【文献】
CATT,Resource allocation for D2DSS and PD2DSCH,3GPP TSG-RAN WG1♯76b R1-141196,2014年 3月22日
【文献】
Qualcomm Incorporated,Signal Design for D2D Synchronization,3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140462,2014年 2月 1日,pp.1-7
【文献】
Intel Corporation,Discussion on D2DSS Physical Structure,3GPP TSG-RAN WG1♯76b R1-141166,2014年 3月22日,pp.1-6
【文献】
LG Electronics,Discussion on design of D2DSS and PD2DSCH,3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135479,2013年11月 1日,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの多様な無線アクセス(接続)システムに使用することができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術によって実現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術によって実現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi―Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802―20、E―UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術によって実現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E―UTRAを使用するE―UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC―FDMAを採用する。LTE―A(Advanced)は、3GPP LTEの進化されたバージョンである。
【0024】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE―Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。また、以下の説明で使用される特定の用語は、本発明の理解を促進するために提供されたものであって、このような特定の用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更可能である。
【0025】
図2は、3GPP無線アクセスネットワーク規格をベースにした端末とE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御プレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)の構造を示す図である。制御プレーンは、端末(User Equipment;UE)とネットワークが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザプレーンは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0026】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体アクセス制御(Medium Access Control、媒体接続制御)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。前記送信チャネルを介して媒体アクセス制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0027】
第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MACの内部の機能ブロックで実現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6などのIPパケットを効率的に送信するために不要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮(Header Compression)機能を行う。
【0028】
第3層の最下部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御プレーンでのみ定義される。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は、互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC connected)がある場合、端末はRRC接続状態(Connected Mode)に置かれ、そうでない場合、端末はRRC休止状態(Idle Mode)に置かれる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0029】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.4、3、5、10、15、20Mhzなどの帯域幅のうちの一つに設定され、多くの端末に下り又は上り送信サービスを提供する。別個のセルは、別個の帯域幅を提供するように設定することができる。
【0030】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りSCHを介して送信されてもよく、又は別途の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0031】
図3は、3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
【0032】
電源が消えた状態で再び電源が入ったり、新しくセルに進入したりしたユーザ機器は、段階S301で、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、ユーザ機器は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel、P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel、S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。その後、ユーザ機器は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内の放送情報を取得することができる。一方、ユーザ機器は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal、DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0033】
初期セル探索を終えたユーザ機器は、段階S302で、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)、及び物理下りリンク制御チャネル情報による物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDSCH)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
【0034】
その後、ユーザ機器は、基地局への接続を完了するために、以降の段階S303〜段階S306などのランダムアクセス過程(Random Access Procedure)を行うことができる。このために、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を介してプリアンブルを送信し(S303)、物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304)。競争ベースのランダムアクセスの場合、追加的な物理ランダムアクセスチャネルの送信(S305)、及び物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルの受信(S306)などの衝突解決手続(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0035】
上述の手続を行ったユーザ機器は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手続として、物理下りリンク制御チャネル/物理下りリンク共有チャネルの受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)の送信(S308)を行うことができる。ユーザ機器が基地局に送信する制御情報を上りリンク制御情報(Uplink Control Information、UCI)と称する。UCIは、HARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CSI(Channel State Information)などを含む。本明細書において、HARQ ACK/NACKは、簡単にHARQ−ACK或いはACK/NACK(A/N)と称される。HARQ−ACKは、ポジティブACK(簡単に、ACK)、ネガティブACK(NACK)、DTX及びNACK/DTXのうちの少なくとも一つを含む。CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indication)などを含む。UCIは、一般にPUCCHを介して送信されるが、制御情報とトラフィックデータが同時に送信されなければならない場合、PUSCHを介して送信され得る。また、ネットワークの要求/指示によって、PUSCHを介してUCIを非周期的に送信することができる。
【0036】
図4は、LTEシステムで使用される無線フレームの構造を例示する図である。
【0037】
図4を参照すると、セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上りリンク/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム単位で行われ、1サブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造をサポートする。
【0038】
図4の(a)は、タイプ1の無線フレームの構造を例示する。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1サブフレームは時間領域で2個のスロットで構成される。1サブフレームが送信されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)と言う。例えば、1サブフレームの長さは1msで、1スロットの長さは0.5msであり得る。一つのスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で多数のリソースブロック(Resource Block、RB)を含む。3GPP LTEシステムでは下りリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を示す。また、OFDMシンボルは、SC―FDMAシンボル又はシンボル区間と称することもできる。リソース割り当て単位としてのリソースブロック(RB)は、一つのスロットで複数の連続的な副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0039】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成によって変わり得る。CPには、拡張CP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であり得る。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシンボルの長さが増加するので、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は一般CPの場合より少ない。例えば、拡張CPの場合、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であり得る。ユーザ機器が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合、シンボル間の干渉をさらに減少させるために拡張CPを使用することができる。
【0040】
一般CPが使用される場合、スロットは7個のOFDMシンボルを含むので、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームの最初の最大3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0041】
図4の(b)は、タイプ2の無線フレームの構造を示す図である。タイプ2の無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、2個のスロットを含む4個の一般サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period、GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む特別サブフレームで構成される。
【0042】
前記特別サブフレームにおいて、DwPTSは、ユーザ機器での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に使用される。UpPTSは、基地局でのチャネル推定とユーザ機器の上りリンク送信同期を取るのに使用される。すなわち、DwPTSは下りリンク送信に、UpPTSは上りリンク送信に使用され、特に、UpPTSは、PRACHプリアンブルやSRS送信の用途で活用される。また、保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間において下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0043】
前記特別サブフレームに関して、現在の3GPP標準文書では、下記の表1のように設定を定義している。表1において、T
s=1/(15000×2048)である場合のDwPTSとUpPTSを示し、残りの領域が保護区間として設定される。
【0045】
一方、タイプ2の無線フレームの構造、すなわち、TDDシステムにおける上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL configuration)は、下記の表2の通りである。
【0047】
上記の表2において、Dは下りリンクサブフレーム、Uは上りリンクサブフレームを表し、Sは特別サブフレームを表す。また、上記の表2は、それぞれのシステムでの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において下りリンク−上りリンクスイッチング周期も示している。
【0048】
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎなく、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、及びスロットに含まれるシンボルの数は多様に変更可能である。
【0049】
図5は、下りリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)を例示する。
【0052】
図6は、本発明の実施例で使用できる上りリンクサブフレームの構造を示す。
【0053】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別される。制御領域には、上りリンク制御情報を搬送するPUCCHが割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを搬送するPUSCHが割り当てられる。LTEシステムでは、単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。しかし、LTE−Aシステムでは、キャリアアグリゲーション技術の導入によってPUCCH信号とPUSCH信号を同時に送信することができる。一つの端末に対するPUCCHには、サブフレーム内にRB対が割り当てられる。RB対に属する各RBは、2個のスロットのそれぞれで異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられたRB対はスロット境界(slot boundary)で周波数ホッピング(frequency hopping)するという。
【0054】
図7は、本発明の実施例で使用できる下りリンクサブフレームの構造を示す。
【0055】
図7を参照すると、サブフレーム内の第1スロットで、OFDMシンボルインデックス0から最大3個のOFDMシンボルが、各制御チャネルが割り当てられる制御領域であり、残りのOFDMシンボルは、PDSCHが割り当てられるデータ領域である。3GPP LTEで使用される下りリンク制御チャネルの例としては、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH、PHICH(Physical Hybrid―ARQ Indicator Channel)などがある。
【0056】
PCFICHは、サブフレームの第1OFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の各制御チャネルの送信に使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域のサイズ)に関する情報を搬送する。PHICHは、上りリンクに対する応答チャネルであり、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgment)/NACK(Negative―Acknowledgment)信号を搬送する。PDCCHを介して送信される制御情報を、下りリンク制御情報(DCI:downlink control information)と称する。下りリンク制御情報は、上りリンクリソース割り当て情報、下りリンクリソース割り当て情報又は任意の端末グループに対する上りリンク送信(Tx)電力制御命令を含む。
【0057】
キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)
【0058】
図8は、キャリアアグリゲーションを説明するための図である。キャリアアグリゲーションを説明する前に、まず、LTE−Aで無線リソースを管理するために導入されたセル(Cell)の概念に対して説明する。セルは、下りリンクリソースと上りリンクリソースとの組合せと理解することができる。ここで、上りリンクリソースは必須要素でないので、セルは、下りリンクリソース単独又は下りリンクリソースと上りリンクリソースで構成することができる。但し、これは、現在のLTE−Aリリース10での定義であり、反対の場合、すなわち、セルが上りリンクリソース単独で構成されることも可能である。下りリンクリソースは下りリンクコンポーネントキャリア(Downlink component carrier、DL CC、構成搬送波)と称し、上りリンクリソースは上りリンクコンポーネントキャリア(Uplink component carrier、UL CC)と称することができる。DL CC及びUL CCは、搬送波周波数(carrier frequency)と表現することができ、搬送波周波数は、該当セルでの中心周波数(center frequency)を意味する。
【0059】
セルは、プライマリ周波数(primary frequency)で動作するプライマリセル(primary cell、PCell)と、セカンダリ周波数(secondary frequency)で動作するセカンダリセル(secondary cell、SCell)とに分類することができる。PCellとSCellは、サービングセル(serving cell)と総称することができる。端末が初期接続設定(initial connection establishment)過程を行ったり、接続再設定過程又はハンドオーバー過程で指示されたセルがPCellになり得る。すなわち、PCellは、後述するキャリアアグリゲーション環境で制御関連中心となるセルと理解することができる。端末は、自身のPCellでPUCCHを受け取って送信することができる。SCellは、RRC(Radio Resource Control)接続設定が行われた後で構成可能であり、追加的な無線リソースを提供するのに使用することができる。キャリアアグリゲーション環境でPCellを除いた残りのサービングセルをSCellと見ることができる。RRC_CONNECTED状態にあるが、キャリアアグリゲーションが設定されていないか、キャリアアグリゲーションをサポートしない端末の場合、PCellでのみ構成されたサービングセルが一つのみ存在する。その一方で、RRC_CONNECTED状態にあり、キャリアアグリゲーションが設定された端末の場合、一つ以上のサービングセルが存在し、全体のサービングセルにはPCellと全体のSCellが含まれる。キャリアアグリゲーションをサポートする端末のために、ネットワークは、初期セキュリティ活性化(initial security activation)過程が開始された後、接続設定過程で初期に構成されるPCellに加えて一つ以上のSCellを構成することができる。
【0060】
以下、
図8を参照してキャリアアグリゲーションに対して説明する。キャリアアグリゲーションは、高い高速送信率に対する要求に符合するために、より広い帯域を使用できるように導入された技術である。キャリアアグリゲーションは、搬送波周波数が別個の2個以上のコンポーネントキャリア(component carrier、CC)又は2個以上のセルの併合(aggregation)と定義することができる。
図8を参照すると、
図8(a)は、既存のLTEシステムで一つのCCを使用する場合のサブフレームを示し、
図8(b)は、キャリアアグリゲーションが使用される場合のサブフレームを示す。
図8(b)には、例示的に20MHzのCCが3個使用され、合計60MHzの帯域幅をサポートすることを示している。ここで、各CCは、連続的であってもよく、非連続的であってもよい。
【0061】
端末は、下りリンクデータを複数のDL CCを介して同時に受信してモニタすることができる。各DL CCとUL CCとの間のリンケージ(linkage)はシステム情報によって指示することができる。DL CC/UL CCリンクは、システムに固定されているか、半静的に構成することができる。また、システム全体の帯域がN個のCCで構成されるとしても、特定端末がモニタ/受信できる周波数帯域はM(<N)個のCCに限定され得る。キャリアアグリゲーションに対する多様なパラメータは、セル固有(cell−specific)、端末グループ固有(UE group−specific)又は端末固有(UE−specific)方式で設定することができる。
【0062】
図9は、クロス搬送波スケジューリングを説明するための図である。クロス搬送波スケジューリングとは、例えば、複数のサービングセルのうちのいずれか一つのDL CCの制御領域に他のDL CCの下りリンクスケジューリング割り当て情報を全て含むこと、又は複数のサービングセルのうちのいずれか一つのDL CCの制御領域にそのDL CCとリンクされている複数のUL CCに対する上りリンクスケジューリング承認情報を全て含むことを意味する。
【0063】
以下では、搬送波指示子フィールド(carrier indicator field、CIF)に対して説明する。
【0064】
CIFは、上述したように、PDCCHを介して送信されるDCIフォーマットに含まれたり(例えば、3ビットサイズと定義される)又は含まれないこともあり(例えば、0ビットサイズと定義される)、含まれた場合、クロス搬送波スケジューリングが適用されたことを示す。クロス搬送波スケジューリングが適用されていない場合、下りリンクスケジューリング割り当て情報は、現在の下りリンクスケジューリング割り当て情報が送信されるDL CC上で有効である。また、上りリンクスケジューリング承認は、下りリンクスケジューリング割り当て情報が送信されるDL CCとリンクされた一つのUL CCに対して有効である。
【0065】
クロス搬送波スケジューリングが適用された場合、CIFは、いずれか一つのDL CCでPDCCHを介して送信される下りリンクスケジューリング割り当て情報と関連するCCを指示する。例えば、
図9を参照すると、DL CC A上の制御領域内のPDCCHを介してDL CC B及びDL CC Cに対する下りリンク割り当て情報、すなわち、PDSCHリソースに対する情報が送信される。端末は、DL CC Aをモニタし、CIFを通じてPDSCHのリソース領域及び該当CCを知ることができる。
【0066】
PDCCHにCIFが含まれるか否かは半静的に設定することができ、上位層シグナリングによって端末固有に有効にすることができる。
【0067】
CIFが無効に(disabled)された場合、特定DL CC上のPDCCHは、該当の同一のDL CC上のPDSCHリソースを割り当て、特定DL CCにリンクされたUL CC上のPUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH構造と同一のコーディング方式、CCEベースのリソースマッピング、DCIフォーマットなどを適用することができる。
【0068】
一方、CIFが有効に(enabled)される場合、特定DL CC上のPDCCHは、複数の併合されたCCのうちCIFが指示する一つのDL/UL CC上でのPDSCH/PUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH DCIフォーマットにCIFを追加的に定義することができ、固定された3ビット長のフィールドと定義したり、CIF位置をDCIフォーマットサイズとは関係なく固定することもできる。この場合にも、既存のPDCCH構造と同一のコーディング方式、CCEベースのリソースマッピング、DCIフォーマットなどを適用することができる。
【0069】
CIFが存在する場合にも、基地局は、PDCCHをモニタするDL CCセットを割り当てることができる。これによって、端末のブラインドデコーディングの負担が減少し得る。PDCCHモニタリングCCセットは、全体の併合されたDL CCの一部分であり、端末は、PDCCHの検出/デコーディングを該当CCセットでのみ行うことができる。すなわち、端末に対してPDSCH/PUSCHをスケジュールするために、基地局は、PDCCHをPDCCHモニタリングCCセット上でのみ送信することができる。PDCCHモニタリングDL CCセットは、端末固有、端末グループ固有又はセル固有に設定することができる。例えば、
図9の例示のように、3個のDL CCが併合される場合、DL CC AをPDCCHモニタリングDL CCに設定することができる。CIFが無効にされる場合、それぞれのDL CC上のPDCCHは、DL CC AでのPDSCHのみをスケジュールすることができる。一方、CIFが有効にされると、DL CC A上のPDCCHは、DL CC Aはもちろん、他のDL CCでのPDSCHもスケジュールすることができる。DL CC AがPDCCHモニタリングCCに設定される場合、DL CC B及びDL CC CにはPDCCHが送信されないことがある。
【0070】
送信タイミング調整(Transmission timing adjustments)
【0071】
LTEシステムにおいて、端末から送信された信号が基地局に到逹するのにかかる時間は、セルの半径、セルでの端末の位置、端末の移動性などによって変わり得る。すなわち、基地局が各端末に対する上りリンク送信タイミングを制御しない場合、端末と基地局が通信する間、端末間に干渉の可能性が存在する。これは、基地局での誤り発生率を増加させ得る。端末から送信された信号が基地局に到逹するのにかかる時間はタイミングアドバンス(timing advance)と称することができる。端末がセル内でランダムに位置すると仮定すると、端末のタイミングアドバンスは端末の位置によって変わり得る。例えば、端末がセルの中心に位置するときより、セルの境界に位置する場合、端末のタイミングアドバンスは遥かに長くなり得る。また、タイミングアドバンスは、セルの周波数帯域によって変わり得る。よって、基地局は、各端末間の干渉を防止するために、セル内にある各端末の送信タイミングを管理又は調整しなければならない。このように、基地局によって行われる送信タイミングの管理又は調整を、タイミングアドバンス(timing advance)又はタイミング調整(time alignment)の維持と称することができる。
【0072】
タイミングアドバンス維持又はタイミング調整は、上述したようなランダムアクセス過程を通じて行うことができる。ランダムアクセス過程の間、基地局は、端末からランダムアクセスプリアンブルを受信し、受信されたランダムアクセスプリアンブルを用いてタイミングアドバンス値を計算することができる。計算されたタイミングアドバンス値は、ランダムアクセス応答を通じて端末に送信され、端末は、受信されたタイミングアドバンス値に基づいて信号送信タイミングを更新することができる。或いは、基地局は、端末から周期的に又はランダムに送信される上りリンク参照信号(例、SRS(Sounding Reference Signal))を受信してタイミングアドバンスを計算することができ、端末は、計算されたタイミングアドバンス値に基づいて信号送信タイミングを更新することができる。
【0073】
上述したように、基地局は、ランダムアクセスプリアンブル又は上りリンク参照信号を通じて端末のタイミングアドバンスを測定することができ、タイミング調整のための調整値を端末に知らせることができる。この場合、タイミング調整のための調整値は、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command、TAC)と称することができる。TACは、MAC層によって処理することができる。端末が基地局からTACを受信する場合、端末は、受信されたTACが一定時間の間にのみ有効であると仮定する。前記一定時間を指示するためにタイミング調整タイマー(Time Alignment Timer、TAT)を使用することができる。TAT値は、上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)を通じて端末に送信することができる。
【0074】
端末からの上りリンク無線フレームiの送信は、対応する下りリンク無線フレームが開始される(N
TA+N
TAoffset)×T
s秒前に開始することができる。0≦N
TA≦20512であってもよく、FDDフレーム構造の場合はN
TAoffset=0、TDDフレーム構造の場合はN
TAoffset=624であってもよい。N
TAは、タイミングアドバンス命令によって指示することができる。T
sはサンプリングタイムを示す。上りリンク送信タイミングは16T
sの倍数単位で調整することができる。TACは、ランダムアクセス応答で11ビットとして与えることができ、0〜1282の値を指示することができる。N
TAはTA*16として与えることができる。或いは、TACは、6ビットであり、0〜63の値を指示することができる。この場合、N
TAはN
TA,old+(TA−31)*16として与えることができる。サブフレームnで受信されたタイミングアドバンス命令はサブフレームn+6から適用することができる。
【0075】
タイミングアドバンスグループ(TAG:Timing Advace Group)
【0076】
一方、端末で複数のサービングセルが用いられる場合、類似するタイミングアドバンス特性を示すサービングセルが存在し得る。例えば、類似する周波数特性(例、周波数帯域)を用いたり、類似する伝播遅延を有するサービングセルは、類似するタイミングアドバンス特性を有することができる。よって、キャリアアグリゲーション時、複数の上りリンクタイミング同期化の調整によるシグナリングオーバーヘッドを最適化するために、類似するタイミングアドバンス特性を示すサービングセルをグループとして管理することができる。このようなグループは、タイミングアドバンスグループ(Timing Advance Group、TAG)と称することができる。類似するタイミングアドバンス特性を有するサービングセルは一つのTAGに属することができ、TAGで、少なくとも一つのサービングセルは上りリンクリソースを有さなければならない。各サービングセルに対して、基地局は、上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)を通じてTAG識別子を用いてTAG割り当てを端末に知らせることができる。2個以上のTAGを一つの端末に設定することができる。TAG識別子が0を指示する場合、PCellを含むTAGを意味し得る。便宜上、PCellを含むTAGは、プライマリTAG(primary TAG、pTAG)と称し、pTAGでない他のTAGはセカンダリTAG(secondary TAG、sTAG又はsecTAG)と称することができる。セカンダリTAG識別子(sTAG ID)は、SCellの該当sTAGを指示するのに使用することができる。sTAG IDがSCellに対して設定されない場合、SCellはpTAGの一部として構成することができる。一つのTAグループに属した全てのCCには一つのTAを共通に適用することができる。
【0077】
以下、前記TACを端末に送信するためのTAC MAC CEの構造に対して説明する。
【0078】
TAC MAC CE(Timing Advance Command MAC CE)
【0079】
3GPP LTEで、MAC(Medium Access Control) PDU(Protocol Data Unit)は、MACヘッダー、MAC CE(control element)及び少なくとも一つのMAC SDU(service data unit)を含む。MACヘッダーは、少なくとも一つのサブヘッダー(subheader)を含み、各サブヘッダーはMAC CEとMAC SDUに対応する。サブヘッダーはMAC CEとMAC SDUの長さ及び特徴を示す。
【0080】
MAC SDUは、MAC層の上位層(例えば、RLC層又はRRC層)から来たデータブロックであり、MAC CEは、バッファ状態報告(buffer status report)のようにMAC層の制御情報を伝達するために使用される。
【0081】
MACサブヘッダーは、次のようなフィールドを含む。
【0082】
− R(1ビット):予約された(Reserved)フィールド。
【0083】
− E(1ビット):拡張(Extension)フィールド。次にF及びLフィールドが存在するか否かを知らせる。
【0084】
− LCID(5ビット):論理チャネル(Logical Channel)IDフィールド。如何なる種類のMAC CEであるのか、又はいずれの論理チャネルのMAC SDUであるのかを知らせる。
【0085】
− F(1ビット):フォーマット(Format)フィールド。次のLフィールドのサイズが7ビットであるのか、それとも15ビットであるのかを知らせる。
【0086】
− L(7ビット又は15ビット):長さ(Length)フィールド。MACサブヘッダーに該当するMAC CE又はMAC SDUの長さを知らせる。
【0087】
固定サイズ(Fixed−sized)のMAC CEに対応するMACサブヘッダーにはF及びLフィールドが含まれない。
【0088】
図10は、固定されたサイズのMAC CEであって、TAC MAC CEを示す。TACは、端末が適用する時間調節の量を制御するために使用され、MAC PDUサブヘッダーのLCIDによって識別される。ここで、MAC CEは固定されたサイズを有し、
図10に示したように、単一オクテット(Octet)で構成される。
【0089】
− R(1ビット):予約された(Reserved)フィールド
【0090】
− TAC(Timing Advance Command)(6ビット):端末が適用しなければならないタイミング調整値の総量を制御するために使用されるT
Aインデックス値(0、1、2、…、63)を示す。
【0091】
タイミング調整のための調整値は、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command、TAC)を通じて送信されてもよいが、初期アクセスのために端末機が送信したランダムアクセスプリアンブルに対する応答メッセージ(Random Access Response、以下、RARと称する)を介して送信されてもよい。以下、TACを受信するために提案されたランダムアクセス過程を行う方法に対して説明する。
【0092】
ランダムアクセス過程(Random Access Procedure)
【0093】
LTEシステムで、端末は、次のような場合にランダムアクセス手続を行うことができる。
【0094】
− 端末が、基地局との接続(RRC Connection)がないので、初期アクセス(initial access)をする場合
【0095】
− 端末が、ハンドオーバー手続において、ターゲットセルに最初にアクセスする場合
【0096】
− 基地局の命令によって要求される場合
【0097】
− 上りリンクの時間同期が取られないか、無線リソースを要求するために使用される指定された無線リソースが割り当てられていない状況で、上りリンクへのデータが発生する場合
【0098】
− 無線リンク失敗(radio link failure)又はハンドオーバー失敗(handover failure)時の復旧手続の場合
【0099】
これに基づいて、以下では、一般的な競合ベースのランダムアクセス手続を説明する。
【0101】
まず、端末は、システム情報又はハンドオーバー命令(Handover Command)を通じて指示されたランダムアクセスプリアンブルの集合から任意に(randomly)一つのランダムアクセスプリアンブルを選択し、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACH(Physical RACH)リソースを選択して送信することができる。
【0103】
端末は、ランダムアクセスプリアンブルを送信した後、基地局が、システム情報又はハンドオーバー命令を通じて指示されたランダムアクセス応答受信ウィンドウ内で自身のランダムアクセス応答の受信を試みる(S902)。より詳細に、ランダムアクセス応答情報はMAC PDUの形式で送信することができ、前記MAC PDUはPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を介して伝達することができる。また、前記PDSCHで伝達される情報を端末が適切に受信するために、端末はPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)をモニタすることが好ましい。すなわち、PDCCHには、前記PDSCHを受信しなければならない端末の情報、前記PDSCHの無線リソースの周波数、時間情報、及び前記PDSCHの送信形式などが含まれていることが好ましい。一旦端末が自身に送信されるPDCCHの受信に成功すると、前記PDCCHの情報によってPDSCHで送信されるランダムアクセス応答を適切に受信することができる。そして、前記ランダムアクセス応答には、ランダムアクセスプリアンブル識別子(ID;例えば、RAPID(Random Access Preamble IDentifier)、上りリンク無線リソースを知らせる上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子(Temporary C−RNTI)及び時間同期補正値(Timing Advance Command:TAC)を含ませることができる。
【0104】
上述したように、ランダムアクセス応答でランダムアクセスプリアンブル識別子が必要な理由は、一つのランダムアクセス応答には一つ以上の端末のためのランダムアクセス応答情報が含まれ得るので、前記上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子及びTACがいずれの端末に有効であるのかを知らせる必要があるためである。本段階で、端末は、自身が選択したランダムアクセスプリアンブルと一致するランダムアクセスプリアンブル識別子を選択すると仮定する。これを通じて、端末は、上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子(Temporary C−RNTI)及び時間同期補正値(Timing Advance)などを受信することができる。
【0106】
端末が自身に有効なランダムアクセス応答を受信した場合は、前記ランダムアクセス応答に含まれた各情報をそれぞれ処理する。すなわち、端末はTACを適用させ、臨時セル識別子を格納する。また、有効なランダムアクセス応答受信に対応して送信するデータをメッセージ3バッファに格納することができる。
【0107】
一方、端末は、受信されたUL承認を用いて、データ(すなわち、第3メッセージ)を基地局に送信する。第3メッセージには、端末の識別子が含まれなければならない。これは、競合ベースのランダムアクセス手続では、基地局でいずれの端末が前記ランダムアクセス手続を行うのかを判断できないが、今後、衝突を解決するためには端末を識別しなければならないためである。
【0108】
端末の識別子を含ませる方法としては二つの方法が議論された。第一の方法は、端末が前記ランダムアクセス手続前に既に該当セルで割り当てられた有効なセル識別子を有していた場合、端末は、前記UL承認に対応する上りリンク送信信号を通じて自身のセル識別子を送信する。その一方で、ランダムアクセス手続前に有効なセル識別子の割り当てを受けていない場合、端末は、自身の固有識別子(例えば、S−TMSI又は任意のID(Random Id))を含ませて送信する。一般に、前記固有識別子はセル識別子より長い。端末は、前記UL承認に対応するデータを送信した場合、衝突解決のためのタイマー(contention resolution timer;以下、「CRタイマー」と称する)を開始する。
【0110】
端末が、ランダムアクセス応答に含まれたUL承認を通じて自身の識別子を含むデータを送信した後、衝突解決のために基地局の指示を待つ。すなわち、特定メッセージを受信するためにPDCCHの受信を試みる(S904)。前記PDCCHを受信する方法においても二つの方法が議論された。上述したように、前記UL承認に対応して送信された第3メッセージが、自身のセル識別子を用いて送信された場合は、自身のセル識別子を用いてPDCCHの受信を試み、前記識別子が固有識別子である場合は、ランダムアクセス応答に含まれた臨時セル識別子を用いてPDCCHの受信を試みることができる。その後、前者の場合、前記衝突解決タイマーが満了する前に自身のセル識別子を通じてPDCCHを受信したとき、端末は、正常にランダムアクセス手続が行われたと判断し、ランダムアクセス手続を終了する。後者の場合、前記衝突解決タイマーが満了する前に臨時セル識別子を通じてPDCCHを受信した場合、前記PDCCHが指示するPDSCHが伝達するデータを確認する。前記データの内容に自身の固有識別子が含まれている場合、端末は、正常にランダムアクセス手続が行われたと判断し、ランダムアクセス手続を終了する。
【0111】
一方、非競合ベースのランダムアクセス手続での動作は、
図7に示した競合ベースのランダムアクセス手続と異なり、第1メッセージ送信及び第2メッセージ送信のみでランダムアクセス手続が終了する。但し、端末が基地局に第1メッセージとしてランダムアクセスプリアンブルを送信する前に、端末は、基地局からランダムアクセスプリアンブルの割り当てを受けるようになり、この割り当てられたランダムアクセスプリアンブルを基地局に第1メッセージとして送信し、基地局からランダムアクセス応答を受信することによってランダムアクセス手続が終了する。
【0112】
本発明と関連して、同期を確保するために、基地局は、PDCCHを介してPDCCH命令でPRACHをトリガすることができる。そうすると、端末は、PRACHプリアンブルを基地局に送信する。端末が初期に同期を取るためのPRACHプリアンブル送信は、競合ベースのPRACHプリアンブル送信である。基地局は、受信した第1メッセージに対する応答としてランダムアクセス応答メッセージを端末に送信する。
【0113】
ランダムアクセス応答グラント(random access response grant)
【0114】
上位層は、20ビット上りリンクグラント(UL Grant)を物理層に指示する。これは、物理層でのランダムアクセス応答グラント(random access response grant、任意接続応答グラント)を示す。
【0115】
ここで、前記ランダムアクセス応答メッセージには、TAC及び下記の表3のような内容が含まれている。次の表7は、3GPP LTE TS 36.213でランダムアクセス応答グラント(RA response grant)に含まれた情報を示す。
【0117】
すなわち、20ビットは、最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)から始めて最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)まで、次のように構成される。
【0118】
−ホッピングフラグ(Hopping flag):1ビット
【0119】
−固定されたサイズのリソースブロック指定(fixed size resource block assignment):10ビット
【0120】
−トランケートされた(truncated)変調及びコーディング方式(MCS:Modulation and Coding Scheme):4ビット
【0121】
−スケジュールされたPUSCHのための送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)命令:3ビット
【0122】
−上りリンク遅延(UL delay):1ビット
【0123】
−チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)要求:1ビット
【0124】
端末は、当該ランダムアクセス応答グラント内の単一ビットの周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping)フィールドが1に設定され、上りリンクリソースブロック指定がタイプ0であると、PUSCH周波数ホッピングを行う。一方、そうでない場合、PUSCH周波数ホッピングを行わない。ホッピングフラグが設定されると、端末は、固定されたサイズのリソースブロック指定(fixed size resource block assignment)フィールドを介して指示された通りにPUSCHホッピングを行う。
【0125】
固定されたサイズのリソースブロック指定(fixed size resource block assignment)フィールドは、次の通りである。
【0126】
まず、上りリンクリソースブロックの個数が
【数3】
である場合、固定されたサイズのリソースブロック指定でb個のLSBをトランケートし(truncate)、一般的な(regular)DCIフォーマット0の方式によって、トランケートされたリソースブロック指定を解釈する。ここで、bは、次の数式1の通りである。
【0128】
一方、そうでない場合、固定されたサイズのリソースブロック指定内のNUP hop個のホッピングビットの次に0に設定されたb個のMSBを挿入し、一般的な(regular)DCIフォーマット0の方式によって、拡張されたリソースブロック指定を解釈する。ここで、ホッピングフラグが1に設定されると、ホッピングビットの個数(NUP hop)は0であり、bは、次の数式2の通りである。
【0130】
また、トランケートされた変調及びコーディング方式(truncated MCS)フィールドは、ランダムアクセス応答グラントに該当するMCSで解釈され得る。
【0131】
TPC命令(δ
msg2)は、PUSCHの電力を設定するために使用され、以下の表4によって解釈され得る。
【0132】
表4は、スケジュールされたPUSCHのためのTPC命令(δ
msg2)を示す。
【0134】
非競合ベースの任意アクセス手順(non−contention based random access procedure)において、CSI要求フィールドによって、非周期的CQI、PMI、RI報告が当該PUSCH送信に含まれるか否かが決定され得る。一方、競合ベースの任意アクセス手順(contention based random access procedure)においてCSI要求フィールドは予約されている。
【0135】
上りリンク遅延(UL delay)は、TDD及びFDDシステムの両方に適用され、PUSCHの遅延が導入されるか否かを示すために、0又は1に設定されてもよい。
【0137】
図11は、互いに異なる周波数特性を有する複数のセルが併合される例を示す。LTE Release 8/9/10システムでは、端末が複数個のCCを集合(aggregation)する場合にも、1つのCC(例えば、Pセル又はPキャリア)に適用可能なTA(Timing Advance)値を複数個のCCに‘共通’に適用して、UL送信時に適用した。LTE−Aシステムでは、端末が、互いに異なる周波数帯域に属している(すなわち、周波数上で大きく離隔している)、又は伝播遅延(propagation delay)特性が異なる、又は互いに異なるカバレッジを有する複数のセルを併合することを許容することができる。また、特定セルの場合は、カバレッジ(coverage)を拡大したり、或いはカバレッジホール(coverage hole)を除去するために、リピーター(repeater)のようなRRH(Remote Radio Head)装置がセル内に配置される状況を考慮することができる。例えば、互いに異なる場所に形成される各セル間でキャリアを併合することができる(inter−site carrier aggregation)。RRHは、RRU(Remote Radio Unit)と称することができ、基地局(eNB)とRRH(又はRRU)はいずれも、ノード又は送信ノードと総称することができる。
【0138】
一例において、
図11の(a)を参照すると、端末が2個のセル(セル1、セル2)を併合しており、セル1(又はCC1)は、RRHなしに基地局(eNB)と直接通信するように形成し、セル2は、制限されたカバレッジ(coverage)などの理由でRRHを用いて形成することができる。この場合、端末からセル2(又はCC2)を介して送信されるUL信号の伝播遅延(propagation delay)(或いは、eNBでの受信タイミング)と、セル1を介して送信されるUL信号の伝播遅延(或いは、eNBでの受信タイミング)とは、端末の位置及び周波数特性などの理由で異なり得る。このように複数のセルが互いに異なる伝播遅延特性を有する場合には、複数のTAを有することが不可避である。
【0139】
一方、
図11の(b)は、互いに異なるTAを有する複数のセルを例示する。端末が2個のセル(例えば、PCell、SCell)を併合しており、各セルに対して互いに異なるTAを適用してUL信号(例えば、PUSCH)を送信することができる。
【0140】
端末が複数のTAを受信する場合、特定セル(例えば、PCell)の上り信号送信時点と他のセルの上り信号送信時点との間の差が過度に大きい場合、該当セルの上り信号送信を制限する方法を考慮することができる。例えば、送信時点のギャップ(Gap)が特定の閾値を超える場合、当該セルの上り信号送信を制限する方法を考慮することができる。特定の閾値は、上位信号に設定されたり、端末が予め知っている値であってもよい。このような動作は、例えば、端末機が上りリンクで送信するシグナルの送信時点が大きくずれる場合、基地局と端末との間の上りリンク/下りリンク信号送信タイミング関係が一定でなくなり、誤動作が起こることを防止するために必要であり得る。
【0141】
また、一つの端末が同一のサブフレームで互いに異なるセル(CC)に対してPUSCH/PUCCHなどを送信するタイミングの差が大きい場合、端末の上りリンク信号構成及び下りリンク−上りリンク間の応答時間調節の複雑度が非常に大きくなり得る。
【0142】
したがって、複数のセル間の上りリンク送信タイミングが独立したTA動作によって大きくずれる場合、端末の上りリンク信号(例えば、PUSCH、PUCCH、SRS、RACHなど)の送信をドロップ(Drop)するか、又は送信タイミングを制限する方式を考慮することができる。具体的には、本発明では、次のような方式を提案する。
【0144】
端末が上りリンク送信を行わなければならない複数のセル間のTA差が閾値(threshold)以上である場合には、任意のセルの上りリンク送信を常にドロップし、実際に送信する上りリンク信号間のTA差は常に閾値以内になるように調整することができる。この場合、特定セルを基準にしてTA差が閾値を超えるセルに対する上りリンク信号の送信をドロップすることができる。より具体的に、特定セルは、PCell或いはPCellグループであってもよい。又は、ネットワークがRRCシグナリングなどを介して前記特定セルを設定することもできる。ここで、上りリンク信号の送信をドロップする動作は、予め送信するように設定された信号を送信しない動作であるか、TA差が閾値を超える場合、当該セルに対するPUSCHなどのスケジューリング命令を期待しないか無視する動作であってもよい。
【0146】
端末が上りリンク送信を行わなければならない複数のセル間のTA差が閾値以上である場合には、任意のセルの上りリンク送信タイミングを他のセルとの送信タイミングに比べてTA以内になるように調整して送信する。この場合、特定セルを基準にしてTA差が閾値を超えるセルに対する上りリンク信号の送信タイミングを調整することができる。ここで、特定セルは、PCell或いはPCellグループであってもよい。又は、ネットワークがRRCシグナリングなどを介して前記特定セルを設定することもできる。
【0148】
端末が、上りリンク送信を行わなければならない複数のセル間のTA差が閾値以上になるTAC(TAC)を受信した場合、前記端末は、当該TACを無視したり、TA差が閾値以内になる限度でのみ適用する。このとき、特定セルを基準にしてTA差が閾値を超えるようになるTACを受信した場合に、前記方式を適用することができる。ここで、特定セルは、PCell或いはPCellグループであってもよい。又は、ネットワークが上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを介して前記特定セルを設定することもできる。
【0149】
前記各方式において、TA閾値は、ネットワークが上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを介して設定することができる。また、前記セルとは、複数のセルグループ、さらに特徴的には、同一のTACが適用されるセルグループであってもよい。前記TAの差は、端末が管理しているTA値の差のみならず、端末が特定サブフレームで送信に適用しなければならないTA値の差、端末が受信したTACでの値の差、或いは端末が送信に適用する送信タイミング(transmission timing)の差であってもよい。また、前記方式でPRACHのように、TAC値を介して管理されるTA適用が例外となる信号送信時には、前記TA差制限方式が適用されなくてもよい。
【0151】
以下では、参照信号についてより詳細に説明する。
【0152】
一般に、チャネル測定のために、データと共に、送信側と受信側の両方で予め知っている参照信号が送信側から受信側に送信される。このような参照信号は、チャネル測定だけでなく、変調方法を知らせて復調過程が行われるようにする役割を果たす。参照信号は、基地局と特定端末のための専用参照信号(dedicated RS;DRS)、すなわち、端末固有の参照信号と、セル内の全ての端末のためのセル固有の参照信号である共通参照信号(common RS又はCell specific RS;CRS)とに区分される。また、セル固有の参照信号は、端末でCQI/PMI/RIを測定して基地局に報告するための参照信号を含み、これをCSI−RS(Channel State Information−RS)と称する。
【0153】
チャネル測定とデータ復調のために送信されるセル固有の参照信号であるCRS(Common Reference Signal)は、データ情報領域だけでなく制御情報領域全般にわたって端末に送信され得る。
【0154】
また、端末固有のRSである下りリンクDM−RS(Demodulation−RS)は、データ領域、すなわち、PDSCHを介して単一アンテナポート送信をサポートする。端末に、上位層を介して、前記端末固有のRSであるDM−RSが存在するか否かがシグナリングされる。3GPP標準文書36.211では、アンテナポート7〜14、すなわち、計8個のアンテナポートに対するDM−RSを定義している。
【0155】
図9に示したように、現在の3GPP標準文書で定義している下りリンクDM−RSは、次のようにマッピングされる。DM−RSグループ1には、アンテナポート{7,8,11,13}に該当するDM−RSがアンテナポート別のシーケンスを用いてマッピングされ、DM−RSグループ2には、アンテナポート{9,10,12,14}に該当するDM−RSが、同様に、アンテナポート別のシーケンスを用いてマッピングされる。
【0156】
一方、上述したCSI−RSは、CRSとは別途に、PDSCHに対するチャネル測定を目的に提案された。CRSとは異なり、CSI−RSは、多重セル環境でセル間干渉(inter−cell interference;ICI)を低減するために最大32種類の互いに異なるリソース設定(configuration)で定義されてもよい。
【0159】
UEは、電源が入ったり、新たにセルに接続しようとする場合、前記セルとの時間及び周波数同期を取得し、前記セルの物理層セル識別子(physical layer cell identity)NcellIDを検出(detect)するなどのセル探索(initial cell search)過程(procedure)を行う。そのために、UEは、eNBから同期信号、例えば、1次同期信号(Primary Synchronization Signal、PSS)及び2次同期信号(Secondary Synchronization Signal、SSS)を受信してeNBとの同期を取り、セル識別子などの情報を取得することができる。
【0160】
具体的に、PSSは、OFDMシンボル同期、スロット同期などの時間ドメイン同期及び/又は周波数ドメイン同期を得るために、次の数式3によって長さ63のZC(Zadoff−Chu)シーケンスが周波数ドメインで定義され、PSS d(n)として用いられる。
【0162】
前記数式1において、uは、ZCルートシーケンスインデックスを示し、現在のLTEシステムでは、下記の表5のように前記uを定義している。
【0164】
次に、SSSは、フレーム同期、セルグループID及び/又はセルのCP設定(configuration)(すなわち、一般CP又は拡張CPの使用情報)を得るために用いられ、長さ31のバイナリシーケンス2個のインターリービング結合によって構成される。すなわち、SSSシーケンスはd(0),...,d(61)であって、全長が62となる。また、前記SSSシーケンスは、次の数式4のように、サブフレーム#0で送信されるか、又はサブフレーム#5で送信されるかによって異なって定義される。ただし、数式4で、nは、0以上30以下の整数である。
【0166】
より具体的に、同期信号は、インターRAT(inter radio access technology)測定の容易さのために、GSM(Global System for Mobile communication)フレーム長である4.6msを考慮して、サブフレーム#0の第1スロット及びサブフレーム#5の第1スロットでそれぞれ送信される。特に、PSSは、サブフレーム#0の第1スロットの最後のOFDMシンボル及びサブフレーム#5の第1スロットの最後のOFDMシンボルでそれぞれ送信され、SSSは、サブフレーム#0の第1スロットの最後から2番目のOFDMシンボル及びサブフレーム#5の第1スロットの最後から2番目のOFDMシンボルでそれぞれ送信される。当該無線フレームの境界は、SSSを介して検出することができる。PSSは、当該スロットの最後のOFDMシンボルで送信され、SSSは、PSSの直前のOFDMシンボルで送信される。
【0167】
SSは、3個のPSS及び168個のSSSの組み合わせによって計504個の固有の物理層セル識別子(physical layer cell ID)を示すことができる。換言すれば、前記物理層セルIDは、各物理層セルIDがただ一つの物理層セル識別子グループの部分となるように、各グループが3個の固有の識別子を含む168個の物理層セル識別子グループにグループ化される。したがって、物理層セル識別子N
cellIDは、物理層セル識別子グループを示す0から167までの範囲内の番号N
(1)ID、及び前記物理層セル識別子グループ内の前記物理層識別子を示す0から2までの番号N
(2)IDによって固有に定義される。UEは、PSSを検出して3個の固有の物理層識別子のうち1つを知ることができ、SSSを検出して前記物理層識別子に関連する168個の物理層セルIDのうち1つを識別することができる。
【0168】
PSSは、5ms毎に送信されるため、UEは、PSSを検出することによって、当該サブフレームがサブフレーム#0とサブフレーム#5のうち1つであることを知ることができるが、当該サブフレームが具体的にサブフレーム#0とサブフレーム#5のいずれであるかは知ることができない。したがって、UEは、PSSだけでは無線フレームの境界を認知することができない。すなわち、PSSだけではフレーム同期を取得することができない。UEは、1無線フレーム内で2回送信されるが、互いに異なるシーケンスで送信されるSSSを検出し、無線フレームの境界を検出する。
【0169】
このように、セル探索/再探索のために、UEは、eNBからPSS及びSSSを受信してeNBとの同期を取り、セル識別子(identity、ID)などの情報を取得することができる。その後、UEは、PBCH上でeNBによって管理されるセル(cell)内の放送情報を受信することができる。
【0170】
機器間(D2D:Device to Device)通信
【0171】
前述したような無線通信システム(例えば、3GPP LTEシステム又は3GPP LTE−Aシステム)にD2D通信が導入される場合、D2D通信を行うための具体的な方法について、以下で説明する。
【0172】
以下では、本発明で使用される機器間通信環境について簡略に説明する。
【0173】
機器間(D2D:Device to Device)通信とは、その文字通り、電子装置と電子装置との間の通信を意味する。広義には、電子装置間の有線或いは無線通信や、人が制御する装置と機械との間の通信を意味する。しかし、最近は、人の関与なしに行われる電子装置と電子装置との間の無線通信を称することが一般的である。
【0174】
図12は、D2D通信を概念的に説明するための図である。
図12は、D2D通信の一例として、機器間(D2D)又は端末間(UE−to−UE)通信方式を示すもので、端末間のデータ交換を基地局を経ることなく行うことができる。このように装置間に直接設定されるリンクをD2Dリンク又はサイドリンク(sidelink)と命名することができる。D2D通信は、従来の基地局中心の通信方式に比べて遅延(latency)が減少し、より少ない無線リソースを必要とするなどの利点を有する。ここで、UEは、ユーザの端末を意味するが、eNBのようなネットワーク設備がUE間の通信方式に従って信号を送受信する場合には、これも一種のUEと見なすことができる。
【0175】
D2D通信を行うためには、2つのUEの相互間に時間及び周波数同期が取得されなければならない。一般に、両UEがeNBのカバレッジ以内にある場合、eNBが送信するPSS/SSSやCRSなどに両UEが同期化され、両UE間の直接信号送受信も可能なレベルに時間/周波数同期化が維持され得る。ここで、D2D通信のための同期化信号をD2DSSと命名する。D2DSSは、LTEシステムのPSS/SSSのような信号で構成されてもよい。このようにD2D通信のために送信されるPSS/SSS(又はPSS/SSSの変形信号)を、それぞれPD2DSS(primary D2D synchronization signal)とSD2DSS(secondary D2D synchronization signal)と命名する。PD2DSSは、LTEシステムのPSSのように概略的なタイミングを取得するために用いることができ、ZCシーケンスをベースとするものであってもよい。また、SD2DSSは、LTEシステムのSSSのようにより正確な同期化のために用いることができ、mシーケンスをベースとするものであってもよい。物理D2D同期化チャネル(PD2DSCH)は、システム帯域(bandwidth)、無線フレーム及びサブフレームインデックスのような同期化に必要な情報を搬送する物理チャネルを指す。
【0176】
以下、本発明で提案する同期基準信号(以下、D2DSSと命名する)の構造について説明する。より具体的に、D2DSSの設計のために考慮できる要求事項について、以下のA〜Dで説明する。このような要求事項は選択的に適用されたり、2つ以上の要求事項が共に適用されてもよい。
【0177】
A.D2DSSの波形及びSD2DSSの必要性
【0178】
以下、D2D送受信のために、D2DSSの構造について以下のように提案する。
【0179】
提案1)D2DSSは、PD2DSSのみで構成されることを提案する。ここで、PD2DSSは、LTE PSSと同一の波形を有することを提案する。同期基準IDは、関連するPD2DSCHのDM RSを感知して取得することができる。
【0180】
PD2DSSの波形がLTE PSSと同一である場合、同期化に対する現存するUEの解釈が再利用されるという最大値の利益がある。また、このような議論によれば、PD2DSSの詳細化された波形を設計するために要求される具体的な努力を低減することができる。したがって、ここで、PD2DSSを含むシンボル毎にLTE PSSの波形を再利用することを提案する。これは、PD2DSSが、下りリンク信号で使用されるOFDM変調時、DC(Direct−current)搬送波パンクチャリングされ、半副搬送波シフトなしに送信されることを意味し得る。
【0181】
SD2DSSに対して同じ原理に従う場合、LTE SSSの波形は、同期化のカバレッジを減少させる高いPAPR(Peak−to−Average Power Ratio)を引き起こすことがある。これは、通常、MシーケンスのPAPRがZCシーケンスのPAPRよりも相対的に高いためである。したがって、場合によっては、D2DSSはPD2DSSのみで構成されることを提案する。PD2DSCHのDM RSシーケンスが同期基準IDから誘導又は算出される場合、同期基準IDは、D2DSSに関連するPDDSCHのDM RSを使用して識別されることを提案する。また、周波数オフセットは、前記PD2DSCHに関連するDM RSを使用して推測することができる。ここで、同期基準(synchronization referece)IDは、次のように解釈することができる。UEが送信するD2D同期基準信号は、従来のLTEシステムで使用するPSS/SSSをシーケンスやリソースマッピングの観点で変形した形態であってもよく、この場合、セル識別子は、PSS/SSSが使用するシーケンスを決定するシード(seed)値として解釈することができる。これを、同期の基準となるIDという点で、同期基準(synchronization reference)IDと命名することができる。
【0182】
B.1サブフレームでPD2DSSに使用されるシンボルの個数
【0183】
1サブフレームで多数のシンボルがPD2DSSに使用されてもよい。例えば、D2DSSを含む1サブフレームでPD2DSSの用途に少なくとも4つのシンボルを使用することができる。
【0184】
議論中の標準化過程(RAN4フィードバック)によれば、それぞれのUEでオシレーター(Oscillator)エラーは最大10PPMであり、D2Dリンク(送信UEと受信UEとの間のリンク)で最大エラーは20PPMであり得る。D2DSSの周期は、作業のための仮定(working assumption)によって40msよりも小さくなく、40ms間蓄積された時間エラーは最大0.8μsであり得る。6RBシステムで1回のサンプリングは約0.5μsであることを考慮すると、UEが少なくとも40msだけ分離された互いに異なる周期に送信されるD2DSSをコヒーレントに(coherently)結合することを仮定することは難しいことである。これによれば、D2DSSの周期は、その適用に対して遥かに依存的であり得る。例えば、D2DSSがインターセルD2Dディスカバリーのための同期化を補助する場合に、ディスカバリーリソースプール(pool)の周期に合わせるために、D2DSSの周期は1secよりも長くなり得る。
【0185】
一方、D2DSSの十分なカバレッジを保証するためには、それぞれのUEは、十分なD2DSSエネルギーを受信できなければならない。
図13は、D2DSSに使用されるシンボルの個数によるD2DSS検出誤りを示す。多数のシンボルが使用される場合、送信機は、同一のルートインデックス(root index)を繰り返して使用する。ここで、使用されるルートインデックスは、PSSのために定義された3つのルートインデックスから任意に選択することができる。ここで、3つのルートインデックスは{25,39,34}に該当し得る。ここで、推定されたD2DSSの送信開始時間と実際の時間との間の誤りがCP(Cyclic Prefix)によってカバー(covered)される場合には、D2DSSは正しく検出されたものと見なすことができる。6RBの送信時、SNRが−2.78dBのSNR(Signal to noise ratio)が−107dBm RSRPの経路損失(pathloss)に対応することを考慮すると、周波数オフセットが0である場合でも、十分な時間取得性能を得るために多数のシンボルが結合されなければならない。
【0186】
このような議論に基づいて、1サブフレームで多数のPD2DSSが使用されることを提案する。単一周期時間取得のターゲット誤り確率が約1%である場合、少なくとも4つのシンボルが使用されてもよい。
【0187】
C.1サブフレームで多数シンボルPD2DSSに使用されるルートインデックス
【0188】
1サブフレームでそれぞれのPD2DSSシンボルに使用されるルートインデックスが決定されなければならない。以下、PD2DSSに多数のシンボルが使用される場合に、それぞれのシンボルに対するルートインデックスの決定方法を提案する。一つの方法として、前記それぞれのPD2DSSシンボルの全てに対して同じルートインデックスを使用することができる。しかし、このように繰り返されるルートインデックスは、下記のように少なくとも2つの問題を引き起こすことがあるため、互いに異なるシンボルが互いに異なるPD2DSSシーケンスを使用することと同様に、複数のルートインデックスを混合して使用することを提案する。
【0189】
一つの問題点は、反復的なルートインデックスは、シンボルインデックスに対して曖昧さを引き起こすことがあるということである。N個のシンボルがPD2DSSに対して同一のインデックスをもって使用される場合、受信UEが、種々の原因、例えば、高い雑音電力(noise power)、自動利得制御(Automatic Gain Control、AGC)設定、及び/又は送受信スイッチングなどによって最初のシンボルを逃すと、その後に残りのN−1個のPD2DSSシンボルが正しく検出されても、どの位置にサブフレーム境界が位置するかを知ることができなくなる。PDDSSのルートインデックスがシンボルインデックスによって変わると、このような曖昧さを解消することができる。
【0190】
反復的なルートインデックスの他の問題点は、高い周波数オフセットが存在するとき、ノンゼロ(non−zero)時間シフトで高い相関ピーク(correlation peak)があるということである。
図14は、7kHz周波数オフセット下で、混合ルートインデックス、反復的なルートインデックスに対する多数シンボルPD2DSSの非周期自己相関(autocorrelation)プロファイル(profile)を示す図である。具体的に、
図14を参照すると、反復的なルートインデックスとしてルートインデックス25及び29のそれぞれに対するPD2DSSの非周期的自己相関プロファイルでは、ノンゼロ時間シフトで相対的に高いピークが観察される。また、
図14は、同様に、混合されたルートインデックスのPD2DSSの自己相関を示す。ここで、周辺(side)ピークは、平均的に遥かに低いことを観察できる。これは、周辺ピークの時間シフトが他のルートインデックスとは異なるためである。ここで、x軸は時間を示し、y軸は相関ピークを示す。
【0191】
図15は、PD2DSSに6シンボルが使用される場合、PD2DSS検出誤りを示す。送信毎に2つのルートインデックスパターンのうち1つが任意に選択される。前記2つのルートインデックスパターンは、反復的なインデックスに対しては{25−25−25−25−25−25}及び{29−29−29−29−29}であってもよく、混合されたインデックスに対しては{25−29−34−25−29−34}及び{29−25−34−29−25−34}が考慮されてもよい。ここで、実線は、反復的なルートインデックスのケースを示し、点線は、混合されたルートインデックスのケースを示す。
図15を参照すると、複数のシンボルに対してPD2DSSの送信時、混合された複数のルートインデックスがさらに有益であることがわかる。これは、上述した2つの問題点による結果であり得る。したがって、1サブフレームで複数のシンボルがPD2DSSの送信のために使用される場合、PD2DSSシーケンスのルートインデックスはシンボルインデックスによって変わるように設定することができる。
【0192】
一方、
図15を参照すると、混合されたルートインデックスが反復的なルートインデックスに比べて利得を提供できるとしても、オフセットが非常に高い(例えば、10.5kHz)場合には、PD2DSS検出性能が非常に低くなることがわかる。このような高い周波数オフセットは、以下のような2つのアプローチを通じて扱うことができる。
【0193】
−受信UEは、高い周波数オフセット下で送信されたD2DSSに正確にマッチングするように、周波数オフセットに対する複数の仮説によって動作することができる。
【0194】
−PD2DSSは、受信UEがPD2DSSを検出する前に大きな周波数オフセットを把握するように、より短いシンボル長を有するプリアンブル(例えば、SRS)を先行させることができる。すなわち、PD2DSSの前にプリアンブルが現れてもよい。
【0195】
D.そこで、D2DSSを設計するにおいて、非常に大きな周波数オフセットを処理する方法についてさらに研究する必要がある。
【0196】
以下、本発明によって上述した提案が適用又は適用されていない同期化信号の構造について具体的に説明する。
【0197】
図16は、本発明で適用できる同期化信号の構造の一実施例を説明するための図である。
図16の(a)は、PD2DSSに先行して送信されるプリアンブルを例示する。
図16の(a)を参照すると、同一のシーケンス(信号A)が、プリアンブルのために使用される1番目のシンボル(シンボル#0)内で2回繰り返されて送信される。また、3つのシンボルはPD2DSSとして推定することができる(信号B,B’,B”)。これは、実質的に前記プリアンブルのシンボル長が、PD2DSSを含む一般シンボルの半分であることを意味する。また、これによれば、UEプロセッシング時間の間、2つのPD2DSSシンボルだけでなく、プリアンブルとPD2DSSとの間にも若干のギャップ(gap)があり得ることがわかる。
【0198】
図16の(a)に示されたプリアンブルは、周波数ドメインで奇数(又は偶数)番目の副搬送波毎に0がパディング(padding)されて生成されてもよい。これは、周波数ドメインで周期的な‘0’(又はゼロ)の挿入は、時間領域での信号繰り返しとして示されるためである。
図16の(b)は、このような構造の周波数ドメイン信号の生成を示す。ここで、SRSの送信に使用される方法を用いることができ、これは、SRSのくし(comb)形状の性質が同じ特性を有するためである。しかし、このような構造は、一つのキャリア上で負荷(loading)信号を繰り返し、後続するN−1副搬送波のヌリング(nulling)を介してプリアンブル信号が一つのシンボルでN回繰り返されるもののように一般化され得る。
【0199】
複数の信号がPD2DSSの送信に使用される場合、シンボル毎に、ルートインデックスを変更することが有益である。例えば、シンボル毎に、PD2DSSに利用可能な3つのシーケンス(信号a
1,a
2,a
3と命名する)があると仮定すると、以下に示されたように、2つのシーケンスパターンが候補セットに含まれてもよい。これは、2つのシーケンスが連続的なシンボルで重なる場合がないためである。
【0200】
パターン1:{a
1,a
2,a
3,a
1,a
2,a
3,…}
パターン2:{a
1,a
3,a
2,a
1,a
3,a
2,…}
【0201】
他のシーケンスに変更する前に、以下のようにそれぞれのシーケンスが2回繰り返されることも可能である。
【0202】
パターン3:{a
1,a
1,a
2,a
2,a
3,a
3,a
1,a
1,…}
パターン4:{a
1,a
1,a
3,a
3,a
2,a
2,a
1,a
1,…}
【0203】
開始シーケンスを他のパターンと異ならせるために、前記パターンのいずれかに対して巡回シフトを適用することも可能である。
【0204】
前記議論されたパターンは、下記のようにシンボル毎にPD2DSSに利用可能なn個の特徴的なシーケンス(信号a
1,a
2,a
3,…,a
Nと命名する)を含むように一般化されてもよい。
【0205】
グループ1のパターンn:互いに異なる信号が隣接するシンボルで送信され、信号インデックスがシンボル毎にnずつ増加する。すなわち、パターンは、{a
1,a
1+n,a
1+2n,…}であってもよい。ここで、信号インデックスが[1,N]の範囲内となるようにモジュロ(modulo)動作を含むことができる。
【0206】
グループ2のパターンn:同一の信号が2つの隣接するシンボルで繰り返され、信号インデックスがnずつ増加する。すなわち、パターンは、{a
1,a
1,a
1+n,a
1+n,a
1+2n,…}であってもよい。
【0207】
グループkのパターンn:同一の信号がk個の隣接するシンボルで繰り返され、信号インデックスがnずつ増加する。
【0209】
図17は、本発明の一実施例として、1サブフレーム内で複数のシンボルがPD2DSSに使用される場合、PD2DSSに使用されるシンボルの配置を示す。以下、PD2DSSに使用されるシンボルは、PD2DSSシンボルと呼ぶ。
図17の(a)は、1サブフレーム内で複数のPD2DSSシンボルが等間隔に位置する場合を示す。
図17の(b)は、PD2DSSシンボル間のギャップが互いに異なるようにPD2DSSシンボルが位置する場合を示す。以下、PD2DSSシンボル間のギャップは、インターPD2DSSギャップと呼ぶ。
図17では、拡張されたCPの場合に対して例示したが、一般CPの場合に対しても適用することができる。また、ここで、PD2DSSシンボルは4つと示されたが、それよりも少なく又は多く構成されることも可能である。
【0211】
図17の(a)を参照すると、1サブフレームで4つのPD2DSSが2シンボルのギャップを有して均一に存在するように位置させることができる。詳細には、PD2DSSシンボルが、2番目のシンボル(シンボル#1)、5番目のシンボル(シンボル#4)、8番目のシンボル(シンボル#7)、11番目のシンボル(シンボル#10)に位置することができる。受信機で3シンボルの時間シフトが存在する場合、3シンボル毎にPD2DSSシンボルの重畳が発生し得る。すなわち、受信機の立場で、2番目のシンボル(シンボル#1)、5番目のシンボル(シンボル#4)、8番目のシンボル(シンボル#7)でPD2DSSシンボルの重畳が発生し得る。
【0212】
これは、送信されたPD2DSS信号と受信機で何が推定されるかに関係なく相対的に高い相関の結果を引き起こすことがある。このような問題は、
図17の(b)に示されたように、インターPD2DSSギャップが不規則になる場合に緩和させることができる。
【0214】
PD2DSSシンボルは、
図17の(b)のように、2つの隣接するPD2DSSシンボル間のギャップ(インターPD2DSSギャップ)を可能な限り互いに異ならせる方法で位置させることが有益である。換言すれば、前記1番目のPD2DSSシンボル(シンボル#1)と2番目のPD2DSSシンボル(シンボル#2)との間のギャップが、2番目のPD2DSSシンボル(シンボル#2)と3番目のPD2DSSシンボル(シンボル#5)との間のギャップと異なるように設定される場合などが有益である。このように、互いに異なるギャップを有するということは、時間領域でのいかなるノンゼロシンボルシフトも、複数のシンボルでPD2DSSの重畳を引き起こさないという効果があることを意味する。
【0215】
詳細には、
図17の(b)に示されたPD2DSSシンボルの位置によれば、いかなるノンゼロシンボルレベル時間シフトに対しても、ただ1つのPD2DSSシンボルでのみ重畳が発生する。例えば、
図17の(b)に示されたように、受信機で3シンボルの時間シフトが存在する場合、3番目のシンボル(シンボル#2)でのみ重畳が発生する。このような性質によって、PD2DSSパターンで互いに異なるルートインデックスを使用しなくても、シンボルレベルの曖昧さによる問題は解消できるようになる。
図17では、1サブフレームでPD2DSSシンボルの個数は4つと表現されたが、本発明の範囲は、これによって制限されるものではない。PD2DSSシンボルの個数は4つよりも少ないか又は多くてもよい。また、PD2DSSのために使用されないシンボルの少なくとも一部は、SD2DSS及び/又はPD2DSCHのような他の信号の送信に使用されてもよい。
【0216】
図18は、
図17の(b)に示された内容に基づいて、1サブフレームで不規則に示されるPD2DSSシンボルの具体的なシンボル位置を示す。
図17の(b)では、2つの隣接するPD2DSS間のギャップが順次に0、2、及び4シンボルであるものと示されているが、
図18は、このようなギャップが他の順序で使用される例を示す。
【0217】
図18を参照すると、それぞれの例で示されるパターンに対して、重畳するPD2DSSシンボルの個数に対する特性が同一に維持されることがわかる。これは、2つの隣接するPD2DSSシンボル間の相対的なギャップが維持されるためである。どのような理由でも、前記PD2DSSシンボルは時間領域でシフトされてもよい。例えば、3番目の例で示されるパターンは、1つのシンボルだけシフトされてもよく、2つの連続するPD2DSSシンボルがサブフレームの中央(すなわち、シンボル#5及び#6)に位置してもよい。
【0218】
図19は、他のインターPD2DSSシンボルギャップのパターンを例示する。それぞれのパターンにおいてインターPD2DSSシンボルのギャップは、次の通りである。
【0219】
−第1パターン{0,1,3}
−第2パターン{0,1,4}
−第3パターン{0,1,5}
−第4パターン{1,2,3}
【0220】
ここで、それぞれの同一のインターPD2DSSギャップセットは、互いに異なる順序で使用されることも可能である。さらに、シンボル#0及び/又は#11がPD2DSSの送信に使用可能であるか、又は1サブフレームでシンボルの個数が増加する場合、さらに多くのパターンを用いることもできる。
【0221】
以下では、D2DSSが位置できる方法の他の実施例を説明する。後述する実施例によれば、実施例1と同様に、1サブフレームで4つのシンボルをD2DSSに使用する場合を仮定し、そのうち2つのシンボルはPD2DSSシンボルであり、残りの2つはSD2DSSシンボルであってもよい。同様に、D2DSSに使用されるシンボルの個数は4つに制限されるものではない。また、PD2DSSシンボルの個数又はSD2DSSシンボルの個数もまた、各々2つに制限されるものではない。
【0222】
以下、D2DSSを設計する際に考慮できる要求事項を説明する。まず、D2DSSを位置させるにおいて、既存のPUSCH DM RSを考慮することができる。D2DSSは、同一のサブフレームで異なるチャネル、特に、各種同期化関連情報を送信するPD2DSCHと共に送信されてもよく、この場合、PD2DSCHを復調するDM RSもまた、同一のサブフレームで共に送信されてもよい。PD2DSCHがPUSCHの構造を再利用する場合、好ましくは、DM RSの位置もまた維持され得る。したがって、より好ましくは、D2DSSがPUSCH DM RS或いはPD2DSCH DM RSを回避して位置することが要求され得る。
【0223】
次に、2つのD2DSSは、連続したシンボルに位置するように設計することができる。これは、初期の周波数オフセットが大きい場合、隣接する2つのシンボルのD2DSSを用いて、大きな周波数オフセット成分によるシンボル間のチャネル変化に基づいて周波数エラーの推定を容易にするためである。一例として、計4個のD2DSSシンボルのうち2つは互いに隣接し、残りの2つは互いに隣接するが、連続する2つのD2DSSの間には一定の間隔が存在することができる。隣接するシンボル上の2つのD2DSSは、同じタイプ(すなわち、PD2DSS又はSD2DSS)であってもよく、このときは、同じシーケンスを使用するため、チャネル変化をさらに容易に追跡できるので、シンボル間のチャネル変化の測定に基づいた周波数オフセットの推定が容易になる。又は、隣接する2つのD2DSSは、互いに異なるタイプ(すなわち、一方はPD2DSS、他方はSD2DSS)であってもよく、このような方式は、PSSとSSSが互いに隣接する既存のLTE FDD同期化信号の構造を再利用できるという利点がある。
【0224】
次に、サブフレームの最後のシンボルは、次のサブフレームでの信号送信を準備するためのギャップとして活用されるものと設計することができる。また、ここではD2DSSを送信できないと仮定することもできる。
【0225】
さらに、DM RSが配置されるシンボルの位置を考慮して、D2DSSが位置することができる。詳細には、D2DSS以外の残りのシンボルを最大限中央に密集するように設定することができる。換言すれば、D2DSSに使用されないシンボルが最大限連続的に位置するように設定することができる。ここで、当該シンボルがPD2DSCHのような他のチャネルに使用される場合、2つのDM RSの間に最大限多くのシンボルを他のチャネルの用途、例えば、データチャネルなどの用途に活用できるようになる。この場合には、DM RSシンボル間の補間(interpolation)を用いたチャネル推定性能が向上するという利点がある。これは、通常、RSシンボルの間に位置するシンボルでは、2つのRSを用いた補間によってチャネル推定がさらに正確になる効果を得ることができる一方、RSシンボルの外郭に位置するシンボルでは、そのような効果を得ることができないためである。このような点を考慮して、D2DSSの配置パターンを設計することができる。
【0226】
このような要求事項に基づいて、以下では、D2DSSを位置させる方法に関する様々な実施例を説明する。
【0229】
図20は、上述した原理に従う一実施例を示した図である。ここでは、隣接する2つのD2DSSシンボルでそれぞれPD2DSSとSD2DSSが順に送信されると仮定したが、その順序を変え、SD2DSSが先に送信され、その次にPD2DSSが送信されてもよい。又は、スロットに応じて送信順序を変えることによって、当該D2DSSが送信されるスロットが偶数スロットであるか、又は奇数スロットであるかを把握するようにすることができる。例えば、偶数スロットでは、PD2DSSがSD2DSSより先に送信され、奇数スロットでは、SD2DSSがPD2DSSより先に送信されるものと設定されてもよい。
【0230】
又は、上述したように、連続したシンボルでは同じタイプのD2DSSが送信されるように変形することも可能である。例えば、前に送信される連続した2つのシンボルではPD2DSSが送信され、後に送信される連続した2つのシンボルではSD2DSSが送信されてもよい。逆に、前に送信される連続した2つのシンボルではSD2DSSが送信され、後に送信される連続した2つのシンボルではPD2DSSが送信されてもよい。
【0231】
図20を参照すると、一般CPの場合の1サブフレームにおいて、DM RSはシンボル#3及びシンボル#10に位置する。D2DSSは、DM RSが位置するシンボル#3、シンボル#10の外郭に位置するように設計することができる。したがって、シンボル#0,1,2,11,12,13をD2DSSの用途に使用することができる。D2DSSを最外郭に位置させるために、
図20では、第1スロットで、PD2DSSはシンボル#0に位置し、SD2DSSはシンボル#1に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#11に位置し、SD2DSSはシンボル#12に位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定される。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定することができる。
【0232】
拡張CPの場合の1サブフレームにおいて、DM RSはシンボル#2及びシンボル#8に位置する。D2DSSは、DM RSが位置するシンボル#2、シンボル#8の外郭に位置するように設計することができる。したがって、シンボル#0,1,9,10,11をD2DSSの用途に使用することができる。
図20を参照すると、第1スロットで、PD2DSSがシンボル#0に位置し、SD2DSSはシンボル#1に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定される。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定することができる。
【0234】
実施例2−2によれば、実施例2のように、DM RSが配置されるシンボルの位置を考慮し、場合によっては、自動利得制御(Automatic gain control、AGC)を考慮してD2DSSを設計することができる。自動利得制御に関しては、実施例2−2以外の他の実施例でも同様に考慮することができる。
【0235】
図21は、上述した原理に従う一実施例を示した図である。具体的に、
図21は、
図20において、一般CPの場合に最初のシンボルをD2DSSの用途に使用しないように設定する場合である。より具体的に、
図21は、一般CPの場合に当該サブフレームの開始点(シンボル#1)で、受信UEに自動利得制御を行い、D2DSSを検出する時間的余裕を付与する実施例である。
【0236】
図21を参照すると、一般CPの場合の1サブフレームにおいて、DM RSはシンボル#3及びシンボル#10に位置する。D2DSSは、DM RSが位置するシンボル#3、シンボル#10の外郭に位置するように設計することができる。したがって、シンボル#0,1,2,11,12,13をD2DSSの用途に使用することができる。ただし、1番目のシンボルはD2DSSの用途に使用せず、自動利得制御のために設定されるので、D2DSSは、第1スロットの2番目のシンボル(シンボル#1)及び3番目のシンボル(シンボル#2)、第2スロットの5番目のシンボル(シンボル#11)及び6番目のシンボル(シンボル#12)にマッピングされ得る。
図21を参照すると、第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#2にマッピングされ、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#11に位置し、SD2DSSはシンボル#12にマッピングされ得る。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定される。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定することができる。
【0237】
ここで、最初のシンボル(シンボル#0)は、他の用途、例えば、PD2DSCHの用途に使用することができる。すなわち、UEは、最初のシンボルでD2DSSではない信号を受信しながら、AGCを適宜設定した後、安定的にその次のシンボルでD2DSSを検出するようになる。したがって、このような実施例によれば、D2DSS検出の安定性を高めることができる。
【0238】
拡張CPの場合の1サブフレームにおいて、DM RSはシンボル#2及びシンボル#8に位置する。D2DSSは、DM RSが位置するシンボル#2、シンボル#8の外郭に位置するように設計することができる。したがって、シンボル#0,1,9,10,11をD2DSSの用途に使用することができる。ここで、拡張CP構成の場合にも、1番目のシンボルを自動利得制御のために設定するか否かが問題になる。もし、1番目のシンボルを自動利得制御のために設定し、D2DSSの用途に使用しない場合であって、DM RSの位置がシンボル#2に依然として位置する場合には、2つのD2DSSシンボルをどのシンボル位置に配置するかが問題になり得るためである。
【0239】
図21では、自動利得制御とD2DSSが衝突する場合には、D2DSSが優先することを提案する。したがって、拡張CPの場合の1サブフレームの第1スロットで、D2DSSはシンボル#0,1に位置する。すなわち、D2DSSは、1サブフレームの第1スロットの1番目のシンボル(シンボル#0)及び2番目のシンボル(シンボル#1)、第2スロットの4番目のシンボル(シンボル#9)及び5番目のシンボル(シンボル#10)にマッピングされ得る。
図21では、第1スロットで、PD2DSSはシンボル#0に位置し、SD2DSSはシンボル#1に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定される。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定することができる。
【0240】
同様に、
図21では、隣接する2つのD2DSSシンボルでそれぞれPD2DSSとSD2DSSが順に送信されると仮定したが、その順序を変え、SD2DSSが先に送信され、その次にPD2DSSが送信されてもよい。又は、スロットに応じて送信順序を変えることによって、当該D2DSSが送信されるスロットが偶数スロットであるか、又は奇数スロットであるかを把握するようにすることができる。例えば、偶数スロットでは、PD2DSSがSD2DSSより先に送信され、奇数スロットでは、SD2DSSがPD2DSSより先に送信されるものと設定されてもよい。
【0241】
又は、上述したように、隣接する2つのシンボルでは、同じ種類のD2DSSが送信されてもよい。詳細には、一般CPの場合、PD2DSSがシンボル#1,#2にマッピングされ、SD2DSSがシンボル#10,#11にマッピングされてもよい。拡張CPの場合、PD2DSSがシンボル#0,#1にマッピングされ、SD2DSSがシンボル#9,#10にマッピングされてもよい。逆に、一般CPの場合、SD2DSSがシンボル#1,#2にマッピングされ、PD2DSSがシンボル#10,#11にマッピングされてもよい。拡張CPの場合、SD2DSSがシンボル#0,#1にマッピングされ、PD2DSSがシンボル#9,#10にマッピングされてもよい。ただし、好ましくは、PD2DSSとSD2DSSの用途を考慮して、PD2DSSが先にマッピングされてもよい。
【0243】
図22乃至
図25は、上述したAGCの問題のため、一般CPと拡張CPの両方において1番目のシンボルを使用しない実施例を示す。特に、
図22は、第1スロットでDM RSの次のシンボルをD2DSSの用途に使用する場合を例示する。具体的に、拡張CPの場合に対しては、1番目のシンボルを除外する場合、連続した2つのD2DSSシンボルを1番目のDM RSシンボルの前では見つけることができないため、第1スロットでDM RSの次のシンボルをD2DSSに使用する。
【0244】
詳細には、一般CPの場合の1サブフレームにおいて、DM RSはシンボル#3及びシンボル#10に位置する。第1スロットで、PD2DSSはシンボル#4に位置し、SD2DSSはシンボル#5に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#11に位置し、SD2DSSはシンボル#12に位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0245】
拡張CPの場合の1サブフレームにおいて、DM RSはシンボル#2及びシンボル#8に位置する。D2DSSは、DM RSが位置するシンボル#2、シンボル#8の次に位置するように設計することができる。第1スロットで、PD2DSSはシンボル#3に位置し、SD2DSSはシンボル#4に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0246】
特徴的に、
図22の構造によれば、DM RSとD2DSSの位置が各スロットにおいて同一であるので、同じチャネル推定方式を適用できるという利点がある。
【0248】
図23は、拡張CPでDM RSの周辺にD2DSSを位置させる実施例を示す。具体的に、1番目のシンボルでAGCの問題が発生する場合、拡張CPで1つのD2DSSを移動すれば、DM RSと衝突が発生するため、この場合には、DM RSの周辺にD2DSSを配置してその衝突を回避する場合に該当する。この場合には、第1スロットと第2スロットに対して、その配置が異なるように設計することができる。詳細には、拡張CPの場合の1サブフレームの第1スロットでDM RSが位置するシンボル#2に対して、D2DSSはシンボル#1,#3に位置するように設計することができる。したがって、第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#3に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0250】
図24は、一般CP及び拡張CPに対する
図23の変形例に該当する。
図23では、拡張CPの場合、第1スロットでのみ2つのD2DSSシンボルが1シンボルだけ離隔するが、
図24では、これを全てのD2DSSに拡張し、隣接する2つのD2DSSの間に常に1シンボルだけのギャップを置いて離隔するように設定される。この場合、2つのシンボルのCP長やスロットの位置が変わっても、前記隣接する2つのD2DSSの間の関係は一定に維持され得る。特に、このような属性は、一つのD2DSSシンボルでのチャネル推定値を他のD2DSSシンボルで活用するとき、同一の方式が複数のCP長やスロットで共通に適用されるので、端末の実装が単純化されるという効果がある。
【0251】
詳細には、一般CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#2に位置し、SD2DSSはシンボル#4に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#11に位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0252】
拡張CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#3に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#7に位置し、SD2DSSはシンボル#9に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0254】
図25もまた、
図23の更に他の変形例に該当する。
図25を参照すると、スロットの位置によって、隣接する2つのD2DSSシンボルの間の間隔が変わる。このような変形によれば、たとえ、UEが、スロットの位置によって異なるD2DSSシンボルの関係を処理しなければならないという欠点があるが、D2DSSのシンボル間隔のみでも、特定のD2DSSが位置したスロットのインデックスを把握できるので、今後、D2DSSの処理及びサブフレームインデックスの取得に有利であるという利点がある。
【0255】
詳細には、一般CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#2に位置し、SD2DSSはシンボル#4に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#11に位置し、SD2DSSはシンボル#12に位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0256】
拡張CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#3に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0257】
図23乃至
図25を参照して説明した原理は、2つのD2DSSシンボルの間にD2DSSではない1つのシンボルが位置する一般的な場合にも適用することができる。この場合、前記D2DSSではない1つのシンボルは、必ずしもDM RSではなくてもよい。
【0258】
同様に、ここでは、隣接する2つのD2DSSシンボルでそれぞれPD2DSSとSD2DSSが順に送信されると仮定したが、その順序を変え、SD2DSSが先に送信され、その次にPD2DSSが送信されてもよい。又は、スロットに応じて送信順序を変えることによって、当該D2DSSが送信されるスロットが偶数スロットであるか、又は奇数スロットであるかを把握するようにすることができる。例えば、偶数スロットでは、PD2DSSがSD2DSSより先に送信され、奇数スロットでは、SD2DSSがPD2DSSより先に送信されるものと設定されてもよい。
【0260】
図26もまた、
図23の変形例に該当する。具体的に、拡張CPの場合に対して、第1スロットでDM RSとD2DSSが衝突するとき、D2DSSの代わりにDM RSの位置を移動する場合に該当する。このときは、一般CPのように、2つのD2DSSシンボルは、常に隣接する位置に配置できるという特徴を有する。
【0261】
詳細には、
図26を参照すると、一般CPの場合、DM RSとD2DSSとの衝突がないので、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#2に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#11に位置し、SD2DSSはシンボル#12に位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0262】
拡張CPの場合、DM RSとD2DSSとの衝突が存在するため、DM RSを移動させることができる。したがって、
図26に示されたように、DM RSはシンボル#3,#8に位置することができる。この場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#2に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0263】
このように、D2DSSとDM RSとが衝突するときにDM RSを移動させる方法は、それ以外の他の実施例にも適用することができ、
図30は、そのようなDM RSの移動の一例である。
【0265】
図27は、
図22の変形例に該当する。具体的に、DM RSの周辺のシンボルは可能な限りD2DSS以外の信号のために使用することによって、チャネル推定性能が向上するように設計された実施例に該当する。その結果、第1スロットの最後の2つのシンボルにD2DSSが位置する。
【0266】
詳細には、
図27を参照すると、一般CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#5に位置し、SD2DSSはシンボル#6に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#11に位置し、SD2DSSはシンボル#12に位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0267】
拡張CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#4に位置し、SD2DSSはシンボル#5に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#9に位置し、SD2DSSはシンボル#10に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0269】
図28及び
図29は、それぞれ
図20及び
図21の実施例に対して、2つのスロットのRS及びD2DSSの配置構造を同一に維持しようとする実施例に該当し、具体的に、第2スロットのD2DSSの位置が、第1スロットのD2DSSの位置と同一に位置する。すなわち、
図28は、第1スロットで、D2DSSはRSの外部に位置するように設計され、
図29は、D2DSSがRSの外部に位置するものの、追加的に一般CPで1番目のシンボルのAGCを考慮するように設計された。また、
図28及び
図29はいずれも、第2スロットは第1スロットの信号構造と同じ構造を有する。
【0270】
詳細には、
図28を参照すると、一般CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#0に位置し、SD2DSSはシンボル#1に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#7に位置し、SD2DSSはシンボル#8に位置する。スロットのいずれも、1番目のシンボル及び2番目のシンボルにD2DSSが位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0271】
拡張CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#0に位置し、SD2DSSはシンボル#1に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#6に位置し、SD2DSSはシンボル#7に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0272】
図29を参照すると、一般CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#2に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#8に位置し、SD2DSSはシンボル#9に位置する。スロットのいずれもに対して、2番目のシンボル及び3番目のシンボルにD2DSSが位置する。ここで、シンボル#13は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0273】
拡張CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#0に位置し、SD2DSSはシンボル#1に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#6に位置し、SD2DSSはシンボル#7に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0275】
図30は、
図26の原理を
図29の拡張CPに適用した実施例に該当する。すなわち、最初のスロットで、シンボル#0はAGCのためにD2DSS以外の目的で使用し、これによって、D2DSSをシンボル#1と#2に移動し、これと衝突するDM RSは再びシンボル#3に移動するようになる。
【0276】
詳細には、拡張CPの場合、1サブフレームの第1スロットで、PD2DSSはシンボル#1に位置し、SD2DSSはシンボル#2に位置し、第2スロットで、PD2DSSはシンボル#6に位置し、SD2DSSはシンボル#7に位置する。ここで、シンボル#11は、次のサブフレームのためにギャップとして設定することができる。また、残りのシンボルは、他のチャネルのために設定されてもよい。
【0278】
図31は、PD2DSSは2つのシンボルであり、SD2DSSは1つのシンボルである場合に該当する。このときは、好ましくは、連続した3つのシンボルをD2DSSに活用することができる。特に、拡張CPの場合、DM RSを維持した状況で、1つのスロットで連続した3つのシンボルをD2DSSに割り当てる方法は、シンボル#3,4,5を使用することが唯一であり、同じ原理を一般CPにも適用することができる。すなわち、一般CPに対しては、シンボル#4,5,6をD2DSSに割り当てることができる。
【0279】
図31に関する説明では、2つのシンボルでPD2DSSが送信された後、後続する1つのシンボルでSD2DSSが送信されると仮定した。ただし、ここでも、3つのシンボルでD2DSSが位置する順序は変わってもよい。一例として、SD2DSSが先に送信され、残りの2つのシンボルでPD2DSSが送信されるか、又はSD2DSSの前後にPD2DSSが位置してもよい。特に、後者の構造は、PD2DSSのシーケンス検出(sequence detection)を用いてSD2DSSのチャネル推定を行い、シーケンス検出を試みる場合により一層効果的である。
【0280】
図32及び
図33も同様に、PD2DSSは2つのシンボルであり、SD2DSSは1つのシンボルである場合に該当する。
図32及び
図33も、
図31と同様に、連続した3つのシンボルをD2DSSに活用することができるが、DM RSを維持した状況で、2つのスロットにわたって連続した3つのシンボルをD2DSSに割り当てる方法を示す。
図32を参照すると、一般CPに対しては、シンボル#5,6,7がD2DSSに割り当てられ、拡張CPに対しては、シンボル#4,5,6がD2DSSに割り当てられる。
【0281】
図33を参照すると、一般CPに対しては、シンボル#6,7,8がD2DSSに割り当てられ、拡張CPに対しては、シンボル#5,6,7がD2DSSに割り当てられる。
【0282】
図31乃至
図33に関する説明では、2つのシンボルでPD2DSSが送信された後、後続する1つのシンボルでSD2DSSが送信されると仮定した。ただし、ここでも、3つのシンボルでD2DSSが位置する順序は変わってもよい。一例として、SD2DSSが先に送信され、残りの2つのシンボルでPD2DSSが送信されるか、又はSD2DSSの前後にPD2DSSが位置してもよい。特に、後者の構造は、PD2DSSのシーケンス検出(sequence detection)を用いてSD2DSSのチャネル推定を行い、シーケンス検出を試みる場合により一層効果的である。
【0284】
本実施例4では、D2DSSのパターンに関する追加的な実施例について説明する。
【0285】
一方、PD2DSCHは、D2DSSから復調されるように動作することができる。この動作のためには、PD2DSCHを送信するUEは、常に同一のサブフレームでD2DSSを送信する。このようになると、PD2DSCHのための別途のDM RSが必要でないため、より多くのシンボルをPD2DSCHのために使用することができる。
【0286】
PD2DSCHの復調のためにSD2DSSのみを使用することができる。通常、D2DSS受信UEは、まず、可能な限り全ての時間でPD2DSSの検出を試みるため、その複雑度を低減するために、非常に少ない個数のPD2DSSシーケンスセットを維持する。したがって、PD2DSCHコンテンツ(content)の異なる2つのUEが、同一のPD2DSSシーケンスを送信する可能性が高く、この場合には、PD2DSSを使用してはPD2DSCHの復調が不可能であるためである。一方、SD2DSSは、PD2DSSを介して取得した時間でのみ検出を試みるため、より大きいシーケンスセットを使用するので、互いに異なるUEが異なるシーケンスを使用する確率が高くなる。
【0287】
このような場合にも、好ましくは、既存のPUSCH DM RSに対するチャネル推定を維持するために、SD2DSSはDM RSの位置に配置することができる。このような場合のD2DSSの位置は、
図34乃至
図37で示す。
【0288】
図34及び
図35は、PD2DSSとSD2DSSの構造が両スロットで互いに同じ構造を有するため、PD2DSS検出後、SD2DSS検出位置に対する不確実性がなくなる。このときは、両スロットで使用するSD2DSSのシーケンスを異ならせることによって、各SD2DSSが第1スロットのものであるか、又は第2スロットのものであるかを区分するように動作する。
【0289】
図36及び
図37は、PD2DSSとSD2DSSの構造を両スロットで異ならせることによって、両SD2DSSが同じシーケンスを使用しても、第1スロットのものであるか、又は第2スロットのものであるかが区分される。
図36の構造は、特に、復調(demodulation)に活用するSD2DSSの間に位置するPD2DSCHシンボルの個数を最大化することによって、PD2DSCHの復調性能を極大化する利点も有する。4つの場合はいずれも、PD2DSSとSD2DSSが隣接したシンボルを占めるが、このような構成は、PD2DSSとSD2DSSとの間のチャネル変化を介して大きな周波数エラー成分を推定するのに非常に有利である。
【0290】
図38は、本発明の実施例に適用できる基地局及び端末を例示する。リレーを含むシステムの場合、基地局又は端末はリレーに取り替えることができる。
【0291】
図38を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手続及び/又は方法を実装するように構成することができる。メモリ114は、プロセッサ112と接続され、プロセッサ112の動作と関連する多様な情報を格納する。RFユニット116は、プロセッサ112と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手続及び/又は方法を実装するように構成することができる。ここで、プロセッサ112,122は、一般サイクリックプレフィックス(CP)構成を有するサブフレーム又は拡張サイクリックプレフィックス構成を有するサブフレームで、端末間直接通信のための同期化信号を所定のパターンによってマッピングし、当該サブフレームを送信するように制御することができる。メモリ124は、プロセッサ122と接続され、プロセッサ122の動作と関連する多様な情報を格納する。RFユニット126は、プロセッサ122と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110及び/又は端末120は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。以上で説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定形態に結合されたものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する各動作の順序は変更可能である。いずれかの実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含ませることができ、又は、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えることができる。特許請求の範囲で明示的な引用関係のない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含ませ得ることは自明である。
【0292】
本文書において、本発明の実施例は、主に端末と基地局との間のデータ送受信関係を中心に説明した。本文書で基地局によって行われると説明した特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行うことができる。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作が、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行えることは自明である。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に取り替えることができる。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に取り替えることができる。
【0293】
本発明に係る実施例は、多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実装することができる。ハードウェアによる実装の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実装することができる。
【0294】
ファームウェアやソフトウェアによる実装の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手続、関数などの形態に実装することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納してプロセッサによって駆動することができる。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の多様な手段によって前記プロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0295】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できることは当業者にとって自明である。よって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。