通する第二給油路82が形成されている。また、フロントハウジング3の中央部には、軸方向Daに貫通する貫通孔32が形成されている。
【0033】
駆動軸5は、中心軸X回りに回転駆動される。駆動軸5は、軸方向Daに延びている。駆動軸5は、フロントハウジング3にメイン軸受7及びサブ軸受8を介して回転自在に支持されている。駆動軸5の軸方向Daの一方側である一端部5aは、貫通孔32に駆動軸5が挿通された状態で、フロントハウジング3から外部に突出している。駆動軸5と貫通孔32との間には、リップシール9が設けられてシール性が保たれている。駆動軸5は、軸方向Daの他方側(ハウジング2の他端部2b側)の端部に、円盤状のディスク部5dを有している。
【0034】
駆動軸5のディスク部5dの軸方向Daの他方側には、駆動軸5の中心軸Xに直交する方向である径方向Drに所定寸法だけ偏心した位置に、クランクピン51が設けられている。クランクピン51は、駆動軸5のディスク部5dの端部からハウジング2の他端部2bに向かって突出している。したがって、クランクピン51は、駆動軸5の軸方向Daの他方側の端部に一体をなして形成されている。クランクピン51は、駆動軸5が中心軸X回りに回転すると、中心軸Xに対する径方向Drへの偏心寸法を半径とした円軌道に沿って旋回する。
【0035】
メイン軸受7は、フロントハウジング3の軸受保持部31の内側に固定されている。ディスク部5dはメイン軸受7の内側に嵌合され、回転自在に支持されている。
【0036】
サブ軸受8は、メイン軸受7に対してフロントハウジング3側に配置されている。サブ軸受8は、フロントハウジング3の貫通孔32の内側に設けられている。駆動軸5は、一端部5aとディスク部5dとの軸方向Daの中間部において、サブ軸受8を介して回転自在に支持されている。
【0037】
フロントハウジング3には、軸受10を介して、プーリ11が回転自在に設けられている。プーリ11には、モータやエンジン等の駆動源からの駆動力を伝達するベルトが巻き回される。このプーリ11と、駆動軸5の一端部5aとは、電磁クラッチ12を介して連結されている。駆動軸5は、プーリ11を駆動する外部からの動力が電磁クラッチ12を介して伝達されると、中心軸X回りに回転する。
【0038】
スクロール圧縮機構6は、駆動軸5と接続されている。スクロール圧縮機構6は、固定スクロール61と、旋回スクロール62と、を備える。
【0039】
固定スクロール61は、円盤状の固定端板61aと、固定端板61aに対してフロントハウジング3側(軸方向Daの一方側)に立ち上がる渦巻き状の固定ラップ61bと、を一体に有している。
【0040】
固定端板61aは、ボルト63を介してハウジング2の他端部2bに固定されている。固定端板61aの中心部には、スクロール圧縮機構6で圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート64が形成されている。
【0041】
固定ラップ61bは、軸方向Daの高さが、外周側から内周側に向かって段階的に小さくなるよう形成されている。また、固定端板61aにおいて、固定ラップ61bが形成されている側の面である溝底面61cは、外周側から内周側に向かって、固定ラップ61bが立ち上がる側に段階的に高くなるよう形成されている。固定端板61aの外周面の軸方向Daの他方側には、Oリング69が設けられている。Oリング69をハウジング2の内周面に密接させることにより、ハウジング2の内周面と固定端板61aの外周側との間の空間が、Oリング69に対して軸方向Daの他方側の吐出チャンバーS2と、Oリング69に対してフロントハウジング3が配置された軸方向Daの一方側の吸入チャンバーS1とに区画される。
【0042】
吸入チャンバーS1は、ハウジング2に形成された吸入口21と連通している。冷凍サイクルを循環した低圧の冷媒が吸入口21から吸込まれ、吸入チャンバーS1を経て圧縮室65内に冷媒が吸入されるようになっている。
【0043】
図2に示すように、旋回スクロール62は、円盤状の旋回端板62aと、旋回端板62aに対して固定スクロール61側(軸方向Daの他方側)に立ち上がる渦巻き状の旋回ラップ62bと、を一体に有している。
【0044】
旋回ラップ62bは、旋回端板62aに対してクランクピン51が配置されている側と軸方向Daの反対側に向かって延びている。旋回ラップ62bは、軸方向Daの高さが外周側から内周側に向かって段階的に小さくなるよう形成されている。また、旋回ラップ62bが設けられた側の表面である溝底面62cは、外周側から内周側に向かって、旋回ラップ62bが立ち上がる側に段階的に高くなるよう形成されている。したがって、溝底面62cには、旋回端板62aの軸方向Daの長さが変化する段部62tが形成されている。
【0045】
図1に示すように、旋回端板62aの溝底面62cとは軸方向Daの反対側の面には、ドライブ軸受67が収容されるドライブ軸受収容部66が形成されている。ドライブ軸受収容部66は、軸方向Daの一方側に突出する円筒状をなしている。
【0046】
ドライブ軸受67は、ドライブブッシュ68を介してクランクピン51が挿入される。つまり、ドライブ軸受67は、クランクピン51を径方向Drの外側から覆うように筒状をなして設けられている。ドライブ軸受67は、クランクピン51の外周面に固定されたドライブブッシュ68を回動自在な状態で収容している。これにより、旋回スクロール62は、駆動軸5が中心軸X回りに回転することによって円軌道に沿って旋回するクランクピン51とともに、固定スクロール61回りにスムーズに公転旋回駆動自在とされている。
【0047】
さらに、図3に示すように、旋回端板62aには、旋回端板62aの径方向Drの中央部分から径方向Drの外側に向かって延びる油路86が内部に形成されている。本実施形態の油路86は、図2に示すように、旋回端板62aに対して中心軸Xを挟み込むように周方向Dcの位置が180°異なる位置に二つ形成されている。
【0048】
なお、油路86は、旋回端板62aに対して二つ形成されることに限定されるものではない。例えば、油路86は、旋回端板62aに対して一つのみ形成されていてもよく、三つ以上形成されていてもよい。
【0049】
各油路86は、図3に示すように、旋回端板62aの外周面62fで開口する第一開口部86aと、ドライブ軸受収容部66内で開口する第二開口部86bとを連通している。油路86は、旋回端板62a内を外周面62fまで直線状をなして径方向Drに延びている。
【0050】
第二開口部86bは、ドライブ軸受67に面するようにドライブ軸受収容部66の軸方向Daの一方側を向く面に形成されている。第二開口部86bは、ドライブ軸受収容部66のドライブ軸受67が取り付けられる内周面よりも径方向Drの内側に向かって飛び出るように形成されている。したがって、第二開口部86bは、軸方向Daの一方側からドライブ軸受収容部66を見た際に見えるように、ドライブ軸受収容部66内に形成されている。例えば、第二開口部86bの開口面積は、油路86の軸方向Daと平行な流路断面の1/2以上の大きさの開口面積を有することが好ましい。
【0051】
図2に示すように、このような油路86は、旋回端板62aにおいて、溝底面62cの段部62tを避けた位置に形成されている。つまり、油路86は、溝底面62cの段部62tと周方向Dcの位置が異なるように形成されている。
【0052】
図1及び図3に示すように、クランクピン51及び旋回スクロール62の旋回によって生じる偏心力を打ち消すメインバランスウェイト71及びサブバランスウェイト72が駆動軸5に設けられている。
【0053】
メインバランスウェイト71は、中心軸Xに対して偏心して旋回する旋回スクロール62によるアンバランスを解消するために、駆動軸5と旋回スクロール62の間に設けられている。メインバランスウェイト71は、ディスク部5dに対して軸方向Daの他方側に隣接するよう配置されている。
【0054】
サブバランスウェイト72は、中心軸Xに対して偏心して旋回する旋回スクロール62によるアンバランスを解消するために、駆動軸5のディスク部5dとサブ軸受8との間に設けられている。サブバランスウェイト72は、ディスク部5dに対して軸方向Daの一方側に隣接するよう配置されている。
【0055】
これら固定スクロール61の固定ラップ61bと旋回スクロール62の旋回ラップ62bとは、互いに噛み合うように設けられている。固定スクロール61と旋回スクロール62との間には、固定端板61a及び固定ラップ61bと、旋回端板62a及び旋回ラップ62bとで仕切られて渦巻き状に連続する一対の圧縮室65が、スクロール中心に対して対称に形成される。これにより、圧縮室65が外周側から中心側に容積を縮小しながら移動して冷媒を圧縮する際、固定ラップ61b及び旋回ラップ62bの周方向Dc及び軸方向Daの双方に冷媒を圧縮する。したがって、スクロール圧縮機構6は、いわゆる三次元圧縮可能な構成とされている。
【0056】
このようなスクロール圧縮機構6は、駆動軸5により駆動されるとともにハウジング2に形成される吸入口21からハウジング2内に流入する冷媒を、外周側から圧縮室65内に吸い込む。圧縮室65内に吸い込まれた冷媒は、圧縮室65を外周位置から中心位置へと容積を漸次減じながら移動させることにより圧縮される。圧縮された冷媒は、固定スクロール61の固定端板61aに形成された吐出ポート64から、固定スクロール61の固定端板61aとハウジング2の他端部2bとの隙間に形成された吐出チャンバーS2に送られる。その後、吐出口22からハウジング2の外部の冷凍サイクル側に吐出される。
【0057】
また、このような開放型スクロール圧縮機1Aでは、吸入口21からハウジング2内に流体とともにミスト状の潤滑油が導入される。図3に示すように、吸入口21からハウジング2内に導入されたミスト状の潤滑油の一部が、第一給油路81を通して、軸受保持部31の内側空間S3内に導入される。内側空間S3に導入された潤滑油の一部により、メイン軸受7に潤滑油が供給される。
【0058】
また、内側空間S3に導入されたミスト状の潤滑油の一部は、第二給油路82と通して貫通孔32内に供給される。これにより、サブ軸受8に潤滑油が供給される。
【0059】
上述した第一実施形態の開放型スクロール圧縮機1Aによれば、駆動軸5の回転によって旋回スクロール62が旋回すると、スクロール圧縮機構6は、外周側の吸入チャンバーS1から圧縮室65内に冷媒を吸い込む。その結果、旋回端板62aの外周面62fで開口する第一開口部86aの圧力がドライブ軸受収容部66内で開口した第二開口部86bの圧力よりも低くなる。そのため、油路86においては、ドライブ軸受収容部66側の第二開口部86bから吸入チャンバーS1に連通する外周側の第一開口部86aに向かって冷媒や潤滑油が吸い出される流れが生じる。これにより、ドライブ軸受収容部66内で開口した第二開口部86bからドライブ軸受収容部66内の潤滑油が吸引される。その結果、吸入口21からハウジング2内に導入されたミスト状の潤滑油の一部は、ドライブ軸受67が収容されたドライブ軸受収容部66内に吸い込まれる。したがって、ドライブ軸受67の周辺の潤滑油の流れを円滑にし、潤滑油が滞留してしまうことを抑えられる。これにより、ドライブ軸受67に安定して潤滑油を供給することができる。
【0060】
また、油路86は、旋回端板62a内を径方向Drに直線状をなして外周面62fまで延びるよう形成されている。そのため、旋回端板62aに外周面62fから径方向Drに延びる孔を形成すれば油路86を形成することができ、油路86の加工を容易に行うことができる。
【0061】
また、油路86が径方向Drに延びていることで、油路86内の潤滑油の流れ方向と、旋回端板62aに働く遠心力の方向とを一致させることができる。したがって、旋回端板62aの遠心力を効率良く利用して、第二開口部86bから第一開口部86aに向かって油路86内の潤滑油を流すことができる。その結果、ドライブ軸受67の周辺における潤滑油の流れをより円滑にすることができる。
【0062】
さらに油路86は、旋回端板62aの段部62tを避けて設けられている。そのため、厚みが変化している旋回端板62aの段部62tと油路86とが同じ位置に形成され、旋回端板62aが部分的に薄くなってしまうことを防ぐことができる。したがって、応力が集中する旋回端板62aの段部62t付近の強度が低下するのを抑えることができる。
【0063】
また、油路86でドライブ軸受収容部66内に開口する第二開口部86bの開口面積は、旋回端板62aの径方向Drに延びる部分86cの断面積の1/2以上とされている。そのため、第二開口部86bに潤滑油が流入する際に目詰まりが生じることを抑えることができる。したがって、ドライブ軸受収容部66内の潤滑油を第二開口部86bから効率良く吸い出し、ドライブ軸受67周辺に潤滑油の流れを確実に発生させることができる。
【0064】
(第二実施形態)
次に、本発明の開放型圧縮機の第二実施形態について説明する。第二実施形態で示す開放型圧縮機は、油路が異なる。したがって、第二実施形態の説明においては、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。つまり、第一実施形態で説明した構成と共通する開放型圧縮機の構成については、その説明を省略する。
【0065】
第二実施形態の油路86Aは、図4に示すように、中心軸X回りの周方向Dcにおいて、段部62tだけでなく、吸入口21と重なる位置を避けるように設けてられている。したがって、第二実施形態の第一開口部860aは、周方向Dcの位置が吸入口21と異なる位置に形成されている。
【0066】
開放型スクロール圧縮機1Aが停止して旋回スクロール62が回転していない状態では、冷媒の逆流(液バック)が生じる場合がある。ところが、第二実施形態では、第一開口部860aと吸入口21との位置が周方向Dcに離されている。そのため、冷媒が逆流しても、吸入口21から流れ込む冷媒が第一開口部860aから油路86A内に流れ込みにくくなる。したがって、油路86A内を逆流する冷媒によってドライブ軸受67を潤滑する潤滑油が洗い流れされて、ドライブ軸受67付近の潤滑油が少なくなってしまうことを防ぐことができる。
【0067】
(第三実施形態)
次に、本発明に係る開放型圧縮機の第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、駆動軸に給油路を有する点で第一実施形態及び第二実施形態と構成が異なる。そのため、第一実施形態及び第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
【0068】
図5は、この実施形態の開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図5に示すように、第三実施形態の開放型スクロール圧縮機1Bでは、ドライブ軸受67まで潤滑油を供給する駆動軸給油路(給油路)83が駆動軸5の内部に形成されている。駆動軸給油路83は、潤滑油が導入される空間である内側空間S3からドライブ軸受67が配置された空間であるドライブ軸受収容部66まで潤滑油を供給する。第三実施形態の駆動軸給油路83は、軸方向Daに直線状をなして延びている。駆動軸給油路83は、中心軸Xを挟んでクランクピン51とは周方向Dcの反対側にオフセットした位置に形成されている。本実施形態の駆動軸給油路83は、クランクピン51とは中心軸X回りの周方向Dcに位相が180°異なる位置に形成されている。駆動軸給油路83は、ハウジング2内において内側空間S3に面して開口する第一給油開口部83aと、ドライブ軸受収容部66に面して開口する第二給油開口部83bとを有している。駆動軸給油路83は、ディスク部5dに形成された第三給油路831と、メインバランスウェイト71に形成された第四給油路832と、サブバランスウェイト72に形成された第五給油路833とによって構成されている。
【0069】
第三実施形態の第一給油開口部83a及び第二給油開口部83bは、中心軸Xを挟んでクランクピン51とは反対側にオフセットした位置に形成されている。第一給油開口部83aは、周方向Dc及び径方向Drの位置が第二給油開口部83bと同じ位置に形成されている。第二給油開口部83bは、ドライブ軸受67の軸方向Daの一方側を向く面に対向するよう形成されている。
【0070】
第三給油路831は、ディスク部5dを軸方向Daに貫通している。第三給油路831は、中心軸Xと平行に直線状をなして延びている。
【0071】
第四給油路832は、メインバランスウェイト71を軸方向Daに貫通している。第四給油路832は、中心軸Xと平行に直線状をなして延びている。第四給油路832は、第三給油路831に連通する位置に形成されている。第四給油路832の軸方向Daの他方側の開口が、第二給油開口部83bである。
【0072】
第五給油路833は、サブバランスウェイト72を軸方向Daに貫通している。第五給油路833は、中心軸Xと平行に直線状をなして延びている。第五給油路833は、第三給油路831に連通する位置に形成されている。第五給油路833の軸方向Daの一方側の開口が、第一給油開口部83aである。
【0073】
ここで、ディスク部5dに形成された第三給油路831に対し、メインバランスウェイト71の第四給油路832と、サブバランスウェイト72の第五給油路833は、メインバランスウェイト71及びサブバランスウェイト72の組付公差等を考慮し、内径を大きくするのが好ましい。
【0074】
軸受保持部31の内側空間S3内に導入された潤滑油の一部は、第一給油開口部83aから第五給油路833に流入する。その後、第五給油路833、第三給油路831、第四給油路832の順に流通して第二給油開口部83bからドライブ軸受67に供給される。その結果、ドライブ軸受67に新たな潤滑油が供給される。
【0075】
したがって、上述した第三実施形態の開放型スクロール圧縮機1Bによれば、第三給油路831、第四給油路832、第五給油路833を通して、潤滑油が導入される内側空間S3から、ドライブ軸受収容部66内のドライブ軸受67まで潤滑油を供給することができる。これによって、ドライブ軸受67に新たな潤滑油を安定して供給できる。
【0076】
また、第三給油路831、第四給油路832、第五給油路833がクランクピン51と反対側にオフセットしている。そのため、ディスク部5d、メインバランスウェイト71、及びサブバランスウェイト72に対して第三給油路831、第四給油路832、第五給油路833を形成するためのスペースを、ドライブ軸受67に対して径方向Drに近い位置に確保し易くなる。したがって、ドライブ軸受67に近い位置に第三給油路831、第四給油路832、第五給油路833を形成できる。
【0077】
また、第二給油開口部83bは、ドライブ軸受67と軸方向Daで向かい合うように開口している。そのため、駆動軸給油路83を通して、ドライブ軸受67にダイレクトに潤滑油を供給することができる。これによって、ドライブ軸受67により確実に潤滑油を供給することができる。
【0078】
さらに駆動軸給油路83の一部が、メインバランスウェイト71及びサブバランスウェイト72に形成されている。そのため、メインバランスウェイト71及びサブバランスウェイト72が設けられている場合であっても第四給油路832及び第五給油路833を形成することで、ドライブ軸受67に潤滑油を供給することができる。
【0079】
(第四実施形態)
次に、本発明に係る開放型圧縮機の第四実施形態について説明する。以下に説明する第四実施形態においては、第三実施形態と給油路の構成のみが異なる。そのため、第一から第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
【0080】
図6は、第四実施形態における開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図6に示すように、第四実施形態の開放型スクロール圧縮機1Cでは、ドライブ軸受67まで潤滑油を供給する駆動軸給油路(給油路)88が駆動軸5とクランクピン51に形成されている。
【0081】
駆動軸給油路88は、ディスク部5dとクランクピン51とを、軸方向Daを含む方向に貫通している。本実施形態の駆動軸給油路88は、軸方向Daに対して傾いた方向に直線状をなして延びている。駆動軸給油路88は、内側空間S3に面してディスク部5dで開口する第一給油開口部88aと、ドライブ軸受収容部66内で開口する第二給油開口部88bとを有している。第四実施形態の駆動軸給油路88は、メインバランスウェイト71やサブバランスウェイト72には形成されていない。第一給油開口部88aは、ディスク部5dのフロントハウジング3側の表面5gに形成されている。第二給油開口部88bは、ドライブ軸受67内に位置するクランクピン51の先端部に形成されている。本実施形態の第二給油開口部88bは、先端部の中でも、軸方向Daの他方側を向く端面である先端面51gに形成されている。
【0082】
軸受保持部31の内側空間S3内に導入された潤滑油の一部は、第一給油開口部88aから駆動軸給油路88内に流入する。その後、駆動軸給油路88内を流通して第二給油開口部88bからドライブ軸受67に供給される。その結果、ドライブ軸受67に新たな潤滑油が供給される。
【0083】
したがって、上述した第四実施形態の開放型スクロール圧縮機1Cによれば、駆動軸給油路88を通して、ハウジング2内に潤滑油が導入される内側空間S3から、ドライブ軸受67内の奥に位置する先端面51gまで潤滑油を供給することができる。そのため、ドライブ軸受67まで潤滑油をダイレクトに供給することができる。これによって、ドライブ軸受67に新たな潤滑油を安定して供給できる。
【0084】
なお、本実施形態において、駆動軸給油路88は、中心軸Xに対して傾斜して形成されているが、駆動軸給油路88は、ドライブ軸受67に近づくほど、中心軸Xから径方向Dr外側に離間するように傾斜させて形成してもよい。このようにすると、駆動軸給油路88内を流れるミスト状の潤滑油が、遠心力によってドライブ軸受67に向かって第二給油開口部88bから吐出されやすくなる。
【0085】
(第五実施形態)
次に、本発明に係る開放型圧縮機の第五実施形態について説明する。以下に説明する第五実施形態においては、第一実施形態、第三実施形態、及び第四実施形態で示した油路及び給油路を備える。
【0086】
図7は、第五実施形態における開放型スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。
図7に示すように、第五実施形態の開放型スクロール圧縮機1Dは、油路86、駆動軸給油路83、及び駆動軸給油路88を有している。
【0087】
したがって、上述した第五実施形態の開放型スクロール圧縮機1Dによれば、異なる駆動軸給油路83及び駆動軸給油路88によって、内側空間S3から、ドライブ軸受67まで潤滑油を供給することができる。そのため、ドライブ軸受67まで潤滑油をダイレクトに供給することができる。これによって、ドライブ軸受67に新たな潤滑油を安定して供給できる。さらに、油路86が形成されていることによって、第二開口部86bからドライブ軸受収容部66内の潤滑油が吸引される。その結果、ドライブ軸受67の周辺における潤滑油の流れがより円滑になる。したがって、ドライブ軸受67に新たな潤滑油を供給しつつ、ドライブ軸受67の周辺に潤滑油が滞留してしまうことを抑得ることができる。これにより、ドライブ軸受67により安定して新たな潤滑油を供給することができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0089】
なお、上記第四実施形態では、第一実施形態で示した油路86と、第三実施形態で示した駆動軸給油路88と、第四実施形態で示した駆動軸給油路88と、を全て備えているが、これらのうち、少なくとも二つを備える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1A、1B、1C、1D 開放型スクロール圧縮機(開放型圧縮機)
2 ハウジング
2a 一端部
2b 他端部
3 フロントハウジング
5 駆動軸
5a 一端部
5d ディスク部
5g 表面
6 スクロール圧縮機構
7 メイン軸受
8 サブ軸受
9 リップシール
10 軸受
11 プーリ
12 電磁クラッチ
21 吸入口(油導入部)
22 吐出口
31 軸受保持部
32 貫通孔
51 クランクピン
51g 先端面
61 固定スクロール
61a 固定端板
61b 固定ラップ
61c 溝底面
62 旋回スクロール
62a 旋回端板
62b 旋回ラップ
62c 溝底面
62f 外周面
62t 段部
63 ボルト
64 吐出ポート
65 圧縮室
66 ドライブ軸受収容部
67 ドライブ軸受
68 ドライブブッシュ
69 Oリング
71 メインバランスウェイト
72 サブバランスウェイト
81 第一給油路
82 第二給油路
83、88 駆動軸給油路
83a、88a 第一給油開口部
83b、88b 第二給油開口部
831 第三給油路
832 第四給油路
833 第五給油路
86、86A 油路
S1 吸入チャンバー
S2 吐出チャンバー
S3 内側空間(空間)
X 中心軸
Da 軸方向
Dr 径方向
Dc 周方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7