(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記合計余剰電力が前記許容電力以下である場合、前記選択部は、前記熱電供給装置の各々から、前記熱主電従運転を行った場合に余剰電力が発生する全ての前記熱電供給装置をそれぞれ第1熱電供給装置として選択し、
前記制御部は、前記選択部で選択された前記第1熱電供給装置の各々を前記熱主電従運転で発電させ、前記第1熱電供給装置の各々で発生する余剰電力を前記配電網に逆潮させるように前記第1熱電供給装置の各々を制御する
請求項1又は請求項2記載の逆潮流制御システム。
前記選択部は、前記熱電供給装置の各々から、前記第1熱電供給装置として選択しなかった前記熱電供給装置の各々を、それぞれの需要家の実負荷に応じて発電する電主熱従運転を行う第2熱電供給装置として選択し、
前記制御部は、前記選択部で選択された前記第2熱電供給装置の各々を前記電主熱従運転で発電させると共に、前記第2熱電供給装置の各々のうち、前記第2熱電供給装置の定格出力に対する需要家の実負荷に応じた出力の比率が小さい方から順に、前記第1熱電供給装置の各々で発生する余剰電力とあわせた余剰電力の合計が前記許容電力に達するまで出力を上昇させ、出力を上昇させた前記第2熱電供給装置の各々で発生する余剰電力を更に前記配電網に逆潮させるように前記第2熱電供給装置の各々を制御する
請求項3記載の逆潮流制御システム。
前記合計余剰電力が前記許容電力より大きい場合、前記選択部は、前記熱電供給装置の各々から、前記熱主電従運転を行った場合に余剰電力が発生する第1熱電供給装置、及びそれぞれの需要家の実負荷に応じて発電する電主熱従運転で発電される出力より大きい電力を出力させて余剰電力を供給する第2熱電供給装置の少なくとも一方を選択し、
前記制御部は、前記選択部で選択した前記第1熱電供給装置の各々及び前記選択部で選択した前記第2熱電供給装置の各々の少なくとも一方から余剰電力を前記配電網に逆潮させるように前記熱電供給装置の各々を制御する
請求項1又は請求項2記載の逆潮流制御システム。
前記選択部は、各余剰電力の合計が前記許容電力に達するまで、前記熱主電従運転を行った場合に発生する余剰電力が大きい前記熱電供給装置から順に前記第1熱電供給装置として選択し、
前記制御部は、前記選択部で選択された前記第1熱電供給装置の各々を前記熱主電従運転で発電させ、前記第1熱電供給装置の各々から余剰電力を前記配電網に逆潮させるように前記第1熱電供給装置の各々を制御する
請求項5記載の逆潮流制御システム。
前記選択部は、前記第1熱電供給装置の各々と前記第2熱電供給装置の各々との各余剰電力の合計が前記許容電力に達するまで、前記熱電供給装置の各々から、前記熱主電従運転を行った場合に発生する余剰電力が大きい方から順に選択した前記第1熱電供給装置と、前記熱電供給装置の定格出力に対する需要家の実負荷に応じた出力の比率が小さい方から順に選択した前記第2熱電供給装置と、の組み合わせを生成し
前記制御部は、前記選択部で選択された前記第1熱電供給装置の各々を前記熱主電従運転で発電させると共に、前記選択部で選択された前記第2熱電供給装置の各々を前記電主熱従運転のまま需要家の実負荷より大きな出力で発電させ、前記第1熱電供給装置の各々の余剰電力と、前記第2熱電供給装置の各々の余剰電力と、を前記配電網に逆潮させるように前記第1熱電供給装置の各々及び第2熱電供給装置の各々を制御する
請求項5記載の逆潮流制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、機能及び作用が同じ部材及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る逆潮流制御システム1の構成例を示す図である。
図1に示すように、逆潮流制御システム1は、燃料電池を用いて熱及び電力を需要家に供給する熱電供給装置の一例である複数の燃料電池装置2、及び燃料電池装置2の各々における運転モードを制御すると共に、燃料電池装置2の各々で発生する余剰電力を電気事業者の配電網(図示せず)に逆潮させる制御を行う逆潮制御装置3を含む。
【0015】
燃料電池装置2の各々は、例えば各需要家の敷地内に設置されており、燃料電池装置2の各々は、逆潮制御装置3と通信回線4で接続されている。
【0016】
逆潮制御装置3は、例えば各々の燃料電池装置2の運転モード、燃料電池装置2から供給される電力量(以降、「出力」という)、稼働状況及び燃料電池装置2が設置された需要家の電力需要、すなわち実負荷等を監視し、電気事業者における電力の需給状況に応じて、燃料電池装置2の各々で発生する余剰電力を電気事業者の配電網に逆潮させる制御を行う。
【0017】
なお、燃料電池装置2の運転モードについては後ほど説明する。
【0018】
図2は、燃料電池装置2の構成例を示す図である。燃料電池装置2は、燃料電池ユニット10、貯湯ユニット20、バックアップ熱源機30及び分電盤40を含み、燃料電池ユニット10で発電された電力が分電盤40を介して、燃料電池装置2が設置された需要家の負荷50に供給される。なお、燃料電池装置2に分電盤40は必ずしも必須ではなく、既に分電盤40が設置されている場合には、当該設置された分電盤40を用いるようにしてもよい。
【0019】
このうち、燃料電池ユニット10には、燃料処理装置11、空気供給装置12、セルスタック13、パワーコンディショナー(Power Conditioning System:PCS)14、熱回収装置15、制御装置16、操作装置17及び通信装置18が含まれる。
【0020】
燃料処理装置11は、ガスに含まれるメタンなどに水を反応させてメタンなどを水素に改質する水蒸気改質法を用いて、ガスから水素を生成する装置である。生成された水素はセルスタック13に供給される。
【0021】
空気供給装置12は、空気を取り込み、空気中に含まれる酸素をセルスタック13に供給する。
【0022】
セルスタック13は、酸化イオン導電性セラミックを用いた電解質を燃料極及び空気極で挟むことで形成された複数のセルを直列に接続した、いわゆるPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)型の燃料電池デバイスである。セルの燃料極に燃料処理装置11で生成された水素が供給され、セルの空気極に空気供給装置12から送られた空気に含まれる酸素が供給されると、セルの電気化学反応によりセルスタック13で発電が行われる。
【0023】
なお、セルスタック13で発電された電気は直流であるため、PCS14で交流に変換されてから、分電盤40に供給される。
【0024】
分電盤40は、燃料電池ユニット10で発電された電力を電気事業者が供給する商用電力に連系させる系統連系を行い、テレビやエアコンといった電力を消費する機器(以降、「負荷50」という)に系統連系した電力を供給する。また、分電盤40は、燃料電池ユニット10で発電された電力のうち、負荷50だけでは消費できない電力を余剰電力として電気事業者の配電網に逆潮させ、電気事業者に対して売電を行う。
【0025】
したがって、分電盤40は、例えばスマートメーター等の電力計を用いて、燃料電池ユニット10で発電された電力、負荷50で消費される消費電力、すなわち実負荷、電気事業者から購入した購入電力及び電気事業者へ売電した売電電力を記録する。
【0026】
一方、熱回収装置15は、セルスタック13での発電の際に行われる電気化学反応によって発生した熱や図示しないアノードオフガスの燃焼反応によって発生した熱を回収し、回収した熱を貯湯ユニット20に供給する。
【0027】
貯湯ユニット20は、熱回収装置15から供給された熱を用いて、図示しない熱交換器で水を温め、その結果得られた予め定めた温度のお湯を図示しないタンクに貯湯する。そして、貯湯ユニット20は、需要家内に設置された蛇口等の給湯設備へ給湯し、需要家内で使用される1日あたりの給湯量Hを日毎に記録する。なお、給湯量Hの記録期間は一例であり、例えば1時間あたりの給湯量H等、日単位以外の期間における給湯量Hを記録するようにしてもよい。
【0028】
需要家でのお湯の使用量が、セルスタック13の発電による熱によって得られるお湯の量より多くなる場合には、分電盤40から供給された電力をバックアップ熱源機30に含まれるヒータ等の図示しない加熱器に供給して水を加熱し、バックアップ熱源機30で生成したお湯を貯湯ユニット20の図示しないタンクに貯湯する。
【0029】
なお、上述した燃料電池ユニット10の各処理は、制御装置16によって制御される。また、ここでは熱回収装置15で回収した熱を利用してお湯を生成する例を示したが、例えば熱回収装置15で回収した熱を冷暖房等の空調に用いてもよいし、給湯及び空調の両方に用いてもよい。また、ボイラの予熱など、熱を用いる用途であれば、使途は限定されない。以降では、熱回収装置15で回収した熱を利用してお湯を生成する場合を例にして、本発明の説明を行う。
【0030】
操作装置17は、例えば需要家内の部屋等に設置され、制御装置16と接続される。制御装置16は、操作装置17を介してユーザが設定した指示を受け付けると、ユーザの指示に従った処理を行うように燃料電池ユニット10の各装置を制御する。また、制御装置16は、燃料電池装置2内の各装置の動作状況に関する情報、並びに、後ほど説明する燃料電池ユニット10の定格出力、需要家内の実負荷及び熱需要等の動作属性(以降、「稼動情報」という)を収集し、収集した稼動情報を操作装置17に通知する。
【0031】
燃料電池ユニット10の稼動情報を受け付けた操作装置17は、受け付けた稼動情報を、例えば操作装置17に設けられた液晶モニタ及びスピーカといった出力デバイスを介してユーザに報知する。
【0032】
なお、燃料電池ユニット10における運転モードには、「電主熱従モード」及び「熱主電従モード」と呼ばれる2つの形態が存在する。電主熱従モードは、開示の技術における電主熱従運転の一例であり、熱主電従モードは、開示の技術における熱主電従運転の一例である。
【0033】
電主熱従モードとは、需要家内における実負荷を分電盤40から取得し、燃料電池ユニット10の定格出力P
Vの範囲内において、取得した実負荷にあわせて発電する発電形態である。例えば、需要家内の実負荷が燃料電池ユニット10の定格出力P
Vより少ない値、例えば0.5kWであれば、電主熱従モードで運転中の燃料電池ユニット10は、需要家内の実負荷に追従して0.5kWの電力を発電する。
【0034】
ここで、燃料電池ユニット10における定格出力P
Vの設定に関して、
図3を用いて説明する。
図3は、燃料電池ユニット10における発電の出力と発電効率との関係の一例を示す図である。なお、燃料電池ユニット10における発電効率とは、ガスから供給される熱量のうち、電力に変換された熱量の割合をいう。
【0035】
火力発電所等で用いられるタービン式発電機の場合、一般的に、出力が大きくなるにつれて発電効率も上昇する傾向が見られる。しかし、燃料電池を用いて発電する燃料電池ユニット10の場合、
図3に示すように、燃料電池ユニット10における出力と発電効率との関係は、縦軸に発電効率、横軸に出力をとった場合、極大値を有するグラフ21によって表される。すなわち、燃料電池ユニット10では、出力が規定値に達するまでは出力が大きくなるにつれて発電効率も上昇するが、出力が規定値を超えると発電効率が低下し始める特性を有する。
【0036】
したがって、多くの場合、発電効率が最高となる出力や、予め設定した効率(目標効率)を上回る範囲内での最高出力を燃料電池ユニット10の定格出力P
Vとして設定するが、定格出力の設定方法に制限はなく、発電効率が最高となる出力とは異なる出力を定格出力P
Vとしてもよい。本実施の形態に係る燃料電池ユニット10では、一例として発電効率が最高となる出力を定格出力P
Vに設定している。
【0037】
なお、燃料電池ユニット10の耐久性能は、例えば、定格出力P
Vで常時出力を行っても、予め定めた期間(例えば、製品保証期間)における故障率が予め定めた値以下となるように設計されることもある。したがって、燃料電池ユニット10の定格出力P
Vとは、燃料電池ユニット10で連続して出力することができる最大出力ということもできる。
【0038】
一方、熱主電従モードとは、例えば需要家内で使用される単位期間あたり(例えば1日あたり)の給湯量、すなわち、需要家における給湯需要を例えば貯湯ユニット20から取得し、燃料電池ユニット10の定格出力P
Vの範囲内において、取得した給湯需要に対応した量のお湯を生成する熱が得られるような出力で発電する発電形態である。例えば需要家内において、1日あたり60℃のお湯を100L使用する場合、燃料電池ユニット10は、当該給湯量をまかなうことができる熱を排出する出力にあわせて発電する。
【0039】
通信装置18は、通信回線4及び制御装置16に接続され、逆潮制御装置3と燃料電池装置2との間で、燃料電池装置2における運転モードの指示や燃料電池装置2の稼動情報等を送受信する。
【0040】
制御装置16は、例えば操作装置17を介してユーザから指示された運転モード、或いは通信回線4を介して逆潮制御装置3から指示された運転モードで燃料電池ユニット10を発電させるように、燃料電池ユニット10の各装置を制御する。
【0041】
また、制御装置16は、燃料電池ユニット10が電主熱従モードで発電している場合に、需要家内の熱需要に基づいて、仮に熱主電従モードで発電を行った場合に負荷50に供給することができる出力、すなわち熱需要出力を試算する。
【0042】
制御装置16は、試算した熱需要出力及び燃料電池装置2の稼動情報を、通信装置18を介して逆潮制御装置3に送信する。
【0043】
なお、給湯需要は、開示の技術における熱需要の一例であり、セルスタック13は、開示の技術に係る発電部の一例であり、熱回収装置15は、開示の技術に係る熱利用部の一例である。
【0044】
一方、
図4は、逆潮制御装置3の構成例を示す図である。逆潮制御装置3は、通信部31、試算部32、選択部33及び制御部34を含む。
【0045】
通信部31は、例えば通信回線4、試算部32及び制御部34に接続され、燃料電池装置2に運転モードの指示を送信すると共に、燃料電池装置2から燃料電池装置2の稼動情報等を受信する。通信部31は、受信した燃料電池装置2の稼動情報等を試算部32及び制御部34に通知する。
【0046】
試算部32は、通信部31から受け付けた燃料電池装置2の稼動情報等を用いて、逆潮流制御システム1に含まれる全ての燃料電池装置2を定格出力で発電したと仮定した場合の、各々の燃料電池装置2における余剰電力(以降、「定格発電余剰電力」という)の合計を試算する。
【0047】
また、試算部32は、試算した定格発電余剰電力が電気事業者で買い取ることのできる許容電力を超えてしまい、逆潮流制御システム1に含まれる全ての燃料電池装置2から定格発電余剰電力を買い取ることができない場合には、逆潮流制御システム1に含まれる全ての燃料電池装置2を熱主電従モードで発電したと仮定した場合の、各々の燃料電池装置2における余剰電力(以降、「熱需要余剰電力」という)の合計を試算する。なお、熱需要余剰電力の合計は、開示の技術における合計余剰電力の一例であり、熱需要余剰電力は、開示の技術における余剰電力の一例である。
【0048】
試算部32は、試算した定格発電余剰電力の合計及び試算した熱需要余剰電力の合計の少なくとも一方を、選択部33に通知する。
【0049】
選択部33は、試算部32から受け付けた定格発電余剰電力の合計と許容電力との比較結果、及び試算部32から受け付けた熱需要余剰電力の合計と許容電力との比較結果に応じて、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2を、熱主電従モードで発電する燃料電池装置2と、電主熱従モードで発電する燃料電池装置2と、に分類し、余剰電力を配電網に逆潮させる燃料電池装置2を選択する。そして、選択部33は、選択した燃料電池装置2を制御部34に通知する。
【0050】
制御部34は、選択された燃料電池装置2に対して、運転モード及び出力の指示を送信し、指示した運転モード及び指定した出力で発電した場合に燃料電池装置2で発生する余剰電力を配電網に逆潮させるように、選択された燃料電池装置2を制御する。
【0051】
上記に説明した燃料電池装置2を制御する制御装置16は、例えばコンピュータを用いて実現することができる。
図5は、コンピュータ100を用いて制御装置16を実現する場合の構成例を示す図である。
【0052】
コンピュータ100は、プログラムを処理するCPU(Central Processing Unit)102、CPU102によるプログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)104、プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)106、コンピュータ100と外部装置等を接続するインターフェースであるI/O108及びバス110を含む。
【0053】
バス110には、CPU102、RAM104、ROM106及びI/O108が接続され、各種データの転送が行われる。
【0054】
また、I/O108には、空気ブロア5、燃料ブロア6、水ポンプ7、PCS14、熱回収装置15、操作装置17、通信装置18及び分電盤40が接続されている。
【0055】
ここで、空気ブロア5は空気を空気供給装置12に送り込む装置であり、燃料ブロア6はガス等の燃料を燃料処理装置11に送り込む装置である。また、水ポンプ7は、燃料処理装置11に水を送り込む装置である。
【0056】
CPU102は、PCS14が検出したセルスタック13の電流に基づいて、空気ブロア5、燃料ブロア6及び水ポンプ7を制御して、燃料電池ユニット10の発電量を制御する。なお、
図2及び
図5では、PCS14と制御装置16とを異なる装置として記載したが、制御装置16とPCS14との機能を一体化させて構成してもよい。
【0057】
なお、I/O108に接続される装置等は一例であり、図示しない他の装置等が接続される場合があることは言うまでもない。また、例えば需要家内に既に設置された分電盤がある場合、当該分電盤を分電盤40として利用してもよい。
【0058】
逆潮制御装置3も例えばコンピュータを用いて実現することができる。
図6は、コンピュータ200を用いて逆潮制御装置3を実現する場合の構成例を示す図である。
【0059】
コンピュータ200は、
図5に示したコンピュータ100と同様に、CPU202、RAM204、ROM206、I/O208及びバス210を含む。なお、CPU202は、開示の技術における試算部32、選択部33及び制御部34の一例である。
【0060】
バス210には、CPU202、RAM204、ROM206及びI/O208が接続され、各種データの転送が行われる。
【0061】
また、I/O208には、通信回線4でデータを送受信するための通信プロトコルを含み、通信部31の機能を実現する通信装置35が接続されている。
【0062】
なお、I/O208に接続される装置等は一例であり、例えば、キーボード及びマウス等の入力装置、或いは液晶ディスプレイ等の表示装置といった他の装置を接続してもよい。
【0063】
次に、
図7を参照して、逆潮流制御システム1の作用について説明する。
図7は、燃料電池装置2の各々が電主熱従モードで発電している場合に、逆潮制御装置3のCPU202によって実行される逆潮制御プログラムに基づく逆潮制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、ステップS10において、制御部34は通信部31を制御して、逆潮流制御システム1に含まれる燃料電池装置2の各々から、燃料電池装置2毎に予め定められている定格出力及び燃料電池装置2が設置されている需要家内の実負荷を取得する。
【0065】
制御部34は、取得した定格出力及び実負荷を燃料電池装置2毎に対応付けて、RAM204の予め定めた領域に記憶する。
【0066】
ステップS20において、試算部32は、ステップS10で取得した定格出力から実負荷を差し引いて、燃料電池装置2毎に定格発電余剰電力を試算する。そして、試算部32は、燃料電池装置2毎の定格発電余剰電力を合計した定格発電総余剰電力を試算する。
【0067】
ここで、定格発電総余剰電力は、逆潮流制御システム1に含まれる燃料電池装置2の各々から配電網に逆潮させることのできる余剰電力の最大値を示す。
【0068】
なお、各々の燃料電池装置2の定格出力は固定値であることから、燃料電池装置2毎の定格出力を、燃料電池装置2を特定する識別コードと対応付けてROM206に予め記憶しておき、ステップS10で各々の燃料電池装置2から定格出力の代わりに識別コードを取得することで、識別コードに対応した燃料電池装置2の定格出力をROM206から取得することができる。
【0069】
ステップS30において、選択部33は、ステップS20で試算された定格発電総余剰電力が許容電力以下であるか否かを判定し、ステップS30の判定処理が肯定判定の場合にはステップS40に移行する。
【0070】
なお、許容電力は、電気事業者における電力の調達計画及び契約者の電力需要予想に基づいて公知の手法により試算部32で試算される値である。
【0071】
既に説明したように、許容電力とは電気事業者が買い取り可能な電力量である。すなわち、ステップS30の判定処理が肯定判定ということは、電気事業者は、燃料電池装置2の各々を定格出力で発電させることによって発生する全ての定格発電余剰電力を買い取ることができる。
【0072】
したがって、ステップS40において、選択部33は、逆潮流制御システム1に含まれる全ての燃料電池装置2を電主熱従モードで発電させるグループ(以降、「電主熱従グループ」という)として選択する。
【0073】
制御部34は、電主熱従グループに選択された燃料電池装置2の各々が実負荷に応じて発電することを止めて、燃料電池装置2毎に予め定められた定格出力で発電するように指定した指示を生成する。そして、制御部34は、生成した指示を燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0074】
逆潮制御装置3からステップS40で生成された指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、電主熱従モードのまま燃料電池装置2の出力を定格出力まで上昇する制御が行われることになる。
【0075】
そして、ステップS50において、制御部34は、余剰電力を配電網に逆潮するように指定した指示を燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0076】
逆潮制御装置3からステップS50で生成された指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、各々の燃料電池装置2における定格発電余剰電力が分電盤40から配線網に逆潮されることになる。
【0077】
すなわち、定格発電総余剰電力が許容電力以下である場合には、逆潮流制御システム1は、各々の燃料電池装置2を常時出力可能な最大出力で発電させ、各々の燃料電池装置2が生成することができる最大量の余剰電力を全て買い取ることで、電気事業者における電力の供給予備率を上昇させ、電力の安定供給を図る。
【0078】
一方、ステップS30の判定処理が否定判定の場合にはステップS60に移行する。
【0079】
ステップS60において、制御部34は通信部31を制御して、逆潮流制御システム1に含まれる燃料電池装置2の各々から、それぞれの燃料電池装置2で試算された熱需要出力を取得する。
【0080】
制御部34は、取得した熱需要出力を送信元の燃料電池装置2と対応付けて、RAM204の予め定めた領域に記憶する。
【0081】
ステップS70において、試算部32は、ステップS60で取得した熱需要出力からステップS10で取得した実負荷を差し引いて、燃料電池装置2毎に熱需要余剰電力を試算する。そして、試算部32は、各々の燃料電池装置2における熱需要余剰電力のうち、熱需要余剰電力が正値となる燃料電池装置2の熱需要余剰電力を合計した熱需要総余剰電力を試算する。
【0082】
なお、熱需要総余剰電力は、逆潮流制御システム1に含まれる燃料電池装置2の各々を熱主電従モードで発電させた場合に、配電網に逆潮させることのできる余剰電力の最大値を示す。
【0083】
ステップS80において、選択部33は、ステップS70で試算された熱需要総余剰電力が許容電力以下であるか否かを判定し、ステップS80の判定処理が肯定判定の場合にはステップS90に移行する。
【0084】
ステップS80の判定処理が肯定判定ということは、電気事業者は、熱主電従モードで発電した際に熱需要余剰電力を発生する全ての燃料電池装置2から、発生する熱需要余剰電力を買い取ることができる。
【0085】
したがって、ステップS90において、選択部33は、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2の中から、熱主電従モードで発電した際に熱需要余剰電力が正値となる燃料電池装置2を、熱主電従モードで発電させるグループ(以降、「熱主電従グループ」という)として選択する。
【0086】
制御部34は、選択部33で選択された熱主電従グループに含まれる燃料電池装置2の各々が、熱主電従モードで発電するように指定した指示を生成する。そして、制御部34は、生成した指示を熱主電従グループに含まれる燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0087】
逆潮制御装置3からステップS90で生成された指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、運転モードが電主熱従モードから熱主電従モードに切り替えられる。
【0088】
そして、ステップS100において、制御部34は、余剰電力を配電網に逆潮するように指定した指示を、熱主電従グループに含まれる燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0089】
逆潮制御装置3からステップS100で生成された指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、各々の燃料電池装置2における熱需要余剰電力が分電盤40から配線網に逆潮されることになる。
【0090】
すなわち、熱需要総余剰電力が許容電力以下である場合には、逆潮流制御システム1は、熱主電従モードで発電させた際に熱需要余剰電力が発生する全ての燃料電池装置2を熱主電従モードで発電させ、発生する熱需要余剰電力を全て買い取ることで、電気事業者における電力の供給予備率を上昇させ、電力の安定供給を図る。
【0091】
しかもこの場合、熱主電従モードで発電した際に得られる熱は、例えばラジエータ等から排出されることなく需要家における給湯等に全て利用される。すなわち、実負荷より出力を上昇させた際に得られる熱も有効利用されるため、需要家内における熱需要を考慮せずに、実負荷より出力を上昇させた燃料電池装置2から配電網に逆潮させる場合と比較して、環境に与える影響を抑制することができる。
【0092】
一方、ステップS80の判定処理が否定判定の場合にはステップS110に移行する。
【0093】
この場合、熱主電従モードで発電した際に熱需要余剰電力が発生する全ての燃料電池装置2から熱需要余剰電力を買い取ると、電気事業者で買い取り可能な許容電力を超えてしまうことになる。
【0094】
したがって、ステップS110において、選択部33は、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2の中から、実負荷より出力を上昇させることによって余剰電力を発生させても、出力の上昇に伴って生じる環境への負荷ができるだけ抑制されるような燃料電池装置2を選択する。この際、選択部33は、燃料電池装置2の運転モードについても指定する。
【0095】
そして、制御部34は、選択部33で選択された燃料電池装置2を指定された運転モードで発電させ、発電に伴う余剰電力を配電網に逆潮させる制御を行う。
【0096】
具体的には、選択部33は、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2の中から、熱主電従モードで発電した際に熱需要余剰電力が正値となる燃料電池装置2を選択する。更に、選択部33は、熱需要余剰電力が正値となる燃料電池装置2のうち、各燃料電池装置2の熱需要余剰電力の合計が許容電力に達するまで、熱需要余剰電力が大きい燃料電池装置2から順に選択した燃料電池装置2の各々を、熱主電従グループとして選択する。
【0097】
制御部34は、選択部33で選択された熱主電従グループに含まれる燃料電池装置2の各々が、熱主電従モードで発電するように指定した指示を生成する。そして、制御部34は、生成した指示を熱主電従グループに含まれる燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0098】
逆潮制御装置3から当該指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、運転モードが電主熱従モードから熱主電従モードに切り替えられる。
【0099】
そして、制御部34は、余剰電力を配電網に逆潮するように指定した指示を、熱主電従グループに含まれる燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0100】
逆潮制御装置3から当該指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、熱主電従グループに含まれる各々の燃料電池装置2の熱需要余剰電力が分電盤40から配線網に逆潮されることになる。
【0101】
このように、各燃料電池装置2の熱需要余剰電力の合計が許容電力に達するまで、熱需要余剰電力が大きい燃料電池装置2から順に選択した燃料電池装置2の各々を熱主電従モードで発電させ、得られる熱需要余剰電力を配電網に逆潮させることで、電気事業者は、電力の安定供給に必要な電力量を確保することができる上、燃料電池装置2で実負荷より出力を上昇させた際に得られる熱も有効利用されるため、需要家内における熱需要を考慮せずに、実負荷より出力を上昇させた燃料電池装置2から配電網に逆潮させる場合と比較して、環境に与える影響を抑制することができる。
【0102】
また、ステップS110における他の例として、選択部33は、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2を電主熱従グループとして選択してもよい。
【0103】
制御部34は、選択部33で選択された電主熱従グループに含まれる燃料電池装置2の各々が、電主熱従モードで発電するように指定した指示を生成する。そして、制御部34は、生成した指示を電主熱従グループに含まれる燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0104】
逆潮制御装置3から当該指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、運転モードが電主熱従モードに設定される。
【0105】
なお、本実施形態における逆潮流制御システム1に含まれる燃料電池装置2の各々は、予め電主熱従モードで発電を行っているため、この場合には、制御部34は、電主熱従モードで発電するように指定した指示を燃料電池装置2の各々に送信しなくてもよい。
【0106】
そして、制御部34は、各燃料電池装置2における余剰電力の合計が許容電力に達するまで、定格出力に対する需要家内の実負荷に応じた出力の比率、すなわち定格出力に対する電主熱従モードで発電される出力の比率(以降、「出力比率」という)が小さい方の燃料電池装置2から順に優先して定格出力を上限として出力を上昇させるように指定した指示を生成する。そして、制御部34は、生成した指示を、出力を上昇させる燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0107】
逆潮制御装置3から当該指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、実負荷を超える出力が発電されることになる。
【0108】
そして、制御部34は、余剰電力を配電網に逆潮するように指定した指示を、出力を上昇させた燃料電池装置2の各々に送信するように通信部31を制御する。
【0109】
逆潮制御装置3から当該指示を受信した各々の燃料電池装置2では、指示を受け付けた制御装置16の制御によって、余剰電力が分電盤40から配線網に逆潮されることになる。
【0110】
すなわち、逆潮流制御システム1は、各燃料電池装置2の余剰電力の合計が許容電力に達するまで、出力比率が低い燃料電池装置2から順に優先して定格出力を上限として出力を上昇させ、出力を上昇させたことによって得られる余剰電力を買い取ることで、電気事業者における電力の供給予備率を上昇させ、電力の安定供給を図る。
【0111】
更に、
図3に示したように、燃料電池装置2の発電効率は、定格出力に近づくほど高くなるため、単位量あたりの電力を発電するために使用されるガスの容量が低下するため、出力比率が低い燃料電池装置2から順に優先して出力を上昇させることで、燃料電池装置2の発電効率を考慮せずに選択した燃料電池装置2の出力を上昇させる場合と比較して、環境に与える影響を抑制することができる。
【0112】
また、ステップS110における他の例として、選択部33は、選択した燃料電池装置2における余剰電力の合計が許容電力に達するまで、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2の中から、熱主電従モードで発電させる燃料電池装置2と電主熱従モードで発電させる燃料電池装置2とを組み合わせて選択してもよい。
【0113】
具体的には、選択部33は、上述したS110における2つの例を組み合わせ、熱需要余剰電力が正値となる燃料電池装置2のうち、熱需要余剰電力が大きい燃料電池装置2から順に選択した燃料電池装置2の熱需要余剰電力の合計と、出力比率が小さい方の燃料電池装置2から順に選択した燃料電池装置2の各々を電主熱従モードで運転させ、定格出力を上限として出力を上昇させた場合に得られる余剰電力の合計とが、許容電力以下となるように、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2の組み合わせを選択する。
【0114】
当該燃料電池装置2の組み合わせとしては、例えば需要家における電気代及びガス代をあわせた光熱費ができるだけ少なくなるように選択してもよいし、逆潮流制御システム1全体における熱利用率ができるだけ高くなるように選択してもよい。
【0115】
なお、逆潮流制御システム1全体における熱利用率とは、例えば逆潮流制御システム1に含まれる全ての燃料電池装置2が発生した熱の総量に対して、ラジエータ等で排出されず給湯等に利用される熱の総量の割合をいう。
【0116】
以上により、
図7に示した逆潮制御処理を終了する。
【0117】
なお、本実施形態では、逆潮流制御システム1に含まれる各々の燃料電池装置2で熱需要出力を試算する例について説明したが、例えば、
図7のステップS60において、燃料電池装置2の各々から熱需要出力の代わりに熱需要を表す値を取得し、逆潮制御装置3で、取得した熱需要を表す値を用いて各々の燃料電池装置2の熱需要出力を試算するようにしてもよい。この場合、熱需要出力の試算に係る燃料電池装置2の負担を低減することができる。
【0118】
このように第1実施形態に係る逆潮流制御システム1によれば、各々の燃料電池装置2を定格出力で発電させた際の全ての余剰電力を配電網に逆潮させることができない場合、各々の燃料電池装置2を熱主電従モードで発電させた場合に得られる熱需要総余剰電力を試算し、許容電力と熱需要総余剰電力の比較結果に基づいて、逆潮流制御システム1全体の熱利用率ができるだけ高くなるように、配電網に逆潮させる燃料電池装置2を選択する。
【0119】
したがって、燃料電池装置2が発電することによって環境に与える影響を抑制した上で、電力の安定供給に必要な電力量を確保することができる。
【0120】
<第1実施形態の変形例>
図7に示した逆潮制御処理において、ステップS80の判定処理が肯定判定の場合、逆潮制御装置3は、熱主電従モードで発電した際に熱需要余剰電力を発生する燃料電池装置2の各々を熱主電従モードで発電させ、発生する全ての熱需要余剰電力を配電網に逆潮させるようにした。
【0121】
しかし、許容電力が、熱主電従モードで発電する燃料電池装置2の熱需要総余剰電力より大きい場合、電気事業者は、発生する全ての熱需要余剰電力を配電網に逆潮させても、必要な量の電力を調達できないことになる。
【0122】
したがって、逆潮制御装置3は、
図7に示した逆潮制御処理のステップS100の処理の後に、ステップS120を追加した
図8に示す逆潮制御処理を実行するようにしてもよい。
【0123】
図8のステップS120において、制御部34は、ステップS90で熱主電従グループに選択しなかった燃料電池装置2、すなわち電主熱従モードで発電している燃料電池装置2のうち、出力比率が小さい方の燃料電池装置2から順に選択した燃料電池装置2の各々の出力を、定格出力を上限として上昇させた場合に得られる余剰電力と、ステップS100で配電網に逆潮させた熱需要総余剰電力と、の合計が許容電力に達するまで、電主熱従モードで発電している燃料電池装置2の各々の出力を、出力比率が小さい方から優先して上昇させる制御を行う。
【0124】
このようにステップS120を実行することによって、電主熱従モードで発電する燃料電池装置2の発電効率を向上させつつ、燃料電池装置2から配電網に逆潮させる余剰電力の合計を許容電力に近づけることができる。
【0125】
上述した実施形態では、PEFC型の燃料電池デバイスを用いた燃料電池装置2を例にして開示の技術を説明したが、燃料電池装置2は、その他のタイプの燃料電池デバイスを用いてもよい。
【0126】
例えば、電解質にりん酸水溶液を用いた、PAFC(Phosphoric Acid Fuel Cell)型の燃料電池デバイス、電解質に溶融した炭酸塩を用いた、MCFC(Molten Carbonate Fuel Cell)型の燃料電池デバイスや、セラミックスを用いたSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)型の燃料電池デバイスを用いてもよい。
【0127】
MCFC型の燃料電池デバイスは、動作温度が約600℃〜約700℃であり、SOFC型の燃料電池デバイスは、動作温度が約700℃〜約1000℃である。いずれも、発電効率が約40%〜約65%であるため、火力発電所等の発電設備の代替に使用することができる。
【0128】
また、上述した実施形態では、熱電供給装置の一例として、燃料電池を用いて発電する燃料電池装置2を用いて本発明の説明を行ったが、本発明は、燃料電池装置2以外の熱電供給装置にも適用することができる。例えば、本発明は、ガスエンジン又はガスタービンを用いて発電及び熱供給を行う熱電供給システムにも適用することができる。
【0129】
なお、セルスタック13での発電の際に排出される熱を利用して給湯を行うコージェネーションシステムにおいては、発電効率が高い機器のほうが、高出力運転を行っても、貯湯ユニット20がお湯で満たされ(満蓄状態)、発電が継続できなくなるまでの時間が長くなるので、開示の逆潮制御処理に対してより好適である。また、コージェネレーションシステムが熱を外部に放出するラジエータなどの機器を備えている場合、満蓄状態に伴い発電が停止するといった制約がなくなるため、より望ましい。
【0130】
以上、実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
【0131】
また、上述した実施形態では、一例として逆潮制御装置3における逆潮制御処理をソフトウエアで実現する形態について説明したが、
図7及び
図8に示したフローチャートと同等の処理をハードウエアで処理させるようにしてもよい。この場合、逆潮制御処理をソフトウエアで実現する場合に比べて、処理の高速化が図られる。
【0132】
また、上述した実施形態では、逆潮制御プログラムがROM206にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る逆潮制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る逆潮制御プログラムを、CD(Compact Disc)−ROM、又はDVD−ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよいし、USBメモリ及びフラッシュメモリ等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、逆潮制御装置3は、通信回線4に接続された図示しない他の装置から逆潮制御プログラムをダウンロードして、ROM206に格納するようにしてもよい。