特許第6757178号(P6757178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6757178
(24)【登録日】2020年9月1日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】グリル装置
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/00 20060101AFI20200907BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   F24C15/00 M
   F24C15/00 D
   A47J37/06 366
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-102308(P2016-102308)
(22)【出願日】2016年5月23日
(65)【公開番号】特開2017-211097(P2017-211097A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】藤井 拓
(72)【発明者】
【氏名】阿南 華織
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−000450(JP,A)
【文献】 特開2014−219158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する調理庫と、
前記開口を通じて前記調理庫に出し入れ自在に収納され、冷凍食品が載置されるように設けられたグリル皿と、
前記調理庫内に配置され、前記グリル皿に配置された前記冷凍食品を加熱するバーナと、
前記グリル皿の一部分の温度を検知する温度センサと、
前記冷凍食品を加熱調理するための冷凍食品加熱調理情報が表示される表示部と、を備え、
前記冷凍食品加熱調理情報は、
前記冷凍食品と、前記グリル皿の前記一部分との相対的な位置関係に関する情報を含み、
前記グリル皿の前記一部分との相対的な位置関係に関する情報は、複数個の同一食品が、前記グリル皿の前記一部分を囲むように配置されたイラストレーションで表示される
ことを特徴とするグリル装置。
【請求項2】
前記冷凍食品加熱調理情報は、加熱時間に関する情報を更に含み、
使用者が加熱時間を変更したときには、前記イラストレーションを構成する同一食品の個数及び配置が変更される
ことを特徴とする請求項1に記載のグリル装置。
【請求項3】
前記バーナは、
前記グリル皿に載置された前記冷凍食品を上方から加熱する上バーナと、
前記グリル皿を下方から加熱するように環状に設けられた下バーナと、を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載のグリル装置。
【請求項4】
複数種類の前記冷凍食品から任意の種類のものを選択することのできる操作部と、
前記操作部で選択された種類の前記冷凍食品に応じた加熱条件で前記バーナを駆動する制御部と、をさらに備え、
前記加熱条件は、前記冷凍食品の種類ごとに設定されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のグリル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル装置に関し、詳しくは、グリル装置によって冷凍食品を適切に調理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
バーナを用いて食品を加熱調理をするように構成されたグリル装置が、従来提案されている(特許文献1等参照)。このようなグリル装置を用いて、多様な調理が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−7428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のグリル庫は、冷凍食品を対象としてこれを適切に加熱調理するように設計されていなかった。
【0005】
本発明は、多様な冷凍食品を、良好な食感を創り出すようにそれぞれ適切に加熱調理することのできるグリル装置を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様のグリル装置は、開口を有する調理庫と、前記開口を通じて前記調理庫に出し入れ自在に収納され、冷凍食品が載置されるように設けられたグリル皿と、前記調理庫内に配置され、前記グリル皿に配置された前記冷凍食品を加熱するバーナと、前記グリル皿の一部分の温度を検知する温度センサと、前記冷凍食品を加熱調理するための冷凍食品加熱調理情報が表示される表示部と、を備える。
【0007】
前記冷凍食品加熱調理情報は、前記冷凍食品と、前記グリル皿の前記一部分との相対的な位置関係に関する情報を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、多様な冷凍食品を、良好な食感を創り出すようにそれぞれ適切に加熱調理することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態のグリル装置の斜視図である。
図2図2は、同上のグリル装置を左右方向に沿う鉛直面で切断した正面図である。
図3図3は、同上のグリル装置の要部を前後方向に沿う鉛直面で切断した斜視図である
図4図4は、同上のグリル装置のシステム図である。
図5図5は、同上のグリル装置が備えるグリル用の操作部の正面図である。
図6図6A図6Cは、同上のグリル装置が備える表示部の正面図である。
図7図7A図7Bは、同上の表示部に表示されるイラストレーションの別形態を示す図である。
図8図8A図8Dは、同上の表示部に表示されるイラストレーションの別形態を示す図である。
図9図9A図9Cは、同上の表示部に表示されるイラストレーションの別形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面に基づいて、一実施形態のグリル装置1について説明する。
【0011】
本実施形態のグリル装置1は、グリル付きガスコンロであるが、コンロを備えないグリル単体で構成されてもよい。また、本実施形態のグリル装置1は、キッチンカウンターに形成された開口部に上方より挿入されて設置されるドロップイン方式のものであるが、特にドロップイン方式に限定されない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のグリル装置1は、本体ケーシング10と、本体ケーシング10に設置される加熱手段と、この加熱手段を制御する制御部(図示略)とを備える。
【0013】
本実施形態の加熱手段は、コンロ用のバーナ11(11A〜11C)と、グリル用のバーナ3(図2図3参照)で構成される。本体ケーシング10は、上方に開口する略箱状の外形を有し、該開口を覆う天板12を備える。天板12のバーナ11が設けられる部分には、バーナ挿通口が形成されている。
【0014】
ここで、グリル装置1における前後方向を定義する。図1に示すように、設計上、グリル装置1に対して使用者が位置する方を前方Fと定義し、その反対を後方Bと定義する。左右方向については、後方Bを向いたときを基準として左方Lと右方Rを定義する。
【0015】
本実施形態では、天板12の前側部分の左側に左バーナ11Aが設けられ、天板12の後部の左右方向中央に奥バーナ11Bが設けられ、天板12の前側部分の右側に右バーナ11Cが設けられる。
【0016】
天板12の各バーナ11A〜11Cが設けられる部分に、バーナ挿通口がそれぞれ位置し、各バーナ挿通口を通じて、バーナ11A〜11Cの略円形状をした上部が露出する。
【0017】
天板12のバーナ挿通口の周囲には、調理容器を支持する五徳13が設置されている。なお、本実施形態のグリル装置1において、コンロ(バーナ11、五徳13等)は任意の構成であり、設けられなくてもよい。
【0018】
各バーナ11A〜11Cは、図1に示すように、五徳13に載置される調理容器の底部の温度を検知する温度センサ14を備えている。温度センサ14により検知された温度に基づいて、マイクロコンピュータを有する制御部が自動調理モード等を実行する。
【0019】
本体ケーシング10の前面パネル15には、バーナ11の点火/消火の切り替えや火力調節の制御指令を与えるコンロ用の操作部16が設けられている。操作部16の操作を受けて、制御部がバーナ11の制御を行う。
【0020】
図2図3に示すように、本体ケーシング10内には、調理庫2が設けられている。調理庫2は、内部にバーナ3を備え、その内部空間を燃焼室とするものである。調理庫2は開口20を有し、開口20を通じて前方から加熱調理対象を出し入れすることが可能である。図1に示すように、調理庫2の開口20には、グリル扉21が開閉自在に設けられる。調理庫2内の他の設備については、改めて説明する。
【0021】
コンロ用のバーナ11A〜11Cと、グリル用のバーナ3には、図4に示す供給路4で燃料ガスが供給される。供給路4は、元ガス供給路40と、複数(四つ)のガス供給路42A〜42Dを含む。
【0022】
元ガス供給路40は、複数のガス供給路42A〜42Dに分岐される。元ガス供給路40には元ガス電磁弁41が設けられ、各ガス供給路42A〜42Dには電磁弁からなる安全弁43A〜43Dがそれぞれ設けられ、それらの下流側にステッピングモータにより駆動される流量調節弁44A〜44Dが設けられる。
【0023】
都市ガス等の燃料ガスは、ガス供給路42Aを介して左バーナ11Aに供給され、ガス供給路42Bを介して奥バーナ11Bに供給され、ガス供給路42Cを介して右バーナ11Cに供給され、ガス供給路42Dを介してバーナ3に供給される。
【0024】
グリル装置1の前面パネル15(図1参照)には、図5に示すようなパネル状の操作部5と、図6A図6Cに示すようなパネル状の表示部7が設けられている。前面パネル15は、その中央部を押すことで前方に倒れるように所定角度だけ回転し、操作部5や表示部7を正面に露出させるように構成された、所謂カンガルーポケット方式のパネルである。
【0025】
使用者が操作部5を用いて入力操作を行うことによって、バーナ3の点火/消火の切り替えや火力調節の制御指令が、制御部に与えられる。表示部7には、操作部5を用いて行われる入力操作等の各種情報が、文字、数字、イラストレーション等で表示される。
【0026】
グリル用の操作部5やコンロ用の操作部16の入力操作によって、制御部に対して点火の指令が送られると、制御部は、元ガス電磁弁41を開弁させ、安全弁43A〜43Dのうち対応するものを開弁させることで、バーナ11A〜11Cやバーナ3に燃料ガスを流入させる。そして、対応するバーナ11A〜11C、バーナ3の点火プラグ45A〜45Eでスパークを生じさせ、点火を実行させる。バーナ11A〜11C、バーナ3には、熱電対等からなる点火検知装置46A〜46Eが設けられている。点火検知装置46A〜46Eは、熱起電力を検知することでバーナ11A〜11C、バーナ3の点火(火炎)を検知するものである。点火検知装置46A〜46Eが点火を検知すると、制御部は点火プラグ45A〜45Eでのスパークを停止する。
【0027】
図5に示すように、操作部5は、容器選択スイッチ51、選択スイッチ52、決定スイッチ53、点火/消火スイッチ54、戻るスイッチ55、とりけしスイッチ56、設定変更スイッチ57、りれきスイッチ58を有する。
【0028】
容器選択スイッチ51は、調理庫2での調理に調理容器を使用するか否かの指示を入力するためのスイッチである。選択スイッチ52は、表示部7(図6A図6C参照)に表示される選択肢から所望の選択肢を選択するためのスイッチである。決定スイッチ53は、選択スイッチ52により選択した選択肢に決定するためのスイッチである。
【0029】
点火/消火スイッチ54は、単独であるいは調理メニューを決定した後にバーナ3の点火を行い、また、バーナ3を消火するためのスイッチである。戻るスイッチ55は、直前の決定を取り消して再度選択を行うためのスイッチである。とりけしスイッチ56は、全ての決定を取り消すためのスイッチである。設定変更スイッチ57は、設定を変更するためのスイッチである。りれきスイッチ58は、表示部7に履歴を表示させるためのスイッチである。
【0030】
以下、調理庫2内の設備について、更に詳しく説明する。
【0031】
図2図3に示すように、調理庫2内にはグリル皿6が収納される。グリル皿6は、開口20を介して前後に出し入れ自在である。
【0032】
グリル皿6は、底壁部60と、底壁部60の周縁から上方に向けて突出する側壁部61とを有する。グリル皿6は、底壁部60上に載置された加熱調理対象(冷凍食品)に対して、熱を伝導させる機能を有する。
【0033】
バーナ3は、調理庫2に収納されたグリル皿6の下側に位置し、グリル皿6を下側から加熱するように環状に設けられた下バーナ31と、調理庫2に収納されたグリル皿6の上側に位置し、グリル皿6に載置された加熱調理対象を上側から加熱するように面状に設けられた上バーナ33とを含む。
【0034】
本実施形態の下バーナ31は、調理庫2に収納されたグリル皿6の平面視における略中央部の下方に位置する。下バーナ31は、コンロ用のバーナ11と同様の構造を有するが、その構造は特に限定されない。
【0035】
下バーナ31は、グリル皿6の底壁部60の一部分601の温度を検知する温度センサ32を備えている。温度センサ32は、下バーナ31の中央部より上方に突出し、グリル皿6の底壁部60に対して下方から当接するように構成されている。本実施形態の温度センサ32は、グリル皿6の一部分601に直接接触して温度を検知する方式であるが、非接触でグリル皿6の一部分601の温度を検知する方式のセンサでもよい。また、温度センサ32の位置は、グリル皿6の一部分601の真下でなくてもよく、その位置は特に限定されない。
【0036】
調理庫2からは後方にむけて排気路26が延設されており、排気路26には、排気温度を検知する温度センサ25が設けられている。
【0037】
制御部は、温度センサ32により検知されたグリル皿6の温度と、温度センサ25により検知された排気温度の少なくとも一方に基づいて、各種の調理メニューを実行する。
【0038】
上バーナ33と下バーナ31の加熱は、制御部により制御される。
【0039】
図4に示すように、ガス供給路42Dは、その下流側でガス供給路42D1とガス供給路42D2に分岐しており、燃料ガスは、ガス供給路42D1を介して上バーナ33に供給され、ガス供給路42D2を介して下バーナ31に供給される。ガス供給路42D1には電磁弁47が設けられている。
【0040】
グリル皿6は、調理庫2内に設置された皿受け22によって支持される(図2図3参照)。本実施形態の皿受け22は、線材が屈曲されることで平面視概矩形状に形成された枠状の部材であるが、その形状等は特に限定されない。
【0041】
図2に示すように、皿受け22は可動レール23に支持される。可動レール23は、調理庫2の左右の内側壁に固定される固定レール24に対して前後にスライド自在に設けられている。左右の可動レール23の前端はグリル扉21に固定されており、左右の可動レール23、グリル扉21、皿受け22及びグリル皿6によって、調理庫2に対して出し入れ自在な可動ユニットが構成されている。
【0042】
次に、操作部5と表示部7について、さらに詳しく説明する。
【0043】
使用者が操作部5の容器選択スイッチ51の右側を押し込み操作し、グリル2での調理にグリル皿6を使用することを選択すると、表示部7の左側領域には、図6Aに示すような複数の調理メニューが表示される。操作部5の選択スイッチ52を用いて、これら複数の調理メニューのうち「冷凍食品メニュー」を選択すると、表示部7の右側領域には、調理可能な複数種類の冷凍食品の選択肢が、文字で表示される(図6A図6B参照)。
【0044】
決定スイッチ53を用いて「冷凍食品メニュー」に決定後、複数種類の冷凍食品のうち一種類の冷凍食品を、選択スイッチ52と決定スイッチ53を用いてさらに選択及び決定する。本実施形態において、設定されている複数種類の冷凍食品は、「お好み焼き」「から揚げ」「コロッケ」「たい焼き」「炒飯」「ピザ」「焼きおにぎり」「焼き餃子」であるが、これに限定される訳ではなく、他の冷凍食品が選択肢に設定されてもよい。
【0045】
ここで、たとえば「焼きおにぎり」を選択及び決定すると、表示部7には、図6Cに示すような冷凍食品加熱調理情報が表示される。冷凍食品加熱調理情報は、冷凍食品を加熱調理するために利用される情報であり、具体的には、加熱時間に関する情報(以下「時間情報」という。)と、グリル皿6上での冷凍食品の位置関係に関する情報(以下「位置関係情報」という。)を含む。
【0046】
時間情報は、冷凍食品ごとに予め設定された加熱時間の情報であり、数字で表示される。この数字は、使用者が選択スイッチ52を用いて変更可能である。つまり、たとえば当初8分と表示された場合に選択スイッチ52を用いて10分に変更し、点火/消火スイッチ54を押し込み操作すれば、焼きおにぎりの加熱調理(解凍調理)は10分間だけ実行される。選択スイッチ52を用いて6分に変更し、点火/消火スイッチ54を押し込み操作すれば、焼きおにぎりの加熱調理(解凍調理)は6分間だけ実行される。
【0047】
位置関係情報は、グリル皿6の中央部分(温度センサ32によって温度が逐次検知される一部分601)に対して、その冷凍食品をどのような相対位置に配置することが推奨されるのかについて、イラストレーション70で表示された情報である。
【0048】
イラストレーション70は、平面視でグリル皿6を示す図と、このグリル皿6上に配置される複数(四つ)の焼きおにぎりを示す図とで、構成されている(図6C参照)。図示される焼きおにぎりの配置は、各々の焼きおにぎりの加熱調理を極力正確に制御できるように、その温度が逐次検知されるグリル皿6の中央部分(一部分601)との距離にバラつきが生じにくいように、適切に設定された配置である。
【0049】
焼きおにぎりのように、複数個の同一食品で構成されている冷凍食品の場合、上記したように選択スイッチ52を用いて加熱時間を変更したときに、イラストレーション70を構成する同一食品の個数及び配置が変更される。
【0050】
一例として、加熱時間を増大させた場合には、図7Aに示すように、イラストレーション70に表示される同一食品(焼きおにぎり)の個数が増大し、その個数に適したグリル皿6上の配置がイラストレーション70で示される。同じく一例として、加熱時間を減少させた場合には、図7Bに示すように、イラストレーション70に表示される同一食品(焼きおにぎり)の個数が減少し、その個数に適したグリル皿6上の配置がイラストレーション70で示される。いずれのイラストレーション70においても、複数の同一食品が、平面視においてグリル皿6の中央部分(一部分601)を囲むように適切に配置されている。
【0051】
つまり、使用者はイラストレーション70を視ることで、その加熱時間に適した同一食品の個数を速やかにイメージすることができ、かつ、その個数に応じたグリル皿6上の適切な配置についても、速やかにイメージすることができる。
【0052】
これらをイメージしたうえで加熱時間を設定し、複数の同一食品をグリル皿6上に配置したうえで点火/消火スイッチ54を押し込み操作すれば、その加熱時間だけ加熱調理(解凍調理)が実行される。
【0053】
このとき、制御部は、選択された種類の冷凍食品に応じた加熱条件で、下バーナ31と上バーナ33を駆動する。具体的には、設定された加熱時間を、その冷凍食品ごとに予め設定された割合で加熱工程と余熱工程に振り分け、前半の加熱工程では上バーナ33の火力を固定したうえで、下バーナ31の火力を温度センサ32の検知結果等に基づいてプログラム通りに制御する。後半の余熱工程では、下バーナ31と上バーナ33を消火する。冷凍食品の種類によっては、余熱工程を含まない加熱条件も有り得る。
【0054】
グリル皿6上の冷凍食品は、下バーナ31で加熱されたグリル皿6を介して行われる下方からの熱伝導と、上バーナ33による上方からの熱放射によって万遍なく加熱されることで、良好な食感を創り出すように解凍調理される。
【0055】
図8A図8Dには、焼きおにぎりと同様に、複数個の同一食品で構成されている冷凍食品の場合のイラストレーション70を示している。
【0056】
図8Aには、複数(12個)のから揚げがグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。図8Bには、複数(6個)のコロッケがグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。図8Cには、複数(4個)のたい焼きがグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。図8Dには、複数(12個)の焼き餃子がグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。
【0057】
いずれの場合も、使用者が加熱時間を変更したときには、イラストレーション70を構成する同一食品の個数及び配置が変更される。
【0058】
これにより、使用者は、その加熱時間に適した同一食品の個数を速やかにイメージすることができ、かつ、その個数に応じたグリル皿6上の適切な配置を速やかにイメージすることができる。
【0059】
図9A図9Cには、単体の食品で構成される冷凍食品の場合のイラストレーション70を示している。図9Aには、お好み焼きがグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。図9Bには、ピザがグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。図9Cには、炒飯がグリル皿6上に適正配置されたイラストレーション70を示している。
【0060】
いずれの場合も、図示される冷凍食品(お好み焼き、ピザ、炒飯)の配置は、その冷凍食品の加熱を極力正確に制御できるように、冷凍食品の中央部分がグリル皿6の一部分601上に位置するように、適切に設定された配置である。
【0061】
以上、添付図面に基づいて説明したように、本実施形態のグリル装置1は、調理庫2、グリル皿6、温度センサ32及び表示部7を備える。
【0062】
調理庫2は、開口20を有する。グリル皿6は、開口20を通じて調理庫2に出し入れ自在に収納され、冷凍食品が載置されるように設けられている。バーナ3は、調理庫2内に配置され、グリル皿6に配置された冷凍食品を加熱する。温度センサ32は、グリル皿6の一部分601の温度を検知する。
【0063】
表示部7には、冷凍食品を加熱調理するための冷凍食品加熱調理情報が表示される。この冷凍食品加熱調理情報は、冷凍食品とグリル皿6の一部分601との相対的な位置関係に関する情報を含む。
【0064】
したがって、本実施形態のグリル装置1によれば、温度センサ32によってグリル皿6の一部分601の温度を検知しながら、グリル皿6上の冷凍食品をバーナ3で加熱調理することができる。しかも表示部7には、グリル皿6の一部分601と冷凍食品の相対的な位置関係の情報(一部分601に対してどのように冷凍食品を配置することが推奨されるか等の情報)が表示されるので、使用者はその情報に基づいて冷凍食品を適切に配置することができる。そのため、本実施形態のグリル装置1によれば、多様な冷凍食品を、良好な食感を創り出すようにそれぞれ適切に加熱調理することが可能となる。なお、グリル皿6の温度を検知する手段として、接触式の温度センサ32に代えて非接触式のものを用いてもよい。温度センサ32によって温度が検知される一部分601は、必ずしもグリル皿6の中央部分でなくてもよい。
【0065】
また、本実施形態のグリル装置1において、グリル皿6の一部分601との相対的な位置関係に関する情報は、イラストレーション70で表示される。
【0066】
したがって、本実施形態のグリル装置1によれば、使用者は表示部7のイラストレーション70によって、グリル皿6上での冷凍食品の適切な配置について、直感的にかつ速やかに把握することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態のグリル装置1において、冷凍食品加熱調理情報は、複数種類の冷凍食品を示す選択肢を含む。複数種類の冷凍食品のうち少なくとも一種類の冷凍食品は、複数個の同一食品で構成されている。
【0068】
したがって、本実施形態のグリル装置1によれば、使用者に対して、複数の同一食品をグリル皿6上にどのように配置することが冷凍食品の加熱調理において推奨されるかを表示することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態のグリル装置1において、バーナ3は、グリル皿6に載置された冷凍食品を上方から加熱する上バーナ33と、グリル皿6を下方から加熱するように平面視で一部分を囲むように環状に設けられた下バーナ31とを含む。イラストレーション70は、複数個の同一食品が、平面視においてグリル皿6の一部分601を囲むように配置された図である。
【0070】
したがって、本実施形態のグリル装置1によれば、グリル皿6に載置された冷凍食品を、下バーナ31によってグリル皿6を介して行われる熱伝導と、上バーナ33によって行われる熱放射とで、良好な食感を創り出すように加熱調理(解凍調理)することができる。しかも、イラストレーション70によって、複数の同一食品を、グリル皿6のうち温度が検知される一部分601に対して適切な位置に配置するように案内するので、複数の同一食品を、良好な食感を創り出すようにそれぞれ適切に加熱調理することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態のグリル装置1は、複数種類の冷凍食品から任意の種類のものを選択することのできる操作部5と、操作部5で選択された種類の冷凍食品に応じた加熱条件でバーナ3を駆動する制御部とをさらに備える。加熱条件は、冷凍食品の種類ごとに設定されている。
【0072】
したがって、本実施形態のグリル装置1によれば、冷凍食品の種類ごとに予め設定された加熱条件に基づいてバーナ3を駆動することができ、多様な冷凍食品をそれぞれ適切に加熱調理し、良好な食感を創り出すことが可能となる。
【0073】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 グリル装置
2 調理庫
20 開口
3 バーナ
31 下バーナ
32 温度センサ
33 上バーナ
5 操作部
6 グリル皿
601 一部分
7 表示部
70 イラストレーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9