(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1硬化ステップでは、前記第1非接合領域に沿う方向に前記電場を印加するか、または、前記第1非接合領域に沿う方向に直交する方向に前記磁場を印加することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の複合材料の接合方法。
前記第1硬化準備ステップでは、前記第1接合領域と前記第1非接合領域との境界で、前記強化繊維の一部または全部を切断することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の複合材料の接合方法。
前記第1半硬化ステップでは、前記第1接合領域に沿う方向に前記電場を印加するか、または、前記第1接合領域に沿う方向に直交する方向に前記磁場を印加することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の複合材料の接合方法。
前記第1半硬化準備ステップでは、前記第1接合領域と前記第1非接合領域との境界で、前記強化繊維の一部または全部を切断することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の複合材料の接合方法。
前記接触加圧ステップでは、接触及び加圧された前記第1接合領域と前記第2接合領域とに金属ナノコイルの塗布または金属ナノコイルが塗布された金属ナノコイルシートを貼り付け、
前記加熱接合ステップでは、前記金属ナノコイルの塗布または前記金属ナノコイルシートの貼り付けがされた前記第1接合領域と前記第2接合領域に電場または磁場を印加することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の複合材料の接合方法。
前記加熱接合ステップでは、前記第1接合領域と前記第2接合領域とに沿う方向に前記電場を印加するか、または、前記第1接合領域と前記第2接合領域とに沿う方向に直交する方向に前記磁場を印加することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の複合材料の接合方法。
前記第2硬化ステップでは、前記第2非接合領域に沿う方向に前記電場を印加するか、または、前記第2非接合領域に沿う方向に直交する方向に前記磁場を印加することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の複合材料の接合方法。
前記第2硬化準備ステップでは、前記第2接合領域と前記第2非接合領域との境界で、前記強化繊維の一部または全部を切断することを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の複合材料の接合方法。
前記第2半硬化ステップでは、前記第2接合領域に沿う方向に前記電場を印加するか、または、前記第2接合領域に沿う方向に直交する方向に前記磁場を印加することを特徴とする請求項20または請求項21に記載の複合材料の接合方法。
前記第2半硬化準備ステップでは、前記第2接合領域と前記第2非接合領域との境界で、前記強化繊維の一部または全部を切断することを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の複合材料の接合方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0029】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態から第5の実施形態に係る接合方法で製造される接合材料10の概略構成図である。接合材料10は、
図1に示すように、第1複合材料12と、第2複合材料14と、を含む。第1複合材料12は、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたものである。第2複合材料14は、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたものである。第1複合材料12の強化繊維及び第2複合材料14の強化繊維は、いずれも炭素繊維が例示される。第1複合材料12の強化繊維及び第2複合材料14の強化繊維は、これに限定されず、その他の金属繊維でもよい。第1複合材料12の熱硬化性樹脂及び第2複合材料14の熱硬化性樹脂は、いずれもエポキシ樹脂が例示される。第1複合材料12の熱硬化性樹脂及び第2複合材料14の熱硬化性樹脂は、これに限定されず、その他の熱硬化性樹脂でもよい。
【0030】
第1複合材料12は、第2複合材料14と接合される第1接合領域12aと、第1接合領域12a以外の領域である第1非接合領域12bと、を有する。第1非接合領域12bは、第2複合材料14と接合されない領域である。第2複合材料14は、第1複合材料12と接合される第2接合領域14aと、第2接合領域14a以外の領域である第2非接合領域14bと、を有する。第2非接合領域14bは、第1複合材料12と接合されない領域である。第1複合材料12の第1接合領域12aと、第2複合材料14の第2接合領域14aとが、鉛直方向である
図1のZ方向に接合されて、接合材料10となる。
【0031】
第1複合材料12及び第2複合材料14は、接合材料10になる前において、少なくとも所定の領域が、軟化状態と、硬化状態と、半硬化状態となることができる。軟化状態は、熱硬化性樹脂を熱硬化させる前の状態である。軟化状態は、自己支持性を有さない状態であり、支持体に支持されていない場合に形状を保持できない状態である。軟化状態は、加熱されて、熱硬化性樹脂が熱硬化反応をすることができる状態である。硬化状態は、熱硬化性樹脂を熱硬化させた後の状態である。硬化状態は、自己支持性を有する状態であり、支持体に支持されていない場合でも形状を保持できる状態である。硬化状態は、加熱されても、熱硬化樹脂が熱硬化反応をすることができない状態である。半硬化状態は、軟化状態と硬化状態との間の状態である。半硬化状態は、硬化状態よりも弱い程度の熱硬化を熱硬化性樹脂にさせた状態である。半硬化状態は、自己支持性を有する状態であり、支持体に支持されていない場合でも形状を保持できる状態である。半硬化状態は、加熱されて、熱硬化性樹脂が熱硬化反応をすることができる状態である。接合材料10では、第1複合材料12及び第2複合材料14は、全ての領域において硬化状態である。
【0032】
接合材料10では、第1複合材料12は、第2複合材料14よりも複雑な形状を有する。詳細には、第1複合材料12の第1接合領域12aは、
図1のX方向を含む水平面に沿って延びている。第1複合材料12の第1非接合領域12bは、第1接合領域12aの一方の端を基端として
図1のZ方向を含む鉛直面に沿って延びる領域を含む複雑な形状を有している。第2複合材料14は、第1複合材料12よりも単純な形状を有する。第2複合材料14は、
図1のX方向を含む水平面に沿って延びる板状であり、一方の端から他方の端に向けて、第2非接合領域14bと第2接合領域14aとが交互に並んで設けられている。第1複合材料12の第1接合領域12aは、第2複合材料14の第2接合領域14aと、
図1のZ方向に沿う方向に対向する。第1複合材料12の第1接合領域12aは、
図1のX方向を含む水平面に沿った方向の形状及び面積が、第2複合材料14の第2接合領域14aと、同じ程度である。第1複合材料12の第1接合領域12aは、これに限定されず、
図1のX方向を含む水平面に沿った方向の面積が、第2複合材料14の第2接合領域14aよりも小さくてもよい。以下において、その他の図に示されるX方向は、
図1のX方向と共通である。また、以下において、その他の図に示されるZ方向は、
図1のZ方向と共通である。
【0033】
図2は、複合材料に含まれる熱硬化性樹脂の硬化温度範囲及び半硬化温度範囲を説明する図である。
図2には、熱硬化性樹脂の加熱温度と熱硬化性樹脂の硬化度との関係を示すグラフが記載されている。
図2に記載されているグラフでは、横軸が温度であり、縦軸が硬化度である。
図2に記載されているグラフの横軸の温度の単位は℃である。
図2に記載されているグラフの縦軸の硬化度は、熱硬化性樹脂が熱硬化反応をしている割合である。硬化温度範囲T1は、熱硬化性樹脂の硬化度がほとんど1になる加熱温度の範囲である。すなわち、硬化温度範囲T1は、熱硬化性樹脂が硬化状態となる熱硬化性樹脂の加熱温度の範囲である。熱硬化性樹脂は、硬化温度範囲T1に含まれる温度で急速に熱硬化反応が進む。硬化温度範囲T1は、複合材料に含まれる熱硬化性樹脂に応じて異なるが、第1複合材料12及び第2複合材料14に用いられているエポキシ樹脂については、150℃以上の温度範囲が例示される。半硬化温度範囲T2は、熱硬化性樹脂の熱硬化反応が起きるものの、熱硬化性樹脂の硬化度が低い値に保持される加熱温度の範囲である。すなわち、半硬化温度範囲T2は、熱硬化性樹脂が半硬化状態となる熱硬化性樹脂の加熱温度の範囲である。半硬化温度範囲T2は、複合材料に含まれる熱硬化性樹脂に応じて異なるが、第1複合材料12及び第2複合材料14に用いられているエポキシ樹脂については、100℃以上140℃以下の温度範囲が例示される。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法に使用する第1電磁波加熱装置20の一例を示す概略構成図である。第1電磁波加熱装置20は、第1接合領域12a´´が軟化状態に保持されるように準備された第1複合材料12´´´に対して、第1非接合領域12b´を加熱して硬化状態にする。ここで、第1複合材料12´´´は、全部の領域で熱硬化性樹脂が軟化状態である第1複合材料を表したものである。第1接合領域12a´´は、熱硬化性樹脂が軟化状態である第1接合領域を表したものである。第1非接合領域12b´は、熱硬化性樹脂が軟化状態である第1非接合領域を表したものである。第1非接合領域12b´は、加熱されて硬化状態になることで、第1非接合領域12bとなる。第1非接合領域12b´が第1非接合領域12bとなることで、第1複合材料12´´´は、第1複合材料12´´となる。
【0035】
第1電磁波加熱装置20は、第1電磁波シールド22で第1接合領域12a´´が覆われた第1複合材料12´´´に第1電磁波EB1を照射することで、第1電磁波シールド22から露出した第1非接合領域12b´を第1電磁波EB1で加熱して硬化状態にする。第1電磁波シールド22は、アルミニウム箔及びアルミニウム板が例示されるが、これに限定されない。この場合、第1電磁波加熱装置20は、第1電磁波シールド22により、第1複合材料12´´´において、第1非接合領域12b´を第1電磁波EB1によって加熱される領域に、第1接合領域12a´´を第1電磁波EB1によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第1電磁波EB1を照射する。そのため、第1接合領域12a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0036】
第1電磁波加熱装置20は、
図3に示すように、電磁波照射部24と、温度計26と、制御部28と、を有する。電磁波照射部24は、制御部28の制御に基づいて、第1電磁波EB1を照射する。電磁波照射部24は、第1非接合領域12b´が延びるZ方向を含む鉛直面に沿った電場の成分を含む第1電磁波EB1を照射することが好ましい。電磁波照射部24は、第1非接合領域12b´が延びるZ方向を含む鉛直面に沿った電場の成分を含む第1電磁波EB1を照射する場合、第1電磁波EB1で第1非接合領域12b´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部24は、第1非接合領域12b´が延びるZ方向を含む鉛直面に直交するX方向に沿った磁場の成分を含む第1電磁波EB1を照射することが好ましい。電磁波照射部24は、第1非接合領域12b´が延びるZ方向を含む鉛直面に直交するX方向に沿った磁場の成分を含む第1電磁波EB1を照射する場合、第1電磁波EB1で第1非接合領域12b´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部24は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置が例示されるが、これに限定されず、周知の電磁波照射部が好適に用いられる。
【0037】
温度計26は、制御部28の制御に基づいて、第1電磁波EB1が照射されて加熱されている領域の温度を検出する。すなわち、温度計26は、第1非接合領域12b´の温度を計測する。温度計26は、計測して取得した温度の情報を、制御部28に送信する。温度計26は、非接触式の温度計である赤外線で温度を検出するサーモビューアが例示されるが、これに限定されない。温度計26は、
図3では非接触式の温度計が記載されているが、接触式の温度計でもよく、光ファイバー温度計が例示される。
【0038】
制御部28は、記憶部と、処理部と、を備える。記憶部は、例えばRAM、ROM及びフラッシュメモリー等の記憶装置を有し、処理部により処理されるソフトウェア・プログラム及びこのソフトウェア・プログラムにより参照されるデータ等を記憶する。また、記憶部は、処理部が処理結果等を一時的に記憶する記憶領域としても機能する。処理部は、記憶部からソフトウェア・プログラム等を読み出して処理することで、ソフトウェア・プログラムの内容に応じた機能を発揮する。制御部28は、電磁波照射部24及び温度計26を制御する。
【0039】
制御部28は、温度計26から取得する温度の情報に基づいて、電磁波照射部24が照射する第1電磁波EB1を制御する。そのため、制御部28は、第1非接合領域12b´を硬化温度範囲T1内の一定の温度で加熱して、熱硬化処理をすることができる。
【0040】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法において所定の処理が施された第1複合材料12´´´を示す図である。第1複合材料12´´´は、
図4に示すように、第1炭素繊維12fを含む。第1複合材料12´´´の第1炭素繊維12fは、照射された電磁波に含まれる電場及び磁場に応答して、内部に電流が発生し、第1炭素繊維12f自体の電気抵抗によって発熱する。第1複合材料12´´´は、第1炭素繊維12fの発熱に伴って加熱される。第1複合材料12´´´の第1炭素繊維12fは、一部または全部が、第1電磁波加熱装置20で電磁波加熱処理が行われる前に、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12b´との境界で、切断されていることが好ましい。第1炭素繊維12fが切断されている場合、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12b´とに渡って第1炭素繊維12fを流れる電流が低減する。そのため、第1複合材料12´´´において、第1非接合領域12b´を第1電磁波EB1によって加熱される領域に、第1接合領域12a´´を第1電磁波EB1によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第1接合領域12a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法に使用する第2電磁波加熱装置30の一例を示す概略構成図である。第2電磁波加熱装置30は、第1非接合領域12b´が硬化状態となって第1非接合領域12bとなった後、第1接合領域12a´´が加熱可能な状態に準備された第1複合材料12´´に対して、第1接合領域12a´´を加熱して半硬化状態にする。ここで、第1複合材料12´´は、第1接合領域12a´´で熱硬化性樹脂が軟化状態であり、第1非接合領域12bで熱硬化性樹脂が硬化状態である第1複合材料を表したものである。第1非接合領域12bは、熱硬化性樹脂が硬化状態である第1非接合領域を表したものである。第1接合領域12a´´は、加熱されて半硬化状態になることで、第1接合領域12a´となる。第1接合領域12a´´が第1接合領域12a´となることで、第1複合材料12´´は、第1複合材料12´となる。
【0042】
第2電磁波加熱装置30は、第2電磁波シールド32で第1非接合領域12bが覆われた第1複合材料12´´に第2電磁波EB2を照射することで、第2電磁波シールド32から露出した第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2で加熱して半硬化状態にする。第2電磁波シールド32は、アルミニウム箔及びアルミニウム板が例示されるが、これに限定されない。この場合、第2電磁波加熱装置30は、第2電磁波シールド32により、第1複合材料12´´において、第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第2電磁波EB2によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第2電磁波EB2を照射する。そのため、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0043】
第2電磁波加熱装置30は、
図5に示すように、電磁波照射部34と、温度計36と、制御部38と、を有する。電磁波照射部34は、制御部38の制御に基づいて、第2電磁波EB2を照射する。電磁波照射部34は、第1接合領域12a´´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第2電磁波EB2を照射することが好ましい。電磁波照射部34は、第1接合領域12a´´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第2電磁波EB2を照射する場合、第2電磁波EB2で第1接合領域12a´´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部34は、第1接合領域12a´´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第2電磁波EB2を照射することが好ましい。電磁波照射部34は、第1接合領域12a´´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第2電磁波EB2を照射する場合、第2電磁波EB2で第1接合領域12a´´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部34は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置が例示されるが、これに限定されず、周知の電磁波照射部が好適に用いられる。
【0044】
温度計36は、制御部38の制御に基づいて、第2電磁波EB2が照射されて加熱されている領域の温度を検出する。すなわち、温度計36は、第1接合領域12a´´の温度を計測する。温度計36は、計測して取得した温度の情報を、制御部38に送信する。温度計36は、非接触式の温度計である赤外線で温度を検出するサーモビューアが例示されるが、これに限定されない。温度計36は、
図5では非接触式の温度計が記載されているが、接触式の温度計でもよく、光ファイバー温度計が例示される。
【0045】
制御部38は、記憶部と、処理部と、を備える。記憶部は、例えばRAM、ROM及びフラッシュメモリー等の記憶装置を有し、処理部により処理されるソフトウェア・プログラム及びこのソフトウェア・プログラムにより参照されるデータ等を記憶する。また、記憶部は、処理部が処理結果等を一時的に記憶する記憶領域としても機能する。処理部は、記憶部からソフトウェア・プログラム等を読み出して処理することで、ソフトウェア・プログラムの内容に応じた機能を発揮する。制御部38は、電磁波照射部34及び温度計36を制御する。
【0046】
制御部38は、温度計36から取得する温度の情報に基づいて、電磁波照射部34が照射する第2電磁波EB2を制御する。そのため、制御部38は、第1接合領域12a´´を半硬化温度範囲T2内の一定の温度で加熱して、熱硬化処理をすることができる。
【0047】
第1複合材料12´´は、第1複合材料12´´´と同様に、第1炭素繊維12fを含む。第1電磁波加熱装置20で電磁波加熱処理が行われる前における第1複合材料12´´´の第1炭素繊維12fと同様に、第1複合材料12´´の第1炭素繊維12fは、一部または全部が、第2電磁波加熱装置30で電磁波加熱処理が行われる前に、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12bとの境界で、切断されていることが好ましい。第1炭素繊維12fが切断されている場合、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12bとに渡って第1炭素繊維12fを流れる電流が低減する。そのため、第1複合材料12´´において、第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第2電磁波EB2によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0048】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法に使用する第3電磁波加熱装置40の一例を示す概略構成図である。第3電磁波加熱装置40は、第2接合領域14a´´が軟化状態に保持されるように準備された第2複合材料14´´´に対して、第2非接合領域14b´を加熱して硬化状態にする。ここで、第2複合材料14´´´は、全部の領域で熱硬化性樹脂が軟化状態である第2複合材料を表したものである。第2接合領域14a´´は、熱硬化性樹脂が軟化状態である第2接合領域を表したものである。第2非接合領域14b´は、熱硬化性樹脂が軟化状態である第2非接合領域を表したものである。第2非接合領域14b´は、加熱されて硬化状態になることで、第2非接合領域14bとなる。第2非接合領域14b´が第2非接合領域14bとなることで、第2複合材料14´´´は、第2複合材料14´´となる。
【0049】
第3電磁波加熱装置40は、第3電磁波シールド42で第2接合領域14a´´が覆われた第2複合材料14´´´に第3電磁波EB3を照射することで、第3電磁波シールド42から露出した第2非接合領域14b´を第3電磁波EB3で加熱して硬化状態にする。第3電磁波シールド42は、アルミニウム箔及びアルミニウム板が例示されるが、これに限定されない。この場合、第3電磁波加熱装置40は、第3電磁波シールド42により、第2複合材料14´´´において、第2非接合領域14b´を第3電磁波EB3によって加熱される領域に、第2接合領域14a´´を第3電磁波EB3によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第3電磁波EB3を照射する。そのため、第2接合領域14a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。第3電磁波シールド42は、電磁波に対して透明な材料にパターニングされてシート化されたものでもよく、この場合、第3電磁波シールド42で第2接合領域14a´´を覆う処理が簡易化し、かつ、覆う位置の精度が向上するため、好ましい。
【0050】
第3電磁波加熱装置40は、
図6に示すように、電磁波照射部44と、温度計46と、制御部48と、を有する。電磁波照射部44は、制御部48の制御に基づいて、第3電磁波EB3を照射する。電磁波照射部44は、第2非接合領域14b´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第3電磁波EB3を照射することが好ましい。電磁波照射部44は、第2非接合領域14b´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第3電磁波EB3を照射する場合、第3電磁波EB3で第2非接合領域14b´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部44は、第2非接合領域14b´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第3電磁波EB3を照射することが好ましい。電磁波照射部44は、第2非接合領域14b´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第3電磁波EB3を照射する場合、第3電磁波EB3で第2非接合領域14b´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部44は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置が例示されるが、これに限定されず、周知の電磁波照射部が好適に用いられる。
【0051】
温度計46は、制御部48の制御に基づいて、第3電磁波EB3が照射されて加熱されている領域の温度を検出する。すなわち、温度計46は、第2非接合領域14b´の温度を計測する。温度計46は、計測して取得した温度の情報を、制御部48に送信する。温度計46は、非接触式の温度計である赤外線で温度を検出するサーモビューアが例示されるが、これに限定されない。温度計46は、
図6では非接触式の温度計が記載されているが、接触式の温度計でもよく、光ファイバー温度計が例示される。
【0052】
制御部48は、記憶部と、処理部と、を備える。記憶部は、例えばRAM、ROM及びフラッシュメモリー等の記憶装置を有し、処理部により処理されるソフトウェア・プログラム及びこのソフトウェア・プログラムにより参照されるデータ等を記憶する。また、記憶部は、処理部が処理結果等を一時的に記憶する記憶領域としても機能する。処理部は、記憶部からソフトウェア・プログラム等を読み出して処理することで、ソフトウェア・プログラムの内容に応じた機能を発揮する。制御部48は、電磁波照射部44及び温度計46を制御する。
【0053】
制御部48は、温度計46から取得する温度の情報に基づいて、電磁波照射部44が照射する第3電磁波EB3を制御する。そのため、制御部48は、第2非接合領域14b´を硬化温度範囲T1内の一定の温度で加熱して、熱硬化処理をすることができる。
【0054】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法において所定の処理が施された第2複合材料14´´´を示す図である。第2複合材料14´´´は、
図7に示すように、第2炭素繊維14fを含む。第2複合材料14´´´の第2炭素繊維14fは、照射された電磁波に含まれる電場及び磁場に応答して、内部に電流が発生し、第2炭素繊維14f自体の電気抵抗によって発熱する。第2複合材料14´´´は、第2炭素繊維14fの発熱に伴って加熱される。第2複合材料14´´´の第2炭素繊維14fは、一部または全部が、第3電磁波加熱装置40で電磁波加熱処理が行われる前に、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14b´との境界で、切断されていることが好ましい。第2炭素繊維14fが切断されている場合、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14b´とに渡って第2炭素繊維14fを流れる電流が低減する。そのため、第2複合材料14´´´において、第2非接合領域14b´を第3電磁波EB3によって加熱される領域に、第2接合領域14a´´を第3電磁波EB3によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第2接合領域14a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0055】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法に使用する第4電磁波加熱装置50の一例を示す概略構成図である。第4電磁波加熱装置50は、第2非接合領域14b´が硬化状態となって第2非接合領域14bとなった後、第2接合領域14a´´が加熱可能な状態に準備された第2複合材料14´´に対して、第2接合領域14a´´を加熱して半硬化状態にする。ここで、第2複合材料14´´は、第2接合領域14a´´で熱硬化性樹脂が軟化状態であり、第2非接合領域14bで熱硬化性樹脂が硬化状態である第2複合材料を表したものである。第2非接合領域14bは、熱硬化性樹脂が硬化状態である第2非接合領域を表したものである。第2接合領域14a´´は、加熱されて半硬化状態になることで、第2接合領域14a´となる。第2接合領域14a´´が第2接合領域14a´となることで、第2複合材料14´´は、第2複合材料14´となる。
【0056】
第4電磁波加熱装置50は、第4電磁波シールド52で第2非接合領域14bが覆われた第2複合材料14´´に第4電磁波EB4を照射することで、第4電磁波シールド52から露出した第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4で加熱して硬化状態にする。第4電磁波シールド52は、アルミニウム箔及びアルミニウム板が例示されるが、これに限定されない。この場合、第4電磁波加熱装置50は、第4電磁波シールド52により、第2複合材料14´´において、第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第4電磁波EB4によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第4電磁波EB4を照射する。そのため、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。第4電磁波シールド52は、電磁波に対して透明な材料にパターニングされてシート化されたものでもよく、この場合、第4電磁波シールド52で第2非接合領域14bを覆う処理が簡易化し、かつ、覆う位置の精度が向上するため、好ましい。
【0057】
第4電磁波加熱装置50は、
図8に示すように、電磁波照射部54と、温度計56と、制御部58と、を有する。電磁波照射部54は、制御部58の制御に基づいて、第4電磁波EB4を照射する。電磁波照射部54は、第2接合領域14a´´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第4電磁波EB4を照射することが好ましい。電磁波照射部54は、第2接合領域14a´´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第4電磁波EB4を照射する場合、第4電磁波EB4で第2接合領域14a´´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部54は、第2接合領域14a´´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第4電磁波EB4を照射することが好ましい。電磁波照射部54は、第2接合領域14a´´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第4電磁波EB4を照射する場合、第4電磁波EB4で第2接合領域14a´´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部54は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置が例示されるが、これに限定されず、周知の電磁波照射部が好適に用いられる。
【0058】
温度計56は、制御部58の制御に基づいて、第4電磁波EB4が照射されて加熱されている領域の温度を検出する。すなわち、温度計56は、第2接合領域14a´´の温度を計測する。温度計56は、計測して取得した温度の情報を、制御部58に送信する。温度計56は、非接触式の温度計である赤外線で温度を検出するサーモビューアが例示されるが、これに限定されない。温度計56は、
図8では非接触式の温度計が記載されているが、接触式の温度計でもよく、光ファイバー温度計が例示される。
【0059】
制御部58は、記憶部と、処理部と、を備える。記憶部は、例えばRAM、ROM及びフラッシュメモリー等の記憶装置を有し、処理部により処理されるソフトウェア・プログラム及びこのソフトウェア・プログラムにより参照されるデータ等を記憶する。また、記憶部は、処理部が処理結果等を一時的に記憶する記憶領域としても機能する。処理部は、記憶部からソフトウェア・プログラム等を読み出して処理することで、ソフトウェア・プログラムの内容に応じた機能を発揮する。制御部58は、電磁波照射部54及び温度計56を制御する。
【0060】
制御部58は、温度計56から取得する温度の情報に基づいて、電磁波照射部54が照射する第4電磁波EB4を制御する。そのため、制御部58は、第2接合領域14a´´を半硬化温度範囲T2内の一定の温度で加熱して、熱硬化処理をすることができる。
【0061】
第2複合材料14´´は、第2複合材料14´´´と同様に、第2炭素繊維14fを含む。第3電磁波加熱装置40で電磁波加熱処理が行われる前における第2複合材料14´´´の第2炭素繊維14fと同様に、第2複合材料14´´の第2炭素繊維14fは、一部または全部が、第4電磁波加熱装置50で電磁波加熱処理が行われる前に、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14bとの境界で、切断されていることが好ましい。第2炭素繊維14fが切断されている場合、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14bとに渡って第2炭素繊維14fを流れる電流が低減する。そのため、第2複合材料14´´において、第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第4電磁波EB4によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0062】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法に使用する第5電磁波加熱装置60の一例を示す概略構成図である。第5電磁波加熱装置60は、半硬化状態とされた第2複合材料14´の第2接合領域14a´に、半硬化状態とされた第1複合材料12´の第1接合領域12a´を接触させて加圧した状態に対して、接触及び加圧された第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を加熱して硬化状態にする。ここで、第1複合材料12´は、第1接合領域12a´で熱硬化性樹脂が半硬化状態であり、第1非接合領域12bで熱硬化性樹脂が硬化状態である第1複合材料を表したものである。第1接合領域12a´は、熱硬化性樹脂が半硬化状態である第1接合領域を表したものである。第2複合材料14´は、第2接合領域14a´で熱硬化性樹脂が半硬化状態であり、第2非接合領域14bで熱硬化性樹脂が硬化状態である第2複合材料を表したものである。第2接合領域14a´は、熱硬化性樹脂が半硬化状態である第2接合領域を表したものである。第1接合領域12a´は、加熱されて硬化状態になることで、第1接合領域12aとなる。第2接合領域14a´は、加熱されて硬化状態になることで、第2接合領域14aとなる。第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´は、接触及び加圧された状態で加熱されて硬化状態になることで、互いに接合する。第1接合領域12a´が第1接合領域12aとなることで、第1複合材料12´は、第1複合材料12となる。第2接合領域14a´が第2接合領域14aとなることで、第2複合材料14´は、第2複合材料14となる。第1複合材料12´及び第2複合材料14´は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が互いに接合することで、接合材料10を形成する。
【0063】
第5電磁波加熱装置60は、第5電磁波シールド63で第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bが覆われた第1複合材料12´及び第2複合材料14´に第5電磁波EB5を照射することで、第5電磁波シールド63から露出した第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5電磁波EB5で加熱して硬化状態にする。第5電磁波シールド63は、アルミニウム箔及びアルミニウム板が例示されるが、これに限定されない。この場合、第5電磁波加熱装置60は、第5電磁波シールド63により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第5電磁波EB5を照射する。そのため、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を好適に硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。第5電磁波シールド63は、第2非接合領域14bの第1複合材料12´が接合されない側の面を覆うものについては、電磁波に対して透明な材料にパターニングされてシート化されたものでもよく、この場合、第5電磁波シールド63で第2非接合領域14bを覆う処理が簡易化し、かつ、覆う位置の精度が向上するため、好ましい。
【0064】
第5電磁波加熱装置60は、
図9に示すように、加圧部62と、電磁波照射部64と、温度計66と、制御部68と、を有する。加圧部62は、半硬化状態とされた第2複合材料14´の第2接合領域14a´に、半硬化状態とされた第1複合材料12´の第1接合領域12a´を接触させて加圧する。加圧部62は、加圧支持部62aと、加圧付加部62bと、加圧シリンダ62cと、を有する。加圧支持部62a及び加圧付加部62bは、いずれも電磁波に対して透明な材料で形成されている。すなわち、加圧支持部62a及び加圧付加部62bは、第5電磁波EB5に影響を与えない。加圧支持部62aは、固定して設置されている。加圧支持部62aは、第2複合材料14´の−Z方向、すなわち鉛直方向下側の面を、−Z方向、すなわち鉛直方向下側から支持する。加圧付加部62bは、加圧シリンダ62cを介して、+Z方向、すなわち鉛直方向上側から支持されている。加圧付加部62bは、加圧シリンダ62cを介して、Z方向、すなわち鉛直方向に移動可能に支持されている。加圧付加部62bは、第1複合材料12´の第1接合領域12a´における+Z方向、すなわち鉛直方向上側の面を、+Z方向、すなわち鉛直方向上側から加圧する。
【0065】
加圧シリンダ62cは、−Z方向、すなわち鉛直方向下側に加圧付加部62bが設置されている。加圧シリンダ62cは、制御部68に電気的に接続されている。加圧シリンダ62cは、制御部68の制御に基づいて、加圧付加部62bが第1複合材料12´の第1接合領域12a´にかける圧力を変更する。加圧部62は、第1複合材料12´の第1接合領域12a´にかける圧力を約800kPaとすることが好ましい。
【0066】
電磁波照射部64は、制御部68の制御に基づいて、第5電磁波EB5を照射する。電磁波照射部64は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第5電磁波EB5を照射することが好ましい。電磁波照射部64は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びるX方向を含む水平面に沿った電場の成分を含む第5電磁波EB5を照射する場合、第5電磁波EB5で第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部64は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第5電磁波EB5を照射することが好ましい。電磁波照射部64は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びるX方向を含む水平面に直交するZ方向に沿った磁場の成分を含む第5電磁波EB5を照射する場合、第5電磁波EB5で第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を効率よく加熱することができる。電磁波照射部64は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置が例示されるが、これに限定されず、周知の電磁波照射部が好適に用いられる。
【0067】
温度計66は、制御部68の制御に基づいて、第5電磁波EB5が照射されて加熱されている領域の温度を検出する。すなわち、温度計66は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´の温度を計測する。温度計66は、計測して取得した温度の情報を、制御部68に送信する。温度計66は、非接触式の温度計である赤外線で温度を検出するサーモビューアが例示されるが、これに限定されない。温度計66は、
図9では非接触式の温度計が記載されているが、接触式の温度計でもよく、光ファイバー温度計が例示される。
【0068】
制御部68は、記憶部と、処理部と、を備える。記憶部は、例えばRAM、ROM及びフラッシュメモリー等の記憶装置を有し、処理部により処理されるソフトウェア・プログラム及びこのソフトウェア・プログラムにより参照されるデータ等を記憶する。また、記憶部は、処理部が処理結果等を一時的に記憶する記憶領域としても機能する。処理部は、記憶部からソフトウェア・プログラム等を読み出して処理することで、ソフトウェア・プログラムの内容に応じた機能を発揮する。制御部68は、加圧部62、電磁波照射部64及び温度計66を制御する。
【0069】
制御部68は、加圧部62を制御する。詳細には、制御部68は、加圧部62の加圧シリンダ62cを制御することで、第1複合材料12´の第1接合領域12a´にかける圧力を制御する。制御部68は、温度計66から取得する温度の情報に基づいて、電磁波照射部64が照射する第5電磁波EB5を制御する。そのため、制御部68は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を硬化温度範囲T1内の一定の温度で加熱して、熱硬化処理をすることができる。
【0070】
第1複合材料12´は、第1複合材料12´´と同様に、第1炭素繊維12fを含む。第2電磁波加熱装置30で電磁波加熱処理が行われる前における第1複合材料12´´の第1炭素繊維12fと同様に、第1複合材料12´の第1炭素繊維12fは、一部または全部が、第5電磁波加熱装置60で電磁波加熱処理が行われる前に、第1接合領域12a´と第1非接合領域12bとの境界で、切断されていることが好ましい。第1炭素繊維12fが切断されている場合、第1接合領域12a´と第1非接合領域12bとに渡って第1炭素繊維12fを流れる電流が低減する。そのため、第1複合材料12´において、第1接合領域12a´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第1接合領域12a´を好適に硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0071】
第2複合材料14´は、第2複合材料14´´と同様に、第2炭素繊維14fを含む。第4電磁波加熱装置50で電磁波加熱処理が行われる前における第2複合材料14´´の第2炭素繊維14fと同様に、第2複合材料14´の第2炭素繊維14fは、一部または全部が、第5電磁波加熱装置60で電磁波加熱処理が行われる前に、第2接合領域14a´と第2非接合領域14bとの境界で、切断されていることが好ましい。第2炭素繊維14fが切断されている場合、第2接合領域14a´と第2非接合領域14bとに渡って第2炭素繊維14fを流れる電流が低減する。そのため、第2複合材料14´において、第2接合領域14a´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第2接合領域14a´を好適に硬化状態にすることができる。また、第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0072】
以上のような構成を有する第1電磁波加熱装置20、第2電磁波加熱装置30、第3電磁波加熱装置40、第4電磁波加熱装置50、第5電磁波加熱装置60を含む接合システムの作用である第1の実施形態に係る接合方法について、以下に説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る接合方法のフローチャートである。
【0073】
第1の実施形態に係る接合方法は、
図10に示すように、第1硬化準備ステップS12と、第1硬化ステップS14と、第1半硬化準備ステップS16と、第1半硬化ステップS18と、第2硬化準備ステップS22と、第2硬化ステップS24と、第2半硬化準備ステップS26と、第2半硬化ステップS28と、接触加圧ステップS32と、加熱接合ステップS34と、を有する。以下においては、第1硬化準備ステップS12、第1硬化ステップS14、第1半硬化準備ステップS16、第1半硬化ステップS18、第2硬化準備ステップS22、第2硬化ステップS24、第2半硬化準備ステップS26、第2半硬化ステップS28、接触加圧ステップS32及び加熱接合ステップS34を、それぞれ単に、ステップS12、ステップS14、ステップS16、ステップS18、ステップS22、ステップS24、ステップS26、ステップS28、ステップS32及びステップS34と適宜称する。
【0074】
第1の実施形態に係る接合方法では、ステップS12と、ステップS14と、ステップS16と、ステップS18と、が、第1複合材料に対する処理であり、以下においては、これらを第1群の処理と称する。第1の実施形態に係る接合方法では、ステップS22と、ステップS24と、ステップS26と、ステップS28と、が、第2複合材料に対する処理であり、以下においては、これらを第2群の処理と称する。第1の実施形態に係る接合方法では、ステップS32と、ステップS34と、が、第1複合材料及び第2複合材料に対する処理であり、以下においては、これらを第3群の処理と称する。第1の実施形態に係る接合方法では、第1群の処理と第2群の処理とは独立している。そのため、第1の実施形態に係る接合方法では、
図10では、第1群の処理の後に第2群の処理をするように記載されているが、これに限定されず、第1群の処理の前に第2群の処理をしてもよいし、第1群の処理と第2群の処理とを並行して行ってもよい。また、
図10では、第1群の処理において、ステップS12及びステップS14の後にステップS16及びステップS18を施しているが、ステップS16及びステップS18の後にステップS12及びステップS14を施してもよい。また、
図10では、第2群の処理において、ステップS22及びステップS24の後にステップS26及びステップS28を施しているが、ステップS26及びステップS28の後にステップS22及びステップS24を施してもよい。
【0075】
第1複合材料12´´´において、第1接合領域12a´´を第1電磁波シールド22で覆うことにより、第1接合領域12a´´を第1電磁波EB1によって加熱不可能な状態にする。すなわち、第1複合材料12´´´において、第1接合領域12a´´を第1電磁波シールド22で覆うことにより、第1接合領域12a´´を軟化状態に保持されるように準備する(ステップS12)。ステップS12では、第1電磁波シールド22により、第1複合材料12´´´において、第1非接合領域12b´を第1電磁波EB1によって加熱される領域に、第1接合領域12a´´を第1電磁波EB1によって加熱されない領域に、明確に分離している。そのため、この後の処理である第1硬化ステップS14で第1接合領域12a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理である第1半硬化ステップS18で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0076】
ステップS12では、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12b´との境界で、第1炭素繊維12fの一部または全部を切断することが好ましい。この場合、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12b´とに渡って第1炭素繊維12fを流れる電流が低減する。そのため、第1複合材料12´´´において、第1非接合領域12b´を第1電磁波EB1によって加熱される領域に、第1接合領域12a´´を第1電磁波EB1によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第1接合領域12a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理である第1半硬化ステップS18で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0077】
ステップS12の処理が行われた後、第1電磁波加熱装置20は、第1接合領域12a´´が軟化状態に保持されるように準備された第1複合材料12´´´に対して、第1非接合領域12b´を加熱して硬化状態にする。詳細には、第1電磁波加熱装置20は、第1電磁波シールド22で第1接合領域12a´´が覆われた第1複合材料12´´´に第1電磁波EB1を照射することで、第1電磁波シールド22から露出した第1非接合領域12b´を第1電磁波EB1で加熱して硬化状態にする(ステップS14)。第1非接合領域12b´は、加熱されて硬化状態になることで、第1非接合領域12bとなる。第1非接合領域12b´が第1非接合領域12bとなることで、第1複合材料12´´´は、第1複合材料12´´となる。
【0078】
ステップS14の処理が行われた後、第1複合材料12´´において、第1非接合領域12bを第2電磁波シールド32で覆い、第1接合領域12a´´を露出された状態とすることにより、第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2によって加熱可能な状態に準備する(ステップS16)。ステップS16では、第2電磁波シールド32により、第1複合材料12´´において、第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第2電磁波EB2によって加熱されない領域に、明確に分離している。そのため、この後の処理である第1半硬化ステップS18で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0079】
ステップS16では、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12bとの境界で、第1炭素繊維12fの一部または全部を切断することが好ましい。この場合、第1接合領域12a´´と第1非接合領域12bとに渡って第1炭素繊維12fを流れる電流が低減する。そのため、第1複合材料12´´において、第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第2電磁波EB2によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、この後の処理である第1半硬化ステップS18で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0080】
ステップS16の処理が行われた後、第2電磁波加熱装置30は、第1接合領域12a´´が加熱可能な状態に準備された第1複合材料12´´に対して、第1接合領域12a´´を加熱して硬化状態にする。詳細には、第2電磁波加熱装置30は、第2電磁波シールド32で第1非接合領域12bが覆われた第1複合材料12´´に第2電磁波EB2を照射することで、第2電磁波シールド32から露出した第1接合領域12a´´を第2電磁波EB2で加熱して半硬化状態にする(ステップS18)。第1接合領域12a´´は、加熱されて半硬化状態になることで、第1接合領域12a´となる。第1接合領域12a´´が第1接合領域12a´となることで、第1複合材料12´´は、第1複合材料12´となる。
【0081】
第2複合材料14´´´において、第2接合領域14a´´を第3電磁波シールド42で覆うことにより、第2接合領域14a´´を第3電磁波EB3によって加熱不可能な状態にする。すなわち、第2複合材料14´´´において、第2接合領域14a´´を第3電磁波シールド42で覆うことにより、第2接合領域14a´´を軟化状態に保持されるように準備する(ステップS22)。ステップS22では、第3電磁波シールド42により、第2複合材料14´´´において、第2非接合領域14b´を第3電磁波EB3によって加熱される領域に、第2接合領域14a´´を第3電磁波EB3によって加熱されない領域に、明確に分離している。そのため、この後の処理である第2硬化ステップS24で第2接合領域14a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理である第2半硬化ステップS28で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0082】
ステップS22では、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14b´との境界で、第2炭素繊維14fの一部または全部を切断することが好ましい。この場合、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14b´とに渡って第2炭素繊維14fを流れる電流が低減する。そのため、第2複合材料14´´´において、第2非接合領域14b´を第3電磁波EB3によって加熱される領域に、第2接合領域14a´´を第3電磁波EB3によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第2接合領域14a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理である第2半硬化ステップS28で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。
【0083】
ステップS22の処理が行われた後、第3電磁波加熱装置40は、第2接合領域14a´´が軟化状態に保持されるように準備された第2複合材料14´´´に対して、第2非接合領域14b´を加熱して硬化状態にする。詳細には、第3電磁波加熱装置40は、第3電磁波シールド42で第2接合領域14a´´が覆われた第2複合材料14´´´に第3電磁波EB3を照射することで、第3電磁波シールド42から露出した第2非接合領域14b´を第3電磁波EB3で加熱して硬化状態にする(ステップS24)。第2非接合領域14b´は、加熱されて硬化状態になることで、第2非接合領域14bとなる。第2非接合領域14b´が第2非接合領域14bとなることで、第2複合材料14´´´は、第2複合材料14´´となる。
【0084】
ステップS24の処理が行われた後、第2複合材料14´´において、第2非接合領域14bを第4電磁波シールド52で覆い、第2接合領域14a´´を露出された状態とすることにより、第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4によって加熱可能な状態に準備する(ステップS26)。ステップS26では、第4電磁波シールド52により、第2複合材料14´´において、第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第4電磁波EB4によって加熱されない領域に、明確に分離している。そのため、この後の処理である第2半硬化ステップS28で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0085】
ステップS26では、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14bとの境界で、第2炭素繊維14fの一部または全部を切断することが好ましい。この場合、第2接合領域14a´´と第2非接合領域14bとに渡って第2炭素繊維14fを流れる電流が低減する。そのため、第2複合材料14´´において、第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第4電磁波EB4によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、この後の処理である第2半硬化ステップS28で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。また、第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0086】
ステップS26の処理が行われた後、第4電磁波加熱装置50は、第2接合領域14a´´が加熱可能な状態に準備された第2複合材料14´´に対して、第2接合領域14a´´を加熱して硬化状態にする。詳細には、第4電磁波加熱装置50は、第4電磁波シールド52で第2非接合領域14bが覆われた第2複合材料14´´に第4電磁波EB4を照射することで、第4電磁波シールド52から露出した第2接合領域14a´´を第4電磁波EB4で加熱して半硬化状態にする(ステップS28)。第2接合領域14a´´は、加熱されて半硬化状態になることで、第2接合領域14a´となる。第2接合領域14a´´が第2接合領域14a´となることで、第2複合材料14´´は、第2複合材料14´となる。
【0087】
ステップS18の処理及びステップS28の処理が行われた後、半硬化状態とされた第2複合材料14´の第2接合領域14a´に、半硬化状態とされた第1複合材料12´の第1接合領域12a´を接触させて加圧する(ステップS32)。ステップS32では、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5電磁波シールド63で覆うことが好ましい。この場合、第5電磁波シールド63により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離している。そのため、この後の処理である加熱接合ステップS34で、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を好適に硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0088】
ステップS32では、第1接合領域12a´と第1非接合領域12bとの境界で、第1炭素繊維12fの一部または全部を切断することが好ましい。この場合、第1接合領域12a´と第1非接合領域12bとに渡って第1炭素繊維12fを流れる電流が低減する。そのため、第1複合材料12´において、第1接合領域12a´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第1接合領域12a´を好適に硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0089】
ステップS32では、第2接合領域14a´と第2非接合領域14bとの境界で、第2炭素繊維14fの一部または全部を切断することが好ましい。この場合、第2接合領域14a´と第2非接合領域14bとに渡って第2炭素繊維14fを流れる電流が低減する。そのため、第2複合材料14´において、第2接合領域14a´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離することができる。これにより、第2接合領域14a´を好適に硬化状態にすることができる。また、第2非接合領域14bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0090】
ステップS32の処理が行われた後、第5電磁波加熱装置60は、半硬化状態とされた第2複合材料14´の第2接合領域14a´に、半硬化状態とされた第1複合材料12´の第1接合領域12a´を接触させて加圧した状態に対して、接触及び加圧された第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を加熱して硬化状態にする。詳細には、第5電磁波加熱装置60は、第5電磁波シールド63で第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bが覆われた第1複合材料12´及び第2複合材料14´に第5電磁波EB5を照射することで、第5電磁波シールド63から露出した第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5電磁波EB5で加熱して硬化状態にする(ステップS34)。
【0091】
ステップS34で、第1接合領域12a´は、加熱されて硬化状態になることで、第1接合領域12aとなる。第2接合領域14a´は、加熱されて硬化状態になることで、第2接合領域14aとなる。第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´は、接触及び加圧された状態で加熱されて硬化状態になることで、互いに接合する。第1接合領域12a´が第1接合領域12aとなることで、第1複合材料12´は、第1複合材料12となる。第2接合領域14a´が第2接合領域14aとなることで、第2複合材料14´は、第2複合材料14となる。第1複合材料12´及び第2複合材料14´は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が互いに接合することで、接合材料10を形成する。
【0092】
第1の実施形態に係る接合方法は、以上のような一連のステップを有するので、接合する領域を好適に半硬化状態にし、複合材料の接合の強度の品質を好適に保持しつつ、複合材料を効率よく接合することができる。第1の実施形態に係る接合方法は、積層工程、デバルク工程及びバギング工程といった準備工程、を経なくても良い。第1の実施形態に係る接合方法は、化学的な結合により複合材料を接合するので、接合部分に関する品質管理手法が確立しているため、セカンダリーボンド工程またはコボンド工程を経なくてもよい。結果として、第1の実施形態に係る接合方法は、接合材料10の製造コストを大幅に低減できる。
【0093】
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態に係る接合方法に使用する第5電磁波加熱装置60の一例を示す構成概略図である。第2の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法において、第2群の処理であるステップS22、ステップS24、ステップS26及びステップS28を省略したものである。第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の構成に第1の実施形態と同一の符号群を用い、その詳細な説明を省略する。
【0094】
第2の実施形態に係る接合方法では、第5電磁波加熱装置60は、第1の実施形態に係る接合方法で用いられる第2複合材料14´に代えて、第2複合材料14´´´に対して電磁波加熱処理をする。詳細には、第2の実施形態に係る接合方法では、第5電磁波加熱装置60は、軟化状態である第2複合材料14´´´の第2接合領域14a´´に、半硬化状態とされた第1複合材料12´の第1接合領域12a´を接触させて加圧した状態に対して、接触及び加圧された第1接合領域12a´、第2接合領域14a´´及び第2非接合領域14b´を加熱して硬化状態にする。第2接合領域14a´´は、加熱されて半硬化状態を飛ばして硬化状態になることで、第2接合領域14aとなる。第2非接合領域14b´は、加熱されて硬化状態になることで、第2非接合領域14bとなる。第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´´は、接触及び加圧された状態で加熱されて硬化状態になることで、互いに接合する。第2接合領域14a´´が第2接合領域14aとなり、第2非接合領域14b´が第2非接合領域14bとなることで、第2複合材料14´´´は、第2複合材料14となる。第1複合材料12´及び第2複合材料14´´´は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´´が互いに接合することで、接合材料10を形成する。
【0095】
第5電磁波加熱装置60は、第5電磁波シールド63で第1非接合領域12bが覆われた第1複合材料12´及び第2複合材料14´´´に第5電磁波EB5を照射することで、第5電磁波シールド63から露出した第1接合領域12a´、第2接合領域14a´´及び第2非接合領域14b´を第5電磁波EB5で加熱して硬化状態にする。この場合、第5電磁波加熱装置60は、第5電磁波シールド63により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´´´において、第1接合領域12a´、第2接合領域14a´´及び第2非接合領域14b´を第5電磁波EB5によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第5電磁波EB5によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第5電磁波EB5を照射する。そのため、第1接合領域12a´、第2接合領域14a´´及び第2非接合領域14b´を好適に硬化状態にすることができる。また、第1非接合領域12bに無駄な熱履歴を与えることを低減することができる。
【0096】
第2の実施形態に係る接合方法は、第2群の処理であるステップS22、ステップS24、ステップS26及びステップS28を省略しているので、第1の実施形態に係る接合法よりも容易に接合することができる。第2の実施形態に係る接合方法は、接合材料10の製造コストをより大幅に低減できる。
【0097】
第2の実施形態に係る接合方法は、第5電磁波加熱装置60の加圧支持部62aが軟化状態である第2複合材料14´´´を支持するため、第1の実施形態に係る接合方法と同様の接合材料10を製造することができる。第2の実施形態に係る接合方法は、第2複合材料14´´´の形状が第5電磁波加熱装置60の加圧支持部62aで容易に支持できる場合に好ましい。
【0098】
[第3の実施形態]
図12は、本発明の第3の実施形態に係る接合方法に使用する第1電場加熱装置120の一例を示す概略構成図である。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る接合方法に使用する第2電場加熱装置130の一例を示す概略構成図である。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る接合方法に使用する第3電場加熱装置140の一例を示す概略構成図である。
図15は、本発明の第3の実施形態に係る接合方法に使用する第4電場加熱装置150の一例を示す概略構成図である。
図16は、本発明の第3の実施形態に係る接合方法に使用する第5電場加熱装置160の一例を示す概略構成図である。第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法において、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32について電磁波シールド処理に金属ナノコイル処理を加え、ステップS14、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34の電磁波加熱処理を、電場加熱処理に変更したものである。第3の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の構成に第1の実施形態と同一の符号群を用い、その詳細な説明を省略する。
【0099】
金属ナノコイルは、印加された電場及び磁場に応答して、内部に電流が発生し、金属ナノコイル自体の電気抵抗によって発熱する。そのため、所定の位置に金属ナノコイルを塗布するか、または所定の位置に金属ナノコイルが塗布された金属ナノコイルシートを貼り付けることで、電場または磁場で所定の位置を選択的に加熱可能な状態にすることができる。金属ナノコイルは、直径が約100μmである。金属ナノコイルを構成する金属線の直径は、約90nmである。金属ナノコイルは、溶液に分散して吹き付けることで塗布される。
【0100】
第1電場加熱装置120は、
図12に示すように、電場印加部124と、温度計126と、制御部128と、を有する。第1電場加熱装置120は、第1電磁波加熱装置20において電磁波照射部24で第1電磁波EB1を照射する代わりに、電場印加部124で第1電場E1を印加する。また、第1電場加熱装置120で第1複合材料12´´´に対して第1電場E1を印加する前に施す処理は、第1電磁波加熱装置20で第1複合材料12´´´に対して第1電磁波EB1を照射する前に施す処理と異なる。詳細には、第1電場加熱装置120は、第1電磁波シールド22で第1接合領域12a´´が覆われ、第1非接合領域12b´に第1金属ナノコイルシート122の貼り付けがされた第1複合材料12´´´に第1電場E1´を印加することで、第1金属ナノコイルシート122が貼り付けられた第1非接合領域12b´を第1電場E1´で加熱して硬化状態にする。
【0101】
電場印加部124は、制御部128の制御に基づいて、第1電場E1を印加する。電場印加部124は、第1非接合領域12b´が延びるZ方向を含む鉛直面に沿って、第1電場E1を印加することが好ましい。電場印加部124は、第1非接合領域12b´が延びるZ方向を含む鉛直面に沿って第1電場E1を印加する場合、第1電場E1で第1非接合領域12b´を効率よく加熱することができる。電場印加部124は、電源及び一対の電極が例示されるが、これに限定されず、周知の電場印加部が好適に用いられる。
【0102】
温度計126は、制御部128の制御に基づいて動作し、制御部128に温度の情報を送信する。温度計126は、制御部128の制御に基づいて動作し、制御部128に温度の情報を送信する点を除き、温度計26と同じである。制御部128は、電場印加部124及び温度計126を制御する。制御部128は、温度計126から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部124が印加する第1電場E1を制御する。制御部128は、電場印加部124及び温度計126を制御する点、並びに温度計126から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部124が印加する第1電場E1を制御する点を除き、制御部28と同じである。
【0103】
第1電場加熱装置120は、第1電磁波シールド22及び第1金属ナノコイルシート122により、第1複合材料12´´´において、第1非接合領域12b´を第1電場E1によって加熱される領域に、第1接合領域12a´´を第1電場E1によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第1電場E1を印加する。そのため、第1接合領域12a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第1電磁波シールド22及び第1金属ナノコイルシート122は、第1複合材料12´´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0104】
第2電場加熱装置130は、
図13に示すように、電場印加部134と、温度計136と、制御部138と、を有する。第2電場加熱装置130は、第1電磁波加熱装置30において電磁波照射部34で第2電磁波EB2を照射する代わりに、電場印加部134で第2電場E2を印加する。また、第2電場加熱装置130で第1複合材料12´´に対して第2電場E2を印加する前に施す処理は、第2電磁波加熱装置30で第1複合材料12´´に対して第2電磁波EB2を照射する前に施す処理と異なる。詳細には、第2電場加熱装置130は、第2電磁波シールド32で第1非接合領域12bが覆われ、第1接合領域12a´´に第2金属ナノコイルシート132の貼り付けがされた第1複合材料12´´に第2電場E2を印加することで、第2金属ナノコイルシート132が貼り付けられた第1接合領域12a´´を第2電場E2で加熱して半硬化状態にする。
【0105】
電場印加部134は、制御部138の制御に基づいて、第2電場E2を印加する。電場印加部134は、第1接合領域12a´´が延びるX方向を含む水平面に沿って、第2電場E2を印加することが好ましい。電場印加部134は、第1接合領域12a´´が延びるX方向を含む水平面に沿って第2電場E2を印加する場合、第2電場E2で第1接合領域12a´´を効率よく加熱することができる。電場印加部134は、電源及び一対の電極が例示されるが、これに限定されず、周知の電場印加部が好適に用いられる。
【0106】
温度計136は、制御部138の制御に基づいて動作し、制御部138に温度の情報を送信する。温度計136は、制御部138の制御に基づいて動作し、制御部138に温度の情報を送信する点を除き、温度計36と同じである。制御部138は、電場印加部134及び温度計136を制御する。制御部138は、温度計136から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部134が印加する第2電場E2を制御する。制御部138は、電場印加部134及び温度計136を制御する点、並びに温度計136から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部134が印加する第2電場E2を制御する点を除き、制御部38と同じである。
【0107】
第2電場加熱装置130は、第2電磁波シールド32及び第2金属ナノコイルシート132により、第1複合材料12´´において、第1接合領域12a´´を第2電場E2によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第2電場E2によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第2電場E2を印加する。そのため、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第2電磁波シールド32及び第2金属ナノコイルシート132は、第1複合材料12´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0108】
第3電場加熱装置140は、
図14に示すように、電場印加部144と、温度計146と、制御部148と、を有する。第3電場加熱装置140は、第3電磁波加熱装置40において電磁波照射部44で第3電磁波EB3を照射する代わりに、電場印加部144で第3電場E3を印加する。また、第3電場加熱装置140で第2複合材料14´´´に対して第3電場E3を印加する前に施す処理は、第3電磁波加熱装置40で第2複合材料14´´´に対して第3電磁波EB3を照射する前に施す処理と異なる。詳細には、第3電場加熱装置140は、第3電磁波シールド42で第2接合領域14a´´が覆われ、第2非接合領域14b´に第3金属ナノコイルシート142の貼り付けがされた第2複合材料14´´´に第3電場E3を印加することで、第3金属ナノコイルシート142が貼り付けられた第2非接合領域14b´を第3電場E3で加熱して硬化状態にする。
【0109】
電場印加部144は、制御部148の制御に基づいて、第3電場E3を印加する。電場印加部144は、第2非接合領域14b´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第3電場E3を印加することが好ましい。電場印加部144は、第2非接合領域14b´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第3電場E3を印加する場合、第3電場E3で第2非接合領域14b´を効率よく加熱することができる。電場印加部144は、電源及び一対の電極が例示されるが、これに限定されず、周知の電場印加部が好適に用いられる。
【0110】
温度計146は、制御部148の制御に基づいて動作し、制御部148に温度の情報を送信する。温度計146は、制御部148の制御に基づいて動作し、制御部148に温度の情報を送信する点を除き、温度計46と同じである。制御部148は、電場印加部144及び温度計146を制御する。制御部148は、温度計146から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部144が印加する第3電場E3を制御する。制御部148は、電場印加部144及び温度計146を制御する点、並びに温度計146から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部144が印加する第3電場E3を制御する点を除き、制御部48と同じである。
【0111】
第3電場加熱装置140は、第3電磁波シールド42及び第3金属ナノコイルシート142により、第2複合材料14´´´において、第2非接合領域14b´を第3電場E3によって加熱される領域に、第2接合領域14a´´を第3電場E3によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第3電場E3を印加する。そのため、第2接合領域14a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第3電磁波シールド42及び第3金属ナノコイルシート142は、第2複合材料14´´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0112】
第4電場加熱装置150は、
図15に示すように、電場印加部154と、温度計156と、制御部158と、を有する。第4電場加熱装置150は、第4電磁波加熱装置50において電磁波照射部54で第4電磁波EB4を照射する代わりに、電場印加部154で第4電場E4を印加する。また、第4電場加熱装置150で第2複合材料14´´に対して第4電場E4を印加する前に施す処理は、第4電磁波加熱装置50で第2複合材料14´´に対して第4電磁波EB4を照射する前に施す処理と異なる。詳細には、第4電場加熱装置150は、第4電磁波シールド52で第2非接合領域14bが覆われ、第2接合領域14a´´に第4金属ナノコイルシート152の貼り付けがされた第2複合材料14´´に第4電場E4を印加することで、第4金属ナノコイルシート152が貼り付けられた第2接合領域14a´´を第4電場E4で加熱して半硬化状態にする。
【0113】
電場印加部154は、制御部158の制御に基づいて、第4電場E4を印加する。電場印加部154は、第2接合領域14a´´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第4電場E4を印加することが好ましい。電場印加部154は、第2接合領域14a´´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第4電場E4を印加する場合、第4電場E4で第2接合領域14a´´を効率よく加熱することができる。電場印加部154は、電源及び一対の電極が例示されるが、これに限定されず、周知の電場印加部が好適に用いられる。
【0114】
温度計156は、制御部158の制御に基づいて動作し、制御部158に温度の情報を送信する。温度計156は、制御部158の制御に基づいて動作し、制御部158に温度の情報を送信する点を除き、温度計56と同じである。制御部158は、電場印加部154及び温度計156を制御する。制御部158は、温度計156から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部154が印加する第4電場E4を制御する。制御部158は、電場印加部154及び温度計156を制御する点、並びに温度計156から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部154が印加する第4電場E4を制御する点を除き、制御部58と同じである。
【0115】
第4電場加熱装置150は、第4電磁波シールド52及び第4金属ナノコイルシート152により、第2複合材料14´´において、第2接合領域14a´´を第4電場E4によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第4電場E4によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第4電場E4を印加する。そのため、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第4電磁波シールド52及び第4金属ナノコイルシート152は、第2複合材料14´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0116】
第5電場加熱装置160は、
図16に示すように、加圧部62と、電場印加部164と、温度計166と、制御部168と、を有する。第5電場加熱装置160は、第5電磁波加熱装置60において電磁波照射部64で第5電磁波EB5を照射する代わりに、電場印加部164で第5電場E5を印加する。また、第5電場加熱装置160で第1複合材料12´及び第2複合材料14´に対して第5電場E5を印加する前に施す処理は、第5電磁波加熱装置50で第1複合材料12´及び第2複合材料14´に対して第5電磁波EB5を照射する前に施す処理と異なる。詳細には、第5電場加熱装置160は、第5電磁波シールド63で第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bが覆われ、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´に第5金属ナノコイルシート163の貼り付けがされた第1複合材料12´及び第2複合材料14´に第5電場E5を印加することで、第5金属ナノコイルシート163が貼り付けられた第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5電場E5で加熱して硬化状態にする。
【0117】
第5電場加熱装置160の加圧部62は、制御部168の制御に基づいて作動する点を除き、第5電磁波加熱装置60の加圧部62と同じである。
【0118】
電場印加部164は、制御部168の制御に基づいて、第5電場E5を印加する。電場印加部164は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第5電場E5を印加することが好ましい。電場印加部164は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第5電場E5を印加する場合、第5電場E5で第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を効率よく加熱することができる。電場印加部164は、電源及び一対の電極が例示されるが、これに限定されず、周知の電場印加部が好適に用いられる。
【0119】
温度計166は、制御部168の制御に基づいて動作し、制御部168に温度の情報を送信する。温度計166は、制御部168の制御に基づいて動作し、制御部168に温度の情報を送信する点を除き、温度計66と同じである。制御部168は、電場印加部164及び温度計166を制御する。制御部168は、温度計166から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部164が印加する第5電場E5を制御する。制御部168は、電場印加部164及び温度計166を制御する点、並びに温度計166から取得する温度の情報に基づいて、電場印加部164が印加する第5電場E5を制御する点を除き、制御部68と同じである。
【0120】
第5電場加熱装置160は、第5電磁波シールド63及び第5金属ナノコイルシート163により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5電場E5によって加熱される領域に、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5電場E5によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第5電場E5を印加する。そのため、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を好適に硬化状態にすることができる。すなわち、第5電磁波シールド63及び第5金属ナノコイルシート163は、第1複合材料12´及び第2複合材料14´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0121】
以上のような構成を有する第1電場加熱装置120、第2電場加熱装置130、第3電場加熱装置140、第4電場加熱装置150、第5電場加熱装置160を含む接合システムの作用である第3の実施形態に係る接合方法について、以下に説明する。
【0122】
第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS12では、第1の実施形態に係る接合方法において第1接合領域12a´´を第1電磁波シールド22で覆うことに加えて、第1非接合領域12b´に第1金属ナノコイルシート122を貼り付ける。第1電磁波シールド22及び第1金属ナノコイルシート122により、第1複合材料12´´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS14では、第1の実施形態に係る接合方法において第1電磁波加熱処理20の電磁波照射部24で第1電磁波EB1を印加する代わりに、第1電場加熱処理120の電場印加部124で第1電場E1を印加する。
【0123】
第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS16では、第1の実施形態に係る接合方法において第1非接合領域12bを第2電磁波シールド32で覆うことに加えて、第1接合領域12a´´に第2金属ナノコイルシート132を貼り付ける。第2電磁波シールド32及び第2金属ナノコイルシート132により、第1複合材料12´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS18では、第1の実施形態に係る接合方法において第2電磁波加熱処理30の電磁波照射部34で第2電磁波EB2を印加する代わりに、第2電場加熱処理130の電場印加部134で第2電場E2を印加する。
【0124】
第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS22では、第1の実施形態に係る接合方法において第2接合領域14a´´を第3電磁波シールド42で覆うことに加えて、第2非接合領域14b´に第3金属ナノコイルシート142を貼り付ける。第3電磁波シールド42及び第3金属ナノコイルシート142により、第2複合材料14´´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS24では、第1の実施形態に係る接合方法において第3電磁波加熱処理40の電磁波照射部44で第3電磁波EB3を印加する代わりに、第3電場加熱処理140の電場印加部144で第3電場E3を印加する。
【0125】
第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS26では、第1の実施形態に係る接合方法において第2非接合領域14bを第4電磁波シールド52で覆うことに加えて、第2接合領域14a´´に第4金属ナノコイルシート152を貼り付ける。第4電磁波シールド52及び第4金属ナノコイルシート152により、第2複合材料14´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS28では、第1の実施形態に係る接合方法において第4電磁波加熱処理50の電磁波照射部54で第4電磁波EB4を印加する代わりに、第4電場加熱処理150の電場印加部154で第4電場E4を印加する。
【0126】
第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS32では、第1の実施形態に係る接合方法において第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5電磁波シールド63で覆うことに加えて、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´に第5金属ナノコイルシート163を貼り付ける。第5電磁波シールド63及び第5金属ナノコイルシート163により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第3の実施形態に係る接合方法におけるステップS34は、第1の実施形態に係る接合方法において第5電磁波加熱処理60の電磁波照射部64で第5電磁波EB5を印加する代わりに、第5電場加熱処理160の電場印加部164で第5電場E5を印加する。
【0127】
第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法において、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32について電磁波シールド処理に金属ナノコイル処理を加え、ステップS14、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34の電磁波加熱処理を、電場加熱処理に変更したものである。そのため、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、接合する領域を好適に半硬化状態にし、複合材料の接合の強度の品質を好適に保持しつつ、複合材料を効率よく接合することができる。第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、積層工程、デバルク工程及びバギング工程といった準備工程、を経なくても良い。第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、化学的な結合により複合材料を接合するので、接合部分に関する品質管理手法が確立しているため、セカンダリーボンド工程またはコボンド工程を経なくてもよい。結果として、第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、接合材料10の製造コストを大幅に低減できる。
【0128】
第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法において、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32について電磁波シールド処理と金属ナノコイル処理とを組合せて用いている。ここで、金属ナノコイルの発熱に必要な電場は炭素繊維の発熱に必要な電場よりも小さいため、金属ナノコイルのみでも、加熱される領域と加熱されない領域とを分離することができる。そのため、第3の実施形態に係る接合方法は、これに限定されず、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32について金属ナノコイル処理のみを用いてもよい。また、第3の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態と同様に、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32について電磁波シールド処理のみを用いて、加熱される領域と加熱されない領域とを分離してもよい。また、第3の実施形態に係る接合方法は、第1複合材料及び第2複合材料の前面に金属ナノコイルシートを貼り付けた上で、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32について、電磁波シールド処理で、加熱される領域と加熱されない領域とを分離してもよい。
【0129】
[第4の実施形態]
図17は、本発明の第4の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220の一例を示す概略構成図である。
図18は、本発明の第4の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230の一例を示す概略構成図である。
図19は、本発明の第4の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240の一例を示す概略構成図である。
図20は、本発明の第4の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250の一例を示す概略構成図である。
図21は、本発明の第4の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260の一例を示す概略構成図である。第4の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法において、ステップS14、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34の電磁波加熱処理を、磁場加熱処理に変更したものである。第4の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の構成に第1の実施形態と同一の符号群を用い、その詳細な説明を省略する。
【0130】
第1磁場加熱装置220は、
図17に示すように、磁場印加部224と、温度計226と、制御部228と、を有する。第1磁場加熱装置220は、第1電磁波加熱装置20において電磁波照射部24で第1電磁波EB1を印加する代わりに、磁場印加部224で第1磁場B1を印加する。すなわち、第1磁場加熱装置220は、第1電磁波シールド22で第1接合領域12a´´が覆われた第1複合材料12´´´に第1磁場B1を印加することで、第1電磁波シールド22から露出した第1非接合領域12b´を第1磁場B1で加熱して硬化状態にする。
【0131】
磁場印加部224は、制御部228の制御に基づいて、第1磁場B1を印加する。磁場印加部224は、第1非接合領域12b´が延びる鉛直面に沿う方向に直交する方向、すなわちX方向に沿って、第1磁場B1を印加することが好ましい。磁場印加部224は、第1非接合領域12b´が延びる鉛直面に沿う方向に直交する方向に沿って第1磁場B1を印加する場合、第1磁場B1で第1非接合領域12b´を効率よく加熱することができる。磁場印加部224は、900kHz以上の高周波磁場を印加することが好ましい。磁場印加部224は、コイルが例示されるが、これに限定されず、周知の磁場印加部が好適に用いられる。
【0132】
温度計226は、制御部228の制御に基づいて動作し、制御部228に温度の情報を送信する。温度計226は、制御部228の制御に基づいて動作し、制御部228に温度の情報を送信する点を除き、温度計26と同じである。制御部228は、磁場印加部224及び温度計226を制御する。制御部228は、温度計226から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部224が印加する第1磁場B1を制御する。制御部228は、磁場印加部224及び温度計226を制御する点、並びに温度計226から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部224が印加する第1磁場B1を制御する点を除き、制御部28と同じである。
【0133】
第2磁場加熱装置230は、
図18に示すように、磁場印加部234と、温度計236と、制御部238と、を有する。第2磁場加熱装置230は、第2電磁波加熱装置30において電磁波照射部34で第2電磁波EB2を印加する代わりに、磁場印加部234で第2磁場B2を印加する。すなわち、第2磁場加熱装置230は、第2電磁波シールド32で第1非接合領域12bが覆われた第1複合材料12´´に第2磁場B2を印加することで、第2電磁波シールド32から露出した第1接合領域12a´´を第2磁場B2で加熱して半硬化状態にする。
【0134】
磁場印加部234は、制御部238の制御に基づいて、第2磁場B2を印加する。磁場印加部234は、第1接合領域12a´´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第2磁場B2を印加することが好ましい。磁場印加部234は、第1接合領域12a´´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第2磁場B2を印加する場合、第2磁場B2で第1接合領域12a´´を効率よく加熱することができる。磁場印加部234は、900kHz以上の高周波磁場を印加することが好ましい。磁場印加部234は、コイルが例示されるが、これに限定されず、周知の磁場印加部が好適に用いられる。
【0135】
温度計236は、制御部238の制御に基づいて動作し、制御部238に温度の情報を送信する。温度計236は、制御部238の制御に基づいて動作し、制御部238に温度の情報を送信する点を除き、温度計36と同じである。制御部238は、磁場印加部234及び温度計236を制御する。制御部238は、温度計236から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部234が印加する第2磁場B2を制御する。制御部238は、磁場印加部234及び温度計236を制御する点、並びに温度計236から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部234が印加する第2磁場B2を制御する点を除き、制御部38と同じである。
【0136】
第3磁場加熱装置240は、
図19に示すように、磁場印加部244と、温度計246と、制御部248と、を有する。第3磁場加熱装置240は、第3電磁波加熱装置40において電磁波照射部44で第3電磁波EB3を印加する代わりに、磁場印加部244で第3磁場B3を印加する。すなわち、第3磁場加熱装置240は、第3電磁波シールド42で第2接合領域14a´´が覆われた第2複合材料14´´´に第3磁場B3を印加することで、第3電磁波シールド42から露出した第2非接合領域14b´を第3磁場B3で加熱して硬化状態にする。
【0137】
磁場印加部244は、制御部248の制御に基づいて、第3磁場B3を印加する。磁場印加部244は、第2非接合領域14b´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第3磁場B3を印加することが好ましい。磁場印加部244は、第2非接合領域14b´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第3磁場B3を印加する場合、第3磁場B3で第2非接合領域14b´を効率よく加熱することができる。磁場印加部244は、900kHz以上の高周波磁場を印加することが好ましい。磁場印加部244は、コイルが例示されるが、これに限定されず、周知の磁場印加部が好適に用いられる。
【0138】
温度計246は、制御部248の制御に基づいて動作し、制御部248に温度の情報を送信する。温度計246は、制御部248の制御に基づいて動作し、制御部248に温度の情報を送信する点を除き、温度計46と同じである。制御部248は、磁場印加部244及び温度計246を制御する。制御部248は、温度計246から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部244が印加する第3磁場B3を制御する。制御部248は、磁場印加部244及び温度計246を制御する点、並びに温度計246から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部244が印加する第3磁場B3を制御する点を除き、制御部48と同じである。
【0139】
第4磁場加熱装置250は、
図20に示すように、磁場印加部254と、温度計256と、制御部258と、を有する。第4磁場加熱装置250は、第4電磁波加熱装置50において電磁波照射部54で第4電磁波EB4を印加する代わりに、磁場印加部154で第4磁場B4を印加する。すなわち、第4磁場加熱装置250は、第4電磁波シールド52で第2非接合領域14bが覆われた第2複合材料14´´に第4磁場B4を印加することで、第4電磁波シールド52から露出した第2接合領域14a´´を第4磁場B4で加熱して半硬化状態にする。
【0140】
磁場印加部254は、制御部258の制御に基づいて、第4磁場B4を印加する。磁場印加部254は、第2接合領域14a´´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第4磁場B4を印加することが好ましい。磁場印加部254は、第2接合領域14a´´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第4磁場B4を印加する場合、第4磁場B4で第2接合領域14a´´を効率よく加熱することができる。磁場印加部254は、900kHz以上の高周波磁場を印加することが好ましい。磁場印加部254は、コイルが例示されるが、これに限定されず、周知の磁場印加部が好適に用いられる。
【0141】
温度計256は、制御部258の制御に基づいて動作し、制御部258に温度の情報を送信する。温度計256は、制御部258の制御に基づいて動作し、制御部258に温度の情報を送信する点を除き、温度計56と同じである。制御部258は、磁場印加部254及び温度計256を制御する。制御部258は、温度計256から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部254が印加する第4磁場B4を制御する。制御部258は、磁場印加部254及び温度計256を制御する点、並びに温度計256から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部254が印加する第4磁場B4を制御する点を除き、制御部58と同じである。
【0142】
第5磁場加熱装置260は、
図21に示すように、加圧部62と、磁場印加部264と、温度計266と、制御部268と、を有する。第5磁場加熱装置260は、第5電磁波加熱装置60において電磁波照射部64で第5電磁波EB5を印加する代わりに、磁場印加部264で第5磁場B5を印加する。すなわち、第5磁場加熱装置260は、第5電磁波シールド63で第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bが覆われた第1複合材料12´及び第2複合材料14´に第5磁場B5を印加することで、第5電磁波シールド63から露出した第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5磁場B5で加熱して硬化状態にする。
【0143】
第5磁場加熱装置260の加圧部62は、制御部268の制御に基づいて作動する点を除き、第5電磁波加熱装置60の加圧部62と同じである。
【0144】
磁場印加部264は、制御部268の制御に基づいて、第5磁場B5を印加する。磁場印加部264は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向、すなわちZ方向に沿って、第5磁場B5を印加することが好ましい。磁場印加部264は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´が延びる水平面に沿う方向に直交する方向に沿って第5磁場B5を印加する場合、第5磁場B5で第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を効率よく加熱することができる。磁場印加部264は、900kHz以上の高周波磁場を印加することが好ましい。磁場印加部264は、コイルが例示されるが、これに限定されず、周知の磁場印加部が好適に用いられる。
【0145】
温度計266は、制御部268の制御に基づいて動作し、制御部268に温度の情報を送信する。温度計266は、制御部268の制御に基づいて動作し、制御部268に温度の情報を送信する点を除き、温度計66と同じである。制御部268は、磁場印加部264及び温度計266を制御する。制御部268は、温度計266から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部264が印加する第4磁場B4を制御する。制御部268は、磁場印加部264及び温度計266を制御する点、並びに温度計266から取得する温度の情報に基づいて、磁場印加部264が印加する第4磁場B4を制御する点を除き、制御部68と同じである。
【0146】
以上のような構成を有する第1磁場加熱装置220、第2磁場加熱装置230、第3磁場加熱装置240、第4磁場加熱装置250、第5磁場加熱装置260を含む接合システムの作用である第4の実施形態に係る接合方法について、以下に説明する。
【0147】
第4の実施形態に係る接合方法におけるステップS14では、第1の実施形態に係る接合方法において第1電磁波加熱処理20の電磁波照射部24で第1電磁波EB1を印加する代わりに、第1磁場加熱処理220の磁場印加部224で第1磁場B1を印加する。第4の実施形態に係る接合方法におけるステップS18では、第1の実施形態に係る接合方法において第2電磁波加熱処理30の電磁波照射部34で第2電磁波EB2を印加する代わりに、第2磁場加熱処理230の磁場印加部234で第2磁場B2を印加する。
【0148】
第4の実施形態に係る接合方法におけるステップS24では、第1の実施形態に係る接合方法において第3電磁波加熱処理40の電磁波照射部44で第3電磁波EB3を印加する代わりに、第3磁場加熱処理240の磁場印加部244で第3磁場B3を印加する。第4の実施形態に係る接合方法におけるステップS28では、第1の実施形態に係る接合方法において第4電磁波加熱処理50の電磁波照射部54で第4電磁波EB4を印加する代わりに、第4磁場加熱処理250の磁場印加部254で第4磁場B4を印加する。
【0149】
第4の実施形態に係る接合方法におけるステップS34は、第1の実施形態に係る接合方法において第5電磁波加熱処理60の電磁波照射部64で第5電磁波EB5を印加する代わりに、第5磁場加熱処理260の磁場印加部264で第5磁場B5を印加する。
【0150】
第4の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法において、ステップS14、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34の電磁波加熱処理を、磁場加熱処理に変更したものである。そのため、第4の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、接合する領域を好適に半硬化状態にし、複合材料の接合の強度の品質を好適に保持しつつ、複合材料を効率よく接合することができる。第4の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、積層工程、デバルク工程及びバギング工程といった準備工程、を経なくても良い。第4の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、化学的な結合により複合材料を接合するので、接合部分に関する品質管理手法が確立しているため、セカンダリーボンド工程またはコボンド工程を経なくてもよい。結果として、第4の実施形態に係る接合方法は、第1の実施形態に係る接合方法と同様に、接合材料10の製造コストを大幅に低減できる。
【0151】
第4の実施形態に係る接合方法において磁場を印加する好ましい方向は、第3の実施形態に係る接合方法において電場を印加する好ましい方向と直交する。そのため、第1複合材料12または第2複合材料14の形状に応じて、電場の印加が好ましい状況下では電場加熱処理を選択し、磁場の印加が好ましい状況下では磁場加熱処理を選択して、電場加熱処理と磁場加熱処理とを好適に組み合わせることができる。例えば、ステップS14では電場加熱処理を選択し、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34では磁場加熱処理を選択することが可能である。
【0152】
[第5の実施形態]
図22は、本発明の第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220の一例を示す概略構成図である。
図23は、本発明の第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230の一例を示す概略構成図である。
図24は、本発明の第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240の一例を示す概略構成図である。
図25は、本発明の第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250の一例を示す概略構成図である。
図26は、本発明の第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260の一例を示す概略構成図である。第5の実施形態に係る接合方法は、第4の実施形態に係る接合方法において、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32の電磁波シールド処理を、金属ナノコイル処理に変更し、ステップS14、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34の磁場加熱処理における磁場の強度を変更したものである。第5の実施形態の説明では、第2の実施形態と同様の構成に第2の実施形態と同一の符号群を用い、その詳細な説明を省略する。
【0153】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220と、装置の構成は同じである。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、
図22に示すように、第1複合材料12´´´に対して印加する磁場の強さが異なる点で、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220と異なる。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220で印加した第1磁場B1よりも弱い第1磁場B1´を印加する。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、第1磁場B1´の強度を制御部228で制御する。
【0154】
また、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、第1複合材料12´´´に対して第1磁場B1´を印加する前に施されている処理が異なる点でも、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220と異なる。詳細には、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、第1非接合領域12b´に第1金属ナノコイルシート122の貼り付けがされた第1複合材料12´´´に第1磁場B1´を印加することで、第1金属ナノコイルシート122が貼り付けられた第1非接合領域12b´を第1磁場B1´で加熱して硬化状態にする。
【0155】
第1複合材料12´´´において露出している第1接合領域12a´´は、第1磁場加熱装置220で第1磁場B1よりも弱い第1磁場B1´が印加されるので、ほとんど加熱されず、熱硬化処理されず、軟化状態で保持される。第1複合材料12´´´において第1金属ナノコイルシート122が貼り付けられた第1非接合領域12b´は、第1磁場加熱装置220で第1磁場B1´が印加されるので、金属ナノコイルの発熱に伴って熱硬化処理され、硬化状態となる。
【0156】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第1磁場加熱装置220は、第1金属ナノコイルシート122により、第1複合材料12´´´において、第1非接合領域12b´を第1磁場B1´によって加熱される領域に、第1接合領域12a´´を第1磁場B1´によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第1磁場B1´を印加する。そのため、第1接合領域12a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第1金属ナノコイルシート122は、第1電磁波シールド22と同様に、第1複合材料12´´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0157】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230と、装置の構成は同じである。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、
図23に示すように、第1複合材料12´´に対して印加する磁場の強さが異なる点で、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230と異なる。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230で印加した第2磁場B2よりも弱い第2磁場B2´を印加する。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、第2磁場B2´の強度を制御部238で制御する。
【0158】
また、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、第1複合材料12´´に対して第2磁場B2´を印加する前に施されている処理が異なる点でも、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230と異なる。詳細には、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、第1接合領域12a´´に第2金属ナノコイルシート132の貼り付けがされた第1複合材料12´´に第2磁場B2´を印加することで、第2金属ナノコイルシート132が貼り付けられた第1接合領域12a´´を第2磁場B2´で加熱して半硬化状態にする。
【0159】
第1複合材料12´´において露出している第1非接合領域12bは、第2磁場加熱装置230で第2磁場B2よりも弱い第2磁場B2´が印加されるので、ほとんど加熱されない。第1複合材料12´´において第2金属ナノコイルシート132が貼り付けられた第1接合領域12a´´は、第2磁場加熱装置230で第2磁場B2´が印加されるので、金属ナノコイルの発熱に伴って熱硬化処理され、半硬化状態となる。
【0160】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第2磁場加熱装置230は、第2金属ナノコイルシート132により、第1複合材料12´´において、第1接合領域12a´´を第2磁場B2´によって加熱される領域に、第1非接合領域12bを第2磁場B2´によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第2磁場B2´を印加する。そのため、第1接合領域12a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第2金属ナノコイルシート132は、第2電磁波シールド32と同様に、第1複合材料12´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0161】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240と、装置の構成は同じである。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、
図24に示すように、第2複合材料14´´´に対して印加する磁場の強さが異なる点で、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240と異なる。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240で印加した第3磁場B3よりも弱い第3磁場B3´を印加する。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、第3磁場B3´の強度を制御部248で制御する。
【0162】
また、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、第2複合材料14´´´に対して第3磁場B3´を印加する前に施されている処理が異なる点でも、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240と異なる。詳細には、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、第2非接合領域14b´に第3金属ナノコイルシート142の貼り付けがされた第2複合材料14´´´に第3磁場B3´を印加することで、第3金属ナノコイルシート142が貼り付けられた第2非接合領域14b´を第3磁場B3´で加熱して硬化状態にする。
【0163】
第2複合材料14´´´において露出している第2接合領域14a´´は、第3磁場加熱装置240で第3磁場B3よりも弱い第3磁場B3´が印加されるので、ほとんど加熱されず、熱硬化処理されず、軟化状態で保持される。第2複合材料14´´´において第3金属ナノコイルシート142が貼り付けられた第2非接合領域14b´は、第3磁場加熱装置240で第3磁場B3´が印加されるので、金属ナノコイルの発熱に伴って熱硬化処理され、硬化状態となる。
【0164】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第3磁場加熱装置240は、第3金属ナノコイルシート142により、第2複合材料14´´´において、第2非接合領域14b´を第3磁場B3´によって加熱される領域に、第2接合領域14a´´を第3磁場B3´によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第3磁場B3´を印加する。そのため、第2接合領域14a´´を好適に軟化状態に保持できるので、この後の処理で、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第3金属ナノコイルシート142は、第3電磁波シールド42と同様に、第2複合材料14´´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0165】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250と、装置の構成は同じである。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、
図25に示すように、第2複合材料14´´に対して印加する磁場の強さが異なる点で、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250と異なる。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250で印加した第4磁場B4よりも弱い第4磁場B4´を印加する。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、第4磁場B4´の強度を制御部258で制御する。
【0166】
また、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、第2複合材料14´´に対して第4磁場B4´を印加する前に施されている処理が異なる点でも、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250と異なる。詳細には、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、第2接合領域14a´´に第4金属ナノコイルシート152の貼り付けがされた第2複合材料14´´に第4磁場B4´を印加することで、第4金属ナノコイルシート152が貼り付けられた第2接合領域14a´´を第4磁場B4´で加熱して半硬化状態にする。
【0167】
第2複合材料14´´において露出している第2非接合領域14bは、第4磁場加熱装置250で第4磁場B4よりも弱い第4磁場B4´が印加されるので、ほとんど加熱されない。第2複合材料14´´において第4金属ナノコイルシート152が貼り付けられた第2接合領域14a´´は、第4磁場加熱装置250で第4磁場B4´が印加されるので、金属ナノコイルの発熱に伴って熱硬化処理され、半硬化状態となる。
【0168】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第4磁場加熱装置250は、第4金属ナノコイルシート152により、第2複合材料14´´において、第2接合領域14a´´を第4磁場B4´によって加熱される領域に、第2非接合領域14bを第4磁場B4´によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第4磁場B4´を印加する。そのため、第2接合領域14a´´を好適に半硬化状態にすることができる。すなわち、第4金属ナノコイルシート152は、第4電磁波シールド52と同様に、第2複合材料14´´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0169】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260と、装置の構成は同じである。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、
図26に示すように、第1複合材料12´及び第2複合材料14´に対して印加する磁場の強さが異なる点で、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260と異なる。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260で印加した第5磁場B5よりも弱い第5磁場B5´を印加する。第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、第5磁場B5´の強度を制御部268で制御する。
【0170】
また、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、第1複合材料12´及び第2複合材料14´に対して第5磁場B5´を印加する前に施されている処理が異なる点でも、第4の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260と異なる。詳細には、第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´に第5金属ナノコイルシート163の貼り付けがされた第1複合材料12´及び第2複合材料14´に第5磁場B5´を印加することで、第5金属ナノコイルシート163が貼り付けられた第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5磁場B5´で加熱して硬化状態にする。
【0171】
第1複合材料12´及び第2複合材料14´において露出している第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bは、第5磁場加熱装置260で第5磁場B5よりも弱い第5磁場B5´が印加されるので、ほとんど加熱されない。第1複合材料12´及び第2複合材料14´において第5金属ナノコイルシート163が貼り付けられた第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´は、第5磁場加熱装置260で第5磁場B5´が印加されるので、金属ナノコイルの発熱に伴って熱硬化処理され、硬化状態となる。
【0172】
第5の実施形態に係る接合方法に使用する第5磁場加熱装置260は、第5金属ナノコイルシート163により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を第5磁場B5´によって加熱される領域に、第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5磁場B5´によって加熱されない領域に、明確に分離してから、第5磁場B5´を印加する。そのため、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´を好適に硬化状態にすることができる。すなわち、第5金属ナノコイルシート163は、第5電磁波シールド63と同様に、第1複合材料12´及び第2複合材料14´を、加熱される領域と加熱されない領域とに好適に分離することができる。
【0173】
以上のような構成を有する第1磁場加熱装置220、第2磁場加熱装置230、第3磁場加熱装置240、第4磁場加熱装置250、第5磁場加熱装置260を含む接合システムの作用である第5の実施形態に係る接合方法について、以下に説明する。
【0174】
第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS12では、第4の実施形態に係る接合方法において第1接合領域12a´´を第1電磁波シールド22で覆う代わりに、第1非接合領域12b´に第1金属ナノコイルシート122を貼り付ける。第1金属ナノコイルシート122により、第1複合材料12´´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS14では、第4の実施形態に係る接合方法において第1磁場B1を印加する代わりに、第1磁場B1´を印加する。
【0175】
第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS16では、第4の実施形態に係る接合方法において第1非接合領域12bを第2電磁波シールド32で覆う代わりに、第1接合領域12a´´に第2金属ナノコイルシート132を貼り付ける。第2金属ナノコイルシート132により、第1複合材料12´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS18では、第4の実施形態に係る接合方法において第2磁場B2を印加する代わりに、第2磁場B2´を印加する。
【0176】
第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS22では、第4の実施形態に係る接合方法において第2接合領域14a´´を第3電磁波シールド42で覆う代わりに、第2非接合領域14b´に第3金属ナノコイルシート142を貼り付ける。第3金属ナノコイルシート142により、第2複合材料14´´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS24では、第4の実施形態に係る接合方法において第3磁場B3を印加する代わりに、第3磁場B3´を印加する。
【0177】
第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS26では、第4の実施形態に係る接合方法において第2非接合領域14bを第4電磁波シールド52で覆う代わりに、第2接合領域14a´´に第4金属ナノコイルシート152を貼り付ける。第4金属ナノコイルシート152により、第2複合材料14´´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS28では、第4の実施形態に係る接合方法において第4磁場B4を印加する代わりに、第4磁場B4´を印加する。
【0178】
第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS32では、第4の実施形態に係る接合方法において第1非接合領域12b及び第2非接合領域14bを第5電磁波シールド63で覆う代わりに、第1接合領域12a´及び第2接合領域14a´に第5金属ナノコイルシート163を貼り付ける。第5金属ナノコイルシート163により、第1複合材料12´及び第2複合材料14´において、加熱される領域と加熱されない領域とを好適に分離することができる。第5の実施形態に係る接合方法におけるステップS34では、第4の実施形態に係る接合方法において第5磁場B5を印加する代わりに、第5磁場B5´を印加する。
【0179】
第5の実施形態に係る接合方法は、第4の実施形態に係る接合方法において、ステップS12、ステップS16、ステップS22、ステップS26及びステップS32の電磁波シールド処理を、金属ナノコイル処理に変更し、ステップS14、ステップS18、ステップS24、ステップS28及びステップS34の磁場加熱処理における磁場の強度を変更したものである。そのため、第4の実施形態に係る接合方法と同様に、接合する領域を好適に半硬化状態にし、複合材料の接合の強度の品質を好適に保持しつつ、複合材料を効率よく接合することができる。第5の実施形態に係る接合方法は、第4の実施形態に係る接合方法と同様に、積層工程、デバルク工程及びバギング工程といった準備工程、を経なくても良い。第5の実施形態に係る接合方法は、第4の実施形態に係る接合方法と同様に、化学的な結合により複合材料を接合するので、接合部分に関する品質管理手法が確立しているため、セカンダリーボンド工程またはコボンド工程を経なくてもよい。結果として、第5の実施形態に係る接合方法は、第4の実施形態に係る接合方法と同様に、接合材料10の製造コストを大幅に低減できる。
【0180】
第5の実施形態に係る接合方法で用いる金属ナノコイルシートと、第4の実施形態に係る接合方法で用いる電磁波シールドと、を組合せて用いることもできる。例えば、第1複合材料及び第2複合材料の全面に金属ナノコイルシートを貼り付けて強度の低い磁場を用いた磁場加熱処理を可能にした上で、貼り付けた金属ナノコイルシートの外周を電磁波シールドで覆うことで磁場加熱処理をする領域を分離しても良い。