特許第6757409号(P6757409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6757409SQUIDを利用する周波数変換装置および周波数変換装置を構成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6757409
(24)【登録日】2020年9月1日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】SQUIDを利用する周波数変換装置および周波数変換装置を構成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 39/22 20060101AFI20200907BHJP
   G01R 33/035 20060101ALI20200907BHJP
   G06N 10/00 20190101ALI20200907BHJP
   G02B 26/00 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   H01L39/22 AZAA
   G01R33/035
   G06N10/00
   G02B26/00
【請求項の数】18
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-526843(P2018-526843)
(86)(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公表番号】特表2019-512161(P2019-512161A)
(43)【公表日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】IB2016055787
(87)【国際公開番号】WO2017103698
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】14/972,942
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ハーツバーグ、ジャレッド、バーニー
(72)【発明者】
【氏名】アブド、バレーフ
【審査官】 棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−109697(JP,A)
【文献】 特表2013−500530(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0060756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 39/22
G01R 33/035
G02B 26/00
G06N 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数変換装置であって、
軸における変位を伴う機械共振周波数で振動するように構成された機械共振器と、
第2のミラーに対向する第1のミラーを含み、光キャビティがその間に形成される、光共振器であって、前記第1のミラーは、前記機械共振器の前記変位に応じて前記光キャビティの光路長を変化させるように動かされるように、前記機械共振器に固定され、前記光路長を変化させることによって、前記光共振器の光共振周波数を変化させる、前記光共振器と、
マイクロ波共振器であって、前記機械共振器の前記変位に応じて動くように配置され、したがって、前記機械共振器を動かすことによって前記マイクロ波共振器のジョセフソン・インダクタンスを変化させ、それにより前記マイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させる、前記マイクロ波共振器と
を備える周波数変換装置。
【請求項2】
基板をさらに備え、前記機械共振器は、自由に振動するように前記基板に取り付けられる、請求項1に記載の周波数変換装置。
【請求項3】
前記基板は、前記機械共振器の2つの面が露出しまたはアクセス可能であるように、前記機械共振器の下に孔を備える、請求項2に記載の周波数変換装置。
【請求項4】
前記マイクロ波共振器は、SQUIDを含み、
前記SQUIDは、前記機械共振器を動かすことによって前記SQUIDのジョセフソン・インダクタンスを変化させるように、前記機械共振器の前記変位に応じて動くように配置される、請求項1に記載の周波数変換装置。
【請求項5】
前記SQUIDは、1つまたは複数の磁場発生デバイスから2つの別個の成分(components)で同時に受信される磁場の存在下で、前記機械共振器上に配置され、
前記機械共振器上の前記SQUIDによって受信される全磁場は、前記SQUIDを通る全磁束を発生させる、請求項4に記載の周波数変換装置。
【請求項6】
前記機械共振器の前記変位は、前記機械共振器の前記変位に応じて、前記SQUIDにおける前記全磁束が変化する大きさを有するように、前記SQUIDの位置、角度、または向きをシフトさせるように構成され、
前記全磁束の前記変化する大きさは、前記SQUIDにおける前記ジョセフソン・インダクタンスを対応して変化させ、それにより前記マイクロ波共振器の前記マイクロ波共振周波数を変化させるように構成される、請求項5に記載の周波数変換装置。
【請求項7】
前記SQUIDは、超伝導ループ内に2つ以上のジョセフソン接合を含むDC SQUIDであり、
前記機械共振器の前記変位が、前記SQUIDによって受信される全磁束を変化させて、前記SQUIDにおける前記ジョセフソン・インダクタンスを対応して変化させ、それにより前記マイクロ波共振器の前記マイクロ波共振周波数を変化させるように構成されるように、前記SQUIDは、前記機械共振器上に構成される、請求項4に記載の周波数変換装置。
【請求項8】
前記機械共振器の前記変位では、
前記光キャビティの前記光路長を変化させることによって、前記光共振器の前記光共振周波数を変化させることと、
前記SQUIDにおける前記ジョセフソン・インダクタンスを変化させることによって、前記マイクロ波共振器の前記マイクロ波共振周波数を変化させることと
の両方を同時に行う、請求項4に記載の周波数変換装置。
【請求項9】
前記機械共振器の前記変位は、マイクロ波周波数でのマイクロ波信号を光周波数での光信号に変換させるように構成され、
前記機械共振器の前記変位は、光周波数での光信号をマイクロ波周波数でのマイクロ波信号に変換させるように構成される、請求項1に記載の周波数変換装置。
【請求項10】
別のマイクロ波共振器であって、前記機械共振器の前記変位に応じて動くように配置され、したがって、前記別のマイクロ波共振器を動かすことによって前記別のマイクロ波共振器の別のジョセフソン・インダクタンスを変化させ、それにより前記別のマイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させる、前記別のマイクロ波共振器をさらに備える、請求項1に記載の周波数変換装置。
【請求項11】
前記マイクロ波共振器は、前記光共振器に結合するように前記マイクロ波共振器を選択するために、フィードラインに容量結合され、
前記別のマイクロ波共振器は、前記光共振器に結合するように前記別のマイクロ波共振器を選択するために、別のフィードラインに容量結合され、
前記フィードラインおよび前記別のフィードラインは、入力場および出力場を搬送する、請求項10に記載の周波数変換装置。
【請求項12】
周波数変換装置を構成する方法であって、
軸における変位を伴う機械共振周波数で振動するように機械共振器を構成するステップと、
光共振器を提供するステップであって、前記光共振器は、前記機械共振器の運動が、前記機械共振器の前記変位に応じて光キャビティの光路長を変化させるように構成され、前記光路長を変化させることによって、前記光共振器の光共振周波数を変化させ、前記光共振器は、第2のミラーに対向する第1のミラーを含み、前記光キャビティがその間に形成され、前記第1のミラーは、前記第1のミラーの運動が前記光路長を変化させるように、前記機械共振器に固定される、前記ステップと、
マイクロ波共振器を構成するステップであって、前記マイクロ波共振器は、前記機械共振器の前記変位に応じて動くように配置され、したがって、前記機械共振器を動かすことによって前記マイクロ波共振器のジョセフソン・インダクタンスを変化させ、それにより前記マイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させる、前記ステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記機械共振器は、基板に取り付けられ、前記基板に取り付けられた状態で自由に振動することが可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記マイクロ波共振器は、SQUIDを含み、
前記SQUIDは、1つまたは複数の磁場源から同時に2つの直交方向で印加される磁場の存在下で、前記機械共振器上に配置され、
前記機械共振器上の前記SQUIDによって受信される全磁場は、前記SQUIDを通る全磁束を発生させる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記SQUIDの位置、角度、または向きは、前記機械共振器の前記変位に応じて変わり、それにより、前記SQUID内の前記全磁場を発生させる前記全磁束を変化させるように構成され、
前記SQUIDにおける前記全磁束を変化させることによって、前記SQUIDにおけるジョセフソン・インダクタンスを対応して変化させ、それにより前記マイクロ波共振器の前記マイクロ波共振周波数を変化させる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記マイクロ波共振器は、コンデンサに接続されたSQUIDを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記光キャビティおよび前記SQUIDは、前記機械共振器に固定され、したがって、前記機械共振器の前記変位では、
前記光キャビティの前記光路長を変化させることによって、前記光共振周波数を変化させることと、
前記SQUIDの前記ジョセフソン・インダクタンスを変化させることによって、前記マイクロ波共振周波数を変化させることと
を同時に行う、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機械共振器の前記変位は、マイクロ波周波数でのマイクロ波信号を光周波数での光信号に変換させるように構成され、
前記機械共振器の前記変位は、前記光周波数での前記光信号を前記マイクロ波周波数での前記マイクロ波信号に変換させるように構成される、請求項12に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数変換に関し、より詳細には、機械要素およびSQUIDを利用する量子コヒーレントなマイクロ波領域と光領域との間の周波数変換に関する。
【背景技術】
【0002】
光子は、光の量子および他の全ての形態の電磁放射を含む素粒子である。光子は、放射周波数に比例したエネルギーを運搬し、静止質量はゼロである。
【0003】
最近では、量子光学、マイクロ波周波数キュービット、および微小電気機械(MEMS)共振器の分野における科学的進歩により、個々の光学、マイクロ波、または機械的量子を制御可能に準備、操作、および測定する能力が実現され、またはほぼ実現されている。そのようなシステムでは、超伝導マイクロ波共振器、高フィネス光キャビティ、高品質係数機械共振器、および量子操作に必要な他の要素の設計で高い完成度の達成が示される。これらの進歩した光学、マイクロ波、または機械要素、あるいはこれらを組み合わせたシステムは、実用的で有用な技術の新しい手段を提供する。特に、マイクロ波領域と光領域との間で量子情報を変換することができるデバイスは、重要な技術的進歩であり、量子コンピューティングおよび量子情報の分野で様々な用途が見出される。たとえば、一方で、超伝導マイクロ波量子ビットが多数かつ高密度で容易に作製され得ると共に、他方で、光学システムは、量子情報を長距離伝送し個々の量子を検出する優れた能力を示す。また、たとえば、マイクロ波領域の超伝導キュービットおよび光領域のトラップされたイオンのような2つの異なる技術の組合せが、計算能力を向上し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、機械要素およびSQUIDを利用する量子コヒーレントなマイクロ波領域と光領域との間の周波数変換に関する装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、周波数変換装置が提供される。周波数変換装置は、軸における変位を伴う機械共振周波数で振動するように構成された機械共振器と、第2のミラーに対向する第1のミラーを含み、光キャビティがその間に形成される、光共振器とを備える。第1のミラーは、機械共振器の変位に応じて光キャビティの光路長を変化させるように動かされるように、機械共振器に固定され、光路長を変化させることによって、光共振器の光共振周波数を変化させる。周波数変換装置は、マイクロ波共振器であって、機械共振器を動かすことによってマイクロ波共振器のジョセフソン・インダクタンスを変化させ、それによりマイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させるように、機械共振器の変位に応じて動くように配置されたマイクロ波共振器を備える。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、周波数変換装置を構成する方法が提供される。この方法は、軸における変位を伴う機械共振周波数で振動するように機械共振器を構成するステップと、光共振器を提供するステップであって、光共振器は、機械共振器の運動(motion)が、機械共振器の変位に応じて光キャビティの光路長を変化させるように構成され、光路長を変化させることによって、光共振器の光共振周波数を変化させる、ステップとを含む。光共振器は、第2のミラーに対向する第1のミラーを含み、光キャビティがその間に形成され、第1のミラーは、第1のミラーの運動が光路長を変化させるように、機械共振器に固定される。さらに、この方法は、マイクロ波共振器を構成するステップであって、マイクロ波共振器は、機械共振器の変位に応じて動くように配置され、したがって、機械共振器を動かすことによってマイクロ波共振器のジョセフソン・インダクタンスを変化させ、それによりマイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させる、ステップを含む。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態によれば、周波数変換装置が提供される。周波数変換装置は、軸における変位を伴う機械共振周波数で振動するように構成された機械共振器と、機械共振器の変位が光共振器の光路長を変化させるように構成された光共振器とを備える。光共振器は、第2のミラーに対向する第1のミラーを含み、光キャビティがその間に形成される。第1のミラーは、光キャビティの光路長を変化させるように動かされるように、機械共振器に固定され、光路長を変化させることによって、光共振器の光共振周波数を変化させる。周波数変換装置は、ピックアップ・コイルを備え、ピックアップ・コイルは、ピックアップ・コイルを動かすことによってピックアップ・コイルで受信される全磁束を変化させるように、機械共振器の変位に応じて動くように配置される。ピックアップ・コイルは、全磁場の変化に応じて電流が変化する回路内にある。さらに、周波数変換装置は、入力コイルを備え、入力コイルは、回路内の電流の変化の結果として、全磁束を変化させることによって入力コイルにおける二次全磁場を発生させるように、回路を介してピックアップ・コイルに接続されている。周波数変換装置は、SQUIDを備え、SQUIDは、入力コイルに結合されると共にマイクロ波共振器に組み込まれ、したがって、二次全磁場を変化させることによってSQUIDのジョセフソン・インダクタンスを変化させ、ジョセフソン・インダクタンスを変化させることによってマイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させる。
【0008】
さらなる特徴および利点が本発明の実施形態によって実現される。添付の図面を参照して、本発明の実施形態を本明細書で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの上面を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの側面を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの動作を示す図である。
図4】本発明の別の実施形態による周波数変換デバイスの上面を示す概略図である。
図5】本発明のさらに別の実施形態による周波数変換デバイスの上面を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの組立ておよび作製のためのプロセスにおける、基板としてのウェハまたはチップを示す図である。
図7】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの組立ておよび作製のためのプロセスにおいて、基板上に超伝導マイクロ波共振器を形成することを示す図である。
図8】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの組立ておよび作製のためのプロセスにおいて、基板上のマイクロ波共振器と適切に位置合わせして機械共振器を形成することを示す図である。
図9】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの組立ておよび作製のためのプロセスにおいて、高反射率ミラーを機械共振器に取り付けることを示す図である。
図10】本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの組立ておよび作製のためのプロセスにおいて、適切に位置合わせされた固定ミラーの組込みによって光共振器を形成することを示す図である。
図11】本発明の一実施形態による周波数変換装置を構成する方法のフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態による周波数上方変換を示す図である。
図13】本発明の一実施形態による周波数下方変換を示す図である。
図14】本発明の一実施形態による周波数スペクトルの概略図である。
図15】本発明の一実施形態によるポンプ・トーン(pump tone)および変換された信号の近似的周波数配置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ジョセフソン接合は、超伝導電流がエネルギー損失なしに通過し得る超伝導金属の2つの領域の間の非超伝導障壁を含む周知のタイプの超伝導電子デバイスである。ジョセフソン接合は、接合の両側の電流、電圧、および電流の位相の間のよく理解された関係を有し、ジョセフソン接合は、ジョセフソン臨界電流として知られているパラメータによって特徴付けられる。ジョセフソン接合は、ジョセフソン・インダクタンスとして知られるインダクタンス、すなわち、その電圧と電流の変化率との間の関係を示す。ジョセフソン接合のジョセフソン臨界電流の調整は、ジョセフソン・インダクタンスも同様に調整する。ジョセフソン接合におけるジョセフソン臨界電流とジョセフソン・インダクタンスとの関係は、当業者によく理解されている。ジョセフソン接合が電気回路に組み込まれると、この特性により、ジョセフソン接合がインダクタとして機能することが可能になり、たとえば、それがコンデンサと組み合わせて共振回路を形成してもよい。回路内の複数のジョセフソン接合の組合せも同様にインダクタとして機能し、この用途で電気回路に組み込まれてもよい。
【0011】
SQUID(超伝導量子干渉デバイス)は、当業者に周知の超伝導電子デバイスの一種である。特に、DC(直流)SQUIDとして知られるタイプのSQUIDは、2つ以上のジョセフソン接合によって遮られた超伝導線、超伝導薄膜金属、または他の超伝導材料で形成されたループを含む。ここおよび本明細書の残りでは、SQUIDという用語は、通電ループにおける2つ以上のジョセフソン接合を含むこの特定の周知のタイプのSQUID、すなわち、DC−SQUIDとして知られているタイプを指す。当業者によって広く理解されているように、超伝導電流の量子干渉の原理によって、SQUID内のジョセフソン接合の組み合わされたジョセフソン臨界電流は、SQUIDループに加わる磁束に応じて変わる。同様に、SQUIDのジョセフソン接合により示されるジョセフソン・インダクタンスもまた、そのような磁束に応じて変わる。SQUIDが電気共振器などの電気回路に埋め込まれた場合、電気回路の挙動は、SQUIDループに加わる磁束によって同様に調整される。さらに、SQUIDのアレイが、それらのインダクタンスを組み合わせるように電気回路内に配列されてもよい。面内ループの磁束は、ループ内の磁場を含むよく知られた明確に定義された量を表すことが規定され、これは、磁場がループに垂直な軸となす角度の余弦で乗じられ、ループの領域全体にわたって統合される。したがって、SQUIDは、その近傍の磁場の大きさと方向の両方に対して非常に敏感である。たとえば、磁場が平坦なループの平面に平行な場合、SQUIDには磁束は加わらない。しかしながら、このSQUIDループに小さな傾きが与えられた場合、SQUIDには同じ磁場から磁束が加えられ、そのジョセフソン・インダクタンスがそれにより変化する。SQUIDのジョセフソン・インダクタンスの変動は回路の特性の有用な変化を引き起こすので、当業者にとって、この磁場に対する感度により、SQUIDを電気回路における有用な構成要素として利用することが可能になる。SQUIDの臨界電流とジョセフソン・インダクタンスの依存性が非常に非線形であり、磁束に関して周期的であるので、当業者にとって、SQUIDの「動作点」を設定するために、SQUIDループに垂直な固定された「バイアス」磁場を印加することが一般的な手法である。当業者には理解されるように、SQUIDのジョセフソン・インダクタンスは、磁場の大きさまたは方向を急速かつ周期的に変化させることのように、磁束の急速な周期的変動によって、変調し、すなわち急速かつ周期的に変化させてもよい。
【0012】
本発明の実施形態は、量子通信および量子情報処理に適したマイクロ波領域および光領域の間の(周波数変換デバイスを使用する)ユニタリ(unitary)周波数変換方式を提供する。量子情報を光領域とマイクロ波領域との間で互いに変換する能力は、量子通信および量子情報処理における多くの興味深く有用な用途を有する。本発明の実施形態における1つまたは複数の周波数変換デバイスを介して、周波数変換を任意の用途に利用することができ、少数の例示的な用途を以下に示す。
【0013】
1)周波数変換技法は、2つの超伝導量子プロセッサ間の量子もつれを生成するために利用され得る。量子もつれは、2つの量子システムの量子状態をそれらの間で情報を交換するのに有用な形式でリンクする、当業者に知られている方法である。2つの超伝導量子プロセッサは、2つの離れたクライオスタットの内部に存在してよく、クライオスタットは光ファイバによって接続されて、それらの間で量子情報を伝達することができる。そのような方式では、マイクロ波領域内の量子情報は、(本発明の実施形態における周波数変換デバイスを介して)送信クライオスタットにおいて光周波数に上方変換され、2つのクライオスタットを接続する光ファイバにおいて非常に小さな損失で転送され、(本発明の実施形態における変換デバイスを介して)受信クライオスタットにおいてマイクロ波領域に下方変換して戻される。あるいは、各プロセッサ内のマイクロ波量子は、各クライオスタットからその光チャネルを介して外方へそれぞれ送信される光学光子に変換されてもよく、2つのクライオスタットのそれぞれからの量子情報を含む光学光子は、第3の位置で遭遇し、それらの遭遇によりもつれが生じる。クライオスタットは、サンプルまたはデバイス(たとえば、周波数変換デバイス)の低い極低温を維持するために使用されるデバイスである。
【0014】
2)周波数変換技法は、マイクロ波信号によって搬送される量子情報が、(実施形態における周波数変換デバイスを介して)マイクロ波周波数を光周波数に上方変換することによって、光ファイバを使用して長距離にわたって送信されるように構成される。
【0015】
3)周波数変換技法は、トラップされたイオンおよび超伝導キュービットのような異なる形態の量子処理ユニットの間の量子通信を可能にするように構成される。
【0016】
4)周波数変換技法は、(本発明の実施形態における周波数変換デバイスによる周波数変換を介して)マイクロ波領域内でもつれた光子対を発生させ、もつれた光子を光領域に転送する、またはその逆を行うように構成される。
【0017】
5)周波数変換技法は、光学領域内の十分に発達した単一光子検出器を使用してマイクロ波領域内の単一光子を検出するように構成される。
【0018】
量子情報変換を行うために周波数変換方式が満たそうとする特徴は、ユニタリ性である。ユニタリとは、周波数変換が無損失かつコヒーレントであるべきこと、すなわち、出力信号が入力信号のエネルギーおよび位相を保存すべきことを意味する。まだ、この要件を完全に満たす既存のマイクロ波−光変換デバイスは存在していない。本発明の実施形態における1つ以上の周波数変換デバイスは、当業者によって理解されるように、ユニタリ周波数変換またはほぼユニタリの周波数変換あるいはその両方を提供する。
【0019】
任意の周波数変換方式のもう1つの特徴は、変換帯域幅、すなわち、周波数変換デバイスが伝搬信号に対し周波数変換を実行できるレートである。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による周波数変換デバイス100の上面を示す概略図である。図2は、本発明の一実施形態による周波数変換デバイス100の側面を示す概略図である。周波数変換デバイス100は、超伝導マイクロ波共振器120を機械共振器104を介して光共振器108(すなわち光キャビティ)に結合することによって、マイクロ波領域と光領域との間の周波数変換を行うように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、周波数変換デバイス100は、機械共振器104が固定された基板102、たとえば、誘電体基板(たとえば、ウェハ、チップなど)を含む。基板102上の機械共振器104の取付けおよび配列は、機械共振器104の上側と下側の両方を露出させるように、基板102の中心を通る開口116を含むことができる。基板102の開口116は、正方形、長方形、六角形などの幾何学的形状であってよい。機械共振器104は、基板102に取り付けられた状態で振動する(前後に動く)ことができる。図2に示す実施形態に示されるように、運動の方向はz方向に指定される。一実装形態では、機械共振器104は、両側クランプ・カンチレバー(clamped-clamped cantilever)であってもよく、カンチレバーの両端が基板102に取り付けられる。この実施形態によれば、機械共振器104としてのカンチレバーの長さはlであり、機械共振器104としてのカンチレバーの幅wは長さlの約半分であってよい。基板102は開口116を有することができる。開口116は、カンチレバーの上側と下側の両方を露出させるように設計されている。開口は、カンチレバーの端部が開口116において基板102に取り付ける(すなわちクランプする)ことができるように、長さlより寸法が大きくならないようにすべきである。
【0022】
周波数変換デバイスの他の実施形態は、クランプされたカンチレバーではなく、振動膜、単一クランプ・カンチレバー、振動リング、振動ディスク、振動球、または、振動の周波数および方向がその実施形態に従う別のタイプの高周波機械共振器を含んでもよい。そのような実施形態では、機械共振器は、同様に基板に取り付けられ、SQUID、マイクロ波共振器、および光共振器に結合されて、機械共振器の運動が、光共振器の長さを変化させることによって光共振器の周波数を変調し、同時に、SQUIDのジョセフソン・インダクタンスを変化させることによってマイクロ波共振器の周波数を変調するようになる。
【0023】
超伝導マイクロ波共振器120は、コンデンサ、たとえば、SQUIDまたは複数のSQUIDが一緒に接続されたアレイ112のジョセフソン・インダクタンスを含むインダクタンスによって分路された、互いに噛み合ったフィンガ110を有する集中素子コンデンサを備える。一実装形態では、SQUIDアレイ112は、超伝導ループ118に並列に接続された2つのジョセフソン接合114と、別の超伝導ループ118に並列に接続されたさらに2つのジョセフソン接合114とを含んでよい。ループ118は一端で一緒に接続され、ループ118の他端はコンデンサ110の別々の側に接続されている。SQUIDアレイ112を通る磁束が変調(周期的に増加および減少)されると、SQUIDアレイ112のジョセフソン・インダクタンスも同様に調整され、したがって、マイクロ波共振器120の共振周波数も同様に変調される。ジョセフソン・インダクタンスの増加はマイクロ波共振周波数を減少させる一方、ジョセフソン・インダクタンスの減少はマイクロ波共振周波数を増加させ、そのような変調は、機械共振器104がz方向に上下に振動すると、周期的に繰り返して発生する。機械共振器104の動作は、z方向に上下に振動する際に、磁場の存在下でSQUID112に加わる磁束を変調するように作用する。この変調は、機械共振器104の周期性(共振周波数)によって与えられる周期性で発生し、この変調は同様に、同じ周期でマイクロ波共振器120の共振周波数を変調するように作用する。
【0024】
x−y平面内にあるSQUIDループまたはピックアップ・コイル、およびz方向に振動する機械的構成要素に関して、x方向の成分(B)およびz方向の成分(B)を有する固定磁場(B場)が機械的構成要素の位置に存在しなければならない。x方向およびz方向のB場は、ソレノイド、固定磁石、または他の任意の手段によって発生させてよい。一実装形態では、第1の磁気デバイス210Aが磁場のB成分を発生させ、第2の磁気デバイス210Bが磁場のB成分を発生させてよい。
【0025】
SQUIDアレイ112は、z方向の機械的運動によりSQUID112を通る磁束を変調することを可能にするように、機械共振器104の一部分に配置される。特に、SQUIDアレイ112は、機械共振器104の両側クランプ・カンチレバーのおよそ半分に配置される。一実施形態では、図4でさらに論じられるマイクロ波共振器120_1および120_2のような2つのマイクロ波共振器102がカンチレバーを共用してもよい。本発明の別の実施形態では、図5に示されるようなピックアップ・コイルがカンチレバー上に配置され、ピックアップ・コイルに加わる変調された磁束が、基板102上の異なる位置に配置されたSQUID118を介して磁束を変調するように作用する。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、光共振器108は、内部損失が非常に小さい2つの高反射率ミラー202Aおよび202Bを備える。高反射率ミラーの例は、99%より高い反射率を有するミラーであり得る。光共振器108の2つのミラー202Aおよび202Bを有することにより、光キャビティが長さLを有して形成される。光共振器108は、光キャビティと同じであり、光波の定常波を形成するミラー202Aおよび202Bの配列である。
【0027】
ミラーの一方、たとえばミラー202Bは固定されるが、他方のミラー202Aは可動であり、カンチレバー104上に配置される。本発明のこの実施形態では、ミラー202Aはカンチレバーの中央に配置され、ミラー202AとSQUIDアレイ112はカンチレバー104の両側に配列される。カンチレバー104は、基板102に固定(クランプ)され、ミラー202AおよびSQUIDアレイ112が固定された(たとえば、接着材で接着された)金属または誘電体材料としてもよい。
【0028】
z方向に前後する機械共振器104(すなわちカンチレバー)の垂直変位により、光共振器108の共振周波数がシフトする(すなわち、光キャビティの長さLが変化する)。固定された垂直および水平磁場BおよびBをSQUIDアレイ112の超伝導ループ118にさらに印加することにより、垂直方向(すなわちz軸)における機械共振器104(すなわちカンチレバー)の運動が、SQUIDアレイ112に加わる全磁束(すなわち、ループ領域を有する磁場の全ベクトル積)を変える。含まれるジョセフソン接合114の合成インダクタンスがこの磁束に依存するため、機械共振器104の運動は、それにより、ジョセフソン接合114が一次誘導部分を形成するマイクロ波共振器120の共振周波数を変調する。
【0029】
機械共振器104の垂直変位は、マイクロ波共振器120のマイクロ波共振周波数と光共振器108の光共振周波数とを(同時に)変化させるように構成される。
【0030】
図1および図2において、マイクロ波共振器120のコンデンサ110の片側は結合コンデンサ109Aに接続され、コンデンサ110の他方側は結合コンデンサ109Bに接続されている。両方の結合コンデンサ109Aおよび109Bがフィードライン106に接続されている。フィードライン106は、マイクロ波共振器120の入力と出力の両方の役割をする。マイクロ波ポンプ信号(マイクロ波ポンプ・トーンとも呼ばれる)と量子情報を搬送するマイクロ波信号/光子との両方が、フィードライン106を通してマイクロ波共振器120に送信される。マイクロ波共振器120(SQUIDアレイ112(ループ118およびジョセフソン接合114を有する)およびコンデンサ110を有する)、結合コンデンサ109A、109B、およびフィードライン106は、たとえば、ニオブ、アルミニウムなどのような超伝導材料で作られており、超伝導温度まで冷却される。図1ではコンデンサ110は櫛形容量として描かれているが、コンデンサ110はギャップ・コンデンサまたは平板コンデンサとしてもよいことを理解されたい。
【0031】
ミラー202Bは、光共振器108のためのポートであり、光を受信する、たとえば光信号と光ポンプ信号の両方を受信するために、1つまたは複数の光源に光学的に接続されてよい。一実装形態では、光共振器108のミラー202Bは光ファイバ214に接続されてもよい。光ファイバ214は、光共振器108のミラー202Bに対する(光を入力するための)入力と(光を抽出するための出力)出力との両方(すなわち、入力/出力ポート)の役割をしてもよい。ミラー202Bは、光ファイバ214の一部であってもよく、光ファイバ214とは別個であってもよい。
【0032】
周波数変換デバイス100の他の実施形態は、真空スペースを間に有する2つの対向する高反射率ミラーを備えない光共振器(光キャビティ)を含むことがある。たとえば、代わりに、光共振器(光キャビティ)は、2つのミラーの間で光を反射するように導く固体材料の領域、または、たとえば内部全反射の原理で動作する光ファイバ共振器または光リング共振器のように、光をそれ自体の内部で反射するように導く固体材料の領域を備えてもよい。そのような変更は、本明細書に開示された教示が与えられれば当業者に理解されよう。そのような実施形態では、機械共振器、光共振器、およびマイクロ波共振器は、機械共振器の運動によって光キャビティの長さを調整し、それによりその光共振周波数を変調すると同時に、機械共振器の運動によってSQUIDを介して磁束を変調して、マイクロ波共振器の共振周波数を変調するように構成されるべきである。本発明のそのような実施形態は、機械共振器に取り付けられたミラーを含んでもよく、機械共振器に取り付けられた一片の導光材料を含んでもよく、または何らかの他の方法で機械共振器内に光キャビティを組み込んでもよい。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による周波数変換デバイス100の動作を示すブロック図である。周波数変換デバイス100は、(たとえば、フィードライン106上で送信される)入力マイクロ波信号光子を(光共振器108のミラー202Bを介して出力される)出力光信号光子に変換し、また逆も同様であり、(ミラー202Bを介して送信される)入力光信号光子を(フィードライン106上でマイクロ波共振器120から出力される)出力マイクロ波信号光子に変換するように設計される。第1のシナリオでは、入力マイクロ波信号光子を出力光信号光子に変換するように周波数変換デバイス100を動作させることを論じる。図1および図2を参照することができる。
【0034】
周波数変換デバイス100による周波数上方変換を示す第1のシナリオでは、マイクロ波信号光子は、結合コンデンサ109A、109Bを介してマイクロ波共振器120へのフィードライン106に入力され、マイクロ波信号光子は、光信号に変換される(量子情報を含む)マイクロ波信号である。同時に、フィードライン106を介してマイクロ波共振器120に印加されたマイクロ波ポンプが、マイクロ波共振器120にエネルギーを加える。機械共振器104の振動がマイクロ波共振をシフトさせるので、機械共振器104は周波数変調デバイスとして機能して、情報を含むマイクロ波光子信号とマイクロ波ポンプとの周波数混合を容易にする。結果として、情報を含むマイクロ波光子は、機械共振器104の運動においてコヒーレントな形式で機械的量子に周波数変換される。この変換のレートは、マイクロ波ポンプのポンプ出力を増大することにより高められる。さらにこの効果を最大限にするために、マイクロ波ポンプ信号は、マイクロ波共振器120のマイクロ波共振周波数と共振しない(マイクロ波)周波数で印加される。
【0035】
共振におけるマイクロ波信号、およびマイクロ波ポンプ・トーンは、マイクロ波モードに含まれるエネルギーの変調によって、機械モードからのエネルギーを増加または減少させることができ、すなわち、機械共振器104の振動運動の振幅を増加または減少させることができる。機械共振器104が振動すると、マイクロ波共振器120の共振周波数も同様に振動し、したがって、マイクロ波共振器は、固定周波数マイクロ波ポンプ・トーンからのエネルギーのより多いまたは少ない量を周期的に入れる。したがって、マイクロ波共振器120内のこの周期的なエネルギーの変化は、機械共振器104のその振動サイクル内での位置の関数であり、位置の関数としてのエネルギーの変化が力を構成する。ポンプ・トーンの位相および周波数ならびに機械的運動の位相に応じて、力は運動より遅れ、したがって抗力として作用し、機械的運動からエネルギーを減じるか、または運動より先行し、したがって駆動力のように作用し、機械的運動にエネルギーを加えることがある。
【0036】
機械共振器104が振動し、機械共振器104の運動は、ミラー202Aの位置を振動させることによって光キャビティの長さLを振動させる。光キャビティ長の変化は、光共振器108の光共振周波数をシフトさせる。(ミラー202Aおよび202Bによって形成される)光キャビティの長さが短いほど、光共振周波数が高くなり、光キャビティの長さが長いほど、光共振器108の光共振周波数は低くなる。したがって、光共振周波数は、機械共振周波数で周期的に変調される。光共振器108は、ミラー202Bを介して光ポンプ信号を受信する。光ポンプ信号は、機械共振周波数にほぼ等しい量だけ光共振周波数よりも低い周波数で印加される。したがって、機械的運動による光共振周波数の周期的変調は、周波数混合の作用によって、機械的動作の位相をコヒーレントに保存しながら光ポンプ・エネルギーの一部を光共振周波数で光学光子エネルギーに変換する。
【0037】
周波数変換デバイス100による周波数情報変換を示す第1のシナリオでは、プロセスは、まず、マイクロ波共振器120からのマイクロ波信号光子の吸収、および機械共振器104内の機械的量子の発生を含み、機械共振器104における機械的量子の発生によって、マイクロ波光子の位相を保存する。プロセスは、次いで、この機械的エネルギー量子の吸収、および光学光子の生成を含み、光学光子は、機械的量子の位相を保存する。これにより、マイクロ波光子信号からの変換(たとえば、一例では約7GHz)によって機械的運動に導入された位相が、続いて光学形状に上方変換される(たとえば、一例では約282テラヘルツ(THz))。周波数上方変換された出力光信号光子は、(ミラー202Bが入力ポートおよび出力ポートとして動作するので)ミラー202Bを通ってデバイス100を出て、光ファイバ214へ移動する。したがって、出力光信号光子は、たとえば7GHzの周波数を有した入力マイクロ波信号光子を介して前もってデバイスに入った量子情報を搬送する。
【0038】
周波数変換デバイス100による周波数下方変換を示す第2のシナリオでは、光信号光子(たとえば約282THz)が、光ファイバ214からミラー202Bを介して光共振器108に入力される。光信号光子は、マイクロ波周波数でマイクロ波信号に変換される(量子情報を含む)光信号である。同時に、光ポンプは、光ポンプ信号を光共振器108のミラー202Bへ(たとえば光ファイバ214から)送り出し、光ポンプ信号は、光共振器108および機械共振器104にエネルギーを加える。上記のように、マイクロ波ポンプ信号と光ポンプ信号の両方が、動作を向上させ制御するために周波数変換デバイス100に印加される。光ポンプ信号は、光共振器108の光共振周波数と共振しない周波数で印加される。量子情報を有する入力光信号光子と光ポンプ信号とは組み合わされて、機械共振器104の機械共振モードでエネルギーを発生させ、このエネルギーが機械共振器104の振動を引き起こす(またはそれに寄与する)。
【0039】
機械的運動と光共振器108との相互作用は、放射圧の概念を使用して理解することができる。光キャビティ(すなわち光学共振器108)内を移動する光子(光量子)は、光学光子がミラー202Aに連続的に衝突すると、ミラー202Aに対する力(すなわち、ミラー202Aの表面に加えられる圧力)を加える。機械モードからのエネルギーを増加または減少させる(機械共振器104の振動の振幅を増加または減少させる)ために、この力は、機械的運動の周波数において、機械共振器の運動より先行するまたは遅れる位相で変えられることになる。機械共振器104(たとえばカンチレバー)の振動は、光キャビティ(すなわち光共振器108)の光共振周波数を周期的に変調し、この周波数変調は、光共振器周波数と機械共振器周波数との間の周波数混合、すなわち周波数の上方変換および下方変換を可能にする。光共振器周波数の周期的変調は、光キャビティ(すなわち光共振器108)に入るポンプ・エネルギーが機械共振器104の周波数で同様に周期的に変調されることを意味する。機械共振器104に印加される放射圧力の対応する周期的変化は、この放射圧力が機械モードに対してエネルギーを加えまたは減じ、すなわち機械共振器104の振動運動の振幅を増加または減少させることを可能にする。周波数混合動作と組み合わされて、この挙動は、機械共振器モードへ/から、すなわち機械共振器104の振動へ/から、エネルギー量子を加えまたは減じる。
【0040】
機械共振器104は垂直方向すなわちz方向に振動し、それにより、磁場BおよびBによるSQUIDアレイ112のSQUIDループ内の磁束の量が、機械共振器周波数で周期的に変えられる。機械共振器104が上方および下方に曲がる(flex)と、マイクロ波共振器120におけるSQUIDアレイ112内のSQUIDループの配向角が、磁場Bの方向に対して変わる。SQUIDループ108の軸は、磁場のB成分に対してほぼ垂直であるため、角度の変化は、B磁場による磁束の量に対して無視できるほどしか影響しない。しかしながら、小さな曲げはSQUIDループをBに平行な状態から逸らすので、振動の主な効果はB磁場成分により磁束の量が変わることである。したがって、周波数変換デバイス100を実装し構成する際、ユーザはBを設定してSQUID118の「動作点」を指定することができる一方、ユーザはBを設定してSQUID118の変調効果の大きさを指定してもよい。(SQUIDアレイ112の向きの変化に基づく)SQUIDアレイ112における全磁束の変化は、SQUIDアレイ112のジョセフソン・インダクタンスをシフトさせる。このインダクタンスの変化は、マイクロ波共振器120のマイクロ波共振周波数を対応してシフトさせる。ジョセフソン・インダクタンスが小さいほど、マイクロ波共振周波数が高くなり、インダクタンスが大きいほど、マイクロ波共振周波数は低くなる。マイクロ波共振器120は、機械共振周波数にほぼ等しい量だけマイクロ波共振周波数と異なるマイクロ波周波数で、マイクロ波ポンプ信号を受信する。機械共振器104の振動によって引き起こされるSQUIDアレイ112の向きの周期的変動は、それにより、マイクロ波共振周波数を周期的に変動させて、マイクロ波ポンプ信号からのより多いまたは少ない量のエネルギーがマイクロ波共振器120に入れられるようにし、この周期的変動のレートは機械共振器周波数に等しい。したがって、マイクロ波共振器120の周波数変調は、機械的量子の位相を保持しながら、マイクロ波共振器120が機械的運動量子を上方変換して(たとえば約7GHzで)マイクロ波信号光子を発生させることを可能にする。
【0041】
周波数変換デバイス100による周波数下方変換を示す第2のシナリオでは、プロセスは、まず、光共振器108からの光信号光子の吸収、および機械共振器104内の機械的量子の発生を含む。機械共振器104における機械的量子の発生によって、光学光子の位相を保存する。プロセスは、次いで、この機械的エネルギー量子の吸収、および機械的量子の位相を保存するマイクロ波光子の発生を含む。それにより、光周波数からマイクロ波周波数への下方変換は、信号の位相を光学形状からマイクロ波形状まで保存する。フィードライン106は入力ポートおよび出力ポートとして動作し、元の光信号から周波数下方変換された出力マイクロ波信号光子がフィードライン106を介して外方へ進む。
【0042】
磁場BおよびBは、任意の磁場発生デバイス210Aおよび210Bによって発生させてよい。非限定的な例として、磁場発生デバイス210Aおよび210Bは、金属材料212A、212Bの周りにコイル211Aおよび211Bを有してよい。他のタイプの磁場発生デバイスが利用されてもよいことが理解される。
【0043】
一実装形態では、マイクロ波共振器120は、7GHzのマイクロ波共振周波数を有するように構成されてよく、マイクロ波共振器120は、ナノメートル当たり200MHzの(カンチレバーの)ナノメートル垂直変位に対してそのマイクロ波共振周波数で変化させることができる。したがって、機械共振器104が1nm曲がると、マイクロ波共振器120のマイクロ波共振周波数は(ジョセフソン・インダクタンスの対応する変化の結果として)それぞれ200MHz増加または減少する。光共振器108は、282THzの光共振周波数を有するように構成されてよく、光共振器は、ナノメートル当たり10MHzの(カンチレバーの)ナノメートル垂直変位に対してその光共振周波数で変化させることができる。したがって、機械共振器104が1nm曲がると、光共振器108の光共振周波数は、(光路長Lの対応する変化の結果として)それぞれ10MHz増加または減少する。したがって、7GHz周波数のマイクロ波信号が周波数変換デバイス100によって上方変換される場合、周波数変換デバイス100は、7GHz周波数のマイクロ波信号を282MHz周波数の光信号に上方変換して、上方変換した光信号を光ファイバ214を介して外方へ送信できるようにする。同様に、282THz周波数のマイクロ波信号が周波数変換デバイス100によって下方変換される場合、周波数変換デバイス100は、282MHz周波数の光信号を7GHz周波数のマイクロ波信号に下方変換して、下方変換したマイクロ波信号をフィードライン106を介して外方へ送信できるようにする。
【0044】
次に図4を参照すると、本発明の別の実施形態による周波数変換デバイス400の上面を示す概略図が与えられている。周波数変換デバイス400は、第2のマイクロ波共振器がカンチレバーの他方の半分を利用して光キャビティに結合されていることを別にして、図1および図2における周波数変換デバイス100の全ての要素を含む。また、図2の周波数変換デバイス100のいくつかの要素は、周波数変換デバイス400では繰り返されないが、これらの要素(たとえば、要素108、202A、202B、210A、210B、214など)は、デバイス400に含まれまたは利用されあるいはその両方であることが意図されている。
【0045】
上述のように、周波数変換デバイス400は、機械共振器104を支持する基板102を含む。基板102は開口116を含むことができる。開口116は、機械共振器の上面と下面の両方の露出またはこれらへの処理あるいはその両方を可能にする。
【0046】
図4を参照すると、第1および第2のマイクロ波共振器120_1および120_2が、機械共振器104を介して光共振器108(すなわち光キャビティ)に結合されている。上述のように、超伝導マイクロ波共振器120_1および120_2はそれぞれ、SQUIDアレイ112_1、112_2によって分路された集中素子コンデンサ110_1、110_2を備える。アレイ112_1、112_2内の各SQUIDはそれぞれ、SQUIDアレイ112_1、112_2を形成するSQUIDループ118_1、118_2内に並列に接続されたジョセフソン接合114_1、114_2を含む。各SQUIDアレイ112_1、112_2の両端はそれぞれ、コンデンサ110_1、110_2の別々の側に接続する。各SQUIDアレイ112_1、112_2は、したがって磁束可変インダクタンスを含む。各SQUIDアレイ112_1、112_2のジョセフソン・インダクタンスは、機械共振器104が上下に曲がると、周期的に変化し、それにより、水平磁場Bおよび垂直磁場Bからもたらされる2つのSQUIDループ内の磁束をシフトさせる。
【0047】
周波数変換デバイス100とは異なり、周波数変換デバイス400では、SQUIDアレイ112_1が機械共振器104の一部分(約半分)に配置され、SQUIDアレイ112_2が他の部分(半分)に配置される。上述のように、機械共振器104の運動は、SQUIDアレイ112_1および112_2のジョセフソン・インダクタンスを周期的に変化させながら、同時に光共振器108の長さ(ひいては光共振周波数)も変化させる。この規則的な周期的変化は、たとえば、ミラー202Aを機械共振器に取り付け、それにより、その位置(ミラー202A)をミラー202Bの位置に対して振動させることによって発生し得る。ミラー202Aは、SQUID112_1、112_2が位置付けられている側とは反対側でカンチレバー104の表面の中央に配置されてもよい。
【0048】
機械共振器104(すなわちカンチレバー)の垂直変位は、光キャビティの長さをシフトさせ、したがって光共振器108の共振周波数をシフトさせる。機械共振器の領域に(たとえば、磁気デバイス210Aおよび210Bを介して)固定垂直磁場および固定水平磁場をさらに印加することによって、マイクロ波共振器120_1、120_2と機械共振器104との間に誘導結合が導入される。カンチレバー104(すなわち機械共振器)の垂直方向(すなわちz軸)の上下の周期的な振動する曲げは、SQUIDアレイ112_1、112_2を通る全磁束を周期的に変化させる。この振動は、SQUIDのジョセフソン・インダクタンスを対応して変化させるSQUID112_1、112_2を通る全磁束を変化させ、したがって、それぞれのマイクロ波共振器120_1、120_2のマイクロ波共振周波数を変化させる。
【0049】
それぞれのマイクロ波共振器120_1、120_2のコンデンサ110_1、110_2の片側はそれぞれの結合コンデンサ109A_1、109A_2に接続され、コンデンサ110_1、110_2の他方側はそれぞれの結合コンデンサ109B_1、109B_2に接続されている。両方の結合コンデンサ109A_1、109A_2および109B_1、109B_2は、フィードライン106_1、106_2にそれぞれ接続されている。
【0050】
第1のマイクロ波共振器120_1と第2のマイクロ波共振器120_2は、それぞれ異なるマイクロ波共振周波数を有してよい。フィードライン106_1または106_2を介するオフレゾナンス・マイクロ波駆動トーンは、どのマイクロ波共振器120_1または120_2に対してこのオフレゾナンス駆動(すなわちマイクロ波ポンプ信号)が印加されるかに応じて、どのマイクロ波共振器120_1または120_2が光共振器108(光キャビティ)に結合されるかを選択する。
【0051】
図5は、本発明のさらに別の実施形態による周波数変換デバイス500の上面を示す概略図である。周波数変換デバイス500は、図1および図2における周波数変換デバイス100の要素を含むが、いくつかの要素は繰り返さない。
【0052】
周波数変換デバイス500は、マイクロ波共振器520を含む。マイクロ波共振器520は、コンデンサ110によって分路されたSQUID112を有する。この実装形態では、単一のループ118のみが2つのジョセフソン接合114と共に利用される。別の実装形態では、2つ以上のループ118を利用してSQUIDのアレイ112を形成してよい。上述のように、コンデンサ110の各側が結合コンデンサ109Aおよび109Bに接続され、結合コンデンサ109Aおよび109Bはフィードライン106に接続されている。
【0053】
周波数変換デバイス100とは異なり、周波数変換デバイス500は、機械共振器104上の要素なしでマイクロ波共振器520全体を基板102上に配置する。この場合、マイクロ波共振器520のSQUID112は、機械共振器104(すなわちカンチレバー)の動きと共に動かない。代わりに、超伝導ピックアップ・コイル502がミラー202Aと共に機械共振器104(すなわちカンチレバー)の上に固定され、超伝導ピックアップ・コイル502とミラー202Aの両方が機械共振器104と共に振動する。ミラー202Aとピックアップ・コイル502は、機械共振器104の両面に配置されてよい。
【0054】
(機械共振器104の)機械的運動は、超伝導ピックアップ・コイル502、超伝導接続線504、および超伝導入力コイル506を介して、(SQUID112内の)SQUIDのジョセフソン・インダクタンスを調整するようになされる。このように、マイクロ波共振器120とSQUID112は、機械共振器104の近傍に存在する光場および磁場によるSQUID112への干渉を回避するために、機械共振器104から離れた位置に配置され得る。超伝導ピックアップ・コイル502の向きは、機械共振器104が上下に曲がると、変化する。ピックアップ・コイル502に入る磁束の変化は、入力コイル506を有する(ライン504を介する)回路における電流を対応して変化させる。入力コイル506は、ピックアップ・コイル502における磁束を変化させることによって入力コイル506における二次全磁場を発生させるように、ピックアップ・コイル502に回路を介して接続されている。SQUID112は、二次全磁場を変化させることによってSQUID112のジョセフソン・インダクタンスを変化させるように、相互インダクタンスによって入力コイル506に結合されている。SQUIDに対して遠い位置でピックアップ・コイルを使用することによってSQUIDのジョセフソン臨界電流またはジョセフソン・インダクタンスを調整するこの方法は、当業者にはよく知られている。これにより、ピックアップ・コイル502を通る磁束の振動変化が、マイクロ波共振器520のマイクロ波共振周波数を周期的に変動させる。上述のように、マイクロ波共振器520におけるインダクタンスを変化(増加および減少)させることによって、マイクロ波共振器520のマイクロ波共振周波数を変化させる。
【0055】
一実装形態では、SQUID112は、当業者に理解されるように、単巻きSQUIDワッシャ・コイルおよび重ねられた多重巻入力コイルを組み込んでよい。
【0056】
図6から図10は、一実施形態による周波数変換デバイス100の組立ておよび作製のためのプロセスの側面図を示す。
【0057】
図6は、誘電体基板のウェハまたはチップを示す。基板102は、シリコン、サファイア、シリカ、または他の材料、あるいはその組合せであってもよく、約100ミクロン(μm)から3ミリメートル(mm)の厚さを有してもよい。
【0058】
図7は、基板102上に薄膜金属パターンとして超伝導マイクロ波共振器120およびSQUID112を形成することを示す。金属は、厚さが約50nmから2ミクロンであってもよく、アルミニウム、ニオブ、または他の超伝導金属で形成されてもよい。超伝導金属(超伝導マイクロ波共振器120およびSQUID112をコンデンサ109A、109B、110、およびフィードライン106と共に形成する)は、蒸着、スパッタリング、または他の従来の金属付着方法によって基板102の上に堆積されてもよい。このパターンは、フォトリソグラフィ、電子ビーム・リソグラフィ、または他のパターニング技法を使用して金属に形成されてもよい。また、パターンは、湿式化学エッチング、プラズマ・エッチング、リフトオフ、または他の金属膜パターニング方法を使用して金属に形成されてもよい。金属膜は、単層であっても多層であってもよい。SQUID112内のジョセフソン・トンネル接合114は、AlOxトンネル障壁または他のトンネル障壁を使用して形成されてもよい。ジョセフソン・トンネル接合114は、Nb/AlOx/Nb三層法、Al二倍角蒸着法、または他の何らかの方法など、従来の方法を使用して形成されてもよい。コンデンサ109A、109B、および110は、単一の金属層からなる櫛形のコンデンサとして形成されてもよく、金属および誘電体の複数の層によって形成された平行板コンデンサであってもよく、他の何らかの設計であってもよい。
【0059】
図8は、基板102上のマイクロ波回路(すなわちマイクロ波共振器120)と適切に位置合わせして共振機械(MEMS)素子(機械共振器104)を形成すること、および取り付けられたミラーおよび光キャビティの組込みのために反対側に空きスペース116を残すことを示す。機械共振器104(特にカンチレバー)は、シリコン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、または極低温で高い剛性および低い機械的散逸を示す他の任意の誘電体材料あるいはその組合せから形成されてよい。誘電体材料は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術を使用することによって基板102に組み込まれてもよく、または気相成長または他の方法を使用して、たとえば0.5から10ミクロンの厚さの薄膜として基板に付加されてもよい。機械共振器104のパターニングは、フォトリソグラフィまたは電子ビーム・リソグラフィなどの技法を利用することができ、自由に懸垂させる機械共振器104(MEMS素子、たとえばカンチレバー)の形成は、プラズマ・エッチング、湿式化学エッチング、XeFエッチング、臨界点乾燥、または他の類似の方法を使用することができる。
【0060】
図9は、高反射率ミラー202Aを機械共振器104に追加する/取り付けることを示す。一実装形態では、ミラー202Aは、単一波長での使用のために設計されてよく、SiO/Taなどの屈折率を交互配置した誘電体薄膜のブラッグ・スタックを含む。一実装形態では、ミラー202Aは、機械共振器104自体を備えることができる。また、ミラー202Aは、薄膜堆積、リソグラフィ・パターニングおよびプラズマ・エッチング、もしくは湿式化学エッチングによって機械共振器104上に形成されてもよく、またはミラー202Aは、マイクロマニピュレータおよび接着剤を使用して、もしくは他の方法によって機械共振器104に取り付けられてもよい。
【0061】
図10は、適切に位置合わせされた固定ミラー202Bの組込みによって光共振器108(すなわち光キャビティ)を形成するための実施形態を示す。固定ミラー202Bは、単一波長動作のために設計されたブラッグ・スタックであってよく、必要に応じて、可動ミラー202Aよりも大きくまたは小さく、反射率が高くまたは低くてよい。固定ミラー202Bは、光ファイバ214の先端への直接堆積によって形成されてよく、または自由空間光ビームの適用のための自立ミラーとしてもよい。位置合わせは、可動ポジショナまたは自己整合パターン化基板片602を使用して、または他の手段によって達成され得る。この動作に続いて、周波数変換デバイスは、マイクロ波コネクタおよび光ファイバ・コネクタを含むパッケージ内に準備される。
【0062】
図11は、本発明の一実施形態による周波数変換装置100を構成する方法のフローチャート700である。
【0063】
ブロック705において、機械共振器104は、本発明の所定の実施形態に従って、デバイスの動作のために機械共振周波数で振動し、デバイスの他の構成要素およびデバイス内の磁場と適切に位置合わせした方向で振動するように構成される。たとえば、機械共振器104は、1MHzの周波数でz軸において振動することができる。
【0064】
ブロック710において、実施形態に従って、光共振器108は、第2のミラー202Bに対向する第1のミラー202Aを含み、光キャビティがその間に形成されるように構成され、第1のミラー202Aは、機械共振器104の変位に応じて光キャビティの光路長Lを変化させるように動かされるように、機械共振器104に固定され、光路長Lを変化させることによって、光共振器108の光共振周波数を変化(すなわちシフト)させる。
【0065】
ブロック715において、SQUID118またはピックアップ・コイル502が、機械共振器104を動かすことによってSQUIDのインダクタンスを変化させるように、機械共振器104の変位に応じて動くように配置される。SQUIDは、マイクロ波共振器120に組み込まれ、それにより、マイクロ波共振器120のマイクロ波共振周波数を変化(すなわちシフト)させる。
【0066】
機械共振器104(たとえばカンチレバー)は、機械共振器104がz方向で自由に振動するように基板102に取り付けられる。
【0067】
マイクロ波共振器120は、SQUID118またはピックアップ・コイル502がxおよびz方向(すなわちBおよびB)の成分を有する磁場Bの領域に位置できるように配置される。機械共振器の曲げ運動が、磁場に対すSQUIDループまたはるピックアップ・コイルの向きを変化させ、それによりSQUIDループ内の磁束の量を変化させる。それにより、この磁束の変化がSQUIDのジョセフソン・インダクタンスを変化させ、それによりマイクロ波共振器の共振周波数を変化させる。
【0068】
マイクロ波共振器120は、コンデンサ110に接続された超伝導量子干渉デバイス(SQUID)112を備える。機械共振器の変位が、SQUID112内の磁束の大きさを変化させて、SQUIDにおけるジョセフソン・インダクタンスを対応して変化させ、それによりマイクロ波共振器120のマイクロ波共振周波数を変化させるように構成されるように、SQUID112は、機械共振器上に構成される。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、第1のミラー202AおよびSQUID118またはピックアップ・コイル502は、機械共振器104に固定され、そうすることで、機械共振器104の変位は、同時に、第1のミラー202Aを介して光共振周波数を変化させると共に、SQUID112におけるジョセフソン・インダクタンスを変化させることによってマイクロ波共振周波数を変化させるようになる。機械共振器104の振動は、(フィードライン106を介して入力された)マイクロ波周波数でのマイクロ波信号を(ミラー202Bを介して出力される)光周波数での光信号に変換させるように構成される。逆に、機械共振器104の振動は、(ミラー202Bを介して入力された)光周波数での光信号を(フィードライン106を介して出力される)マイクロ波周波数でのマイクロ波信号に変換させるように構成される。
【0070】
光ポンプ・トーンが、光共振器および機械共振器にエネルギーを加え、マイクロ波ポンプ・トーンが、マイクロ波共振器および機械共振器にエネルギーを加える。マイクロ波信号を光信号に変換する周波数変換プロセスは、情報のエネルギーおよび位相の両方が持続されるようにユニタリである。光信号をマイクロ波信号に変換する周波数変換プロセスは、情報のエネルギーおよび位相の両方が持続されるようにユニタリである。マイクロ波共振器、光共振器、および機械共振器は、単一マイクロ波光子を単一光学光子に変換し、(同様に)単一光学光子を単一マイクロ波光子に変換するように構成される。
【0071】
機械共振器の変位は、機械共振器の変位に応じて、SQUIDにおける全磁束が変化する大きさを有するように、SQUIDの位置、角度、または向きをシフトさせるように構成され、全磁束の変化する大きさは、SQUIDにおけるジョセフソン・インダクタンスを対応して変化させ、それによりマイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させるように構成される。
【0072】
図4を参照すると、別のSQUID118_2が、機械共振器104の変位に応じて動くように配置され、したがって、その別のSQUID118_2を動かすことによって別のマイクロ波共振器120_2のインダクタンスを変化させ、それによりその別のマイクロ波共振器120_2のマイクロ波共振周波数を変化させる。マイクロ波共振器120_1は、光共振器108に結合するようにマイクロ波共振器120_1を選択するために、フィードライン106_1に容量結合される。別のマイクロ波共振器120_2は、光共振器108に結合するようにその別のマイクロ波共振器120_2を選択するために、別のフィードライン106_2に容量結合される。
【0073】
図12は、本発明の一実施形態による、量子情報を含むマイクロ波光子を量子情報を含む光学光子に上方変換する周波数変換デバイス100、400、500の概念を示す、ブラック・ボックス図である。周波数変換デバイス100、400、500を動作させるために、情報を搬送するマイクロ波光子信号がデバイスに入力され、デバイスは、マイクロ波光子信号を、周波数変換デバイス100、400、500により放出される光学光子信号へコヒーレントに変換する。光ポンプ・トーンおよびマイクロ波ポンプ・トーンが、動作を向上させ制御するために周波数変換デバイス100、400、500に印加される。
【0074】
逆に、図13は、本発明の一実施形態による、量子情報を含む光学光子を量子情報を含むマイクロ波光子に下方変換する周波数変換デバイス100、400、500の概念を示す、ブラック・ボックス図である。周波数変換デバイス100、400、500を動作させるために、情報を搬送する光学光子信号がデバイスに入力され、デバイスは、光学光子信号を、周波数変換デバイス100、400、500により放出されるマイクロ波光子信号へコヒーレントに変換する。やはり、光ポンプ・トーンおよびマイクロ波ポンプ・トーンが、動作を向上させ制御するためにデバイスに印加される。
【0075】
図14は、本発明の一実施形態による周波数変換デバイスにおける機械共振、マイクロ波共振、および光共振の周波数および線幅の周波数スペクトル図の概略図である。例示的値が示されているが、値は変更されてもよいことが理解される。図15は、本発明の一実施形態による、マイクロ波ポンプ・トーンおよび光ポンプ・トーンならびに変換された信号の近似周波数配置を示す概略図である。
【0076】
図14は、機械共振902、マイクロ波共振904、および光共振906の3つの共振を周波数スペクトル図で示す。これらは、当業者に理解されるように、それぞれの角共振周波数ω(機械)、ω(マイクロ波)およびω(光)、ならびにそれらの3つの共振線幅κ(機械)、κ(マイクロ波)およびκ(光)によって特徴付けることができる。図15は、3つの共振周波数および3つの共振線幅に関連して周波数空間で示され、本発明の一実施形態による周波数変換デバイスの動作を容易にするために、近似的にその周波数空間にマイクロ波ポンプ信号およびマイクロ波信号ならびに光ポンプ信号および光信号が配置されるべきである。
【0077】
周波数変換デバイス100、400、500の原理のさらなる詳細が以下に与えられる。理解を容易にするために、小見出しが利用される。小見出しは、説明のためであって限定ではないことが理解されよう。
【0078】
磁束バイアスに対するマイクロ波共振周波数の依存性
【0079】
SQUIDが小さいと仮定すると、
【数1】

であり、ここで、
【数2】

(磁束量子)である。SQUIDループの幾何学的インダクタンスはLであり、Iはジョセフソン接合の臨界電流である。ループを通る磁束に対するジョセフソン接合インダクタンスの依存性は、
【数3】

であり、ここで、
【数4】

であり、
【数5】

である。適用される磁束動作点はφであり、機械的運動による磁束変化はδφである。
【0080】
マイクロ波共振器の角共振周波数は、
【数6】

によって与えられ、ここで、Cは、共振器のキャパシタンスであり、Lは、(ジョセフソン接合およびSQUIDループのインダクタンス以外の)共振器の浮遊インダクタンスであり、Nは、アレイ内のSQUIDループの数である。
【0081】
機械的運動に対するマイクロ波共振周波数の依存性
【0082】
カンチレバーの非常に小さい変位の限界において、マイクロ波共振器の角共振周波数は、
【数7】

として表すことができ、ここで、
【数8】

は、機械的運動がないときの平均共振周波数であり、zは、機械的運動の振幅である。
【0083】
機械共振器(カンチレバー)の垂直変位による角共振周波数のシフトは、
【数9】

である。一次導関数は、
【数10】

として表すことができ、ここで、
【数11】

であり、
【数12】

である。
【0084】
電気機械結合レート
【0085】
電気機械結合強度は、
【数13】

によって与えられ、ここで、
【数14】

である。
【数15】

の場合、
【数16】

である。N=2かつ
【数17】

の場合、
【数18】

である。B=10−3T(10G)かつw=50μmの場合、
【数19】

である。
【数20】

、L=0.1nH、zZPF=5・10−16mであり、I=1μAおよびLJ0=0.17nHであるように仮定される。
【数21】

では、SQUIDインダクタンスは、0.34nHである。結合定数は、
【数22】

である。
【0086】
マイクロ波共振器の有する損失は非常に小さくできる
【0087】
マイクロ波共振器は、4ω≫κe,oおよびκe,o≫ge,oの分解サイドバンド限界(resolved-sideband limit)において動作していると仮定される。ここで、κe,oは、マイクロ波(e)共振または光(o)共振であり、ge,oは、マイクロ波(e)共振器と機械的運動との間、または光(o)共振器と機械的運動との間の結合定数である。したがって、
【数23】

の場合、
【数24】

を1MHzに設定し、これにより、
【数25】

の場合、Qext=7000が得られる。ここで、Qextは、外部回路に関するマイクロ波共振器の品質係数である。この設計例におけるマイクロ波共振器キャパシタンスは、C=1.2pFに設定され、マイクロ波信号フィードラインに関する結合キャパシタンスは、C=8.8fFに設定される。1つの特定の要件は、Q≫Qextであり、Qextは外部品質係数であり、Qは内部品質係数である。実現可能性の証明として、4〜6.5GHzの範囲で共振する(誘電体層として単結晶シリコンを使用する平板コンデンサとして実装される)C≒2pFを有する超伝導共振器のQは、20mKでの単一光子励起方式においてQ=2・10ほどの高さであり得ることが示されている。
【0088】
電気機械変換レートの制限
【0089】
結合定数を高めるために、機械共振器の共振周波数によって、マイクロ波キャビティ共振(すなわち、マイクロ波共振器共振)から赤方偏移させた強い非共振マイクロ波ポンプ・トーンを適用することができる。このポンプ・トーンは、マイクロ波から機械への結合定数の大きさを
【数26】

に設定する。ここで、nは、適用されたポンプ・トーンによるマイクロ波共振器内に存在する光子の数であり、ge0は、機械共振器のゼロ点運動のレベルで存在する最小のマイクロ波から機械への結合である。
【0090】
達成され得る最大結合定数の上限を得るために、式においてgを、マイクロ波共振器に適用できる光子の最大数の推定値(それより上でジョセフソン接合が電圧状態になる)n≒10に置き換える。これにより、上限
【数27】

が得られる。大きなマイクロ波駆動によるジョセフソン接合によって示される非線形性の開始を考慮することによって、より厳しい制限が見出され得ることに留意されたい。
【0091】
続いて、これは、周波数変換レートの上限をもたらし、これは、分解サイドバンド限界において、
【数28】

によって与えられ、
【数29】

のようになる。
【0092】
上方変換/下方変換のための見掛けの光子数効率
【0093】
分解サイドバンド限界条件4ω≫κ,κにおける上方変換/下方変換プロセスのための見掛けの光子数効率は、
【0094】
【数30】

によって与えられる。
【0095】
ここで、A=Aは、総変換利得であり、
【数31】

は、マイクロ波回路利得であり、
【数32】

は、光回路利得であり、κは、固有の機械的減衰であり、
【数33】

および
【数34】

はそれぞれ、マイクロ波共振器および光共振器から伝搬モードに入るエネルギーの割合を表し、κe,extおよびκo,extはそれぞれ、エネルギーがマイクロ波共振器および光共振器から伝搬モードに入るレートを表し、εは、光モード整合である。
【0096】
【数35】

から分かるように、デバイスが以下の条件を持たす場合、単位元(unity)に近い機械共振ω=ωにおける上方変換/下方変換効率Soe(ω)、Seo(ω)を得ることができる。
【0097】
(1)周波数変換デバイスは、分解サイドバンド限界内で動作し、利得
【数36】

を生成する。
【0098】
(2)変換レートΓ、Γが一致するΓ=Γ
【0099】
(3)機械損失κは変換レートΓ、Γと比べて無視できる。
【0100】
(4)η、ηは両方とも単位元に近く、すなわち、両方の共振器が強く結合しており、内部損失が小さく、整合パラメータεが光キャビティについて単位元に近づく。ここで、記号ηおよびηはそれぞれ、マイクロ波共振器または光共振器を離れた後、フィードラインまたは光ファイバによって収集されるマイクロ波エネルギーおよび光エネルギーの割合を表す。
【0101】
周波数変換デバイスの例示的使用方式
【0102】
周波数変換デバイスを使用する提案された方式について典型的な数値が仮定される。典型的な数値は、機械共振器周波数
【数37】

を含み、機械共振器品質係数は
【数38】

であり、マイクロ波共振器周波数は
【数39】

であり、マイクロ波共振器外部品質係数は
【数40】

であり、マイクロ波共振器内部品質係数は
【数41】

であり、光共振周波数は
【数42】

であり、光共振器外部品質係数は
【数43】

であり、光共振器内部品質係数は
【数44】

であり、光学機械および電気機械の変換レートは
【数45】

である。
【0103】
典型的な数値は、機械共振器線幅
【数46】

、マイクロ波共振器品質係数
【数47】

、光共振器品質係数
【数48】

、マイクロ波共振器線幅
【数49】

、光共振器線幅
【数50】

、マイクロ波回路利得A=1.08、光回路利得A=1.04、マイクロ波結合効率η=0.93、および光結合効率η=0.99εであり、ここで、ミラーがレーザ・ビームのサイズに比べて大きい場合、ε≒1が妥当である。したがって、
【数51】

であり、これは、単位元に非常に近い(または周波数変換に関して単位元であるとみなされてもよい)。
【0104】
当業者に理解されるように、本明細書で論じた構成要素/要素を製造するために様々なマイクロ電子デバイス製造方法が利用され得ることに留意されたい。超伝導および半導体デバイス製造において、種々の処理ステップは、4つの一般的なカテゴリ、すなわち、堆積、除去、パターニング、および電気的特性の変更に分けられる。
【0105】
堆積は、ウェハ上に材料を成長させ、コーティングし、または材料を転写する任意のプロセスである。利用可能な技術には、特に、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、電気化学堆積(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、さらに最近では原子層堆積(ALD)が含まれる。
【0106】
除去は、ウェハから材料を除去する任意のプロセスであり、例として、エッチング・プロセス(湿式または乾式のいずれか)および化学機械的平坦化(CMP)などがある。
【0107】
パターニングは、堆積させた材料の整形または変更であり、一般にリソグラフィと呼ばれる。たとえば、従来のリソグラフィでは、ウェハはフォトレジストと呼ばれる化学物質でコーティングされ、次いで、ステッパと呼ばれる機械がマスクの焦点を合わせ、マスクを位置合わせし、動かして、下のウェハの選択部分を短波長光で露光し、露光した領域を現像液で洗い流す。エッチングまたは他の処理の後、残っているフォトレジストが除去される。パターニングには、電子ビーム・リソグラフィも含まれる。
【0108】
図3図11、および図12、13のフローチャートおよびブロック図は、システムおよび方法の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。いくつかの代替的実施形態では、ブロックに示された機能は、図に示された順序から外れて行われることがある。たとえば、連続して示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されることがあり、またはブロックが、含まれる機能に応じて逆の順序で実行されることがある。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を行う、または専用ハードウェアとコンピュータ命令とを組み合わせて実行する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装され得ることにも留意されたい。
【0109】
本発明の好ましい実施形態では、周波数変換装置が提供され、周波数変換装置は、軸における変位を伴う機械共振周波数で振動するように構成された機械共振器と、機械共振器の変位が光共振器の光路長を変化させるように構成された光共振器であって、第2のミラーに対向する第1のミラーを含み、光キャビティがその間に形成され、第1のミラーは、光キャビティの光路長を変化させるように動かされるように、機械共振器に固定され、光路長を変化させることによって、光共振器の光共振周波数を変化させる、光共振器と、ピックアップ・コイルであって、ピックアップ・コイルを動かすことによってピックアップ・コイルで受信される全磁束を変化させるように、機械共振器の変位に応じて動くように配置され、ピックアップ・コイルは、全磁場の変化に応じて電流が変化する回路内にある、ピックアップ・コイルと、入力コイルであって、回路内の電流の変化の結果として、全磁束を変化させることによって入力コイルにおける二次全磁場を発生させるように、回路を介してピックアップ・コイルに接続された入力コイルと、SQUIDであって、入力コイルに結合されると共にマイクロ波共振器に組み込まれ、したがって、二次全磁場を変化させることによってSQUIDのジョセフソン・インダクタンスを変化させ、ジョセフソン・インダクタンスを変化させることによってマイクロ波共振器のマイクロ波共振周波数を変化させる、SQUIDとを備える。
【0110】
好ましくは、マイクロ波共振器は、コンデンサに接続されたSQUIDを備え、SQUIDおよびマイクロ波共振器は、機械共振器上に配置されない。
【0111】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示されており、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることは意図されていない。多くの変更および変形が、記載された実施形態の範囲から逸脱することなく当業者には明らかであろう。本明細書で使用された用語は、本発明の実施形態の原理、実際の適用、もしくは市場で見られる技術に対する技術的改良を最もよく説明するように、または他の当業者が本明細書に開示された本発明の実施形態を理解できるように選択されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15