【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1におけるパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図である。
図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなる。遊技球が所定の発射強度以上で発射された場合に到達するのが第2遊技領域3bとなり、第1遊技領域3aは第2遊技領域3bへは到達しない発射強度で発射された遊技球が流下する遊技領域となる。従って、図に示したA部まで到達した遊技球は、第2遊技領域誘導路101を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
【0021】
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり特別図柄に対応した演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の右の第2遊技領域3bには、普通図柄作動ゲート17と第2始動口12(本発明の始動口に相当)とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。第2遊技領域3bの複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第2大入賞口15(本発明の大入賞口に相当)および第1大入賞口14が上下に配置され、第2大入賞口15の右側には普通入賞口34が設けられている。
【0022】
センターケース5の下には第1始動口11(本発明の始動口に相当)が配置されている。第1始動口11は、植設された遊技釘により、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)を流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下した遊技球のみが入球可能となる。第1始動口11の左方には、3個の普通入賞口31、32、33が設けられている。なお、普通入賞口31、32,33,34は、常時入球率が変化しない賞球のみが獲得できる入賞口である。
【0023】
また、第1始動口11の下方には継続口106(本発明の継続入球口に相当)を設けた振分役物100が配置されている。この振分役物100には、第2大入賞口15へ入賞した全ての遊技球が誘導され、後述する当否判定で大当りが生起すると、この継続口106への入球を条件として、大当り図柄によって決定するラウンド遊技の最大継続回数を限度にラウンド遊技を継続する。
【0024】
第1大入賞口14の下方には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10、および第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19が配置される。なお、第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10は、遊技者が視認しづらい位置に配置され、尚且つ表示する図柄自体も判別が困難な態様にすることより、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
【0025】
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技流を流下させた場合に限り第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(
図3参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
【0026】
第2遊技領域3bに遊技流を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(
図3参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(
図3参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の羽根部材が開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(
図3参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12である普通電動役物に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。本実施例では、第2始動口12は普通電動役物の羽根部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
【0027】
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態になると、第1特別図柄保留記憶分の変動が開始される。
【0028】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する第1大入賞口ソレノイド14b(
図3参照)と第2大入賞口ソレノイド15bとが駆動する(大当り遊技を行う)。第1大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して第1大入賞口14の扉部材が開放し、第1大入賞口14への遊技球の入球(第1カウントスイッチ14a(
図3参照)が遊技球を検出)が可能となり、第2大入賞口ソレノイド15bが駆動すると、ほぼ同期して第2大入賞口15の扉部材が開放し、第2大入賞口15への遊技球の入球(第2カウントスイッチ15a(
図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0029】
普通図柄作動ゲート17と普通電動役物からなる第2始動口12と、第1大入賞口14、第2大入賞口15とは、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に配置されているため、遊技状態が大当り遊技状態又は開放延長遊技状態に移行した場合は、遊技者は発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整することになる。
【0030】
次に、
図2を用いて、継続口106を備えた振分役物100について説明する。振分役物100の内側上部にはワープ出口103が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は、第2カウントスイッチ15aで検出された後、全てワープ出口103から振分役物100内に流入する。ワープ出口103の下方には開閉動作が可能な一対の可動片105(本発明の可動物に相当)が設けられており、通常時及び大当り遊技時における動作条件未成立時は(1)に示すように閉状態(本発明の第2の状態に相当)で停止している。さらに、可動片105の下方には、入球可能な3穴を備えた回転体110が配設され、常時一定速度で同一方向に回転動作を行っている。この回転体110の3穴の内、Vで示した一つが継続口106となる。
【0031】
一対の可動片105は、大当り図柄の種類に応じて設定されている動作条件(本発明の動作条件に相当)に基づいて大当り遊技時に閉状態から開状態(本発明の第1の状態に相当)、及び開状態から閉状態(本発明の第2の状態に相当)に変化する。可動片105と継続口106との間に回転体110が配置されていることにより、可動片105が開状態であれば継続口106への入球は可能となるが、回転体110の形状や動作が異なれば継続口106への入球率は容易にも困難にもなる。また、回転体110等を用いた振分を行わず、左右の可動片105の間を遊技球が下方に落下すれば継続口106に入球する構成とすれば、可動片105が開状態であれば継続口106への入球は容易となり、可動片105が開状態となる時間設定(開状態と閉状態とを交互に行う間欠動作を行う場合の開状態の時間設定)により継続口106への入球が困難にも容易にもなる。大当り図柄と可動片105の動作の詳細については図表を用いて後述する。
【0032】
大当り遊技中の第2大入賞口15が開放するラウンド遊技で、当該第2大入賞口15に遊技球が入球すると、
図2(1)に示すように可動片105が閉状態であれば、ワープ出口103から振分役物100に流入した遊技球は閉状態の可動片105よりも下方には流下できずハズレ口104に転動し、そのまま遊技盤裏面に排出される。
【0033】
図2(2)に示すように可動片105が開状態(本発明の第1の状態に相当)であれば、ワープ出口103から開状態の可動片105の間を通り一対の支えピン108の間まで落下する。落下した遊技球は、回転体110の回転位置により、回転体110の側面と一対の支えピン108とで構成される待機位置に停留し、3穴のいずれかの穴が真上に向けて開く位置まで回転するとその穴に入球する。既に待機位置に遊技球が待機した状態で可動片105間を遊技球が落下してくると、待機中の遊技球はそのままで落下してきた遊技球は左右のいずれかに転動しハズレ口109から遊技盤裏面に排出される。
【0034】
遊技球が回転体110のV(継続口106)穴に入球すると、継続口スイッチ106aに検出された後遊技盤裏面に排出され、ハズレ穴107に入球すると継続口スイッチ106aに検出されることなく遊技盤裏面に排出される。
【0035】
図3は、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0036】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ15a、継続口106への入球を検出する継続口スイッチ106a、普通入賞口31、32、33、34に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a、等の検出信号が入力される。
【0037】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0038】
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12となる普通電動役物の開閉を制御し、可動片ソレノイド105aを制御することで、振分役物100内の可動片105の開閉を制御し、スッテッピングモータである回転体モータ110bへの出力を制御することで回転体110の回転を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
【0039】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0040】
なお、払出制御装置81には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号の出力が停止したことに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0041】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0042】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお、本実施例では遊技球を機外に払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに持玉データとして記憶する封入式の構成にしても良い。
【0043】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル27からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
【0044】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル27を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0045】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0046】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
【0047】
次に、
図4,5の各種設定内容を示した図表を用いて遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態とのいずれかの確率状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/300、高確率が1/50に設定されている。
【0048】
また、普通電動役物(第2始動口12)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能(開放延長手段)を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は1.0秒の開放動作を5回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。
【0049】
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させことで、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
【0050】
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後に高確率遊技状態へ移行するか否かは、当否判定時に選択された大当り図柄の種類によって決定する構成となり、第1特図,第2特図ともに50%の確率で高確率遊技状態に移行し、次回の大当りが生起するまで継続する。また、開放延長状態は、第1特図,第2特図ともに大当り図柄が確変図柄(高確率状態に移行する図柄)であれば次回の大当りが生起するまで継続し、大当り図柄が通常図柄であれば大当り遊技終了後から特図が100回変動するまで開放延長状態となる。また、本実施例のパチンコ遊技機は小当りを備え、その確率は遊技状態に拘わらず第1特図,第2特図ともに1/100となり、小当りが生起すると第1大入賞口14が1.0秒の開放を1回行う。
【0051】
なお本実施例では、第1特図,第2特図ともに大当り遊技が生起すると、第1大入賞口14のラウンド遊技を所定回数行ってから第2大入賞口15のラウンド遊技を開始する。さらに、第2大入賞口15のラウンド遊技中に上述した継続口106に遊技球が入球すると、最大継続ラウンド数を限度に、次回以降の第2大入賞口15のラウンド遊技を実施する。なお、継続口106に入球しなければ大当り遊技を終了する構成となっている。なお、第1大入賞口14、第2大入賞口15ともに、1回のラウンド遊技における最大開放時間は30.0秒となり、開放動作を終了する規定入賞数は10個となっている。
【0052】
本実施例では、この大当り遊技の構成において、大当り図柄の種類によって大当り遊技の最大継続ラウンド数、第2大入賞口15がラウンド遊技を開始するラウンド数、及び第2大入賞口15が作動するラウンド遊技における可動片105の動作条件(閉状態から開状態へ変化する第1条件と開状態から閉状態へ変化する第2条件)が設定される。
【0053】
図5に示す図表は、大当り図柄の種類に対応した大当り遊技に係る各種設定内容となる。第1特図と第2特図とはそれぞれ6種類(1Aから1F、2Aから2F)の大当り図柄を備え、上述したようにどちらの特図も50%の確率で確変図柄と通常図柄とを決定する。具体的には、1A,1C,1Eと2A,2C,2Eのそれぞれ3図柄が確変図柄、1B,1D,1Fと2B,2D,2Fのそれぞれ3図柄が通常図柄となる。
【0054】
最大継続ラウンドは、第1特図の大当り図柄では1A,1Bが10ラウンド、1C,1Dが13ラウンド、1E,1Fが16ラウンドに設定されている。第2特図の大当り図柄では、いずれの大当り図柄でも16ラウンドに設定されている。
【0055】
第2大入賞口15のラウンド遊技を開始するラウンド数は、第1特図の大当り図柄では1A,1Bが7ラウンド、1C,1Dが9ラウンド、1E,1Fが11ラウンドに設定されている。第2特図の大当り図柄では、2A,2Bが8ラウンド、2C,2Dが11ラウンド、2E,2Fが14ラウンドに設定されている。
【0056】
可動片105の動作条件は、第2大入賞口15への入賞数と第1条件成立時からの経過時間に対応して設定されており、第1特図の大当り図柄が1Aなら、可動片105が閉状態から開状態に変化する第1条件は、第2カウントスイッチ15aが2個の遊技球をカウントすることなり、可動片105が開状態から閉状態に変化する第2条件は、第2カウントスイッチ15aが9個の遊技球をカウントすること、又は可動片105が閉状態から開状態へと変化した第1条件の成立時から15秒経過することとなる。以下同様に、第1特図と第2特図の大当り図柄ごとに図表に示す内容で可動片105の動作条件が設定されている。なお、可動片105が開状態で第2大入賞口15のラウンド遊技時間が終了した場合は、可動片105は開状態から閉状態に変化する。
【0057】
図表が示すように、最大継続回数、第2大入賞口15がラウンド遊技を開始するラウンド数、及び可動片105の動作条件は、ともに第1特図よりも第2特図の方が遊技者に有利な設定となっており、第2特図が主に変動する開放延長状態において、より多くの遊技球を獲得する期待感が増加する構成となっている。
【0058】
また、第1特図の確変大当り図柄に対する各種設定では、出玉の期待値が低い大当り(最大継続ラウンドが比較して少ない)ほど最大継続ラウンドまでの継続が容易(可動片105の開状態期間が比較して長い)となり、出玉の期待値が高い大当り(最大継続ラウンドが比較して多い)ほど最大継続ラウンドまでの継続が困難(可動片105の開状態期間が比較して短い)な設定となっている。この設定により、大当り図柄の違いにより1回の大当りによる獲得出玉の期待値に差はありながらも、平均すればその差に大きな差が生じない構成となり、遊技者には公平な遊技を提供できる。
【0059】
対して、出玉の期待値が低い大当りほど最大継続ラウンドまでの継続が困難で、出玉の期待値が高い大当りほど最大継続ラウンドまでの継続が容易に設定する(1Aと1Eの可動片動作条件を入替える)という実施例とは逆の設定も考えられる。この設定にすることにより、通常状態で発生した大当り図柄の種類によって、獲得可能な大当り出玉に大きな差が生じるようになり、射幸心を煽る遊技を提供できる。
【0060】
本実施例では、最大継続ラウンド時以外の第2大入賞口15の開放時は、第1条件が成立しなければ可動片105は閉状態から開状態に変化しない構成とした。しかしながら、第2大入賞口15の開放開始時から何らかの理由で遊技球の発射ができない状態が発生した場合を考慮し、第2大入賞口15の開放開始から第1条件が未成立の状態で所定時間(例えば、本実施例の場合は29.0秒)が経過すると、可動片105が閉状態から開状態に所定時間変化する構成としてもよい。これにより、第2大入賞口15の開放開始後、アクシデント等により遊技球が発射できない状態が続いた場合でも、第2大入賞口15の開放開始から所定期間が経過した時点で可動片105が所定時間開状態に変化することで遊技者を救済することが可能となる。なおこの構成は、他の実施例においても採用できる。
【0061】
次に、
図6に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する「メインルーチン」を説明する。「メインルーチン」はマイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0062】
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば、前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
【0063】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
【0064】
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、継続口106、普通図柄作動ゲート17への入球、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
【0065】
次に
図7に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する始動入賞処理1を説明する。始動入賞処理1は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理となる。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを、後述する当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理を行う。また、始動入賞処理1では、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0066】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入賞したとき、又は普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
【0067】
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
【0068】
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を確認する。
【0069】
続いて、S115の判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
【0070】
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)、S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S110と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
【0071】
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
【0072】
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
【0073】
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する保留図柄の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告演出の実施が可能となる。
【0074】
次に、
図8から
図10に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間、確定図柄、を選択する処理となり、本発明の当否判定手段,大当り図柄決定手段,を含む処理となる。
【0075】
当否判定処理を開始すると、条件装置が作動中か否か、即ち大当り遊技中か否かを判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)、リターンし、大当り遊技中でなければ(S200:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S205)、変動中でなければ(S205:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S210)、確定表示中でなければ(S210:no)、第2保留記憶が有るか否か判定し(S215)、否定判定なら(S215:no)、第1保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンし、S215、又はS220が肯定判定なら(S215:yes,S220:yes)、S230に進む。このS215とS220の判定順序により、第2保留記憶が優先的に当否判定を実施する。
【0076】
続くS230では、判定対象となる第1又は第2保留記憶のシフト処理を行う(S230)。これにより最も古い第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す第1又は第2保留記憶カウンタから1を減算する。
【0077】
S230に続いては、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数の値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S245)。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/50)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
【0078】
続くS250の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S245)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する。肯定判定なら(S250:yes)、図柄モード設定処理を行う(S255)。図柄モード設定処理では、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S260)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)と大当り図柄との関連付けを行うために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
【0079】
次にS255で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S265)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
【0080】
次に、S255で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターンと可動片105の動作条件の設定処理を行う(S270)。この場合に設定される大入賞口の開放パターンは、最大継続ラウンド数及び第2大入賞口15がラウンド遊技を開始するラウンド数となる。続いて、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S275)。
【0081】
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S280)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0082】
S250が否定判定、即ちハズレなら(S250:no)、S245の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S285)、肯定判定なら(S285:yes)、特図の種類、遊技状態、及び小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択し(S290)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S270)、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S275)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S280)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0083】
S285が否定判定なら(S285:no)、ハズレ図柄を選択し(S295)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S275)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S280)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0084】
次に、S205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、
図9のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S275で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判断なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS260,S290又はS295で選択した確定図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と、演出図柄表示装置6に表示される擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
【0085】
S305に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が、大当り図柄か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か(高確率状態か否か)判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットし(S325)、S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S330)、肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットし(S335)、S335、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S340)と、役物連続作動装置作動開始処理(S345)を行い、大当りフラグに1をセットし(S350)、大当り演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S355)。
【0086】
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S365)、確変フラグが1か否か判定し(S370)、肯定判定なら(S370:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S375)、確変カウンタが0か否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:yes)、確変フラグに0をセットする(S385)。続いて、S385、又はS370,S380が否定判定なら(S370:no,S380:no)、時短フラグが1か否か判定し(S390)、肯定判定なら(S390:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S395)、時短カウンタが0か否か判定し(S400)、肯定判定なら(S400:yes)、時短フラグに0をセットする(S405)。S370からS405によって、特別図柄が当否判定に応じたハズレ確定表示を行うごとに、高確率状態を規制する確変カウンタと時短(開放延長)状態を規制する時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで遊技状態が変化(時短(開放延長)状態が終了し、通常状態(通常確率状態で、且つ、通常開放状態)に移行)する。
【0087】
続いて、S405、又はS390,S400が否定判定なら(S390:no,S400:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S410)、肯定判定なら(S410:yes)、小当り遊技を開始する設定処理を行い(S415)、小当りフラグに1をセットし(S420)、S420、S410の否定判定(S410:no)、又はS355に続いては、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S360)リターンする。
【0088】
図8に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、
図10のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、確定図柄表示終了処理(S455)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に擬似図柄の確定表示を終了させる指示信号を送信してリターンする。
【0089】
次に、
図11から
図16を用いて特別遊技処理を説明する。本処理では、
図8のS270により設定された内容に基づいて大当り遊技を行い、大当り遊技終了時にS265で設定されたモードバッファに基づいて確変フラグ(及び確変カウンタ)と時短フラグ(及び時短カウンタ)とが設定され大当り遊技終了後の遊技状態が設定される。なお、大当り遊技の開放パターンとして最大継続ラウンド数と、第2大入賞口15がラウンド遊技を開始するラウンド数と、第2大入賞口15が作動するラウンド遊技(最終ラウンド以外)における可動片105の動作条件とが大当り図柄に応じて設定されている。
【0090】
本処理を開始すると、条件装置が未作動、即ち、大当り遊技中ではないか否か判定する(S500)。肯定判定なら(S500:yes)、小当り遊技中か否か判定し(S505)、否定判定なら(S505:no)リターンし、肯定判定なら(S505:yes)、小当り開始演出中か否か判定し(S510)、肯定判定なら(S510:yes)、小当り開始演出の終了時間か否か判定する(S515)。S515が否定判定なら(S515:no)リターンし、肯定判定なら(S515:yes)、第1大入賞口14が開放する小当り開放処理を行って(S520)リターンする。
【0091】
S510が否定判定なら(S510:no)、小当り動作中(第1大入賞口14作動)か否か判定し(S525)、肯定判定なら(S525:yes)、第1カウントスイッチ14aの検出球数(第1大入賞口14への入球数)が10個未満か否か判定し(S530)、肯定判定なら(S530:yes)、小当り遊技としての第1大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S535)、否定判定なら(S535:no)リターンする。S530が否定判定、又はS535が肯定判定なら(S530:no、S535:yes)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行い(S540)、小当り終了演出処理を行い(S545)リターンする。S525が否定判定、即ち、小当り遊技となる第1大入賞口14の開放が終了していたなら(S525:no)、小当り終了演出の時間が終了したか否か判定し(S550)、否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、小当り遊技終了処理を行って(S555)リターンする。
【0092】
S500が否定判定、即ち、大当り遊技中であれば(S500:no)、
図12のフローチャートに進み、第1大入賞口14及び第2大入賞口15が閉鎖中か否か判定し(S600)、肯定判定なら(S600:yes)、大当り開始演出中か否か判定し(S605)、肯定判定なら(S605:yes)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し(S610)、否定判定なら(S610:no)リターンし、肯定判定なら(S610:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行って(S615)リターンする。これにより、大当り遊技の初回のラウンド遊技では必ず第1大入賞口14が作動する。
【0093】
S605が否定判定、即ち、大当り開始演出中ではないなら(S605:no)、開放間インターバル中か否か判定し(S620)、肯定判定なら(S620:yes)、インターバルの終了時間か否か判定し(S625)、否定判定なら(S625:no)リターンし、肯定判定なら(S625:yes)、次回の開放は第1大入賞口14が開放するラウンドか否か判定し(S630)、が肯定判定なら(S630:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行って(S635)リターンし、否定判定なら(S630:no)、第2大入賞口15の開放処理を行い(S640)リターンする。
【0094】
S620が否定判定、即ち、第1大入賞口14及び第2大入賞口15は閉鎖中だが、大当り開始演出中でも開放間インターバル中でもないなら(S620:no)、大当り終了演出中ではないか否か判定し(S650)、肯定判定なら(S650:yes)、サブ統合制御装置83に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S655)リターンする。
【0095】
S600が否定判定、即ち、第1大入賞口14又は第2大入賞口15が開放中なら(S600:no)、
図13のフローチャートに進み、第1大入賞口14が開放中か否か判定し(S700)、肯定判定なら(S700:yes)、第1カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S705)、肯定判定なら(S705:yes)、第1カウントスイッチ14aの検出数が10個未満か否か判定する(S:710)。
【0096】
S710が肯定判定、又はS705が否定判定なら(S710:yes、S705:no)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S715)、否定判定なら(S715:no)リターンし、S715が肯定判定、又はS710が否定判定なら(S715:yes、S710:no)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行い(S720)、ラウンド間インターバル処理を行いサブ統合制御装置83にラウンド間インターバル演出を指示するコマンドを送信し(S725)リターンする。
【0097】
S700が否定判定、即ち、第2大入賞口15が開放中なら(S700:no)、
図14のフローチャートに進み、第2カウントスイッチ15aが遊技球を検出したか否か判定する(S750)。S750が肯定判定なら(S750:yes)、実行中のラウンド遊技が最大継続ラウンドではないか否か判定し(S755)、肯定判定なら(S755:yes)、
図5の図表を用いて説明した大当り図柄に基づいて設定されている可動片105の動作条件である第1条件が成立済み(既に第2カウントスイッチ15aが所定数の遊技球を検出済み)か否か判定し(S760)、肯定判定なら(S760:yes)、第2カウントスイッチ15aの遊技球検出によって、可動片105の動作条件である第2条件が成立したか否か判定し(S765)、肯定判定なら(S765:yes)、可動片ソレノイド105bの駆動を停止することによって可動片105を開状態から閉状態に変化させる(S770)。
【0098】
S760が否定判定、即ち、第2大入賞口15のラウンド遊技が開始されてから未だ第1条件が成立していなければ(S760:no)、S750の肯定判定によって第1条件が成立したか否か判定し(S775)、肯定判定なら(S775:yes)、可動片ソレノイド105bの駆動を開始することによって可動片105を閉状態から開状態に変化させ(S780)、継続口有効フラグに1をセットする(S785)。継続口有効フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1であれば継続口106への遊技球の入球が有効(入球すれば次回の第2大入賞口15が作動するラウンド遊技を継続する)であることを、値が0であれば継続口106への遊技球の入球が無効であることを主制御装置80が判断する。
【0099】
S750が否定判定、即ち、第2カウントスイッチ15aが遊技球を未検出であれば(S750:no)、大当り図柄に基づいて設定されている可動片105の動作条件である第2条件が成立(第1条件が成立してから所定時間が経過)したか否か判定し(S825)、肯定判定なら(S825:yes)、可動片ソレノイド105bの駆動を停止することによって可動片105を開状態から閉状態に変化させる(S770)。
【0100】
S770、S785、又はS755、S765、S775の否定判定(S755:no、S765:no、S775:no)に続いては、第2大入賞口15の入賞数が10個になったか否か判定し(S790)、否定判定なら(S790:no)リターンする。
【0101】
S830、又はS825の否定判定(S825:no)に続いては、第2大入賞口15の開放時間が終了したか否か判定し(S835)、否定判定なら(S835:no)リターンする。
【0102】
S790、又はS835が肯定判定なら(S790:yes、S835:yes)、第2大入賞口15の閉鎖処理を行い(S795)、未だ可動片ソレノイド105bが駆動中なら第2大入賞口15の閉鎖又は該閉鎖から所定時間後に可動片ソレノイド105bの駆動を停止する可動片ソレノイド停止処理を行い(S798)、最大継続ラウンドが終了したか否か判定し(S800)、肯定判定なら(S800:yes)、大当り終了演出処理を行いサブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信し(S805)リターンする。第2大入賞口15の閉鎖処理では、第2大入賞口15の閉鎖時に可動片ソレノイド105bが未だ駆動している場合は、該閉鎖から所定時間経過後に可動片ソレノイド105bの駆動を終了することによって、第2大入賞口15の閉鎖間際に入球した遊技球が継続口106に入球する機会を阻害しない。
【0103】
S800が否定判定なら(S800:no)、継続フラグが1か否か判定し(S810)、否定判定なら(S810:no)、上述したS805に進んで大当り遊技を終了し、肯定判定なら(S810:yes)、ラウンド間インターバル処理を行い(S815)、継続フラグに0をセットして(S820)リターンする。
【0104】
継続フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1であれば継続口106への遊技球の入球に基づいて次回の第2大入賞口15のラウンド遊技を継続して行うことを、値が0であれば継続口106への遊技球の未入球に基づいて次回の第2大入賞口15のラウンド遊技を継続しないことを、主制御装置80が判断する。
【0105】
ここで、
図16を用いて継続口入球確認処理を説明する。本処理を開始すると、継続口有効フラグが1か否か判定し(S950)、否定判定なら(S950:no)リターンし、肯定判定なら(S950:yes)、継続口スイッチ106aが遊技球を検出したか否か判定し(S955)、否定判定なら(S955:no)リターンし、肯定判定なら(S955:yes)、継続フラグに1をセットして(S960)リターンする。
【0106】
特別遊技処理1の説明に戻り、
図12のS650が否定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S650:no)、
図15のフローチャートに進み、大当り終了演出の時間が終了したか否か判定し(S850)、否定判定なら(S850:no)リターンし、肯定判定なら(S850:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S855)、条件装置の作動停止処理(S860)を行い。S265で設定したモードバッファを参照し(S865)、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、時短カウンタを設定し(S870、S875、S880、S885)、モードバッファをクリアし(S890)、終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S895)、大当りフラグに0をセットして(S900)リターンする。
【0107】
以上が実施例1の説明となる。本実施例のパチンコ遊技機は、所謂デジパチタイプとなる。また、本実施例では、継続口106を有する第2大入賞口15の作動時は、可動片105が閉状態と開状態とのいずれかの状態となり、閉状態の場合は継続口106への入球が不可となるが、閉状態の代わりに可動片105が間欠動作を行ってもよく(例えば、0.2秒開放、1.0秒閉鎖)、こうすることで第2大入賞口15の開放中は、可動片105の閉状態(入球不可状態)と、開状態と、継続口への入球が困難な状態(間欠動作)との三つの状態で構成してもよい。この場合、可動片105が開状態であれば、継続口106への入球が容易な状態であり、可動片10が間欠動作中であれば、継続口106への入球が可能な状態といえる。また、可動片10の間欠動作の態様(開放時間と閉鎖時間作との時間設定)によっては、継続口106への入球が可能な状態から入球が困難な状態となる。
【実施例2】
【0108】
次に、実施例2を説明する。実施例2におけるパチンコ遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通(1箇所部品名称変更)であり、特別に説明のない部分については共通内容とし重複する説明は割愛する。
【0109】
実施例1のパチンコ遊技機が特図の抽選のみから大当りが生起する所謂「デジパチタイプ」であったのに対し、本実施例のパチンコ遊技機は、特図の抽選に加え、小当り動作から大入賞口内の特定領域に遊技球が入球することによって大当りが生起する所謂「混合機タイプ」となる。
【0110】
具体的に実施例1のパチンコ遊技機と相違するのは、第2特図のみ小当りを備え、小当り遊技では特定領域106(実施例1の継続口106と同位置に配置した同一部品)を備えた第2大入賞口15が作動し、小当り遊技時に第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域106に入球すると役物大当り遊技が生起し、第1特図及び第2特図が大当りすると、第1大入賞口14のみが作動する大当り遊技を行い、役物大当りでは、実施例1と同様の大当り遊技(第1大入賞口が所定回数のラウンド遊技を実施後、第2大入賞口15がラウンド遊技を実施)を行うが、大当り遊技の内容は、役物大当り生起時の小当り図柄の種類に応じて設定される点となり、以下に相違点の詳細を説明する。
【0111】
図17は、実施例2のパチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図となり、その内容は、実施例1で遊技盤中継端子板74を介して主制御装置80に接続していた継続口スイッチ106aが本実施例では特定領域スイッチ106aに変わっている点のみが実施例1の
図3と異なる。
【0112】
図18、19は、実施例2において各種設定内容を示す図表となる。
図18の図表に示すように、本実施例のパチンコ遊技機は、第1特図、第2特図の大当り確率は1/300となり、混合機であるため確率変動は行わない。小当りは第2特図のみ備えその確率は1/8となる。小当り遊技は、第2大入賞口15が1.0秒の開放動作を1回行い、小当り遊技時の可動片105は、第2大入賞口15の作動開始から0.2秒開放0.5秒閉鎖の開閉動作を、第2大入賞口15の閉鎖後2.0秒経過するまで継続して実施し、閉状態に戻る。
【0113】
大当り遊技は、第1特図、又は第2特図が大当りすると(図柄大当り)、第1大入賞口14のみが大当り遊技として10回のラウンド遊技を行う。第2特図の小当りから役物大当りが生起すると、
図19の上の図表に示す内容で大当り遊技を行う。
【0114】
図19の上の図表は、第2特図の小当り図柄に対応した役物大当りに係る各種設定内容となる。第2特図は小当り図柄を6種類(2aから2f)備え、その内の3種類の小当り図柄から役物大当りが生起すると大当り遊技終了後に開放延長状態となる。具体的には、2a,2c,2eの3図柄が開放延長図柄、2b,2d,2fの3図柄が通常図柄となる。
【0115】
最大継続ラウンドは、2a,2bが10ラウンド、2c,2dが13ラウンド、2e,2fが16ラウンドに設定されている。第2大入賞口15がラウンド遊技を開始するラウンド数は、2a,2bが7ラウンド、2c,2dが9ラウンド、2e,2fが11ラウンドに設定されている。
【0116】
可動片105の動作条件は、実施例1と同様に第2大入賞口15への入賞数と第1条件成立時からの経過時間に対応して設定されており、小当り図柄が2aなら、可動片105が閉状態から開状態に変化する第1条件は、第2カウントスイッチ15aが2個の遊技球をカウントすることなり、可動片105が開状態から閉状態に変化する第2条件は、第2カウントスイッチ15aが9個の遊技球をカウントすること、又は可動片105が閉状態から開状態へと変化した第1条件の成立時から15秒経過することとなる。以下同様に、小当り図柄ごとに図表に示す内容で可動片105の動作条件が設定されている。
【0117】
本実施例においても、実施例1と同様に、大当り図柄の違いにより1回の大当りによる獲得出玉の差はありながらも、平均すればその差に大きな差が生じない構成となっているが、小当り図柄2aと2eの設定内容を入れ替えることで、小当り図柄の種類によって獲得可能な大当り出玉に大きな差が生じるようにすることで遊技者の射幸心を煽ることができる。
【0118】
図18の図表に戻り、本実施例の普通電動役物の開放延長は、図柄大当り,役物大当りに拘わらず、大当り遊技終了後から所定回数の特図の変動が実施されるまで行われる。具体的には、第1特図の図柄大当りの場合、1/3の確率(6図柄中2図柄、
図19の下図表参照)で大当り遊技終了後に開放延長状態となり、特図が30回変動するか又は大当りが生起するまで継続する。
【0119】
第2特図は、図柄大当り,小当りからの役物大当りともに1/2の確率(大当り図柄小当り図柄ともに6図柄中3図柄、
図19の下図表参照)で大当り遊技終了後に開放延長状態となり、特図が30回変動するか又は大当りが生起するまで継続する。
【0120】
次に、
図20から
図26を用いて、実施例2において主制御装置80が実行する特別遊技処理2と役物大当り検出処理とを合わせて説明する。実施例1と処理構成が異なるのは、小当りから役物大当りが生起する箇所となるため、それに係る変更箇所を以下に説明する。
【0121】
図20は、実施例1において
図11を用いて説明した処理部に該当するが、小当り遊技として作動させる大入賞口の種類と作動後の処理が実施例1とは異なる。具体的には、
図11のS515に相当するS1015が肯定判定なら(S1015:yes)、小当り遊技として第2大入賞口15の小当り開放処理を行い(S1020)、初回特定領域有効フラグに1を設定し(S1025)、可動片ソレノイド105bの駆動設定を行い(S1030)リターンする。
【0122】
初回特定領域有効フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら小当り遊技時の特定領域106への入球が有効(役物大当り生起可能)であることを、値が0なら特定領域106への入球が無効であることを判断する。
【0123】
初回特定領域有効フラグに1がセットされることにより、
図25のフローチャートに示す役物大当り検出処理が起動する。役物大当り検出処理が起動すると(S1450:yes)、特定領域スイッチ106aが遊技球を検出したか否か判定し(S1455)、否定判定なら(S1455:no)リターンし、肯定判定なら(S1455:yes)、小当り図柄を参照し(S1460)、参照した小当り図柄の種類に応じて実施例1と同内容のモードバッファ設定処理(S265)を行い、大入賞口の開放パターン及び可動片105の動作条件の設定を行う役物大当り遊技設定処理(S1470)を行う。
【0124】
続いて、第2大入賞口15の閉鎖処理を行い(S1475)、可動片ソレノイド105bの駆動を停止し(S1480)、初回特定領域有効フラグに0をセットし(S1485)、小当りフラグに0をセットし(S1490)、時短フラグが1か否か判定し(S1495)、肯定判定なら(S1495:yes)時短フラグに0をセットする(S1500)。
【0125】
S1500、又はS1495の否定判定(S1495:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S1505)、役物連続作動装置作動開始処理(S1510)を行い、大当りフラグに1をセットし(S1515)、大当り開始演出指示コマンドと状態指示コマンドとをサブ統合制御装置83に送信し(S1520、S1525)リターンする。
【0126】
本実施例の特別遊技処理2の
図21、22は、実施例1で説明した特別遊技処理1の
図12、13と同一内容となり、
図23も特別遊技処理1の
図14と処理構成は同一となるが、S785に対応したS1285のフラグ名称が異なっている。本実施例では実施例1の継続口有効フラグではなく、実施例2の混合機の機能に合わせて継続特定領域有効フラグとしている。継続特定領域有効フラグは、その値によって第2大入賞口15のラウンド遊技中において特定領域106への遊技球の入球が有効か否かを判断する。
【0127】
図24は、実施例1で説明した
図15に対応する大当り遊技終了時の処理となるが、本実施例のパチンコ遊技機は確率変動を行わないため、
図24は
図15から確変フラグと確変カウンタの設定を外した内容となる。また、
図26に示した継続特定領域入球確認処理1は、実施例1の
図16を用いて説明した継続口入球確認処理と処理内容を同じくし、上述したフラグ名称(継続口有効フラグが継続特定領域有効フラグになっている)が異なるのみとなる。
【0128】
以上が実施例2の説明となる。本実施例のパチンコ遊技機はデジパチとハネものタイプとの混合機であるため、特図から大当りが生起した場合と、小当りから大当りが生起した場合とで、大当り遊技の構成(作動する大入賞口の種類)が異なるものとなっている。なお、特図から大当りが生起した場合であっても、大当り図柄の種類に応じて、小当りから生起する役物大当りと同様の大当り遊技(第1大入賞口14が所定回数のラウンド遊技実施後、第2大入賞口15が最大継続回数を限度に特定領域106への入球を条件に継続するラウンド遊技を実施)を実施してもよい。
【0129】
本実施例では、小当り遊技時の可動片105の動作を所定時間の開閉動作(0.2秒開放0.5秒閉鎖の繰り返し)としたが、小当り図柄の種類に応じて小当り遊技時の可動片105の動作内容を変化させてもよい。
【0130】
本実施例では、1/300の確率で特図が大当りした場合は、第1、第2特図ともに大当り図柄の種類に関係なく大当り遊技の内容を同一としたが、特図の種類及び大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の内容を異なる設定としてもよい。
【実施例3】
【0131】
次に、実施例3を説明する。特別に説明のない部分については実施例1、又は実施例2と共通内容であり重複する説明は割愛する。
【0132】
本実施例のパチンコ遊技機はヒコーキタイプ、ハネ物タイプと呼称される仕様となり実施例1、2のパチンコ遊技機とはその盤面構成が大きく異なる。
【0133】
図27は、実施例におけるパチンコ遊技機の遊技盤301正面図である。
図27に示すように遊技盤301も公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域3の略中央には、羽根部材314の作動により遊技球が入球可能な遊技装置305が配置されている。遊技装置305の内部には、一対の可動片405、3穴を設けた回転体410、特定領域406が配置されており、遊技装置305に入球した遊技球が後述する入球経路を経て所定の確率で特定領域406へ入球する構造となっている。
【0134】
遊技装置305の上方には、演出図柄表示装置6が配置され、特定領域406への入球に起因して抽出した乱数に基づいて決定する大当り図柄に対応した演出態様が表示される。本実施例では、この大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の内容が設定される。なお、実際の大当り図柄は遊技領域3の右下に配置されている大当り図柄表示装置309に表示される。
【0135】
演出図柄表示装置6の左右にはランプ風車が配置されている。そして、遊技装置305の下方には、遊技球が入球することにより羽根部材314を2回作動させる中羽根作動口312が配置され、中羽根作動口312の左には、遊技球が入球することにより羽根部材314を1回作動させる左羽根作動口310が、中羽根作動口312の右には、遊技球が入球することにより羽根部材314を1回作動させる右羽根作動口311が配置されている。
【0136】
図28は、遊技装置305の構成を示す説明図となる。遊技装置305の上位部左右には、開放状態で遊技装置305への遊技球の入球が可能となる一対の羽根部材314が備えられている。左の羽根部材314の内側には遊技装置305に入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ314aが配置され、同様に右の羽根部材314の内側には第2カウントスイッチ314cが配置されている。上ステージの中央奥には通過口402が設けられ、各カウントスイッチに検出された全ての遊技球が入球する。
【0137】
通過口402の直下にはワープ出口403が設けられており、遊技装置305に入賞した遊技球は上ステージから通過口402を経て全てワープ口403から遊技装置405の下部に進入する。ワープ出口403の下方には開閉動作が可能な一対の可動片405(本発明の可動物に相当)が設けられており、通常時及び大当り遊技時における動作条件未成立時は閉状態で停止している。さらに、可動片405の下方には、入球可能な3穴を備えた回転体410が配設され、常時一定速度で同一方向に回転動作を行っている。この回転体410の3穴の内、Vで示した一つが特定領域406となる。
【0138】
遊技装置305を上記した構成とすることで、可動片405が閉状態ならば、ワープ出口403から遊技装置305下部に流入した遊技球は閉状態の可動片405よりも下方には流下できずハズレ口404に転動し、そのまま遊技盤裏面に排出される。
【0139】
通常遊技中に左中右羽根作動口310,312,311のいずれかに遊技球が入賞すると、可動片405は、羽根部材314の開放動作開始から0.2秒開放0.5秒閉鎖の開閉動作を、羽根部材314の閉鎖後2.0秒経過するまで継続して実施し、閉状態に戻る。
【0140】
従って、左中右羽根作動口310,312,311への入賞に応じた羽根部材314開放時(通常開放動作時)に遊技装置305に遊技球が入賞すると、全ての遊技球が上ステージの通過口402に流入し、ワープ出口403から遊技装置305下部に落下する。該落下時に可動片405が閉状態であれば、上述したようにハズレ口404に転動し、開状態であれば、ワープ出口403から落下した遊技球は可動片405の間を通り、回転体410上部に配置した一対の支えピン408の間まで落下する。
【0141】
支えピン408まで落下した遊技球は、回転体410の回転位置により、回転体410の側面と一対の支えピン408とで構成される待機位置に停留し、3穴のいずれかの穴が真上に向けて開く位置まで回転するとその穴に入球する。既に待機位置に遊技球が待機した状態で可動片405間を遊技球が落下してくると、待機中の遊技球はそのままで落下してきた遊技球は左右のいずれかに転動しハズレ口409から遊技盤裏面に排出される(
図28(2)参照)。
【0142】
遊技球が回転体410のV(継続口406)穴に入球すると(
図28(3)参照)、遊技球は特定領域スイッチ406aの検出後遊技盤裏面に排出され、ハズレ穴407に入球するとそのまま遊技盤裏面に排出される。
【0143】
通常開放時は、可動片405の開閉動作と回転体410の回転動作とで特定入賞口406への入球確率をつくり、大当り遊技時は、後述する動作条件によって特定領域106への入球率をつくる。
【0144】
図29は、実施例3のパチンコ遊技機(ハネものタイプ)の電気的構成を示すブロック図となり、その内容は、遊技盤中継端子板74を介して主制御装置80に接続していたスイッチ類と、図柄表示装置中継基盤90を介して主制御装置80に接続されていた表示装置類が実施例1とは異なる内容となる。
【0145】
具体的には、本実施例の主制御装置80には、左羽根作動口310に入球した遊技球を検出する左羽根作動口スイッチ310a、右羽根作動口311に入球した遊技球を検出する右羽根作動口311a、中羽根作動口312に入球した遊技球を検出する中羽根作動口312a、遊技装置305に左の羽根部材314から入賞した遊技球を検出する第1カウントスイッチ314a、遊技装置305に右の羽根部材314から入賞した遊技球を検出する第2カウントスイッチ314c、特定領域406への入球を検出する特定領域スイッチ406a、普通入賞口31に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a、等の検出信号が入力される。
【0146】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている大当り図柄表示装置309の表示を制御する。
【0147】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド314bを制御することで左右の羽根部材314の開閉を制御し、可動片ソレノイド405aを制御することで、遊技装置305内の可動片405の開閉を制御し、スッテッピングモータである回転体モータ410bへの出力を制御することで回転体410の回転を制御する。
【0148】
次に、
図30の各種設定を示した図表を用いて本実施例におけるパチンコ遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機はハネものタイプであるため、通常時は左右中羽根作動口310,311,312への入賞に応じた羽根部材314の開放動作で遊技を進行する。通常動作として、左羽根作動口310、又は右羽根作動口311へ遊技球が入賞すると羽根部材314は0.5秒の開放動作を1回行い、中羽根作動口312へ遊技球が入賞すると羽根部材314は0.8秒の開放動作を2回行う。通常動作によって遊技装置305に入賞した遊技球が特定領域406に入球すると、大当りが生起する。また、特定領域406入球時に抽出した乱数に基づいて大当り図柄を決定し、該決定した大当り図柄に応じて大当り遊技の内容(可動片405の動作条件含む)が設定される。
【0149】
大当り遊技の基本動作は、1回のラウンド遊技として羽根部材314が1.5秒の開放を18回(開放間の閉鎖時間1.5秒)行い、その間に10個の遊技球が遊技装置305に入賞すると大当り遊技を終了する。また、ラウンド遊技中に特定領域406に遊技球が入球すると該入球時点でラウンド遊技を終了し、大当り図柄に応じた最大継続ラウンドを限度に次回のラウンド遊技を開始して大当り遊技を継続する。
【0150】
図30の下の図表は、大当り図柄の種類と大当り遊技の関係を示す。本実施例のパチンコ遊技機は、5種類の大当り図柄を備えている。特定領域406入球時に1/10の確率で大当り図柄として「VVV」、又は「777」が表示されると最大継続ラウンドとして15ラウンドが設定され、「333」、又は「555」が表示されると最大継続ラウンドとして10ラウンドが設定され、「111」が表示されると最大継続ラウンドとして5ラウンドが設定される。
【0151】
大当り遊技中の可動片405の動作条件は、遊技装置305への入賞数(第1カウントスイッチ314aの検出数と第2カウントスイッチ314cの検出数との合算数)と第1条件成立時からの経過時間に対応して設定されており、大当り図柄が「VVV」なら、ラウンド遊技開始後に可動片405が閉状態から開状態に変化する第1条件は、第1カウントスイッチ314aと第2カウントスイッチ314とが計5個の遊技球をカウントすることなり、可動片405が開状態から閉状態に変化する第2条件は、第1カウントスイッチ314aと第2カウントスイッチ314cとが計10個の遊技球をカウントすること、又は可動片405が閉状態から開状態へと変化した第1条件の成立時から15秒経過することとなる。以下同様に、大当り図柄ごとに図表に示す内容で大当り遊技中の可動片405の動作条件が設定されている。
【0152】
本実施例においても、最大継続ラウンドが比較して多いほど最大継続ラウンドまでの継続が困難な設定となり、最大継続ラウンドが比較して少ないほど最大継続ラウンドまでの継続が容易な設定とすることで、獲得可能な大当り出玉の差が大きくならないようにしているが、最大継続回数が多いほど継続が容易な設定にすることでより遊技者の射幸心を煽ることができる。
【0153】
図31は本実施例において主制御装置80が実行するメインルーチン3を示している。その内容は、実施例1で説明したメインルーチン1から、大当り決定用乱数更新処理(S25)、小当り図柄編低用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、当否判定処理(S65)を外した内容となっている。
【0154】
次に、
図32を用いて主制御装置80が実行する始動入賞処理3を説明する。本処理は、通常状態において各羽根作動口入賞時に羽根部材314(大入賞口)を
図30上表で示した内容で開放させる処理となる。
【0155】
本処理を開始すると、左羽根作動口スイッチ310a、右羽根作動口スイッチ311a、又は中羽根作動口スイッチ312aが遊技球を検出したか否か判定し(S1650)、否定判定なら(S1650:no)リターンし、肯定判定なら(S1650:yes)、大入賞口(羽根部材314)が閉鎖中か否か判定し(S1655)、否定判定なら(S1655:no)リターンし、肯定判定なら(S1655:yes)、特定領域スイッチ406aの検出有効期間中か否か判定し(S1660)、肯定判定なら(S1660:yes)リターンし、否定判定なら(S1660:no)、役物連続作動装置が作動中か否か判定し(S1665)、肯定判定なら(S1665:yes)リターンし、否定判定なら(S1665:no)、大当り図柄が変動中か否か判定し(S1670)、肯定判定なら(S1670:yes)リターンし、否定判定なら(S1670:no)、大当り図柄が確定表示中か否か判定し(S1675)、肯定判定なら(S1675:yes)リターンし、否定判定なら(S1675:no)、入賞した羽根作動口の種類に応じた大入賞口開放処理を行い(S1680)、特定領域有効設定処理を行い(S1685)リターンする。
【0156】
図33は、通常時の左右中羽根作動口入球に応じた羽根部材314開放によって有効となった特定領域406の検出期間を規制する特定領域有効期間終了処理となる。本処理を開始すると、特定領域406の検出有効期間中か否か判定し(S1700)、否定判定なら(S1700:no)リターンし、肯定判定なら(S1700:yes)、有効時間が経過したか否か判定し(S1705)、否定判定なら(S1705:no)リターンし、肯定判定なら(S1705:yes)、特定領域有効期間終了処理を行って(S1710)リターンする。
【0157】
図34に示す特定領域入球確認処理は、通常時の左右中羽根作動口入賞に応じて有効となった特定領域406の検出期間中に、特定領域406への入球に応じて大当りを生起させる処理となる。本処理を開始すると、特定領域406の検出有効期間中か否か判定し(S1750)、否定判定なら(S1750:no)リターンし、肯定判定なら(S1750:yes)、特定領域スイッチ406aが遊技球を検出したか否か判定し(S1755)、否定判定なら(S1755:no)リターンし、肯定判定なら(S1755:yes)、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出し(S1760)、特定領域406の有効期間を終了する(S1765)。
【0158】
S1765に続いては、S1760で抽出した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄表示装置309及び演出図柄表示装置6に表示する大当り図柄を選択し(S1770)、選択した大当り図柄に基づいて大当り遊技の内容を設定し(S1775)、S1760で抽出したリーチ判定用乱数及び変動パターン決定用乱数に基づいて決定した大当り図柄の変動パターンを設定し(S1780)、条件装置作動開始処理(S1785)、役物連続作動装置作動開始処理(S1790)、を行い、大当り開始演出処理(S1795)を行い、サブ統合制御装置83に変動指示コマンドを送信すると共に、大当り図柄表示装置309の変動制御を開始して(S1800)リターンする。この処理により、特定領域406への入球により大当りが生起した時点で大当り図柄が決定し、大当り開始演出中に大当り図柄の変動演出と確定表示を行ってからラウンド遊技を開始する。
【0159】
本実施例では、通常遊技中の特定領域406入球時に抽出した乱数に基づいて大当り遊技の内容を設定する大当り図柄を決定したが、通常遊技中に特定領域406へ入球することになる羽根部材314の開放を行った左右中羽根作動口310、311、312の入賞時に乱数を抽出し、該乱数に基づいて大当り図柄を決定してもよい。
【0160】
次に、本実施例の主制御装置80が実行する特別遊技処理3及び大当り遊技中に実行する継続特定領域入球確認処理2を、
図35から
図38に示すフローチャートを用いて説明する。本処理を開始すると、条件装置が作動中か否か判定し(S1850)、否定判定なら(S1850:no)リターンし、肯定判定なら(S1850:yes)、ラウンド遊技中か否か判定し(S1855)、否定判定なら(S1855:no)、大当り開始演出中か否か判定し(S1860)、肯定判定なら(S1860:yes)、大当り開始演出の終了時間か否か判定し(S1865)、否定判定なら(S1865:no)リターンし、肯定判定なら(S1865:yes)、ラウンド遊技を開始する大入賞口(羽根部材314)開放処理を行って(S1870)リターンする。
【0161】
S1860が否定判定なら(S1860:no)、ラウンド遊技間のインターバル中か否か判定し(S1875)、肯定判定なら(S1875:yes)インターバルの終了時間か否か判定し(S1880)、否定判定なら(S1880:no)リターンし、肯定判定なら(S1880:yes)、大入賞口開放処理を行って(S1870)リターンする。
【0162】
S1855が肯定判定、即ち、羽根部材314が連続した開閉動作を行うラウンド遊技中なら(S1855:yes)、
図36のフローチャートに進み、第1又は第2カウントスイッチ314a、314cが遊技球を検出したか否か判定し(S1900)、肯定判定なら(S1900:yes)、実行中のラウンド遊技が最大継続ラウンドではないか否か判定し(S1905)、肯定判定なら(S1905:yes)、大当り図柄の種類に応じた可動片405の動作条件である第1条件が成立済み(既に第1,第2カウントスイッチ314a、314cが所定数の遊技球を検出済み)か否か判定し(S1910)、肯定判定なら(S1910:yes)、第1,第2カウントスイッチ314a、314cの検出数によって、可動片405の動作条件である第2条件が成立したか否か判定し(S1915)、肯定判定なら(S1915:yes)、可動片ソレノイド405bの駆動を停止することによって可動片405を開状態から閉状態に変化させる(S1920)。
【0163】
S1910が否定判定、即ち、ラウンド遊技が開始されてから未だ第1条件が成立していなければ(S1910:no)、S1900の肯定判定によって第1条件が成立したか否か判定し(S1925)、肯定判定なら(S1925:yes)、可動片ソレノイド405bの駆動を開始することによって可動片405を閉状態から開状態に変化させ(S1930)、継続特定領域有効フラグに1をセットする(S1935)。継続特定領域有効フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1であればラウンド遊技中において特定領域406への遊技球の入球が有効(入球すれば次回のラウンド遊技に継続する)であることを、値が0であれば特定領域406への遊技球の入球が無効であることを主制御装置80が判断する。
【0164】
S1900が否定判定、即ち、第1,第2カウントスイッチ314a、314cが遊技球を未検出であれば(S1900:no)、可動片405の動作条件である第2条件が成立(第1条件が成立してから所定時間が経過)したか否か判定し(S1955)、肯定判定なら(S1955:yes)、可動片ソレノイド405bの駆動を停止することによって可動片405を開状態から閉状態に変化させる(S1960)。
【0165】
S1920、S1935、又はS1905、S1915、S1925の否定判定(S1905:no、S1915:no、S1925:no)に続いては、大入賞口(遊技装置305)の入賞数が10個になったか否か判定し(S1940)、否定判定なら(S1940:no)リターンする。
【0166】
S1960、又はS1955の否定判定(S1955:no)に続いては、大入賞口(羽根部材314)の開閉時間が終了したか否か判定し(S1965)、否定判定なら(S1965:no)リターンする。
【0167】
S1940、又はS1965が肯定判定なら(S1940:yes、S1965:yes)、大入賞口(羽根部材314)の閉鎖処理を行い(S1945)、未だ可動片ソレノイド105bが駆動中なら大入賞口(羽根部材314)の閉鎖又は該閉鎖から所定時間後に可動片ソレノイド105bの駆動を停止する可動片ソレノイド停止処理を行い(S1948)、大当り終了演出処理を行いサブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信し(S1950)リターンする。なお、大入賞口閉鎖処理では、羽根部材314の閉鎖時に可動片ソレノイド405bが未だ駆動している場合は、該閉鎖から所定時間経過後に可動片ソレノイド405bの駆動を終了することによって、大入賞口の閉鎖間際に入球した遊技球が特定領域406に入球する機会を与えるようにしている。
【0168】
ここで、
図38を用いて継続特定領域入球確認処理2を説明する。本処理を開始すると、継続特定領域有効フラグが1か否か判定し(S2050)、否定判定なら(S2050:no)リターンし、肯定判定なら(S2050:yes)、特定領域スイッチ406aが遊技球を検出したか否か判定し(S2055)、否定判定なら(S2055:no)リターンし、肯定判定なら(S2055:yes)、実行中のラウンド遊技を終了して大入賞口閉鎖処理を行い(S2060)、ラウンド間インターバル処理を開始して(S2065)リターンする。この処理により、ラウンド遊技中に特定領域406に入球すると、該入球した時点で実行中のラウンド遊技を終了し、次回のラウンド遊技を実施するためのラウンド間インターバルを開始する。
【0169】
図35に戻り、S1885が肯定判定、即ち大当り終了演出中なら(S1885:yes)、
図37のフローチャートに進み、大当り終了演出の時間が経過したか否か判定し(S2000)、否定判定なら(S2000:no)リターンし、肯定判定なら(S2000:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S2005)、条件装置作動停止処理(S2010)を行い、終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S2015)、大当りフラグに0をセットして(S2020)リターンする。
【0170】
以上が実施例3の説明となる。本実施例のパチンコ遊技機はハネものタイプであるため、大当りのラウンド遊技中に特定領域406に遊技球が入球すると、入球した時点で実行中のラウンド遊技を終了し、次回のラウンド遊技を開始する。これにより、最大継続回数が同じ大当り図柄でも可動片405の動作条件が異なれば、同じように最大継続回数までラウンド遊技が継続した場合でも大当り出玉に差が生じ、遊技の興趣を増す。
【0171】
また、実施例3においても、可動片405が閉状態から開状態、及び開状態から閉状態に変化する条件は、遊技装置305への入球数と、第1条成立時からの経過時間とで設定したが、ラウンド遊技中に大入賞口(羽根部材314)が所定回数の開閉動作を行う構成においては、ラウンド遊技中の羽根部材314の作動回数を動作条件としてもよい。これにより、例えば、所定の大当り図柄では、ラウンド遊技の開始から5回目の羽根部材314の開放(又は閉鎖)動作を第1条件の成立とし、15回目の羽根部材314の開放(又は閉鎖)動作を第2条件の成立としてもよい。
【0172】
また、通常状態における、左右中羽根作動口310、311、312入賞時、又は遊技装置305への遊技球入球時(第1カウントスイッチ314a、又は第2カウントスイッチ314cの遊技球検出時)に乱数を抽出し、該乱数に基づいて可動片405の状態を変化させてもよい。これにより、左右中羽根作動口310、311、312への入賞数に基づいて設定した確率で可動片405の状態を変化させることで、通常状態時の特定領域への入球率を設定することができ、同様に遊技装置305への遊技球入球時に乱数を抽出する場合は、遊技装置305への入球数に基づいて設定した確率で通常状態時の特定領域への入球率を設定することができる。
【0173】
また、抽出した乱数に応じた図柄を演出図柄表示装置6に表示してもよく、図柄の種類によって通常時における特定領域406への入球の難易度を報知することができる。
【0174】
なお、これらの通常状態時の可動片405の状態変化と、該状態変化を示す図柄表示の制御は、
図32を用いて説明した始動入賞処理3の大入賞口開放処理(S1680)で行われる。
【0175】
いずれの実施例においても、継続口及び特定領域の入球が有効となるのは、可動片が閉状態以外(開状態、又は開閉動作を繰り返し実施中)の場合となり、閉状態(継続口(特定領域)有効フラグ=0)で継続口又は特定領域が遊技球を検出した場合は、異常状態として遊技の進行を中断し、異常状態を報知する構成としてもよい。この異常状態報知により不正行為による遊技球の獲得を防止することができる。
【0176】
実施例の遊技機は、大入賞口内の可動片が開状態となることで特定領域(継続口)への入球を有効としたが、可動片の動作とは無関係に大入賞口のラウンド遊技開始時から該ラウンド遊技の終了から所定時間後までを特定領域(継続口)の入球有効期間としてもよい。
【0177】
また、ラウンド遊技中に継続口や特定領域に遊技球が入球すると、当該ラウンドが最大継続ラウンドでなければ当該ラウンドを終了し、次回のラウンド遊技へと移行する構成としてもよい。この構成では、第1条件の設定によって比較的安定して継続できるが賞球が得にくい大当りと、比較的賞球が得やすいが継続し難い大当りを作ることも可能になる。