(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記二次運搬部分は、前記二次経路を更に画定する、複数の単位運搬区間を含み、各単位運搬区間は、区間入口位置及び区間出口位置を画定する、請求項5に記載のシステム。
前記複数の容器は、ある容積と形状を有する複数の第1の容器と、前記複数の第1の容器の容積及び形状のうちの1つ以上とは異なる、容積及び形状のうちの1つ以上をそれぞれ有する複数の第2の容器と、を含む、請求項1に記載のシステム。
前記単位操作ステーションのうちの1つは、前記運搬手段うちの1つへの容器の載荷を容易にするように構成された、容器載荷ステーションを含む、請求項1に記載のシステム。
前記複数の独立制御可能なノズルは、少なくとも1つの第1の独立制御可能なノズルが、少なくとも1つの第2の独立制御可能なノズルから分注される流動性材料とは異なる、流動性材料を分注するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
前記第1の容器及び前記第2の容器を別々の単位操作ステーションへ送達するように、各運搬手段について、前記軌道システムに沿って、独立して工順設定可能であり、少なくとも1つの第1の運搬手段は、少なくとも1つの第2の運搬手段に対応付けられている工順とは異なる工順に対応付けられており、前記少なくとも1つの第1の運搬手段と前記少なくとも1つの第2の運搬手段の各々は同時に、前記対応付けられた工順を実行する、請求項9に記載のシステム。
前記運搬手段のそれぞれは、前記第1の容器及び前記第2の容器の、前記異なる形状及びサイズのうちの1つ以上に適合するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本明細書で使用する場合、用語「キャッピング」は、任意の適切な種類のクロージャを容器に適用することを指し、キャップを容器に適用することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
「1つ以上の単位操作ステーションへの到着に対する制約」のように、本明細書で使用する場合、用語「制約」は、1つ以上の単位操作ステーションに到着する運搬手段についての限定又は制限を指す。1つ以上の単位操作ステーションへの到着に対する制約の例としては、満杯でないインフィードキュー及び1つ以上の容器が特定の包装を形成するために1つ以上の他の容器の前に到着するという要件が挙げられる。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「容器」は、流動性材料などの材料を保持可能な物品を指し、ボトル、単位用量ポッド、パウチ、小袋、ボックス、包装、缶及びカートンが挙げられるが、これらに限定されない。容器は、全体的に又は部分的に、剛性、可撓−弾性又は可撓性の構造を有し得る。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「容器を載せた」は、上に1つ以上の容器が配置されていることを意味する。
【0019】
本明細書で使用する場合、用語「容器処理操作」は、以下の単位操作:(a)流動性材料を容器に分注するための充填操作ステーション;(b)加飾操作;及び(c)キャッピング操作のうちの1つ以上を指す。用語「容器処理操作」は、容器を運搬手段に載荷及び/又は脱荷する操作を含まない。用語「容器処理操作」が、容器を載せた運搬手段において行なわれると記載される場合、操作は、適宜、容器及び/又はその内容物に対して行なわれ得ると理解される。
【0020】
本明細書で使用する場合、用語「装飾」は、直接適用されるか、若しくは、物品に転写される材料の堆積によって、又は、物品の特性を変換することによって、又は、これらの組合せによって適用される視覚的、触覚的又は嗅覚的な効果を指す。物品は、容器及び/又はクロージャを含んでもよい。物品に直接適用される材料堆積の例としては、物品にラベルを適用すること(ラベリング)及び/又は物品に印刷することが挙げられるが、これらに限定されない。物品の表面に材料を転写させることなく物品の特性を変換する例は、レーザーにより物品の表面に画像を付与することである。本明細書で使用する場合、用語「加飾する」は、装飾を適用する行為を指す。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「異なる最終製品」は、容器容積、容器形状、容器サイズ、含まれる材料の体積又は質量、含有成分、含有流動性製品組成物、容器又はクロージャの外観、クロージャの種類、容器の組成、クロージャの組成又は他の最終製品属性が異なることを意味する。容器(及びクロージャ)の「外観」は、その色及びその上の任意のラベル又はラベルコンテンツを含むその上の任意の装飾を指す。最終製品が前述の特性のうちの1つ以上において互いに異なるものとして説明される場合、この差は、製造公差内のばらつきの結果である小さな差以外の差を含むことを意味する。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「異なる流動性製品」は、少なくとも1つの特性:例えば、状態(例えば、液体、固体又は非ヘッドスペースガス)、流動性製品中の物質の1つ以上の状態の異なる量、成分の差、流動性製品中の1つ以上の成分の異なる量、観察可能な特性(観察者により知覚又は測定されるもの、例えば、色、香り、粘度)、任意の固体粒子の粒径及び他の特性が異なることを意味する。流動性製品が前述の特性のうちの1つ以上において互いに異なるものとして説明される場合、この差は、製造公差内のばらつきの結果である小さな差以外の差を含むことを意味する。それぞれの成分に基づく2つの異なる流動性製品間の差に関して、この差は、2つの流動性製品の一方が他方の流動性製品には存在しない成分を含む場合を意味する。2つの異なる流動性製品において、少なくとも1つの同じ成分の量が異なることについては、2つの異なる流動性製品がそれぞれ、少なくとも1つの同じ成分を、以下の方法の一方又は両方により決定したときに、重量ベースで最低量以上の差が存在する状態で、含有する場合を意味している。どちらの方法も、それぞれの最終製品に関連するそれぞれの流動性製品のそれぞれの容器に含まれる流動性製品の総量の総流動性製品重量の重量%として、それぞれの異なる配合における上記同じ成分の割合が既知である必要がある。方法1では、2つの流動性製品のうちの多い方の重量%を2つの流動性製品のうちの少ない方の重量%で割ることにより決定した、2つの流動性製品中の同じ成分の重量%の比が、約1.1以上(及び、それ故、約1.25以上)である場合、2つの流動性製品が異なると判断される。方法2は、流動性材料の各々において、存在する同じ成分の重量%が、最小でも(重量%で)2%以上であり、2つの流動性製品のうち多い方の重量%と、2つの流動性製品のうち少ない方の重量%との引き算により決定される、2つの流動性製品中の同じ成分の重量%の差が、約2%以上、又は、99%以下の任意の整数%の値である場合に適用される。異なる流動性製品は、最終製品内に含まれる流動性製品の重量合計の全体を指し、ここで、流動性製品は、1つ又は複数の流動性製品含有チャンバ内に含まれてもよい。非ヘッドスペースガスは、加圧ガスを指し、その例としては、エアロゾル製品用のような推進ガス及び容器に構造的支持又は形状画定を提供するための密封チャンバ用の加圧ガスが挙げられる。
【0023】
容器を載せた運搬手段上の容器に関して本明細書で使用する場合、用語「〜上に配置される」又は「その上に配置される」は、取り外し可能な方法で、〜によって保持される、〜に固定される、又は他の様式で〜に結合される、のいずれかを意味する。容器が運搬手段上に配置されている(being disposed on)として説明される場合、容器は、運搬手段に対して任意の適切な配向にあってよい。同配向としては、運搬手段の上、運搬手段の下、運搬手段の1つ以上の側面に隣接、又は、(運搬手段上に2つ以上の容器が配置される場合)それらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
ステーションに関する用語「高速サイクル」は、検査ステーション、例えば、計量ステーション、スキャナ(例えば、バーコード、QRコード、RFIDコードなどをスキャンするためのもの)、ビジョンシステム、金属検出器及びこのようなステーションで行われるタスクが、少なくともいくつかの他の単位操作ステーションに対して最少量の時間で行われる他の種類のステーションを指す。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「最終製品」は、容器、内部の流動性材料(又は内容物)、容器の任意の装飾及び容器のクロージャを含む。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「流動性製品」(又は「流動性材料」)は、液体製品、ゲル、スラリー、流動性ペースト、注入可能な固体製品(粒状材料、粉末、ビーズ及びポッドが挙げられるが、これらに限定されない)及び/又は気体製品(エアロゾルで使用されるものが挙げられるが、これらに限定されない)を指す。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「待機パターン」は、少なくとも1つの(空の)運搬手段又は容器を載せた運搬手段が(主閉ループ又はサブループの)閉ループ上の少なくとも1つの箇所を2回通過する一方で、上記箇所を越えて反対方向に介在するトリップ(trip)なしに同じ方向に移動することを意味する。更に、用語「待機パターン」は、容器を載せた運搬手段が、その箇所を2回通過する間に容器を降ろさないことも意味する。このため、第1の製品を製造するために運搬手段を使用した後に第2の製品を製造するために運搬手段を再循環させる典型的な操作は、待機パターンで運搬手段を移動させるとは考えられないことになる。容器が「空」であると言われる場合、容器は、その中に大気を含んでいても、空であると考えられる。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「インフィードキュー」は、単位操作ステーションが運搬手段を受け入れる準備が整うまで、運搬手段が待つ領域を指す。インフィードキューは、軌道の長さ又はこの領域で待機し得る運搬手段の数で表わし得る。異なる単位操作ステーションは、同じ又は異なるインフィードキュー長を有してもよい。したがって、いくつかの単位操作ステーションのキュー長は、他の単位操作ステーションのキュー長よりも短くてもよく又は長くてもよい。インフィードキューは、(運搬手段の数を使用する場合)0から(所定の運搬手段の前で待つことができる運搬手段がない場合)、数百の運搬手段までの範囲であり得る。場合によっては、キュー長は、運搬手段約2〜10台分であってもよい。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「検査」としては、スキャニング、秤量、容器の存在若しくは向きの検出又は他の種類の検査のいずれかを挙げることができる。検査は、秤量ステーション、スキャナ(例えば、バーコード、QRコード、RFIDコードなどをスキャンするためのもの)、ビジョンシステム、金属検出器及び他の種類のステーションにより行ってもよい。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「インターフェースポイント」は、軌道上の特定の位置を指す。インターフェースポイント位置は、製品スケジューリングコントローラの目的のために予め選択される。正確には、1つのインターフェースポイントは、隣接する単位操作ステーション群間の軌道に沿って画定することができ、これにより、単位操作ステーション群は、単位操作ステーション群の単位操作ステーションと上流の単位操作ステーション群の単位操作ステーションとの間に位置する上流インターフェースポイントを有し、単位操作ステーション群は、単位操作ステーション群の単位操作ステーションと下流の単位操作ステーション群の単位操作ステーションとの間に位置する下流インターフェースポイントを有すると言うことができる。一例として、
図1の単位操作ステーション86は、単位操作ステーション群を含む。この単位操作ステーション群は、上流インターフェースポイントI2(
図1)と、下流インターフェースポイントI3(
図1)とを有する。同じ例について詳述すると、
図1の単位操作ステーション88は、第2の単位操作ステーション群を含む。第2の単位操作ステーション群は、上流インターフェースポイントI3(
図1)と、下流インターフェースポイントI4(
図1)とを有する。このため、インターフェースポイントは、第1の単位操作ステーション群についての下流インターフェースポイントと、第2の単位操作ステーション群についての上流インターフェースポイントとの両方として機能してもよい。インターフェースポイントは、入口スイッチ又は出口スイッチの位置に対応する必要はない(かつ、多くの場合対応しない)。インターフェースポイントは、一次運搬経路上又は二次運搬経路上のいずれにあってもよい。
【0031】
本開示の全体にわたって使用する場合、用語「結合される」は、構成要素が別の構成要素に、この構成要素をこの他の構成要素に直接取り付けることにより直接固定される構成、構成要素が別の構成要素に、この構成要素を中間部材(1つ又は複数)に取り付け、次に、同中間部材がこの他の構成要素に取り付けられることにより間接的に固定される構成、及び1つの構成要素が別の構成要素と一体である、すなわち、1つの構成要素が本質的に他の構成要素の一部である構成を包含する。
【0032】
単位操作ステーションで生じる活動に関して本明細書で使用する場合、用語「操作」は、変換及び検査を含む。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「包装」は、消費者製品の上又は周囲に少なくとも部分的に配置される構造又は材料を意味する。「一次包装」は、消費者製品が直接接触する容器を意味し、そのクロージャ、ポンプ、キャップ又は他の周辺品目を含む。「二次包装」は、一次包装に関連する任意の追加の材料、例えば、一次包装を少なくとも部分的に取り囲む、収容する又は接触するボックス又はポリマースリーブなどの容器を意味する。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「複数」は、2つ以上を意味する。
【0035】
本明細書で使用する場合、用語「推進可能」は、任意の様式で推進され得ることを意味する。運搬手段は、例えば、重力により又は機械的、電気的、磁気的若しくは他の形態の推進であり得る推進力により推進可能となり得る。
【0036】
本明細書で使用する場合、用途「工順(route)」は、最終製品を製造するために、容器を載せた運搬手段が訪れる単位操作ステーション及びこのような単位操作ステーションで完了される操作の順序付けられたリストを指す。
【0037】
本明細書で使用する場合、用語「同時」は、(厳密に)同時に開始する何かを意味するだけでなく、厳密に同時に開始及び/又は終了しない場合があるが、同じ時間フレームの間に起こる何かも意味する。運搬手段の工順設定(routing)、単位操作ステーションへの異なる運搬手段の送達、同じ若しくは異なる単位操作ステーションでの操作の実行、及び/又は同じ種類の容器若しくは異なる種類の容器において複数の(同じ又は異なる)最終製品を製造するプロセス(又はこのプロセス中の任意の工程)、のうちの1つ以上は、本明細書に記載されたシステム及び方法において同時に起こるように指定され得る。
【0038】
軌道に関して本明細書で使用する場合、用語「システム」は、1つ以上の容器を載せた運搬手段を1つ以上の単位操作へと工順設定(routed to)することができる(単一の)ネットワークを指す。したがって、システムにおける軌道及び経路は、典型的には、互いに(少なくとも間接的に)結合されていることになる。対照的に、同じ建物若しくは施設内又は異なる建物若しくは施設内の別個の接続されていない処理ラインは、システムを含むとは考えられないことになる。このため、異なる流体を容器に充填するように操作されている同じ建物内の2つの未接続の充填ラインは、システムを含むとは考えられないことになる。
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「変換(transformation)」は、容器及び/又はその内容物に対する物理的、化学的及び生物学的変化を含む。変換の例としては、載荷、分注、充填、混合、キャッピング、シーリング、加飾、ラベリング、空にすること、脱荷、加熱、冷却、低温殺菌、滅菌、包装、回転又は反転、印刷、切断、分離、機械的沈降若しくは機械的分離又は化学反応を可能にするための一時停止又はエッチングが挙げられるが、これらに限定されない。用語「変換」は、容器及び/又はその内容物の検査を含まない。
【0040】
用語「工順」を修飾するために本明細書で使用する場合、用語「ユニーク」は、単位操作ステーションの数、種類若しくは順序又は単位操作ステーションで完了する操作が別の容器を載せた運搬手段の操作とは異なることを意味する。
【0041】
本明細書で使用する場合、用語「単位操作ステーション」は、容器又はその内容物が変換又は検査であり得る操作を受ける場所を意味する。上記定義された変換の種類はそれぞれ、別々の単位操作ステーションで行われてもよく、又は、1つ以上の変換及び/若しくは検査は、単一の単位操作ステーションで行われる1つの操作として説明されてもよい。後者の1つの非限定的な例では、キャップ取り外し(uncapping)、充填及びキャッピングの変換は、単一の充填/キャッピング単位操作ステーションで行われ得る。
【0042】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、全組成の重量により計算される。
【0043】
図1〜
図9(
図1A〜
図1Dを含む)の図及び例に関して、同様の符号は、図面全体を通して同じ又は対応する構成要素を示し、
図1に、軌道22と、軌道22に沿って推進可能な複数の運搬手段24と、を含む、軌道システム20を示す。軌道システム20は、任意の適切な種類のシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、軌道システム20は、リニア同期モータ(LSM)ベースのシステムであることができ、同システムでは、電磁力(EMF)を使用して、軌道22に沿った運搬手段24の推進が容易となる。他の実施形態では、軌道システムは、運搬手段が個々のサーボモータなどにより他の何らかの様式で推進されるシステムであり得る。しかしながら、示された実施形態では、運搬手段は、リニア同期モータ(LSM)ベースのシステムにより推進される。
【0044】
運搬手段24のうちの1つが、
図2に図示され、中央リブ30により互いに結合された上部26と、下部28と、を含むように示されている。一実施形態では、上側部分26及び下側部分28は、ファスナ32により取り外し可能に互いに結合され得る。上側部分26及び下側部分28は、中央リブ30により互いに離間していることができる。
図3に示されているように、上側部分26は、中央リブ30に隣接し、下側部分28に面する摩耗面又は走行面34を含み得る。下側部分28は、軌道22に沿った運搬手段24のLSM推進を容易にする磁石36を含み得る。一実施形態では、磁石36は、S極で形成され、それぞれN極として形成された2つの端部の間に挟まれた中央磁石を有する磁石アレイであり得る。運搬手段24は、軌道システムに沿ったLSM推進を容易にするための各種の適切な代替構成のいずれかであり得ることを理解されたい。これらの代替構成のいくつかの例は、米国特許第6,011,508号、同第6,101,952号、同第6,499,701号、同第6,578,495号、同第6,781,524号、同第6,917,136号、同第6,983,701号、同第7,448,327号、同第7,458,454号、及び同第9,032,880号に記載されている。
【0045】
容器38は、容器38に流動性材料を充填すること並びに/又は容器及び/若しくはその内容物に対して他の操作を行うことを容易にするために、軌道22において容器38について工順設定するために運搬手段24に提供され得る。容器38は、流動性材料を受け入れ、分注するための少なくとも1つの開口部40を画定し得る。容器が開口部40を有すると言われる場合、複数の開口部を有する実施形態(例えば、別個のクロージャ又は単一のクロージャを有する多区画容器、プレスタブ(press-tab)通気口及びディスペンサ容器など)も含まれる。単一の運搬手段上又は異なる運搬手段上に、複数の容器が存在し得る。
【0046】
軌道システム22上に2つ以上の容器が存在する場合、容器24は、全て同じ種類若しくは幾何学的形態(すなわち、容器が同じサイズ、形状、外観のものであり、同じ容積を有する)でもよく、又は、容器のうちのいずれかが、サイズ、形状、外観若しくは容積のうちの1つ以上において他の容器と異なってもよい。容器の「形状」に言及する場合、これは、容器の外部形状を意味すると理解される。容器の「容積」に言及する場合、これは、容器の内部容積を意味すると理解される。複数の容器は、第1の、第2の、第3の容器などとして識別され得る。軌道システム上において、任意の時点で、3つ以上の容器が異なってもよく、及び/又は、他の容器とは異なる流動性材料を保持してもよい。いくつかの実施形態では、任意の所定の時点において、軌道システムに沿って配置されている、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の異なる種類の容器又は異なる種類の容器群(これらは容器の種類及び/又はそこに含まれる流動性材料において互いに異なってもよい)が存在してもよい。
【0047】
容器から製品を分注することが望まれるまで、クロージャ42は、容器に結合して開口部40を閉じ得る(すなわち、クロージャにより開口部が「選択的に封止される」)。クロージャとしては、キャップ、例えば、スナップキャップ、ねじ付きスクリューキャップ、ヒンジ及び頂部若しくは移行スパウト(transition spout)などの複数の部品を含むキャップ、接着キャップ(例えば、スパウトを備えた一部の洗濯洗剤容器に使用されるもの)、計量機能を果たすキャップ、例えば、口腔リンスキャップ、ポンプ又はトリガ及びエアロゾルノズルが挙げられるが、これらに限定されない。クロージャは、形状、サイズ及び外観を有する。容器と同様に、クロージャは、全て同じ種類でもよく、又は、クロージャのいずれかが、形状、サイズ、若しくは外観のうちの1つ以上において他のクロージャと異なってもよい。複数のクロージャは、第1の、第2の、第3のクロージャなどとして識別され得る。
【0048】
一実施形態では、
図2に示されているように、容器38は、運搬手段24の上側部分26により画定された真空ポート44を介して、運搬手段24に取り外し可能に固定され得る。このような実施形態では、容器38が運搬手段24の上側部分26に置かれたとき、一次ポート46において真空引きすることにより、真空ポート44において真空引きすることができる。容器38が真空ポート44上に設けられ、真空ポート46において真空引きされると、真空により、容器38が運搬手段24に固定され得る。一次ポート46は、一次ポート46を真空ポート44から選択的に流体的に隔離するシュレーダーバルブ(図示せず)などのバルブを含むことができ、これにより、いったん容器38が真空引きされると、バルブにより、バルブがその後作動されるまで真空が解放されることが防止される。一実施形態では、上側部分26の上面48は、容器38と上面48との間の有効な封止を促進するエラストマー材料又は他の類似の材料で形成され得る。本明細書において、運搬手段24の一部は、上側部分26として説明されているが、運搬手段のこの部分は、容器の保持面を含み、必ずしも常に上向きである必要はないと理解されたい。保持面は、任意の適切な方向に向けることができる。この向きは、本明細書に記載された方法の適切な段階において、下向き(上下逆)又は横向きを含む。(当然、流動性材料を内部に有し、その開口部が封止されていない容器は、典型的には、上下逆の状態で搬送されないことになるが、空の容器又は閉じた容器は、上下逆又は横向きに搬送され得る。)
【0049】
本明細書に記載された容器は、各種の構成のいずれかであることができ、各種の製品を保持するために、各種の業界にわたって使用することができると理解されたい。例えば、本明細書に記載された容器の任意の実施形態は、消費者製品業界及び工業製品業界にわたって使用されてもよく、ここで、上記容器は、流動性製品を収容する。容器は、1回又は複数回の充填操作で充填して、部分的又は完全な意図された充填の後に、最終製品の一部若しくは複数の成分又は全ての成分を収容してもよい。最終製品は、一部又は全部が流動可能(flowable)又は流動性でもよい。
【0050】
最終製品の例としては、以下の製品のうちの任意のものが挙げられ、全体又は一部において、これらのいずれかは、本明細書に記載され又は当技術分野で公知の任意の実行可能な(workable)流動性製品形態をとることができる:ベビーケア製品(例えば、石鹸、シャンプー及びローション);人間又は動物の毛を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための美容ケア製品(例えば、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、毛髪染料、毛髪着色剤、毛髪補修製品、育毛製品、除毛製品、毛髪減少製品など);人間又は動物の皮膚を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための美容ケア製品(例えば、石鹸、ボディウォッシュ、ボディスクラブ、洗顔料、収斂剤、日焼け止め、日焼け止めローション、リップバーム、化粧品、皮膚コンディショナー、コールドクリーム、皮膚保湿剤、制汗剤、デオドラントなど);人間又は動物の爪を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための美容ケア製品(例えば、マニキュア、マニキュア落としなど);人間の顔の毛を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための手入れ製品(例えば、剃毛製品、プリシェービング製品、アフターシェービング製品など);人間又は動物の口腔を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するためのヘルスケア製品(例えば、歯磨き粉、マウスウォッシュ、口臭消臭製品、歯垢防止製品、歯白化製品など);人間及び/又は動物の健康状態を処理するためのヘルスケア製品(例えば、薬、薬剤、医薬品、ビタミン、栄養剤、栄養補給品(カルシウム、繊維など)、咳止め製品、風邪薬、ロゼンジ、呼吸及び/又はアレルギー疾患の治療、痛み止め、睡眠薬、胃腸治療製品(胸焼け、胃腸のむかつき、下痢、過敏性腸症候群など)、浄化水、処理水など;動物の給餌及び/又は世話のためのペットケア製品(例えば、ペットフード、ペットビタミン、ペット薬剤、ペットチュー、ペット治療など);布地、布、及び/又は洗濯物を洗浄、調整、清涼化、及び/又は処理するための布地ケア製品(例えば、洗濯洗剤、布地コンディショナー、布地染料、布地漂白剤など);家庭用、商用、及び/又は産業用の食器ケア製品(例えば、手洗い、及び/又は機械洗浄用の食器用石鹸、及びすすぎ助剤);家庭用、商用、及び/又は産業用の洗浄、及び/又は脱臭製品(例えば、柔軟表面洗浄剤、硬質表面洗浄剤、ガラス洗浄剤、セラミックタイル洗浄剤、カーペット洗浄剤、木洗浄剤、マルチ表面洗浄剤、表面消毒剤、キッチン洗浄剤、風呂洗浄剤(例えば、シンク、トイレ、バスタブ、及び/又はシャワークリーナー)、装置洗浄製品、装置処理製品、車洗浄製品、車脱臭製品、空気洗浄剤、空気脱臭剤、空気殺菌剤など)、など。パーソナルケア製品としては、化粧品、ヘアケア、スキンケア及び口腔ケア製品、すなわち、ヒトにおける使用のためのシャンプー、石鹸、歯磨き粉が挙げられる。
【0051】
更なる例として、本明細書に記載されるような容器の任意の実施形態は、家庭、商業及び/又は工業、建物及び/又は敷地、建設及び/又は保守の更なる領域にわたって使用される製品又は製品要素を含んでもよい。更なる例として、本明細書に記載されるような容器の任意の実施形態は、食品及び飲料業界にわたって使用される製品又は製品要素を含み得る。更なる例として、本明細書に記載されるような容器の任意の実施形態は、医薬品業界にわたって使用される製品又は製品要素を含み得る。
【0052】
容器(例えば、38)は、各種の適切な材料、例えば、ポリマー組成物などのいずれかで形成され得ることを理解されたい。ポリマー組成物は、製品及び製品包装に形成され(例えば、容器などの様々な物品に成形され、容器を形成するために互いに結合される1つ以上のフィルム片に成形され又は他の方法で成形され)得る。いくつかの場合(例えば、ボトルを形成するために)、この組成物は、押出ブロー成形又は射出成形され得る。典型的には、高密度ポリエチレン(HDPE)は押出ブロー成形され、ポリエチレンテレフタレート(PET)は射出延伸ブロー成形される。完全に組み立てられた容器は、容器、クロージャ、ノズル及び/又はハンドルが挙げられるがこれらに限定されない、1つ以上の要素を含み得る。
【0053】
運搬手段24は、特定の種類の容器に適合するように構成され得る。このように、軌道22に沿った異なる容器種の同時工順設定を可能にするように、異なる運搬手段種が、軌道22に提供され得る。また、運搬手段24は、容器を搬送することに限定されない。いくつかの場合には、運搬手段24は、他の目的に使用され得る。同目的としては、原料を単位操作ステーションに送達すること及び切替(changeover)工具などの工具を軌道システムの周囲の様々な場所に送達することを挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、運搬手段は、加飾単位操作ステーションからラベルを取り外す工具を運ぶために使用されてもよい。
【0054】
再度
図1を参照して、軌道22は、複数の直線部分50a、複数の湾曲部分50b及び複数の移行部分50cにより形成され得る。
図4に、直線部分50aのうちの1つが図示されており、基部54aに結合している一対のレール52aを含むように示されている。基部54aは、走行面56aと、走行面56aの下に配置された複数の導電性推進コイル58aと、を含み得る。導電性推進コイルは、移動方向における軌道22に沿った運搬手段のルート設定を容易にする。各導電性推進コイルは、共通軸を画定し、この共通軸の周囲に配置された1つ以上の巻きを有する導体を含む。複数の導電性推進コイルのそれぞれの共通軸は、互いに実質的に平行であり、所望の移動方向に実質的に直交していてもよい。複数のコイル58aは、いくつかの実施形態では、プリント回路基板(PCB)であり得る、下にある基板60a上に実装され得る。複数のコイル58aは、軌道22に沿って運搬手段24を推進するための、動力用コイル(power coil)58aの通電を容易にし得る電源(図示せず)と電気的に結合させ得る。推進コイル58aは、軌道システムに沿った運搬手段の推進を容易にするために、運搬手段の磁石の両側のうち少なくとも一方に配置されてもよい。制御システム62(
図1)は、軌道22に沿った運搬手段24の推進を制御するために、コイル58aの通電を制御し得る。一実施形態では、各コイル58aは、「Hブリッジ」の出力に結合しているトランジスタ(例えば、MOSFET又はIGBT)に電気的に結合され得る。制御システム62は、各コイル58aにおける電流の量及び方向を制御するHブリッジの動作を通して、軌道22に沿った各運搬手段24の推進を制御し得る。ホール効果センサ(図示せず)は、軌道22上の運搬手段24により生成される磁界の検出を容易にするために、基部54aに沿って分布され得る。制御システム62は、ホール効果センサと電気接続して、運搬手段24の様々な推進特性(例えば、速度、方向、位置)の選択的制御を容易にし得る。
【0055】
各レール52aは、上側部分64a及び側方部分66aを有することができ、これらは互いに共同して、端部から見たときにL字形を形成する。各レール52aは、側方部分66aで基部54aにファスナ68aにより結合している。各運搬手段24が軌道22上に提供されると、各レール52aの上側部分64aは、運搬手段24の上側部分26の摩耗面34がレール52aの上側部分64aに乗ることができるように、運搬手段24の上側部分26と下側部分28との間の空間内に延び得る。代替的な実施形態では、摩耗面は、摩耗面から延びるホイールを有することができ、ホイールは、レール52aの上側部分64a上を移動することができる。各レール52aの側方部分66aは、運搬手段24の下側部分28の両側に沿って延び得る。軌道22に沿った運搬手段24の作動中、レール52aは、運搬手段24を軌道22に沿って磁気的に推進させるために十分に、走行面56aの上方に、運搬手段24を浮かせた(suspend)状態での、走行面56aに沿った運搬手段24の案内を容易にすることができる。
【0056】
ここから
図5を参照して、湾曲部分50bのうちの1つが図示されており、これは、
図4に図示された直線部分50aと多くの点で類似又は同じである。例えば、湾曲部分50bは、基部54bに結合している一対のレール52bを含み得る。基部54bは、走行面56bと、走行面56bの下に配置された複数のコイル(図示せず)と、を含み得る。しかしながら、湾曲部分50bは、軌道22に沿った運搬手段24の方向転換を容易にするために、約90度、角度が付けられ得る。
【0057】
ここから
図6を参照して、移行部分50cのうちの1つが図示されており、これは、
図4に図示された直線部分50aと多くの点で類似又は同じである。例えば、移行部分50cは、基部54cと結合している複数のレール52cを含み得る。基部54cは、走行面56cと、走行面56cの下に配置された複数のコイル(図示せず)と、を含み得る。しかしながら、移行部分50cは、直線部分70cと、異なる方向における運搬手段24のルート設定を容易にする角度付き部分72cと、を有し得る。一実施形態では、移行部分50cは、後退位置(
図6に示す)と伸長位置(図示せず)との間で旋回可能なフリッパー部材74を含み得る。フリッパー部材74が後退位置にあるとき、通過する運搬手段24は、移行部分50cの直線部分70cに沿って移動することになる。フリッパー部材74が伸長位置にあるとき、通過する運搬手段24は、直線部分70cから角度付き部分72cにルート設定されることになる。制御システム62は、フリッパー部材74と電気的に接続して、直線部分70c又は角度付き部分72cのいずれかへ、通過する運搬手段24をルート設定する、選択的制御を容易にする。直線部分70cと角度付き部分72cとの間の運搬手段の選択的ルート設定を容易にするために、各種の適切な代替的な入口スイッチ及び/又は出口スイッチのいずれかが利用され得ることを理解されたい。これらの代替構成のいくつかの例は、米国特許第9,032,880号及び米国特許出願公開第2007/0044676号に記載されている。
【0058】
再度
図1を参照して、軌道22は、一次運搬部分76と、一次運搬部分76の周囲に設けられ、一次運搬部分76から延びる少なくとも1つの(代替的には複数の)二次運搬部分78と、を含み得る。一次運搬部分76は、運搬手段24のための一次経路P1を画定し得る。二次運搬部分78はそれぞれ、入口位置80及び出口位置82において一次経路P1と交差する運搬手段24のための二次経路P2を画定し得る。運搬手段24は、関連する入口位置80及び出口位置82のそれぞれにおいて、二次運搬部分78それぞれに出入りし得る。運搬手段24は、一次運搬部分76及び二次運搬部分78を時計回り又は反時計回りに移動し得る。いくつかの実施形態では、運搬手段24のいくつかが時計回りに移動し、運搬手段のいくつかがそのルートの一部分について反時計回りに同時に移動し又はその逆も可能であるが、反対方向の移動が運搬手段間の衝突をもたらさないように注意しなければならない。
【0059】
二次運搬部分78それぞれには、それに沿って、「単位操作ステーション」の上記定義(並びにそこに含まれる変換及び検査の定義)に記載された任意の種類の単位操作ステーションのうち、1つ以上の単位操作ステーションが配置され得る。任意の適切な数の単位操作ステーションが存在し得る。一般的には、2つ以上の単位操作ステーション(例えば、2、3、4、5、...最大100又はそれ以上)が存在することになる。単位操作ステーションは、二次運搬部分78に沿って任意の適切な構成であってもよい。単位操作ステーションは、二次運搬部分の1つ以上に沿った単一の単位操作ステーション又は二次運搬部分の1つ以上に沿った単位操作ステーション群によって、構成され得る。
【0060】
図1に、二次運搬部分78上の単位操作ステーションの構成の1つの非限定的な実施形態を示す。
図1に示された実施形態において、二次運搬部分78はそれぞれ、複数の容器載荷ステーション84、複数の組み合わされた充填/キャッピングステーション86、複数の加飾ステーション88又は複数の脱荷ステーション90(例えば、まとめて「単位操作ステーション」)のうちの1つを含む。この実施形態では、特定の二次運搬部分78に位置する単位操作ステーション84、86、88、90はそれぞれ、並列に配列された異なる単位運搬区間91に沿って配置され得る。運搬手段24は、複数の容器38内への流動性材料のボトル詰めを容易にするために、二次運搬部分78の間で選択的に工順設定され得る。
【0061】
例えば、運搬手段24が空である(すなわち、容器38がない)場合、運搬手段24は、まず、空の容器38が運搬手段24に載せられる容器載荷ステーション84のうちの1つへと工順設定され得る。ついで、運搬手段24により、空の容器38は、流動性材料が充填され、クロージャ40のうちの1つにより封止される充填/キャッピングステーション86のうちの1つに工順設定され得る。ついで、運搬手段24により、容器38は、加飾ステーション88のうちの1つに工順設定されて、加飾を受けることができ、ついで、容器38は、包装を行うために、充填された容器38が運搬手段24から取り外され得る脱荷ステーション90のうちの1つへと工順設定され得る。
【0062】
図1に図示されているより、軌道22上にかなり多くの運搬手段24が存在し得ることを理解されたい。また、単位操作ステーション84、86、88、90よりかなり多くの運搬手段24も存在し得る。運搬手段24はそれぞれ、容器38の少なくともいくつかの単位操作ステーション84、86、88、90のうちの異なるものへの同時送達を容易にするために、軌道22に沿って独立して工順設定可能である。
図1に示された実施形態における単位運搬区間91は、はしごにおける横木の外観を有し得る。単位運搬区間91は、複数の運搬手段24を同時に収容するために十分な長さを有し得る。異なる単位運搬区間91は、同じ長さ又は代替的に異なる長さを有し得る。このように、複数の運搬手段24は、単位運搬区間91上で待機して、関連する単位操作ステーション84、86、88、90への送達を待つことができる。当然、運搬手段は、はしご様構造のサイドレール上でも待機し得るが、いくつかの場合には、これにより、運搬手段が、他の運搬手段が下流の単位運搬区間91に到達するのを妨害してしまうおそれがある。
【0063】
運搬手段24が単位操作ステーション84、86、88、90のうちの1つに配置されていない場合、少なくとも1つ(又はそれ以上、例えば、2、3、4、5、...最大100又はそれ以上)の運搬手段24は、一次運搬部分76の周りを連続的に回っていることができるため、二次運搬部分78に進路を変えられるまで待機している間に、二次運搬部分78を迂回し得る。一次経路P1は、運搬手段24の循環を容易にするために、閉ループの形態にあり得る。一次経路P1は、巡回的(circuital)又は連続的として記載されてもよい。一次経路P1は、任意の適切な構成のものであり得る。一次経路P1に適した構成としては、円形経路、楕円形経路又は直線部分と曲線部分との両方を含む経路が挙げられるが、これらに限定されない。後者の種類の経路の非限定的な例としては、レース軌道構成経路、(
図1に示された)丸みを帯びた角を有する概して長方形の経路及び他の閉ループ経路が挙げられる。当然、一次経路P1は、そこから二次経路P2に進路を変えられる、容器を載せた運搬手段用の入口部分及び出口部分を有するため、一次経路に入る又はそこから出る運搬手段に対して閉じられていない。
【0064】
いくつかの場合には、
図1Aに示されているように、一次経路P1は、一次運搬部分76の主閉ループの内側に配置され、主閉ループの部分間に経路を形成する1つ以上のサブループ77を更に含んでもよい。サブループ77は、主閉ループ76の対向する部分の間に経路を形成してもよい。しかしながら、サブループ77は、代替的に、主閉ループ76の対向しない部分の間に経路を形成してもよい。当然、サブループへの入口部分及び出口部分が存在する。サブループ77は、容器を載せた運搬手段のうちの少なくともいくつかが、完全に一次経路P1の閉ループの周りを移動することなく再循環するための経路を提供する。
【0065】
任意の適切な数の二次経路P2(例えば、1、2、3、4、5、...最大100又はそれ以上)が存在し得る。いくつかの場合には、2つの横木を有する、はしご構成(以下に記載)を有する単一の二次経路で十分であり得る。一般的には、2つ以上の二次経路(少なくとも1つは充填用、1つは脱荷用)が存在することになる。2つ以上の二次経路P2が存在する場合、これらは、第1の、第2の、第3の二次経路などと呼ばれ得る。同様に、二次経路用の入口位置は、第1の二次経路用の第1の入口位置及び出口位置、第2の二次経路用の第2の入口位置及び出口位置などと呼ばれてもよい。
図1に示されているように、異なる二次経路78は全て、それに沿って配置された単一の種類の単位操作ステーションを有するが、これは必須ではない。他の実施形態では、1つ以上の異なる二次経路78に沿って配置される単位操作ステーションの種類は異なってもよい。加えて、いくつかの場合には、単一の種類の単位操作ステーションが、2つ以上の二次経路に沿って配置され得る。
【0066】
二次経路P2は、任意の適切な構成のものであり得る。二次経路P2は、互いに同じ構成のものでもよいし、又は、異なる構成のものでもよい。2つ以上の二次経路P2が存在する場合、二次経路のうちの2つは、同じ構成を有してもよく、少なくとも1つの二次経路は、異なる構成を有してもよい。二次経路P2に適した構成としては、直線経路、曲線経路又は直線部分と曲線部分との両方を含む経路が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
可能な二次運搬部分(及び二次経路)の構成は、事実上無限にある。
図1A〜
図1Dに、これらのうちのいくつかを示す。直線経路の一例は、
図1Bに示された二次運搬部分78Aのような経路であり、同図において、二次経路P2は、組み合わせられた入口/出口位置で一次経路P1に結合している直線区間を形成する。容器を載せた運搬手段は、一次経路P1から離れて、このような二次経路P2に入ることができ、その後、直線二次経路P2に沿って、その移動を再び辿って、一次経路P1に再び入ることができる。直線部分と曲線部分との両方を含む二次経路の非限定的な例としては、(
図1に示された)丸みを帯びた角を有する概して長方形の経路が挙げられる。このような二次経路は、平面図ではしご構成を有するように見え得る。はしごにおいて任意の適切な数(例えば、1、2、3、4、5又はそれ以上)の横木が存在し得る。二次経路の入口部分80及び出口位置82は、
図1に示されているように、離間していてもよく、又は、他の場合には、
図1Cにおける二次運搬部分78Eに示されているように、同じ(一次経路上で離間していない)でもよい。
【0068】
二次経路P2は、一次経路P1に対して任意の適切な位置にあってもよい。1つ以上の二次経路P2は、
図1に示されているように、一次経路P1の閉ループの外側で外向きに延びてもよい。他の場合には、
図1Cに示された二次運搬部分78Fの場合におけるように、1つ以上の二次経路P2が、一次経路P1の閉ループの内側に位置してもよい。他の場合には、
図1Cに示された二次運搬部分78G及び78Hの場合におけるように、78Hなどの、二次経路の1つ以上の部分は、二次運搬部分の外側に延びてもよい(及び所望される場合には、その任意の側又は部分からはしごを形成する)。更に、
図1に示された実施形態では、一次経路P1は、丸みを帯びた角を有する4つの辺を有する概して長方形の経路であり、一次経路P1の各辺に二次経路P2の分岐が1つ存在するが、他の場合には、異なる構成が存在してもよい。例えば、
図1Aに示されているように、一次経路P1の1つ以上の辺から延びる2つ以上の二次経路P2が存在し得る。いくつかの場合には、一次経路P1の1つ以上の辺は、そこから延びる二次経路P2を有していなくてもよい。
【0069】
図1Aには、二次経路78(
図1Aの右上部分)に、場合により、戻りループ79を設け得ることが示されている。この二次経路78は、上側横木と、下側横木と、を有するはしごの形態で示されている。この場合には、上側横木は、運搬手段が一次経路76上での運搬手段の移動と同じ方向(例えば、時計回り)に移動し得る従来の横木であり得る。別の横木、例えば、下側横木は、戻りループ79を提供することができ、戻りループ79において、運搬手段は、矢印の方向にはしごの入口脚に戻ることができる。これにより、運搬手段は、必要に応じて、この特定の二次経路上の2つ以上の単位操作ステーションを通して送られ得る。また、これにより、運搬手段は、必要に応じて、この特定の二次経路上で2回以上、1つ以上の単位操作ステーションを通して送られ得る。
【0070】
図1Bに、いくつかの他の二次経路構成を示す。二次経路78Bは、二次経路78Aと機能が類似しているが、曲線構成を有する二次経路の例である。二次経路78Cは、運搬手段が入口点の下流にある出口点に運搬されるのを可能にする追加の脚を含む。二次経路78C上の運搬手段は、二次経路の第1の脚部内に「ヘッドファースト」で移動することとなり、ついで、方向を反転し、この二次経路の第2の脚部に沿って移動するとき、「テールファースト」で移動することになる。二次経路78Dは、別の追加の(3番目の)脚部(二次経路78Cのものを越える)を含み、これにより、運搬手段は、再び向きを変え、一次経路76に戻る際に、この第3の脚部に沿ってヘッドファーストで移動し得る。
【0071】
図1Dは、別の二次経路構成を示す。
図1Dに示されているように、任意の適切な様式で並列又は直列にネスト又はカスケードされた複数の二次経路が存在することが可能である。
【0072】
一次運搬部分76の周りを運搬手段24が循環することにより、軌道22上の渋滞を緩和することができ、軌道システム20のスループットを高めることができる。例えば、運搬手段24が最終製品を製造する過程におけるシーケンスの次の単位操作ステーション84、86、88、90へと工順設定されるようにスケジューリングされており、かつ、その単位操作ステーション84、86、88、90が占有されている場合(すなわち、単位操作ステーション84、86、88、90を占有する他の運搬手段24により)、運搬手段24は、一次運搬部分76の周りを(すなわち、待機パターンで)循環し得る。スケジューリングされた単位操作ステーション84、86、88、90が運搬手段を受け入れる準備ができると、ついで、運搬手段24は、スケジューリングされた単位操作ステーション84、86、88、90の適切な運搬区間91に進路を変えられ得る。
【0073】
1つ以上の種類の単位操作ステーションが、一次運搬部分76に沿って位置することが可能である。しかしながら、一次運搬部分76上での渋滞を緩和し、1つ以上の運搬手段24が一次経路P1に沿って連続的に循環するのを可能にするために、一次運搬部分76は、いくつか又は全ての単位操作ステーション(すなわち、84、86、88、90)を欠くことができ、代わりに、単位操作ステーションは、上記のように、二次運搬部分78に位置することができる。代替的に、一次運搬部分76は、それに沿って位置する高速サイクルステーションのみを有してもよい。したがって、運搬手段24は、単位操作ステーション84、86、88、90により行われる操作を受けるために、一次運搬部分76から進路を変えられるため、一次運搬部分76上での交通の流れを妨害しない。(当然、他の実施形態では、1つ以上の単位操作ステーションが、一次運搬部分76に沿って位置することができ、他の単位操作ステーションが、二次運搬部分78上に位置することができる。)
【0074】
軌道システム20をこの様式で作動させることにより、従来の容器充填構成より効率的に充填容器を製造し得る。以下に更に詳細に記載されるように、制御システム62は、軌道22の動作、運搬手段24それぞれの工順設定及び単位操作ステーション84、86、88、90それぞれの動作を調整して、最終製品のオーダーを効率的かつ効果的に満たし得る。このため、制御システムは、軌道22、運搬手段24及び単位操作ステーション84、86、88、90と通信している。これらの構成要素の動作の調整としては、例えば、運搬手段の識別、運搬手段のスケジューリング、衝突回避、工順選択、停止報告などを挙げることができる。
【0075】
図1に示された実施形態における単位操作ステーション84、86、88、90はそれぞれ、ここからより完全に説明されることになる。容器載荷ステーション(又は単に「載荷ステーション」)84は、空の容器(例えば、38)及び/又はそのクロージャを、容器載荷ステーション84に位置する運搬手段24上に載せることを容易にするように構成され得る。容器載荷ステーション84は、容器及び/又はクロージャを運搬手段へ載せることを容易にする、各種の自動化及び/又は手動構成のいずれかを含み得ることを理解されたい。載荷は、例えば、任意選択的なゲートを有する重力供給シュート又は機械的動作装置により、手動で、静的に行い得る。適切な機械動作装置としては、独立作動式自動アーム、空圧アーム、ロボット、輸送ホイール及び他の機械的運動要素が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、容器載荷ステーション84はそれぞれ、容器38及び/又はクロージャを保管領域から取り出し、容器38及び/又はクロージャを運搬手段24上に置くロボットアーム(図示せず)を含み得る。容器38及び/又はクロージャの把持を容易にするために、各ロボットアームは、ロボット下顎(robotic mandible)、吸引端又は容器38及び/若しくはクロージャの把持を可能にする各種の適切な追加又は代替構成のいずれかを有し得る。容器38及び/又はクロージャが運搬手段24の定位置に配置されると、真空ライン(図示せず)が一次ポート46(
図2)に挿入されて、真空ポート44において真空引きすることにより、容器38及び/又はクロージャを運搬手段24に一時的に固定し得る。ついで、真空ラインは、一次ポート46から取り外されることにより、容器38及び/又はクロージャの真空を維持するために、関連する弁(図示せず)を閉じ得る。
【0076】
充填単位操作ステーションは、流動性材料を少なくともいくつかの容器に分注するために使用される。充填単位操作ステーションは、容器を任意の特定のレベル(例えば、「満杯」レベル)に充填する必要はない。充填単位操作ステーションは、任意の適切な流動性材料を容器に分注し得る。いくつかの場合には、充填単位操作ステーションは、最終製品の全ての成分を含む組成物を容器に分注し得る。代替的には、充填単位操作ステーションは、ベース組成物を容器に分注することができ、最終製品を形成するために、容器は、そこに添加される他の成分を有する別の充填単位操作ステーションに送られ得る。このため、いくつかの充填単位操作ステーションは、最終製品組成物の一部分のみを分注してもよい。このような部分としては、水、シリコーン(例えば、コンディショニング剤として使用するためのものなど)、染料、芳香剤、香料、漂白剤、消泡剤、界面活性剤、構造化剤などが挙げられるが、これらに限定されない。成分が別々に添加される場合、それらは、任意の適切な単位操作ステーションで混合され得る。
【0077】
加えて、いくつかの充填単位操作ステーションは、1種類の流動性材料のみを分注するように構成されてもよいが、充填単位操作ステーションは、1種類の流動性材料のみ(例えば、1色の染料など)を分注することに限定されない。いくつかの場合には、充填単位操作ステーションの1つ以上は、異なる成分を(例えば、異なる流動性材料サプライ及びノズルから)分注するように構成され得る。例えば、同じ充填単位操作ステーションは、緑色の最終組成物、青色の最終組成物及び赤色の最終組成物を分注することができ、又は、緑色染料、青色染料及び赤色染料を分注することができる。このような場合には、少なくとも2つの異なる種類の容器(例えば、第1の、第2の、第3の容器など)は、同じ流動性材料分注単位操作ステーションから、又は、同じ種類の流動性材料分注単位操作ステーションから、最終組成物のための1つ以上(又は全て)の成分を受け取ってもよい。
【0078】
したがって、充填単位操作ステーションは、流動性材料を容器に分注するための複数の独立制御可能なノズルを含み得る。このような独立制御可能なノズルは、多数の異なる形態をとってもよい。いくつかの場合には、単一のノズルを使用して、2つ以上の異なる流動性材料を分注し得る。他の場合には、充填単位操作ステーションは、複数のノズルを含むノズルバンクを含んでもよく、同ノズルはそれぞれ、同じか又は異なる流動性材料を分注するように構成されてもよい。更に他の場合には、1つ以上のノズルは、異なる高さの容器に適合するように、上方及び下方に移動可能であり得る。
【0079】
組み合わせられた充填/キャッピングステーション86は、流動性材料を容器38に分注し、いったん充填されると、容器38にクロージャを適用するように構成され得る。
図7に、組み合わせられた充填/キャッピングステーション86の一例が図示されており、充填部分92と、キャッピング部分94と、を含むように示されている。充填部分92は、後退位置(
図7)と伸長位置(図示せず)との間を垂直に移動し得る充填アーム96を含み得る。キャッピング部分94は、後退位置(図示せず)とキャッピング位置(
図7)との間を垂直に移動し得るキャッピングアーム98を含み得る。容器38の充填を開始するために、空の容器38が充填アーム96の下に位置する状態で、運搬手段24が、充填部分92へと工順設定され得る。ついで、充填アーム96は、後退位置から伸長位置まで移動して、容器38の開口部40と係合し得る。ついで、充填アーム96は、流動性材料を容器38に分注し得る。流動性材料が分注されると、充填アーム96は、流体の分注を停止することができ、後退位置に戻ることができる。ついで、運搬手段24は、クロージャ42がキャッピングアーム98の下に位置した状態で、キャッピング部分94へと工順設定され得る。ついで、キャッピングアーム98は、クロージャ42まで延び、クロージャ42を把持し、ついで、後退位置に戻り得る。ついで、運搬手段24は、容器38の開口部40をキャッピングアーム98の下に移動させ得る。キャッピングアーム98は、キャッピング位置まで移動することができ、クロージャ42を容器38にねじ込むか、又は、他の方法で取り付けることができる。クロージャ42は、内容物にアクセスするために、消費者により取り外し可能又は開放可能でもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、クロージャ42は、容器40上で運搬されてもよい。このような実施形態では、運搬手段24が充填/キャッピングステーション86に到着すると、運搬手段24は、まず、キャッピング部分94へと工順設定され得る。キャッピングアーム98は、クロージャ42を容器38から取り外すことができ、クロージャ42を保持しながら、後退位置に移動することができる。ついで、容器38を流体で充填するために、運搬手段24は、充填部分92へと工順設定され得る。容器が充填されると、運搬手段24は、キャッピングステーション94に戻ることができ、ここで、キャッピングアーム98は、クロージャ42を容器38に固定する。他の実施形態では、クロージャ42は、容器上ではないが、容器38と同じ運搬手段上にある状態で(例えば、同じ運搬手段上であるが、容器に隣接する)、充填/キャッピングステーション86に運搬され得る。他の実施形態では、クロージャ42は、容器38を運搬している運搬手段とは異なる運搬手段(例えば、別個の運搬手段)上にある状態で、充填/キャッピングステーション86に運搬され得る。クロージャが運搬手段上で運搬されるとき、クロージャは、真空により(又は他の何らかの適切な様式で)保持され、必要に応じて、最終製品単位操作ステーションのいずれかに送られ得る。例えば、クロージャ42を、クロージャを加飾するための加飾ステーションに送ることが望ましい場合がある。更に他の実施形態では、クロージャ42は、空の容器38と共に運搬されなくてもよいが、代わりに、キャッピング部分94に到達したとき(すなわち、容器38が流動性材料で充填された後)に、容器38に提供され得る。充填/キャッピングステーション86は、容器の充填及びキャッピングを容易にする、各種の追加又は代替の自動及び/又は手動構成のいずれかを含み得ることを理解されたい。
【0081】
図8に、二次運搬部分1078の代替的な実施形態が図示されており、
図1及び
図7に示され、上記された充填/キャッピングステーション86と多くの点で類似又は同じである、複数の充填/キャッピングステーション1086を含むように示されている。しかしながら、充填/キャッピングステーション1086は、軌道(例えば、22)の一次運搬部分1076に沿って直列に配置された、異なる単位運搬区間1091に沿って配置され得る。他の単位操作ステーションは、追加的に又は代替的に、直列に配置された、異なる単位運搬区間1091に沿って配置され得ることを理解されたい。
【0082】
加飾ステーション88は、容器38のラベリング、印刷又は他の方法での加飾を容易にするように構成され得る(また、場合により、そのクロージャに対しても同じことを行う)。一実施形態では、加飾ステーション88のうち少なくとも1つは、容器38に適用するためのラベルを印刷するプリンタ(図示せず)を含み得る。このような実施形態では、プリンタは、バッキング基材上にあるステッカー上にラベルを印刷し得る。スプーリングアセンブリ(図示せず)は、ステッカー及びバッキング基材を受け入れ得る。容器38を運ぶ運搬手段24がスプーリングアセンブリを通過するとき、スプーリングアセンブリを通過する容器38の移動により、容器38へのステッカーの適用が容易になり得る。他の実施形態では、プリンタは、転写コンポーネント上にインクを印刷することができ、接着剤が、インク上に適用されて、複合構造を形成することができる。ついで、インクと接着剤の複合構造は、(別個のステッカーを使用せずに)ラベル又は装飾を形成するために、転写コンポーネントから容器上へ転写され得る。このような構成は、ラベルの「オンデマンド」印刷を容易にすることができ、これにより、異なるラベルが、運搬手段24により運ばれる異なる種類の容器38及び/又は流体に対して印刷され得る。これらのラベルは、例えば、文字、グラフィックス、ブランディング、成分、SKU情報又は容器38が販売のために展示されるときの他の視覚的要素などの様々な種類の装飾及び製品情報を含み得る。必要に応じて、容器は、小売業者又は個々の消費者からのオーダーに対して及び/又はそれに応答して、個別化させる(personalize)こともできる。
【0083】
脱荷ステーション90は、運搬手段24からの充填済み容器38の取り出しを容易にするように構成され得る。一実施形態では、脱荷ステーション90はそれぞれ、包装(例えば、店舗ディスプレイ又は出荷容器)を行うために、容器38を各運搬手段24から回収するロボットアーム(図示せず)を含み得る。容器38の把持を容易にするために、ロボットアームは、ロボット下顎、吸引端又は容器38の把持を可能にする各種の適切な追加又は代替構成のいずれかを有し得る。容器38が運搬手段24から取り外されると、運搬手段24は、充填のための別の空の容器38を受け入れるために、容器載荷ステーション84へと工順設定され得る。脱荷ステーション90は、容器の包装への脱荷を容易にする各種の追加又は代替の自動及び/又は手動構成のいずれかを含み得ることを理解されたい。
【0084】
いくつかの実施形態では、容器38は、販売業者で販売するために容器38を陳列するように設計された包装に提供され得る。このような包装では、容器38は、個々に販売するために提供されることができ、又は、共に商取引の物品を形成する1つ以上の他の容器又は製品と共に包装されることができる。容器38は、二次包装のある、又は、二次包装のない一次包装として販売のために提供され得る。容器38は、店舗の棚上に横にするか若しくは直立した状態、販売促進陳列(merchandising display)で提示した状態、陳列ハンガに掛けた状態、又は、陳列ラック若しくは自動販売機内に装填した状態で、販売用に陳列されるように構成され得る。容器38が流動性製品用である場合、容器38は、これらの方法のいずれか又は意図した技術分野で公知の他の任意の方法で、問題なく陳列可能な構造で構成され得る。いくつかの実施形態では、脱荷ステーション90は、従来の操作で多くの場合必要とされるような容器38の手動操作を必要とせずに、同じ包装内で異なる種類の容器及び/又は流動性材料の包装(「バンドル化(bundling)」)を容易にし得る。
【0085】
軌道システム20は、任意の適切な数及び/又は種類の検査ステーションを含み得る。例えば、
図1において、軌道システム20は、通過する容器38をスキャンするようにそれぞれ構成されている第1のスキャナ100及び第2のスキャナ102を含み得る。第1のスキャナ100は、入口位置80のうちの1つと充填/キャッピングステーション86との間に位置することができ、通過する各運搬手段24をスキャンして、容器38が存在するかどうかを判定することができる。第2のスキャナ102は、加飾ステーション88と脱荷ステーション90との間に位置することができ、通過する各運搬手段24をスキャンして、その上に配置された容器38が脱荷ステーション90による包装の準備ができているかどうかを判定することができる。
【0086】
容器38が(例えば、内容物及び/又は容器の欠陥により)脱荷ステーションのうちの1つによる包装の準備ができていない場合、容器は、その目的地の脱荷ステーションで降ろされ得る。他の場合には、容器を有する運搬手段は、代替的な脱荷ステーションに送られ得る。目的地又は代替の脱荷ステーションでは、下記動作のうちの1つ以上を行い得る:容器及び/若しくはその内容物の欠陥を修復することができ;容器を空にしてリサイクルすることができ、並びに/又は、容器及び/若しくはその内容物を廃棄し得る。容器は、脱荷ステーションから降ろされ、運搬手段は、新たな工順割り当ての準備が整う。
【0087】
第1のスキャナ100及び第2のスキャナ102は、運搬手段24及び/又は容器38から情報を取得するための各種のスキャナのいずれか、例えば、赤外線スキャナであり得る。第1のスキャナ100及び第2のスキャナ102は、例えば、QRコード又はUPCバーコードなどの、容器38からの各種のデータの読取りを容易にするようにも構成され得る。
【0088】
軌道システム20は、異なる種類の流動性材料を様々な種類の異なる容器に同時に分注することを容易にし得ることを理解されたい。(当然、異なる容器への分注の開始時間及び終了時間は、正確に一致してもよいが、必ずしも一致する必要はない。異なる容器への分注は、時間的に少なくとも部分的にのみ重複してもよい)
【0089】
加えて、いくつかの場合には、1つ以上の容器は、最終製品を製造するために使用される流動性材料が充填されなくてもよい。例えば、1つ以上の容器は、充填単位操作ステーションにおいて1つ以上のノズルから洗浄又はフラッシュされる流動性材料を受容するために使用されてもよく、この流動性材料は、その後、廃棄又はリサイクルされ得る。
【0090】
以下でより詳細に説明されることになるように、各運搬手段24に提供される特定の容器種及び流動性材料は、特定の製造スケジュールを満たすように制御システム62により選択されることができ、各運搬手段24は、容器38の載荷及び充填を容易にするために、単位操作ステーション(例えば、84、86、88、90)間のユニークな工順に沿って独立かつ同時に工順設定され得る。各運搬手段24のためのユニークな工順は、少なくとも部分的に、運搬手段の種類(すなわち、運搬手段24が適合するように構成された1つ以上の容器の種類)、他の運搬手段24のために選択されたユニークな工順、及び/又は、例えば、脱荷ステーション90が包装のために必要とする最終製品の種類に基づいて、制御システム62により選択され得る。軌道システム20は、従来の構成より効率的かつ効果的に、異なる種類の容器に異なる種類の流体を充填するのを容易にし得ることを理解されたい。従来の構成、例えば、リニアモータ充填ラインは、典型的に、一度に1種類の流体を1種類の容器に充填するのを可能にするのみである。したがって、多くの場合、個別のシステムが、製造される各容器及び流体に対して必要とされ、これは、高価で時間がかかるおそれがある。加えて、これらのシステムを異なる容器及び/又は流体を使用するように変換することも、高価で時間がかかるおそれがある。したがって、軌道システム20は、これらの従来の構成より費用がかからず、時間がかからない様式で、異なる種類の充填済み容器の製造を可能にする解決策であり得る。
【0091】
異なる単位操作ステーションで行われる操作は、同じ時間量を要する可能性があるが、そうでない場合が多いと理解されたい。これらの期間は、第1の持続時間、第2の持続時間、第3の持続時間などと呼ばれてもよい。第1の、第2の、第3の持続時間などは同じであることができ、又は、ある持続時間が他の持続時間より長くてもよい。例えば、いくつかの単位操作ステーションは、他の単位操作ステーションと比較して比較的に速い操作を行い;いくつかの単位操作ステーションは、比較的遅くてもよく、いくつかの単位操作ステーションは、比較的速いいくつかの操作及びより遅いいくつかの操作を行ってもよい(例えば、1つの成分を分注することができ、また、完全な組成物を含むより多くの量を分注することができる充填ステーションなど)。したがって、
図1には、同数の充填/キャッピング単位操作ステーション及び加飾ステーションが示されているが、これは必須ではない。このため、このシステムは、例えば、より低速な単位操作ステーションより少ない、比較的高速な単位操作ステーションを有してもよい。
【0092】
また、異なる種類の最終製品を製造するために開始から終了までにかかる時間(スループットタイム)は、同じでもよく、又は、異なる種類の最終製品について異なってもよいことも理解されたい。最終製品を製造するためにかかる時間は、同じ種類の最終製品について同じか又は異なってもよい。最終製品を製造するためにかかる時間は、空の容器が載荷ステーションに到着したときに生じる開始点から始まり、最終製品が脱荷ステーションで降ろされる目的点で終わるものとして測定され得る。
【0093】
ここから
図9を参照して、制御システム62は、運搬手段位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106及び軌道システムコントローラ108を含むことができ、これらは、互いに通信可能に接続しており、協働して最終製品の製造を容易にすることができる。運搬手段位置コントローラ104は、位置決めモジュール110及び衝突防止モジュール112を含み得る。位置決めモジュール110は、軌道22に沿った指定位置における運搬手段24の位置決めを容易にし得る。運搬手段24はそれぞれ、それに対応付けられたユニークな識別子を有することができ(ユニークさは、軌道上の他の運搬手段に対してのみ必要である)、それにより、運搬手段位置決めモジュール110は、運搬手段24を識別し得る。以下で更に詳細に説明されることになるように、運搬手段位置コントローラ104は、軌道システムコントローラ108から、運搬手段24についての所望の位置座標を受信し得る。運搬手段位置コントローラ104は、各運搬手段24についての位置座標に基づいて、軌道22に沿って運搬手段24を移動させ得る。
【0094】
制御システム62は、任意の適切なコンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイス(図示せず)の組み合わせであることができ、当該技術分野において理解されることになるように、カスタムチップ、埋込み処理デバイス、タブレットコンピューティングデバイス、パーソナルデータアシスタント(PDA)、デスクトップ、ラップトップ、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、サーバ、メインフレーム又は任意の他の適切なプログラマブルデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示された様々な実施形態では、単一のコンポーネントは、複数のコンポーネントで置き換えられることができ、複数のコンポーネントは、単一のコンポーネントで置き換えられて、1つ以上の所定の機能を実行し得る。このような置換が有効でないことになる場合を除いて、このような置換は、実施形態の意図された範囲内である。
【0095】
コンピューティングデバイスは、例えば、任意の適切な種類の処理ユニット、例えば、汎用中央演算処理装置(CPU)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)であり得るプロセッサ、パイプライン又は複数の処理能力を有する(複数のコアを有することを含む)プロセッサ、複合命令セットコンピュータ(CISC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを含み得る。コンピューティングリソースは、分散コンピューティングデバイス、クラウドコンピューティングリソース及び仮想コンピューティングリソース全般も含み得る。
【0096】
コンピューティングデバイスはまた、1つ以上のメモリ、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プロセッサに関連するキャッシュメモリ又はダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリカード又はディスク、ソリッドステートドライブなどの他のメモリも含み得る。コンピューティングデバイスは、記憶媒体、例えば、複数のモジュールを有するように構成され得る記憶デバイス、例えば、磁気ディスクドライブ、フロッピードライブ、テープドライブ、ハードドライブ、光ドライブ及びメディア、光磁気ドライブ及びメディア、コンパクトディスクドライブ、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスクレコーダブル(CD−R)、コンパクトディスクリライタブル(CD−RW)、適切な種類のデジタル多用途ディスク(DVD)又はブルーレイディスクなども含み得る。フラッシュドライブ、ソリッドステートハードドライブ、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、仮想ドライブ、ネットワークドライブ及びプロセッサ上の記憶媒体又はメモリを含む他のメモリ手段などの記憶媒体も、記憶デバイスとして想定されている。このようなメモリは、開示された実施形態の操作に関して、内部的であってもよいし、又は外部的であってもよいことを理解されたい。本明細書に記載されたプロセスの特定の部分は、コンピュータシステムにプロセス工程を実行するように指示する、1つ以上のコンピュータ可読媒体上に格納されている命令を使用して行い得ると理解され得る。本明細書で使用する場合、非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的な伝搬信号を除く全てのコンピュータ可読媒体を含む。
【0097】
ネットワーク及び通信インターフェースは、ネットワークを介して他のコンピューティングデバイスにデータを送信し、又は、他のコンピューティングデバイスからデータを受信するように構成され得る。ネットワーク及び通信インターフェースは、イーサネットインターフェース、無線インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース又は任意の他の適切な通信インターフェースであることができ、受信機、送信機及びトランシーバを含むことができる。明確性の目的で、トランシーバは、トランシーバの入力機能のみ又は出力機能のみに言及する場合、受信機又は送信機と呼ばれ得る。例示的な通信インターフェースは、有線データ伝送リンク、例えば、イーサネット及びTCP/IPを含み得る。通信インターフェースは、プライベートネットワーク又はパブリックネットワークとインターフェースをとるための無線プロトコルを含み得る。例えば、ネットワークと通信インターフェース及びプロトコルとは、プライベート無線ネットワーク、例えば、WiFiネットワーク(IEEE802.11xファミリーのネットワーク)又は別の適切な無線ネットワークと通信するためのインターフェースを含み得る。ネットワーク及び通信インターフェースは、例えば、符号分割多元接続(CDMA)及びグローバル移動体通信システム(GSM)を含む、セルラーネットワークプロバイダにより使用される無線プロトコルを使用して、パブリック無線ネットワークと通信するためのインターフェース及びプロトコルを含み得る。コンピューティングデバイスは、ネットワーク及び通信インターフェースを使用して、ハードウェアモジュール、例えば、データベース若しくはデータストア又は1つ以上のサーバ又は他のネットワークに接続済みのコンピューティングリソースと通信し得る。データは、暗号化されるか、又は、不正アクセスから保護され得る。
【0098】
様々な構成において、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの様々なコンポーネントを相互接続するためのシステムバスを含むことができ、又は、コンピューティングデバイスは、1つ以上のチップ、例えば、プログラマブル論理デバイス又は特定用途向け集積回路(ASIC)と一体化されていてもよい。システムバスは、メモリコントローラ、ローカルバス又は入出力デバイスをサポートするための周辺バス及び通信インターフェースを含み得る。例示的な入出力デバイスとしては、キーボード、キーパッド、ジェスチャ又はグラフィカル入力デバイス、モーション入力デバイス、タッチスクリーンインターフェース、1つ以上のディスプレイ、オーディオユニット、音声認識ユニット、振動デバイス、コンピュータマウス及び任意の他の適切なユーザインターフェースが挙げられる。
【0099】
プロセッサ及びメモリは、コンピュータ可読命令、データ、データ構造、プログラムモジュール、コード、マイクロコード及びコンピュータ可読命令を本明細書に記載された方法を実行するための他のハードウェアコンポーネントに関連して非一時的コンピュータ可読媒体に格納するための他のソフトウェアコンポーネントを格納するための不揮発性メモリを含み得る。ソフトウェアコンポーネントとしては、ソースコード、コンパイルされたコード、解釈されたコード、実行可能なコード、静的コード、動的コード、暗号化されたコード又は、任意の適切な高レベル、低レベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル、又は解釈されたプログラミング言語を使用して実装される任意の他の適切な種類のコード若しくはコンピュータ命令を挙げることができる。
【0100】
再度
図9を参照して、軌道22に沿った運搬手段24の工順設定を容易にするために、運搬手段位置コントローラ104は、複数のコイル58a及び移行部分50c(例えば、フリッパー部材74)の動作を制御し得る。また、運搬手段位置コントローラ104は、運搬手段24が軌道22に沿って配置されるときに、運搬手段24間の衝突も防止し得る。例えば、運搬手段位置コントローラ104は、軌道22上の運搬手段24の位置及び/又は速度を追跡し得る。運搬手段24が衝突を引き起こすおそれのある様式で別の運搬手段24に接近し始めた場合、運搬手段位置コントローラ104は、接近する運搬手段24及び/又は接近されている運搬手段24の速度を調節して(速度を上げ又は下げて)、衝突を防ぎ得る。運搬手段位置コントローラ104は、軌道22に固有のもの(original)であり、軌道22と共に構築される搭載型コントローラであり得ると理解されたい。一実施形態では、運搬手段コントローラ104は、軌道22の製造業者(例えば、MagneMotion,Inc.,Devens,MA,U.S.A.)から軌道と共に提供され得る。
【0101】
製品スケジューリングコントローラ106は、空の各運搬手段24についての容器の種類及び流動性材料の種類(例えば、最終製品)を割り当てるように構成され得る。また、製品スケジューリングコントローラ106は、割り当てられた最終製品を達成する所望の工順を割り当てるようにも構成され得る。軌道システムコントローラ108は、運搬手段24を軌道22の周りに工順設定し、運搬手段24に割り当てられた最終製品及び工順に基づいて、単位操作ステーション84、86、88、90を操作するように構成され得る。
【0102】
制御システム62は、要求データに基づいて運搬手段のための独立した工順を事前に割り当てる中央割り当て機構として構成されてもよい。制御システム62は、軌道システム上で製造される最終製品についての要求を受信し、運搬手段のための工順を決定し(ここで、この工順は、1つ以上の単位操作ステーションの状態に基づいて決定される)、推進されるべき運搬手段を決定された工順に沿って進行させて、1つ以上の要求された最終製品を製造し、この最終製品を脱荷ステーションに送達する。これらの工程は、上記の順序又は任意の順序で行われ得るが、ただし、製造する最終製品に対する少なくともいくらかの要求が最初に受け取られるものと理解されたい。一般的には、工順設定されている運搬手段が複数ある場合、制御システムは、異なる運搬手段についてこのような工程を行い得る。これらの運搬手段は、任意の所定の時間にこれらの工程を通過する異なる段階にあってもよい(そして、制御システムは、任意の所定の時間に種々の運搬手段について、これらの工程のいずれかを実行し得る)。
【0103】
単位操作ステーションの状態は、(a)単位操作ステーションの準備状態(単位操作ステーションが故障していないかどうか)、(b)単位操作ステーションの1つ以上の能力(すなわち、単位操作ステーションの説明)、(c)1つ以上の単位操作ステーションにおいて将来完了することが予想されるか又はスケジューリングされる操作に関する情報(各工順に沿った他の運搬手段の進行を含む)、(d)単位操作ステーションの能力利用に関する情報(すなわち、その能力がその最大能力に対してどれくらい使用されているか又は逆にその最大能力に対してどれくらい頻繁にアイドル状態にあるか)、(e)他の単位操作ステーションの能力利用に関する情報(他の単位操作ステーションの利用(類似又は非類似)、(f)単位操作ステーションへの原料(例えば、流動性材料、ラベルなど)の利用可能性に関する情報、及び(g)単位操作ステーションに関する予測される保守活動に関する情報を含み得る。
【0104】
決定された工順は、いくつかの場合には、1つ以上の他の運搬手段の前又は1つ以上の他の運搬手段の後に、1つ以上の単位操作ステーションに到着することに対して1つ以上の制約を有してもよい。他の場合には、決定された工順は、1つ以上の他の運搬手段の前又は1つ以上の他の運搬手段の後に、1つ以上の単位操作ステーションに到達することに対して制約を有さない場合がある。決定された工順は、運搬手段のステータス情報に基づいて決定される。このようなステータス情報は、運搬手段の容器保持インターフェースの種類、運搬手段の最大速度、運搬手段の最大加速度、運搬手段により保持され得る最大容器重量、最大容器サイズ及び運搬手段についての他の任意の関連情報を含み得る。決定された工順は、全ての可能のある工順のサブセットから選択されることができ、とりわけ、要求された最終製品の製造という結果をもたらす全ての可能のある工順のセットから選択されることができる。決定された工順は、潜在的な工順を比較することにより選択され、この場合、このような比較は、1つ以上の単位操作ステーションの利用又は能力を考慮し、選択された工順は、1つ以上の単位操作ステーションの能力を最もよく利用するように選択されてもよい。
【0105】
決定された工順は、他の運搬手段がその予定された工順に沿って実際に進行した程度を含めて、他の運搬手段24に割り当てられた工順を考慮し、これにより、過剰な運搬手段が同様の時間に同様な場所に到達することにより引き起こされる渋滞を回避し、運搬手段が適切な場所に所望の順序で到着することになることを確実にし得る。
【0106】
決定された工順は、アルゴリズム(以下に記載される)を使用して決定されてもよく、ここで、アルゴリズムは、アルゴリズムの回帰法に対する修正を必要とせずに、広範囲の軌道構成及び単位操作ステーション構成に適用可能であるように、回帰法を含んでもよい。このアルゴリズムは、単位操作ステーションが、製造されるべき最終製品に対する要求を受け取る工程において指定された最終製品の製造に寄与することを可能にするように、単位操作ステーションが他の単位操作ステーションから部分的又は完全に完成した製品を要求するシステムを実装してもよい。単位操作ステーションからの要求は、必要とされる製品及びそれらの製品が必要とされ得る時間を記述してもよい。(しかしながら、載荷単位操作ステーションは、典型的には、部分的又は完全に完成した製品よりむしろ、運搬手段についての要求を受け取ることになる)単位操作ステーションからの要求は、工順決定アルゴリズムが単位操作ステーションを適切な要求と結びつける工順のみを考慮するのを可能にし、工順を決定するために必要とされる時間及び処理能力を、軌道に沿って運搬手段の工順設定を行うためのあらゆる可能性のある方法のメリットを評価するアルゴリズムと比較して、実質的に低減する。このようなアルゴリズムは、短期間(例えば、1秒未満)又は非常に短期間(100ミリ秒、50ミリ秒、5ミリ秒又はいくつかの実施形態ではそれ以下)で、軌道に沿って運搬手段を工順設定するための多くの可能な方法(1000億、1兆又はいくつかの実施形態では更に多くの方法が可能である)から、最良の工順を決定する問題を解決し得る。このようなアルゴリズムは、いくつかの実施形態の形態をと得、そのうちのいくつかは、単位操作ステーションで要求される製品に数量又は優先順位を割り当てる場合がある。
【0107】
ここから、最終製品を製造するために協働する運搬手段位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106及び軌道システムコントローラ108の例が説明されることになる。まず、運搬手段24が空であるとき(システムの始動又は脱荷ステーションでの空にされたかのいずれかのため)、軌道システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106から、運搬手段24に割り当てられるべき次の最終製品を要求し得る。製品スケジューリングコントローラ106は、最終製品を運搬手段24に割り当てることができ、最終製品を完成するために運搬手段24がとる所望の工順を提供することができる。ついで、軌道システムコントローラ108は、運搬手段24を容器載荷ステーション84のうちの1つに工順設定することになる運搬手段位置コントローラ104に座標を提供し得る。ついで、運搬手段位置コントローラ104は、(指定された座標を介して)運搬手段24を容器載荷ステーション84へと工順設定し、運搬手段24がその目的地に到達したときに、軌道システムコントローラ108に通知する。ついで、軌道システムコントローラ108は、容器載荷ステーション84の操作を容易にし得る。容器38が運搬手段24上に載せられた後、軌道システムコントローラ108は、運搬手段24を充填/キャッピングステーション86のうちの1つへと工順設定することになる運搬手段位置コントローラ104に座標を提供し得る。ついで、運搬手段位置コントローラ104は、(指定された座標を介して)運搬手段24を充填/キャッピングステーション86へと工順設定し、運搬手段24がその目的地に到達したときに、軌道システムコントローラ108に通知する。ついで、軌道システムコントローラ108は、充填/キャッピングステーション86の動作を容易にし得る。容器38が充填され、キャッピングされた後、軌道システムコントローラ108は、運搬手段24を加飾ステーション88のうちの1つへと工順設定することになる運搬手段位置コントローラ104に座標を提供し得る。ついで、運搬手段位置コントローラ104は、(指定された座標を介して)運搬手段24を加飾ステーション88へと工順設定し、運搬手段24がその目的地に到達したときに、軌道システムコントローラ108に通知する。ついで、軌道システムコントローラ108は、加飾ステーション88の動作を容易にし得る。容器38が加飾された後、軌道システムコントローラ108は、運搬手段24を脱荷ステーション90のうちの1つへと工順設定することになる運搬手段位置コントローラ104に座標を提供し得る。ついで、運搬手段位置コントローラ104は、(指定された座標を介して)運搬手段24を脱荷ステーション90へと工順設定し、運搬手段24がその目的地に到達したときに、軌道システムコントローラ108に通知する。ついで、軌道システムコントローラ108は、脱荷ステーション90の動作を容易にし得る。容器38が運搬手段24から取り外された後、軌道システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106から、運搬手段24に割り当てられるべき次の最終製品を要求し得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、軌道システムコントローラ108は、運搬手段24を(製品スケジューリングコントローラ106により割り当てられた)所望の経路から逸脱させて、トラフィックの渋滞、順序違反(順序決定は後述する)及び/又は欠陥若しくは拒否状態(例えば、ボトルの欠落、キャップの欠落、キャップの不整合など)などの特定の問題を克服し得る。逸脱した経路は、製品スケジューリングコントローラ106及び/又は軌道システムコントローラ108により決定され得る。
【0109】
運搬手段位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106及び軌道システムコントローラ108は、容器38が様々な製造段階にあるように、軌道22の周りの運搬手段24の同時工順設定を容易にし得ると理解されたい。運搬手段24の効果的かつ効率的な同時工順設定を容易にするために、運搬手段位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106及び軌道システムコントローラ108は、運搬手段24及び/又は容器38についての情報を共有し得る。例えば、軌道システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106と、運搬手段24の位置、各容器38の生産状態及び/又は任意の工順逸脱を共有し得る。製品スケジューリングコントローラ106は、軌道システムコントローラ108と、最終製品及び運搬手段24についての工順割当てを共有し得る。
【0110】
上記されたように、製品スケジューリングコントローラ106は、軌道システムコントローラ108により識別された空の各運搬手段24に対して、容器の種類、クロージャの種類、流動性材料の種類、装飾の種類及び工順を割り当て得る。この実施形態では、容器の種類、クロージャの種類、流動性材料の種類及び装飾の種類の割り当てが記載されているが、他の実施形態では、最終製品の他の属性が指定されてもよいと理解されたい。最終製品の他の属性は、容器若しくはその1つ以上の任意の部品の寸法に関係する値、最終製品を含む1つ以上の段階の完了時における製品の1つ以上の部品の質量に関係する値、充填量若しくはレベル又は前述した属性若しくは後で説明する属性と同様の追加属性、例えば、表ラベルの種類及び裏ラベルの種類を含み得る。更に多くの他の完成製品の属性は、前述の最終製品の属性又は他の最終製品の属性のうちの任意の1つ以上に関する目標又は許容可能な値の範囲を含んでもよい。更に、他の最終製品の属性は、指定された最終製品の操作中に使用される単位操作ステーションの設定に関連するパラメータを含んでもよい(例えば、ボトルの高さは、充填ノズルが調整されることになる高さを指示することになる)。
【0111】
容器の種類、クロージャの種類、流動性材料の種類、装飾の種類及び空の各運搬手段24についての工順を割り当てることにおいて、製品スケジューリングコントローラ106により実施される制御ルーチンの一実施形態が、ここから検討されることになる
図10、
図11、
図12、
図13A及び
図13Bに概略的に図示される。製品スケジューリングプロセスは、4つのフェーズ−順序決定フェーズ(
図10)、要求伝搬フェーズ(
図11)、有効工順識別フェーズ(
図12)及び工順順位付けフェーズ(
図13A及び
図13B)に分けられ得る。一般的には、順序決定フェーズの間に、製造スケジュールが、各脱荷ステーション90に割り当てられ得る。要求伝搬フェーズの間に、各脱荷ステーション90の製造スケジュールにより指定された最終製品の1つ以上に寄与するように、要求を有する又は有することになる単位操作ステーションが識別される。有効工順識別フェーズの間に、単位操作ステーションの要求情報に基づいて、現在の運搬手段24についての複数の有効な工順が識別される。工順順位付けフェーズの間に、最良の工順及び関連する最終製品は、有効工順識別フェーズの間に生成される複数の有効工順から選択され得る。
【0112】
ここから
図10を参照して、順序決定フェーズを、より詳細に検討することになる。まず、製造オーダーを、製品スケジューリングコントローラ106に提供し得る(工程200)。製造オーダーは、所望される包装の数量と、各包装において提供される最終製品の種類と、を含み得る。各包装は、異なる種類及び/又は量の最終製品を含んでもよい。包装内に提供される最終製品の種類を説明する際に、製造オーダーは、順序決定情報を更に指定してもよい。この順序決定情報は、製品の明確な到着順序を指定するか、又は、包装のための製品到着順序が重要でないことを指定するか、又は、それらの組合せ(例えば、1つ以上の第1の製品が1つ以上の第2の製品の前に到着しなければならないが、1つ以上の第3の製品に関しては任意の順序で到着すること)を指定してもよい。一実施形態では、製造オーダーは、上流のコンピュータシステムで受信された顧客のオーダーから(例えば、調達ソフトウェアプログラムから)生成され得る。上流のコンピュータシステムは、製造オーダーを製品スケジューリングコントローラ106に伝達することができ、ついで、同コントローラ106は、充足のために、脱荷ステーション90に包装を割り当てることができる(205)。包装は、特定の順序で脱荷ステーション90に割り当てられ、これにより、各脱荷ステーション90の製造スケジュールが確立される。この順序は、各脱荷ステーション90における包装の製造順序を指定するが、軌道システム20全体による包装の製造順序は指定しない。
【0113】
具体例を使用して更に説明すると、製造オーダーが包装1、2、3、4、5及び6を記述する場合、包装は、2、1、5の順序で第1の脱荷ステーション90に割り当てられてもよく、包装は、3、6、4の順序で第2の脱荷ステーション90に割り当てられてもよいが、軌道システム20は、2、1、3、5、6、4の順序又は2、3、1、6、5、4の順序又は3、6、4、2、1、5の順序、あるいは、特定の脱荷ステーション90の包装順序に違反しない他の任意の順序で包装を製造してもよい。前述の具体例では、包装の製造を順序決定されたプロセスとして説明しているが、2つ以上の包装が同時に、製造されるプロセス中にあるように、複数の包装を供給する最終製品を同時に製造することでき、そのため、記載された順序は、包装の製造プロセスの完了を指し、2つ以上の包装が、ほぼ正確に同じタイミングで完了する可能性があることに留意する必要がある。
【0114】
脱荷ステーション90のうち少なくとも1つに包装が割り当てられると、軌道システムコントローラ108は、工順及びそれに対応する最終製品を割り当てるために運搬手段24(現在の運搬手段)を選択し得る。運搬手段24は、軌道22上の複数の運搬手段24の中から(例えば、軌道システム20が最初に初期化/始動されるとき)又は運搬手段24が以前に割り当てられた最終製品を完了したときに(例えば、脱荷ステーション90を出た後に)選択され得る。最も典型的には、選択された運搬手段は空である。しかしながら、いくつかの場合には、運搬手段24は、工順実行中に以前の工順を中止している場合があり(例えば、単位操作ステーションが故障しているため)、これにより、運搬手段24は、空でなくても、新しい工順の割り当てのために選択される場合がある。運搬手段24が選択されると、軌道システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106から、その運搬手段24に割り当てられるべき工順及び関連する最終製品を要求し得る。各工順要求は、運搬手段の種類と、容器を載せることを含むが、容器を降ろすことを含まない以前の工順におけるその運搬手段上で既に完了した任意の操作と、を記述する。
【0115】
要求伝搬フェーズ(215)について、ここから
図10及び他の図面を参照して、より詳細に検討することになる。一実施形態(以下、割当て−時間計算要求実施形態(Assignment-Time Calculated Demand Embodiment)と呼ばれる)では、要求伝搬フェーズ(215)は、軌道システムコントローラ108から工順要求を受信したときに開始される。別の実施形態(以下、事前計算要求実施形態(Pre-Calculated Demand Embodiment)と呼ばれる)では、要求伝搬フェーズ(215)は、軌道システムコントローラ108からの工順要求を待つことなく開始することができ、これにより、要求伝搬フェーズ(215)が既に完了していることになるため、軌道システムコントローラ108からの工順要求に応答してより短い時間で工順を割り当てることができる。これは、要求伝搬フェーズ(215)が工順割当てのために運搬手段24を以前に選択したことに依存しないため可能である。事前計算要求実施形態の欠点は、要求伝搬フェーズ(215)が必要以上に多くの回数実行される場合があるため、全体的により多くの計算を必要とする場合があることである。割当て−時間計算要求実施形態と、事前計算要求実施形態と、をトリガするイベントは異なるが、要求計算プロセスは同じであり、次でより詳細に説明することになる。
【0116】
まず、製品スケジューリングコントローラ106は、脱荷ステーション90の製造スケジュールにより指定されたオーダーで脱荷ステーション90の製造スケジュールを満たすために、利用可能な(例えば、故障していない)脱荷ステーション90それぞれにおいて、次に必要とされる全最終製品を識別することができ、これらの製品に対応する要求項目を確立する(300)。これらの要求項目は、各脱荷ステーション90に現在割り当てられ、製造スケジュールにより定義された全体的な包装のオーダーと干渉することなく、次に包装を行い得る最終製品を記述すると理解することができ、ここで、どの運搬手段24にも、それにより満たす工順及び関連する最終製品は、予め割り当てられていない。また、要求項目は、最終製品を製造するプロセスにおける工程の全てではなく1つ以上を完了した部分最終製品又は空の運搬手段(載荷単位操作ステーションの場合)であってもよい。このため、要求項目300は、最終製品又は部分最終製品である場合がある製品の記述を含むと理解され得る。
【0117】
更に、各要求項目は、タイムスパンも記述する。各要求項目により記述されるタイムスパンは、このような製品が単位操作ステーション、この場合では、脱荷ステーション90である単位操作ステーションに到着すべき時間範囲を指定する。この時間範囲により、要求項目が、ある製品が、前もって必要な(prerequisite)製品より早く到着することについても、後に必要な(postrequisite)製品より遅く到着することについても、必要性を記述しないことを確保する。以下で記述される追加の処理を通じて、この時間範囲は、より一般的に、記述された製品の到着がシステム制約に何ら違反しない場合の時間範囲を表すものとして記述され得る。
【0118】
更に、単位操作ステーションが1つ以上の要求項目を有すると言うことができ、又は、単位操作ステーションが要求項目を有さないと言うことができるように、各要求項目は、特定の単位操作ステーションに関連付けられる。更に、各要求項目は、関連付けられた単位操作ステーションで行われることになる特定の種類の操作に関連付けられる。製品スケジューリングコントローラ106が各脱荷ステーション90についての全ての適切な要求項目を確立し終えると、最も遠い下流の単位操作ステーション群が、要求伝搬のために選択され、以下、要求予測単位操作ステーション群(Unit Operation Station Group Projecting Demand)と呼ばれる。要求予測単位操作ステーション(Unit Operation Station Projecting Demand)に関連付けられた要求項目は、ここで、改良(310)を受け、先にスケジューリングされた運搬手段24について、要求予測単位操作ステーションのインフィードキューが一杯になることをもたらすと予測される時間を含まないようにされる。ここで、この改良(310)は、要求項目の変更なし、要求項目を2つ以上の追加要求項目に分割(ここで、追加要求項目はタイムスパンを除く全てにおいて元の要求項目と同一)、開始時間若しくは終了時間の一方若しくは両方を調整することにより関連付けられたタイムスパンを短縮、又は要求項目を完全に削除、のうちのいずれかであってよい。次に、要求予測単位操作ステーション群における各単位操作ステーションに関連付けられた各要求項目が評価される。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、要求予測単位操作ステーション群の上流にある最も遠い下流の単位操作ステーション群(すなわち、要求予測単位操作ステーション群における単位操作ステーションに進む直前に運搬手段24が遭遇する可能性がある単位操作ステーション)を識別することができ、以下、要求伝搬単位操作ステーション群(Unit Operation Station Group Propagating Demand)と呼ばれる。
【0119】
また、各単位操作は、存在しない単位操作(仮想単位操作)の代表(representation)に関連付けられてもよい。全ての容器が全ての単位操作ステーションで処理を受ける必要があるわけではないため、仮想単位操作は、容器が1つ以上の単位操作をバイパスすることを可能にする、又は、このような単位操作ステーションにより行われる処理を有さないことを可能にするコンピュータプログラム内のメカニズムに過ぎない。例えば、システムに提供される容器が予めラベル付けされたボトルを含む場合、加飾ステーションで容器にラベル付けする必要はないことになる。
【0120】
図1の例では、要求項目を有する脱荷ステーション90の上流にある最も遠い下流の単位操作ステーション群は、加飾ステーション88であり得る。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝搬単位操作ステーション群から1つの単位操作ステーション(以下、要求伝搬単位操作ステーション(Unit Operation Station Propagating Demand)と呼ばれる)を選択し得る。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝搬単位操作ステーションが現在利用可能であるかどうか(315)、又は、現在評価されている要求項目により記述される製品の1つ以上の属性を確立することになる1つ以上の操作をサポートするかどうか(320)を判定し得る。要求伝搬単位操作ステーションが現在利用できない場合、又は、現在評価されている要求項目により記述される製品の1つ以上の属性を確立することになる1つ以上の操作をサポートしない場合、要求伝搬単位操作ステーションにより処理されているこの要求項目の評価は完了する。要求伝搬単位操作が現在利用可能であり、かつ、要求項目により記述される製品の1つ以上の属性を確立することになる1つ以上の操作をサポートする場合、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝搬単位操作ステーションが容器上でその操作を完了するためにかかる時間(例えば、操作時間)であり得る時間遅延(330)を、要求伝搬単位操作ステーションから一次運搬部分76上の下流インターフェースポイントまでの移動時間と、一次運搬部分76上の上流インターフェースポイントから要求項目に関連付けられた単位操作ステーションへの移動時間と、を加えて計算し得る。このため、上記時間遅延(330)によりオフセットされた、評価されている要求項目により指定されたタイムスパンは、操作が単位操作ステーションで開始し得る時間範囲を意味するとみなされ得る。
【0121】
インターフェースポイントは、製品スケジューリングコントローラにより確立され,維持されるべき必要な構成の数を減らすため、有利である。インターフェースポイントがない場合、製品スケジューリングコントローラは、運搬手段を単位操作ステーション群における全ての単位操作ステーションから隣接する下流の単位操作ステーション群における全ての単位操作ステーションに移動させるために、予測移動時間についての構成を記憶しておかなければならない。
図1に示された軌道構成について、単位操作ステーション86のこのような構成のみを考慮すると、隣接する下流の単位操作ステーション群には4つの単位操作ステーション88が存在し、4つの単位操作ステーション86はそれぞれ、4つの予測移動時間構成を必要とすることになり、合計で16の予測移動時間構成となる。インターフェースポイントがある場合、製品スケジューリングコントローラは、次のインターフェースポイントへの、及び、インターフェースポイントから隣接する下流の単位操作ステーション群における単位操作ステーションへの予測移動時間のための構成のみを記憶する。このため、単位操作ステーション86の例では、I3への4つの予測移動時間(各単位操作ステーション86から1)及びI3からの4つの予測移動時間(各単位操作ステーション88までに1)を含む、8つの構成のみを記憶する必要がある。インターフェースポイントを使用する利益は、より大きな軌道システムでは更に大きい。例えば、100個の単位操作ステーション86及び90個の単位操作ステーション88が存在した場合、インターフェースポイントなしでは、9,000の構成が必要とされることになるが、インターフェースポイントにより、必要とされる構成は190のみである。
【0122】
ついで、新たな要求項目を作成することができ(340)、ここで、新たな要求項目は、要求伝搬単位操作ステーションに関連付けられ、評価されている要求項目のタイムスパンから時間遅延(330)を引いたものとして指定されるタイムスパンを有する。新たな要求項目により記述された製品は、評価されている要求項目により記述される製品から、要求伝搬単位操作ステーションで完了される操作により確立される1つ以上の属性を引いた製品である。新たな要求項目のタイムスパンは、先にスケジューリングされた運搬手段24が要求伝搬単位操作ステーションのインフィードキューが一杯になるのをもたらすと予測される時間を含まないように、第1の改良(345)を受けることになる。ここで、この第1の改良(345)は、新たな要求項目の変更なし、新たな要求項目を2つ以上の追加要求項目に分割(ここで、追加要求項目はタイムスパンを除く全てにおいて新たな要求項目と同一である)、開始時間若しくは終了時間の一方若しくは両方を調整することによりタイムスパンを短縮、又は新たな要求項目を完全に排除、のいずれかであってよい。
【0123】
この第1の改良(345)及び改良(310)は、運搬手段24をその要求を満たすように割り当てることにより、要求伝搬単位操作ステーションのインフィードキューの容量を超えることになる時間の間、要求の回避を達成することから、有用である。これにより、運搬手段24が、軌道セクション(二次運搬部分)78の一部若しくは全部及び/又は軌道セクション(一次運搬部分)76の一部若しくは全部を遮断し得る。更に、この第1の改良は、運搬手段24をその要求を満たすように割り当てることが運搬手段24により要求伝搬単位操作ステーションのインフィードキューがその容量を超えるのを引き起こすことになる時間の間、要求を回避するように、新たな要求項目のタイムスパンを同様に改良し得る。ここで、このような容量違反は、その運搬手段24の到着により直接、又は、先にスケジューリングされたが後に到着する他の運搬手段24のカスケードインパクトにより間接的に、のいずれかにより引き起こされることになり、また、このような容量は、要求伝搬単位操作ステーションに関連付けられた構成パラメータにより表される。
【0124】
第1の改良(345)が完了すると、新たな要求項目又は追加の要求項目の任意の残りのセット(以下、まとめて「残りの要求項目のセット」と呼ばれる)は、記述された製品に対する操作を開始することが何らかのシステム制約に違反しないことになるタイムスパンを表すと理解され得る。残りの要求項目のセットは、今度は、得られたタイムスパンが、要求伝搬単位操作ステーションのインフィードキューへの記述された製品の到着がシステム制約に違反しないことになるタイムスパンを表すように、先にスケジューリングされた運搬手段24に従って調整するために、再び時間シフトされ、これにより、運搬手段24が操作を開始する前に要求伝搬単位操作ステーションのインフィードキューで待機中であることになる時間が考慮され、これは、軌道システムコントローラ108から製品スケジューリングコントローラ106と共有される運搬手段24位置情報と組み合わせた、他の運搬手段24への先に割り当てられた工順に基づいて知ることができる。残りの要求項目のセットに適用されるこの時間シフトは、要求伝搬単位操作ステーションにより処理されるこの要求項目の評価の完了を示す。
【0125】
要求伝搬単位操作ステーションにより処理されるこの要求項目の評価が完了する(例えば、要求伝搬単位操作ステーションが、この要求項目に不適切であることが判明しているか、又は、何らかの新たな要求項目が作成及び改良されているかのいずれかである)と、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝搬単位操作ステーション群における他の単位操作ステーションそれぞれにより処理されているこの要求項目を、要求伝搬単位操作ステーションにより処理されているこの要求項目を評価するために使用されたのと同じプロセスにより評価することに進み得る。
【0126】
要求伝搬単位操作ステーション群における単位操作ステーションのそれぞれにより処理されているこの要求項目の評価が完了すると、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝搬単位操作ステーション群における単位操作ステーションのそれぞれにより処理されている要求予測単位操作ステーションに関連付けられた各要求項目の評価を続けることに進む。
【0127】
要求伝搬単位操作ステーション群における単位操作ステーションのそれぞれによる要求予測単位操作ステーションに関連付けられた各要求項目の評価が完了すると、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝搬単位操作ステーション群における単位操作ステーションのそれぞれにより処理されている要求予測単位操作ステーション群における他の単位操作ステーションのそれぞれに関連付けられた各要求項目を評価する。これが完了すると、要求予測単位操作ステーション群における単位操作ステーションに関連付けられた要求項目についての要求伝搬が完了し、要求伝搬単位操作ステーション群における単位操作ステーションに関連付けられた新たな要求項目が作成される場合がある。次に、要求伝搬フェーズでは、製品スケジューリングコントローラ106が、要求予測単位操作ステーション群として要求伝搬単位操作ステーション群を選択し、要求伝搬単位操作ステーション群として要求伝搬単位操作ステーション群の上流にある最も遠い下流の単位操作ステーション群を選択するのを継続し、同様に、新たな要求予測単位操作ステーション群に関連付けられた任意の要求項目についての要求伝搬を完了する。このプロセスは、最も遠い上流の単位操作ステーション群が要求予測単位操作ステーション群として選択されることになるまで繰り返され、その時点で、要求伝搬フェーズが完了する。
【0128】
要求伝搬フェーズの別の実施形態では、各単位操作ステーション群についての処理要求の間に(例えば、異なる単位操作ステーション群が要求予測単位操作ステーション群として選択されるたびに)、追加の要求集約工程が実行されてもよい。要求集約工程は、新たに選択された要求予測単位操作ステーション群における各単位操作ステーションに関連付けられた要求項目を調査し、上流インターフェースポイントからの移動時間における差を考慮した(accounting for)後、この既存の要求項目のセットに基づいて新たな要求項目のセットを作成する。ここで、新たな要求項目のセットは、インターフェースポイントに到着する製品がシステム制約に違反しないことになる期間を記述する。新たな要求項目のセットを確立することにおいて、類似の製品に重複するタイムスパンを排除することができ、隣接する要求項目をマージすることができ、処理すべき要求項目の数を減らすことができる。これは、要求伝搬フェーズを完了するために必要な処理時間を短縮するために有利である。このような追加の要求集約工程が使用される場合、新たな要求項目のセットは、要求予測単位操作ステーション群に関連付けられた要求項目の代わりに、要求伝搬単位操作ステーション群に対して予測され、計算された時間遅延330は、この移動時間が既に考慮されて(accounted for)いたため、インターフェースポイントから要求予測単位操作ステーションまでの移動時間を計算に入れない(factor in)。
【0129】
要求伝搬フェーズの更に別の実施形態では、要求項目は、記載された製品の数量を指定することもできる。これらの数量が関連付けられた要求項目と共に伝搬されると、追加要求情報が、製造スケジューリングプロセスの後続フェーズに利用可能となり、これにより、製造効率のより良い最適化を助けることができ、通常必要とされることになるように、工順割り当ての間で要求伝搬フェーズを実行することなく、2つ以上の工順を割り当てるために使用することができる。これは、製品スケジューリングコントローラ106が実行しなければならない計算量を減らすために有利であり得る。
【0130】
ここから
図12を参照して、有効工順識別フェーズをより詳細に記載する。軌道システムコントローラ108から工順要求400(工順要求400は、運搬手段の種類及び組立状態の記述を含む)を受け取ると、製品スケジューリングコントローラ106は、有効工順識別フェーズに入り得る。まず、事前計算要求実施形態の場合のように、要求伝搬フェーズが未だに完了していない場合、要求伝搬フェーズがここで完了される。予測工順時間は、工順要求400が製品スケジューリングコントローラ106により受け取られた時間として確立される。現在の製品の種類は、工順要求によって記述される運搬手段及び組立状態として確立される。最も遠い上流の単位操作ステーション群の各単位操作ステーションについて、反復工順識別プロセス405を完了する。
【0131】
反復工順識別プロセス405は、製品スケジューリングコントローラ106が潜在的な工順バッファ(potential route buffer)を確立すること、及び、もし存在するならば先の潜在的な工順バッファの内容をコピーすることにより開始する410。反復工順識別405プロセスでは、製品スケジューリングコントローラ106が、上流のインターフェースポイントから現在の単位操作ステーションまで移動するためにかかる時間を加えることにより、予測工順時間を修正するのを継続する。反復工順識別プロセスは、製品スケジューリングコントローラ106が、現在の単位操作ステーションが現在の製品の種類を記述する要求項目を有するかどうかを判定するのを継続する415。ここで、関連付けられたタイムスパンは、予測された工順時間を含み、このような要求項目は、以下、関連要求項目と呼ばれる。関連要求項目が存在しない場合、潜在的な工順バッファは削除され420、反復工順識別プロセス405のこのインスタンスにより、それ以上のアクションはとられない。関連要求項目が存在する場合、反復工順識別プロセス405は、現在の単位操作ステーション及び関連要求項目により指定された操作を記述する情報を潜在的な工順バッファ425に追加することにより継続する。
【0132】
現在の単位操作ステーションが最も遠い下流の単位操作ステーション群の一部ではない場合430、反復工順識別プロセス405の新たなインスタンスが、現在の単位操作ステーションが属する単位操作ステーション群のすぐ下流の単位操作ステーション群における各単位操作ステーションに対して開始され、ここで、反復工順識別プロセス405の新たなインスタンスには、この工順の実行中に運搬手段が現在の単位操作ステーションのインフィードキューで待機するために費やすことになる時間(この時間は、先にスケジューリングされた運搬手段24及び軌道システムコントローラ108から共有される情報に基づく)、運搬手段が現在の単位操作ステーションにおいて関連要求項目により指定された操作を受けるために費やすことになる時間、及び、現在の単位操作ステーションから下流のインターフェースポイントまでの移動時間を加えるように修正された予測工順時間を加えるために補正された予測工順時間が提供される。同様に、反復工順識別プロセスの新たなインスタンスには、それらの新たな潜在的な工順バッファにコピーするために、このインスタンスの潜在的な工順バッファが提供される。同様に、反復工順識別プロセスの新たなインスタンスにより考慮される製品の種類は、反復工順識別プロセスのこのインスタンスにより考慮される製品の種類であるとみなされ、関連要求項目により指定される操作により確立される1つ以上の属性を含むように修正される。現在の単位操作ステーションが最も遠い下流の単位操作ステーション群に属する場合、潜在的な工順バッファは、有効な工順のリストに追加され435、反復工順識別プロセス405のこのインスタンスを完了する。
【0133】
反復工順識別プロセス405の各インスタンスが完了すると、有効な工順のリストは、工順要求400で指定された運搬手段24が割り当てられ得る全ての潜在的な工順のリスト、すなわち、システムの制約に違反することなく、製造オーダーにより指定された包装に製品を送達することになる、全ての潜在的な工順のリストを含む。反復工順識別プロセス405の各インスタンスが完了すると440、有効工順識別フェーズが完了し、工順順位付けフェーズが開始する445。一実施形態では、有効工順識別フェーズは、有効な工順のリストにおける工順の数が指定数未満である場合にのみ継続することになる。これは、指定された数未満の工順を識別するという効果を有することとなり、これは、有効工順識別フェーズの最悪の場合の処理時間を短縮するために有益であり得るが、この実施形態は、有効工順として最良の工順を識別しないというリスクをもたらす。工順の指定数は、固定数でもよく、又は、製品スケジューリングコントローラ106のプロセッサ利用に関するパラメータに基づいて計算された数でもよい。
【0134】
ここから
図13A及び
図13Bを参照して、工順順位付けフェーズをより詳細に検討することになる。工順順位付けフェーズは、まず、工順メトリック生成サブフェーズを受け、続けて、工順ソーティングサブフェーズを受けることを含む。
【0135】
ここから、工順メトリック生成サブフェーズをより詳細に検討することになる。まず、製品スケジューリングコントローラ106は、単位操作ステーション群内の各単位操作ステーションの利用に基づいて、単位操作ステーション群ごとに重み係数を計算する(510)ことができ、ここで、未使用容量(unused capacity)が少ない単位操作ステーション群は、より大きな重み係数値をもたらすことになる。この重み係数により、後で記述する計算で、最もビジーな単位操作ステーションの容量利用の最適化を優先させることができるため、より良好な製造最適化を可能にする。有効工順のリスト内の各工順について、製品スケジューリングコントローラ106は、キュー長(QL)メトリック、未使用ユニットカウント(UC)メトリック、ほぼ欠乏したユニットカウント(NSC)メトリック、スケジューリング済運搬手段カウント(VASC)メトリック及び非製造時間(NPT)メトリックを識別するために、以下の計算を実行することになる。QLメトリックは、この工順が選択された場合に、この運搬手段24が到着することになる時点で、現在の有効工順に沿った各単位操作ステーションにおけるインフィードキュー長さの合計に関連する。UCメトリックは、現在の有効工順に沿う単位操作ステーションの数であって、この工順が選択された場合、この運搬手段24が到着する前の指定された期間の間、アイドル状態であり、欠いた状態にあることになる、単位操作ステーションの数に関連する。NSCメトリックは、現在の有効工順に沿った単位操作ステーションの数であって、この運搬手段24によるこの工順の選択及び実行がない場合に、アイドル状態になることになる、単位操作ステーションの数に関連する。VASCメトリックは、現在の有効工順に沿って単位操作ステーションに将来到着するようにスケジューリングされた、先にスケジューリングされた運搬手段24の数に関連する。NPTメトリックは、この運搬手段24が現在の有効工順に沿った単位操作ステーションのインフィードキューで移動又は待機に費やすことになる時間に関連する。製品スケジューリングコントローラ106は、QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック及びNPTメトリックのそれぞれを最初にゼロに設定し得る。
【0136】
現在の有効工順に沿った各単位操作ステーションについて、工順のQLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック及びNPTメトリックを更新するために、以下の計算が実行される。製品スケジューリングコントローラ106は、運搬手段24が単位操作ステーションに到着すると予想されるときに、重み係数にインフィードキュー長を乗じることにより、QL値を計算し得る(515)。QL値を、QLメトリックに加え得る(520)。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、UC値を計算し得る(525)。この単位操作ステーションが、この単位操作ステーションへのこの運搬手段24の予測される到着の直前の特定期間の間に操作がスケジューリングされている他の運搬手段24を有していない場合、UC値は、重み係数である。そうでなければ、UC値はゼロである。UC値を、UCメトリックに加え得る(530)。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、NSC値を計算し得る(535)。この運搬手段の到着及びそれに続く関連操作がない場合に、この単位操作ステーションが、アイドル状態にあることになる場合、NSC値は、重み係数である。そうでなければ、NSC値はゼロである。NSC値を、NSCメトリックに加え得る(540)。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、重み係数に、単位操作ステーションに将来到着するようにスケジューリングされた、先にスケジューリングされた運搬手段24の数を乗じることにより、VASC値を計算し得る(545)。VASC値を、VASCメトリックに加え得る(550)。ついで、製品スケジューリングコントローラ106は、重み係数に、1)一次運搬部分76上の上流インターフェースポイントからこの単位操作ステーションまでの移動時間、2)現在の運搬手段がこの単位操作ステーションのインフィードキューで待機すると予測される時間、及び3)この単位操作ステーションから一次運搬部分76上の下流のインターフェースポイントまでの移動時間の和を乗じることにより、NPT値を計算し得る(555)。NPT値を、NPTメトリックに加え得る(560)。QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック及びNPTメトリックの全てが有効工順のリスト内の全ての工順について計算されると、工順メトリック生成サブフェーズが完了し、製品スケジューリングコントローラ106は、工順ソーティングサブフェーズを開始する。
【0137】
ここから
図13Bを参照して、工順ソーティングサブフェーズをより詳細に記述することになる。工順ソーティングサブフェーズでは、工順メトリック生成サブフェーズ中に生成されたメトリックを比較して、有効工順識別フェーズにおいて識別された有効な工順のリストから現在の運搬手段24についての最良の工順を識別することになる。有効な工順のリストにおける各工順は、工順メトリック生成サブフェーズ中に生成されたメトリックに基づいて、有効な工順のリストにおける他の工順と比較される。より小さいQLメトリックを有する工順は、より良好な工順である585。QLメトリックが同一である場合、より高いUCメトリックを有する工順は、より良好な工順である595。QLメトリックとUCメトリックとが同一である場合、より高いNSCメトリックを有する工順は、より良好な工順である600。QLメトリック、UCメトリック及びNSCメトリックが同一である場合、より高いVASCメトリックを有する工順は、より良好な工順である605。QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック及びVASCメトリックが同一である場合、より低いNPTメトリックを有する工順は、より良好な工順である610。QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック及びNPTメトリックが同一である場合、いずれの工順も他の工順よりも良好ではなく615、したがって、工順は任意に選択される。
【0138】
製品スケジューリングコントローラ106が有効な経路のリストから最良の工順を識別すると、工順の詳細が軌道システムコントローラ108に通信され、これにより、軌道システムコントローラ108が工順により指定されたとおりに運搬手段24を移動させ、工順により指定されたとおりに単位操作ステーションを操作し得る。
【0139】
工順ソーティングサブフェーズの多数の代替実施形態が可能である。工順ソーティングサブフェーズの1つの代替実施形態は、QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック及びNPTメトリックのいくつか又は全てと、各メトリックについての重み係数との積の合計として、各工順についての全体的な工順スコアを計算し得る。この実施形態では、各メトリックに関連する重み係数を修正することにより変更可能な程度で、各メトリックが考慮されることになる。
【0140】
各運搬手段の最良の工順を決定するために、工順決定は、軌道に沿って移動するために必要な予測時間又は操作を完了させるために必要な予測時間のための構成を考慮してもよい。軌道システムコントローラにより、軌道の一部分に沿った運搬手段の移動の完了が観測されると、軌道のその部分に沿って移動するために必要な予側時間についての構成又は上記時間における変動の程度に関連する構成、例えば、過去に観測された上記時間セットの標準偏差について、自動的に更新してもよい。同様に、軌道システムコントローラにより、操作の完了が観測されると、その単位操作ステーションとしてその操作に必要な予測時間についての構成又は上記時間における変動の程度に関連する構成、例えば、過去に観測された上記時間セットの標準偏差について、自動的に更新してもよい。このようにして、工順の決定は、工順決定工程が手動労力を必要とせずに、各使用についてより効果的になるように、手動労力なしに、軌道のパフォーマンス又は単位操作ステーションのパフォーマンスの変化に適応するように、自己最適化し得る。
【0141】
本開示の実施形態及び実施例の上記の説明は、例示及び説明の目的で示したものである。かかる説明は、包括的であることも、説明された形態に本開示を限定することも意図するところではない。上記の教示を鑑みることで数多くの改変が可能である。これらの改変のいくつかについては検討したが、他のものは当業者には理解されるであろう。各実施形態は、本開示の原理及び想到される具体的な用途に適した様々な実施形態を最も分かりやすく説明するために選択及び記載したものである。本開示の範囲は、無論のこと、本明細書に記載される実施例にも実施形態にも限定されるものではないが、当業者によって任意の数の用途及び等価の装置において用いることができる。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義されることが意図される。また、特許請求される、かつ/又は記載されるいずれの方法についても、その方法がフロー図に関連して説明されているか否かにかかわらず、特にそうでない旨が断られるか又は文脈により必要とされる場合を除き、ある方法を実施するうえで行われる工程の明白な又は暗黙のあらゆる順序付けは、これらの工程が示された順序で行われなければならないことを意味するものではなく、これらの工程は、異なる順序で、又は並行して行うことができるものである点は理解されなければならない。
【0142】
本明細書に開示されている寸法及び/又は値は、列挙した正確な数値寸法及び/又は値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、別段の指定のない限り、このような各寸法及び/又は値は、列挙した寸法及び/若しくは値並びにその寸法及び/若しくは値の近辺の機能的に同等の範囲を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0143】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0144】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0145】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。