特許第6757002号(P6757002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6757002
(24)【登録日】2020年9月1日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/047 20060101AFI20200907BHJP
   F28D 1/06 20060101ALI20200907BHJP
   F28F 9/00 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   F28D1/047 A
   F28D1/06 A
   F28F9/00
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-113265(P2016-113265)
(22)【出願日】2016年6月7日
(65)【公開番号】特開2017-219238(P2017-219238A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040106
【氏名又は名称】ゼネラルヒートポンプ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180552
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 旭洋
(72)【発明者】
【氏名】柴 芳郎
(72)【発明者】
【氏名】平井 千治
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0102922(US,A1)
【文献】 特開昭60−066062(JP,A)
【文献】 特開2011−133154(JP,A)
【文献】 特開2014−185822(JP,A)
【文献】 特公昭48−022564(JP,B1)
【文献】 国際公開第2016/020893(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 1/047
F28D 1/06
F28F 9/00
F24T 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を冷却又は加温することが可能な熱交換器であって、
内部に液体を流すことが可能であり、熱交換によって前記液体を冷却又は加温する熱交換部と、
前記熱交換部を支持する支持部と
を備え、
前記支持部は、塩化ビニル樹脂製の複数本の中空状のパイプによって形成され
前記熱交換部は第一方向に延び、
前記支持部は、
前記第一方向に延びる複数本の第一パイプと、
前記複数本の第一パイプの一端側に配置され、前記第一方向に延びる第一部位と前記第一方向に直交する直交方向に延びる第二部位とを有するチーズと、
前記直交方向に延び、2個の前記チーズの前記第二部位に接続される第二パイプと
を備えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記チーズと第二パイプとの少なくとも一部は、前記熱交換部を支持することを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記チーズは、前記第一パイプの一端側に2個設けられ、
2個の前記チーズの前記第二部位の夫々は、互いに異なる方向に延び、前記第二パイプに接続されることを特徴とする請求項又はに記載の熱交換器。
【請求項4】
前記チーズは、前記第一パイプの他端側に2個設けられ、
前記他端側に設けられた2個の前記チーズの前記第二部位の夫々は、互いに異なる方向に延び、前記第二パイプに接続されることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項5】
前記支持部を前記第一方向に見た場合における、前記第一パイプ、前記第二パイプ、及び前記チーズによって形成される前記支持部の形状は、
2×N角形(N≧2)であることを特徴する請求項又はに記載の熱交換器。
【請求項6】
前記熱交換部は、螺旋状に延びる螺旋状部を備え、
前記螺旋状部に設けられ、前記熱交換部同士の間に隙間を形成するスペーサを備えたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項7】
前記スペーサは、円弧状であり、前記螺旋状部の一部の周囲に設けられ、
前記スペーサの厚みによって、前記熱交換部同士の間に前記隙間が形成されたことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記熱交換部と前記支持部とを含むユニットを複数備えたことを特徴とする請求項からのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項9】
互いに径の異なる複数の前記ユニットがM個(M≧2)設けられ、
P個目(P=2〜M)の前記ユニットは、P−1個目の前記ユニットの周囲に配置されたことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項10】
P個目の前記ユニットの前記支持部と、P−1個目の前記ユニットの前記支持部とを接続する第一接続部材を備えたことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第一接続部材は、前記チーズと前記第二パイプによって形成されたことを特徴する請求項10に記載の熱交換器。
【請求項12】
複数の前記ユニットは、互いに並べて配置されたことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項13】
複数の前記ユニットは、互いに間隔をあけて格子状に配置され、
前記熱交換器は、複数の前記ユニットを互いに接続する第二接続部材を備えたことを特徴とする請求項12に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記第二接続部材は、前記チーズと前記第二パイプによって形成されたことを特徴する請求項13に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を冷却又は加温することが可能な熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を冷却又は加温することが可能な熱交換器が知られている。例えば、特許文献1に記載の液中熱交換器は、水槽内に貯留された熱源水に没入するように設置される。液中熱交換器は、有孔管と、固定部材と、U字管等と、供給ヘッダー及び収集ヘッダーを構成するタイコとを備えている。U字管の内部には、熱媒体が流れる。固定部材は、複数のU字管を有孔管に固定する部材である。有孔管は、U字管に向けて熱源水を放出する熱源水分配供給管としての機能を有する部材である。また、有孔管は、U字管を支持する支柱(心棒)としての機能も有する。有孔管は、支柱としての役割を有するので、たわみにくい管である鋼管によって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−8327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の液中熱交換器では、U字管等を支持する機能を有する有孔管に、鋼管が使用されている。このため、U字管等を支持する部材が高価になり、液中熱交換器のコストが増大する可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、コストダウンすることが可能な熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、液体を冷却又は加温することが可能な熱交換器であって、内部に液体を流すことが可能であり、熱交換によって前記液体を冷却又は加温する熱交換部と、前記熱交換部を支持する支持部とを備え、前記支持部は、塩化ビニル樹脂製の複数本の中空状のパイプによって形成されている。前記熱交換部は第一方向に延び、前記支持部は、前記第一方向に延びる複数本の第一パイプと、前記複数本の第一パイプの一端側に配置され、前記第一方向に延びる第一部位と前記第一方向に直交する直交方向に延びる第二部位とを有するチーズと、前記直交方向に延び、2個の前記チーズの前記第二部位に接続される第二パイプとを備えている。
【0007】
この場合、塩化ビニル樹脂製の中空状のパイプを使用することで、例えば、金属又はフッ素樹脂等を使用する場合に比べて、コストダウンすることができる。また、塩化ビニル製のパイプは、水道用などのパイプとして市販されている場合がある。この場合、市販されたパイプを使用することで、専用の部品を使用する場合に比べて、コストダウンすることができる。
【0008】
【0009】
また、第二パイプとチーズを介して、2個の第一パイプの一端側が接続されることになる。よって、2個の第一パイプの一端側が接続されない場合に比べて、支持部の強度が強くなる。
【0010】
前記熱交換器において、前記チーズと第二パイプとの少なくとも一部は、前記熱交換部を支持してもよい。この場合、チーズと第二パイプ以外に、熱交換部を支持する部材を設ける場合に比べて、支持部を形成する部材が少なくなり、熱交換器のコストを低減できる。また、部材が少なくなるので、熱交換器の組み立て作業が効率的になる。
【0011】
前記熱交換器において、前記チーズは、前記第一パイプの一端側に2個設けられ、2個の前記チーズの前記第二部位の夫々は、互いに異なる方向に延び、前記第二パイプに接続されてもよい。
【0012】
この場合、2個のチーズが互いに同じ方向に延び、第二パイプに接続される場合に比べて、支持部の強度が強くなる。また、チーズが、第一パイプ22の一端側に1個設けられ、1個の第二パイプに接続される場合に比べて、支持部の強度が強くなる。
【0013】
前記熱交換器において、前記チーズは、前記第一パイプの他端側に2個設けられ、前記他端側に設けられた2個の前記チーズの前記第二部位の夫々は、互いに異なる方向に延び、前記第二パイプに接続されてもよい。
【0014】
この場合、他端側に設けられた2個のチーズが互いに同じ方向に延び、第二パイプに接続される場合に比べて、支持部の強度が強くなる。また、チーズが、第一パイプ22の他端側に1個設けられ、1個の第二パイプに接続される場合に比べて、支持部の強度が強くなる。
【0015】
前記熱交換器において、前記支持部を前記第一方向に見た場合における、前記第一パイプ、前記第二パイプ、及び前記チーズによって形成される前記支持部の形状は、2×N角形(N≧2)であってもよい。
【0016】
この場合、第一パイプの一端側又は他端側に、2個のチーズを設けて、第二パイプを接続することで、2×N角形を形成できる。このため、第一パイプの一端側又は他端側に、3個以上のチーズを設ける必要がない。よって、熱交換器をコストダウンすることができる。
【0017】
前記熱交換器において、前記熱交換部は、螺旋状に延びる螺旋状部を備え、前記螺旋状部に設けられ、前記熱交換部同士の間に隙間を形成するスペーサを備えてもよい。この場合、スペーサによって隙間が形成されるので、熱交換に使用される水等の液体が該隙間を移動する。よって、槽の中の液体が対流し易くなり、熱交換の効率が向上する。
【0018】
前記熱交換器において、前記スペーサは、円弧状であり、前記螺旋状部の一部の周囲に設けられ、前記スペーサの厚みによって、前記熱交換部同士の間に前記隙間が形成されてもよい。この場合、スペーサの厚みによって、熱交換部同士の間に隙間を形成することができる。
【0019】
前記熱交換器は、前記熱交換部と前記支持部とを含むユニットを複数備えてもよい。この場合、1つの熱交換部が設けられている場合に比べて、熱交換容量を増やすことができる。
【0020】
前記熱交換器において、互いに径の異なる複数の前記ユニットがM個(M≧2)設けられ、P個目(P=2〜M)の前記ユニットは、P−1個目の前記ユニットの周囲に配置されてもよい。
【0021】
この場合、複数のユニットを並べて配置する場合に比べて、省スペース化できる。また、複数の熱交換部が設けられているので、1個設けられている場合に比べて、熱交換容量を増やすことができる。
【0022】
前記熱交換器は、P個目の前記ユニットの前記支持部と、P−1個目の前記ユニットの前記支持部とを接続する第一接続部材を備えてもよい。この場合、第一接続部材が設けられていない場合に比べて、各ユニットの位置が安定する。また、第一接続部材が設けられていない場合に比べて、熱交換器の強度が強くなる。
【0023】
前記熱交換器において、前記第一接続部材は、前記チーズと前記第二パイプによって形成されてもよい。この場合、第一接続部材がチーズと第二パイプによって形成されているので、第一接続部材が中空状である。このため、熱交換器を液体の中に配置した場合に、チーズと第二パイプの内部に液体が流入する。よって、熱交換器に浮力が発生し難い。故に、熱交換器を液体の中に沈めやすくなる。
【0024】
前記熱交換器において、複数の前記ユニットは、互いに並べて配置されてもよい。この場合、1つの熱交換部が設けられている場合に比べて、熱交換容量を増やすことができる。
【0025】
前記熱交換器において、複数の前記ユニットは、互いに間隔をあけて格子状に配置され、前記熱交換器は、複数の前記ユニットを互いに接続する第二接続部材を備えてもよい。この場合、第二接続部材が設けられていない場合に比べて、各ユニットの位置が安定する。また、第二接続部材が設けられていない場合に比べて、熱交換器の強度が強くなる。
【0026】
前記熱交換器において、前記第二接続部材は、前記チーズと前記第二パイプによって形成されてもよい。この場合、第二接続部材がチーズと第二パイプによって形成されているので、第二接続部材が中空状である。このため、熱交換器を液体の中に配置した場合に、チーズと第二パイプの内部に液体が流入する。よって、熱交換器に浮力が発生し難い。故に、熱交換器を液体の中に沈めやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】熱交換器1の斜視図である。
図2】熱交換器1の支持部2の斜視図である。
図3】熱交換器1の平面図である。
図4】螺旋状部813にスペーサ61が配置された状態を示す図である。
図5】変形例に係る熱交換器11の平面図である。
図6】変形例に係る熱交換器12の平面図である。
図7】変形例に係る熱交換器13の平面図である。
図8】変形例に係る熱交換器14の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具現化した熱交換器1について、図面を参照して説明する。以下の説明においては、図1の上側、下側、左下側、右上側、右下側、左上側を、夫々、熱交換器1の上側、下側、左側、右側、前側、後側として説明する。また、熱交換器1の下方向を第一方向という場合があり、第一方向に直交する方向を直交方向という場合がある。
【0029】
図1及び図2に示すように、熱交換器1は、支持部2と、熱交換部8とを備えている。熱交換部8と支持部2とは、第一方向に延びる。熱交換部8は、ホース部81、流入口82、及び流出口83を備えている。流入口82及び流出口83は、熱交換器1の上部に配置されている。ホース部81は、可撓性を有する。ホース部81には、例えば、直管又はフレシキブルチューブが使用され、素材としては、ステンレス、高耐食スーパーステンレス、又は架橋ポリエチレン等が使用される。流入口82は、ホース部81の一端部に設けられ、流出口83は、ホース部81の他端部に設けられている。
【0030】
ホース部81は、第一延伸部811、第二延伸部812、及び螺旋状部813を備えている。第一延伸部811は、流入口82から第一方向に延びる。螺旋状部813は、第一延伸部811の下端から、螺旋状に第一方向に延びる。第二延伸部812は、螺旋状部813の下端から、螺旋状部813の内側又は外側を通って上方に延びる。第二延伸部812の上端は、流出口83に接続されている。熱交換部8は、ホース部81の内側に液体を流すことが可能であり、熱交換によって液体を冷却又は加温する。以下の説明では、ホース部81の内部を流れる液体を第一液体という。
【0031】
支持部2は、熱交換部8を支持する部材である。支持部2は、複数本の中空状のパイプ21によって形成されている。パイプ21は、塩化ビニル樹脂(所謂、塩ビ)製である。塩化ビニル樹脂製のパイプ21として、例えば、硬質ポリ塩化ビニル管(VP、VU)、耐衝撃性硬質塩化ビニル管(HIVP)、耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管(HT)等が使用される。
【0032】
パイプ21は、第一パイプ22、第二パイプ23、及びT型のパイプであるチーズ24を含む。第一パイプ22は、第一方向に延びる直線状のパイプである。第一パイプ22は、熱交換部8の螺旋状部813の周囲に複数本(本実施形態では4本)設けられている。より詳細には、第一パイプ22は、螺旋状部813の右前側、左前側、右後側、及び左後側に配置されている。
【0033】
4本の第一パイプ22の夫々の一端側(下端側)には、上下方向に並ぶ2個のチーズ24が配置されている。また、4本の第一パイプ22の夫々の他端側(上端側)には、上下方向に並ぶ2個のチーズ24が配置されている。
【0034】
チーズ24は、第一円筒部241と第二円筒部242とを備えている。第一円筒部241は、第一方向に延びる。第二円筒部242は、第一円筒部241の上下方向中央部から、第一方向に直交する直交方向に延びる。なお、以下の説明においては、第一パイプ22の下端側において上下方向に並ぶ2個のチーズ24のうち、上側のチーズ24をチーズ24Aといい、下側のチーズ24をチーズ24Bという。第一パイプ22の上端側において上下方向に並ぶ2個のチーズ24のうち、下側のチーズ24をチーズ24Cといい、上側のチーズ24をチーズ24Dという。
【0035】
第一パイプ22の下端部は、チーズ24Aの第一円筒部241の上端部の内側に接続されている。チーズ24Aの第一円筒部241の下端部と、チーズ24Bの第一円筒部241の上端部とには、図示しないパイプが接続されている。当該パイプの径は、第一パイプ22の径と同じである。係る構成によって、チーズ24Aとチーズ24Bとが、第一パイプ22の下端部に接続されている。
【0036】
第一パイプ22の上端部は、チーズ24Cの第一円筒部241の下端部の内側に接続されている。チーズ24Cの第一円筒部241の上端部と、チーズ24Dの第一円筒部241の下端部とには、図示しないパイプが接続されている。当該パイプの径は、第一パイプ22の径と同じである。係る構成によって、チーズ24Cとチーズ24Dとが、第一パイプ22の上端部に接続されている。
【0037】
第二パイプ23は、直交方向に延びる。第二パイプ23は、2個のチーズ24の第二円筒部242の内側に接続されている。以下の説明においては、チーズ24Aの第二円筒部242に接続される第二パイプ23を第二パイプ23Aといい、チーズ24Bの第二円筒部242に接続される第二パイプ23を第二パイプ23Bという。チーズ24Cの第二円筒部242に接続される第二パイプ23を第二パイプ23Cといい、チーズ24Dの第二円筒部242に接続される第二パイプ23を第二パイプ23Dという。
【0038】
また、第一パイプ22の下端側又は上端側に設けられた2個のチーズ24の第二円筒部242の夫々は、互いに異なる方向に延びる。より詳細には、右前部に設けられた第一パイプ22の下端側に設けられたチーズ24Aの第二円筒部242は後方向に延び、チーズ24Bの第二円筒部242は左方向に延びる。左前部に設けられた第一パイプ22の下端側に設けられたチーズ24Aの第二円筒部242は後方向に延び、チーズ24Bの第二円筒部242は右方向に延びる。右後部に設けられた第一パイプ22の下端側に設けられたチーズ24Aの第二円筒部242は前方向に延び、チーズ24Bの第二円筒部242は左方向に延びる。左後部に設けられた第一パイプ22の下端側に設けられたチーズ24Aの第二円筒部242は前方向に延び、チーズ24Bの第二円筒部242は右方向に延びる。
【0039】
図1図3に示すように、右前部に設けられた第一パイプ22の上端側に設けられたチーズ24Cの第二円筒部242は左方向に延び、チーズ24Dの第二円筒部242は後方向に延びる。左前部に設けられた第一パイプ22の上端側に設けられたチーズ24Cの第二円筒部242は右方向に延び、チーズ24Dの第二円筒部242は後方向に延びる。右後部に設けられた第一パイプ22の上端側に設けられたチーズ24Cの第二円筒部242は左方向に延び、チーズ24Dの第二円筒部242は前方向に延びる。左後部に設けられた第一パイプ22の上端側に設けられたチーズ24Cの第二円筒部242は右方向に延び、チーズ24Dの第二円筒部242は前方向に延びる。
【0040】
図1及び図2に示すように、第二パイプ23Aは、前後方向に延びる。第二パイプ23Bは、左右方向に延びる。図1図3に示すように、第二パイプ23Cは、左右方向に延びる。第二パイプ23Dは、前後方向に延びる。第二パイプ23A,23B,23C,23Dの夫々の両端部は、チーズ24の第二円筒部242に接続されている。
【0041】
図1及び図2に示すように、第二パイプ23とチーズ24との少なくとも一部は、熱交換部8を支持する。本実施形態では、2本の第二パイプ23Aの前後方向中央部が、熱交換部8の下端部に接触し、熱交換部8を支持する。
【0042】
熱交換器1の組み立て方法の一例について説明する。作業者は、第一パイプ22、第二パイプ23A,23B、及びチーズ24A,24Bを使用し、支持部2の一部を形成する。なお、前述したように、チーズ24Aとチーズ24B同士は、図示しないパイプを介して接続されている。
【0043】
作業者は、円柱状の部材の周囲に、熱交換部8を巻き付けて、螺旋状部813等を形成する。作業者は、円柱状の部材に巻き付けられた熱交換部8を、支持部2の上方から下方に向けて挿入した後、円柱状の部材を抜き取る。これによって、熱交換部8が支持部2の複数の第一パイプ22の内側に配置された状態となる。このとき、螺旋状部813が前後左右方向に広がろうとするが、螺旋状部813の周囲に設けられた第一パイプ22によって、螺旋状部813が広がることが防止され、螺旋状部813の形状が維持される。すなわち、熱交換部8は、外側に広がる性質があるが、上下方向の第一パイプ22が熱交換部8の広がりを抑えて固定する働きを有する。なお、熱交換部8は、機械を用いて製作される場合もある。
【0044】
作業者は、第二パイプ23C,23D、及びチーズ24C,24Dを使用し、支持部2の上部を形成する。なお、前述したように、チーズ24Cとチーズ24D同士は、図示しないパイプを介して接続されている。以上のようにして、熱交換器1が組み立てられる。
【0045】
熱交換器1の使用方法の一例について説明する。熱交換器1は、例えば、槽に貯留された第二液体(例えば、水又は温水等)の中に沈められる。流入口82及び流出口83は、第二液体の液面よりも上方に位置する。流入口82及び流出口83は、図示しないパイプ状の管を介して、種々の部材にされる。例えば、流入口82及び流出口83は、管を介して、ヒートポンプに接続されてもよい。
【0046】
流入口82から供給された第一液体は、熱交換部8の第一延伸部811、螺旋状部813、及び第二延伸部812を介して流出口83から排出される。このとき、熱交換部8を介して、槽の中の第二液体との熱交換が行われ、熱交換部8の内部を通る第一液体が、冷却又は加温される。流出口83からは、冷却又は加温された第一液体が排出される。
【0047】
なお、熱交換器1が槽に貯留された第二液体に沈められた場合、水中ポンプ70(図2参照)が、螺旋状部813の内側に配置されてもよい。水中ポンプ70は、例えば、上方から吊り下げられ、螺旋状部813の上下方向中央部に配置される。水中ポンプ70は、槽の中の第二液体を対流させる。水中ポンプ70は、例えば、上方から下方に向けて、第二液体を対流させる。これによって、水中ポンプ70が設けられていない場合に比べて、熱交換部8の中を流れる第一液体を効率的に冷却又は加温できる。なお、水中ポンプ70の変わりに、水中ミキサー(攪拌ポンプ)又は水中エアミキサー(水中エアレータ)等が用いられてもよい。また、水中ポンプ70等の第二液体を攪拌する部材の位置は、熱交換器1の下部や上部でもよい。また、水中ポンプ70等の第二液体を攪拌する部材は、第二パイプ23B又は第二パイプ23C等に支持されて固定されてもよい。
【0048】
また、熱交換器1は、複数個組み合わせて使用されてもよい。例えば、各熱交換器1は、複数設けられ、熱交換部8を流れる流路が直列に繋がれてもよいし、並列に繋がれてもよい。また、各熱交換器1が、同じ槽に沈められてもよいし、異なる槽に沈められてもよい。
【0049】
以上のように、本実施形態の熱交換器1が形成される。本実施形態では、支持部2は塩化ビニル樹脂製の複数本の中空状のパイプ21によって形成されている。この場合、支持部2に塩化ビニル樹脂が使用されているので、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂及び金属等が使用される場合に比べて、コストダウンすることができる。
【0050】
また、第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24の夫々と同じ形状の塩化ビニル製のパイプは、水道用のパイプとして市販されている場合がある。この場合、第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24として、量産品である市販されたパイプを使用することで、専用の部品を使用する場合に比べて、コストダウンすることができる。
【0051】
また、市販されたパイプを購入して、熱交換器1を設置する現地で組み立てることも可能となる。この場合、工場等で事前に組み立てて輸送する場合に比べて、購入費を下げることができる。
【0052】
また、支持部2が中空状のパイプ21によって形成されているので、熱交換器1が槽の中に沈められたときに、パイプ21の内部に第二液体が流入する。このため、パイプ21内から空気が外部に排出される。よって、支持部2の浮力が低減される。故に、例えば、熱交換器1が浮力によって浮かぶことを防止する部材を別途設ける必要がない。よって、熱交換器1をコストダウンすることができる。
【0053】
複数本の第一パイプ22と、第一パイプ22の下端側に配置されたチーズ24A,24Bと、直交方向に延び、2個のチーズ24A,24Bの第二円筒部242に接続される第二パイプ23A,23Bとが設けられている。このため、第二パイプ23とチーズ24とを介して、2個の第一パイプ22が接続されることになる。よって、第一パイプの一端側(下端側)が接続されない場合に比べて、支持部2の強度が強くなる。
【0054】
また、チーズ24A,24Bは、第一パイプ22の下端側に2個設けられている。また、2個のチーズ24A,24Bの第二円筒部242の夫々は、互いに異なる方向に延び、第二パイプ23A,23Bに接続されている。この場合、チーズ24Aとチーズ24Bが互いに同じ方向に延び、第二パイプ23A,23Bに接続される場合に比べて、支持部2の強度が強くなる。例えば、本実施形態では、第二パイプ23A,23Bが前後方向及び左右方向に延びているので、一方向(例えば、前後方向)に延びる場合に比べて、支持部2の強度が強くなっている。また、チーズ24が、第一パイプ22の下端側に1個設けられ、1個の第二パイプ23に接続される場合に比べて、支持部2の強度が強くなる。
【0055】
チーズ24と第二パイプ23との少なくとも一部が、熱交換部8を支持する。この場合、チーズ24と第二パイプ23以外に、熱交換部8を支持する部材を設ける場合に比べて、支持部2を形成する部材が少なくなり、熱交換器1のコストを低減できる。また、部材が少なくなるので、熱交換器1の組み立て作業が効率的になる。
【0056】
また、チーズ24C,24Dは、第一パイプ22の下端側の反対側である上端側に2個設けられている。また、上端側に設けられた2個のチーズ24C,24Dの第二円筒部242の夫々は、互いに異なる方向に延び、第二パイプ23C,23Dに接続されている。この場合、チーズ24Cとチーズ24Dが互いに同じ方向に延び、第二パイプ23C,23Dに接続される場合に比べて、支持部2の強度が強くなる。例えば、本実施形態では、第二パイプ23C,23Dが前後方向及び左右方向に延びているので、一方向(例えば、前後方向)に延びる場合に比べて、支持部2の強度が強くなっているのである。また、チーズ24が、第一パイプ22の上端側に1個設けられ、1個の第二パイプ23に接続される場合に比べて、支持部2の強度が強くなる。
【0057】
上記実施形態において、第一円筒部241は本発明の「第一部位」の一例である。第二円筒部242は本発明の「第二部位」の一例である。
【0058】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、支持部2は、塩化ビニル樹脂を含む複数本のパイプによって形成されればよく、第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24の少なくとも一部が使用されなくてもよい。例えば、支持部2は、L型のパイプであるL型エルボ、及び直線状のパイプ等、種々のパイプが組み合わされて形成されてもよい。
【0059】
また、チーズ24は、第一パイプ22の下端側に2個設けられ、2個のチーズ24A,24Bの第二円筒部242の夫々は、互いに異なる方向に延び、第二パイプ23に接続されていたが、これに限定されない。例えば、2個のチーズ24A,24Bの第二円筒部242の夫々は、互いに同じ方向(例えば、前後方向)に延び、第二パイプ23に接続されてもよい。また、チーズ24は、第一パイプ22の下端側に1個設けられてもよい。
【0060】
また、チーズ24は、第一パイプ22の下端側に2個設けられ、2個のチーズ24A,24Bの第二円筒部242の夫々は、互いに異なる方向に延び、第二パイプ23に接続されていたが、これに限定されない。例えば、2個のチーズ24A,24Bの第二円筒部242の夫々は、互いに同じ方向に延び、第二パイプ23に接続されてもよい。この場合、例えば、4個の第二パイプ23A,23Bが、全て、前後方向又は左右方向に向いてもよい。
【0061】
また、チーズ24は、第一パイプ22の上端側に2個設けられ、2個のチーズ24C,24Dの第二円筒部242の夫々は、互いに異なる方向に延び、第二パイプ23に接続されていたが、これに限定されない。例えば、2個のチーズ24C,24Dの第二円筒部242の夫々は、互いに同じ方向に延び、第二パイプ23に接続されてもよい。この場合、例えば、4個の第二パイプ23C,23Dが、全て、前後方向又は左右方向に向いてもよい。
【0062】
また、第一パイプ22の下端側又は上端側に設けられるチーズ24の数は限定されず、例えば、3個以上であってもよい。また、第一パイプ22の一端側又は他端側に設けられるチーズ24の数は1個であってもよい。
【0063】
また、図4に示すように、熱交換部8の螺旋状部813に、熱交換部8同士の間に隙間65を形成する複数のスペーサ61が設けられてもよい。スペーサ61は、円筒状のパイプ60の一部(本実施形態では下端部)が切り取られることで形成されている。スペーサ61は、熱交換部8のホース部81の周囲に被せられる。図4に示す例では、スペーサ61の厚みによって、隙間65が形成されている。
【0064】
この場合、スペーサ61によって隙間65が形成されるので、熱交換部8同士の間(熱交換部8のホース部81の間)を第二液体が移動し易くなる。よって、槽の中の第二液体が対流し易くなり、熱交換の効率が向上する。
【0065】
また、スペーサ61は、円筒状のパイプ60の一部が切り取られることで形成されている。このため、スペーサ61を専用の部品として形成する場合に比べて、熱交換器1をコストダウンすることができる。なお、パイプ60は本発明の「円筒パイプ」の一例である。
【0066】
また、スペーサ61は、結束バンドに比べて厚みが大きく強度が強い。このため、例えば、結束バンドによって、熱交換部8の螺旋状部813に隙間65を形成する場合に比べて、強度が強くなり、隙間65が大きくなる。よって、槽の中の第二液体が対流し易くなり、熱交換の効率が向上する。
【0067】
また、支持部2を第一方向に見た場合(支持部2を上側から見下ろした場合)における第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24によって形成される支持部2の形状は、2×N角形(N≧2)であるとよい。例えば、図3に示す支持部2は、四角形(すなわち、N=2)である。また、図5に示す変形例に係る熱交換器11は、支持部20と熱交換部800とを備えている。熱交換器11の熱交換部800の形状は、熱交換器1の熱交換部8(図1図3参照)の形状と略同じであるので、説明は省略する。支持部20を第一方向に見た場合における、第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24によって形成される支持部20の形状は、六角形(すなわち、N=3)である。
【0068】
第一パイプ22は、熱交換部800の周囲に6個設けられている。第一パイプ22の下端には、熱交換器1(図1図3参照)と同様に、チーズ24A,24Bが接続され、第一パイプ22の上端には、チーズ24C,24Dが接続されている。チーズ24A,24B,24C,24Dの第二円筒部242の平面視の向きは、6角形の角部を形成する角度に設定されている。図5においては図示しないが、互いに向き合うチーズ24Aの第二円筒部242には、第二パイプ23Aが接続され、互いに向き合うチーズ24Bの第二円筒部242には、第二パイプ23Bが接続されている。図5に示すように、互いに向き合うチーズ24Cの第二円筒部242には、第二パイプ23Cが接続され、互いに向き合うチーズ24Dの第二円筒部242には、第二パイプ23Dが接続されている。
【0069】
第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24によって形成される支持部2の形状が2×N角形(N≧2)である場合、第一パイプ22の一端側(下端側)又は他端側(上端側)に、2個のチーズ24を設けて、第二パイプ23を接続することで、2×N角形を形成できる。このため、第一パイプ22の一端側又は他端側に、3個以上のチーズ24を設ける必要がない。よって、熱交換器11をコストダウンすることができる。
【0070】
また、熱交換器は、熱交換部と支持部とを含むユニットを複数備えてもよい(図6及び図7参照)。例えば、熱交換器は、互いに径の異なる複数のユニットがM個(M≧2)設けられている。そして、P個目(P=2〜M)のユニットは、P−1個目のユニットの周囲に配置されてもよい。
【0071】
図6に示す変形例に係る熱交換器12は、互いに径の異なる2個(すなわち、M=2)のユニット90,91を備えている。ユニット90は、熱交換部801と支持部201を備えている。ユニット91は、熱交換部802と支持部202を備えている。ユニット91は、ユニット90より前後左右方向の径が大きい。2個目(すなわち、P=2)のユニット91は、1個目のユニット90の周囲に配置されている。ユニット91とユニット90とは、同心円状に配置されている。
【0072】
より詳細には、支持部201,202は、第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24によって形成されている。なお、支持部202の第二パイプ23の長さは、支持部201の第二パイプ23の長さよりも長い。ユニット90の熱交換部801及び支持部201は、図1図3に示す熱交換器1の熱交換部8及び支持部2の形状と略同一である。
【0073】
熱交換部802の螺旋状部808の径は、熱交換部801の螺旋状部807の径より大きい。熱交換部802の螺旋状部808の内側に、熱交換部801及び支持部201が配置されている。支持部202と熱交換部802の前後左右方向の大きさは、熱交換部801及び支持部201より大きいが、支持部202が熱交換部802を支持する構成は、支持部201が熱交換部801を支持する構成と略同一である。
【0074】
P個目のユニットの支持部とP−1個目のユニットの支持部とは、第一接続部材によって接続されている。図6に示す第一接続部材50は、2個目のユニット91の支持部202と1個目のユニット90の支持部201を接続する部材である。第一接続部材50は4個設けられている。各第一接続部材50は、1個の第二パイプ23Eと2個のチーズ24Eによって形成されている。チーズ24Eは、支持部201,202のチーズ24Dの上側に配置されている。チーズ24Eの第一円筒部241の下部と、チーズ24Dの第一円筒部241との上部とは、チーズ24C及びチーズ24Dの接続態様と同様に、図示しないパイプによって接続されている。
【0075】
第二パイプ23Eの一端は、支持部201のチーズ24Eにおける第二円筒部242に接続されている。第二パイプ23Eの他端は、支持部202のチーズ24Eにおける第二円筒部242に接続されている。右前部の第二パイプ23Eは、支持部201の右前部に配置されたチーズ24Eと、支持部202の右前部に配置されたチーズ24Eとに接続されている。左前部の第二パイプ23Eは、支持部201の左前部に配置されたチーズ24Eと、支持部202の左前部に配置されたチーズ24Eとに接続されている。右後部の第二パイプ23Eは、支持部201の右後部に配置されたチーズ24Eと、支持部202の右後部に配置されたチーズ24Eとに接続されている。左後部の第二パイプ23Eは、支持部201の左後部に配置されたチーズ24Eと、支持部202の左後部に配置されたチーズ24Eとに接続されている。
【0076】
以上のように、熱交換器12が形成される。熱交換器12は、複数のユニット90,91を備えている。このため、1つの熱交換部が設けられている場合に比べて、熱交換容量を増やすことができる。
【0077】
また、熱交換器12は、互いに径の異なる複数のユニット90,91をM個(本実施形態では2個)備えている。P個目(P=2〜M)のユニット91は、P−1個目のユニット90の周囲に配置されている。この場合、複数(本実施形態では2個)のユニット90,91を並べて配置する場合に比べて、省スペース化できる。また、複数の熱交換部801,802が設けられているので、1個設けられている場合に比べて、熱交換容量を増やすことができる。
【0078】
また、第一接続部材50が設けられていることによって、第一接続部材50が設けられていない場合に比べて、熱交換部801,802と、支持部201,202の位置が安定する。また、第一接続部材50が設けられていない場合に比べて、熱交換器12の強度が強くなる。
【0079】
また、第一接続部材50は、チーズ24Eと第二パイプ23Eとによって形成されているので、中空状である。このため、熱交換器12を第二液体の中に配置した場合に、チーズ24Eと第二パイプ23Eとの内部に第二液体が流入する。このため、熱交換器12に浮力が発生し難い。よって、熱交換器12を第二液体の中に沈めやすくなる。
【0080】
なお、第一接続部材50は、熱交換器12の上部に設けられているが、下部に設けられてもよい。また、第一接続部材50は、熱交換器12の上部と下部との両方に設けられてもよい。また、第一接続部材50が設けられなくてもよい。
【0081】
また、熱交換器が、熱交換部と支持部とを含むユニットを複数備える例は、上記の例に限定されない。例えば、図7に示す変形例に係る熱交換器13は、ユニット92が4個並べて配置されている。各ユニット92は、図1図3に示す熱交換器1と同じであり、熱交換部8と支持部2を備えている。
【0082】
熱交換器13における複数のユニット92は、互いに間隔をあけて格子状に配置されている。各ユニットは、第二接続部材51によって互いに接続されている。第二接続部材51の構成は、第一接続部材50と同じであり、1個の第二パイプ23Eと2個のチーズ24Eによって形成されている。第二接続部材51が、各ユニット92の上部に接続される態様は、第一接続部材50がユニット90,91に接続される態様と同じであるので、詳細は省略する。
【0083】
第二接続部材51は、6個設けられている。1個目の第二接続部材51は、左右方向に延び、左後のユニット92の右後部と、右後のユニット92の左後部とを接続する。また、2個目の第二接続部材51は、左右方向に延び、左前のユニット92の右前部と、右前のユニット92の左前部とを接続する。3個目の第二接続部材51は、前後方向に延び、左後のユニット92の左前部と、左前のユニット92の左後部とを接続する。4個目の第二接続部材51は、前後方向に延び、左後のユニット92の右前部と、左前のユニット92の右後部とを接続する。5個目の第二接続部材51は、前後方向に延び、右後のユニット92の左前部と、右前のユニット92の左後部とを接続する。6個目の第二接続部材51は、前後方向に延び、右後のユニット92の右前部と、右前のユニット92の右後部とを接続する。
【0084】
以上のように変形例に係る熱交換器13が形成される。熱交換器13は、複数のユニット92が互いに並べて配置されている。このため、1つの熱交換器が設けられている場合に比べて、熱交換容量を増やすことができる。
【0085】
また、複数のユニット92は、互いに間隔をあけて格子状に配置され、第二接続部材51によって互いに接続されている。このため、第二接続部材51が設けられていない場合に比べて、各ユニット92の位置が安定する。また、第二接続部材51が設けられていない場合に比べて、熱交換器13の強度が強くなる。
【0086】
第二接続部材51は、チーズ24Eと第二パイプ23Eとによって形成されているので、中空状である。このため、熱交換器13を第二液体の中に配置した場合に、チーズ24Eと第二パイプ23Eとの内部に第二液体が流入する。このため、熱交換器13に浮力が発生し難い。よって、熱交換器13を第二液体の中に沈めやすくなる。
【0087】
なお、熱交換器13の複数のユニット92は、格子状に配置されなくてもよい。例えば、複数のユニット92が1列に配置されてもよい。
【0088】
また、複数のユニットは、前後左右方向に配置される場合に限られない。また、熱交換部の配置も限定されない。例えば、複数のユニットが上下方向に配置されてもよい。図1に示す熱交換部8と支持部2とを含むユニットが、上下に2段に配置されることで、2個の熱交換部8が上下に配置されてもよい。この場合、例えば、下側のユニットのチーズ24Dの第一円筒部241の上部と、上側のユニットのチーズ24Bの第一円筒部241の下部とが、図示しないパイプによって接続されてもよい。複数のユニットが上下方向に配置された場合、例えば、上下方向の深さが深く、前後左右方向の長さが小さいマンホール状の槽に熱交換器を配置することができる。また、1つの熱交換器が使用される場合に比べて、熱交換容量が大きくなる。
【0089】
また、熱交換部は、上記の実施例以外にも種々の配置が可能である。例えば、図8に示す熱交換器14は、3つの熱交換部851,852,853を備えている。なお、図8に示す熱交換部851,852,853は、螺旋状部の概略形状のみを示している。熱交換部851,852,853は、パイプで形成された図示しない支持部によって支持されている。支持部は、図1図7で示した第一パイプ22、第二パイプ23、及びチーズ24が組み合わされて形成される。
【0090】
熱交換部851,852,853は、第一方向に延びる。熱交換部852,853の径は、熱交換部851の径より大きい。熱交換部852,853は、熱交換部851の周囲に配置されている。熱交換部852,853は、上下に並べて配置されている。熱交換器14の上方から第一方向に熱交換器14を見た場合、熱交換部851と熱交換部852,853との配置は、図4に示す熱交換部801,802と同様である。
【0091】
熱交換器14の熱交換部851,852,853は、例えば、長さの同じホース部81によって形成される。熱交換部851,852,853のホース部81の長さは例えば、30mである。熱交換部852の半径R2と熱交換部853の半径R3とは、同じである。半径R2,R3は、熱交換部851の半径R1の2倍以上である。熱交換部851,852,853のホース部81の長さは同じであるので、半径R2,R3が半径R1の2倍以上の場合、熱交換部852,853の上下方向の長さH2,H3は、熱交換部851の上下方向の長さH1の1/2以下となる。このため、同じホース部81を使用した場合に、上下方向の長さH1の範囲内に、2つの熱交換部852,853を配置することが可能となる。
【0092】
本実施形態では、熱交換部851,852,853の夫々のホース部81は、一例として、30mであり、並列に接続される。仮に1本90mのホース部81を使用し、熱交換器を形成した場合、第一液体がホース部81の内部を通る場合の配管抵抗が大きくなる。本実施形態では、30mの熱交換部851,852,853を並列に接続するので、1本ごとの配管抵抗が、90mの場合に比べて、1/3以下に小さくなる。また、30mの熱交換器を1つ使用する場合に比べて、熱交換容量を約3倍に増やすことができる。なお、熱交換部851,852,853の夫々のホース部81は、直列に接続されてもよい。
【0093】
以上のように、熱交換器14が形成される。なお、熱交換部の配置は限定されない。例えば、熱交換部852,853の半径R2,R3が、熱交換部851の半径R1の2倍以上であったが、例えば、4倍以上であってもよい。この場合、熱交換部852,853の上下方向の長さH2,H3が、熱交換部851の上下方向の長さH1の1/4以下になる。このため、さらに2つの熱交換器を配置し、熱交換部851の周囲に4個の熱交換部が上下方向に配置されるようにしてもよい。この場合、6個の熱交換部が設けられているので熱交換容量は5倍となる。
【0094】
また、図8に示す熱交換器14と同じ熱交換器をさらに設け、上下に並べて配置してもよい。この場合、6個の熱交換部が設けられているので、熱交換容量が6倍になる。
【0095】
また、例えば、図8に示す熱交換部851,852,853の径方向外側に、半径R1の3倍以上の半径R4を有する熱交換部が、上下方向に3個設けられ、さらにその3個の熱交換器の外側に、半径R1の4倍以上の半径R5を有する熱交換部が、上下方向に4個設けられてもよい。この場合、10個の熱交換部が設けられているので、熱交換容量は10倍になる。なお、ホース部81は、全ての熱交換において同じ長さであったが、異なる長さであってもよい。
【符号の説明】
【0096】
1,11,12,13,14 熱交換器
2,20,201,202 支持部
8,800,801,802,851,852,853 熱交換部
21 パイプ
22 第一パイプ
23,23A,23B,23C,23D,23E 第二パイプ
24,24A,24B,24C,24D,24E チーズ
41 スペーサ
50 第一接続部材
51 第二接続部材
60 パイプ
61 スペーサ
90,91,92 ユニット
241 第一円筒部
242 第二円筒部
807,808,813 螺旋状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8