特許第6756907号(P6756907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6756907透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6756907
(24)【登録日】2020年8月31日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20200907BHJP
【FI】
   H01L21/302 101G
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-511556(P2019-511556)
(86)(22)【出願日】2017年8月18日
(65)【公表番号】特表2019-525495(P2019-525495A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】KR2017009001
(87)【国際公開番号】WO2018034531
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0104727
(32)【優先日】2016年8月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0104300
(32)【優先日】2017年8月17日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519053658
【氏名又は名称】トカイ カーボン コリア カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】キム チョン イル
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−526024(JP,A)
【文献】 特開平11−130565(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/009745(WO,A1)
【文献】 特開2002−073267(JP,A)
【文献】 実開平06−062541(JP,U)
【文献】 特開2012−049220(JP,A)
【文献】 特開2011−018894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品であって、
2以上の積層された層を含み、
前記積層された層の各層はSiCを含み、隣接する異なる層と互いに異なる透過度値を有し、
前記積層された層の各層の境界で色が次第に変わり、
前記半導体製造用部品は、プラズマ処理装置部品として、リング、電極部、及びコンダクターからなるグループより選択される少なくともいずれか1つを含む、
透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
【請求項2】
前記積層された層の各層の組成は互いに同一である、請求項1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
【請求項3】
前記積層された層はグラファイトの母材上に積層されたものである、請求項1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
【請求項4】
前記積層された層の各層の境界で、1つ以上の異常結晶の成長の断絶を含む、請求項1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
【請求項5】
前記積層された層の少なくとも一部分の上に形成されたSiCを含む再生部をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
【請求項6】
前記SiCを含む再生部及び前記再生部に隣接する積層された層間の色が相異なる、請求項5に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
【請求項7】
複数の原料ガス噴射導入口を備える化学的な気相蒸着チャンバー内において、
前記複数の原料ガス噴射導入口のうちの一部を含む第1導入口グループを用いてSiCを含む第1層を積層するステップと、
前記複数の原料ガス噴射導入口のうち、他の一部を含む第2導入口グループを用いてSiCを含む第2層を積層するステップと、
を含む、請求項1の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項8】
前記第2層を積層するステップの後に、第3導入口グループを用いてSiCを含む第3層を積層するステップをさらに含む、請求項7に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項9】
各層を積層するステップの間に化学的な気相蒸着チャンバー内で前記SiC半導体製造用部品を保持する、請求項7に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項10】
前記化学的な気相蒸着チャンバー内で各導入口グループの位置が相異なる、請求項7に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項11】
各層を積層するステップを行う時間は相異なる、請求項7に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項12】
複数の原料ガス噴射導入口を備える化学的な気相蒸着チャンバー内において、
前記複数の原料ガス噴射導入口のうち一部を含む第1導入口グループを用いてSiCを含む第1層を積層するステップと、
前記複数の原料ガス噴射導入口のうち他の一部を含む第2導入口グループを用いてSiCを含む第2層を積層するステップと、
を含むSiC半導体製造用部品の製造方法であって、
前記SiC半導体製造用部品を乾式エッチング装置でプラズマを処理するステップと、
前記SiC半導体製造用部品の積層された層の少なくとも一部分の上に、SiCを含む再生部を形成するステップと、
をさらに含み、
前記第1層及び第2層は、互いに異なる透過度値を有し、
前記第1層及び第2層の境界で色が次第に変わる、
透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項13】
前記再生部の平均厚さは0.1mm〜3mmである、請求項12に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項14】
前記プラズマを処理するステップ及び再生部を形成するステップの間に、SiC半導体製造用部品を加工するステップ、予め洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含む、請求項12に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【請求項15】
前記再生部を形成するステップの後に、前記形成された再生部を後加工するステップ、後洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含む、請求項12に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式エッチング工程でウェハーなどの基板を用いて半導体素子を製造するためのSiC半導体製造用部品及びその製造方法に関し、より詳しくは、透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程で用いられるプラズマ処理方式は、乾式エッチング工程のうちの1つとして、ガスを用いて対象をエッチングする方法である。これは、エッチングガスを反応容器内に注入させてイオン化させた後、ウェハー表面で加速させてウェハー表面を物理的、化学的に除去する工程に従う。この方法は、エッチングの調整が容易であり、生産性が高く、数十nmレベルの微細パターンの形成が可能であるため幅広く用いられている。
【0003】
プラズマエッチングにおける均一エッチングのために考慮されなければならない変数(parameter)として、エッチングする層の厚さと密度、エッチングガスのエネルギー及び温度、フォトレジストの接着性とウェハー表面の状態、及びエッチングガスの均一性などが挙げられる。特に、エッチングガスをイオン化し、イオン化されたエッチングガスをウェハー表面に加速させてエッチングする原動力となる高周波(RF:Radio frequency)の調整は、重要な変数になり、実際のエッチング過程で直接的かつ容易に調整できる変数として考慮される。
【0004】
しかし、実際に、乾式エッチング装置内でエッチングされるウェハーを基準として見るとき、ウェハー表面の全体に対する均一なエネルギー分布を有するようにする均等な高周波の適用は必須であり、このような高周波の適用時の均一なエネルギー分布の適用は、高周波の出力の調整だけでは達成されず、これを解決するためには、高周波をウェハーに印加するために用いられる高周波電極としてのステージとアノードの形態、及び実質的にウェハーを固定させる機能を果たすフォーカスリングをはじめとする半導体製造用部品によって大きく左右される。
【0005】
乾式エッチング装置内のフォーカスリングをはじめとする様々な半導体製造用部品は、プラズマが存在する苛酷な条件の反応容器内でエッチング処理が行われるウェハー周辺にプラズマを集中させる役割を果たし、部品自らもプラズマに露出して損傷される。したがって、半導体製造用部品耐プラズマ特性を増加させるための研究は持続的に行われてきた。そのうちの1つとして、Si材質の代わりに、SiC材質のフォーカスリング又は電極などの部品を製造する方法に対する研究が行われている。
【0006】
従来における技術は、工程効率及び均等な蒸着のために複数の噴射導入口をチャンバーに構成し、前記導入口を同時に用いてSiC半導体製造用部品を製造する方式を使用した。
【0007】
図1は、複数の原料ガス噴射導入口を同時に用いて製造したSiC半導体製造用部品のうちの1つの断面図である。チャンバー内で原料ガスは、母材上に蒸着されて最終的には図1に示すようなSiC半導体製造用部品200を形成する。
【0008】
図2は、従来の方式で製造したSiC半導体製造用部品に対する走査電子顕微鏡(SEM)の分析写真である。明るい色に表示されているものがSiC異常組織の結晶構造に該当する。異常組織がSiC蒸着過程で円錘形に成長したことを確認することができる。従来における方式によって製造されたSiC半導体製造用部品は、このような組織の成長により製品の品質が低下することがある。
【0009】
また、SiをSiC材質に代替したにもかかわらず、一定期間が経過すればプラズマに露出されて摩耗され周期的な交替が依然として伴わなければならない問題があった。また、このように交替された部品も交替後にそのまま全量廃棄処分されている。これは半導体製品の生産コストを増加させる主な原因の1つとして残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述したような問題を全て解決するためのものとして、本発明は、SiC半導体製造用部品の異常結晶の成長を抑制して原料ガス噴射導入口からの均一な蒸着を誘導し、優れた品質のSiC半導体製造用部品を提供することにある。また、本発明は、一例として、交替されたフォーカスリングのような消耗性SiC半導体製造用部品の廃棄により発生する産業廃棄物を減らすことで環境保全に寄与し、最終的な半導体製品の生産コストを減らすことにある。
【0011】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されない更なる課題は、下記の記載によって当技術分野の通常の知識を有する者により明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、2以上の積層された層を含み、前記積層された層の各層はSiCを含み、隣接する異なる層と互いに異なる透過度値を有する、透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品が提供される。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記積層された層の各層の境界で色が次第に変わり得る。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記積層された層の各層の組成は互いに同一であり得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記積層された層は、グラファイトの母材上に積層されたものであり得る。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記積層された層の各層の境界で、1つ以上の異常結晶の成長の断絶を含み得る。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記半導体製造用部品は、プラズマ処理装置部品として、リング、電極部、及びコンダクターからなるグループより選択される少なくともいずれか1つを含み得る。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記積層された層の少なくとも一部分の上に形成されたSiCを含む再生部をさらに含み得る。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記SiCを含む再生部及び前記再生部に隣接する積層された層間の色が相異なってもよい。
【0020】
本発明の他の一実施形態によれば、複数の原料ガス噴射導入口を備える化学的な気相蒸着チャンバー内で、前記複数の原料ガス噴射導入口のうちの一部を含む第1導入口グループを用いてSiCを含む第1層を積層するステップと、前記複数の原料ガス噴射導入口のうちの他の一部を含む第2導入口グループを用いてSiCを含む第2層を積層するステップとを含む、透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法が提供される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記第2層を積層するステップの後に、第3導入口グループを用いてSiCを含む第3層を積層するステップをさらに含み得る。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、各層を積層するステップの間に化学的な気相蒸着チャンバー内で前記SiC半導体製造用部品を保持し得る。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記化学的な気相蒸着チャンバー内で各導入口グループの位置がそれぞれ異なり得る。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、各層を積層するステップを行う時間は相異なってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記SiC半導体製造用部品を乾式エッチング装置でプラズマ処理するステップと、前記SiC半導体製造用部品の積層された層の少なくとも一部分の上に、SiCを含む再生部を形成するステップをさらに含み得る。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、前記再生部の平均厚さは、0.1mm〜3mmであり得る。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記プラズマ処理するステップ及び再生部を形成するステップの間に、前記SiC半導体製造用部品を加工するステップ、予め洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含み得る。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、前記再生部を形成するステップの後に、前記形成された再生部を後加工するステップ、後洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含み得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品は、異常結晶の過剰な成長を抑制し、耐プラズマ特性をはじめとする素材固有の物性が低下する現象を防止する効果がある。また、SiC半導体製造用部品の製造過程で、導入口の内側に原料ガスが蒸着されて製品の品質が低下する現象を防止する効果がある。また、本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品は、プラズマによってエッチングされた半導体製造用部品の表面に新しく再生部を形成するだけで、新しい製品に代替できる効果があり、従来における消耗性部品の交替によるコストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】複数の原料ガス噴射導入口を同時に用いて製造したSiC半導体製造用部品のうち1つの断面図である。
図2】従来の方式で製造したSiC半導体製造用部品に対する走査電子顕微鏡(SEM)分析写真である。
図3】本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の断面写真である。
図5A】本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品がプラズマの露出環境で用いられてエッチングされた状態の断面図である。
図5B】本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品がプラズマの露出環境でエッチングされた後再生部が形成された状態の断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品が製造される過程の工程度である。
図7】本発明の他の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品が製造される過程の工程度である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付する図面を参照しながら本発明のSiC半導体製造用部品及び製造方法の実施形態を詳細に説明する。以下に説明する実施形態及び図面には様々な変更が加えられ得る。また、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。以下で説明する実施形態は、実施形態に対して限定しようとするものではなく、これらに対する全ての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解されなければならない。本発明の説明において、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合はその詳細な説明は省略するだろう。
【0032】
また、本明細書で用いられる用語は、本発明の好適な実施形態を適切に表現するために使用された用語として、これはユーザ、運用者の意図、又は本発明が属する分野の慣例などによって変わり得る。したがって、本用語に対する定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて下されなければならないのであろう。各図面に提示された同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0033】
明細書全体で、いずれかの部材が他の部材「上に」位置しているとするとき、これはいずれかの部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材間に更なる部材が存在する場合も含む。
【0034】
明細書全体で、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対となる説明がない限り他の構成要素を排除するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、2以上の積層された層を含み、前記積層された層の各層はSiCを含み、隣接する異なる層と互いに異なる透過度値を有する、透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品を提供する。
【0036】
本発明に係るSiC半導体製造用部品は、SiCを含む層が2以上含まれ、前記2以上の層は互いに異なる透過度を有し得る。
【0037】
SiC成分は、強い共有結合物質として、他のセラミック材料に比べて熱伝導率、硬度、耐酸化性、耐摩耗性、耐エッチング性をはじめとして優れた耐プラズマ性を保有した素材として、苛酷な条件で精密な工程を必要とする半導体製造用素材で優れる特性を保有する材料である。
【0038】
本発明で意味する透過度は、物質層を光が通過する程度であって、物質層を通過した光の強度を物質層に対する入射光の強度に割った値に該当する透過度は様々な方法により測定されるが、3mmの厚さで試験片を製造し、光度150Lux以上の光源を用いて試験片と光源との距離が7cm以内で測定したものである。厚さや光源、試験片と光源との距離に応じて透過度は変わるため、同じ厚さである場合の相対値として考慮される。
【0039】
透過度は、物質の固有な特徴に該当し、同じ成分及び組成を有する素材であってもその結晶構造や相に応じて互いに異なる透過度を有する。本発明に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用の部品は互いに異なる透過度を有する複数の層を含んでもよい。
【0040】
本発明の一例によれば、前記積層された層の各層の境界で色が次第に変わり得る。積層された各層は、透過度の他に色が互いに異なってもよい。ここで、積層された各層の境界で色は異なる色が断絶的、区分的に境界が明らかに区分されるよう変化することなく、次第に変化する。後述する本発明の他の一実施形態に係る製造方法により、SiC半導体製造用部品を製造する場合に前記積層された層の各層の境界で色は次第に変わり得る。
【0041】
本発明の一例によれば、前記積層された層の各層の組成は互いに同一であってもよい。SiCを含む積層された各層は、本発明では透過度が異なれば特に限定せず、同じ成分及び組成であってもよく、他の成分及び組成であってもよい。本発明の一側面において、同じ成分及び組成で各層を積層するとしても、互いに異なる透過度を有する複数の層を有するSiC半導体製造用部品を提供してもよい。透過度は様々な方法で測定されるが、3mmの厚さで試験片を製造し、光度150Lux以上の光源を用いて試験片と光源との距離が7cm以内で測定したものである。厚さや光源、試験片と光源との距離に応じて透過度は変わるため、同じ厚さである場合の相対値として考慮され得る。
【0042】
本発明の一例によれば、前記積層された層は、グラファイトの母材上に積層されたものである。本発明の一側面において、化学的気相蒸着法によってSiCを含む成分を蒸着させる方法でSiC半導体製造用部品を提供することができるため、このとき蒸着される対象として母材を用いてもよい。ここで、前記母材は蒸着面を形成するものであれば、本発明では特に限定しないものの、グラファイト素材であってもよい。
【0043】
図3は、本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品300の断面図である。図3によれば、積層されたSiCを含む層320、330、及び340がグラファイトの母材310上に積層されていることが図示されている。ここで、各SiCを含む層320、330、及び340は全て異なる透過度を有してもよい。また、グラファイトの母材310及びそれに隣接するSiCを含む層320の間には色の境界が明確に形成される。一方、積層された各SiCを含む層の境界320と330、330と340、及び340と320では色が次第に重なりながら変わり得る。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の断面写真である。グラファイトの母材上に境界が明確に区分されるSiCを含む第1層が積層されている。その上に色が次第に変わる境界を有する更なるSiCを含む複数の層が積層されていることが確認される。
【0045】
本発明の一例によれば、前記積層された層の各層の境界で、1つ以上の異常結晶の成長の断絶を含む。積層された各層内部では、不純物又は同種反応を介して形成された核によって異常結晶の構造が発生する可能性がある。この結晶構造は、SiCを含む成分が継続的に蒸着されることで次第に成長される。このように成長した異常結晶の構造は、SiCを含む素材固有の物性を低下させる主な原因となる。したがって、この異常結晶の構造の成長を制御することは、化学的な気相蒸着方式によりSiCを含む製品を製造する過程で重要な問題となる。
【0046】
本発明の一側面において、従来の連続的な蒸着過程を断絶させて段階的に各層を形成することで異常結晶の構造の継続的な成長を制御することができる。ここで、異常結晶の構造は、連続的な蒸着過程が断絶されることにより継続的に成長せず、各層の境界で異常結晶の成長が断絶された構造が形成される。
【0047】
本発明の一例によれば、前記半導体製造用部品は、プラズマ処理装置部品として、リング、電極部、及びコンダクターからなるグループより選択される少なくともいずれか1つを含む。一例として、具体的に、フォーカスリング、上部電極部、接地電極部、シャワーヘッド、アウターリングなどであってもよい。前記プラズマ処理装置内でプラズマに露出されるいかなる様々な部品も、本発明のSiC半導体製造用部品に含まれてもよい。そのうち、前記フォーカスリング、上部電極部、接地電極部、及びアウターリングなどは、前記プラズマ処理装置内で、特に、プラズマによって損傷される確率が高い部品であり、本発明において意図するSiC半導体製造用部品に該当する。
【0048】
本発明の一例によれば、前記積層された層の少なくとも一部分の上に形成されたSiCを含む再生部をさらに含む。本発明の一側面に係るSiC半導体製造用部品は、プラズマに露出されてエッチングされる環境で使用されることがある。この場合、直ちに廃棄処分及び交替される代わりに、損傷された部分上にSiCを含む再生部を新しく形成することで、新しい製品で再生させることができる。このように本発明の一側面に係る再生部を含むSiC半導体製造用部品は、消耗性部品としてのみ扱われた従来の半導体製造用部品とは異なってリサイクルされることから、製品の生産単価を低くするための大きい役割を果たす。
【0049】
本発明の一例によれば、前記SiCを含む再生部及び前記再生部に隣接する積層された層の境界で色が相異なり得る。また、再生部及び再生部に隣接する積層された層の境界で色が次第に変わることなく、断絶的、区分的に変わってもよい。そのため、再生部及び再生部に隣接する積層された層の境界線を比較的に明確に確認することができる。後述する本発明の一側面に係る時SiCを含む各層を形成する製造工程において、層が変わる過程でも化学的な気相蒸着チャンバー内の温度が低下することなく高温が保持される。一方、SiCを含む再生部を形成する過程において、各層が積層されて完成された製品を化学的気相蒸着チャンバーの外部に取り出して冷却させた後、プラズマの露出環境で使用し、その後に再びSiCを含む再生部を形成するステップを経由する。この過程で、SiCを含む再生部と前記再生部に隣接する積層された層の境界で色が断絶的、区分的に変わり得る。
【0050】
図5Aは、本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品がプラズマの露出環境で用いられてエッチングされた状態の断面図である。SiCを含む層のうち、最上層320がプラズマによってエッチングされて損傷された構造を示している。
【0051】
図5Bは、本発明の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品がプラズマの露出環境でエッチングされた後、再生部350が形成された状態の断面図である。損傷された最上層320上で再生部350を形成することで、新しい製品を生産したものと同じ効果を有する。ここで、前記再生部350と損傷された最上層320との間には、他の積層された層間の境界320と330、330と340、340と320に比べて明確な色の境界が発生し得る。これは、層と層が積層される過程で、チャンバー内で高温が保持された状態で次の層が積層されたものと、チャンバーの外に出てから冷却されて再び次の層が積層された差で発生する現象である。本発明の一側面によれば、前記損傷された最上層320を平坦に予め加工した後、その上に再生部350を形成してもよい。また、本発明の異なる一側面によれば、再生部を形成する前に、前記予め加工した前後、又は両方ともに表面に発生した不純物を除去できるよう予め洗浄することを含んでもよい。
【0052】
一方、本発明の一側面に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品は、SiCの他に耐プラズマ性素材を加えて含み得る。SiC半導体製造用部品は、プラズマに露出してエッチングされて損傷される恐れがある環境で使用される。したがって、損傷される場合、交替が必須的に行われなければならず、頻繁な交替による半導体製品の生産コストを節減するために、前記非再生部、前記再生部又はこの2つは追加的な耐プラズマ性の素材をさらに含み得る。
【0053】
図6は、本発明の一実施形態に係る透過度が他の複数の層を有するSiC半導体製造用部品が製造される過程の工程度である。下記では、図6に示す工程度を用いて本発明の一実施形態に係る透過度が他の複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法について説明する。
【0054】
本発明の他の一実施形態によれば、複数の原料ガス噴射導入口を備える化学的な気相蒸着チャンバー内で、前記複数の原料ガス噴射導入口のうちの一部を含む第1導入口グループを用いてSiCを含む第1層を積層するステップ(S100)、及び前記複数の原料ガス噴射導入口のうち、他の一部を含む第2導入口グループを用いてSiCを含む第2層を積層するステップ(S200)を含む、透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法が提供される。
【0055】
本発明に係るSiC半導体製造用部品は、化学的な気相蒸着チャンバー内で、化学的な気相蒸着方式により製造される。ここで、各層を形成する原料ガスは、複数の原料ガス噴射導入口を介して供給される。複数の原料ガス噴射導入口は、均一に各層を積層するものであれば、本発明において化学的な気相蒸着チャンバー内の位置や個数を特に限定することはない。ただし、本発明の一側面において、複数の導入口のうちの一部を第1導入口グループ、他の一部を第2導入口グループに構成してもよい。また、本発明の異なる一側面において、第1導入口グループ及び第2導入口グループの他の更なる導入口一部を第3導入口グループ又は第4導入口グループなどに構成してもよい。また、それぞれの導入口グループは含む導入口のうち一部を重複して含むように構成してもよい。
【0056】
このように形成された互いに異なる導入口グループは、各層を積層するためにそれぞれ使用されてもよい。本発明の一側面によれば、第1導入口グループを用いてSiCを含む第1層を積層するステップと、第2導入口グループを用いてSiCを含む第2層を積層するステップとを含み得る。これによって、互いに異なる位置で噴射される導入口グループを用いて生成される第1層と第2層は互いに異なる透過度を有するよう形成される。
【0057】
本発明の一例によれば、前記第2層を積層するステップの後に、第3導入口グループを用いてSiCを含む第3層を積層するステップ(S300)をさらに含む。ここで、第3導入口グループは、第1導入口グループ及び第2導入口グループとは全く異なる導入口を含む。また、第3導入口グループは、第1導入口グループ及び第2導入口グループと一部の導入口を重複して含むように構成してもよい。この場合にも同様に、第3層は、隣接している層である第2層と互いに異なる透過度を有するように形成されてもよい。
【0058】
一方、本発明の一側面によれば、前記第2層を積層するステップの後に、再び第1導入口グループを用いてSiCを含む第3層を積層するステップをさらに含み得る。この場合、第1層、第2層、及び第3層はサンドイッチの構造を形成し得る。また、本発明の一側面によれば、前記第3層を積層するステップの後に、第4層、第5層、及び第6層をさらに積層するステップを含み得る。
【0059】
上記で説明した図5A及び図5Bには、第1層320を積層するとき用いた第1導入口グループを第4層320を使用するとき、再度用いて製造した構造が図示されている。このように形成された第1層及び第4層は、透過度、色、又は両方が互いに同一である。
【0060】
本発明の一例によれば、各層を積層するステップの間に化学的な気相蒸着チャンバー内で前記SiC半導体製造用部品を保持する。隣接している各層を積層するステップは、他の導入口グループを使用することによって形成され、使用される導入口グループを変える過程で、前記SiC半導体製造用部品は化学的な気相蒸着チャンバー内で保持される。これにより使用される導入口グループを変える過程において、SiC半導体製造用部品の表面温度は低くならない場合がある。これによって、導入口を変えて各層を積層する過程を含んでも温度を再び上昇させる必要がなく、SiC半導体製造用部品の生産工程の効率は保持される。また、この過程により、積層された各層は完全に冷却されていない状態で、隣接する他の層のSiCを含む成分が蒸着されることで、隣接する層との境界で色が次第に変わり得る。
【0061】
本発明の一例によれば、前記化学的な気相蒸着チャンバー内で各導入口グループの位置が相異なるものであってもよい。複数の原料ガス噴射導入口は、均一に各層を積層されるものであれば、本発明で化学的な気相蒸着チャンバー内の位置や個数を特に限定することはない。ただし、上述したように、第1導入口グループ及び第2導入口グループ、又は、それ以上の各導入口グループに含まれる導入口の構成を完全に同一に構成しないことで、各導入口グループの位置はそれぞれ異なり得る。これにより、互いに異なる位置で噴射される導入口グループを用いて生成された各層は、それぞれの隣接する層と互いに異なる透過度を有するように形成される。
【0062】
本発明の一例によれば、各層を積層するステップを行う時間は互いに異なってもよい。本発明の各層を積層するステップは、必要に応じて噴射導入口の稼動時間により制御できる。ここで、噴射導入口の稼動時間を制御することで各導入口が交替され、他の層が積層される時間を設定し得る。また、本発明の一側面によれば、各層を積層するステップは、噴射導入口の流量を介して制御してもよい。各導入口グループが噴射される時間及び流量を同一にする場合、各層の厚さは同一に形成される。一方、本発明の一側面において、必要に応じて、各層を積層するステップを行う時間を相違に構成してもよい。この場合、各層の厚さは互いに異なってもよい。
【0063】
図7は、本発明の他の一実施形態に係る透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品が製造される過程の工程度である。
【0064】
本発明の一例によれば、前記SiC半導体製造用部品を乾式エッチング装置でプラズマ処理するステップ(S400)、前記SiC半導体製造用部品の積層された層の少なくとも一部分の上に、SiCを含む再生部を形成するステップ(S500)をさらに含む。乾式エッチング装置において、プラズマ処理するステップにより、SiC半導体製造用部品は、プラズマに露出される部分がエッチングされる。このようなエッチングは、製造される半導体製品の品質を低下させる主な原因となるため、適切な時期に交替しなければならない。本発明の一側面において、前記プラズマ処理するステップの後に、プラズマに露出されてエッチングされた部分を含む、積層された層の少なくとも一部分の上に、SiCを含む再生部を形成するステップをさらに含んでもよい。これにより、適切な交替周期により新しい製品に交替する代わり、再生されたSiC半導体製造用製品を製造することができる。
【0065】
本発明の一例によれば、前記再生部の平均厚さは、0.1mm〜3mmであってもよい。プラズマに露出される反応容器内で用いられる半導体製造用部品の交替周期は、そのエッチングされた程度を確認して決定される。ここで、製造する半導体製品の品質を考慮するとき、エッチングの程度が平均1mm程度である場合、交替を考慮し得る。ここで、新しい製品に交替する代わりに用途の再生部を形成するためには、エッチングされた厚さ以上の再生部を形成する必要がある。したがって、本発明の一側面で再生部の平均厚さは0.1mm〜3mmであり得る。
【0066】
本発明の一例によれば、前記プラズマ処理するステップ及び再生部を形成するステップの間に、前記SiC半導体製造用部品を予め加工するステップ、予め洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含んでもよい。
【0067】
本発明の一側面によれば、不均一にエッチングされて損傷された部分を平たくする予め加工するステップを介して、その後の再生部を形成するステップで均等な蒸着を誘導する。本発明において、予め加工するステップの工程を特に限定することなく、再生部が蒸着されて形成される部分を均等に加工できる工程であれば、全て含まれる。本発明の異なる一側面によれば、予め洗浄ステップで表面の不純物を除去する。本発明において、予め洗浄するステップの工程を特に限定しないが、酸、塩基溶液、又は超音波を用いて表面の不純物を除去する。
【0068】
本発明の一例によれば、前記再生部を形成するステップの後に、前記形成された再生部を後加工するステップ、後洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含んでもよい。
【0069】
本発明の一側面によれば、後加工するステップで再生部が蒸着されて厚さが厚くなったSiC半導体製造用部品を規格化し得る。ここで、前記再生部は、加工の難しいSiCのような物質が蒸着できるため、後加工するステップを通した規格化の過程で直接的な加工面積を最小化することが、製品の生産性を確保するために極めて重要である。本発明の異なる一側面では、後加工するステップにおける便宜性を確保するために、再生部を形成するステップで損傷された半導体製造用部品の一部にマスキングする構成を含む。本発明において、後加工するステップの工程を特に限定することなく、再生部が蒸着された部分を規格化する工程であれば全て含まれる。
【0070】
本発明の異なる一側面によれば、後洗浄するステップで表面の不純物を除去してもよい。本発明では後洗浄ステップの工程を特に限定しないが、酸、塩基溶液、又は超音波を用いて表面の不純物を除去する。
【0071】
上述したように実施形態がたとえ限定された実施形態と図面によって説明されたが、当技の術分野で通常の知識を有する者であれば、前記記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行されたり、及び/又は説明された構成要素が説明された方法と異なる形態に結合又は組合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり置換されても適切な結果が達成し得る。
【0072】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
2以上の積層された層を含み、
前記積層された層の各層はSiCを含み、隣接する異なる層と互いに異なる透過度値を有する、
透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様2]
前記積層された層の各層の境界で色が次第に変わる、態様1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様3]
前記積層された層の各層の組成は互いに同一である、態様1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様4]
前記積層された層はグラファイトの母材上に積層されたものである、態様1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様5]
前記積層された層の各層の境界で、1つ以上の異常結晶の成長の断絶を含む、態様1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様6]
前記半導体製造用部品は、プラズマ処理装置部品として、リング、電極部、及びコンダクターからなるグループより選択される少なくともいずれか1つを含む、態様1に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様7]
前記積層された層の少なくとも一部分の上に形成されたSiCを含む再生部をさらに含む、態様1ないし6のいずれか一つに記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様8]
前記SiCを含む再生部及び前記再生部に隣接する積層された層間の色が相異なる、態様7に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品。
[態様9]
複数の原料ガス噴射導入口を備える化学的な気相蒸着チャンバー内において、
前記複数の原料ガス噴射導入口のうちの一部を含む第1導入口グループを用いてSiCを含む第1層を積層するステップと、
前記複数の原料ガス噴射導入口のうち、他の一部を含む第2導入口グループを用いてSiCを含む第2層を積層するステップと、
を含む、透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様10]
前記第2層を積層するステップの後に、第3導入口グループを用いてSiCを含む第3層を積層するステップをさらに含む、態様9に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様11]
各層を積層するステップの間に化学的な気相蒸着チャンバー内で前記SiC半導体製造用部品を保持する、態様9に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様12]
前記化学的な気相蒸着チャンバー内で各導入口グループの位置が相異なる、態様9に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様13]
各層を積層するステップを行う時間は相異なる、態様9に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様14]
前記SiC半導体製造用部品を乾式エッチング装置でプラズマ処理するステップと、
前記SiC半導体製造用部品の積層された層の少なくとも一部分の上に、SiCを含む再生部を形成するステップと、
をさらに含む、態様9に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様15]
前記再生部の平均厚さは0.1mm〜3mmである、態様14に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様16]
前記プラズマ処理するステップ及び再生部を形成するステップの間に、前記SiC半導体製造用部品を加工するステップ、予め洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含む、態様14に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
[態様17]
前記再生部を形成するステップの後に、前記形成された再生部を後加工するステップ、後洗浄するステップ、又はこの2つをさらに含む、態様14に記載の透過度が異なる複数の層を有するSiC半導体製造用部品の製造方法。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7