特許第6756557号(P6756557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6756557
(24)【登録日】2020年8月31日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 17/00 20060101AFI20200907BHJP
   F24H 1/18 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   F24D17/00 P
   F24H1/18 302E
   F24H1/18 302N
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-184881(P2016-184881)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-48775(P2018-48775A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓削 良祐
【審査官】 吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−052884(JP,A)
【文献】 特開2014−016117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 17/00
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流端が給水路に接続されると共に、下流端が出湯栓に接続された給湯路と、
前記給湯路の途中に設けられて、前記給湯路を流通する湯水を加熱する給湯器と、
前記給湯路の前記給湯器の配置箇所よりも下流側において、入水口及び出水口を前記給湯路に接続して設けられた貯湯タンクと、
前記貯湯タンクをバイパスして、前記貯湯タンクの上流側及び下流側の前記給湯路を接続したタンクバイパス路と、
前記給湯路の前記出湯栓と前記貯湯タンクとの間の箇所と、前記給湯路の前記給湯器の配置箇所よりも上流側の箇所とを連通した戻り路と、
前記給湯路及び前記戻り路からなる循環路内の湯水を循環させる循環ポンプと、
前記給湯路と前記タンクバイパス路との上流側の接続箇所に設けられ、前記給湯路から該接続箇所に流入する湯水が前記貯湯タンク側に流通すると共に、該接続箇所から前記タンクバイパス路側への湯水の流通が禁止された第1通水状態と、前記給湯路から該接続箇所に流入する湯水が前記タンクバイパス路側に流通すると共に、該接続箇所から前記貯湯タンク側への湯水の流通が禁止された第2通水状態とに切り替わる三方弁と、
前記給水路から前記給湯路への給水を検出する給水検出部と、
前記貯湯タンク内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出部と、
前記給水検出部により前記給水路から前記給湯路への給水が検出されていないときに、前記三方弁を前記第1通水状態として前記循環ポンプと前記給湯器とを作動させることにより、前記循環路内の湯水を加熱する即湯運転を実行し、前記給水検出部により前記給水路から前記給湯路への給水が検出されているときに、前記出湯栓から目標給湯温度の湯が吐出されるように、前記給湯器による加熱量を制御する給湯運転を実行する給湯制御部と、
前記給水検出部により前記給水路から前記給湯路への給水が検出されているときに、前記貯湯タンク内の湯水の温度が所定温度以上であるときは前記三方弁を前記第1通水状態とし、前記貯湯温度検出部の検出温度が前記所定温度未満であるときには前記三方弁を前記第2通水状態とする通水状態変更部と
を備えていることを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯システムにおいて、
前記貯湯温度検出部は前記通水状態変更部との間で無線通信を行う機能を有し、
前記通水状態変更部は、前記貯湯温度検出部から無線によって送信される温度検出信号を受信することにより、前記貯湯タンク内の湯水の温度を認識することを特徴とする給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出湯栓と給湯器とを循環路を介して接続し、給湯停止中に循環路内の湯水を加熱する機能を有する給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給水路に接続された給湯路の途中に設けられて給湯路を流通する水を加熱する給湯器を有し、給湯器よりも下流側の給湯路と給水路とを循環用配管により接続することによって循環路を形成した給湯システムが知れられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された給湯システムは、給湯停止中に、循環路内の湯水を循環ポンプにより循環させながら給湯器により加熱する即湯運転を実行することによって、循環路内の湯水を目標給湯温度付近にまで予め加熱しておくようにした即湯対応の給湯システムとなっている。
【0004】
特許文献1に記載された給湯システムにおいては、使用者が即湯選択スイッチを操作することで、即湯運転が実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−15263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
即湯運転が行われている状態で使用者が湯の使用を開始すると、先ずは即湯運転により加熱されていた給湯路内の湯が出湯栓から吐出されるが、給湯器に給水路から供給される水が流入される状況に切り替わると、給湯器に供給される湯水の温度が低下する。そして、この温度の低下に対して、給湯器における加熱量の増加処理が遅れて、出湯栓から吐出される湯の温度が一時的に低下する傾向(アンダー傾向)が生じるおそれがある。
【0007】
そこで、アンダー傾向を抑制するために、給湯器と出湯栓との間の給湯路に貯湯タンクを設け、給湯器から供給される湯を貯湯タンクに貯められた湯と混合してから出湯栓に供給する構成とすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、このように貯湯タンクを設けた場合には、即湯運転が実行されていないときや即湯運転が開始された直後のように、貯湯タンク内に低温の水が貯まっている状況で、給湯運転が開始されたときに、貯湯タンク内の水が吐出された後に給湯器から供給される湯が吐出されることになる。
【0009】
そのため、使用者が出湯栓を開けてから湯が吐出されるまでの待ち時間が長くなると共に、湯が吐出されるまでに捨てられる水の量も多くなるという不都合がある。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、即湯運転実行中に湯の使用が開始されたときの給湯温度のアンダー傾向を抑制すると共に、循環路内の湯水が低温であるときに湯の使用が可能になるまでの待ち時間の短縮と捨て水の削減が可能な給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の給湯システムは、
上流端が給水路に接続されると共に、下流端が出湯栓に接続された給湯路と、
前記給湯路の途中に設けられて、前記給湯路を流通する湯水を加熱する給湯器と、
前記給湯路の前記給湯器の配置箇所よりも下流側において、入水口及び出水口を前記給湯路に接続して設けられた貯湯タンクと、
前記貯湯タンクをバイパスして、前記貯湯タンクの上流側及び下流側の前記給湯路を接続したタンクバイパス路と、
前記給湯路の前記出湯栓と前記貯湯タンクとの間の箇所と、前記給湯路の前記給湯器の配置箇所よりも上流側の箇所とを連通した戻り路と、
前記給湯路及び前記戻り路からなる循環路内の湯水を循環させる循環ポンプと、
前記給湯路と前記タンクバイパス路との上流側の接続箇所に設けられ、前記給湯路から該接続箇所に流入する湯水が前記貯湯タンク側に流通すると共に、該接続箇所から前記タンクバイパス路側への湯水の流通が禁止された第1通水状態と、前記給湯路から該接続箇所に流入する湯水が前記タンクバイパス路側に流通すると共に、該接続箇所から前記貯湯タンク側への湯水の流通が禁止された第2通水状態とに切り替わる三方弁と、
前記給水路から前記給湯路への給水を検出する給水検出部と、
前記貯湯タンク内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出部と、
前記給水検出部により前記給水路から前記給湯路への給水が検出されていないときに、前記三方弁を前記第1通水状態として前記循環ポンプと前記給湯器とを作動させることにより、前記循環路内の湯水を加熱する即湯運転を実行し、前記給水検出部により前記給水路から前記給湯路への給水が検出されているときに、前記出湯栓から目標給湯温度の湯が吐出されるように、前記給湯器による加熱量を制御する給湯運転を実行する給湯制御部と、
前記給水検出部により前記給水路から前記給湯路への給水が検出されているときに、前記貯湯タンク内の湯水の温度が所定温度以上であるときは前記三方弁を前記第1通水状態とし、前記貯湯温度検出部の検出温度が前記所定温度未満であるときには前記三方弁を前記第2通水状態とする通水状態変更部と
を備えていることを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、給湯制御部により即湯運転が実行されているときに、給湯路に接続された貯湯タンク内の湯水も加熱される。そのため、使用者により出湯栓が開けられて、給水路から給湯路への給水が開始され、給湯器による加熱が開始されるまでの間に給湯器から低温の湯が供給された場合に、低温の湯が貯湯タンク内に流入して貯湯タンク内の湯と混合して昇温されてから、給湯路の下流側に供給される。そのため、出湯栓から吐出される湯の温度が一時的に低下するアンダー傾向を抑制することができる。
【0013】
また、即湯運転が開始された直後や即湯運転が実行されていない状態のように、循環路内の湯水の加熱が行われていないか不十分であって、貯湯タンク内の湯水の温度が所定温度以下よりも低いときに出湯栓が開けられて、給水検出部により給水路から給湯路への給水が検出されたときには、通水状態変更部により三方弁が第2通水状態とされて、給湯路から貯湯タンクへの給湯が禁止される。これにより、貯湯タンク内の低温の湯水が給湯路に供給されることを回避して、目標給湯温度の湯が出湯栓から吐出されるまでの待ち時間を短縮すると共に、出湯栓から湯が吐出されるまでの間に捨てられる水の量を減少させることができる。
【0014】
また、前記貯湯温度検出部は前記通水状態変更部との間で無線通信を行う機能を有し、
前記通水状態変更部は、前記貯湯温度検出部から無線によって送信される温度検出信号を受信することにより、前記貯湯タンク内の湯水の温度を認識することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、既存の給湯システムに貯湯タンクと貯湯温度検出部を追加して設置する場合に、貯湯温度検出部と通水状態切替部との間の配線作業を不要として、設置作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】給湯システムの構成図(即湯運転実行時)。
図2】給湯システムの構成図(貯湯温度が高い状態での給湯運転実行時)。
図3】給湯システムの構成図(貯湯温度が低い状態での給湯運転実行時)。
図4】通水状態変更部の作動フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図1図4を参照して説明する。
【0018】
[1.給湯システムの構成]
図1を参照して、本実施形態の給湯システム1は、上水道(図示しない)に連通した給水路50、上流端が給水路50に接続されると共に下流端が混合栓60(本発明の出湯栓の機能を含む)に接続された給湯路20、給湯路20の途中に設けられて給湯路20を流通する水を加熱する給湯器10、給湯路20と混合栓60との間の給湯路20に設けられたタンクユニット40、タンクユニット40をバイパスして給湯路20を連通するタンクバイパス路22、給湯路20とタンクバイパス路22との上流側の接続箇所に設けられた三方弁21、給湯器10及びタンクユニット40をバイパスして給湯路20を連通する戻り路30、及び給湯システム1の全体的な作動を制御するコントローラ70を備えている。
【0019】
給湯器10は、給湯路20から供給される水の流量を検出する第1流量センサ11、図示しないバーナの燃焼排ガスにより加熱されて、内部を流通する水を加熱する熱交換器13、熱交換器13をバイパスして給湯路20を連通する給湯バイパス路15、熱交換器13側に流れる水と給湯バイパス路15側に流れる水との流量比を変更するバイパスサーボ弁12、給湯器10から流出する湯水の温度を検出する給湯温度センサ14、及び給湯路20から流入する湯水の温度を検出する給水温度センサ16を備えている。
【0020】
タンクユニット40は、給湯路20と戻り路30とにより構成される循環路25内の湯水を循環させる循環ポンプ41、給湯路20の途中に入水口45と出水口46とにより接続された貯湯タンク42、及び貯湯タンク42内の湯水の温度を検出する貯湯温度センサ43(本発明の貯湯温度検出部に相当する)を備えている。また、コントローラ70との間で無線通信を行う場合には、無線通信ユニット44が設けられる。
【0021】
給水路50には、上水道から給水路50への通水を可能にして給水路50から上水道への通水を不能にする逆止弁51と、給水路50内の圧力増を吸収するための膨張弁52と、給水路50から給湯路20に流入する水の流量を検出する第2流量センサ53(本発明の給水検出部に相当する)とが設けられている。
【0022】
戻り路30には、給湯路20の下流側から上流側への通水を可能にして、給湯路20の上流側から下流側への通水を不能にする逆止弁31が設けられている。混合栓60は、給湯路20から供給される湯と給水路50から供給される水とを混合して吐出する。
【0023】
コントローラ70は、図示しないCPU、メモリ、インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された給湯システム1の制御プログラムをCPUにより実行することによって、給湯制御部71及び通水状態変更部72として機能する。また、後述するように、タンクユニット40との間で無線通信を行うときには、無線通信回路73が備えられる。
【0024】
コントローラ70にはリモコン75が接続されている。使用者は、リモコン75を操作して、給湯システム1の運転条件(目標給湯温度、後述する即湯運転の実行の有無等)を設定することができる。
【0025】
コントローラ70には、第1流量センサ11、給湯温度センサ14、貯湯温度センサ43、及び第2流量センサ53の検出信号と、リモコン75の操作信号とが入力される。また、コントローラ70から出力される制御信号により、給湯器10、三方弁21、循環ポンプ41、及びリモコン75の画面表示等が制御される。
【0026】
[2.即湯運転]
給湯制御部71は、リモコン75により即湯運転の実施が設定されているときには、循環路25内の湯水の温度を所定範囲内に維持する即湯運転を実行する。図1は即湯運転が実行されているときの給湯システム1の状態を示しており、図中の矢印の向きに湯水が流通する。
【0027】
即湯運転の実行時は三方弁21が第1通水状態とされて、貯湯タンク42を経由して循環路25内の湯水が循環される状態となる。給湯制御部71は、給湯温度センサ14の検出温度が目標給湯温度付近に設定された即湯温度以下になったときに、循環ポンプ41を作動させると共に給湯器10を作動させて循環路25内の湯水を加熱し、給湯温度センサ14の検出温度が即湯温度+α以上になったときに、給湯器10の作動を停止する処理を繰り返す。
【0028】
また、給湯制御部71は、即湯運転の実行中に、給水温度センサ16の検出温度を監視し、給水温度センサ16の検出温度が所定の循環開始温度(目標給湯温度に基づいて設定される)以下になったときに循環ポンプ41を作動させ、給水温度センサ16の検出温度が循環停止温度(循環開始温度よりも所定温度高く設定される)まで上昇した時に循環ポンプ41を停止する処理を繰り返す。なお、給水温度センサ16の検出温度ではなく、所定のインターバル時間が経過する毎に循環ポンプ41の作動と停止を切り替えるようにしてもよい。
【0029】
即湯運転の実行により、循環路25及び貯湯タンク42内の湯水が目標給湯温度付近に維持される。そのため、使用者が混合栓60を開けて湯を使おうとしたときに、給湯路20内の湯を直ちに混合栓60から吐出することができる。
【0030】
[3.給湯運転]
給湯制御部71は、第2流量センサ53により閾値流量以上の流量が検出されているときに、給湯温度センサ14の検出温度が目標給湯温度となるように給湯器10による加熱量を制御する給湯運転を実行する。
【0031】
また、通水状態変更部72は、図4に示したフローチャートによる処理を実行して、三方弁21を第1通水状態又は第2通水状態に設定する。図4のSTEP1で、通水状態変更部72は、第2流量センサ53により検出される給水路50から給湯路20への給水流量が、流量閾値以上であるか否かを判断する。
【0032】
そして、給水流量が閾値流量以上であるときにSTEP2に進み、通水状態変更部72は、貯湯温度センサ43により検出される貯湯タンク42内の湯水の温度(貯湯温度)が、温度閾値(本発明の所定温度に相当し、例えば目標給湯温度よりも若干低い温度に設定される)以上であるか否かを判断する。貯湯温度が温度閾値以上であるときはSTEP3に進み、通水状態変更部72は、図2に示したように三方弁21を第1通水状態(貯湯タンク42を介して湯が流通する状態)とする。
【0033】
図2の状態では、給湯器10から出湯される湯が三方弁21から貯湯タンク42の入水口45に流入する。そして、貯湯タンク42内の湯とある程度混合されて出水口46から給湯路20へと流出する。
【0034】
そのため、給湯運転の開始時に、給湯器10に流入する湯水の温度が急激に低下し(即湯運転により加熱された湯から、上水道から供給される水に切り替わることによる)、この低下に対して給湯器10における加熱力の増大の遅れにより、給湯器10から給湯路20に出湯される湯の温度が一時的に低下した場合であっても、低温の湯が貯湯タンク42内の高温の湯との混合により昇温されてから混合栓60に供給される。これにより、給湯の途中で、給湯路20から混合栓60に供給される湯の温度が低下するアンダー傾向を抑制することができる。
【0035】
また、STEP2で貯湯温度が温度閾値よりも低いときにはSTEP10に分岐し、通水状態変更部72は、図3に示したように、三方弁21を第2通水状態(貯湯タンク42をバイパスして湯が流通する状態)とする。
【0036】
ここで、貯湯温度が温度閾値よりも低くなるのは、即湯運転の実施が設定されていない場合、及び即湯運転が開始された直後の循環路25内の湯水の加熱が不十分である状態で混合栓60が開栓された場合である。
【0037】
貯湯温度が温度閾値よりも低い場合に、図2に示したように三方弁21を第1通水状態とすると、貯湯タンク42内の低温の水が全て吐出されてから、給湯器10で加熱された湯が混合栓60から出湯される。そのため、使用者が混合栓60を開けてから湯が吐出されるまでの待ち時間が長くなると共に、湯が吐出されるまでの間に混合栓60から吐出される水(捨て水)の量も多くなる。
【0038】
それに対して、図3に示したように、三方弁21を第2通水状態として貯湯タンク42をバイパスさせた場合には、貯湯タンク42内の低温の水は給湯路20に流出しない。そのため、使用者が混合栓60を開けてから湯が吐出されるまでの持ち時間を短縮すると共に、捨て水の量を減少させることができる。
【0039】
[4.他の実施形態]
タンクユニット40に、貯湯温度センサ43の温度検出信号を無線により送信する無線通信ユニット44を設けると共に、コントローラ70に無線通信回路73を設けることにより、貯湯温度センサ43の温度検出信号を無線通信によってコントローラ70に送信する構成としてもよい。
【0040】
この構成によれば、貯湯温度センサ43とコントローラ70との間の通信線の配線を不要とすることができるため、タンクユニット40及び三方弁21を後付けする場合に、後付けの作業を軽減することができる。
【0041】
また、本実施形態では、本発明の給水検出部として第2流量センサ53を用いたが、第2流量センサ53に代えて温度センサを設け、温度センサによる検出温度が所定温度以上低下したときに、給水路50から給湯路20への給水が開始されたと判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…給湯システム、10…給湯器、20…給湯路、21…三方弁、30…戻り路、40…タンクユニット、41…循環ポンプ、42…貯湯タンク、43…貯湯温度センサ、44…無線通信ユニット、50…給水路、53…第2流量センサ(給水検出部)、60…混合栓(出湯栓)、70…コントローラ、71…給湯制御部、72…通水状態変更部、73…無線通信回路、75…リモコン。
図1
図2
図3
図4