(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の車輪それぞれの回転角度を検出する回転角度検出部を有する車両に搭載され、前記複数の車輪のそれぞれに装着された送信機が前記複数の車輪のうちいずれの車輪に装着されているかを特定可能に構成された受信機であって、
前記複数の車輪のうち少なくとも一つの車輪が取り得る前記回転角度内に設定された複数の特定角度のうちいずれかの特定角度になったことを前記送信機が検出したときに前記送信機から送信される送信データを受信する受信部と、
前記受信部が前記送信データを受信したことを契機として前記回転角度検出部から前記回転角度を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記回転角度と前記回転角度の取得よりも前に前記取得部によって取得された回転角度との差分を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差分が予め定められた範囲内に含まれるか否かを判定し、前記差分が前記範囲内に含まれる回数によって前記送信データに含まれる前記送信機の固有の識別情報を示すデータであるIDコードと前記差分が前記範囲内に含まれる回数が最も多い車輪との対応付けを行う特定部とを備え、
前記範囲は、
0を含む範囲である基準範囲と、
異なる特定角度間の角度差を含む範囲である特定範囲とを両方含む1つの範囲である、受信機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、受信機の第1実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、タイヤ状態監視装置30は、車両10に搭載されている。まず、車両10について説明する。
【0019】
車両10は、スタートスイッチ14と、車両制御装置15とを備える。車両制御装置15は、スタートスイッチ14の操作に応じて、車両10の起動状態と停止状態とを切り替える。車両10の起動状態とは、運転者によるアクセルペダルの操作や空調機器等の車載機器の操作により車両10が走行したり、車載機器が動作したりする状態である。車両10の停止状態とは、運転者による操作が行われても車両10の走行や、車載機器の動作が行われない状態である。
【0020】
車両10は、4つの車輪11を備える。各車輪11は、ホイール12と、ホイール12に装着されたタイヤ13とを備える。適宜、各車輪11のうち右前の車輪11を右前車輪FR、左前の車輪11を左前車輪FL、右後の車輪11を右後車輪RR、左後の車輪11を左後車輪RLとして説明する。
【0021】
車両10は、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)20を備える。ABS20は、ABSコントローラ25と、4つの車輪11にそれぞれ対応する回転センサユニット21〜24とを備える。第1回転センサユニット21は、左前車輪FLに対応し、第2回転センサユニット22は、右前車輪FRに対応している。第3回転センサユニット23は、左後車輪RLに対応し、第4回転センサユニット24は、右後車輪RRに対応している。ABSコントローラ25はマイクロコンピュータ等よりなり、回転センサユニット21〜24からの信号に基づき各車輪11の回転角度を求める。ここでは、ABSコントローラ25及び各回転センサユニット21〜24が回転角度検出部として機能する。
【0022】
図2に示すように、各回転センサユニット21〜24は、車輪11と一体回転する歯車(パルスホイール)26と、歯車26の外周面に対向するように配置された検出器27とを備える。歯車26の外周面には48本の歯が等角度間隔おきに設けられている。検出器27は、歯車26が回転することで生じるパルスを検出する。ABSコントローラ25は、検出器27に有線接続され、各検出器27の検出値としてのパルスのカウント値(以下、パルスカウント値と記載)に基づき、各車輪11の回転角度を求める。具体的にいえば、歯車26が回転することで、歯の数に対応した数のパルスが検出器27に発生する。ABSコントローラ25は、検出器27に発生したパルスをカウントする。
図3に示すように、本実施形態においては、パルスの立ち上がりと立ち下がりをカウントする。歯の数が48本なので、ABSコントローラ25は0〜95までパルスカウントを行う。このため、回転センサユニット21〜24の分解能は、3.75度であるといえる。
【0023】
次に、タイヤ状態監視装置30について説明する。
図1(a)に示すように、タイヤ状態監視装置30は、送信機ユニットUと、車両10に設置される受信機50とを備える。送信機ユニットUは、4つの車輪11にそれぞれ装着される4つの送信機31を備える。送信機31は、タイヤ13の内部空間に配置されるように、車輪11に取り付けられている。送信機31は、タイヤバルブに固定されたり、ホイール12やタイヤ13に固定されたりする。送信機31は、対応するタイヤ13のタイヤ空気圧やタイヤ内温度の状態を検出して、検出したタイヤ13の情報を含む送信データを、受信機50に無線送信する。タイヤ状態監視装置30は、送信機31から送信される送信データを受信機50で受信することで、タイヤ13の状態を監視する。
【0024】
図4に示すように、各送信機31は、圧力センサ32、温度センサ33、加速度センサ34、送信制御部35、送信回路36、バッテリ37、及び送信アンテナ39を備える。送信機31は、バッテリ37からの供給電力によって動作し、送信制御部35は送信機31の動作を統括的に制御する。バッテリ37は、一次電池であってもよいし、二次電池や、キャパシタなどの蓄電装置であってもよい。
【0025】
圧力センサ32は、対応するタイヤ13の空気圧を検出する。圧力センサ32は、検出結果を送信制御部35に出力する。温度センサ33は、対応するタイヤ13内の温度を検出する。温度センサ33は、検出結果を送信制御部35に出力する。
【0026】
図1(b)に示すように、加速度センサ34は検出軸34aを備え、検出軸34aに軸方向への加速度を検出する。加速度センサ34は、検出結果を送信制御部35に出力する。加速度センサ34は、一軸の加速度センサ34であってもよいし、多軸の加速度センサ34であってもよい。
【0027】
加速度センサ34は、送信機31が車輪11の最下位置あるいは最上位置であるときに、検出軸34aが鉛直方向の下方を向くように設けられている。
検出軸34a以外にも検出軸を有する多軸の加速度センサ34の場合には、それぞれの検出軸に作用する加速度が個別に検出される。以下の説明において、加速度センサ34によって検出される加速度とは、検出軸34aによって検出される加速度を示す。
【0028】
図4に示すように、送信制御部35は、CPU35a及び送信記憶部35b(RAMやROM等)を含むマイクロコンピュータ等よりなる。送信記憶部35bには、各送信機31の固有の識別情報を示すデータであるIDコードが記憶されている。説明の便宜上、左前車輪FLに装着された送信機31のIDコードをFLID、右前車輪FRに装着された送信機31のIDコードをFRID、左後車輪RLに装着された送信機31のIDコードをRLID、右後車輪RRに装着された送信機31のIDコードをRRIDと表記する。
【0029】
送信記憶部35bには、送信機31を制御する種々のプログラムが記憶されている。送信制御部35は、計時機能を備える。計時機能は、例えば、タイマや、カウンタによって実現される。送信制御部35は、所定の取得間隔毎に、圧力センサ32、温度センサ33、加速度センサ34によって検出された検出結果を取得する。
【0030】
送信制御部35は、検出結果に基づいて、例えばタイヤ空気圧やタイヤ内温度のタイヤ状態や、IDコードを含む送信データを生成する。送信制御部35は、生成した送信データを送信回路36に出力する。送信回路36は、送信制御部35から出力された送信データを変調する。変調された送信データは、無線信号として送信アンテナ39から送信される。無線信号は、例えば、RF帯(例えば、315MHz帯や、434MHz帯)の信号として送信される。送信回路36は送信部となる。
【0031】
送信機31は、異なる2つの送信モードとして、車輪11の回転角度に関わらず送信データを送信する通常送信と、車輪11の回転角度が予め定められた特定角度となったときに送信データを送信する特定角度送信とを行う。
【0032】
通常送信では、所定の間隔毎に送信データが送信される。所定の間隔は、例えば、十秒〜数十秒などである。特定角度送信は、例えば、車両10が予め定められた時間以上、継続して停車した後に、車両10が走行を開始した場合に行われる。予め定められた時間は、例えば、数十分〜数時間など、タイヤ交換が可能である時間に設定される。即ち、特定角度送信は、タイヤローテーションなどに伴い、車輪11の位置が変更された可能性がある場合に行われる。車両10が走行しているか停止しているかは、加速度センサ34の検出結果である遠心加速度から判断される。
【0033】
特定角度送信時には、車輪11の回転角度が、予め定められた特定角度となったことを送信制御部35が検出したときに送信データが送信される。詳細に説明すれば、1回前の送信データの送信から所定の時間(例えば、十秒〜数十秒)が経過しており、かつ、特定角度が検出された場合に送信制御部35は送信データを送信する。
【0034】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、複数の特定角度が設定されており、ここでは、送信機31が車輪11の最上位置である場合の第1角度と、送信機31が車輪11の最下位置である場合の第2角度とが、特定角度として定められている。第1角度を基準(0度)とした場合、第2角度は180度となる。第1角度と第2角度との角度差は180度である。
【0035】
送信機31が特定角度になったことは、加速度センサ34によって検出される加速度によって検出可能である。検出軸34aの軸方向は、車輪11の回転角度に関わらず遠心力の作用する方向と同一方向である。このため、加速度センサ34は、車輪11の回転角度に関わらず遠心加速度を検出する。一方、重力加速度は、常に、鉛直方向に作用する。このため、検出軸34aが鉛直方向を向いていない場合、加速度センサ34は、重力加速度の分力(重力加速度成分)を検出する。加速度センサ34は、遠心加速度に重力加速度を加えた加速度を検出する。
【0036】
ここで、車両10が急加速や急停止しない限り、車輪11が1回転する間に変化する遠心加速度は、極僅かである。したがって、車輪11が1回転する間に変化する加速度は重力加速度であるとみなすことができる。よって、重力加速度の変化から、車輪11の回転角度が特定角度となったことを検出することができる。重力加速度のみを考慮した場合、重力加速度は、車輪11が1回転する間に、+1[G]〜−1[G]の間で変化する。この場合、重力加速度は、送信機31が車輪11の最下位置であるときに+1[G]であり、送信機31が車輪11の最上位置であるときに−1[G]となる。
【0037】
送信制御部35は、加速度センサ34によって検出された加速度に基づいて送信データを送信することで、車輪の回転角度が特定角度となったことを検出したときに送信データを送信する。送信制御部35は、第1角度と第2角度で交互に送信データを送信する。ここでは、加速度センサ34が特定角度検出部として機能する。加速度センサ34の精度や、送信制御部35が加速度センサ34から検出結果を取得する取得間隔や、走行状況による外乱などによって、送信データが送信される送信角度は、特定角度を中心としてばらつく。送信データが送信される送信角度は、特定角度に近いほど多くなる。
【0038】
次に、受信機50について説明する。
図1(a)に示すように、受信機50は、受信制御部51と、受信回路52と、受信アンテナ56とを備える。受信制御部51は、車両10に搭載された表示器57に接続されている。受信制御部51は、受信CPU54及び受信記憶部55(ROMやRAM等)を含むマイクロコンピュータ等よりなる。受信制御部51は、計時機能を備える。計時機能は、例えば、タイマや、カウンタによって実現される。受信回路52は、各送信機31から受信アンテナ56を介して受信された無線信号を復調して、送信データを受信制御部51に出力する。受信回路52が受信部として機能する。
【0039】
受信制御部51は、受信回路52からの送信データに基づき、例えばタイヤ空気圧やタイヤ内温度等のタイヤ13の状態を把握する。受信制御部51は、タイヤ13に異常が生じている場合に、表示器57による報知を行う。表示器57は、各タイヤ13の圧力を車輪11の位置に対応付けて、表示する。
【0040】
受信記憶部55は、受信機50が搭載された車両10の各車輪11に装着された4つの送信機31のIDコードを記憶している。これにより、受信機50は、送信機31と対応付けられている。受信制御部51は、4つの送信機31から送信された送信データを自身に送られた送信データとして認識する。受信制御部51は、受信回路52が受信した送信データと受信記憶部55に記憶されたIDコードとに基づき、送信データを送信した送信機31に登録された識別情報(IDコード)と受信機50に登録された識別情報(IDコード)とを照合する。送信データが受信機50に対応付けられた送信機31から送信されたものである場合、受信制御部51は、送信データに含まれるタイヤ13の状態を示すデータ(圧力データ、及び、温度データ)を、受信機50が搭載された車両10のデータであるとみなす。
【0041】
次に、各送信機31が複数の車輪11のうちいずれの車輪11に装着されているかを特定する車輪位置特定処理について作用とともに説明する。車輪位置特定処理は、例えば、スタートスイッチ14の操作により、車両10が停止状態から起動状態にされたときに行われる。以下の説明において、送信機31の送信モードは、特定角度送信とする。これにより、タイヤローテーションなどが行われた場合であっても、受信制御部51は、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを自動で認識可能である。
【0042】
受信制御部51は、受信回路52が送信データを受信したことを契機として、各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値(車輪11の回転角度)をABSコントローラ25から取得し、パルスカウント値から車輪11の回転角度を演算する。受信制御部51が取得部として機能する。即ち、取得部は、受信制御部51の機能の一部である。
【0043】
以下、第1角度で送信された送信データの受信を契機として取得される回転角度を第1取得回転角度とし、第2角度で送信された送信データの受信を契機として取得される回転角度を第2取得回転角度とする。また、両者を総称して、取得回転角度とする。
【0044】
車両10の走行中において、各車輪11の回転数(回転速度)は、デファレンシャルギアなどの影響によって異なる。このため、各車輪11に装着された送信機31の相対位置、即ち、各車輪11同士の回転角度の差は、車両10の走行に伴い変化する。このため、送信機31が特定角度で送信データを送信している場合、受信制御部51は、送信データの受信を契機として、4つの車輪11の回転角度を複数回ずつ取得する。すると、4つの車輪11のうち1つの車輪11のみ、回転角度のばらつきが少なくなる。換言すれば、各送信機31が特定角度で送信データを送信している場合、送信データの受信を契機としてパルスカウント値を取得すると、パルスカウント値のばらつきが少ない回転センサユニット21〜24が1つ存在する。
【0045】
詳細にいえば、第1角度で送信された送信データの受信を契機として第1取得回転角度を得た場合、第1取得回転角度のばらつきが少ない車輪11が1つ存在する。また、第2角度で送信された送信データの受信を契機として第2取得回転角度を得た場合、第2取得回転角度のばらつきが少ない車輪11が1つ存在する。
【0046】
パルスカウント値は、スタートスイッチ14により車両10が停止状態となるとリセットされる。したがって、回転センサユニット21〜24によって検出される車輪11の絶対角度と特定角度との対応関係は、車両10が停止状態になる度に変化する。一方で、第1取得回転角度と第2取得回転角度の差分(角度差)は、パルスカウント値のリセットによる影響を受けない。したがって、各取得回転角度の差分を利用すれば、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定することができる。
【0047】
受信制御部51は、取得された回転角度とその回転角度の取得より前に取得された回転角度との差分の絶対値を算出する。ここでいう差分の絶対値は、同一のIDコードを含んだ送信データの受信を契機として取得された回転角度間で算出される。ここでは、受信制御部51は、取得された回転角度とその回転角度の取得の1回前に取得された回転角度との差分の絶対値を算出する。以下、この差分の絶対値のことを「角度差分」と称する。受信制御部51が算出部として機能する。即ち、算出部は受信制御部51の機能の一部である。
【0048】
ヌルポイントや、通信環境などにより送信データを受信回路52で受信できない場合がある。このため、「角度差分」は、第1取得回転角度と第2取得回転角度との差分、第1取得回転角度同士の差分、第2取得回転角度同士の差分のいずれかとなる。
【0049】
受信制御部51は、角度差分が予め定められた範囲内に含まれているかを判定する。予め定められた範囲には、基準範囲A1と特定範囲A2との2種類が設定されている。
図6に示すように、基準範囲は0を含む範囲であり、例えば、0±所定値の範囲である。特定範囲A2は、異なる特定角度間の角度差を含む範囲であり、例えば、異なる特定角度間の角度差±所定値の範囲である。第1角度と第2角度の角度差が180度であるため、180度±所定値の範囲が特定範囲A2となる。基準範囲A1の幅は、特定範囲A2の範囲の幅と同一である。
【0050】
所定値としては、特定角度の検出に基づいて送信データを送信したときの送信角度のばらつき等に基づいて設定される。所定値は、シミュレーション結果や、実験結果などに基づき設定され、例えば、7.5度(2パルス分)に設定される。
【0051】
前述したように、4つの車輪11のうち1つは、第1取得回転角度のばらつき、及び第2取得回転角度のばらつきが少ない。したがって、第1取得回転角度同士の角度差分、及び第2取得回転角度同士の角度差分が基準範囲A1に含まれる回数が多くなる車輪11が1つ存在している。また、4つの車輪11のうち1つは、第1取得回転角度と第2取得回転角度との角度差分が、異なる特定角度間の角度差と一致する。実際には、送信角度のばらつきにより、第1取得回転角度と第2取得回転角度との角度差分と、異なる特定角度間の角度差との間に差異が生じる場合もあるが、差異は僅かであり、特定範囲A2に含まれる回数が多くなる車輪11が1つ存在する。即ち、基準範囲A1は、同一の特定角度で送信された送信データを連続して受信したときの角度差分が含まれる範囲である。特定範囲A2は、異なる特定角度で送信された送信データを連続して受信したときの角度差分が含まれる範囲である。
【0052】
受信制御部51は、送信データに含まれるIDコード毎に分類して、角度差分が基準範囲A1又は特定範囲A2に含まれるか否かを判定する。受信制御部51は、IDコード毎に分類して、4つの車輪11の角度差分が基準範囲A1又は特定範囲A2に含まれる回数を積算し、積算値を算出する。そして、受信制御部51は、4つの車輪11のうち1つについての積算値と他の車輪11についての積算値との差が閾値以上となると、積算値が最も多い車輪11とIDコードとを対応付ける。即ち、受信制御部51は、角度差分が範囲A1,A2に含まれる回数が突出して多くなる車輪11とIDコードとの対応付けを行う。
【0053】
例えば、FRIDの送信機31から送信された送信データの受信を契機として取得された右前車輪FRの回転角度から角度差分を算出し、その角度差分が
図6に示すように分布した場合、FRIDの送信機31は、右前車輪FRに装着されていると判定できる。
図6から把握できるように、角度差分は基準範囲A1又は特定範囲A2内に含まれる回数が多い。これに対して、FRIDの送信機31から送信された送信データの受信を契機として取得された右前車輪FR以外の車輪11の回転角度から角度差分を算出すると、角度差分は乱雑に分布する。
【0054】
説明の便宜上、
図6には、基準範囲A1と特定範囲A2に同程度の角度差分が含まれるように記載したが、ヌルポイントを考慮しない場合、第1角度と第2角度とが交互に送信されていることからすれば、角度差分は、特定範囲A2に含まれる回数の方が多くなる傾向となる。
【0055】
受信制御部51は、FFID、FRID、RFID、RRIDのそれぞれと、車輪11とを対応付けると、対応関係を受信記憶部55に記憶し、車輪位置特定処理を終了する。受信制御部51が特定部として機能する。即ち、特定部は受信制御部51の機能の一部である。
【0056】
ここで、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定は、基準範囲A1のみでも行うこともできる。上記したように、第1取得回転角度同士の角度差分、及び第2取得回転角度の角度差分はいずれも、基準範囲A1に含まれる。したがって、送信データを受信したときに、その送信データが第1角度で送信されたものか、第2角度で送信されたものかを判定することができれば、第1取得回転角度と第2取得回転角度とを分類することができる。そして、第1取得回転角度同士と第2取得回転角度同士とで角度差分をそれぞれ算出し、それらの角度差分から各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定することもできる。しかしながら、この場合、取得される回転角度が、第1取得回転角度と第2取得回転角度とに分散される。
【0057】
車輪11の回転数(回転速度)の差が生じていることを把握するためには、所定数以上の回転角度のサンプル数が必要である。複数の特定角度が設定され、取得回転角度が第1取得回転角度と第2取得回転角度に分散されると、送信データの送信回数に対して、車輪位置特定処理に利用できるサンプル数も分散されてしまう。これに対し、基準範囲A1及び特定範囲A2を設けることで、第1取得回転角度と第2取得回転角度とを分類することなく、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定することができる。したがって、車輪位置特定処理に利用できるサンプル数が分散せず、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定に要する時間が短縮化される。
【0058】
本実施形態の車輪位置特定処理と他の車輪位置特定処理とを併用してもよい。例えば、取得回転角度のばらつきから各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定する車輪位置特定処理を、第1実施形態の車輪位置特定処理に加えて行ってもよい。
【0059】
この場合、複数の車輪位置特定処理を並行して行い、各車輪位置特定処理のうち各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの判定が早い方の判定結果を採用してもよい。また、複数の車輪位置特定処理の判定結果の一致性から各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定してもよい。例えば、複数の車輪位置特定処理で、同一の判定結果が得られれば、その判定結果を採用し、複数の車輪位置特定処理で異なる判定結果が得られた場合には、再度、車輪位置特定処理を行ってもよい。
【0060】
したがって、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1−1)基準範囲A1及び特定範囲A2を設けることで、第1取得回転角度と第2取得回転角度とを分類することなく、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定することができる。したがって、車輪位置特定処理に利用できるサンプル数が分散せず、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定に要する時間が短縮化される。
【0061】
(1−2)第1角度と第2角度とは等間隔置きに設定されている。即ち、車輪11の回転方向におけるいずれの方向への角度であっても、第1角度と第2角度の角度差は等しい。したがって、特定範囲A2を1つのみ設定すればよく、処理が容易となる。
【0062】
(1−3)基準範囲A1のみを用いて各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定する場合、第1取得回転角度と第2取得回転角度とを分類する必要がある。受信機50は、第1角度と第2角度とで交互に送信データが送信されることを認識できていれば、交互に取得回転角度を分類すればよい。また、通信環境の影響などで、送信データを受信できず、第1角度(あるいは第2角度)で送信された送信データを連続して受信する場合がある。この場合でも、送信データが送信される間隔は把握できているため、送信データの受信間隔が送信データの送信間隔の2倍程度であれば、同一の特定角度で送信された送信データを2回連続で受信したと認識することができる。
【0063】
しかしながら、複数回連続して送信データを受信できなかった場合、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定が困難になる。これは、受信制御部51の計時機能の精度などに起因して、複数回連続して送信データを受信できなかった後に受信した送信データが、第1角度で送信されたものか第2角度で送信されたかを判断できなくなるためである。即ち、受信制御部51は、第1角度で送信された送信データの受信を契機として取得した取得回転角度と第2角度で送信された送信データの受信を契機として取得した取得回転角度とに分類できなくなる。
【0064】
送信データに特定角度を示す角度データを含めることも考えられる。しかしながら、この場合、角度データの分だけデータ長が長くなる。送信データのデータ長が長くなると、送信データの送信による電力消費が大きくなる。データ長が長くなることを抑制するために角度データを短く(例えば、1ビット)にすると、角度データが誤っているにも関わらず、誤りを検出できない可能性が高くなる。すると、第1角度で送信された送信データを受信したにも関わらず、受信制御部51は、第2角度で送信された送信データを受信したと誤認するおそれがある。これにより、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定が遅くなったり、特定ができなくなるおそれがある。
【0065】
これに対して、第1実施形態では、第1角度で送信された送信データの受信を契機として取得した取得回転角度と第2角度で送信された送信データの受信を契機として取得した取得回転角度とに分類することなく、車輪位置特定処理を行うことができる。したがって、複数回連続して送信データを受信できなかった場合でも、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定することができる。また、送信データ内に角度データを含める必要もない。したがって、送信データのデータ長の短縮化、ひいては、送信に要する電力の低減に寄与する。また、送信データに角度データを含めないため、角度データに誤りが生じることを原因として、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定が遅くなることがない。
【0066】
(第2実施形態)
以下、送信機ユニット、及び受信機の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略、あるいは、簡略する。
【0067】
図7に示すように、第1実施形態と同様に、送信機31が最上位置であるときの角度を第1角度、最下位置であるときの角度を第2角度とする。第1角度は、第2角度と180度ずれている。第1角度から90度ずれた箇所に送信機31が位置しているときの角度を第3角度とする。第1角度から120度ずれた箇所に送信機31が位置しているときの角度を第4角度とする。第1角度から150度ずれた箇所に送信機31が位置しているときの角度を第5角度とする。
【0068】
ここで、送信機31は、IDコードを16進数で表記した場合のIDコードの末尾に対応してグループ分けされている。ここでは、車輪11の数が4つであるため、IDコードは、4つのグループに分けられている。車輪11の数に応じて、グループ分けされる数は、変更してもよい。
【0069】
16進数で表記されるIDコードの末尾のうち、0〜3を第1グループ、4〜7を第2グループ、8〜Bを第3グループ、C〜Fを第4グループとする。
図8に示すように、第1グループの送信機31では、第1角度及び第2角度が特定角度となる。第2グループの送信機31では、第1角度及び第3角度が特定角度となる。第3グループの送信機31では、第1角度及び第4角度が特定角度となる。第4グループの送信機31では、第1角度及び第5角度が特定角度となる。即ち、IDコードの末尾に応じて、特定角度が異なり、それに応じて、特定角度間の角度差が異なる。
【0070】
送信機ユニットUは、各グループの送信機31を1つずつ備えている。これにより、送信機ユニットUの各送信機31は、異なる特定角度間の角度差をそれぞれ有すると共に、異なる特定角度間の角度差は、各送信機31毎に異なっている。
【0071】
受信記憶部55は、IDコードの末尾(グループ)に対応付けて、異なる特定範囲A2を記憶している。第1グループには、第1実施形態と同一の特定範囲A2が対応付けられている。第2グループには、第1角度と第3角度との角度差である90度を含む特定範囲A2が対応付けられている。第3グループには、第1角度と第4角度との角度差である120度を含む特定範囲A2が対応付けられている。第4グループには、第1角度と第5角度との角度差である150度を含む特定範囲A2が対応付けられている。即ち、異なる特定角度間の角度差に対応して、特定範囲A2が定められている。また、第1角度と第3角度の角度差は270度であると捉えることもできるし、第1角度と第4角度の角度差は240度であると捉えることもできる。同様に、第1角度と第5角度との角度差は210度と捉えることもできる。第2グループには、270度を含む特定範囲A2が更に対応付けられ、第3グループには240度を含む特定範囲A2が更に対応付けられ、第4グループには210度を含む特定範囲A2が更に対応付けられている。即ち、異なる2つの特定角度間の角度差が等間隔ではない場合、その角度差の相違に対応して、複数の特定範囲A2が設定される。
【0072】
受信制御部51は、送信データに含まれるIDコードから、その送信データを送信した送信機31における特定角度間の角度差に応じた特定範囲A2に、角度差分が含まれるか否かを判定する。そして、第1実施形態と同様に、受信制御部51は、特定範囲A2に角度差分が含まれる回数によって、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定する。
【0073】
特定範囲A2に角度差分が含まれているか否かを確認する場合、第2実施形態によれば、送信機31のIDコードに見合った特定角度で送信データが送信されているかを確認することができる。例えば、FRIDの送信機31が第1グループの送信機31であり、FRIDの送信機31から送信された送信データの受信を契機として取得された回転角度の角度差分が120度となる回転センサユニットが存在する場合を想定する。第1実施形態のように、送信データの受信を契機として取得された回転角度の角度差分と特定角度間の角度差との対応関係のみに基づき送信機31が装着されている車輪11の位置を特定すると、120度の角度差分を検出した回転センサユニットに対応する車輪11にFRIDの送信機31が装着されていると判定される虞がある。しかしながら、
図8に示すように、第1グループの送信機31は180度の角度差で送信データを送信する送信機であることから、上記の判定は誤った判定となる。
【0074】
これに対し、第2実施形態の受信制御部51は、送信機31のIDコードの末尾から、FRIDの送信機31が第1グループの送信機31であると判定する。つまり、受信制御部51は、FRIDの送信機31から送信された送信データの受信を契機として各車輪11の回転角度を取得すると、送信データのIDコードに見合った角度差分が180度であると判定する。これにより、120度の角度差分を検出した回転センサユニットに対応する車輪11にFRIDの送信機31が装着されていると判定されることを抑止できる。この場合、再度、車輪位置特定処理を行うことで、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定する。
【0075】
したがって、第2記実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−3)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(2−1)受信記憶部55は、IDコードと特定角度間の角度差を含む特定範囲A2とを対応付けて記憶している。このため、送信機31毎に特定角度間の角度差が異なっていても、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定することができる。また、IDコード(送信機31)に見合った特定角度で送信データが送信されているかを確認するため、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定についての信頼性が向上する。
【0076】
(2−2)送信機ユニットUの各送信機31は、複数の特定角度を検出したときに送信データを送信する。このため、各送信機31は、複数の異なる特定角度間の角度差に基づいて、受信機50に、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかを特定させることができる。更に、各送信機31は、異なる特定角度間の角度差をそれぞれ有し、異なる特定角度間の角度差は、各送信機31毎に異なっている。このため、各送信機31は、受信機50に、IDコード(送信機31)に見合った特定角度で送信データが送信されているかを確認させることができる。これにより、各送信機31がいずれの車輪11に装着されているかの特定について信頼性が向上する。
【0077】
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・各実施形態において、取得された回転角度とその回転角度の取得より前に取得された回転角度との差分は、取得された回転角度とその回転角度の取得の2回以上前に取得された回転角度との差分であってもよい。なお、パルスカウント値は車両10が停止状態となるとリセットされるため、「回転角度の取得より前に取得された回転角度」は、車両10が起動状態にされてから取得された回転角度を示し、車両10が起動される以前に取得された回転角度を含まない。
【0078】
取得された回転角度とその回転角度の取得の2回以上前に取得された回転角度との差分による車輪位置特定処理と、実施形態の車輪位置特定処理とを併用してもよい。また、実施形態の車輪位置特定処理に代えて、取得された回転角度とその回転角度の取得の2回以上前に取得された回転角度との差分による車輪位置特定処理を行ってもよい。
【0079】
・各実施形態において、異なる特定角度間の角度差は、適宜変更してもよい。
・各実施形態において、第1角度と第2角度とで交互に送信データが送信されなくてもよい。例えば、第1角度と第2角度でランダムに送信データが送信されてもよいし、所定回数毎に、第1角度で送信データを送信するか第2角度で送信データを送信するかが切り替わってもよい。
【0080】
・各実施形態において、受信記憶部55は、車輪11に装着された送信機31のIDコード、及びスペアタイヤに装着された送信機31のIDコードを記憶していてもよい。また、夏タイヤに装着された送信機31のIDコード、及び冬タイヤに装着された送信機31のIDコードの両方を、受信記憶部55が記憶していてもよい。
【0081】
・各実施形態において、車両10は、複数の車輪11を備えたものであればよく、例えば、二輪車であってもよい。
・各実施形態において、車両10の歯車26の歯数は、任意である。即ち、回転角度検出部の分解能は、実施形態と異なっていてもよい。
【0082】
・各実施形態において、パルスカウント値を回転角度に変換して各種処理を行ったが、パルスカウント値が回転角度を示すことを考慮すれば、パルスカウント値を用いて処理を行うこともできる。例えば、差分は、パルスカウント値の差分としてもよいし、基準範囲A1及び特定範囲A2はパルスカウント値の範囲としてもよい。回転角度とは、回転角度そのものに限られず、回転角度を示すものであればよい。
【0083】
・各実施形態において、基準範囲A1、及び特定範囲A2は、適宜変更されてもよい。例えば、基準範囲A1は0+所定値であっても、0−所定値であってもよい。また、0に加算する所定値に比べて、0から減算する所定値を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。特定範囲A2についても同様である。
【0084】
・各実施形態において、所定値は可変としてもよい。例えば、車輪位置特定処理の開始時には所定値を大きくし、車輪位置特定処理が行われる時間が経過するにつれて所定値を小さくしてもよい。これにより、基準範囲A1と特定範囲A2との幅が可変となる。
【0085】
・各実施形態において、基準範囲A1と特定範囲A2との幅は、同一でなくてもよい。例えば、特定範囲A2の範囲幅を基準範囲A1の幅より小さくしてもよい。
・各実施形態において、特定角度は、3つ以上設定されていてもよい。
【0086】
・各実施形態において、基準範囲A1のみを用いた車輪位置特定処理を併用してもよい。
・第2実施形態において、IDコードの末尾に応じて異なる特定角度間の角度差を変更したが、これに限られない。送信機ユニットUの各送信機31の異なる特定角度間の角度差が異なっていれば、IDコードの末尾は同一でもよい。また、受信記憶部55は、受信機50に対応付けられた送信機31のIDコードとその送信機31の異なる特定角度間の角度差を記憶していればよい。
【0087】
・第1実施形態において、受信制御部51は、角度差分が180度未満の場合には、角度差分をそのままの値とする。受信制御部51は、角度差分が180度以上の場合には360度から角度差分を減算し、角度差分を補正する。この場合、得られる角度差分は、180度未満となる。受信制御部51は、角度差分が180度未満の場合の角度差分、及び補正された角度差分が基準範囲A1又は特定範囲A2に含まれるかを判定する。
【0088】
同様に、第2実施形態において、受信制御部51は、角度差分が180度未満の場合には、角度差分をそのままの値とし、角度差分が180度以上の場合には360度から角度差分を減算し、角度差分を補正してもよい。この場合、得られる角度差分は、180度未満となる。したがって、特定範囲は、180度未満の角度に対応する範囲が1つ設定されていればよい。第2実施形態でいえば、第2グループの特定範囲として90度±所定値の範囲が設定され、第3グループの特定範囲として120度±所定値の範囲が設定され、第4グループの特定範囲として150度±所定値の範囲が設定される。
【0089】
・第1実施形態において、取得された回転角度とその回転角度の取得の1回前に取得された回転角度との差分の絶対値を角度差分としたが、角度差分は、絶対値としなくてもよい。この場合、同一のIDコードを含んだ送信データの受信を契機として取得された回転角度とその回転角度の取得の1回前に取得された回転角度との差分は、+180度、−180度、0度付近の角度となる。上記した差分が、−180度未満の場合、受信制御部51は、差分に360度を加算することで差分を補正する。上記した差分が、−180度以上、+180度以下の場合、受信制御部51は、差分をそのままの値とする。上記した差分が、+180度より大きい場合、受信制御部51は、差分から360度を減算することで差分を補正する。特定範囲A2は、正負に対応して設定される。具体的にいえば、+180度−所定値、−180度+所定値の2つが特定範囲A2として設定される。正負に対応した特定範囲A2が設定されるため、第1実施形態に比べ、特定範囲A2の数が増加する。
【0090】
同様に、第2実施形態において、角度差分は絶対値としなくてもよい。この場合も、受信制御部51は、上記した場合と同様に、差分が−180度以上、+180度以下の場合には差分をそのままの値とする。受信制御部51は、差分が−180度未満の場合、及び差分が+180度より大きい場合、差分を補正する。また、この場合であっても、正負に対応した特定範囲A2が設定される。
【0091】
・第2実施形態において、IDコードの末尾に限られず、特定のビットの値に応じて、グループ分けされてもよい。
・第2実施形態において、特定範囲A2は1つであってもよい。この場合、角度差分を補正し、補正により得られた値が特定範囲A2に含まれるかを判定する。
図8から把握できるように、第2グループの送信機31において、特定角度間の角度差は90度及び270度である。この角度差の差分である180度を用いて、受信制御部51は、角度差分を補正する。例えば、角度差分を180度で剰余演算することで、第1角度と第3角度との角度差を90度とみなして、上記の判定を行うことができる。この場合には、特定範囲A2として、90度に対応した特定範囲A2が設定されていればよい。また、角度差分が180度以上の場合には180度を減算することでも同様の結果を得ることができる。
【0092】
受信制御部51は、角度差分が180度未満の場合には、角度差分に180度を加算してもよい。この場合、第1角度と第3角度との角度差を270度とみなして、上記の判定を行うことができる。この場合、特定範囲A2として270度に対応した特定範囲A2が設定されていればよい。
【0093】
第3グループの送信機31、第4グループの送信機31についても、同様に角度差の補正を行うことで、特定範囲A2を1つにすることができる。
なお、特定角度が3つ以上の場合も、差分の絶対値を補正し、特定角度間の角度差が同一であるとみなせることで、特定範囲A2を1つにすることが可能である。