【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明敷設方法を完成したものであり、その特徴とするところは、長方形タイルを被敷設面の端辺に対して45度の角度で敷き詰める方法において、前記被敷設面の端辺に規定のタイルが接当し、そのままでは敷設できない場所でのタイル敷設方法であって、次の工程からなることを特徴とするタイル敷設方法。
1 そのままでは敷設できないタイルを、粗切りする、
2 粗切りしたタイルを、所定位置から、使用する長方形の定規の幅の√2倍の距離を前記被敷設面の端辺から、既設タイルに平行に、後退させ、既設のタイル重ね合わせる、
3 使用する定規を前記被敷設面の端辺に沿わせて、その反対側側面で前記重ね合わせたタイルを切断する、
4 切断したタイルを前記被敷設面の端辺に沿わせて敷設する点にある。
【0010】
本発明でいうタイルは、段落0002で記したものであり、特別な材質である必要はない。呼び名も、クッションフロア、フローリング、床板、タイルカーペット等自由である。なかでも、比較的硬質なものが本発明の効果を発揮する。例えば、ポリ塩化ビニル等のプラスチック製やリノリウム製のタイル等である。
大きさとしては、限定はしないが、10cm角〜1m角程度が好適である。厚みは、これも限定はしないが、数mm〜10mm程度である。
【0011】
このタイルの形状は、平面視長方形(正方形を含む。正方形のものが多い)である。本発明では、このようにタイルの形状は長方形である。現実に、このような正方形と長方形(正方形以外の)のものが多い。
【0012】
被敷設面とは、前記した床、壁面、その他タイルを敷設する面を言い、その形状や面積は問わない。敷設は、タイルを並べて固定するものであるが、固定の方法は自由である。接着、ネジ止め、釘止め、ホッチキス(ファスナー)止め等である。端辺とは、タイルを敷設すべきエリアの端の辺であり、床の場合では床の1辺である。
【0013】
被敷設面の端辺に対して45度の角度で敷き詰める方法である。45度といっても、厳密な意味ではなくおおよその意味であり、タイルの敷設によって、その突合せ程度等によって吸収できれば問題はない。現実的には、43〜48度でも可能であった。
【0014】
一般的には、前記端辺にタイルの1辺を沿わせて(平行に)敷設することが多い。しかし、その美観や室内の他の装飾や家具との調和から、タイルを45度傾けて敷設する場合がある。本発明はこのような45度傾斜貼りに利用するものである。
【0015】
次に本発明の工程を順に説明する。
まず、どこかを起点として、最初のタイルを貼る。当然、端辺とは45度傾斜している。そして、順次そのタイルに沿って、タイルを敷設していく。そして、余白が狭くなり1枚のタイルが貼れなくなるまで続ける。
【0016】
そして、 そのままでは敷設できないタイルを、粗切りする。即ち、次にその狭いエリアに貼るべきタイルを、粗切りするのである。ここでいう粗切りとは、大まかなサイズに切ることをいう。これは、端辺に平行に余るであろう分を切除するものであり、使用する定規のはば程度の誤差があってもよい。
【0017】
粗切りしたタイルを、所定位置から、使用する長方形の定規の幅の√2(ルート2)倍の距離を端辺から、既設タイルに平行に、後退させ、既設のタイル重ね合わせる。ここでいうルート2倍も数学的に厳密な数字でなく、おおよそでよい。前記したタイルの施工上からの有効数字で決めればよい。通常は、1.35〜1.45程度である。
ここで問題になるのは、使用する定規の幅である。タイルの敷設作業においては、ほとんどの作業員が、定規を用いている。この定規としては、目盛りの長さ30cmで、幅25mm、厚みが1mmの金属製のものが多い。
【0018】
使用する定規の幅(前記した定規では25mm)のルート2倍を求める。上記の例では、25×1.41(1.41を採用した場合)=35.25mmとなる。前記した敷設できないため粗切りしたタイルを、既存のタイルに平行に上記した計算距離(上記例では35.25mm)だけ、はめ込もうとする位置から後退させる。後退とは、既存タイルの辺に平行に端辺から遠ざけることを言う。既存のタイルに沿った距離が図りやすいためである。
【0019】
そして、既存のタイルに重ねる。勿論、完全に重なることはなく一部が重なるということである。
【0020】
次に、その重ね合わせたタイルの上に使用する定規を置いて、その定規を端辺に合わせる。その合わせた反対側の辺で、重ねたタイルを切断する。
【0021】
そして最後に、定規を外し、切断したタイルを端辺に沿わせて敷設する。これで完成である。