特許第6756670号(P6756670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6756670ケーブル余長吸収構造及びバスバーモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6756670
(24)【登録日】2020年8月31日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】ケーブル余長吸収構造及びバスバーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20200907BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20200907BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20200907BHJP
   H01M 10/48 20060101ALN20200907BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/10 M
   F16L3/12 A
   !H01M10/48 P
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-115628(P2017-115628)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-3753(P2019-3753A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2018年8月10日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175536
【弁理士】
【氏名又は名称】高井 智之
(72)【発明者】
【氏名】太田 宙生
(72)【発明者】
【氏名】柳原 真一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悠希
【審査官】 高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−211962(JP,A)
【文献】 実開平06−083505(JP,U)
【文献】 特開2016−048623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20−2/34
H01M 2/10
H01M 10/48
B60R 16/02
H02G 3/32
F16L 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの構造体の一側部又は二つの構造体における同じ側に並んだ一側部に所定の間隔で配置される一対のケーブルクランプを備え、
該一対のケーブルクランプは、直線的に配索しようとするケーブルの経路上に配置されるケーブル保持部をそれぞれ有し、
該それぞれのケーブル保持部は、断面視で前記ケーブルの径よりも大きな保持空間を有し、且つ、前記それぞれのケーブル保持部は、一方の保持部中心軸に対し他方の保持部中心軸がずれるような軸ずれ状態に配置され、且つ、前記それぞれのケーブル保持部は、該それぞれのケーブル保持部間における前記ケーブルを平面視略S字状に曲げることができるように配置され
前記ケーブルを前記一対のケーブルクランプ間で撓みが生じるように配索し、且つ、該撓みが生じるように配索した箇所に平面視略S字状のケーブル曲がり部を形成す
ことを特徴とするケーブル余長吸収構造。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル余長吸収構造において、
前記所定の間隔で配置される前記一対のケーブルクランプの間に前記ケーブルの垂れ下がりを防止する垂れ下がり防止部を更に備える
ことを特徴とするケーブル余長吸収構造。
【請求項3】
複数の電池を含む電池集合体の隣り合う前記電池を直列に接続するための複数の導電性のバスバーと、
該バスバーの収容固定先になるバスバー収容部を長手方向に複数並べて形成される絶縁性の樹脂プレートとを備え、
該樹脂プレートを請求項1又は2に記載のケーブル余長吸収構造における構造体とするとともに、該構造体としての前記樹脂プレートには、前記ケーブル余長吸収構造において軸ずれ状態に配置される一対のケーブル保持部が形成された一対のケーブルクランプを設ける
ことを特徴とするバスバーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル余長吸収構造と、このケーブル余長吸収構造を含むバスバーモジュールとに関する。
【背景技術】
【0002】
図10(a)において、引用符号1は、例えば下記特許文献1に開示された従来例のバスバーモジュールを示す(一部のみ示す)。このバスバーモジュール1は、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される電池集合体に組み付けられる。バスバームジュール1における引用符号2は、導電性を有するバスバーを示す。また、引用符号3は、バスバー2に接触する電圧検出端子を示す。また、引用符号4は、バスバー2及び電圧検出端子3を収容固定するバスバー収容部を示す。また、引用符号5は、バスバー収容部4を長手方向に複数並べて形成される絶縁性の樹脂プレートを示す。この樹脂プレート5には、電圧検出端子3に接続された低電圧の電線を収容するための電線収容部6と、高電圧のケーブル7を上記長手方向に沿って配索するためのケーブルクランプ8とが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−233159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術にあっては、図10(a)中の一対のケーブルクランプ8が引用符号L3で示す軸に同軸になるように配置されることから、また、ケーブル7の余長を吸収するための構造をバスバーモジュール1が特段有してないことから、ケーブル7の長さにバラツキがあった場合には、図10(b)に示すような振れ幅の大きい意図しないケーブル曲がり部9が発生してしまうという問題点を有する。この振れ幅の大きいケーブル曲がり部9がバスバー2の側や、電池集合体の周辺機器の側に突出してしまうと、干渉が生じて不具合を引き起こしてしまうという虞がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、ケーブル曲がり部の振れ幅を小さくするような状態で屈曲させてケーブル長のバラツキを吸収することが可能な、ケーブル余長吸収構造及びバスバーモジュールの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のケーブル余長吸収構造は、一つの構造体の一側部又は二つの構造体における同じ側に並んだ一側部に所定の間隔で配置される一対のケーブルクランプを備え
該一対のケーブルクランプは、直線的に配索しようとするケーブルの経路上に配置されるケーブル保持部をそれぞれ有し
該それぞれのケーブル保持部は、断面視で前記ケーブルの径よりも大きな保持空間を有し、且つ、前記それぞれのケーブル保持部は、一方の保持部中心軸に対し他方の保持部中心軸がずれるような軸ずれ状態に配置され、且つ、前記それぞれのケーブル保持部は、該それぞれのケーブル保持部間における前記ケーブルを平面視略S字状に曲げることができるように配置され
前記ケーブルを前記一対のケーブルクランプ間で撓みが生じるように配索し、且つ、該撓みが生じるように配索した箇所に平面視略S字状のケーブル曲がり部を形成することを特徴とする。
【0007】
このような請求項1の特徴を有する本発明によれば、一対のケーブルクランプにおけるそれぞれのケーブル保持部を軸ずれ状態に配置することから、一対のケーブルクランプ間にケーブルの撓み(ケーブルの経路が若干斜めになるような状態)を生じさせるようにすることができる。そして、ケーブル長さにバラツキがあった場合には、上記撓みで容易にケーブルを略S字状に曲げることができ、以てケーブル曲がり部の振れ幅を従来例よりも小さくすることができる。振れ幅を小さくすることができれば、ケーブルによる干渉を防止することができる。本発明のケーブル余長吸収構造は、略S字状のケーブル曲がり部の形成により、ケーブル長のバラツキを吸収することができる。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のケーブル余長吸収構造において、前記所定の間隔で配置される前記一対のケーブルクランプの間に前記ケーブルの垂れ下がりを防止する垂れ下がり防止部を更に備えることを特徴とする。
【0009】
このような請求項2の特徴を有する本発明によれば、一対のケーブルクランプの間においてケーブルの垂れ下がりを防止することができ、以てバラツキ吸収の状態を安定させることができる。
【0010】
また、上記課題を解決するためになされた請求項3に記載の本発明のバスバーモジュールは、複数の電池を含む電池集合体の隣り合う前記電池を直列に接続するための複数の導電性のバスバーと、該バスバーの収容固定先になるバスバー収容部を長手方向に複数並べて形成される絶縁性の樹脂プレートとを備え、該樹脂プレートを請求項1又は2に記載のケーブル余長吸収構造における構造体とするとともに、該構造体としての前記樹脂プレートには、前記ケーブル余長吸収構造において軸ずれ状態に配置される一対のケーブル保持部が形成された一対のケーブルクランプを設けることを特徴とする。
【0011】
このような請求項3の特徴を有する本発明によれば、請求項1又は2に記載のケーブル余長吸収構造を含むことから、バスバーモジュールにおいてケーブル長のバラツキを吸収することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のケーブル余長吸収構造及びバスバーモジュールによれば、ケーブル曲がり部の振れ幅を小さくするような状態で屈曲させることができることから、ケーブル長のバラツキを良好に吸収することができるという効果を奏する。また、ケーブルを決まった位置で屈曲させることができることから、ケーブル長のバラツキを安定して吸収することができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のケーブル余長吸収構造及びバスバーモジュールの一実施形態を示す平面図である。
図2図1のケーブル余長吸収構造を示す拡大図である。
図3図2に対しケーブル長のバラツキを吸収した状態を示す拡大図である。
図4】バスバーモジュールの樹脂プレートを示す平面図である。
図5】ケーブル余長吸収構造を示す斜視図(クランプ開、ケーブルなし)である。
図6】ケーブル余長吸収構造を示す斜視図(クランプ開、ケーブル有り)である。
図7】ケーブル余長吸収構造を示す斜視図(クランプ閉)である。
図8】ケーブル余長吸収構造を示す斜視図(クランプ閉、バラツキ吸収状態)である。
図9】一対のケーブルクランプの配置例を示す図であり、(a)は一つの構造体の一側部に所定の間隔で配置した例を示す模式図、(b)は二つの構造体における同じ側に並んだ一側部に所定の間隔で配置した例を示す模式図である。
図10】従来例のバスバーモジュールの一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
バスバーモジュールは、複数の電池を含む電池集合体の隣り合う電池を直列に接続するための複数の導電性のバスバーと、このバスバーの収容固定先になるバスバー収容部を長手方向に複数並べて形成される絶縁性の樹脂プレートとを備えて構成される。樹脂プレートは、ケーブル余長吸収構造における構造体であって、この構造体としての樹脂プレートには、一対のケーブルクランプが設けられる。一対のケーブルクランプには、軸ずれ状態に配置される一対のケーブル保持部が形成される。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明のケーブル余長吸収構造及びバスバーモジュールの一実施形態を示す平面図である。また、図2図1のケーブル余長吸収構造の拡大図、図3図2に対しケーブル長のバラツキを吸収した状態の拡大図、図4は樹脂プレートの平面図である。また、図5図8はケーブル余長吸収構造の斜視図、図9は一対のケーブルクランプの配置例を示す図である。
【0016】
<バスバーモジュール21について>
図1において、バスバーモジュール21は、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される電池集合体22に組み付けられるものであって、複数のバスバー23と、複数の電圧検出端子24と、高電圧のケーブル25と、低電圧の複数本の電線26(図6参照)と、樹脂プレート27等とを備えて構成される。バスバーモジュール21は、樹脂プレート27にケーブル余長吸収構造28を有する点に特徴を有する。
【0017】
<バスバー23及び電圧検出端子24について>
図1において、バスバー23は、電池集合体22の隣り合う電池を直列に接続するために備えられる。バスバー23は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成される。電圧検出端子24は、電気接触部と電線接続部とを有し、電気接触部がバスバー23に重ねられて接触し合った状態で電池に接続される。電圧検出端子24は、導電性を有する薄い金属板をプレス加工することにより形成される。電圧検出端子24の電線接続部には、電線26の端末が接続される。電圧検出端子24は、電線26を介して電子制御ユニットに接続される。バスバー23及び電圧検出端子24は、本実施例において従来例と同じものが採用される。
【0018】
<ケーブル25及び電線26について>
図1及び図6において、ケーブル25は、導電性を有する導体(芯線)と、この導体を被覆する絶縁性の絶縁体(絶縁被覆)とを備えて構成される。ケーブル25は、太物の公知の電線であって、コシがあるものの撓み可能となる可撓性を有する。ケーブル25は、本実施例において、樹脂プレート27の短手側部29(一側部)に沿って配索される。電線26は、公知の細物電線であって、導体と絶縁体とを有する。電線26は、上記の如く電圧検出端子24の電線接続部に接続されて樹脂プレート27に配索される。電線26の他端は、上記の如く電子制御ユニットに接続される。ケーブル25及び電線26は、本実施例において従来例と同じものが採用される。尚、「ケーブル25」を、「電線25」や「太物電線25」と読み替えてもよいものとする(読み替えた場合は、発明の名称を変更する必要がある)。
【0019】
<樹脂プレート27について>
図1及び図4において、樹脂プレート27は、電池集合体22の例えば上面等(電極がある面)に組み付けられる比較的大きな絶縁性の樹脂成形品であって、複数のバスバー収容部30と、複数の電線収容部31と、複数のブリッジ部32と、一対のケーブルクランプ33、34と、垂れ下がり防止部35とを有する。樹脂プレート27は、本実施例において、特許請求の範囲に記載された「構造体」に相当する。
【0020】
複数のバスバー収容部30は、樹脂プレート27の長手方向に沿って並ぶように配置される。複数のバスバー収容部30には、それぞれバスバー23及び電圧検出端子24が収容固定される。複数の電線収容部31は、電圧検出端子24に接続された電線26の収容部分として形成される。複数の電線収容部31は、それぞれ収容部本体36と、蓋部37とを有する。尚、電線26の配索経路は、電線収容部31を介して樹脂プレート27の短手側部29(一側部)の側からケーブルクランプ33の側に向きを変えて電子制御ユニットの側に引き出されるような経路になるものとする。樹脂プレート27における以上の説明部分は、本実施例において従来例と基本的に同じ構造が採用される。
【0021】
複数のブリッジ部32は、樹脂プレート27の長手方向に沿って並ぶ複数のバスバー収容部30の列を連結する部分として形成される。このような複数のブリッジ部32のうち、短手側部29(一側部)の位置のブリッジ部32には、電線26の配索部分と、後述する垂れ下がり防止部35とが形成される。また、このブリッジ部32の上方には、ケーブル25が配索される。
【0022】
<一対のケーブルクランプ33、34及びケーブル余長吸収構造28について>
図1ないし図8において、一対のケーブルクランプ33、34は、上記短手側部29(一側部)に沿ってケーブル25を配索する際のケーブル保持部分として用いられる。一対のケーブルクランプ33、34は、これらが所定の間隔をあけて配置される。本実施例においては、複数のバスバー収容部30の並び位置(列)に概略合うように配置される(一例であるものとする。ケーブル25を後述する略S字状に曲げることができる位置に配置される)。一対のケーブルクランプ33、34は、ケーブル余長吸収構造28としての機能を有する。ケーブル余長吸収構造28とは、ケーブル25を決まった位置で屈曲させてケーブル長のバラツキを吸収することができるような構造、また、後述するケーブル曲がり部41の振れ幅を小さな状態で屈曲させてケーブル長のバラツキを吸収することができるような構造のことである。
【0023】
一対のケーブルクランプ33、34は、直線的に配索しようとするケーブル25の経路上に配置されるケーブル保持部38をそれぞれ有する。それぞれのケーブル保持部38は、断面視でケーブル25の径よりも大きな保持空間39を有するように形成される。別な言い方をすれば、ケーブル25に遊びを持たせた状態で外嵌することができるような部分に形成される。それぞれのケーブル保持部38は、ケーブルクランプ33側の保持部中心軸L1に対しケーブルクランプ34側の保持部中心軸L2が寸法Gの分だけ(図4参照)ずれるような軸ずれ状態に配置される。
【0024】
尚、寸法Gの分だけの「ずれ」とは、一対のケーブルクランプ33、34間に図2に示すようなケーブル25の撓み40(ケーブル25の経路が若干斜めになるような状態)を生じさせることができる「ずれ」であるものとする(寸法誤差のような「微小なずれ」でなく、積極的にずらした「ずれ」であるものとする)。
【0025】
<垂れ下がり防止部35について>
図7において、垂れ下がり防止部35は、一対のケーブルクランプ33、34間でケーブル25が垂れ下がらないようにする支え部分として形成される。垂れ下がり防止部35は、本実施例において、この内部に電線26が通過するような形状部分にも形成される。
【0026】
<ケーブル25の配索について>
図5において、一対のケーブルクランプ33、34をそれぞれ開いた状態にし、ここに図6に示すように電線26及びケーブル25を配索する。そして、図7に示すように一対のケーブルクランプ33、34を閉じると配索が完了する。
【0027】
<ケーブル余長吸収構造28の作用について>
図2及び図7において、ケーブル25は、一対のケーブルクランプ33、34間で経路が若干斜めになるような状態の撓み40が生じる。このような撓み40が生じるような状態であれば、ケーブル25の長さにバラツキがあった場合に、図3及び図8の矢印で示すような移動によって容易にケーブル25を略S字状に曲げることができる。すなわち、略S字状のケーブル曲がり部41を形成することができる。ケーブル曲がり部41は、略S字状の曲げ部分であることから、従来例のような一方に大きく山なりに突出するケーブル曲がり部9(図10(b)参照)と比べて振れ幅を小さくすることができる。振れ幅を小さくすることができれば、ケーブル25による干渉を防止することができる。ケーブル余長吸収構造28は、略S字状のケーブル曲がり部41の形成により、ケーブル長のバラツキを吸収することができる。
【0028】
<ケーブル余長吸収構造28の効果について>
以上、図1ないし図8を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態であるケーブル余長吸収構造28によれば、ケーブル曲がり部41の振れ幅を小さくするような状態で屈曲させることができることから、ケーブル長のバラツキを良好に吸収することができるという効果を奏する。また、ケーブル25を決まった位置で屈曲させることができることから、ケーブル長のバラツキを安定して吸収することができるという効果も奏する。
【0029】
<一対のケーブルクランプ33、34の配置の変形例について>
図9(a)において、一対のケーブルクランプ33、34は、それぞれのケーブル保持部38が軸ずれ状態に配置される。一対のケーブルクランプ33、34は、ここでは一つの構造体42の一側部43に所定の間隔で配置される。一つの構造体42の例としては、車両に搭載される各種機器(ユニット)や部材が挙げられる。具体的な例としては、車両に搭載される電気接続箱やパネル部材が挙げられる。尚、一つの構造体42を上記樹脂プレート27とし、一側部43を樹脂プレート27の長手方向の側部とすることも可能である。
【0030】
図9(b)において、一対のケーブルクランプ33、34は、それぞれのケーブル保持部38が軸ずれ状態に配置される。一対のケーブルクランプ33、34は、ここでは二つの構造体44の一側部45に所定の間隔で配置される。二つの構造体44の例としては、上記樹脂プレート27が組み付けられた電池集合体22が二つある場合などである。
【0031】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
21…バスバーモジュール、 22…電池集合体、 23…バスバー、 24…電圧検出端子、 25…ケーブル、 26…電線、 27…樹脂プレート(構造体)、 28…ケーブル余長吸収構造、 29…短手側部(一側部)、 30…バスバー収容部、 31…電線収容部、 32…ブリッジ部、 33、34…ケーブルクランプ、 35…垂れ下がり防止部、 36…収容部本体、 37…蓋部、 38…ケーブル保持部、 39…保持空間、 40…撓み、 41…ケーブル曲がり部、 42、44…構造体、 43、45…一側部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10